JP6928235B2 - カップ部を有する衣類 - Google Patents

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Description

本発明は、カップ部を有する衣類に関するものである。
従来、ブラジャー等のカップ部を有する衣類において、楽な着用感を得ることを目的として、ワイヤー等を用いずに柔らかい素材を用いたハーフトップタイプの衣類が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの衣類は、ワイヤー等による補正効果がないため、バストの造形力が不十分であった。また、締め付け力が小さいため、動作や長時間の着用によって、バストの動きに追随できないことによる着崩れが発生しやすいという問題があった。
実用新案登録第3044581号公報 特開2003−193302号公報 実用新案登録第3150496号公報
本発明は、特に、圧迫感が軽減された楽な着用感であるにもかかわらず、バストの造形性が維持可能なカップ部を有する衣類を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のカップ部を有する衣類は、
本体布、カップ受布および一対のカップ部を備え、
前記本体布は、胸部を被覆する前面部と、前記前面部の左右両脇側から背面に延びる背面部とを有し、
前記本体布と前記カップ受布とは、前記前面部のバージスラインに沿って配置される接着領域で接着されて一体になっており、
前記カップ部は、前記本体布と前記カップ受布との間に収容されており、
前記本体布には、伸度が小さい領域と伸度が大きい領域とが含まれており、
前記伸度が小さい領域は、バージスラインの最下点近傍よりも脇側の前記接着領域に配置され
前記伸度が大きい領域は、バージス前中心付近の前記接着領域に配置され、
前記伸度が小さい領域は、生地の伸びを拘束する部分を有しており、前記生地の伸びを拘束する部分は、抜染加工または抜蝕加工によって残存領域として形成されていることを特徴とする。
本発明によると、特に、圧迫感が軽減された楽な着用感であるにもかかわらず、バストの造形性が維持可能なカップ部を有する衣類を提供することができる。
図1は、本発明のカップ部を有する衣類の一例である、第一の実施形態に係るブラジャーを示す斜視図である。 図2は、前記第1の実施形態に係るブラジャー100を、前面部の肌側から見た状態の正面図である。 図3(a)は、前記第1の実施形態に係るブラジャー100の接着領域を説明する正面図である。図3(b)は、接着領域のバリエーションを示す図である。 図4は、本体布の前面部の伸度分布を表す図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係るブラジャー100の素材となるプリント生地を示す図である。 図6は、着用客観評価1の結果を示す図である。 図7は、着用客観評価2の結果を示す図である。
本発明のカップ部を有する衣類において、前記伸度が小さい領域は、さらに、バージスラインの最下点とバストトップ位置とを結ぶ線よりも脇側の領域に配置されていることが好ましい。
本発明のカップ部を有する衣類において、前記本体布は、前記前面部の上部から両肩部に延在して背面部に至る一対のストラップ部を有しており、
前記ストラップ部に前記伸度が小さい領域が配置されていることが好ましい。
本発明のカップ部を有する衣類において、前記前面部の上縁部に、前記伸度が小さい領域が配置されていることが好ましい。
本発明のカップ部を有する衣類において、前記背面部の後中心上部に、前記伸度が小さい領域が配置されていることが好ましい。
本発明のカップ部を有する衣類において、衣類がブラジャーであることが好ましい。
本発明のカップ部を有する衣類について、例をあげて説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定および制限されない。なお、以下で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。
(第一の実施形態)
図1および図2に、本発明のカップ部を有する衣類の第一の実施形態に係るブラジャー100を示す。図1はブラジャー100の斜視図である。本実施形態のブラジャー100は、本体布11、カップ受布12および一対のカップ部13を主要構成要素とする、ハーフトップタイプのブラジャーである。本体布11は、胸部を被覆する前面部11Aと、前面部11Aの左右両脇側から背面に延びる背面部11Bとを有している。
図2は、ブラジャー100を、前面部11Aの肌側から見た状態の正面図である。本体布11とカップ受布12とは、前面部11Aのバージスラインに沿って配置される接着領域15で接着されて一体になっている。カップ部13は、本体布11とカップ受布12との間に収容されている。
図3は、ブラジャー100の接着領域15を説明する正面図である。図3(a)は、ブラジャー100を、前面部11Aの肌側から見た状態であり、接着領域15に斜線を付与したものである。本実施形態においては、接着領域15は、バージスラインに沿って配置されるとともに、前中心部分および前中心上方にも配置されている。しかし、本発明はこの態様に限定されず、図3(b)に示すように、接着領域15は、バージスラインに沿った領域のみに配置されていてもよい。接着領域15は、バージスラインに沿った領域のみに配置される場合、本体布11とカップ受け布12とを、上辺や脇辺の一部において縫製で留めてもよい。接着領域15では、本体布11とカップ受け布12とは互いに拘束されるが、重なって拘束された状態でも、ある程度の伸びは維持されるので、体の伸びなどにそれなりに追従することができる。このように、バージスラインに沿って配置される接着領域15によって、伸びるバージスサポート領域を形成することができる。前中心付近のバージスサポート領域が伸びることにより、体の動きや左右のバストの動きにある程度追随することができる。
バージスラインに沿った領域(図3(b)の斜線部分)の接着領域15の幅は、上辺や脇辺の接着領域15の幅の2倍程度あることが好ましい。バージスラインに沿った領域の接着領域15の幅は、14mm〜20mmの範囲内にあることが好ましく、16mm〜18mmの範囲内にあることがより好ましい。前記幅は、着用者の体型に応じて調整することもできる。前記領域は「接着シロ」としての役割に加えて、バストの下側において、後述する「伸びにくいバージスサポート領域」としてバストを支える役目もあるため、他の領域よりも幅を広く設けることが好ましい。
そして、本体布11には、伸度が小さい領域16と伸度が大きい領域17とが含まれている。図4は、本体布11の前面部11Aの伸度分布を表す図である。図中の斜線を付与した領域は、伸度が小さい領域16であり、斜線を付与していない領域は、伸度が大きい領域17である。伸度が小さい領域16は、バージスラインの最下点近傍よりも脇側の接着領域15と重なる部分を有する(図3および図4参照)。接着領域15と伸度が小さい領域16とが重なっている箇所は、伸びが一番小さくなる。前記脇側の接着領域は、この領域となるので、伸びにくいバージスサポート領域を形成することができる。この領域の伸びを比較的少なくすることで、バストの脇流れを押さえ、バストの底辺を適切な位置に保つことができる。また、運動時におけるバストの揺れをバージスラインの下側の面で押さえることができるので、バストの造形性を保つことができる。また、前中心付近のバージスサポート領域は伸びるので、着用時に胃を圧迫しないというメリットもある。
このように、本発明のカップ部を有する衣類は、本体布11およびカップ受布12の2枚の生地、前記2枚の生地を一体とする接着領域15、さらに、本体布11に含まれている伸度が小さい領域16を有していることで、カップ周りに2段階のサポート効果(バージスサポート効果)を得ることができる。前記バージスサポート効果は、ワイヤータイプのブラジャーにおけるワイヤーの役割に相当し、動作や長時間の着用後でも、造形性を維持したまま、違和感のないサポートが得られる。ここで、違和感のないサポートとは、例えば、肌触りが良い、圧迫感が少ない、運動追従性が良い、といった状態でサポートされることを指す。また、圧迫感がなく、カップ周りをサポートするラインが周辺の生地全体で支えられるため、周辺生地のヨレを防ぐことができる。
一般的に、ソフトな着用感を有するタイプのブラジャーの場合は、バージスの境界線を明確に形作ることができない。また、通常は比較的パワーの強い素材で構成されるバック部の引きがないので、どうしても脇部分の立ち上がりが曖昧となり、また、脇のバストの支えも不十分になりがちである。一方、本発明のカップ部を有する衣類においては、前記脇側の接着領域が伸びにくいバージスサポート領域を形成しており、バージスラインの形状をしっかりと保つことができる。したがって、柔らかい当たりでありながらも、脇側のバージスライン、すなわち胸の境界を形作ることができるので、バストの丸みを演出し、キープすることができる。
本体布11の伸度が小さい領域16は、例えば、別部材を重ね合わせて形成されている態様とすることができる。ここで、「重ね合わせて形成」とは、別生地を縫着してもよいし、別生地を接着してもよい。前記別部材としては、例えば、マーキジット、パワーネット、トリコネット等の素材が好ましいが、これらに限定されない。形状安定性が高い素材であれば、伸縮性の素材であっても非伸縮性の素材であってもよい。
あるいは、本体布11の伸度が小さい領域16と伸度が大きい領域17とは、異なる布組織を有している態様とすることができる。例えば、部位によって編み構造等の布組織を部分的に変更するといった手法によって編地の伸縮性を変化させることで形成してもよい。
また、本体布11の伸度が小さい領域16は、生地の伸びを拘束する部分を有している態様とすることができる。例えば、抜染または抜蝕加工によって、特定の繊維を除去する領域を形成することで、残存領域で生地の伸びを拘束させる一方で、除去領域では生地を伸びやすくすることができる。あるいは、伸度の高い生地に対して、伸びを抑えたい部分にのみ樹脂を塗布する等の加工を行うことで、伸度が小さい領域を形成することができる。この場合、前記樹脂は、生地表面に配置されていてもよいし、生地内部に配置されていてもよい。
本体布の伸度が大きい領域は、後述の方法で測定した伸度のタテ方向とヨコ方向の数値の平均値が、140%〜170%の範囲内にあることが好ましい。本体布の伸度が小さい領域は、前記値が45%〜65%の範囲内にあることが好ましい。接着領域における伸度が大きい領域は、前記値が70%〜90%の範囲内にあることが好ましい。接着領域における伸度が小さい領域は、前記値が10%〜40%の範囲内にあることが好ましい。
また、伸長回復性について、後述の方法で測定した30%時の回復性の伸長力と緊迫力との平均値は、本体布の伸度が大きい領域は、タテ方向で40〜80cNの範囲内に、横方向で60〜100cNの範囲内にあることが好ましい。本体布の伸度が小さい領域は、前記値がタテ方向で210〜250cNの範囲内に、横方向で490〜530cNの範囲内にあることが好ましい。接着領域における伸度が大きい領域は、前記値がタテ方向で140〜180cNの範囲内に、横方向で140〜180cNの範囲内にあることが好ましい。接着領域における伸度が小さい領域は、前記値がタテ方向で470〜510cNの範囲内に、横方向で980〜1020cNの範囲内にあることが好ましい。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るブラジャー100の素材となるプリント生地を示す図である。このプリント生地を裁断して本体布11を得る。図中の下側が前面部11Aであり、上側が背面部11Bであり、中心の楕円形部分は、首周りの刳り部分であり、ブラジャーの製造時には刳り抜かれる部分である。また、図4と同様に、伸度が小さい領域16には斜線を付与してある。
伸度が小さい領域16は、バージスラインの最下点近傍よりも脇側の接着領域15に加え、さらに、バージスラインの最下点とバストトップ位置とを結ぶ線(図5中の二点鎖線)よりも脇側の領域に配置されていることが好ましい。脇側の伸びにくいバージスラインの周囲に、伸びが小さい領域16が配置されていることで、バストの脇肉も押さえることができるため、着用時のバスト造形性をより高めることができる。カップ脇側の上辺にも伸度が小さい領域16を配置することで、脇から上辺に流れるバストの動きを制御することができる。
また、図5の態様では、本体布11は、前面部11Aの上部から両肩部に延在して背面部11Bに至る一対のストラップ部14を有している。このような態様において、ストラップ部14には伸度が小さい領域16が配置されていることが好ましい。ストラップ部14に伸度が小さい領域16が配置されていることで、従来のハーフトップタイプのブラジャーと比べて、ストラップ部の幅を細くして華奢なものにすることができ、全体の見た目をコンパクトな印象にすることができる。また、ストラップ部14の伸びが少なくかつ生地自体は柔らかいので、局部的な圧迫がなく造形性を保つことができる。
また、本体布11の前面部11Aの上縁部に、伸度が小さい領域16が配置されていることが好ましい。本体布11がストラップ部14を有している態様の場合には、前記上縁部は、左右の両ストラップの間の部分を指す。この部分に伸度が小さい領域16を配置することで、上胸にもぴったりとフィットさせることができる。
図5の態様では、本体布11は、背面部11Bの後中心上部に、伸度が小さい領域16が配置されている。背面部11Bの後中心上部に、伸度が小さい領域16を配置することで、背面部11Bの伸びを防止することができ、かつ、柔らかいので局部的な圧迫がなく造形性を保つことができ、着用時の安定感を向上させることができるため、好ましい。
本体布11は、折り返して縫製するなどの端始末を必要としない端部となっていることが、着用時の段差の発生の防止や、運動追従性、肌触りの点から好ましい。図5のプリント生地として、例えば、生地端始末不要なフラット素材やヘム素材を用いると、切断箇所のほつれ防止処理が不要である。また、部分的に、端始末不要な生地を使うことで、肌あたりやデザインなどを調整することができる。
本実施形態のブラジャー100においては、一対のストラップ部14は、タンクトップのような幅の広い、いわゆるラウンドタイプのストラップであるが、本発明はこれに限定されず、紐や布テープ等を別途取り付けてもよい。ストラップ部14の態様は、前面部11Aの上部から背面部11Bに延在する態様に限定されず、例えば、背中側で2本のストラップ部14が一体となり背面部11Bに取り付けられる態様であってもよい。また、前面部11Aの上部のみにストラップ部14が取り付けられている、いわゆる「ホルターネック」タイプであってもよい。ストラップ部14の取り付け位置は、カップ部13の形状やカップ部を有する衣類のデザインによって決定することができる。
本例のブラジャーでは、連結係止部を有していない背面部11Bを使用した態様であるが、着脱自在な連結係止部を背中心付近に有している態様とすることもできる。前記連結係止部としては、ホック(例えば、フック・アンド・アイ(鈎ホック))、グリッパー、ボタン、紐、面ファスナーなどを、デザインや用途に応じて適宜選択して使用することができる。なお、上記のフック・アンド・アイやグリッパー、ボタンを用いる場合には、複数の留め位置を予め設けておくことにより、締め付け具合を微調整できるようにしておくことも好ましい。なお、上記以外の他の種類の係止具を使用してもよい。また、バック布が連結係止部を有さないフロントホックタイプや、バック布を結んで係止するタイプであってもよい。
本発明において、カップ部13は、可撓性を有する部材であり、ウレタンフォーム、不織布、あるいはポリウレタンなどの高弾性糸から編成された厚手シート状の素材(ダンボールニット、ダブルラッセル)等を使用することができるが、成型性、耐久性等の点からウレタンフォーム、不織布が好ましい。カップ部13の厚みは、着用による体型の補整といった目的や、カップ部を有する衣類のデザインに応じて設計可能であり、例えば、下バージスラインとバストトップとの間の脇側領域を厚く、周辺に向かうにしたがって薄くなるように形成してもよい。カップ部13の下縁は、バージスラインに沿うように形成するとよい。なお、カップ部13は、本体布11とカップ受布12との接着時に、本体布11とカップ受布12との間に収容することができる。あるいは、カップ受布12の一部に切れ込みを形成しておき、前記切れ込みからカップ部13を出し入れできる態様とすることもできる。
本体布およびカップ受布にベアスムースを用い、伸度が大きい領域と伸度が小さい領域とは抜蝕加工によって形成した、ブラジャー100を作製した。接着剤としては、熱可塑性ポリウレタン樹脂を主成分とする接着剤を用い、前記接着剤をドット形状に塗布して本体布とカップ受布とを接着した。得られたブラジャーについて、各部位の伸度および伸長回復性は、次のとおりであった。なお、伸度および伸長回復性は、後述の方法で測定した。
Figure 0006928235
Figure 0006928235
(試験片の調製)
試験対象の生地から、160mm×25mmの試験片を、タテ方向及びヨコ方向にそれぞれ4枚採取し、2枚を伸長性試験用、2枚を伸長回復性試験用とする。
(伸長性試験(伸度))
試験片を、上部つかみ25mm、下部つかみ35mm、つかみ間隔100mmとして、定速伸長形引張試験機(島津製作所製”オートグラフ”AG−500D)に取り付け、300mm±20mm/分の速度で、22.1N(2.25kgf)の荷重をかけ、荷重14.7N(1.50kgf)の伸び率(%)を測定し、2回の平均値を算出し、整数位で表した数値を伸度とした。
(伸長回復性試験)
試験片を、上部つかみ25mm、下部つかみ35mm、つかみ間隔100mmとして、定速伸長形引張試験機(島津製作所製”オートグラフ”AG−500D)に取り付け、300mm±20mm/分の速度で、伸長回復を3回繰り返した。3回目における、読み取り伸び率30%での伸長力・緊迫力(cN)を測定し、2回の平均値を算出し、整数位で表した数値を伸長回復性の値とした。
[着用客観評価1]
図1に示すタイプの本発明に係るブラジャー100の、着用客観評価結果を示す。前記ブラジャー100および従来品のブラジャーA、Bを、それぞれ、LLサイズの同一のモニターが着用して、腕を大きく振って歩行した際の、バストの動きを観察した。
図6は、前記3種類のブラジャーを着用した状態での、前記モニターの胸部分を左斜め前から見た図である。上段は、歩行時にバストが振りあがった状態を示し、中段は、バストが下がった状態を示している。下段は、上段の図と中段の図とを重ね合わせた図であり、上段の図の部分を破線で示している。各図において、(a)はブラジャー100を着用した状態、(b)は従来品のブラジャーAを着用した状態、(c)は従来品のブラジャーBを着用した状態である。各図には、バストの動きをわかりやすくするために、基準線を付与してある。基準線は、左右のバストトップ位置と頸前との3点を結んだ三角形とした。
ここで、ブラジャーAは、従来のハーフトップタイプのブラジャーであり、全体的に伸びやすい素材で、伸度の強弱が付けられていないブラジャーである。ブラジャーBは、従来のワイヤー入りのブラジャーである。
ブラジャーAでは、他のブラジャーと比べて、歩行動作によるバストの揺れが大きくなっていることがわかる。ブラジャーBはワイヤー入りのブラジャーであり、しっかりしたつけ心地であるが、ブラジャー100とバストの動き量は変わらなかった。ブラジャー100は、柔らかい素材であり、圧迫感が軽減された楽な着用感であるにもかかわらず、ワイヤータイプのブラジャーBと同程度の造形性が維持可能となっている。本発明のブラジャーを着用した場合は、バストは押しつぶされることなく、造形を保ったまま、振りあがりおよび下方への衝撃が抑えられていることがわかる。
[着用客観評価2]
図1に示すタイプの本発明に係るブラジャー100および従来品のブラジャーAをそれぞれ着用して、座った状態で、上からバスト部分を撮影した。得られた写真において、バストの輪郭線をなぞって、各ブラジャーでのバスト形状を比較した。結果を図7に示す。図7(a)は従来品のブラジャーAを着用した状態、図7(b)はブラジャー100を着用した状態であり、図7(c)は、図7(a)のバストの輪郭線と図7(b)のバストの輪郭線とを重ねて示した図である。図7(c)において、実線がブラジャー100を着用したときのバストの輪郭線、破線がブラジャーAを着用したときのバストの輪郭線である。また、左右のバストトップ間の距離を測定した。バストトップの位置は、ブラジャー100の場合を白丸印で、ブラジャーAの場合を黒丸印で示した。
図7より、ブラジャー100とブラジャーAとでは、着用時のバストの輪郭線の脇側形状が異なり、ブラジャー100は脇肉を押さえられていることがわかる。脇側の輪郭線において、従来品のブラジャーAでは脇からすぐに立ち上がるが、ブラジャー100では、脇側の肉を体側に押さえられている(図7(c)中の矢印箇所)。左右のバストトップ間の距離は、従来品のブラジャーAが16.0cmであったのに対し、ブラジャー100は14.0cmであり、従来品のブラジャーAよりブラジャー100の方が狭くなっていた。このように、本発明のブラジャーを着用した場合は、バストの脇肉を押さえ、左右のバストを寄せることができるため、着用時のバスト造形性をより高めることができていることがわかる。
[着用主観評価]
前記ブラジャー100および従来品のブラジャーA、Bを、それぞれ、5名のモニターに着用してもらい、肩回し、ひねり、伸びなどの動作をしてもらい、着用感のコメントを求めた。モニターの内訳は、Mサイズのモニターが2名、Lサイズのモニターが2名、LLサイズのモニターが1名である。
従来品のブラジャーA(従来のハーフトップタイプ)との比較において、運動時のバストが安定していたのは、5名中4名が本発明のブラジャー100であると回答した。また、運動後にずれた感じがないのは、5名中4名が本発明のブラジャー100であると回答した。
また、従来品のブラジャーB(従来のワイヤー入りタイプ)との比較において、着用感が全体的に楽であるのは、5名中5名が本発明のブラジャー100であると回答した。また、ストラップ部分が楽であるのは、5名中5名が本発明のブラジャー100であると回答した。さらに、アンダーバスト部分が楽であるのは、5名中5名が本発明のブラジャー100であると回答した。
以上のように、本発明のブラジャーは、圧迫感が軽減された楽な着用感であるにもかかわらず、バストの造形性が維持可能となっていることがわかった。
以上、実施の形態の具体例として、ブラジャーをあげて本発明を説明したが、本発明のカップ部を有する衣類は、これらの具体例で記載されたもののみに限定されるものではなく、種々の態様が可能である。例えば、上記の実施形態のような衣類以外にも、身頃部を設けてキャミソール、ボディースーツ、ブラスリップ、水着、レオタード、その他各種のカップ部を有する衣類に適用できる。
本発明のカップ部を有する衣類は、種々の態様が可能である。例えば、上記の実施形態のような衣類以外にも、ファンデーション衣類、スポーツ衣類、アウターなど、各種のカップ部を有する衣類に適用できる。
100 ブラジャー
11 本体布
11A 前面部
11B 背面部
12 カップ受布
13 カップ部
14 ストラップ部
15 接着領域
16 伸度が小さい領域
17 伸度が大きい領域

Claims (6)

  1. カップ部を有する衣類であって、
    本体布、カップ受布および一対のカップ部を備え、
    前記本体布は、胸部を被覆する前面部と、前記前面部の左右両脇側から背面に延びる背面部とを有し、
    前記本体布と前記カップ受布とは、前記前面部のバージスラインに沿って配置される接着領域で接着されて一体になっており、
    前記カップ部は、前記本体布と前記カップ受布との間に収容されており、
    前記本体布には、伸度が小さい領域と伸度が大きい領域とが含まれており、
    前記伸度が小さい領域は、バージスラインの最下点近傍よりも脇側の前記接着領域に配置され
    前記伸度が大きい領域は、バージス前中心付近の前記接着領域に配置され、
    前記伸度が小さい領域は、生地の伸びを拘束する部分を有しており、前記生地の伸びを拘束する部分は、抜染加工または抜蝕加工によって残存領域として形成されていることを特徴とするカップ部を有する衣類。
  2. 前記伸度が小さい領域は、さらに、バージスラインの最下点とバストトップ位置とを結ぶ線よりも脇側の領域に配置されている、請求項1記載のカップ部を有する衣類。
  3. 前記本体布は、前記前面部の上部から両肩部に延在して背面部に至る一対のストラップ部を有しており、
    前記ストラップ部に前記伸度が小さい領域が配置されている、請求項1または2に記載のカップ部を有する衣類。
  4. 前記前面部の上縁部に、前記伸度が小さい領域が配置されている、請求項1からのいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。
  5. 前記背面部の後中心上部に、前記伸度が小さい領域が配置されている、請求項1からのいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。
  6. 衣類がブラジャーである、請求項1からのいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。
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