JP3520040B2 - 肩紐及びそれを具備した乳房カップを有する衣料 - Google Patents

肩紐及びそれを具備した乳房カップを有する衣料

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JP3520040B2
JP3520040B2 JP2000326926A JP2000326926A JP3520040B2 JP 3520040 B2 JP3520040 B2 JP 3520040B2 JP 2000326926 A JP2000326926 A JP 2000326926A JP 2000326926 A JP2000326926 A JP 2000326926A JP 3520040 B2 JP3520040 B2 JP 3520040B2
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    • A41FGARMENT FASTENINGS; SUSPENDERS
    • A41F15/00Shoulder or like straps
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41CCORSETS; BRASSIERES
    • A41C1/00Corsets or girdles
    • A41C1/12Component parts
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41CCORSETS; BRASSIERES
    • A41C3/00Brassieres
    • A41C3/12Component parts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用の肩紐、特
に乳房カップを有する女性用衣料に好適な衣料用の肩
紐、ならびにかかる肩紐を具備した乳房カップを有する
女性用衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳房カップを有する女性用衣
料、具体的には、例えばブラジヤー(ロングブラジャー
も含む)、ボディスーツ、水着、レオタード、ブラスリ
ップ、ブラキャミソールなどの乳房カップを有するファ
ンデーション類や水着などの衣料は、着用者の乳房に当
てがわれ、所定の位置に形良く乳房が納まるように乳房
を保持したり、その形を整える機能などを付与した乳房
カップを有しており、これらの乳房カップを有する衣料
は、女性用の被服として広く普及している。通常、これ
らの乳房カップを有する衣料は、乳房カップ部の上側と
衣料本体の後部の上側の部分との間を連結する左右一対
の肩紐を備えたものが一般的であり、これらの肩紐は乳
房カップを保持し、衣料のずり下がりなどを防止した
り、衣料を所定位置に保持するためなどに用いられてい
る。
【0003】一般に、これらの肩紐は、少なくとも長手
方向に伸縮性を有するテープ状の扁平な編物ないし織物
が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の肩紐は、乳房を保持したり、衣料がずり下がらないよ
うに衣料を保持しているため、比較的細幅の肩紐にそれ
らの重力がかかり、肩こりが生じることがあると言う問
題がある。特に、妊産婦やサイズがDカップ以上の大き
な乳房を有する女性にとっては、乳房が大きく、重くな
るため、肩こりが生じやすいと言う問題がある。そこ
で、肩に掛かる力を面状に分散させて、細い部分に力が
集中しないように、肩紐を広幅にすることが考えられ
る。
【0005】本発明者らは通常より広幅(例えば幅約1
7mm)の肩紐を取りつけたブラジャーで、着用テスト
を試みたが、肩こりの緩和に関し多少の改善効果は認め
られるものの、肩紐を広幅にしても、それほど肩こりの
防止には有効ではないことが判明した。
【0006】これらの原因を追求するために、何人かの
女性や女性ダミーの肩の部分にその着圧を測定する圧力
センサー(株式会社エイエムアイ テクノ製 接触圧測
定器[エアパック式])を取り付けて幅方向の圧力部分
布を調査したところ、例え肩紐の幅が広幅であっても、
通常の肩の傾斜(首から肩先にかけて、若干下がり傾
斜)を有する場合には、肩紐の幅のうち首に近い方側に
圧力が集中し、一方、いわゆる「いかり肩」と称される
肩の傾斜(肩の張っている体型)を有する体型の場合に
は、肩紐の幅のうち首から遠い方側に圧力が集中し、従
って、圧力が幅方向にあまり分散されずに、いずれか一
方の側に圧力が集中し、結局、細い肩紐を用いているよ
うな状態になっていることを解明した。
【0007】本発明は、従来の衣料用肩紐のこれらの問
題点を解決し、特に広幅にしなくても、通常の幅のもの
から広幅のものまで、肩紐にかかる力の幅方向の分布の
差異をより少なくし、肩こりの原因を軽減し、より肩こ
りが生じにくい衣料用の肩紐ならびにかかる肩紐を具備
した乳房カップを有する女性用衣料を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、下記のような衣料用の肩紐ならびにかか
る肩紐を具備した乳房カップを有する女性用衣料を提供
する。
【0009】(1)長手方向に伸縮性を有する衣料用の
肩紐において、前記肩紐は、その長手方向に複数個の穴
を有しており、前記各穴は、各穴の長手方向中心線の位
置が、肩紐の長手方向中心線より、片側に偏在している
肩紐。
【0010】(2)前記(1)項に記載の本発明の肩紐
においては、各穴全体が、肩紐の長手方向中心線より、
片側に偏在していることが好ましい。
【0011】(3)前記(1)〜(2)項のいずれかに
記載の本発明の肩紐においては、長手方向に存在する複
数個の各穴間の間隔が、1〜4cmであることが好まし
い。
【0012】(4)前記(1)〜(3)項のいずれかに
記載の本発明の肩紐においては、穴の幅が、肩紐の幅の
1/3より小さく1mm以上であることが好ましい。
【0013】(5)前記(1)〜(3)項のいずれかに
記載の本発明の肩紐においては、穴の幅が、肩紐の幅の
1/3より小さく2mm以上であることが好ましい。
【0014】(6)前記(1)〜(4)項のいずれかに
記載の本発明の肩紐においては、穴の長さが、2〜20
mmであることが好ましい。
【0015】(7)前記(1)〜(6)項のいずれかに
記載の本発明の肩紐においては、肩紐の長手方向片側の
領域が緊締力が比較的弱い素材生地からなり、他方側の
領域が緊締力が比較的強い素材生地からなり、前記緊締
力が比較的弱い方の領域が、穴の長手方向中心線の位置
が偏在している側であることが好ましい。
【0016】(8)前記(7)項に記載の本発明の肩紐
においては、肩紐の緊締力が比較的弱い素材生地からな
る領域の幅Waと緊締力が比較的強い素材生地からなる
領域の幅Wbの比が、Wa:Wb=1:1〜5であるこ
とが好ましい。
【0017】(9)前記(7)項に記載の本発明の肩紐
においては、肩紐の緊締力が比較的弱い素材生地からな
る領域の幅Waと緊締力が比較的強い素材生地からなる
領域の幅Wbの比が、Wa:Wb=1:1.5〜2.5
であることが好ましい。
【0018】(10)前記(1)〜(9)項のいずれか
に記載の本発明の肩紐においては、肩紐の幅が、10〜
30mmであることが好ましい。
【0019】(11)前記(1)〜(9)項のいずれか
に記載の本発明の肩紐においては、肩紐の幅が、13〜
16mmであることが好ましい。
【0020】(12)前記(7)〜(9)項のいずれか
に記載の本発明の肩紐においては、緊締力が比較的弱い
素材生地の緊締力と緊締力が比較的強い素材生地の緊締
力の比が、前者:後者=1:1より大きく5以下の範囲
であることが好ましい。
【0021】(13)前記(7)〜(9)項のいずれか
に記載の本発明の肩紐においては、緊締力が比較的弱い
素材生地の緊締力と緊締力が比較的強い素材生地の緊締
力の比が、前者:後者=1:2.5〜3.5の範囲であ
ることが好ましい。
【0022】(14)前記(7)〜(13)項のいずれ
かに記載の本発明の肩紐においては、緊締力が比較的弱
い素材生地の緊締力が200mN〜600mNであり、
緊締力が比較的強い素材生地の緊締力が500mN〜1
000mNであることが好ましい。
【0023】(15)前記(7)〜(14)項のいずれ
かに記載の本発明の肩紐においては、緊締力が比較的弱
い素材生地と緊締力が比較的強い素材生地の緊締力の差
異が、用いられる弾性糸の太さは変えずに、弾性糸の使
用密度の差によって素材生地の緊締力の差異を発現さ
せ、緊締力が比較的弱い素材生地に比べて緊締力が比較
的強い素材生地の弾性糸の使用密度を大きくして緊締力
の差異を発現させていることが好ましい。
【0024】(16)本発明の女性用衣料は、前記
(1)〜(15)項のいずれかに記載の肩紐を具備した
乳房カップを有する女性用衣料であり、肩紐の穴が偏在
する側が、当該衣料の前及び後中心側になるように肩紐
が取り付けられている乳房カップを有する女性用衣料で
ある。
【0025】(17)前記(16)項に記載の本発明の
女性用衣料においては、肩紐を具備した乳房カップを有
する女性用衣料が、ブラジャー、ボディスーツ、水着、
レオタード、ブラスリップ、ブラキャミソールから選ば
れた女性用衣料であることが好ましい。
【0026】(18)前記(16)〜(17)項のいず
れかに記載の本発明の女性用衣料においては、肩紐を具
備した乳房カップを有する女性用衣料が、Dカップ以上
の大きなサイズの乳房カップを有する女性用衣料である
ことが好ましい。
【0027】(19)前記(16)項に記載の本発明の
女性用衣料においては、肩紐を具備した乳房カップを有
する女性用衣料が、マタニティ用ブラジャーであること
が好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の理解を容易にする
ために少数の代表的な衣料用の肩紐ならびに本発明の肩
紐を具備した乳房カップを有する女性用衣料について図
面を引用して説明するが、本発明はこれらの図示された
形態にのみ限定されるものではない。
【0029】一般に肩紐は、少なくともその長手方向に
伸縮性を有するものが用いられており、本発明において
用いられる肩紐の素材生地は、従来より用いられている
少なくともその長手方向に伸縮性を有する各種素材生地
のものを用いることができる。特に限定するものではな
いが、通常、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、綿な
どの非弾性繊維糸とポリウレタン繊維などの弾性繊維糸
とからなる編物や織物が用いられる。特に限定するもの
ではないが、本発明ではラッセル編みが、肩紐としての
強度を保持させ、しかも、穴の形成が容易にできる点か
らも好ましい素材生地である。
【0030】図1に本発明の肩紐の一実施形態の部分平
面図を示した。
【0031】図1において、1が本発明の衣料用肩紐で
あり、長手方向に伸縮性を有している。この肩紐は、そ
の長手方向に複数個の穴2、2、2……を有している。
各穴の長手方向中心線3の位置が、肩紐の長手方向中心
線5より、片側(この図の場合には長手方向中心線5よ
り左側)に偏在している。図1に示した実施形態におい
ては、各穴の長手方向中心線3の位置が、肩紐の長手方
向中心線5より、片側(この図の場合には長手方向中心
線5より左側)に偏在していると同時に、穴全体が、肩
紐の長手方向中心線5より、左側に偏在している。
【0032】この図1のように穴全体が、肩紐の長手方
向中心線5より片側に偏在する、すなわち穴の外周が肩
紐の長手方向中心線5より左側か右側のいずれか一方の
側に収まるようになっている好ましい実施形態例である
が、本発明においては、図2に示した本発明の肩紐の別
の一実施形態の部分平面図のように、各穴の長手方向中
心線3の位置が、肩紐の長手方向中心線5より、片側
(この図の場合には長手方向中心線5より左側)に偏在
していればよく、穴2の外周が肩紐の長手方向中心線5
より左側に完全に収まるようになっていなくてもよい。
つまり、図2の例のように、穴2の外周の一部が、肩紐
の長手方向中心線5を反対側に一部超えてしまうような
態様でも、穴2の長手方向中心線3の位置が、肩紐の長
手方向中心線5より、片側に偏在していればよい。しか
し、より好ましくは、例えば図1に示したように、各穴
全体が、肩紐の長手方向中心線5より、片側の領域内に
入ってしまうような態様がより好ましい。
【0033】図1や図2に示したような本発明の肩紐
は、素材生地自体は肩紐の長手方向に伸縮性を有する
が、穴2が設けられている側の肩紐の長手方向の緊締力
(伸縮パワー)が弱められることになる。このような肩
紐を衣料に取りつける場合には、通常、肩紐の穴2が偏
在する側が、当該衣料の前及び後中心側になるように、
すなわち、長手方向の緊締力(伸縮パワー)が弱められ
ている側が着用者の首側にくるように肩紐が取り付けら
れて使用されることにより、意外にも、肩紐の幅方向に
掛かる力の分布の差が小さくなり、肩紐幅方向に掛かる
力の分布がより均等化されることにより、一方の側のみ
に特に強い力が集中して掛かってしまうことがなくなる
ので、肩紐の幅を有効に面として活用でき、肩こりの発
生の緩和に有効に作用するのである。
【0034】なお、図面を引用してで説明したので、理
解は容易と思われるが、「穴の長手方向中心線」とは、
穴の幅の中央を肩紐長手方向に通る線を意味する。そし
て、もし穴の幅(肩紐長手方向に対して直角方向の穴の
径)の方が穴の肩紐長手方向の径よりも大きい、横長の
穴であったとしても、「穴の長手方向中心線」とは、上
記の定義の通りであり、何ら変るものではなく、穴の幅
の中央を肩紐長手方向に通る線を意味する。また、「肩
紐の長手方向中心線」とは、図1の符号5で示されてい
る1点鎖線からも明らかなように、肩紐の幅aの中央A
を肩紐の長手方向に通っている線を意味する。
【0035】ちなみに、本発明において、肩紐に設けら
れた穴の幅や長手方向の穴の長さを数値で言及する場合
には、上下非対称な形の穴とか、及び/又は、左右非対
称な形の穴とかの如く、特別、非対称で異型でない限り
は、穴の長手方向中心線3のの中央を肩紐の幅方向に通
っている線の長さをその穴の幅と言い、穴の幅の中央を
肩紐の長手方向に通っている線の長さをその穴の長さと
称している。ちなみに図1や図2のような穴の場合に、
穴の幅とは、4で示される矢印のついた直線の長さと言
うことになり、穴の長さとは、3で示される矢印のつい
た直線の長さと言うことになる。
【0036】次に図3と図4に、肩紐に開けられた穴2
の図1や図2に示した穴とは異なる態様の穴2の平面形
状の一態様を示した。
【0037】図3に示した穴2が、左右非対称な形の穴
の一例であり、図4に示した穴2が、上下非対称な形の
穴の一例である。
【0038】例えば図3に示したように穴2が、左右非
対称な形の穴の場合の、穴の幅とは穴の上側の縁6から
1mmおきの間隔p(=1mm)で肩紐の幅方向の穴の
横幅a、b、c、d、e、f、gを測定し、その平均値
(この例では[a+b+c+d+e+f+g]/7)を
もって穴の幅とする。この穴の例では、穴の長さは矢印
Aで表される。なお、図3中、符号7は、穴の下側の縁
を表している。また、矢印Aの方向が肩紐の長手方向で
ある。
【0039】また、例えば図4に示したように穴2が、
上下非対称な形の穴の場合の、穴の長さとは穴の左側の
縁8から1mmおきの間隔q(=1mm)で肩紐の長手
方向の穴の縦長さA、B、C、D、Eを測定し、その平
均値(この例では[A+B+C+D+E]/5)をもっ
て穴の長さとする。この穴の例では、穴の幅は矢aで表
される。なお、図4中、符号9は、穴の右側の縁を表し
ている。また、この穴の例では、穴の左側の縁8、9に
沿った方向が肩紐の長手方向である。
【0040】以上、種々説明した事項は、他の実施の形
態においても同様の趣旨で当てはめられる。
【0041】しかして、本発明の肩紐においては、長手
方向に存在する複数個の各穴間の間隔(図1や図2の符
号10、すなわち穴間の間隔とは、肩紐の長手方向基準
で、穴の先端同士の間隔を意味する。)が、1〜4cm
であることが好ましく、あまりに各穴間の間隔10が狭
すぎると、肩紐としての実用上の強度の確保ができにく
くなったり、穴の存在する側の緊締力が弱くなりすぎ
て、この部分が存在する意味が薄れる傾向になる。あま
りに各穴間の間隔10が広すぎると、穴をあけて穴の存
在する側の肩紐の緊締力を低下させる機能が不十分とな
る傾向になる。
【0042】そして、特に限定するものではないが、穴
の幅は、肩紐の幅の1/3より小さく1mm以上である
ことが好ましく、より好ましくは肩紐の幅の1/3より
小さく2mm以上である。あまりにも穴の幅が大きすぎ
ると、肩紐の強度が低下する傾向になるとともに、着用
した際に、肩紐の幅方向の圧力分布の偏りを少なくする
機能が低下する傾向になる。また、あまりにも穴の幅が
小さすぎると、穴をあけて穴の存在する側の肩紐の緊締
力を低下させる機能が不十分となる傾向になり、その結
果、着用した際に、肩紐の幅方向の圧力分布の偏りを少
なくする機能が低下する傾向になる。
【0043】また、特に限定するものではないが、穴の
長さは、2〜20mmであることが好ましい。余りに穴
の長さが短すぎる場合には、穴をあけて穴の存在する側
の肩紐の緊締力を低下させる機能が不十分となる傾向に
なり、その結果、着用した際に、肩紐の幅方向の圧力分
布の偏りを少なくする機能が低下する傾向になる。余り
に穴の長さが長すぎる場合には、肩紐の強度が低下する
傾向になるとともに、着用した際に、肩紐の幅方向の圧
力分布の偏りを少なくする機能が低下する傾向になる。
【0044】穴の形も、本発明の目的が達成される限り
任意であり、三角形、正方形、長方形、5角形以上の多
角形、円形、楕円形、半円形、半楕円形(楕円を略半分
にカットしたような形)、凸レンズ断面形、三日月形、
菱形、星形、花形、ハートマーク形、多角形の少なくと
も1辺が曲線状(円弧も含む)になった形、各種動物の
足跡形、不定形アメーバー状の形など特に限定されな
い。
【0045】本発明の肩紐の幅としては、用いる衣料の
種類や、着用者の乳房の大きさなどによって異なるの
で、一概に規定するものではないが、10〜30mmの
範囲が好ましく、特に13〜16mm程度の幅のものが
好ましい。あまりに肩紐の幅が小さすぎると、肩に掛か
る圧力をその幅方向に分散させて面状に肩にかける機能
が低下する傾向になり、肩こり防止機能が十分発揮しに
くくなる傾向になる。また、余りに肩紐の幅が広すぎて
も、肩に掛かる圧力をその幅方向に分散させる機能が低
下する傾向になる。尚、肩紐がストレートな帯状ではな
く、肩紐の長手方向で幅が太くなったり細くなったり変
化する場合とか、縁が凹凸のある形状模様付のような肩
紐の場合とか、肩紐の幅がその長手方向で変化している
場合の肩紐の幅は、肩紐の長さ方向に1cmづつの間隔
をおいてそれぞれの位置でその幅を測定し、その平均値
を幅とする。
【0046】以上説明した長手方向に存在する複数個の
各穴間の間隔、穴の幅、穴の長さ、肩紐の幅など、種々
説明した事項は、他の実施の形態においても同様の趣旨
で当てはめられる。
【0047】以上のようにして得られた肩紐は、通常、
肩紐の穴2が偏在する側が、当該衣料の前及び後中心側
になるように、すなわち、長手方向の緊締力(伸縮パワ
ー)が弱められている側が着用者の首側にくるように肩
紐が取り付けられて使用されることにより、着用状態で
の肩紐の幅方向の圧力分布差が、穴が設けられていない
従来の肩紐に比べて小さくなると共に、若干、着用状態
での肩紐の幅方向の首側の方の肩に掛かる力が小さく、
外側の方の肩に掛かる力が若干大きくなることにより、
外側のパワーが若干強く保たれるので、肩紐が肩からず
り落ちることを防止する機能も併せて発揮される。
【0048】次に、図5に本発明の肩紐の更に別の実施
形態の部分平面図を示した。この態様の肩紐は、肩紐の
長手方向片側の領域が緊締力が比較的弱い素材生地から
なり、他方側の領域が緊締力が比較的強い素材生地から
なり、前記緊締力が比較的弱い方の領域が、穴の長手方
向中心線の位置が偏在している側となっている肩紐の一
実施形態例である。
【0049】図5に示した肩紐1は、既に図1などを引
用して説明した肩紐と同様に、肩紐1の長手方向に伸縮
性を有している。この肩紐は、その長手方向に複数個の
穴2、2、2……を有している。各穴の長手方向中心線
3の位置が、肩紐の長手方向中心線5より、片側(この
図の場合には長手方向中心線5より左側)に偏在してい
る。図5に示した実施形態においては、図1の肩紐と同
様に、各穴の長手方向中心線3の位置が、肩紐の長手方
向中心線5より、片側(この図の場合には長手方向中心
線5より左側)に偏在していると同時に、穴全体が、肩
紐の長手方向中心線5より、左側に偏在している。そし
て、この肩紐が図1に示した肩紐と異なる点は、肩紐の
穴2、2、2……の長手方向中心線3の位置が肩紐1の
長手方向中心線5より偏在している側(長手方向片側)
の領域20が緊締力が比較的弱い素材生地からなり、他
方側の領域21が緊締力が比較的強い素材生地からなっ
ている点である。22は前記緊締力が比較的弱い素材生
地からなっている領域20と、緊締力が比較的強い素材
生地からなっている領域21の境界である。
【0050】このように、穴が設けられている側の領域
を他の領域に比べて緊締力が比較的弱い素材生地で構成
すること、他方側の領域を緊締力が比較的強い素材生地
で構成することにより、このような肩紐を衣料に取りつ
ける場合に、通常、肩紐の穴2が偏在する側が、当該衣
料の前及び後中心側になるように、すなわち、長手方向
の緊締力(伸縮パワー)が弱められている側が着用者の
首側にくるように肩紐が取り付けられて使用されること
により、肩紐の幅方向に掛かる力の分布の差をより一層
小さくすることができ、肩紐幅方向に掛かる力の分布が
より均等化されることにより、一方の側のみに特に強い
力が集中して掛かってしまうことがなくなるので、肩紐
の幅を有効に面として活用でき、肩こりの発生の緩和に
より一層有効な肩紐を提供できる。
【0051】上述したような態様の肩紐において、肩紐
の緊締力が比較的弱い素材生地からなる領域20の幅W
aと緊締力が比較的強い素材生地からなる領域21の幅
Wbの比は、Wa:Wb=1:1〜5であることが好ま
しく、より好ましくは、Wa:Wb=1:1.5〜2.
5である。尚、図5に示した実施例では、Wa:Wb=
1:2とした。緊締力が比較的弱い素材生地からなる領
域20の幅Waが緊締力が比較的強い素材生地からなる
領域21の幅Wbに比べて余りに小さすぎると、比較的
弱い素材生地からなる領域20を設けた意義、すなわ
ち、肩紐の着用時の肩紐幅方向に掛かる力の分布がより
均等化されることにより、肩紐の幅を有効に面として活
用でき、肩こりの発生を緩和する機能が十分発揮され
ず、低下する傾向になる。
【0052】緊締力が比較的弱い素材生地からなる領域
20の幅Waが緊締力が比較的強い素材生地からなる領
域21の幅Wbに比べて余りに大きすぎると、肩紐とし
ての衣料本体のずり下がりなどを防止し、衣料本体を所
定の位置に保って、着崩れなどを防止する肩紐本来の機
能が低下する傾向になる。
【0053】また、かかる幅方向に緊締力差を有する肩
紐においては、緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力と
緊締力が比較的強い素材生地の緊締力の比が、前者:後
者=1:1より大きく5以下の範囲であることが好まし
く、より好ましくは前者:後者=1:2.5〜3.5の
範囲である。緊締力が比較的強い素材生地の緊締力が比
較的緊締力の弱い素材生地の緊締力に比べて余りに大き
すぎると、本発明の肩紐を取りつけた衣料を着用した際
の、肩紐幅方向における圧力分布の偏りを少なくする機
能が低下する傾向になり、緊締力が比較的強い素材生地
の方に掛かる着圧が増加してしまう傾向になる。
【0054】具体的な緊締力の数値としては、用いる衣
料の種類や、肩紐の太さ、着用者の乳房の大きさ、緊締
力が比較的弱い素材生地からなる領域20の幅Waと緊
締力が比較的強い素材生地からなる領域21の幅Wbの
比など、種々の要因により変るので、一概に規定しがた
いが、緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力が200m
N〜600mNであり、緊締力が比較的強い素材生地の
緊締力が500mN〜1000mNの範囲が好ましい。
もちろん、上記範囲においては、比較的弱い素材生地の
緊締<比較的強い素材生地の緊締力である。
【0055】緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力が余
りに小さすぎても余りに大きすぎても、この部分が存在
する意味が薄れる傾向になり、本発明の肩紐を取りつけ
た衣料を着用した際の、肩紐幅方向における圧力分布の
偏りを少なくする機能が低下する傾向になる。一方、緊
締力が比較的強い素材生地の緊締力が余りに小さすぎる
と、肩紐としての衣料本体のずり下がりなどを防止し、
衣料本体を所定の位置に保って、着崩れなどを防止する
肩紐本来の機能が低下する傾向になり、また、肩紐が肩
からずれて外れてしまう傾向が出やすくなり、緊締力が
比較的強い素材生地の緊締力が余りに大きすぎると、緊
締力が比較的強い素材生地の方に掛かる着圧が増加して
肩こり防止機能が低下する傾向になる。
【0056】そして、このように、肩紐の長手方向片側
の領域が緊締力が比較的弱い素材生地からなり、他方側
の領域が緊締力が比較的強い素材生地からなる緊締力に
強弱の差を付与する方法としては、特に限定するもので
はないが、(1)用いられる弾性糸の太さは変えずに、
弾性糸の使用密度の差によって素材生地の緊締力の差異
を発現させ、緊締力が比較的弱い素材生地に比べて緊締
力が比較的強い素材生地の弾性糸の使用密度を大きくす
る方法と(2)用いられる弾性糸の使用本数密度は変え
ずに用いる弾性糸の太さを変え、緊締力が比較的弱い素
材生地に使用されている弾性糸に比べて緊締力が比較的
強い素材生地に使用される弾性糸の太さを大きくする方
法、(3)用いる弾性糸の使用本数密度と、用いる弾性
糸の太さの両者を変えてなる緊締力が比較的弱い素材生
地からなる領域と緊締力が比較的強い素材生地からなる
領域を形成する方法、(4)緊締力が比較的弱い素材生
地からなる領域と緊締力が比較的強い素材生地からなる
領域を編み組織ないし織組織を変えることによって形成
する方法などが一般的であり、本発明の肩紐にはいずれ
の方法を採用してもよいが、肩紐を平面に平置きしたと
きに、本来まっすぐな帯状に形成されるはずの肩紐がカ
ーブしてしまうことをできるだけ少なくし、比較的まっ
すぐな帯状の肩紐が得られやすいという点で、(1)の
方法が特に好ましい。特に限定するものではないが、緊
締力が比較的弱い素材生地(a)と緊締力が比較的強い
素材生地(b)の部分は、(a)と(b)を別個にそれ
ぞれテープ状に形成して、それらを長手方向の縁で相互
に並列につなぎ合わせるわけではなく、通常、緊締力の
強弱を上述した様な手法で付与しながら(a)と(b)
の部分が1本のテープ状物として一体となって同時に編
成ないし織成された素材生地で構成される。
【0057】尚、緊締力を測定するには、次の引張り試
験を行って測定する。
【0058】素材経方向(ウェール方向)が試験片の長
さ方向になるように幅1.0cm×長さ16.0cmの
試験片を作成し、その長さ方向を上下方向に向けてその
両端をクリップでつかむ。上部つかみ長さを2.5c
m、下部つかみ長さを3.5cmとし、従ってつかみ間
隔は10.0cmとして万能型引張試験機(株式会社東
洋ボールドウィン製UTM−4−100[U−55
5])に取り付け、30±2cm/分の速度で試験片を
伸度80%まで伸ばす。この際、伸度30%時点で試験
片に掛かっている応力を記録しこれを伸長力(単位m
N)とし、次に伸度80%まで伸ばした試験片に掛かる
応力を取り去ると、試験片が元の長さに戻ろうとして収
縮するが、伸度30%まで回復した時の試験片に掛かる
応力を緊締力(単位mN)とする。これらの値は、上記
引張試験機により自動的に記録される様に設定してお
く。尚、伸長力、緊締力とも、これらのデータは試験片
2つの平均値を求めてそれぞれ伸長力、緊締力とした。
【0059】ここで、伸度(%)とは、伸ばした状態で
伸び方向の生地の長さをd、伸ばす前の試料の元の長さ
(すなわちつかみ間隔)をeとすると、下記式で表され
る。
【0060】
【数1】伸度(%)=[(d−e)/e]×100 もし、所定の長さの試験片が採取できない場合には、そ
れより短い試料でもやむを得ない。また、所定の幅
(1.0cm)の試験片が採取できない場合には、それ
より幅が狭い試料でもやむを得ないが、その場合には、
伸長する前の試験片の幅をw(単位cm)とした場合
に、幅が1.0cmより短いので、前記引張試験機で得
られた伸長力、緊締力の値を1.0/W倍したものが伸
長力、緊締力と言うことになる。
【0061】尚、試験片が所定の大きさより小さいもの
しか採取できない場合には、採取できる範囲でできるだ
け大きなものを採取するのが好ましい。
【0062】次に、図6に本発明の肩紐の更に別の実施
形態の部分平面図を示した。この態様の肩紐は、肩紐の
長手方向片側の領域が緊締力が比較的弱い素材生地から
なり、他方側の領域が緊締力が比較的強い素材生地から
なり、前記緊締力が比較的弱い方の領域が、穴の長手方
向中心線の位置が偏在している側となっている肩紐の一
実施形態例である。すなわち図5に示した態様とほぼ同
様の態様であるが、穴の形や、肩紐長手方向の両側の縁
のラインが若干曲線模様状のラインとなっていて、美観
を向上させた態様の一実施形態である。
【0063】図6に示した肩紐1は、肩紐1の長手方向
に伸縮性を有している。この肩紐は、その長手方向に複
数個の穴2、2、2……を有している。穴の形状は左右
非対称であり図3で説明したような形状の穴である。各
穴は図5で説明したと同様に穴全体が、肩紐の長手方向
中心線5より、左側に偏在している。そして、この肩紐
は、肩紐の穴2、2、2……の存在している側(長手方
向片側)の領域20が緊締力が比較的弱い素材生地から
なり、他方側の領域21が緊締力が比較的強い素材生地
からなっている。22は前記緊締力が比較的弱い素材生
地からなっている領域20と緊締力が比較的強い素材生
地からなっている領域21との境界であり、領域20の
幅は、肩紐の幅の1/2より若干短く設計されている。
特に限定するものではないが、この実施例においては、
肩紐がストレートな帯状ではなく、肩紐長手方向の両側
の縁25と26のラインが曲線模様状のラインとなって
いるので、肩紐の長手方向で幅が太くなったり細くなっ
たり変化する場合とか、縁が凹凸のある形状模様付のよ
うな肩紐の場合の幅は、前述したように肩紐の長さ方向
に1cmづつの間隔をおいてそれぞれの位置でその幅を
測定し、その平均値を幅とするが、この肩紐の上述のよ
うな測定による幅は特に限定するものではないが、17
mmとした。同様の方法で測定した肩紐の緊締力が比較
的弱い素材生地からなる領域20の幅Wa(8mm)と
緊締力が比較的強い素材生地からなる領域21の幅Wb
(9mm)の比は、Wa:Wb=約1:1.1であっ
た。
【0064】緊締力が比較的弱い素材生地からなる領域
20の生地の長手方向の緊締力は343mNであり、緊
締力が比較的強い素材生地からなる領域21の生地の長
手方向の緊締力は833mNであった。なお、この肩紐
は、ナイロン繊維71重量%、ポリウレタン繊維29重
量%からなり、前記緊締力が比較的弱い素材生地ならび
に緊締力が比較的強い素材生地はともに、ナイロンマル
チフィラメント糸は、78dtexのウーリーナイロン
糸、110dtexのウーリーナイロン糸、115dt
exのナイロン糸、110dtexのウーリーナイロン
2本の撚糸、と弾性糸として940dtexのポリウレ
タン繊維糸に155dtexのウーリーナイロン糸をカ
バリングしたカバリング糸からなるラッセル編みであ
り、緊締力が比較的弱い素材生地部分に用いられている
前記弾性糸は、幅Wa(8mm)中に7本挿入されてお
り、緊締力が比較的強い素材生地部分に用いられている
前記弾性糸は、幅Wb(9mm)中に21本挿入されて
いる態様とした。
【0065】また、穴2の幅は、図3を用いて説明した
様な方法で測定した結果約2.9mmであり、穴2の長
さは6mm、各穴間の間隔10が、3.7cmであっ
た。
【0066】この肩紐と、比較の肩紐として、上記の肩
紐と同じ大きさ、形状で、同じ原料糸を用い、穴2が開
いておらず、肩紐全体が前記の緊締力が比較的強い素材
生地からなり、それと同様のラッセル編みとした従来か
ら用いられている肩紐とを、後述する図7で示すような
3/4カップタイプの大きさD75カップ(JIS規定
のブラジャーのサイズで、75がアンダーバストサイ
ズ、Dがカップボリューム)を有するブラジャーに取り
付けほぼ平均的な通常の肩形状(いかり肩でない形状、
すなわち首から肩先にかけて、若干下がり傾斜の肩形
状)を有し、乳房の大きさがD75カップに相当する女
性用ダミーと、ほぼ同様のサイズの体型を有する女性3
人に着用させ、肩の部分に圧力センサー(株式会社エイ
エムアイ テクノ製 接触圧測定器[エアパック式])
を取り付けて幅方向の圧力分布を測定した。また、乳房
の大きさがD75カップに相当するいかり肩の女性3人
にも同じブラジャーを着用させ同様に肩紐に掛かる幅方
向の圧力部分布を測定した。その結果を表1に示した。
表1中の女性による測定値はいずれも3人の平均値で示
した。
【0067】上記圧力センサーによる着圧の測定は、幅
2mm、長さ28mmの感圧端子(エアパック)を肩紐
の裏側で、着用時に肩の頂点にくる箇所に、肩紐幅方向
の内側(着用者の首に近い方の側)と外側(着用者の首
の位置から遠い方の側)にそれぞれ感圧端子の長手方向
が肩紐の長手方向に沿うように取り付けて測定した。
【0068】
【表1】
【0069】表1の衣服圧のデータからも明らかなよう
に、通常の肩形状(いかり肩でない形状)の場合、ダミ
ーに着用させた場合も、女性が着用した場合も、従来の
肩紐では、幅方向の内側にかかる着圧が強く、外側にか
かる着圧がかなり大きくなっている。本発明の肩紐を用
いた場合には、肩紐幅方向の内側よりも外側の着圧が若
干大きくなっているが、その差が小さくなっている。す
なわち、通常の肩形状の場合、肩紐の幅方向全体に着圧
がかかり、従ってより広い面で肩にフィットしているこ
とが認められる。また、若干外側(すなわち肩が下がる
方の側)の着圧が大きくなっていることから、肩紐がず
れ落ちにくくなる効果も備えていることがわかる。
【0070】また、いかり肩の場合には、従来の肩紐で
は、内側よりも外側の着圧が大きくなり、しかもその差
がかなり大きくなっている。肩形状の相違により内側よ
りも外側の着圧が大きくなるものと推定される。本発明
の肩紐を用いた場合には、肩紐幅方向の外側よりも内側
の着圧が若干大きくなっているが、その差が小さくなっ
ている。すなわち、いかり肩形状の場合も、肩紐の幅方
向全体に着圧がかかり、従ってより広い面で肩にフィッ
トしていることが認められる。
【0071】以上から、通常の肩形状を有する人でも、
いかり肩形状の人でも、本発明の肩紐を用いると、従来
の通常の肩紐を用いた場合に比べて、幅方向での肩に掛
かる圧力の差が小さくなり、従って、いずれか一方の側
に強く圧力が掛かることが緩和され、着圧が幅方向に比
較的均等に分散されやすくなり、肩こり防止に有効であ
ることが理解される。
【0072】次に、前述したような本発明の肩紐を具備
した乳房カップを有する女性用衣料の実施形態について
図面を引用しながら説明するが、本発明の衣料はこの実
施の形態例として示された衣料のみに限定されるもので
はない。
【0073】図7は本発明の肩紐を具備した乳房カップ
を有する女性用衣料であるブラジャーの一例を示す斜視
図である。
【0074】図7において、1が肩紐、2が肩紐の長手
方向中心線(図示せず)より、前中心側ならびに後中心
側に偏在している穴、30が乳房カップ、31が土台
布、32がバック布である。肩紐1としては、この実施
の形態例では図5や図6で説明した肩紐を用いた。肩紐
1の前側の端はブラジャーの乳房カップ30の上脇側に
取り付けられ、肩紐1の後側の端はブラジャーのバック
布32の先端部より少し内側の上辺に取り付けられてい
る。
【0075】このブラジャーは、肩紐1の穴2が設けら
れている側の領域が他の領域に比べて緊締力の比較的弱
い素材生地で構成され、他方側の領域が緊締力の比較的
強い素材生地で構成されており、且つ、肩紐1の穴2が
偏在する側が、当該衣料の前及び後中心側になるよう
に、すなわち、肩紐1の長手方向の緊締力(伸縮パワ
ー)が弱められている側が着用者の首側にくるように肩
紐が取り付けられており、肩紐の幅方向に掛かる力の分
布の差をより一層小さくすることができ、肩紐幅方向に
掛かる力の分布がより均等化されることにより、一方の
側のみに特に強い力が集中して掛かってしまうことがな
くなるので、肩紐の幅を有効に面として活用でき、肩こ
りの発生がより緩和されたブラジャーが提供される。
【0076】次に、図8と図9を引用して、本発明の肩
紐を具備した乳房カップを有する女性用衣料であるマタ
ニティー用ブラジャーについて説明する。
【0077】図8は本発明の肩紐を具備した乳房カップ
を有する女性用衣料であるマタニティー用ブラジャーの
一例を示す前側から見た部分斜視図、図9は図8のマタ
ニティー用ブラジャーの一部の、裏側から見た部分背面
図である。
【0078】図8、図9において、1が肩紐、2が肩紐
の長手方向中心線(図示せず)より、前中心側ならびに
後中心側に偏在している穴、30が乳房カップ、31が
土台布(この場合には表側からは見えない。裏側にのみ
表れている。)、33が非伸縮性のレースからなる土台
布31の表側をカバーしている装飾と土台布の補強を兼
ねた土台部表レース布、32がバック布、34がバック
の係止部のフック・アンド・アイとも呼ばれる鈎ホック
の後環部(アイ)、35が後環部(アイ)34に引っか
けて止めるための鈎ホックの爪部(フック)であり、出
産前後の女性は、乳房が徐々に膨らんでボリュームが大
きくなってくるので、ボリュームの変化に対応できるよ
うに、通常のブラジャーよりも後環(アイ)の数を多く
して、34a、34b、34c、34dの如く4段にし
て、胸周りサイズの調整がより多段階にできるようにし
ている。そのほか、乳房カップ30の裏側には、弾性糸
を含有せず比較的伸びの少ないダブルラッセル編地から
なる裏当布36が設けられており、裏当布36は、A−
B−C−D−Eの縁はブラジャー本体に縫合されている
が、上辺側の縁であるA−F−Eのラインはブラジャー
本体に縫合されていないフリーの縁となっており、肩紐
1は、表側では乳房カップのJ−Kラインで乳房カップ
30に縫着されるとともに、肩紐1は更に下に延長され
て伸びており、この肩紐1の下方向への延長部分は、裏
当布36と乳房カップ30の間に挿入され、E−F−G
−D−Eの肩紐1に沿ったラインで裏当布36にのみ縫
合されている。
【0079】マタニティ用ブラジャーは、この様に肩紐
1を延長させて、延長部を裏当布36に直接縫着してお
り、このことにより、裏当布36を肩紐1で直接引き上
げるので、ボリュームが大きく、重くなった乳房を、し
っかりと持ち上げることができるような構造になってい
る。但し、上記図示した態様はマタニティ用ブラジャー
の一例であって、この構造のもののみに限定されるもの
ではない。
【0080】このマタニティ用ブラジャーにおいては、
肩紐1として、図5や図6で説明した肩紐を用いた。肩
紐1の一端は上述した通りの態様でブラジャー裏当布3
6に取り付けられ、肩紐1の後側の端はブラジャーのバ
ック布32の先端部より少し内側の上辺に取り付けられ
ている。
【0081】このマタニティ用ブラジャーは、肩紐1の
穴2が設けられている側の領域が他の領域に比べて緊締
力の比較的弱い素材生地で構成され、他方側の領域が緊
締力の比較的強い素材生地で構成されており、且つ、肩
紐1の穴2が偏在する側が、当該衣料の前及び後中心側
になるように、すなわち、肩紐1の長手方向の緊締力
(伸縮パワー)が弱められている側が着用者の首側にく
るように肩紐が取り付けられており、肩紐の幅方向に掛
かる力の分布の差をより一層小さくすることができ、肩
紐幅方向に掛かる力の分布がより均等化されることによ
り、一方の側のみに特に強い力が集中して掛かってしま
うことがなくなるので、肩紐の幅を有効に面として活用
でき、肩こりの発生がより緩和されたマタニティ用ブラ
ジャーが提供される。かかる肩紐を有するマタニティ用
ブラジャーは、乳房が膨らんでボリュームが大きくなっ
ている出産前後の女性が着用する衣料であり、乳房の重
みが肩紐に掛かり、肩こりが生じやすい衣料であるが、
本発明のマタニティ用ブラジャーは、肩こりの発生を効
果的に緩和でき、妊産婦の苦痛を和らげるのに極めて有
効である。
【0082】次に、図10に本発明の肩紐を具備した乳
房カップを有する女性用衣料であるボディスーツの一例
を示す斜視図を示した。
【0083】図10において、1が肩紐、2が肩紐の長
手方向中心線(図示せず)より、前中心側ならびに後中
心側に偏在している穴、40が乳房カップ、41が胴
部、42がクロッチ部である。肩紐1としては、この実
施の形態例では図5や図6で説明した肩紐を用いた。肩
紐1の前側の端はボディスーツの乳房カップ40の上脇
側に取り付けられ、肩紐1の後側の端はボディスーツの
胴部41の後側の上辺に取り付けられている。
【0084】このボディスーツは、肩紐1の穴2が設け
られている側の領域が他の領域に比べて緊締力の比較的
弱い素材生地で構成され、他方側の領域が緊締力の比較
的強い素材生地で構成されており、且つ、肩紐1の穴2
が偏在する側が、当該衣料の前及び後中心側になるよう
に、すなわち、肩紐1の長手方向の緊締力(伸縮パワ
ー)が弱められている側が着用者の首側にくるように肩
紐が取り付けられており、肩紐の幅方向に掛かる力の分
布の差をより一層小さくすることができ、肩紐幅方向に
掛かる力の分布がより均等化されることにより、一方の
側のみに特に強い力が集中して掛かってしまうことがな
くなるので、肩紐の幅を有効に面として活用でき、肩こ
りの発生がより緩和されたボディスーツが提供される。
【0085】以上、本発明の肩紐を具備した乳房カップ
を有する女性用衣料として、ブラジャーとボディスーツ
の実施の形態例を挙げて説明したが、本発明の肩紐を具
備した乳房カップを有する女性用衣料としては、例えば
ロングブラジャー、水着、レオタード、ブラスリップ、
ブラキャミソールなどの乳房カップを有するファンデー
ション類や水着などの衣料にも有効に適用できる。ま
た、上記、実施の形態例では用いた肩紐として、図5、
図6に示した肩紐について言及したが、図1や図2など
の本発明の肩紐などや、その他本発明の肩紐であればい
ずれも適用できる。
【0086】
【発明の効果】(1)本発明の衣料用の肩紐は、長手方
向に伸縮性を有し、長手方向に複数個の穴を有してお
り、前記各穴は、各穴の長手方向中心線の位置が、肩紐
の長手方向中心線より、片側に偏在しているので、肩紐
の穴が偏在する側が、当該衣料の前及び後中心側になる
ように、すなわち、肩紐の穴が偏在する側が着用者の首
側にくるように衣料に取り付けられて使用されることに
より、肩紐の幅方向に掛かる力の分布の差が小さくな
り、肩紐幅方向に掛かる力の分布がより均等化されるこ
とにより、一方の側のみに特に強い力が集中して掛かっ
てしまうことがなくなるので、肩紐の幅を有効に面とし
て活用でき、肩こりの発生の緩和に有効な肩紐を提供で
きる。
【0087】(2)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、各穴全体が、肩紐の長手方向中心線より、片側に偏
在している本発明の好ましい態様とすることにより、肩
紐の幅方向に掛かる力の分布の差をより小さくしやす
く、肩紐幅方向に掛かる力の分布がより均等化されやす
くなり、肩こりの発生の緩和に、より有効な肩紐を提供
でき好ましい。
【0088】(3)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、長手方向に存在する複数個の各穴間の間隔が、1〜
4cmである本発明の好ましい態様とすることにより、
肩紐の実用上の強度を保持し、且つ、肩紐の幅方向に掛
かる力の分布の差を小さくでき、肩紐幅方向に掛かる力
の分布がより均等化されることにより、肩こりの発生の
緩和に有効な肩紐を提供でき好ましい。
【0089】(4)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、穴の幅が、肩紐の幅の1/3より小さく1mm以上
である本発明の好ましい態様とすることにより、肩紐の
実用上の強度を保持し、且つ、肩紐の幅方向に掛かる力
の分布の差を小さくでき、肩紐幅方向に掛かる力の分布
がより均等化されることにより、肩こりの発生の緩和に
有効な肩紐を提供でき好ましい。
【0090】(5)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、穴の幅が、肩紐の幅の1/3より小さく2mm以上
である本発明の好ましい態様とすることにより、肩紐の
実用上の強度を保持し、且つ、肩紐の幅方向に掛かる力
の分布の差をより小さくでき、肩紐幅方向に掛かる力の
分布がより均等化されることにより、肩こりの発生の緩
和に、より有効な肩紐を提供でき好ましい。
【0091】(6)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、穴の長さが、2〜20mmである本発明の好ましい
態様とすることにより、肩紐の実用上の強度を保持し、
且つ、肩紐の幅方向に掛かる力の分布の差を小さくで
き、肩紐幅方向に掛かる力の分布がより均等化されるこ
とにより、肩こりの発生の緩和に有効な肩紐を提供でき
る。
【0092】(7)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、肩紐の長手方向片側の領域が緊締力が比較的弱い素
材生地からなり、他方側の領域が緊締力が比較的強い素
材生地からなり、前記緊締力が比較的弱い方の領域が、
穴の長手方向中心線の位置が偏在している側である本発
明の好ましい態様とすることにより、肩紐の幅方向に掛
かる力の分布の差を更に一層小さくすることができ、肩
紐幅方向に掛かる力の分布が更に均等化されることによ
り、一方の側のみに特に強い力が集中して掛かってしま
うことがなくなるので、肩紐の幅を有効に面として活用
でき、肩こりの発生の緩和に更に一層有効な肩紐を提供
でき好ましい。
【0093】(8)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、肩紐の緊締力が比較的弱い素材生地からなる領域の
幅Waと緊締力が比較的強い素材生地からなる領域の幅
Wbの比が、Wa:Wb=1:1〜5である本発明の好
ましい態様とすることにより、肩紐としての衣料本体の
ずり下がりなどを防止し、衣料本体を所定の位置に保っ
て、着崩れなどを防止する肩紐本来の機能を低下させる
ことなく、肩紐の幅方向に掛かる力の分布の差を更に小
さくでき、肩紐幅方向に掛かる力の分布が更に均等化さ
れることにより、肩こりの発生の更なる緩和に有効な肩
紐を提供でき好ましい。
【0094】(9)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、肩紐の緊締力が比較的弱い素材生地からなる領域の
幅Waと緊締力が比較的強い素材生地からなる領域の幅
Wbの比が、Wa:Wb=1:1.5〜2.5である本
発明の好ましい態様とすることにより、肩紐としての衣
料本体のずり下がりなどを防止し、衣料本体を所定の位
置に保って、着崩れなどを防止する肩紐本来の機能を十
分発揮できるとともに、肩紐の幅方向に掛かる力の分布
の差を更に一段と小さくでき、肩紐幅方向に掛かる力の
分布が更により均等化されることにより、肩こりの発生
の緩和に、更に一段と有効な肩紐を提供でき好ましい。
【0095】(10)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、肩紐の幅が、10〜30mmである本発明の好まし
い態様とすることにより、肩こりの発生の緩和に有効な
肩紐を提供でき好ましい。すなわち、あまりに肩紐の幅
が小さすぎると、肩に掛かる圧力をその幅方向に分散さ
せて面状に肩にかける機能が低下する傾向になり、肩こ
り防止機能が十分発揮しにくくなる傾向になる。また、
余りに肩紐の幅が広すぎても、肩に掛かる圧力をその幅
方向に分散させる機能が低下する傾向になる。上記の範
囲で規定した肩紐の幅は、この様な問題がなく、本発明
の機能を効率よく発揮でき好ましい。
【0096】(11)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、肩紐の幅が、13〜16mmである本発明の好まし
い態様とすることにより、あまりに狭幅ないしあまりに
広幅であることによる着用時の違和感が少なく、しかも
かかる幅の肩紐とすることにより、本発明の機能を非常
に効率よく発揮でき、肩こりの発生の緩和に有効な肩紐
を提供でき好ましい。
【0097】(12)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力と緊締力が比
較的強い素材生地の緊締力の比が、前者:後者=1:1
より大きく5以下の範囲である本発明の好ましい態様と
することにより、肩紐としての衣料本体のずり下がりな
どを防止し、衣料本体を所定の位置に保って、着崩れな
どを防止する肩紐本来の機能を十分発揮できるととも
に、肩紐の幅方向に掛かる力の分布の差をより小さくで
き、肩紐幅方向に掛かる力の分布がより均等化されるこ
とにより、肩こりの発生の緩和に、より有効な肩紐を提
供できる。すなわち、緊締力が比較的強い素材生地の緊
締力が比較的緊締力の弱い素材生地の緊締力に比べて余
りに大きすぎると、本発明の肩紐を取りつけた衣料を着
用した際の、肩紐幅方向における圧力分布の偏りを少な
くする機能が低下する傾向になり、緊締力が比較的強い
素材生地の方に掛かる着圧が増加してしまう傾向にな
る。上記の緊締力比の範囲においては、上記のような問
題をほとんど懸念することなく、肩こりの発生の緩和
に、より有効な肩紐を提供でき好ましい。
【0098】(13)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力と緊締力が比
較的強い素材生地の緊締力の比が、前者:後者=1:
2.5〜3.5の範囲である本発明の好ましい態様とす
ることにより、肩紐としての衣料本体のずり下がりなど
を防止し、衣料本体を所定の位置に保って、着崩れなど
を防止する肩紐本来の機能を十分発揮できるとともに、
肩紐の幅方向に掛かる力の分布の差をより更に小さくで
き、肩紐幅方向に掛かる力の分布が更により均等化され
ることにより、肩こりの発生の緩和に、一段と有効な肩
紐を提供できる。すなわち、緊締力が比較的強い素材生
地の緊締力が比較的緊締力の弱い素材生地の緊締力に比
べて余りに大きすぎると、本発明の肩紐を取りつけた衣
料を着用した際の、肩紐幅方向における圧力分布の偏り
を少なくする機能が低下する傾向になり、緊締力が比較
的強い素材生地の方に掛かる着圧が増加してしまう傾向
になるが、上記の緊締力比の範囲においては、上記のよ
うな問題を全く懸念することなく、肩こりの発生の緩和
に、より一段と有効な肩紐を提供でき好ましい。
【0099】(14)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力が200mN
〜600mNであり、緊締力が比較的強い素材生地の緊
締力が500mN〜1000mNである本発明の好まし
い態様とすることにより、本発明の肩紐を具備した衣料
の着用時、肩紐が形から外れやすくなることがなく、肩
紐としての衣料本体のずり下がりなどを防止し、衣料本
体を所定の位置に保って、着崩れなどを防止する肩紐本
来の機能を十分発揮できるとともに、肩紐の幅方向に掛
かる力の分布の差をより更に小さくでき、肩紐幅方向に
掛かる力の分布が更により均等化されることにより、肩
こりの発生の緩和に、一段と有効な肩紐を提供でき好ま
しい。
【0100】(15)また、本発明の衣料用肩紐におい
て、緊締力が比較的弱い素材生地と緊締力が比較的強い
素材生地の緊締力の差異が、用いられる弾性糸の太さは
変えずに、弾性糸の使用密度の差によって素材生地の緊
締力の差異を発現させ、緊締力が比較的弱い素材生地に
比べて緊締力が比較的強い素材生地の弾性糸の使用密度
を大きくしてなる本発明の好ましい態様とすることによ
り、肩紐を平面に平置きしたときに、本来まっすぐな帯
状に形成されるはずの肩紐がカーブしてしまうことをで
きるだけ少なくし、比較的まっすぐな帯状の肩紐が得ら
れやすく、好ましい。
【0101】(16)また、本発明の乳房カップを有す
る女性用衣料は、前記本発明の肩紐を具備しており、肩
紐の穴が偏在する側が、当該衣料の前及び後中心側にな
るように肩紐が取り付けられていることにより、肩紐の
幅方向に掛かる力の分布の差が小さくなり、肩紐幅方向
に掛かる力の分布がより均等化されることにより、一方
の側のみに特に強い力が集中して掛かってしまうことが
なくなるので、肩紐の幅を有効に面として活用でき、肩
こりの発生の緩和に有効な乳房カップを有する女性用衣
料を提供できる。
【0102】(17)また、本発明の乳房カップを有す
る女性用衣料において、肩紐を具備した乳房カップを有
する女性用衣料が、ブラジャー、ボディスーツ、水着、
レオタード、ブラスリップ、ブラキャミソールから選ば
れた女性用衣料である本発明の好ましい態様とすること
により、これらの衣料は、肩紐が着用者の肩に直接接す
るタイプの衣料であり、従って肩こりが生じやすい衣料
であるが、これらの衣料を着用しても、肩こりの発生の
緩和を効果的に発揮でき好ましい。
【0103】(18)また、本発明の乳房カップを有す
る女性用衣料において、肩紐を具備した乳房カップを有
する女性用衣料が、Dカップ以上の大きなサイズの乳房
カップを有する女性用衣料である本発明の好ましい態様
とすることにより、これらの衣料は、乳房が比較的大き
い女性が着用する衣料であり、乳房の重みが肩紐に掛か
り、肩こりが生じやすい衣料であるが、これらの衣料を
着用しても、肩こりの発生の緩和を効果的に発揮でき好
ましい。
【0104】(19)また、本発明の乳房カップを有す
る女性用衣料において、肩紐を具備した乳房カップを有
する女性用衣料が、マタニティ用ブラジャーである本発
明の好ましい態様とすることにより、これらの衣料は、
乳房が膨らんでボリュームが大きくなっている出産前後
の女性が着用する衣料であり、乳房の重みが肩紐に掛か
り、肩こりが生じやすい衣料であるが、本発明のマタニ
ティ用ブラジャーは、肩こりの発生を効果的に緩和で
き、妊産婦の苦痛を和らげるのに極めて有効であり好ま
しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の肩紐の一実施形態の部分平面図。
【図2】本発明の肩紐の別の一実施形態の部分平面図。
【図3】本発明の肩紐に開けられた穴の一態様の平面形
状を示す図。
【図4】本発明の肩紐に開けられた穴の更に別の一態様
の平面形状を示す図。
【図5】本発明の肩紐の更に別の実施形態の部分平面
図。
【図6】本発明の肩紐の更に別の実施形態の部分平面
図。
【図7】本発明の肩紐を具備した乳房カップを有する女
性用衣料であるブラジャーの一例を示す斜視図。
【図8】本発明の肩紐を具備した乳房カップを有する女
性用衣料であるマタニティー用ブラジャーの一例を示す
前側から見た部分斜視図。
【図9】図8のマタニティー用ブラジャーの一部の、裏
側から見た部分背面図。
【図10】本発明の肩紐を具備した乳房カップを有する
女性用衣料であるボディスーツの一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 肩紐 2 穴 3 穴の長手方向中心線 4 穴の長手方向中心線3のの中央を肩紐の幅方向
に通っている線 5 肩紐の長手方向中心線 6 穴の上側の縁 7 穴の下側の縁 8 穴の左側の縁 9 穴の右側の縁 10 各穴2間の間隔 20 緊締力が比較的弱い素材生地からなっている領
域 21 緊締力が比較的強い素材生地からなっている領
域 22 領域20と領域21の境界 25 肩紐長手方向の縁 26 肩紐長手方向の縁 30 乳房カップ 31 土台布 32 バック布 33 土台部表レース布 34 鈎ホックの後環部(アイ) 35 鈎ホックの爪部(フック) 36 裏当布 40 乳房カップ 41 胴部 42 クロッチ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−209202(JP,A) 特開2000−170006(JP,A) 実開 昭51−153128(JP,U) 実開 昭63−177921(JP,U) 実開 昭53−141131(JP,U) 実開 平7−21722(JP,U) 実開 昭55−153932(JP,U) 実公11302(大正14年)(JP,Y1 T) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A41B 9/16 A41C 3/12 A41F 15/02

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に伸縮性を有する衣料用の肩紐
    において、前記肩紐は、その長手方向に複数個の穴を有
    しており、前記各穴は、各穴の長手方向中心線の位置
    が、肩紐の長手方向中心線より、片側に偏在している肩
    紐。
  2. 【請求項2】 各穴全体が、肩紐の長手方向中心線よ
    り、片側に偏在している請求項1に記載の肩紐。
  3. 【請求項3】 長手方向に存在する複数個の各穴間の間
    隔が、1〜4cmである請求項1〜2のいずれかに記載
    の肩紐。
  4. 【請求項4】 穴の幅が、肩紐の幅の1/3より小さく
    1mm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の肩
    紐。
  5. 【請求項5】 穴の幅が、肩紐の幅の1/3より小さく
    2mm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の肩
    紐。
  6. 【請求項6】 穴の長さが、2〜20mmである請求項
    1〜4のいずれかに記載の肩紐。
  7. 【請求項7】 肩紐の長手方向片側の領域が緊締力が比
    較的弱い素材生地からなり、他方側の領域が緊締力が比
    較的強い素材生地からなり、前記緊締力が比較的弱い方
    の領域が、穴の長手方向中心線の位置が偏在している側
    である請求項1〜6のいずれかに記載の肩紐。
  8. 【請求項8】 肩紐の緊締力が比較的弱い素材生地から
    なる領域の幅Waと緊締力が比較的強い素材生地からな
    る領域の幅Wbの比が、Wa:Wb=1:1〜5である
    請求項7に記載の肩紐。
  9. 【請求項9】 肩紐の緊締力が比較的弱い素材生地から
    なる領域の幅Waと緊締力が比較的強い素材生地からな
    る領域の幅Wbの比が、Wa:Wb=1:1.5〜2.
    5である請求項7に記載の肩紐。
  10. 【請求項10】 肩紐の幅が、10〜30mmである請
    求項1〜9のいずれかに記載の肩紐。
  11. 【請求項11】 肩紐の幅が、13〜16mmである請
    求項1〜9のいずれかに記載の肩紐。
  12. 【請求項12】 緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力
    と緊締力が比較的強い素材生地の緊締力の比が、前者:
    後者=1:1より大きく5以下の範囲である請求項7〜
    9のいずれかに記載の肩紐。
  13. 【請求項13】 緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力
    と緊締力が比較的強い素材生地の緊締力の比が、前者:
    後者=1:2.5〜3.5の範囲である請求項7〜9の
    いずれかに記載の肩紐。
  14. 【請求項14】 緊締力が比較的弱い素材生地の緊締力
    が200mN〜600mNであり、緊締力が比較的強い
    素材生地の緊締力が500mN〜1000mNである請
    求項7〜13のいずれかに記載の肩紐。
  15. 【請求項15】 緊締力が比較的弱い素材生地と緊締力
    が比較的強い素材生地の緊締力の差異が、用いられる弾
    性糸の太さは変えずに、弾性糸の使用密度の差によって
    素材生地の緊締力の差異を発現させ、緊締力が比較的弱
    い素材生地に比べて緊締力が比較的強い素材生地の弾性
    糸の使用密度を大きくしてなる請求項7〜14のいずれ
    かに記載の肩紐。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の肩
    紐を具備した乳房カップを有する女性用衣料であり、肩
    紐の穴が偏在する側が、当該衣料の前及び後中心側にな
    るように肩紐が取り付けられている乳房カップを有する
    女性用衣料。
  17. 【請求項17】 肩紐を具備した乳房カップを有する女
    性用衣料が、ブラジャー、ボディスーツ、水着、レオタ
    ード、ブラスリップ、ブラキャミソールから選ばれた女
    性用衣料である請求項16に記載の乳房カップを有する
    女性用衣料。
  18. 【請求項18】 肩紐を具備した乳房カップを有する女
    性用衣料が、Dカップ以上の大きなサイズの乳房カップ
    を有する女性用衣料である請求項16又は17のいずれ
    かに記載の乳房カップを有する女性用衣料。
  19. 【請求項19】 肩紐を具備した乳房カップを有する女
    性用衣料が、マタニティ用ブラジャーである請求項16
    に記載の乳房カップを有する女性用衣料。
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