JP3967541B2 - 乳房カップを有する女性用衣料 - Google Patents

乳房カップを有する女性用衣料 Download PDF

Info

Publication number
JP3967541B2
JP3967541B2 JP2000357183A JP2000357183A JP3967541B2 JP 3967541 B2 JP3967541 B2 JP 3967541B2 JP 2000357183 A JP2000357183 A JP 2000357183A JP 2000357183 A JP2000357183 A JP 2000357183A JP 3967541 B2 JP3967541 B2 JP 3967541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
breast cup
core material
breast
cup
clothing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000357183A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002161404A5 (ja
JP2002161404A (ja
Inventor
玲子 安井
順子 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wacoal Corp
Original Assignee
Wacoal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wacoal Corp filed Critical Wacoal Corp
Priority to JP2000357183A priority Critical patent/JP3967541B2/ja
Publication of JP2002161404A publication Critical patent/JP2002161404A/ja
Publication of JP2002161404A5 publication Critical patent/JP2002161404A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3967541B2 publication Critical patent/JP3967541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Corsets Or Brassieres (AREA)

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料に関する。特に、運動時の乳房形状の変化に応じてカップ形状が変化、追従しやすい女性用衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ブラジャー、ロングブラジャー、ボディスーツ、水着などの乳房カップを有する女性用衣料は女性用の被服として広く普及している。一般にこれらの女性用の女性用衣料は、乳房の形を整え、そのシルエットをできるだけ美しくするために乳房カップ部のカップの縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁にほぼ円弧状の金属製のカップワイヤーを具備しているものが広く普及しており、前記カップワイヤーの剛性を利用してカップの変形を食い止めて乳房の形を美しく保とうとするものである。
【0003】
この代表的な例をブラジャーの場合の例を挙げて説明する。図7は、従来のカップワイヤーを有するブラジャーの一例の正面図である。図7において100が乳房カップ、104が乳房カップのカップの縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁であり、ほぼ円弧状のカップワイヤーを具備している部分である。乳房カップほぼ下半部の湾曲縁は、特に厳密な境界があるわけではないが、以後の説明の便宜上、aの部分を脇側の縁、bの部分を下側の縁、並びにcの部分を前中心側の縁と呼ぶことにする。この名称は、この従来例の説明だけでなく、本発明においても共通の名称である。また、103はカップの最下点である。通常、カップワイヤーは、乳房カップの下縁の湾曲縁に沿って取り付けられるバイアステープなどと称される布地で被われてバイアステープの周囲の縁が乳房カップに縫合される様な方式などで取り付けられており、更にカップワイヤーがバイアステープの長さ方向の端部から抜け出ないように、その両端を縫製して閉じている。このような従来より用いられているバイアステープを用いたカップワイヤーの取り付け構造は、例えば、実用新案登録第2529476号公報の図23〜図24、並びにその説明として[0009]欄に記載されている。そのほか実用新案登録第2550378号公報などにも同様に記載されている。また、図7において、101は土台布、105はバック布であり、図7に示されたブラジャーは、その左右のバック布105が人体背面側で相互に開閉可能に係止し得る後ろ開きタイプのブラジャーである。バック布の先端の係止部107、108にはフック・アンド・アイとも呼ばれる鈎ホックの後環部(アイ)と、アイに引っかけて止めるための鈎ホックの爪部(フック)とがそれぞれ取り付けられていて、着用時には、フックとアイを係止して左右のバック布105を連結し、脱ぐ場合には、フックとアイの係止をはずす方式が、通常、ポピユラーに用いられている。106は肩紐である。
【0004】
次に、図9に従来のロングブラジャーの一態様の斜視図を示した。このロングブラジャーは、ウェストニッパーの機能も兼備させたロングブラジャーであり、フロントボディ部110が長くウェスト下部まで延在しており、105のバック布もほぼ同様に長くウェスト下部まで延在している。104が乳房カップのカップの縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁であり、ほぼ円弧状のカップワイヤーを具備している部分である。この態様のロングブラジャーは、乳房の下側からウェスト部までの形を整えウェストを細く見せるようにするため、ほぼ直線状の金属やプラスチックスの細幅の帯状物からなるボーン109を更に具備しており、前記カップワイヤーとほぼ同様に、ボーンはバイアステープで被われてバイアステープの周囲の縁がフロントボディ部110に縫合される様な方式などで取り付けられており、更にボーンがバイアステープの長さ方向の端部から抜け出ないように、その両端を縫製して閉じている。その他、図7のブラジャーと同様の部分は同一の符号を付して重複説明を省略した。
【0005】
なお、図7図9に示したブラジャーやロングブラジャーにおいて、乳房カップのカップの縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁に、前述したような態様で取り付けられているほぼ円弧状のカップワイヤーの代表的一例(着用者の左側の乳房にあてがわれる向きで描かれている。)の正面図を図8に示した。
【0006】
これらの素材は、鋼鉄、形状記憶合金、プラスチックス(繊維強化プラスチックスなども含む)などからなり、断面形状は特に図示していないが、図8におけるA−A′断面の断面形状が、ほぼ丸い断面の線状のカップワイヤーや、断面形状が一般に縦長になる扁平な長方形、8角形などの多角形、楕円形などの細幅の帯状物からなるカップワイヤーが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら従来の、カップワイヤーを具備している乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する女性用衣料は、腕を高く上げるなどの人体の動きに対し、筋肉や皮膚伸びに対する追従性が劣るため、ずれが生じて着くずれたり、ワイヤーやボーンの身体への当たりがきつくなったりして着用感が低下するなどの問題が生じていた。
【0008】
図10に人体左側の乳房のバージスライン(乳房の周囲の縁に相当するライン)のモデル図を示したが、本発明者らが分析したところによると、120が直立して腕を下げている状態の乳房のバージスラインであり、121の点線で示したラインが、直立して且つ腕を上に挙げている状態の乳房のバージスラインのモデル図である。なお、図の右側が、人体の外側(脇側)であり、図の左側が、人体の内側(中心側)である。図10の120と121のラインの比較から明らかなように、(A)腕を上に挙げると、バージスの外側は、人体の内側方向に動き、縦に長くなるが、バージスの内下側は変化が少ないことが認められる。そのほか、図示してはいないが、(B)腕を上に上げると、乳房の存在する位置の人体脇側の皮膚の伸びは大きいが、下に行くほど皮膚の面積変化は少なくなり、ウェスト近傍の人体脇側の皮膚の伸びは乳房の存在する位置の人体脇側の皮膚の伸びより小さいことが認められる。(A)に挙げた理由により、カップワイヤーを具備している乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する従来の女性用衣料は、腕を高く上げるなどの人体の動きに対し、カップ部のずれが生じて着くずれたり、ワイヤーやボーンの身体への当たりがきつくなったりして着用感が低下するなどの問題が生じる。また、乳房カップ部の存在する位置の背面側にもバック布が存在するロングブラジャーなどでは、(B)の理由により、かなり皮膚や体型の変化の大きい部分の背面側にもバック布が存在するので、着用中の動きによる締め付けが大きくなり、締め付けによる苦しさなどの着用感の低下が生じている。
【0009】
本発明の主たる目的は前記従来の問題を解決し、腕を高く上げるなどの人体の動きに対し、筋肉や皮膚伸びに対する追従性が良好で、ずれの発生やそれに伴う着くずれを防止し、ワイヤーやボーンなどの芯材の身体への当たりが緩和され、着用感が良好な、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の好ましい態様においては、ロングブラジャーボディスーツの様に、乳房カップの下側に連なりウェスト近傍ないしはそれより長く下方に延在している胴部を有する態様の衣料において、上記の目的とともに、更に、着用中の動きによる胸部の締め付けなどの問題が軽減された着用感の良好な乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐と乳房カップとその下側に連なる胴部を有する女性用衣料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明のロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料(以下、これらを単に女性用衣料と略称することがある)は、次のものである。
【0012】
(1)乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料であって、
乳房カップの脇側上端から乳房カップの最下点よりも脇側の位置までは乳房カップの脇側の縁に沿い、更に連続して前記乳房カップの最下点よりも脇側の位置からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって弾力性を有する芯材が取り付けられていて
芯材の乳房カップの縁から離れて略下方に向かっている部分が屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられており、
前記乳房カップの脇側上端近傍に前記肩紐の一端が取り付けられていることを特徴とする女性用衣料。
【0013】
(2)前記(1)項に記載の本発明の女性用衣料においては、女性用衣料が、乳房カップの下側に連なりウェスト近傍ないしはそれより長く下方に延在している胴部を有し、前記胴部の背面側のバック布が、乳房カップ部の存在する位置よりも下側で、ウェスト近傍部分、またはウェスト近傍部分とそれより下側をカバーする部分に存在する構造のロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料であることが好ましい。
【0014】
(3)また、本発明の女性用衣料は、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料であって、前記女性用衣料は、乳房カップの下側に連なりウェスト近傍ないしはそれより長く下方に延在している胴部を有しており、前記胴部の背面側のバック布が、乳房カップ部の存在する位置よりも下側で、ウェスト近傍部分、またはウェスト近傍部分とそれより下側をカバーする部分に存在する構造の女性用衣料であり、乳房カップの脇側上端から乳房カップの最下点よりも脇側の位置までは乳房カップの脇側の縁に沿い、更に連続して前記乳房カップの最下点よりも脇側の位置からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって弾力性を有する芯材が取り付けられていて、前記芯材の乳房カップの縁から離れて略下方に向かっている部分は屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられており、前記乳房カップの脇側上端近傍に前記肩紐の一端が取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
(4)また、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の本発明の女性用衣料においては、弾力性を有する芯材上端のほぼ延長ライン上に肩紐が取り付けられており、前記弾力性を有する芯材が、肩紐により上方且つ前中心側方向である斜め上方に引っ張られた際に、前記弾力性を有する芯材の屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている部分が脇側方向に屈曲が減少する様にたわむとともに、前記弾力性を有する芯材の乳房カップの脇側の縁に沿って設けられている部分が、前中心側にたわみ、乳房の脇を前中心側に寄せる機能を有する衣料であることが好ましい。
【0016】
(5)また、前記(1)、(2)、(4)項のいずれかに記載の本発明の女性用衣料においては、女性用衣料が、ロングブラジャーであって、且つ、その左右のバック布が人体背面側で相互に開閉可能に係止し得る後ろ開きタイプの女性用衣料であって、前記バック布がウェスト近傍部分に存在する構造の女性用衣料であることが好ましい。
【0017】
(6)また、前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の女性用衣料においては、乳房カップの脇側から下側並びに前中心側に至るほぼ下半部の湾曲縁に沿った部分であって、前記弾力性を有する芯材が存在しない部分に、更にカップワイヤーが取り付けられていることが好ましい。
【0018】
(7)また、前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の本発明の女性用衣料においては、弾力性を有する芯材が、金属線状ないし細幅帯状芯材、プラスチック線状ないし細幅帯状芯材、金属コイルボーンから選ばれた芯材であることが好ましい。
【0019】
(8)また、前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の本発明の女性用衣料においては、弾力性を有する芯材が、金属コイルボーンからなる芯材であることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する女性用衣料であるロングブラジャーの一実施の形態例の前側方向から見た斜視図を示した。
【0021】
図1において1が乳房カップ、10aと10bの両者で乳房カップのカップ1の縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁を表しており、15は胴部を形成するフロント布、16は胴部を形成する脇布、4は胴部を形成する胴部の背面側のバック布であり、脇布16とバック布4はこの実施の形態例では、一体となっている例を示したが、脇布16とバック布4はそれぞれ別のピースとして、その両者を縫製などにより接ぎ合わせる態様としてもよいことはもちろんである。胴部を形成するフロント布15は、乳房カップ1の下側に連なりウェスト近傍まで延在している。そして前記胴部の背面側のバック布4が、乳房カップ部の存在する位置の背面側よりも下側で、この例では背面側のウェスト近傍部分に存在する構造のロングブラジャーである。特に限定するものではないが、胴部を形成するフロント布15は、衣料の横方向又は縦横両方向に伸縮性を有する生地を用いることが好ましく、胴部を形成する脇布16は衣料の縦方向又は縦横両方向に伸縮性を有する生地を用いることが好ましい。
【0022】
5a、5bはバック布4の先端の係止部、係止部5aの裏側には、フック・アンド・アイとも呼ばれる鈎ホックの爪部(フック)6aが取り付けられており、係止部5bの表側には鈎ホックの後環部(アイ)6bが取り付けられていて、着用時には、フック6aをアイ6bに引っかけて左右のバック布4を連結し、脱ぐ場合には、フックとアイの係止をはずす。すなわちこのロングブラジャーは、左右のバック布4が人体背面側で相互に開閉可能に係止し得る後ろ開きタイプのロングブラジャーである。
【0023】
そしてこのロングブラジャーにおいては、弾力性を有する芯材8は、乳房カップ1の脇側上端から乳房カップの最下点3よりも脇側の位置2までは乳房カップの脇側の縁10bに沿い、更に連続して前記乳房カップ1の最下点3よりも脇側の位置2からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって胴部の裾に至るまで延在して取り付けられている。乳房カップの縁10bから離れて略下方に向かって取り付けられている弾力性を有する芯材8の部分を8aとして示した。芯材8aの部分は、屈曲部を17で示したように衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられていて、更に略斜め外側下方に向かっている。芯材8は乳房カップの縁10bの部分の芯材がバストの造形作用を発揮し、乳房カップの縁10bから離れて取り付けられている8aの部分が、フロント布15と脇布16の胴部の生地のめくれ上がりや皺が生じないように身体にフィットさせる機能を担っている。
【0024】
芯材8の取り付け態様は、特に限定するものではないが、例えば、乳房カップの脇側の縁10bに沿って図6に示すように肌側面及びカップの外側面に、芯材8の幅より少し広幅のバイアステープなどと称される布地で前後から挟まれるように覆い被されて取り付けられている。
【0025】
図6は、乳房カップの所定の縁(この場合には乳房カップの脇側の縁10b)に沿って弾力性を有する芯材8が取り付けられている一態様を示す断面略図である。1が乳房カッ プ(一部分のみ図示した。)、81が乳房カップ1の表側に配置されるバイアステープ、82が乳房カップ1の裏側に配置されるバイアステープであり、これらを縫製ライン83と84とで縫製して、芯材8が取り付けられている。
【0026】
なお、芯材8aの部分は芯材8の一部であり、一体物である。芯材8の乳房カップの縁から離れて略下方に向かって取り付けられている部分8aの部分の衣料本体への取り付け構造は特に限定するものではないが、例えば図6で説明した様な方法や、本発明の目的を阻害しない限り、例えば、前述した実用新案登録第2529476号公報や実用新案登録第2550378号公報、その他各種の公知のカップワイヤーの取付態様と同様の各種の取付態様が適用できる。この場合において、図6で言及した乳房カップ1の部分を、取り付けられる衣料の本体布(この実施の形態例ではフロント布15)に置き換えて理解すればよい。
【0027】
なお、本発明における弾力性を有する芯材の取り付け態様は、この例に限らず、他の本発明の女性用衣料にも同様に適用できることはもちろんである。従って、以後の各実施の形態例においては、芯材の取り付け態様は、その詳細な説明を省略している。
【0028】
そして、図1に示された本発明のロングブラジャーにおいては、着用者が腕を下げている場合の通常の状態の場合には、図1に示されている様に、芯材8は、通常時の乳房のバージスライン(図10のライン120)の脇側の形状に沿ったカーブを描いた形で存在し、芯材8aの部分は、乳房カップの最下点よりも脇側の位置2の点で乳房カップの縁から離れて略下方に向かい、前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描くような態様で取り付けられている。ここで着用者が腕を上に挙げた場合に、図10の点線121で示したように乳房のバージスラインが、バージスの外側(脇側)は、人体の内側(中心側)方向に動き、縦に長くなる、すなわち乳房の形がこのバージスライン121のごとく変形するが、肩紐7も腕を上に挙げることにより矢印12で示したように人体の内側(中心側)方向に動くとともに、それに伴い乳房カップの脇側の縁10bの部分に沿って存在する芯材8も矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動き、且つ、腕を上に挙げることにより肩紐7が引っ張られるのに伴い、衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインの屈曲部17が、矢印13とは反対方向に若干動いて、芯材8(8a部分も含めて)が全体として直線状になるような方向(屈曲が減少する様に)に動く。以上の様に、乳房カップの脇側の縁10bの部分に沿って存在する芯材8は矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動いて、乳房の変形に追従して動き、従って乳房カップがその動きに追従するようになる。そして芯材8aの屈曲部17近傍の部分が、矢印13方向とは反対側に動くので、屈曲部17より上の芯材8部分がより矢印13方向に容易に動きやすくなり、乳房のバージスラインの変形に追従して乳房カップがその動きに追従できるようになる。そして特に、芯材8が例えば図5(平面図)に示すような金属コイルボーンからなる場合には、金属コイルボーンはコイル状に巻かれた金属線からなるバネ状物を扁平につぶしたコイルの帯状物に相当するものであり、スパイラルボーンとも呼ばれている公知のボーンであるので、非常に乳房の変形に追従しやすく、更に腕を上に挙げることにより肩紐7が引っ張られ、金属コイルボーンもそれに応じて伸び、バストの上側への伸び変形にも対応すると同時に芯材8が引っ張られることにより乳房カップの縁10bの部分の芯材8が矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動く応力が働き人体の内側(中心側)方向に動いて(撓んで)、乳房のバージスラインの変形に追従して動き、従って乳房カップがその動きに追従できるようになり、特に、芯材が金属コイルボーンの場合には、比較的小さな応力で変形するので、変形の際の乳房への当たりも、きつくなく、着用感が良好な、肩紐を有するブラジャーを提供できる。この実施の形態では芯材8として金属コイルボーンを使用したものである。
【0029】
そして、本発明の衣料においては、前記乳房カップ1の脇側上端近傍に前記肩紐7の一 端が取り付けられていることが重要である。ここで、乳房カップ1の脇側上端近傍とは、乳房カップ1の脇側の芯材8の存在する部分の延長上か、芯材8の存在する部分の延長上でなく、多少それがずれてもよいが、せいぜい、肩紐7の外側(脇側)の縁のラインと芯材8の内側(前中心側)の縁のラインとが重なる程度の範囲内までのずれを許容することを意味している。肩紐7の外側(脇側)の縁のラインと芯材8の内側(前中心側)の縁のラインとが離れるほどずれていては、腕を上に挙げた際に、肩紐7による芯材8の矢印13方向への動きとか金属コイルボーンの場合の肩紐にかかった応力に応じた伸びなどが十分に作用せず好ましくない。本発明の他の実施の形態で示す衣料においても、「乳房カップの脇側上端近傍に肩紐の一端が取り付けられている」の意味は同様である。また、「弾力性を有する芯材上端のほぼ延長ライン上に肩紐が取り付けられ」も、同様の意味である。なお、14は肩紐7の取り付け位置を示している。
【0030】
そして、この例では、肩紐7は芯材8の延長線上にピッタリと合致した位置で取り付けられてはおらず、前述した肩紐の外側(脇側)の縁のラインと芯材8の内側(前中心側)の縁のラインとが重なる程度の範囲内でずれた位置で肩紐7が取り付けられている例である。しかし、図1に示したロングブラジャーにおいて、肩紐の取り付け位置14は、芯材8の上端とピッタリ合致したその延長ライン上であってもよいことはもちろんである。
【0031】
以上のように、乳房カップの脇側上端近傍に肩紐の一端が取り付けられていることにより、腕を上に挙げた際に、肩紐7による芯材8の矢印13方向への動きとか、金属コイルボーンの場合の肩紐にかかった応力に応じた伸びなどが十分に発揮されることになる。
【0032】
また、図1のブラジャーにおいては、必要に応じ、乳房カップ1の下側の縁から前中心側の縁にかけての乳房カップ1の湾曲縁周縁10aに更にカップワイヤー9が取り付けられていてもよいし、取り付けられていることが乳房の形を整えバストアップなどの機能を補佐する点で好ましい。この場合のカップワイヤー9は乳房カップ1の最下点3よりも脇側の位置2から前中心側までに存在する通常よりは短い長さのカップワイヤーになる。カップワイヤー9と、乳房カップの脇側の縁10bに沿って取り付けられている弾力性を有する芯材8とは、通常、脇側の位置2において、一体とはなっておらず、別々の部材からなっている。
【0033】
かくして、上述した本発明のロングブラジャーは、腕を高く上げるなどの人体の動きに対し、乳房のバージスラインの変化や、それに伴う筋肉や皮膚伸びに対する追従性が良好で、乳房カップ部のずれの発生やそれに伴う着くずれを防止し、ワイヤーやボーンなどの芯材の身体への当たりが緩和され、着用感が良好な、肩紐を有するロングブラジャーが提供できる。そしてこのロングブラジャーは、芯材8(8aの部分も含む意味である)の乳房カップの縁10bから離れて取り付けられている8aの部分が長く、衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられていて、屈曲部17を有するので、乳房カップの縁10bの部分のカーブも考慮すると全体的にはS字状又はその左右線対称状のカーブ形状となっており、腕を挙げた伸びの動作の時には、芯材8は前述したような方向に動き、全体として直線形状(屈曲部の屈曲が減少する方向)に撓もうとし、乳房カップが乳房のバージスラインの変形に追従する。そして身体を左、又は右にねじった時には、例えば右方向に身体を回転してねじったと仮定すると、左側の芯材8の屈曲部17のカーブがよりきついカーブとなり、右側の芯材8の屈曲部17のカーブがより緩やかなカーブになり身体の動きに追従することができる。また、前屈姿勢をとった時でも、左右の芯材8の屈曲部17のカーブが共によりきついカーブに撓んで、お腹に突っ張るようなことがない。これに対し、従来のロングブラジャーの図9で示したような態様のロングブラジャーは、ボーン109が直線状であり屈曲部分がないため、伸びや身体のねじりの動作に追従することができない。また、前屈姿勢をとった場合には、ボーン109が突っ張って、お腹に当り極めて着用感が低下する。本発明のロングブラジャーは前述したように芯材8がS字状のカーブ又はそれと左右線対称のカーブ形状になるように取り付けられているので、容易に身体の動きの変化に対応でき、余り強い力をかけないで、体型変化に追従し、身体にフィットするのである。
【0034】
そして、この態様のロングブラジャーは、前記(A)、(B)で説明したような腕を挙げた時の体型の変化、特に(B)で説明した腕を上に上げると、乳房の存在する位置の人体脇側の皮膚の伸びは大きいが、下に行くほど皮膚の面積変化は少なくなり、ウェスト近傍の人体脇側の皮膚の伸びは乳房の存在する位置の人体脇側の皮膚の伸びより小さいことが認められる点を考慮し、バック布4の位置を前記皮膚の伸びや呼吸による体幹の寸法変化の大きい乳房カップの位置の後ろ側ではなく、人体脇側の皮膚の伸びや体幹の寸法変化の小さいウェスト近傍に設けることにより、乳房カップの位置の後ろ側に設けた場合のような、着用中の動きによる締め付けが大きくなり、締め付けによる苦しさなどの着用感の低下が生じる事を解消し、着用中の寸法変化の大きい胸部の締め付けによる苦しさがなく、極めて着用感が楽で、背中へのバック布やその先端の係止部などの背中への食い込みがなく、夏は涼しく、また、背中の露出度の高いアウターウエアーも着用できるなどの優れた効果を発揮することができる。
【0035】
また、芯材8が乳房カップ部と胴部にわたって存在するので、バストを美しく造形すると共に上腹部に達するフロント布の形状を皺が発生しないように、またはめくれ上がらないように、スムーズな状態に保持する機能も発揮でき好ましい。
【0036】
次に図2に本発明の、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する女性用衣料であるボディスーツの一実施の形態例の前側方向から見た斜視図を示した。図1と同じ部分には同じ符号を付している。
【0037】
図2において1が乳房カップ、10aと10bの両者で乳房カップのカップ1の縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁を表しており、15は胴部を形成するフロント布、4は胴部を形成する胴部の背面側のバック布であり、バック布は図示していないが、通常のボディスーツのバック布(後身頃)と同様に、左右対称の2つのピースからなり、これらを後中心で互いに縫合して接ぎ合わせている。特に限定するものではないが、胴部を形成するフロント布15は、衣料の横方向又は縦横両方向に伸縮性を有する生地を用いることが好ましく、胴部を形成するバック布4は衣料の縦方向又は縦横両方向に伸縮性を有する生地を用いることが好ましい。もちろん腹部中央部にお腹押え用の当て布を設けたり、お腹押さえ用の当て布を別途設ける代わりに、その部分の編み組織を切り替えて緊迫力の高い編み組織にすることによって腹部形状を整えるようにすることは任意であるし、また、臀部下部の裾部に沿って帯状にヒップアップ用の当て布を設けたり、帯状のヒップアップ用の当て布を設ける代わりに、その部分の編み組織を切り替えて緊迫力の高い編み組織にすることによってヒップ形状を整えるようにすることは任意である。
【0038】
そしてこのボディスーツにおいては、弾力性を有する芯材8は、乳房カップ1の脇側上端から乳房カップの最下点3よりも脇側の位置2までは乳房カップの脇側の縁10bに沿い、更に連続して前記乳房カップ1の最下点3よりも脇側の位置2からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって胴部の裾に至るまで延在して取り付けられている。乳房カップの縁10bから離れて略下方に向かって取り付けられている弾力性を有する芯材8の部分を8aとして示した。芯材8aの部分は、屈曲部を17で示したように衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられていて、更に略斜め外側下方に向かっている。芯材8は乳房カップの縁10bの部分に沿って存在する芯材がバストの造形作用を発揮し、乳房カップの縁10bから離れて取り付けられている8aの部分が、フロント布15などの胴部の生地に皺が生じないように身体にフィットさせる機能を担っている。
【0039】
芯材8の取り付け態様は、特に限定するものではないが、その例として図6などを用いてすでに説明した通りであり、図1のロングブラジャーで説明した態様と同等の取り付け構造の態様が採用できる。
【0040】
なお、芯材8aの部分は芯材8の一部であり、一体物である。芯材8の乳房カップの縁から離れて略下方に向かって取り付けられている部分8aの部分の衣料本体への取り付け構造は特に限定するものではないが、例えば図6で説明した様な方法や、本発明の目的を阻害しない限り、例えば、前述した実用新案登録第2529476号公報や実用新案登録第2550378号公報、その他各種の公知のカップワイヤーの取付態様と同様の各種の取付態様が適用できる。この場合において、図6で言及した乳房カップ1の部分を、取り付けられる衣料の本体布(この実施の形態例ではフロント布15)に置き換えて理解すればよい。
【0041】
そして、図2に示された本発明のボディスーツにおいては、着用者が腕を下げている場合の通常の状態の場合には、図2に示されている様に、芯材8は、通常時の乳房のバージスライン(図10のライン120)の脇側の形状に沿ったカーブを描いた形で存在し、芯材8aの部分は、乳房カップの最下点よりも脇側の位置2の点で乳房カップの縁から離れて略下方に向かい、前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描くような態様で取り付けられている。ここで着用者が腕を上に挙げた場合に、図10の点線121で示したように乳房のバージスラインが、バージスの外側(脇側)は、人体の内側(中心側)方向に動き、縦に長くなる、すなわち乳房の形がこのバージスライン121のごとく変形するが、肩紐7も腕を上に挙げることにより矢印12で示したように人体の内側(中心側)方向に動くとともに、それに伴い乳房カップの脇側の縁10bの部分に沿って存在する芯材8も矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動き、且つ、腕を上に挙げることにより肩紐7が引っ張られるのに伴い、衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインの屈曲部17が、矢印13とは反対方向に若干動いて、芯材8(8a部分も含めて)が全体として直線状になるような方向(屈曲が減少する様に)に動く。以上の様に、乳房カップの脇側の縁10bの部分に沿って存在する芯材8は矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動いて、乳房の変形に追従して動き、従って、乳房カップがその動きに追従するようになる。そして芯材8aの屈曲部17近傍の部分が、矢印13方向とは反対側に動くので、屈曲部17より上の芯材8部分がより矢印13方向に容易に動きやすくなり、乳房のバージスラインの変形に追従して乳房カップがその動きに追従できるようになる。そして特に、芯材8が例えば図5(平面図)に示すような金属コイルボーンからなる場合には、腕を上に挙げることにより肩紐7が引っ張られ、金属コイルボーンもそれに応じて伸び、バストの上側への伸び変形にも対応すると同時に芯材8が引っ張られることにより乳房カップの縁10bの部分の芯材8が矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動く応力がかかり、人体の内側(中心側)方向に動いて(撓んで)、乳房の変形に追従して動き、従って乳房カップがその動きに追従できるようになり、また、芯材が金属コイルボーンの場合には、比較的小さな応力で変形するので、変形の際の乳房への当たりも、きつくなく、着用感が良好な、肩紐を有するボディスーツが提供できる。この実施の形態では芯材8として金属コイルボーンを使用したものである。そして、本発明の衣料においては、前記実施の形態例と同様に、乳房カップ1の脇側上端近傍に前記肩紐7の一端が取り付けられていることが重要である。すなわちこの実施の形態例では、肩紐の取り付け位置14は、芯材8の存在する部分の延長上にピッタリ合致した位置に取り付けられている。
【0042】
以上のように、芯材8の存在する部分の延長上の乳房カップの脇側上端近傍に肩紐の一端が取り付けられていることにより、腕を上に挙げた際に、肩紐7による芯材8の矢印13方向への動きとか、金属コイルボーンの場合の肩紐にかかった応力に応じた伸びなどが十分に発揮されることになる。
【0043】
また、図2のボディスーツにおいては、必要に応じ、乳房カップ1の下側の縁から前中心側の縁にかけての乳房カップ1の湾曲縁周縁10aに更にカップワイヤー9が取り付けられていてもよいし、取り付けられていることが乳房の形を整えバストアップなどの機能を補佐する点で好ましい。この場合のカップワイヤー9は乳房カップ1の最下点3よりも脇側の位置2から前中心側までに存在する通常よりは短い長さのカップワイヤーになる。カップワイヤー9と、乳房カップの脇側の縁10bに沿って取り付けられている弾力性を有する芯材8とは、通常、脇側の位置2において、一体とはなっておらず、別々の部材からなっている。
【0044】
かくして、上述した本発明のボディスーツは、腕を高く上げるなどの人体の動きに対し、乳房のバージスラインの変化や、それに伴う筋肉や皮膚伸びに対する追従性が良好で、乳房カップ部のずれの発生やそれに伴う着崩れを防止し、ワイヤーやボーンなどの芯材の身体への当たりが緩和され、着用感が良好な、肩紐を有するボディスーツを提供できる。そしてこのボディスーツは、芯材8(8aの部分も含む意味である)の乳房カップの縁10bから離れて取り付けられている8aの部分が長く、衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられていて、屈曲部17を有するので、乳房カップの縁10bの部分のカーブも考慮すると全体的にはS字状又はその左右線対称状のカーブ形状となっており、腕を挙げた伸びの動作の時には、芯材8は前述したような方向に動き、全体として直線形状(屈曲が減少する様な形状)に撓もうとし、乳房カップが乳房のバージスラインの変形に追従する。そして身体を左、又は右にねじった時には、例えば右方向に身体を回転してねじったと仮定すると、左側の芯材8の屈曲部17のカーブがよりきついカーブとなり、右側の芯材8の屈曲部17のカーブがより緩やかなカーブに撓んで、身体の動きに追従することができる。また、前屈姿勢をとった時でも、左右の芯材8の屈曲部17のカーブが共によりきついカーブとなり、お腹に突っ張るようなことがない。このように本発明のボディスーツは芯材8がS字状のカーブ又はそれと左右線対称のカーブ形状になるように取り付けられているので、容易に身体の動きの変化に対応でき、余り強い力をかけないで、体型変化に追従し、身体にフィットするのである。
【0045】
また、芯材8が乳房カップ部と胴部にわたって存在するので、バストを美しく造形すると共に腹部から大腿部に達するフロント布の形状を皺が発生しないようにスムーズな状態に保持する機能も発揮でき好ましい。
【0046】
次に図3、図4に本発明の、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する女性用衣料であるボディスーツの一実施の形態例の正面図と背面図を示した。図1〜図2と同じ部分には同じ符号を付している。
【0047】
図3、図4において1が乳房カップ、10aと10bの両者で乳房カップのカップ1の縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁を表しており、15は胴部を形成するフロント布、16は胴部を形成する脇布、4は胴部を形成する胴部の背面側のバック布であり、脇布16とバック布4はこの実施の形態例では、一体となっている例を示したが、脇布16とバック布4はそれぞれ別のピースとして、その両者を縫製などにより接ぎ合わせる態様としてもよいことはもちろんである。バック布は図4に示す様に、左右対称の2つのピースからなり、これらを後中心の接ぎライン20で互いに縫合して接ぎ合わせている。胴部を形成するフロント布15は、乳房カップ1の下側に連なり腹部を覆って股部まで延在している。そして前記胴部の背面側のバック布4が、乳房カップ部の存在する位置の背面側よりも下側で、この例では背面側のウェスト近傍部分及びそれより下側部分をカバーする位置に存在し、臀部を覆って股部まで延在している構造のボディスーツである。特に限定するものではないが、胴部を形成するフロント布15は、衣料の横方向又は縦横両方向に伸縮性を有する生地を用いることが好ましく、胴部を形成する脇布16並びにバック布4は衣料の縦方向又は縦横両方向に伸縮性を有する生地を用いることが好ましい。もちろん腹部中央部にお腹押え用の当て布を設けたり、お腹押さえ用の当て布を別途設ける代わりに、その部分の編み組織を切り替えて緊迫力の高い編み組織にすることによって腹部形状を整えるようにすることは任意であるし、また、臀部下部の裾部に沿って帯状にヒップアップ用の当て布を設けたり、帯状のヒップアップ用の当て布を設ける代わりに、その部分の編み組織を切り替えて緊迫力の高い編み組織にすることによってヒップ形状を整えるようにすることは任意である。
【0048】
そしてこのボディスーツにおいては、弾力性を有する芯材8は、乳房カップ1の脇側上端から乳房カップの最下点3よりも脇側の位置2までは乳房カップの脇側の縁10bに沿い、更に連続して前記乳房カップ1の最下点3よりも脇側の位置2からは乳房カップの縁10bから離れて胴部の裾に至るまで延在して取り付けられている。乳房カップの縁10bから離れて略下方に向かって取り付けられている弾力性を有する芯材8の部分を8aとして示した。芯材8aの部分は、屈曲部を17で示したように衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられていて、更に略斜め外側下方に向かっている。芯材8は乳房カップの縁10bの部分の芯材がバストの造形作用を発揮し、乳房カップの縁10bから離れて取り付けられている8aの部分が、フロント布15などの胴部の生地に皺が生じないように身体にフィットさせる機能を担っている。
【0049】
芯材8の取り付け態様は、特に限定するものではないが、その例として図6などを用いてすでに説明した通りであり、図1のロングブラジャーで説明した態様と同等の取り付け構造の態様が採用できる。
【0050】
なお、芯材8aの部分は芯材8の一部であり、一体物である。芯材8の乳房カップの縁から離れて略下方に向かって取り付けられている部分8aの部分の衣料本体への取り付け構造は特に限定するものではないが、例えば図6で説明した様な方法や、本発明の目的を阻害しない限り、例えば、前述した実用新案登録第2529476号公報や実用新案登録第2550378号公報、その他各種の公知のカップワイヤーの取付態様と同様の各種の取付態様が適用できる。この場合において、図6で言及した乳房カップ1の部分を、取り付けられる衣料の本体布(この実施の形態例ではフロント布15)に置き換えて理解すればよい。
【0051】
そして、図3、図4に示された本発明のボディスーツにおいては、着用者が腕を下げている場合の通常の状態の場合には、図3、図4に示されている様に、芯材8は、通常時の乳房のバージスライン(図10のライン120)の脇側の形状に沿ったカーブを描いた形で存在し、芯材8aの部分は、乳房カップの最下点よりも脇側の位置2の点で乳房カップの縁から離れて略下方に向かい、前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描くような態様で取り付けられている。ここで着用者が腕を上に挙げた場合に、図10の点線121で示したように乳房のバージスラインが、バージスの外側(脇側)は、人体の内側(中心側)方向に動き、縦に長くなる、すなわち乳房の形がこのバージスライン121のごとく変形するが、肩紐7も腕を上に挙げることにより矢印12で示したように人体の内側(中心側)方向に動くとともに、それに伴い乳房カップの脇側の縁10bの部分に沿って存在する芯材8も矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動き、且つ、腕を上に挙げることにより肩紐7が引っ張られるのに伴い、衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインの屈曲部17が、矢印13とは反対方向に若干動いて、芯材8(8a部分も含めて)が全体として直線状(屈曲が減少)になるような方向に動く。以上の様に、乳房カップの脇側の縁10bの部分に沿って存在する芯材8は矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動いて、乳房の変形に追従して動き、従って乳房カップがその動きに追従するようになる。そして芯材8aの屈曲部17近傍の部分が、矢印13方向とは反対側に動くので、屈曲部17より上の芯材8部分がより矢印13方向に容易に動きやすくなり、乳房のバージスラインの変形に追従して乳房カップがその動きに追従できるようになる。そして特に、芯材8が例えば図5(平面図)に示すような金属コイルボーンからなる場合には、腕を上に挙げることにより肩紐7が引っ張られることにより金属コイルボーンもそれに応じて伸び、バストの上側への伸び変形にも対応すると同時に芯材8が引っ張られることにより乳房カップの縁10bの部分の芯材8が矢印13で示したように人体の内側(中心側)方向に動く応力が働き人体の内側(中心側)方向に動いて(撓んで)、乳房のバージスラインの変形に追従して乳房カップが追従できるようになり、また、芯材が金属コイルボーンの場合には、比較的小さな応力で変形するので、変形の際の乳房への当たりも、きつくなく、着用感が良好な、肩紐を有するボディスーツが提供できる。この実施の形態では芯材8として金属コイルボーンを使用したものである。そして、本発明の衣料においては、前記実施の形態例と同様に、乳房カップ1の脇側上端近傍に前記肩紐7の一端が取り付けられていることが重要である。すなわちこの実施の形態例では、肩紐の取り付け位置14は、芯材8の存在する部分の延長上にピッタリ合致した位置に取り付けられている。
【0052】
以上のように、乳房カップの脇側上端近傍に肩紐の一端が取り付けられていることにより、腕を上に挙げた際に、肩紐7による芯材8の矢印13方向への動きとか、金属コイルボーンの場合の肩紐にかかった応力に応じた伸びなどが十分に発揮されることになる。
【0053】
また、図3、図4に示したボディスーツにおいては、必要に応じ、乳房カップ1の下側の縁から前中心側の縁にかけての乳房カップ1の湾曲縁周縁10aに更にカップワイヤー9が取り付けられていてもよいし、取り付けられていることが乳房の形を整えバストアップなどの機能を補佐する点で好ましい。この場合のカップワイヤー9は乳房カップ1の最下点3よりも脇側の位置2から前中心側までに存在する通常よりは短い長さのカップワイヤーになる。カップワイヤー9と、乳房カップの脇側の縁10bに沿って取り付けられている弾力性を有する芯材8とは、通常、脇側の位置2において、一体とはなっておらず、別々の部材からなっている。
【0054】
かくして、上述した本発明のボディスーツは、腕を高く上げるなどの人体の動きに対し、乳房のバージスラインの変化や、それに伴う筋肉や皮膚伸びに対する追従性が良好で、乳房カップ部のずれの発生やそれに伴う着崩れを防止し、ワイヤーやボーンなどの芯材の身体への当たりが緩和され、着用感が良好な、肩紐を有するボディスーツを提供できる。そしてこのボディスーツは、芯材8(8aの部分も含む意味である)の乳房カップの縁10bから離れて取り付けられている8aの部分が長く、衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられていて、屈曲部17を有するので、乳房カップの縁10bの部分のカーブも考慮すると全体的にはS字状又はその左右線対称状のカーブ形状となっており、腕を挙げた伸びの動作の時には、芯材8は前述したような方向に動き、全体として直線形状(屈曲が減少するような形状)に撓もうとし、乳房カップが乳房のバージスラインの変形に追従する。そして身体を左、又は右にねじった時には、例えば右方向に身体を回転してねじったと仮定すると、左側の芯材8の屈曲部17のカーブがよりきついカーブに撓み、右側の芯材8の屈曲部17のカーブがより緩やかなカーブになり身体の動きに追従することができる。また、前屈姿勢をとった時でも、左右の芯材8の屈曲部17のカーブが共によりきついカーブに撓んで、お腹に突っ張るようなことがない。このように本発明のボディスーツは芯材8がS字状のカーブ又はそれと左右線対称のカーブ形状になるように取り付けられているので、容易に身体の動きの変化に対応でき、余り強い力をかけないで、体型変化に追従し、身体にフィットするのである。
【0055】
そして、この態様のボディスーツは、前記(A)、(B)で説明したような腕を挙げた時の体型の変化、特に(B)で説明した腕を上に上げると、乳房の存在する位置の人体脇側の皮膚の伸びは大きいが、下に行くほど皮膚の面積変化は少なくなり、ウェスト近傍の人体脇側の皮膚の伸びは乳房の存在する位置の人体脇側の皮膚の伸びより小さいことが認められる点を考慮し、バック布4の位置を変化の大きい乳房カップの位置の後ろ側ではなく、人体脇側の皮膚の伸びの小さいウェスト近傍及びそれより下側をカバーする様に設けることにより、乳房カップの位置の後ろ側に設けた場合のような、着用中の動きによる締め付けが大きくなり、締め付けによる苦しさなどの着用感の低下が生じる事を解消し、着用中の変化の大きい胸部の締め付けによる苦しさがなく、極めて着用感が楽で、夏は涼しく、また、背中の露出度の高いアウターウエアーも着用できるなどの優れた効果を発揮することができる。
【0056】
また、芯材8が乳房カップ部と胴部にわたって存在するので、バストを美しく造形すると共に上腹部に達するフロント布の形状を皺が発生しないようにスムーズな状態に保持する機能も発揮でき好ましい。
【0057】
以上、実施の形態の具体例として、ロングブラジャー、ボディスーツについての少数の例を取り上げて説明したが、本発明はこれらの実施の形態例に示されたもののみに限定されるものではな
【0058】
また、本発明で用いる弾力性を有する芯材としては、金属線状ないし細幅帯状芯材、プラスチック線状ないし細幅帯状芯材、金属コイルボーンなどが用いられる。金属としては例えばスチール、形状記憶合金などが用いられ、プラスチックスとしては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのスーパーエンジニアリングプラスチックスや汎用エンジニアリングプラスチックス、その他、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。なお、プラスチックスの場合には、本発明の目的を阻害しない限り、ガラス繊維、炭素繊維、各種無機ウィスカーなどで補強された繊維強化プラスチックスを用いてもよい。特に芯材として好ましいのは前述したように金属コイルボーンである。金属コイルボーンはコイル状に巻かれた金属線からなるバネ状物を扁平につぶしたコイルの帯状物に相当するものであり、スパイラルボーンとも呼ばれている。図7は金属コイルボーンの一実施形態の平面図である。金属コイルボーンは市販されており、容易に入手可能である。金属コイルボーンは比較的容易に変形することができ、芯材として使用した場合に、引っ張れば伸ばすことができ、また、変形への追従性が良好で好ましい。着用中の身体への当たりも、きつくなく、着用感が良好である。
【0059】
ただ、例えば、図1〜図4の実施の形態例で説明した芯材8(8aの部分も含む)の動きは、金属コイルボーンのみでなく、他の上述したような弾力性を有する芯材を用いてもほぼ同様の傾向で達成することが出来る。金属コイルボーンがより本発明の目的を達成するのに好適な芯材である。芯材の大きさ、形、素材としては、本発明の乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する女性用衣料を着用し、腕を挙げた時に前述したような動きを伴う程度の弾力性を有する芯材を選定して用いればよい。腕を挙げた時に前述したような動きや撓みが全く阻止されるような剛性の大きいものは不適当である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は、次の様な優れた効果を有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料を提供できる。
【0061】
(1)本発明の女性用衣料は、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料であって、
乳房カップの脇側上端から乳房カップの最下点よりも脇側の位置までは乳房カップの脇側の縁に沿い、更に連続して前記乳房カップの最下点よりも脇側の位置からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって弾力性を有する芯材が取り付けられていて
芯材の乳房カップの縁から離れて略下方に向かっている部分が屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられており、
前記乳房カップの脇側上端近傍に前記肩紐の一端が取り付けられていることを特徴とする。
【0062】
従って、着用者が腕を上に挙げた場合など、乳房のバージスラインは、バージスの外側(脇側)が、人体の内側(中心側)方向に動き、縦に長くなるが、肩紐の一端が、前記弾力性を有する芯材のほぼ延長ライン上の乳房カップの脇側上端近傍に取り付けられているので、肩紐による引っ張り力が前記弾力性を有する芯材に作用し、前記弾力性を有する芯材の乳房カップの脇側の縁に沿った部分が、乳房のバージスラインの変形にほぼ適合するように、人体の内側(中心側)方向に、乳房の変形に追従して動き、従って乳房カップが追従するようになるとともに、前記芯材の屈曲部近傍の部分が、直線状になる方向で脇側に屈曲が減少する様に動くので、屈曲部より上の乳房カップの脇側の縁の部分に沿って存在する芯材部分がより人体の内側(中心側)方向に容易に動きやすくなり、また、腕を下げた場合には、その逆の動きになり、前記弾力性を有する芯材の乳房カップの脇側の縁に沿った部分が、乳房のバージスラインの変形にほぼ適合するように、乳房の変形に追従して動く。よって、乳房の変形に、より追従して乳房カップが追従しやすくなり、乳房カップ部のずれの発生やそれに伴う着くずれを防止し、ワイヤーやボーンなどの芯材の身体への当たりが緩和され、着用感が良好な、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する女性用衣料を提供でき好ましい。
【0063】
た、女性用衣料が、ブラジャー又はロングブラジャーから選ばれた衣料である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの衣料は、特に体型補整機能を重視し、体型を美しく整える機能を備えることが必要であり、乳房の形を整える体型補整機能を具備し、且つ、腕を上に挙げた場合などの乳房の変形に乳房カップが追従し、乳房カップ部のずれの発生やそれに伴う着くずれを防止し、ワイヤーやボーンなどの芯材の身体への当たりが緩和され、着用感が良好な、乳房カップを有する女性用衣料を提供でき好ましい。
【0064】
(2)また、女性用衣料が、乳房カップの下側に連なりウェスト近傍ないしはそれより長く下方に延在している胴部を有し、前記胴部の背面側のバック布が、乳房カップ部の存在する位置よりも下側で、ウェスト近傍部分、またはウェスト近傍部分とそれより下側をカバーする部分に存在する構造のロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの衣料は、バック布の位置を、皮膚の伸びや運動や呼吸による体幹の寸法の変化の大きい乳房カップの位置の後ろ側ではなく、人体脇側の皮膚の伸びの小さいウェスト近傍に設けることにより、乳房カップの位置の後ろ側に設けた場合のような、着用中の胸部の締め付けによる苦しさがなく、極めて着用感が楽で、夏は涼しく、また、背中の露出度の高いアウターウエアーも着用できるなどの優れた効果を更に発揮することができ好ましい。
【0065】
(3)また、本発明の女性用衣料は、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料であって、前記女性用衣料は、乳房カップの下側に連なりウェスト近傍ないしはそれより長く下方に延在している胴部を有しており、前記胴部の背面側のバック布が、乳房カップ部の存在する位置よりも下側で、ウェスト近傍部分、またはウェスト近傍部分とそれより下側をカバーする部分に存在する構造の女性用衣料であり、乳房カップの脇側上端から乳房カップの最下点よりも脇側の位置までは乳房カップの脇側の縁に沿い、更に連続して前記乳房カップの最下点よりも脇側の位置からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって弾力性を有する芯材が取り付けられていて、前記芯材の乳房カップの縁から離れて略下方に向かっている部分は屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられており、前記乳房カップの脇側上端近傍に前記肩紐の一端が取り付けられている構成とすることにより、乳房カップの脇側の縁の部分に沿って存在する弾力性を有する芯材が人体の内側(中心側)方向に動いて、乳房の変形に追従して動き、従って乳房カップが追従するようになるとともに、前記芯材の屈曲部近傍の部分が、直線状になる方向で脇側に屈曲が減少する様に動くので、屈曲部より上の乳房カップの脇側の縁の部分に沿って存在する芯材部分がより人体の内側(中心側)方向に容易に動きやすくなり、乳房の変形に、より追従して乳房カップが追従しやすくなり、乳房カップ部のずれの発生やそれに伴う着くずれを防止し、ワイヤーやボーンなどの芯材の身体への当たりが緩和され、着用感が良好な、乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有する女性用衣料を提供でき好ましい。そして弾力性を有する芯材が前記のごとく屈曲部を有するので、乳房カップの縁に沿った部分のカーブも考慮すると全体的にはS字状又はその左右線対称状のカーブ形状となっており、腕を挙げた伸びの動作の時には、芯材は前述したような方向に動き、全体として直線形状(屈曲部の屈曲が減少する方向)に撓もうとし、乳房カップが乳房のバージスラインの変形に追従する。そして例えば右方向に身体を回転してねじったと仮定すると、左側の芯材の屈曲部のカーブがよりきついカーブとなり、右側の芯材の屈曲部のカーブがより緩やかなカーブになり身体の動きに追従することができる。また、前屈姿勢をとった時でも、左右の芯材の屈曲部のカーブがよりきついカーブに撓んで、お腹に突っ張るようなことがない。また、弾力性を有する芯材は乳房カップの縁の部分に沿って存在する部分の芯材がバストの造形作用を発揮し、乳房カップの縁から離れて取り付けられている部分の芯材が、胴部の生地のめくれ上がりを防止したり、皺が生じないように身体にフィットさせる機能を発揮でき好ましい。
【0066】
更にかかる本発明の女性用衣料は、バック布の位置を、皮膚の伸びや運動や呼吸による体幹の寸法の変化の大きい乳房カップの位置の後ろ側ではなく、人体脇側の皮膚の伸びの小さいウェスト近傍に設けることにより、乳房カップの位置の後ろ側に設けた場合のような、着用中の胸部の締め付けによる苦しさがなく、極めて着用感が楽で、夏は涼しく、また、背中の露出度の高いアウターウエアーも着用できるなどの優れた効果を更に発揮することができ好ましい。
【0067】
(4)また、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の本発明の女性用衣料においては、弾力性を有する芯材上端のほぼ延長ライン上に肩紐が取り付けられており、前記弾力性を有する芯材が、肩紐により上方且つ前中心側方向である斜め上方に引っ張られた際に、前記弾力性を有する芯材の屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている部分が脇側方向に屈曲が減少する様にたわむとともに、前記弾力性を有する芯材の乳房カップの脇側の縁に沿って設けられている部分が、前中心側にたわみ、乳房の脇を前中心側に寄せる機能を有する衣料であることが好ましい。
【0068】
このような衣料とすることにより、前記(1)〜(3)項のいずれかで説明した優れた作用効果を発揮することができる衣料を提供でき好ましい。
【0069】
そして、本発明の女性用衣料においては、女性用衣料が、ロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた衣料であるので、これらの衣料は、前記(1)〜(3)項で説明した優れた作用効果を、きわめて効果的に実現し発揮しうる衣料であり好ましい。
【0070】
(5)また、本発明の女性用衣料においては、女性用衣料が、ロングブラジャーで、且つ、その左右のバック布が人体背面側で相互に開閉可能に係止し得る後ろ開きタイプの女性用衣料であって、前記バック布がウェスト近傍部分に存在する構造の女性用衣料である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの衣料は、前記(3)項に記載の効果が発揮される好適衣料であると共に、特に、バック布の位置を、皮膚の伸びや運動や呼吸による体幹の寸法の変化の大きい乳房カップの位置の後ろ側ではなく、人体脇側の皮膚の伸びの小さいウェスト近傍に設けることにより、乳房カップの位置の後ろ側に設けた場合のような、着用中の胸部の締め付けによる苦しさがなく、極めて着用感が楽で、夏は涼しく、また、背中の露出度の高いアウターウエアーも着用できるなどの優れた効果を更に発揮することができ好ましい。
【0071】
(6)また、乳房カップの脇側から下側並びに前中心側に至るほぼ下半部の湾曲縁に沿った部分であって、前記弾力性を有する芯材が存在しない部分に、更にカップワイヤーが取り付けられている本発明の好ましい態様とすることにより、バストアップなどの乳房の形ををより美しく整える機能を補佐する機能が発揮でき好ましい。
【0072】
(7)また、弾力性を有する芯材が、金属線状ないし細幅帯状芯材、プラスチック線状ないし細幅帯状芯材、金属コイルボーンから選ばれた芯材である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの芯材は、造形性の機能と乳房の変形への追従機能とを具備させることのできる素材であり好ましい。
【0073】
(8)また、弾力性を有する芯材が、金属コイルボーンからなる芯材である本発明の好ましい態様とすることにより、金属コイルボーンは、比較的感触が柔らかく、きわめて弾力性に富んでいるので、芯材の身体への当たりが緩和され、着用感がより良好な衣料を提供できる。また、金属コイルボーンは、肩紐で引っ張られた場合にその方向への伸びる機能もあり、腕を上げた場合には、上下方向への身体表面寸法の伸びがあるので、前述した腕を上に挙げた場合の乳房の変形に応じて、追従して変形する機能に特に優れており、また、撓み性が比較的優れているので、前記(3)項に記載したような身体を回転してねじった場合の芯材の追従性がきわめて良好であり、身体の動きに追従して容易に撓むことができ、突っ張り感を緩和することができる。また、前屈姿勢をとった時でも、左右の芯材の屈曲部のカーブがよりきついカーブに容易に撓んで、お腹に突っ張るようなことがなく、これらの点で特に優れた効果が発揮でき好ましい。
【図面の簡単な説明】
図1】 本発明の女性用衣料であるロングブラジャーの一実施の形態例の前側方向から見た斜視図。
図2】 本発明の女性用衣料であるボディスーツの一実施の形態例の前側方向から見た斜視図。
図3】 本発明の女性用衣料であるボディスーツの一実施の形態例の正面図。
図4図3に示したボディスーツの背面図。
図5】 本発明で用いる金属コイルボーンの一実施形態の平面図。
図6】 乳房カップの所定の縁に沿って弾力性を有する芯材が取り付けられている一態様を示す断面略図。
図7】 従来のカップワイヤーを有するブラジャーの一例の正面図。
図8】 従来より用いられているほぼ円弧状のカップワイヤーの代表的一例の正面図。
図9】 従来のロングブラジャーの一態様の斜視図。
図10】 人体左側の乳房のバージスライン(乳房の周囲の縁に相当するライン)のモデル図。
【符号の説明】
1 乳房カップ
2 乳房カップの最下点3よりも脇側の位置
3 乳房カップの最下点
4 バック布
5a、5b バック布の先端の係止部
6a 鈎ホックの爪部(フック)
6b 鈎ホックの後環部(アイ)
7 肩紐
8 弾力性を有する芯材
8a 乳房カップの縁10bから離れて略下方に向かって取り付けられている弾力性を有する芯材8の部分
9 カップワイヤー
10a、10b 乳房カップのカップ1の縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁
12 肩紐7の動く方向を示す矢印
13 弾力性を有する芯材8の動く方向を示す矢印
14 肩紐の取り付け位置
15 フロント布
16 脇布
17 屈曲部
20 後中心の接ぎライン
81 乳房カップ1の表側に配置されるバイアステープ
82 乳房カップ1の裏側に配置されるバイアステープ
83 縫製ライン
84 縫製ライン
100 乳房カップ
101 土台布
103 カップの最下点
104 乳房カップのカップの縁のほぼ下半部の湾曲縁周縁
105 バック布
106 肩紐
107 バック布の先端の係止部
108 バック布の先端の係止部
109 ボーン
110 フロントボディ部
120 腕を下げている場合の通常時の乳房のバージスライン
121 腕を上に挙げた場合の乳房のバージスライン

Claims (8)

  1. 乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料であって、
    乳房カップの脇側上端から乳房カップの最下点よりも脇側の位置までは乳房カップの脇側の縁に沿い、更に連続して前記乳房カップの最下点よりも脇側の位置からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって弾力性を有する芯材が取り付けられていて
    芯材の乳房カップの縁から離れて略下方に向かっている部分が屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられており、
    前記乳房カップの脇側上端近傍に前記肩紐の一端が取り付けられていることを特徴とする女性用衣料。
  2. 女性用衣料が、乳房カップの下側に連なりウェスト近傍ないしはそれより長く下方に延在している胴部を有し、前記胴部の背面側のバック布が、乳房カップ部の存在する位置よりも下側で、ウェスト近傍部分、またはウェスト近傍部分とそれより下側をカバーする部分に存在する構造のロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料である請求項1に記載の女性用衣料。
  3. 乳房カップと乳房カップにその一端が取り付けられている肩紐とを少なくとも有するロングブラジャー又はボディスーツから選ばれた女性用衣料であって、前記女性用衣料は、乳房カップの下側に連なりウェスト近傍ないしはそれより長く下方に延在している胴部を有しており、前記胴部の背面側のバック布が、乳房カップ部の存在する位置よりも下側で、ウェスト近傍部分、またはウェスト近傍部分とそれより下側をカバーする部分に存在する構造の女性用衣料であり、乳房カップの脇側上端から乳房カップの最下点よりも脇側の位置までは乳房カップの脇側の縁に沿い、更に連続して前記乳房カップの最下点よりも脇側の位置からは乳房カップの縁から離れて略下方に向かって弾力性を有する芯材が取り付けられていて、前記芯材の乳房カップの縁から離れて略下方に向かっている部分は屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている状態で取り付けられており、前記乳房カップの脇側上端近傍に前記肩紐の一端が取り付けられていることを特徴とする女性用衣料。
  4. 弾力性を有する芯材上端のほぼ延長ライン上に肩紐が取り付けられており、前記弾力性を有する芯材が、肩紐により上方且つ前中心側方向である斜め上方に引っ張られた際に、前記弾力性を有する芯材の屈曲部を有し衣料前中心側に向かって凸の屈曲したラインを描いている部分が脇側方向に屈曲が減少する様にたわむとともに、前記弾力性を有する芯材の乳房カップの脇側の縁に沿って設けられている部分が、前中心側にたわみ、乳房の脇を前中心側に寄せる機能を有する請求項1〜3のいずれかに記載の女性用衣料。
  5. 女性用衣料が、ロングブラジャーであって、且つ、その左右のバック布が人体背面側で相互に開閉可能に係止し得る後ろ開きタイプの女性用衣料において、前記バック布がウェスト近傍部分に存在する構造の女性用衣料である請求項1、2、4のいずれかに記載の女性用衣料。
  6. 乳房カップの脇側から下側並びに前中心側に至るほぼ下半部の湾曲縁に沿った部分であって、前記弾力性を有する芯材が存在しない部分に、更にカップワイヤーが取り付けられている請求項1〜5のいずれかに記載の女性用衣料。
  7. 弾力性を有する芯材が、金属線状ないし細幅帯状芯材、プラスチック線状ないし細幅帯状芯材、金属コイルボーンから選ばれた芯材である請求項1〜6のいずれかに記載の女性用衣料。
  8. 弾力性を有する芯材が、金属コイルボーンからなる芯材である請求項1〜6のいずれかに記載の女性用衣料。
JP2000357183A 2000-11-24 2000-11-24 乳房カップを有する女性用衣料 Expired - Fee Related JP3967541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000357183A JP3967541B2 (ja) 2000-11-24 2000-11-24 乳房カップを有する女性用衣料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000357183A JP3967541B2 (ja) 2000-11-24 2000-11-24 乳房カップを有する女性用衣料

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002161404A JP2002161404A (ja) 2002-06-04
JP2002161404A5 JP2002161404A5 (ja) 2005-04-21
JP3967541B2 true JP3967541B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=18829290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000357183A Expired - Fee Related JP3967541B2 (ja) 2000-11-24 2000-11-24 乳房カップを有する女性用衣料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3967541B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3850770B2 (ja) * 2002-08-05 2006-11-29 井上リボン工業株式会社 ファンデーション
GB2434963A (en) * 2006-01-16 2007-08-15 Courtaulds Textiles A brassiere

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002161404A (ja) 2002-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0834264B1 (en) Shoulder and upper limb protecting clothes
JPH06158402A (ja) 衣 服
US8556677B2 (en) Flexing brassiere
KR200493255Y1 (ko) 교정밴드를 구비한 체형 보정용 속옷
JP3146561U (ja) 整形衣料
JP5413207B2 (ja) カップ部を有する衣類
JP6928235B2 (ja) カップ部を有する衣類
JP3967541B2 (ja) 乳房カップを有する女性用衣料
JPH10212606A (ja) ヒップ形状を整える衣類
JP6847001B2 (ja) 女性用上衣
JP2019119961A (ja) 上衣
JP4537553B2 (ja) 上着
CN110612036B (zh) 上半身衣服
JPH09217206A (ja) 体形補整機能を有する被服
JP3816876B2 (ja) 女性被服用ストラップテープ及びストラップテープ付き被服
KR102381107B1 (ko) 자세 교정용 의류
JP2004011077A (ja) 乳房カップ部を有する衣料
JP3671124B2 (ja) ブラジャー
JP2690877B2 (ja) ワイヤーボーン吊下構造
JP2024067405A (ja) カップ部を有する衣類
JP3040166U (ja) ブラジャー
WO2006018919A1 (ja) 女性用衣料及びその製法
JPH11152608A (ja) 女性用被服
JPS623362Y2 (ja)
JPH0124085Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040614

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051101

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060927

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110608

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110608

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120608

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130608

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees