JP2004011077A - 乳房カップ部を有する衣料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バック布1として、その長さ方向及び幅方向にも良好な伸縮性を有し、且つ幅方向の伸長率が160%の生地を用い、バック布1の上辺部5の領域は、バック布1の下辺部7の領域や中央部6の領域よりも緊迫力が大きくなるように設計されていて、バック布1の下辺部7の領域は、この部分の緊迫力が中央部6の領域よりも大きくなるように設計されていて、上辺部5及び下辺部7の縁は、端始末不要な縁とされており、バック布の上辺部5及び下辺部7が平坦で凹凸のない仕様となっているブラジャー。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳房カップ部を保持するためのバック布を有しているブラジャー、または、セパレートタイプの水着のトップ部から選ばれた乳房カップ部を有する衣料に関する。特に、運動追従性の優れた前記乳房カップ部を有する衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ブラジャーやセパレートタイプの水着のトップ部は、乳房カップ部と着用の際に当該乳房カップ部を保持するためのバック布を有しており、女性用の衣料として広く普及している。
【0003】
従来の乳房カップ部を有する衣料の代表例として、図8に従来の典型的なブラジャーを、広げた状態での裏面側から見た背面図を示した。
【0004】
図8に示したように、従来の乳房カップ部を有する衣類の一つであるブラジャーは、乳房カップ部2、乳房カップ部周囲の下辺部4、脇布3、バック布1、左右のバック布の連結部8、9、肩紐10からなり、バック布1の上辺部5・中央部6・下辺部7において、通常、上辺部5、下辺部7に沿って、バック布1の裏側面(肌側面)に伸縮テープが取り付けられている。そして、かかるブラジャーなどのバック布1は、その長さ方向に伸縮性を有する生地が用いられている。着用時には胸部周囲に巻回して着用し、左右のバック布の長さ方向の伸縮性などを利用して、ブラジャーの着用時の位置を安定させている。
【0005】
そのほか、肩紐10の存在しないストラップレスのブラジャーも、肩紐10が存在しないことを除いては、基本的な構成はほぼ同様である。更に、バック布が左右に分離されておらず、左右のバック布に相当する部分が連続した一つのバック布からなり、左右の乳房カップの前中心側に設けられたフロントホックなどで、着脱自在に開閉できる前開きタイプ(フロントオープンタイプ)のブラジャーも、背面開きタイプか、前開きタイプかの点が異なるが、その他の基本的な構成はほぼ同様のものが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上肢を上に挙げる等の手の動きや、その他の日常の動作において、左右の肩胛骨は比較的大きく動き、肩胛骨の下方の近傍の皮膚のほぼ縦方の伸びなどもかなり大きくなる。図8のブラジャーを取り上げて説明すると、ブラジャーのバック布1の上辺側は、肩胛骨の下方近傍にあてがわれているので、かかる日常の動作時における皮膚の伸展に伴い、バック布1などのずり上がりが生じ、それに伴いブラジャーの位置ずれや、ずり上がりが生じ、上肢をもとの位置に戻しても、ブラジャーの位置ずれや、ずり上がりが、もとに戻りにくく、着崩れが生じると言う問題がある。
【0007】
かかる問題を解決するために、該バック布1の上辺部5・中央部6・下辺部7の衣服圧を、強・弱・中とすることにより、ずり上がりなどの着崩れを防止したブラジャーなどが提案されている(日本特許第31999163号)。
【0008】
かかる、ブラジャーは、ずり上がりなどの着崩れを防止するのに効果的であるが、より一層の改良がなされれば、より効果的にずり上がりなどの着崩れ防止機能が付与された衣料が提供できる。本発明は、かかる衣料のずり上がりなどの着崩れを防止する機能を更に向上した乳房カップ部を有する衣料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、次の様な乳房カップ部を有する衣料を提供するものである。
【0010】
(1)乳房カップ部と、当該乳房カップ部を保持するための伸縮性を有するバック布とを少なくとも有するブラジャー、または、セパレートタイプの水着のトップ部から選ばれた衣料において、バック布の上辺部の緊迫力が強く、且つ、前記バック布は、その長手方向と共にその幅方向にも伸縮性を有し、当該幅方向の伸長率が80%以上であることを特徴とする乳房カップ部を有する衣料。
【0011】
前述したように、バック布の上辺部は、皮膚の伸展の大きい肩胛骨の下部に当接される。従ってバック布の上辺部の緊迫力を強くし、且つバック布をその長さ方向だけでなく幅方向にも伸縮性を有する素材で構成し、その幅方向の伸長率を80%以上とすることにより、例えば、バック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、バック布の上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも伸長率が80%以上の伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布下辺部の位置がもとに位置にとどまろうとする場合においても、それを無理に引き上げずに、バック布幅方向の伸縮性の機能を利用して下辺部の位置の引き上げを最小限にとどめることができる。従って、従来の幅方向に伸びのないバック布または幅方向の伸長率が小さいバック布を用いた場合の如く、バック布上辺部の移動に伴ってバック布下辺部もほぼ同じ移動量でまたはかなり大きな割合の移動量で引き上げられて、バック布全体が上辺部の移動量とほぼ同じだけまたはかなり大きな割合で移動するのを緩和する機能が付与される。従って、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができるので、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、下辺部も容易にもとの位置に戻りやすく、着崩れがより一層生じにくい乳房カップ部を有する衣料が提供できる。尚、ここでバック布の幅方向の伸長率とは、通常の着用状態でバック布のほぼ上下方向の伸長率を意味している。
【0012】
(2)前記(1)項に記載の本発明の乳房カップ部を有する衣料においては、バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力であることが好ましい。
【0013】
かかる本発明の好ましい態様とすることにより、バック布上辺部は緊迫力が強めに設計されているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、皮膚の当初の当接箇所からの位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、下辺部が当接される部分の筋肉や皮膚の動き、伸展が上辺部ほど大きくないので上辺部よりも緊迫力は弱くしてあるが、その幅方向の中間の中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい乳房カップ部を有する衣料が提供でき好ましい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、中央部で緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできるとともに、多少、バック布下辺部がずれたとしても、もとの位置に比較的容易に戻ることができる様に、バック布下辺部は中間の緊迫力になるように設計されていることが好ましい。
【0014】
(3)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップ部を有する衣料においては、バック布の上辺部及び下辺部が肌側に対して平坦であることが好ましい。
【0015】
かかる本発明の好ましい態様とする事により、従来のバック布の上辺部及び下辺部に沿って、肌側面へストレッチテープなどが取り付けられていたり、上辺部及び下辺部の縁が、肌側に折り返されて縫合されるなどの2重構造になっている場合などの肌側面に対して凸の縁構造となっている場合に問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減され好ましい。
【0016】
(4)また、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップ部を有する衣料においては、バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な縁を有していることが好ましい。
【0017】
かかる本発明の好ましい態様とする事により、従来のバック布の上辺部及び下辺部に沿って、肌側面へストレッチテープなどが取り付けられていたり、上辺部及び下辺部の縁が、肌側に折り返されて縫合されるなどの2重構造になっている場合などの肌側面に対して凸の縁構造となっている場合に問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減されるとともに、縁始末不要な縁となっている部分は、折り返して縫合するなどの縁始末がされていないので、その部分の厚みがフラットになり、段差が生じることがなく、アウターウェアーに段差が反映することもないし、すっきりした胸部シルエットを実現できる。従って、機能性、ファッション性においても優れた衣料とすることができ好ましい。
【0018】
(5)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップ部を有する衣料においては、バック布の幅方向の伸長率が、100%以上であることが好ましい。
【0019】
かかる本発明の好ましい態様とすることにより、動きの大きなバック布上辺部の、動きに伴う応力が下辺部にダイレクトに作用しないように緩和する機能や、逆に、下辺部が上辺部の大きな動きを拘束することを緩和する機能が、十分発揮され、着崩れがより一層生じにくい乳房カップ部を有する衣料が提供でき好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の理解を容易にするために、図面を用いて実施の形態例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施の形態例に記載されたもののみに限定されるものではない。
【0021】
(実施形態例1)
図1は、本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである前開きタイプのブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図である。
【0022】
図1のブラジャーは、2が乳房カップ部、4が乳房カップ部の下辺部、3が脇布、1がバック布であり、バック布1は脇布3の一端側の縁11に取り付けられている。左右の乳房カップ2、2の前中心側の縁の下方部分に、フロントホック12a、12bが取り付けられており、このフロントホック12a、12bを前中心側で閉じることにより着用し、脱ぐ際には、フロントホック12a、12b間の連結をはずすことによって、着脱する。
【0023】
尚、この例では、脇布3の一端側の縁11の内部に、剛性を有するボーンが装着されている。また、乳房カップ部周囲の下辺部4の内部には、カップワイヤーが挿入されている。そしてバック布1は、その長さ方向のみならず、幅方向にも良好な伸縮性を有する生地(例えば、縦横2方向に伸縮性のパワーネットなど)が用いられている。
【0024】
バック布1の上辺部5の領域に用いられている弾性糸は、バック布1の下辺部7の領域や中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太い弾性糸が用いられており、また編組織として緊迫力が大きくなるような編組織とされていて、バック布1の下辺部7や中央部6よりも緊迫力が大きくなるように設計されているとともに、その縁は縁始末不要な縁とされている。(尚、バック布1の領域5、6、7の境界を点線で示したが、この点線は縫合線ではなく、前記各領域5、6、7の境界を示す仮想線である。)。一方、バック布1の下辺部7の領域においては、用いられている弾性糸が中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太いが、上辺部5の領域に用いられている弾性糸よりも細い弾性糸を用い、しかも編組織として上辺部5の領域の編組織の緊迫力よりも弱いが、中央部6の領域の編組織の緊迫力よりも大きくなるような編組織を採用することによりこの部分の緊迫力が中央部6よりも強くなるようにされていると共に、その縁は、端始末不要な縁とされている。従って、バック布の上辺部5及び下辺部7が平坦で凹凸のない仕様となっている。端始末不要な縁とは、生地の縁部を折り返して縫合するなどの、いわゆる端始末をしなくても、ほつれが生じない縁部を意味しており、かかる端始末不要な縁部を有する生地は、例えば、日本特開2000−303331号公報(図2とその説明部分[0020]参照)や、日本特許第2997432号(図3とその説明部分参照)などに示されているように、糸抜きなどの公知の手法や、その他の適宜の手法で作成できる。また、編組織を切り替えることにより、緊迫力の強、中、弱などの緊迫力の異なる領域を連続した1枚の編地中において編み分ける方法は、例えば、日本特許第3023354号公報などに記載の公知の手法などが採用できる。これらの点は、以下の実施の形態例においても同様に採用される。尚、本実施の形態例においては、バック布の幅方向の伸長率が160%の生地を用いた。
【0025】
以上に説明したブラジャーは、動きの大きいバック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも所定の伸長率をもった伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布上辺部が上方により追従しやすく、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができ、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、容易にもとに位置に戻りやすい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、バック布幅方向の伸びで緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできる。従って着崩れがより一層生じにくいブラジャーを提供できる。
【0026】
バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力になるように設計されていることにより、バック布上辺部は、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい設計とされている。
【0027】
更に、バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な縁を有し、従って平坦で凹凸のない仕様となっており、また上辺部及び下辺部を2つ折りにして2重構造として縫合するなど、従来の様な縁始末を必要とする態様や、伸縮テープ使いの場合に問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減された衣料とする事ができる。
【0028】
尚、上記で説明したブラジャーの上辺部及び下辺部は、弾性糸の太さや、編み組織の切り替えによる緊迫力の変化を付した好ましい態様とし、且つその上辺部及び下辺部の縁を縁始末不要な縁としたが、かかる態様とする代わりに、バック布の上辺部及び/又は下辺部が肌側又は外側に二つ折りにされている態様、あるいは、バック布の上辺部及び/又は下辺部を表裏から挟むように、2つ折りのテープ状の縁取り布を取り付ける態様としても、また、バック布の上辺部及び/又は下辺部において、その縁に沿って、肌側又は外側に伸縮テープが設けられている態様としても、更には、これらを適宜組み合わせた態様とすることも可能である。更には、これらの手法のいずれか2つ以上の組み合わせとすることも可能である。尚、上辺部及び/又は下辺部の折り返し手法を採用する場合には、目的に応じ肌側に折り返す態様や、外側に折り返す態様とすることができる。
【0029】
以上のような、変形態様は、本実施形態例のみに限られるものではなく、他の実施形態例についても同様に適用しうる。
【0030】
尚、バック布の上辺部、中央部、下辺部のそれぞれの緊迫力としては特に限定するものではないが、衣服圧で、上辺部が5〜50g/cm2、中央部が2〜20g/cm2、下辺部が3〜30g/cm2であることが好ましい。且つ緊迫力において、上辺部>下辺部>中央部とすることが好ましい。これらは、他の実施の形態例においても同様に適用できる。
【0031】
(実施形態例2)
図2は、本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである前開きタイプの別の態様のブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図である。
【0032】
図2に示した前開きタイプのブラジャーは、バック布1の平面形状が、図1に示した前開きタイプのブラジャーバック布の平面形状と若干異なり、特にバック布1の幅が、若干狭くなっており、また、バック布上辺部5の縁の形状が凹状にカーブしている。その他の点は、実質上実施形態例1の図1に示した前開きタイプのブラジャーと同一である。従って、バック布1はその幅方向にも良好な伸縮性を有するバック布であり、同一部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。尚、本実施の形態例においては、バック布の幅方向の伸長率が160%の生地を用いた。
【0033】
図2に示したブラジャーも、実施形態例1のブラジャーとほぼ同様の機能を発揮できる。図2に示したブラジャーは、動きの大きいバック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも所定の伸長率をもった伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布上辺部が上方により追従しやすく、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができ、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、容易にもとに位置に戻りやすい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、バック布幅方向の伸びで緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできる。従って着崩れがより一層生じにくいブラジャーを提供できる。
【0034】
バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力になるように設計されていることにより、バック布上辺部は、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい設計とされている。
【0035】
更に、バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な生地からなり、従って平坦で凹凸のない仕様となっているので、縁始末を要するバック布を用いた場合や、また伸縮テープ使いの場合などに問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減された衣料とする事ができる。
【0036】
(実施形態例3)
図3は、本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである後開きタイプの態様のストラップレスブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図である。
【0037】
図3に示した後開きタイプのブラジャーは、図1や図2で示した前開きタイプのブラジャーと異なり、左右のカップ部2、2が前中心で連結されており、バック布1、1が、左右それぞれのカップ部2、2の脇布3、3の縁11、11からそれぞれ左右に伸びている。8、9は左右のバック布の連結部である。連結部8、9に取り付けられた鉤ホックなどで、着脱の際に開閉しうる様になっている。
【0038】
尚、この例では、脇布3の一端側の縁11の内部に、剛性を有するボーンが装着されている。また、乳房カップ部周囲の下辺部4の内部には、カップワイヤーが挿入されている。そしてバック布1は、その長さ方向のみならず、幅方向にも良好な伸縮性を有する生地(例えば、縦横2方向に伸縮性のパワーネットなど)が用いられている。バック布1の上辺部5の領域に用いられている弾性糸は、バック布1の下辺部7の領域や中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太い弾性糸が用いられており、また編組織として緊迫力が大きくなるような編組織とされていて、バック布1の下辺部7や中央部6よりも緊迫力が大きくなるように設計されているとともに、その縁は縁始末不要な縁とされている。一方、バック布1の下辺部7の領域においては、用いられている弾性糸が中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太いが、上辺部5の領域に用いられている弾性糸よりも細い弾性糸を用い、しかも編組織として上辺部5の領域の編組織の緊迫力よりも弱いが、中央部6の領域の編組織の緊迫力よりも大きくなるような編組織を採用することによりこの部分の緊迫力が中央部6よりも強くなるようにされていると共に、その縁は、端始末不要な縁とされている。従って、バック布の上辺部5及び下辺部7が平坦で凹凸のない仕様となっている。尚、本実施の形態例においては、バック布の幅方向の伸長率が160%の生地を用いた。
【0039】
図3に示したブラジャーは、動きの大きいバック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも所定の伸長率をもった伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布上辺部が上方により追従しやすく、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができ、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、容易にもとに位置に戻りやすい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、バック布幅方向の伸びで緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできる。従って着崩れがより一層生じにくいブラジャーを提供できる。
【0040】
尚、左右のバック布の連結部8、9の部分は、特に伸縮性を持たない素材であってもよく、連結部は、背中の後ろ中心線上に位置することになり、この位置の皮膚の伸展は比較的小さいので伸縮性を持たない素材であっても何ら支障がない。皮膚の伸展の大きい部分は、前述したように左右の肩胛骨の下の部分だからである。
【0041】
また、バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力になるように設計されていることにより、バック布上辺部は、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい設計とされている。
【0042】
更に、バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な生地からなり、従って平坦で凹凸のない仕様となっているので、縁始末を要するバック布を用いた場合や、また伸縮テープ使いの場合などに問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減された衣料とする事ができる。
【0043】
(実施形態例4)
図4は、本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである後開きタイプでロングラインタイプのストラップレスブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図である。
【0044】
図4に示したロングラインタイプのブラジャーは、縦方向の幅が大きくなっており、カップ下部充当部20の幅が大きくなっていて、それに対応して、左右のバック布1、1の幅も大きくなっている点が、図3に示した後開きタイプのブラジャーと異なっているが、その他の点は、実質上図3に示した実施形態例3のブラジャーと同一である。従って、バック布1はその幅方向にも良好な伸縮性を有するバック布であり、同一部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
【0045】
従って、このブラジャーにおいてもバック布1は、その長さ方向のみならず、幅方向にも良好な伸縮性を有する生地(例えば、縦横2方向に伸縮性のパワーネットなど)が用いられている。 バック布1の上辺部5の領域に用いられている弾性糸は、バック布1の下辺部7の領域や中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太い弾性糸が用いられており、また編組織として緊迫力が大きくなるような編組織とされていて、バック布1の下辺部7や中央部6よりも緊迫力が大きくなるように設計されているとともに、その縁は縁始末不要な縁とされている。一方、バック布1の下辺部7の領域においては、用いられている弾性糸が中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太いが、上辺部5の領域に用いられている弾性糸よりも細い弾性糸を用い、しかも編組織として上辺部5の領域の編組織の緊迫力よりも弱いが、中央部6の領域の編組織の緊迫力よりも大きくなるような編組織を採用することによりこの部分の緊迫力が中央部6よりも強くなるようにされていると共に、その縁は、端始末不要な縁とされている。従って、バック布の上辺部5及び下辺部7が平坦で凹凸のない仕様となっている。尚、本実施の形態例においては、バック布の幅方向の伸長率が140%の生地を用いた。
【0046】
図4に示したブラジャーは、動きの大きいバック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも所定の伸長率をもった伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布上辺部が上方により追従しやすく、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができ、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、容易にもとに位置に戻りやすい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、バック布幅方向の伸びで緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできる。従って着崩れがより一層生じにくいブラジャーを提供できる。
【0047】
尚、左右のバック布の連結部8、9の部分は、実施の形態例3のブラジャーの場合と同様に、特に伸縮性を持たない素材であってもよく、連結部は、背中の後ろ中心線上に位置することになり、この位置の皮膚の伸展は比較的小さいので伸縮性を持たない素材であっても何ら支障がない。
【0048】
また、バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力になるように設計されていることにより、バック布上辺部は、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい設計とされている。
【0049】
更に、バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な生地からなり、従って平坦で凹凸のない仕様となっているので、縁始末を要するバック布を用いた場合や、また伸縮テープ使いの場合などに問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減された衣料とする事ができる。
【0050】
(実施形態例5)
図5は、本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである前面開きタイプの別の態様のブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図である。
【0051】
図5のブラジャーは、図1の実施形態例1の前面開きタイプブラジャーに、肩紐10が取り付けられている態様のブラジャーであり、その他の点は、実質上実施形態例1のブラジャーと同一である。従って、バック布1はその幅方向にも良好な伸縮性を有するバック布であり、同一部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
【0052】
従って、このブラジャーにおいてもバック布1は、その長さ方向のみならず、幅方向にも良好な伸縮性を有する生地(例えば、縦横2方向に伸縮性のパワーネットなど)が用いられている。
【0053】
バック布1の上辺部5の領域に用いられている弾性糸は、バック布1の下辺部7の領域や中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太い弾性糸が用いられており、また編組織として緊迫力が大きくなるような編組織とされていて、バック布1の下辺部7や中央部6よりも緊迫力が大きくなるように設計されているとともに、その縁は縁始末不要な縁とされている。一方、バック布1の下辺部7の領域においては、用いられている弾性糸が中央部6の領域に用いられている弾性糸よりも太いが、上辺部5の領域に用いられている弾性糸よりも細い弾性糸を用い、しかも編組織として上辺部5の領域の編組織の緊迫力よりも弱いが、中央部6の領域の編組織の緊迫力よりも大きくなるような編組織を採用することによりこの部分の緊迫力が中央部6よりも強くなるようにされていると共に、その縁は、端始末不要な縁とされている。従って、バック布の上辺部5及び下辺部7が平坦で凹凸のない仕様となっている。尚、本実施の形態例においては、バック布の幅方向の伸長率が160%の生地を用いた。
【0054】
図5に示したブラジャーは、動きの大きいバック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも所定の伸長率をもった伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布上辺部が上方により追従しやすく、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができ、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、容易にもとに位置に戻りやすい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、バック布幅方向の伸びで緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできる。従って着崩れがより一層生じにくいブラジャーを提供できる。
【0055】
また、バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力になるように設計されていることにより、バック布上辺部は、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい設計とされている。
【0056】
更に、バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な生地からなり、従って平坦で凹凸のない仕様となっているので、縁始末を要するバック布を用いた場合や、また伸縮テープ使いの場合などに問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減された衣料とする事ができる。
【0057】
(実施の形態例6)
図6は、本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである背面開きタイプのブラジャーを広げた状態で裏面側から見た背面図である。
【0058】
図6のブラジャーは、乳房カップ部2、乳房カップ部周囲の下辺部4、脇布3、バック布1、左右のバック布の連結部8、9、肩紐10からなり、バック布1は脇布3の一端側の縁11に取り付けられている。尚、この例では、脇布3の一端側の縁11の内部に、剛性を有するボーンが装着されている。また、乳房カップ部周囲の下辺部4の内部には、カップワイヤーが挿入されている。そしてバック布1は、その長さ方向のみならず、幅方向にも良好な伸縮性を有する生地(例えば、縦横2方向に伸縮性のパワーネットなど)が用いられている。バック布1の上辺部5の肌側面には、その長さ方向に伸縮性の伸縮テープが取り付けられていて、バック布1の下辺部7や中央部6よりも緊迫力が大きくなるように設計されている。一方、バック布1の下辺部7は、用いられている弾性糸が中央部6に用いられている弾性糸よりも太い弾性糸を用いることによりこの部分の緊迫力が中央部6よりも高くなるようにされていると共に、その縁は、端始末不要な縁とされている。従って、バック布の下辺部7が肌側に対して平坦で凹凸のない仕様となっている。尚、本実施の形態例においては、バック布の幅方向の伸長率が160%の生地を用いた。
【0059】
図6に示したブラジャーは、動きの大きいバック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも所定の伸長率をもった伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布上辺部が上方により追従しやすく、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができ、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、容易にもとに位置に戻りやすい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、バック布幅方向の伸びで緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできる。従って着崩れがより一層生じにくいブラジャーを提供できる。
【0060】
また、バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力になるように設計されていることにより、バック布上辺部は、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい設計とされている。
【0061】
更に、バック布の下辺部が、縁始末不要な生地からなり、従って肌側に対して平坦で凹凸のない仕様となっているので、運動により下辺部の位置がずれたとしても、スムーズにもとに位置に戻りやすく、またバック布の下辺部においては、肌側面への伸縮テープ使いの場合に問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減された衣料とする事ができる。
【0062】
尚、左右のバック布の連結部8、9の部分は、特に伸縮性を持たない素材であってもよく、連結部は、背中の後ろ中心線上に位置することになり、この位置の皮膚の伸展は比較的小さいので伸縮性を持たない素材であっても何ら支障がない。
【0063】
(実施形態例7)
図7は、本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである背面開きタイプの更に別の態様のブラジャーを広げた状態で裏面側から見た背面図である。
【0064】
図7のブラジャーは、図6の実施形態例6のブラジャーで採用した脇布3がなく、バック布1が乳房カップ部周囲の下辺部4に直接取り付けられている態様のブラジャーであり、その他の点は、実質上実施形態例6のブラジャーと同一である。従って、バック布1はその幅方向にも良好な伸縮性を有するバック布であり、同一部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。尚、本実施の形態例においては、バック布の幅方向の伸長率が160%の生地を用いた。
【0065】
以上に説明したブラジャーは、動きの大きいバック布の上辺部の皮膚が略縦上方向に伸びた場合でも、上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも所定の伸長率をもった伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布上辺部が上方により追従しやすく、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができ、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、バック布下辺部もあまりずれていないので、容易にもとに位置に戻りやすい。すなわちバック布上辺部の動きによる応力が、バック布幅方向の伸びで緩和吸収されることにより、バック布下辺部の位置ずれなどを少なくできる。従って着崩れがより一層生じにくいブラジャーを提供できる。
【0066】
また、バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力になるように設計されていることにより、バック布上辺部は、着用時の筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にしている。そしてバック布の下辺部は、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい設計とされている。
【0067】
更に、バック布の下辺部が、縁始末不要な生地からなり、従って肌側に対して平坦で凹凸のない仕様となっているので、運動により下辺部の位置がずれたとしても、スムーズにもとに位置に戻りやすく、またバック布の下辺部においては、肌側面への伸縮テープ使いの場合に問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減された衣料とする事ができる。
【0068】
以上の実施の形態例では、主としてブラジャーを具体例として取り上げて説明したが、セパレートタイプの水着のトップ部(ブラジャー部)にも同様に、本発明を適用できる。
【0069】
本発明において、バック布の幅方向の伸長率は、80%以上であることが必要であり、好ましくは100%以上、より好ましくは140%以上であり、バック布の幅方向の伸長率が80%より小さい場合には、本発明の前述した着崩れ防止機能を十分に発揮することができず、好ましくない。バック布の幅方向の伸長率の上限は特に限定はなく、200%以上、更には300%以上であっても何ら差し支えなく、大きいほど好ましいが、現時点で、上辺部の緊迫力が強く、且つ、バック布長手方向にも幅方向にも伸縮性を有する生地において、入手が比較的容易なものはバック布の幅方向の伸長率が300%以下のものである。
【0070】
尚、本発明において、バック布の幅方向の伸長率は、次の方法により測定できる。
【0071】
バック布の幅方向が試験片の長さ方向になるように幅2.5cm×長さ16.0cmの試験片を作成し、その長さ方向を上下方向に向けてその両端をクリップでつかむ。上部つかみ長さを3.5cm、下部つかみ長さを2.5cmとし、従ってつかみ間隔は10.0cmとして定速伸長型引張試験機(島津製作所製“オートグラフ”AG−500D)に取り付け、30±2cm/分の速度で試験片を伸長させ、荷重22N(2.24kgf)の伸長率を測定する。これらのデータは試験片2つの平均値を求めて伸長率とした。
【0072】
ここで、伸長率(%)とは、伸ばした状態で伸び方向の生地の長さをd、伸ばす前の試料の元の長さ(すなわちつかみ間隔)をeとすると、[(d−e)/e]×100の値である。
【0073】
尚、伸長率の測定の際に試験片の大きさとしては、前述のような大きさのものを用いることが好ましいが、かかる大きさの試料が測定対象の衣類から切り出せない場合にはそれより小さくても差し支えない。ただ、試料の大きさが小さくなるほど、測定誤差が大きくなるので、切り出せる範囲でできるだけ大きな試料を採取して測定することが好ましい。
【0074】
また、緊迫力は、衣服圧を測定し、衣服圧の大きいものほど緊迫力が大きいとした。緊迫力の強、中、弱の目安としては、衣服圧として、それぞれ強が15〜30g/cm2、中が10〜20g/cm2、弱が5〜15g/cm2の範囲で適宜緊迫力の強、中、弱を調整することが好ましい。尚、衣服圧の測定には、株式会社エイエムアイ製の衣服圧測定機(日本特開平6−50828号参照)を用いることができる。
【0075】
【発明の効果】
(1)本発明の乳房カップ部を有する衣料は、乳房カップ部と、当該乳房カップ部を保持するための伸縮性を有するバック布とを少なくとも有するブラジャー、または、セパレートタイプの水着のトップ部から選ばれた衣料において、バック布の上辺部の緊迫力が強く、且つ、前記バック布は、その長手方向と共にその幅方向にも伸縮性を有し、当該幅方向の伸長率が80%以上である伸縮性を有している。
【0076】
従ってバック布の上辺部の緊迫力を強くし、且つバック布をその長さ方向だけでなく幅方向にも伸縮性を有する素材で構成し、その幅方向の伸長率を80%以上とすることにより、バック布上辺部は皮膚を強めに押圧しているので、皮膚の伸びに応じて上方に容易に追従しやすく、しかもバック布がその幅方向にも伸縮性を有する素材で構成されていることにより、バック布下辺部の位置がもとに位置にとどまろうとする場合においても、それを無理に引き上げずに、バック布幅方向の伸縮性の機能を利用して下辺部の位置の引き上げを最小限にとどめることができる。従って、従来の幅方向に伸びのないバック布または幅方向の伸長率が小さいバック布を用いた場合の如く、バック布上辺部の移動に伴ってバック布下辺部もほぼ同じ移動量でまたはかなり大きな割合の移動量で引き上げられて、バック布全体が上辺部の移動量とほぼ同じだけまたはかなり大きな割合で移動するのを緩和する機能が付与される。従って、バック布上辺部が上方に追従して移動した場合においても皮膚の伸展の比較的少ないバック布下辺部への影響を小さくすることができるので、バック布下辺部はあまりずれることなく、且つ皮膚の伸展がもとの状態に戻った場合にも、上辺部は容易に追従してもとの位置に戻ることができ、しかもバック布下辺部もあまりずれていないので、下辺部も容易にもとに位置に戻りやすく、着崩れがより一層生じにくい乳房カップ部を有する衣料が提供できる。
【0077】
(2)また、バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力である本発明の好ましい態様とすることにより、バック布上辺部は、筋肉や皮膚の動きに常に密着し、位置ずれを最小限にし、バック布の下辺部は、当接される部分の筋肉や皮膚の動き、伸展が上辺部ほど大きくないので上辺部よりも緊迫力は弱くしてあるが、中央部よりも強めの力で押さえ、衣料の位置を安定させている。また、バック布の幅方向の中央部は、該下辺部よりも緊迫力が弱く、上辺部の動きを阻害せず、容易に伸縮ができる状態になっており、着崩れがより一層生じにくい乳房カップ部を有する衣料が提供でき好ましい。
【0078】
(3)また、バック布の上辺部及び下辺部が肌側に対して平坦である本発明の好ましい態様とする事により、従来のバック布の上辺部及び下辺部に沿って、肌側面へストレッチテープなどが取り付けられていたり、上辺部及び下辺部の縁が、肌側に折り返されて縫合されるなどの2重構造になっている場合などの肌側面に対して凸の縁構造となっている場合に問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減され好ましい。
【0079】
(4)また、バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な縁を有している本発明の好ましい態様とする事により、バック布の上辺部及び下辺部を平坦で凹凸のない仕様とする事ができ、従来のバック布の上辺部及び下辺部に沿って、肌側面へストレッチテープなどが取り付けられていたり、上辺部及び下辺部の縁が、肌側に折り返されて縫合されるなどの2重構造になっている場合などの肌側面に対して凸の縁構造となっている場合に問題となっていた、着用者の肌への跡つきによる不快感や、部分的な圧迫による強い締め付け感が軽減されるとともに、縁始末不要な縁となっている部分は、折り返して縫合するなどの縁始末がされていないので、その部分の厚みがフラットになり、段差が生じることがなく、アウターウェアーに段差が反映することもないし、すっきりした胸部シルエットを実現できる。従って、機能性、ファッション性においても優れた衣料とすることができ好ましい。
【0080】
(5)また、バック布の幅方向の伸長率が、100%以上である本発明の好ましい態様とすることにより、動きの大きなバック布上辺部の、動きに伴う応力が下辺部にダイレクトに作用しないように緩和する機能や、逆に、下辺部が上辺部の大きな動きを拘束することを緩和する機能が、十分発揮され、着崩れがより一層生じにくい乳房カップ部を有する衣料が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである前開きタイプのブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図。
【図2】本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである前開きタイプの別の態様のブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図。
【図3】本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである後開きタイプの態様のストラップレスブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図。
【図4】本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである後開きタイプでロングラインタイプのストラップレスブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図。
【図5】本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである前面開きタイプの別の態様のブラジャーを広げた状態で前面側から見た正面図。
【図6】本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである背面開きタイプのブラジャーを広げた状態で裏面側から見た背面図。
【図7】本発明の乳房カップ部を有する衣料の1つである背面開きタイプの更に別の態様のブラジャーを広げた状態で裏面側から見た背面図。
【図8】従来の乳房カップ部を有する衣料の1つであるブラジャーを広げた状態で裏面側から見た背面図。
【符号の説明】
1 バック布
2 乳房カップ部
3 脇布
4 乳房カップ部周囲の下辺部
5 バック布1の上辺部
6 バック布1の中央部
7 バック布1の下辺部
8、9 連結部
10 肩紐
11 脇布3の一端側の縁
12a、12b フロントホック
20 カップ下部充当部
Claims (5)
- 乳房カップ部と、当該乳房カップ部を保持するための伸縮性を有するバック布とを少なくとも有するブラジャー、または、セパレートタイプの水着のトップ部から選ばれた衣料において、バック布の上辺部の緊迫力が強く、且つ、前記バック布は、その長手方向と共にその幅方向にも伸縮性を有し、当該幅方向の伸長率が80%以上であることを特徴とする乳房カップ部を有する衣料。
- バック布の緊迫力が、バック布の上辺が強く、中央部が弱く、下辺部がその中間の緊迫力である請求項1に記載の乳房カップ部を有する衣料。
- バック布の上辺部及び下辺部が肌側に対して平坦である請求項1または2のいずれかに記載の乳房カップ部を有する衣料。
- バック布の上辺部及び下辺部が、縁始末不要な縁を有している請求項1〜3のいずれかに記載の乳房カップ部を有する衣料。
- バック布の幅方向の伸長率が、100%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の乳房カップ部を有する衣料。
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2002
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