JP3739612B2 - 女性用被服 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右のカップ部と、脇から背中部分にかけて巻き付けるように装着するパネル部とからなる女性用被服に係り、より詳細には、両腕を上下させた場合でも体(胴体)にフィットしてずれることのない女性用被服、特にブラジャーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブラジャーの構造を図5(a)、(b)に示す。
【0003】
すなわち、従来のブラジャーは、左右のカップ部81、82と、この左右のカップ部81、82に縫着されている左側パネル部83および右側パネル部84とを有し、これら左側パネル部83の端部83aと右側パネル部84の端部84aとに、それぞれホック85a、85bが設けられた構造となっている。
【0004】
また、この左側パネル部83と右側パネル部84とは、主に横方向への伸縮性を有する素材によって形成されており、さらに、左側パネル部83および右側パネル部84のそれぞれの上縁部と下縁部とには、それぞれ横方向に伸縮性を有するゴム状のテープ部材86、87が縫着されている。
【0005】
すなわち、従来のブラジャーでは、主にこの横方向に縫着されたゴム状のテープ部材86、87により、カップ部81、82をそれぞれ図中矢符X、Yで示す方向に引っ張ることで、カップ部81、82を胸元にあてがった状態で保持するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば腕を上下に上げ下げした場合、人体の構造上、図5(b)中に矢符Zで示すように、脇の部分の筋肉も上下に伸縮する。
【0007】
この場合、従来のブラジャーでは、図5(b)に矢符X、Yで示したように、この上下方向の筋肉の移動に追従するような力が働いていない。むしろ、下側のテープ部材86は真横に力が作用(図5(b)中、Y方向)し、上側のテープ部材86は斜め下方に力が作用(図5(b)中、X方向)するため、何度も腕の上げ下げを行っていると、これに伴ってパネル部83、84が下方にさがり、その結果、カップ部81、82も下方にずれてしまうといった問題があった。
【0008】
本発明は係る問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、腕を上げ下げ等しても、カップ部やパネル部(特に、パネル部)が体にフィットしてずれることのない女性用被服を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の女性用被服は、左右のカップ部と、脇から背中部分にかけて巻き付けるように装着するパネル部とからなる女性用被服において、前記パネル部は、上縁部および下縁部それぞれ伸縮性のあるテープ部材で形成されているとともに、前記一方のテープ部材が、一方のカップ部の脇腹部分の上端部と他方のカップ部の脇腹部分の下端部とに連接されており、前記他方のテープ部材が、一方のカップ部の脇腹部分の下端部と他方のカップ部の脇腹部分の上端部とに連接されることによって、これらテープ部材が背中の中央部において交叉するように設けられていることを特徴とする。
【0010】
このような特徴を有する本発明によれば、各テープ部材の伸縮力が、左側の脇腹から背中を通って右側の脇腹まで一連に作用する。しかも、この力は背中の中央部でX状に交叉して、かつ均等な力で働くので、腕を上下させたときの脇腹の上下の伸縮にも柔軟に対応できるようになっている。つまり、各テープ部材が互いに均等な力で引き合うので、腕を上下させたときの脇腹の上下の伸縮にも影響されることなく、体にフィットした状態を安定して保持できるものである。
【0011】
また、本発明の女性用被服は、上記構成において、テープ部材が、カップ部の上縁部または/および下縁部に沿ってカップ部の中央部まで延設されていることを特徴とする。このように、カップ部の中央部までテープ部材を延設することで、テープ部材の伸縮性がブラジャー全体に作用するので、より体にフィットすることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の女性用被服であるブラジャーの構造を示す斜視図、図2は、同背面図、図3は体に装着した状態を示す側面図である。
【0014】
本実施の形態のブラジャーは、フロントホックタイプであって、左右のカップ部1、2と、脇から背中部分にかけて巻き付けるように装着するパネル部3とからなる。この左右のカップ部1、2とパネル部3とは、それぞれ脇腹部分1a、2aで縫着されている。
【0015】
また、パネル部3の上縁部および下縁部には、伸縮性のあるテープ部材5、6がそれぞれ取り付けられるとともに、このテープ部材5、6が背中の中央部において交叉するように設けられている。
【0016】
すなわち、具体的に説明すると、一方のテープ部材5が、一方のカップ部1の脇腹部分1aの上端部1bと他方のカップ部2の脇腹部分2aの下端部2cとに連接されており、他方のテープ部材6が、一方のカップ部1の脇腹部分1aの下端部1cと他方のカップ部2の脇腹部分2aの上端部2bとに連接されている。これにより、テープ部材5、6が背中の中央部でたすき状に交叉した状態となる。
【0017】
なお、テープ部材5、6の交叉部7は、長さ方向の伸縮性を損なうことのないように考慮して縫着されている。ただし、交叉部7は、必ずしも縫着する必要はない。また、本実施の形態では、パネル部3は、これらテープ部材5、6のみによって構成されていてもよい。
【0018】
このような構造のブラジャーによれば、体(胸部分)に装着したとき、図3に示すように一方のテープ部材5は左側の脇腹から背中中央部を通って右側の脇腹(図示省略)まで一連に力が働き、同様に他方のテープ部材6も左側の脇腹から背中中央部を通って右側の脇腹(図示省略)まで一連に力が働く。しかも、これらの力は背中の中央部でX状に交叉しているので、背中の中央部から見て左側(図2中左側)と右側(図2中右側)とで、この力Xa、Yaが上下方向については互いに力を打ち消し合うように働くので、全体として見た場合、パネル部3が体を水平方向から押すように(図2中、矢符W方向に)働くことになる。
【0019】
また、腕を上げたとき、脇腹の筋肉が上方に上がることによってブラジャーに作用する力(上方へ持ち上げようとする力)は、例えば図3に示す左脇腹の図面では、一方のテープ部材5が斜め下方に引き下げるように作用する力によって打ち消され、腕をさげたとき、脇腹の筋肉が下がることによってブラジャーに作用する力(下方へ引き下げようとする力)は、図3に示す左脇腹の図面では、他方のテープ部材6が斜め上方に引き上げるように作用する力によって打ち消されることになる。
【0020】
図4は、本発明のブラジャーの他の実施の形態を示す正面図である。本実施の形態では、カップ部1について見ると、一方のテープ部材5の縫着部分5aはカップ部1の上縁部に沿って延設されておらず、他方のテープ部材6の縫着部分6aが、そのカップ部1の下縁部に沿って中央部(ホック部分)8まで延設された例を示している。また、カップ部2について見ると、一方のテープ部材5の縫着部分5bおよび他方のテープ部材6の縫着部分6bが、共にカップ部2の上縁部および下縁部に沿って中央部(ホック部分)8まで延設された例を示している。この例では、テープ部材5、6を延設する具体例(2例)を1つの図面(第4図)にまとめて示しているが、実際の製品では、左右対象形状となるように縫着することは当然である。
【0021】
このように、カップ部1、2の中央部(ホック部分)8までテープ部材5、6を延設すると、テープ部材5、6の伸縮性がブラジャー全体に作用するので、より安定して体にフィットすることになる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の女性用被服によれば、パネル部を構成する上下の両テープ部材を、背中の中央部でたすき状に交叉するように構成したので、腕を上げ下げ等しても、カップ部やパネル部、特にパネル部が脇腹の筋肉の上下動によって上下にずれるといったことがなく、脇腹の所定位置に安定的にフィットさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の女性用被服であるブラジャーの構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示すブラジャーの背面図である。
【図3】図1に示すブラジャーを体に装着した状態を示す側面図である。
【図4】本発明の女性用被服であるブラジャーの他の実施の形態を示す正面図である。
【図5】(a)は従来のブラジャーの構造を示す斜視図、(b)は装着時の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1、2 カップ部
1a、2a 脇腹部分
3 パネル部
5 一方のテープ部材
6 他方のテープ部材
7 交叉部
8 中央部(ホック部分)

Claims (2)

  1. 左右のカップ部と、脇から背中部分にかけて巻き付けるように装着するパネル部とからなる女性用被服において、
    前記パネル部が一組のテープ部材からなり、一方のテープ部材が、一方のカップ部の脇腹部分の上端部と他方のカップ部の脇腹部分の下端部とに連接されており、他方のテープ部材が、一方のカップ部の脇腹部分の下端部と他方のカップ部の脇腹部分の上端部とに連接されることによって、これらテープ部材が背中の中央部において交叉するように設けられていることを特徴とする女性用被服。
  2. 前記テープ部材が、カップ部の上縁部または/および下縁部に沿ってカップ部の中央部まで延設されていることを特徴とする請求項1に記載の女性用被服。
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