JP3967409B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、不揮発性の半導体記憶装置を有する半導体集積回路装置に係わり、特に記憶されているデータの保護に関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性半導体記憶装置の分野で、浮遊ゲートを有するMOSFET構造のメモリセルを用いた電気的なデータの書き替え可能な不揮発性半導体記憶装置は、EEPROMとして知られている。この種のEEPROMのメモリセルアレイは、互いに交差する行線(ワード線)と列線(ビット線)との各交点に、メモリセルを配置することで構成される。一般的なEEPROMのパターンでは、二つのメモリセルのドレインを共通とし、ここに列線がコンタクトされる。
【0003】
これに対し、ドレインと列線とのコンタクトを減らし、メモリセルの集積密度を向上させたEEPROMとして、NAND型EEPROMがある。NAND型EEPROMは、複数のメモリトランジスタを直列に接続して構成されるユニットセル(以下、NANDセル)を有する。NAND型EEPROMのメモリセルアレイは、選択ゲート線と制御ゲート線とを含む行線と列線との各交点に、NANDセルを配置することで構成される。そして、例えば二つのNANDセルのドレインを共通とし、ここに列線をコンタクトする。
【0004】
NANDセルでは、各メモリ素子の浮遊ゲートから、電子を一括して放出させてデータを消去した後(一括消去)、書き込み選択したメモリ素子の浮遊ゲートだけに、書き込みデータに応じて電子を注入する、選択書き込みが行われる。
【0005】
一括消去時には、各メモリ素子の制御ゲートの電位をそれぞれ“L”レベルとし、ウェルの電位を“H”レベルとする。これにより、各メモリ素子の浮遊ゲートからは、電子がウェルに引き抜かれる。
【0006】
選択書き込み時には、データを、ソース側のメモリ素子から、ドレイン側のメモリ素子へ、順番に書き込んでいく。その場合、書き込み選択されたメモリ素子のドレインの電位を、書き込みデータに応じて“L”レベルか、“L”レベルと“H”レベルとの中間のレベルかのいずれかとし、その制御ゲートの電位を“H”レベルとする。そして、ドレインの電位が“L”レベルのときには、浮遊ゲートに電子が注入される。
【0007】
なお、非選択メモリ素子のうち、選択されたメモリ素子よりも、ドレイン側にあるメモリ素子では、その制御ゲートの電位を、ドレインに印加される、上記中間のレベルの電位と同程度とする。MOSFETでは、ドレインに印加された電圧が、ゲートに印加された電圧から、MOSFETのしきい値を引いた電圧までしか、ソースに伝達されないからである。
【0008】
読み出し時には、非選択メモリ素子の制御ゲートに、電源電位VCC(=4.5〜5.5V)を印加し、浮遊ゲートに電子が注入されているか否かに関わらず、非選択メモリ素子をオンさせる。そして、読み出し選択されたメモリ素子の制御ゲートには、0Vを印加する。これにより、読み出し選択されたメモリ素子は、浮遊ゲートに電子が注入されているか否かに応じて、オンか、オフかのいずれかの状態を取る。これにより、メモリ素子に記憶されているデータを、読み出す。
【0009】
しかしながら、従来のNAND型EEPROMでは、EEPROMに機密データを記憶させ、特殊な信号を入れたときのみ、EEPROMから機密データを読み出し可能とする動作ができなかった。即ち、記憶しているデータを保護する動作(読み出しを禁止する動作)ができなかった。
【0010】
これは、NAND型だけでなく、一般的なNOR型、NORセルを持つAND型、DINOR型のいずれにおいても、同様である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の不揮発性半導体記憶装置では、特殊な場合のみデータの読み出しを可能とし、それ以外の場合には、データの読み出しを禁止するような動作ができなかった。
【0012】
この発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的は、記憶しているデータを保護する動作を行える半導体集積回路装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、ビット線電位の供給点とソース電位の供給点との間に直列に接続される、しきい値可変型のメモリ素子を含むメモリセルを有し、前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を非導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする。
【0014】
請求項1に係る発明であると、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つを非導通状態とすることで、読み出し選択されたメモリセルからは、正しいデータを読み出せない状態が得られる。これにより、メモリセルに記憶されたデータは、保護される。
【0015】
また、請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記メモリ素子を非導通状態とする電圧を、前記メモリ素子がとる最も低いしきい値よりも低い電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする。
【0016】
請求項2に係る発明であると、メモリ素子に、データが記憶されていても、メモリ素子を、確実に非導通状態とすることができる。
【0017】
また、請求項3に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記メモリ素子を非導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子のしきい値が読み出し基準電圧よりも高いとき、前記メモリ素子を非導通状態とする電圧を、前記読み出し基準電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る発明であると、メモリ素子のゲートに、読み出し基準電圧を供給して、メモリ素子を非導通状態とするので、特殊な電圧を使用せずに、読み出しを禁止する動作を行うことができる。
【0019】
また、請求項4に係る発明では、請求項3に係る発明において、前記読み出し基準電圧は、0Vであることを特徴とする。
【0020】
請求項4に係る発明であると、読み出し基準電圧の具体的な値を提供できる。また、請求項5に係る発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに係る発明において、前記メモリ素子を非導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする。
【0021】
請求項5に係る発明であると、読み出し禁止か否かを判別する情報を、メモリ素子に記憶させるので、例えば読み出しの禁止を、アドレス単位で設定できるなど、読み出しの禁止の設定に対する自由度が増す。
【0022】
上記目的を達成するために、請求項6に係る発明では、ビット線電位の供給点とソース電位の供給点との間に互いに並列に接続される、しきい値可変型のメモリ素子を含むメモリセルを有し、前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする。
【0023】
請求項6に係る発明であると、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つを導通状態とすることで、読み出し選択されたメモリセルからは、正しいデータを読み出せない状態が得られる。これにより、メモリセルに記憶されたデータは、保護される。
【0024】
また、請求項7に係る発明では、請求項6に係る発明において、前記メモリ素子を導通状態とする電圧を、前記メモリ素子がとる最も高いしきい値よりも高い電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする。
【0025】
請求項7に係る発明であると、メモリ素子に、データが記憶されていても、メモリ素子を、確実に導通状態とすることができる。
【0026】
また、請求項8に係る発明では、請求項6に係る発明において、前記メモリ素子を導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子のしきい値が読み出し基準電圧よりも低いとき、前記メモリ素子を導通状態とする電圧を、前記読み出し基準電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする。
【0027】
請求項8に係る発明であると、メモリ素子のゲートに、読み出し基準電圧を供給して、メモリ素子を導通状態とするので、特殊な電圧を使用せずに、読み出しを禁止する動作を行うことができる。
【0028】
また、請求項9に係る発明では、請求項8に係る発明において、前記読み出し基準電圧は、電源電圧であることを特徴とする。
【0029】
請求項9に係る発明であると、読み出し基準電圧の具体的な値を提供できる。また、請求項10に係る発明では、請求項6乃至請求項9いずれか一つに係る発明において、前記メモリ素子を導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする。
【0030】
請求項10に係る発明であると、読み出し禁止か否かを判別する情報を、メモリ素子に記憶させるので、例えば読み出しの禁止を、アドレス単位で設定できるなど、読み出しの禁止の設定に対する自由度を増すことができる。
【0039】
上記目的を達成するために、請求項11に係る発明では、ビット線とソース線との間に互いに並列に接続され、しきい値可変型のメモリ素子を含むブロックと、前記ブロックのビット線電位の供給点、およびソース電位の供給点の少なくとも一方に設けられた、このブロックを選択する選択素子とを含むメモリセルを有し、前記ブロックは、前記ビット線電位の供給点と前記ソース電位の供給点との間に、電流通路を互いに直列に接続した複数のメモリ素子を含むNANDセルであり、前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を非導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする。
【0040】
請求項11に係る発明であると、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つが、非導通状態となり、読み出し選択されたメモリセルからは、正しいデータを読み出せない状態が得られる。これにより、メモリセルに記憶されたデータは保護される。
【0041】
また、請求項12に係る発明では、請求項15に係る発明において、前記NANDセルを構成するメモリ素子のうち、非選択のメモリ素子のゲートに、このメモリ素子がとる最も低いしきい値よりも低い電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行うことを特徴とする。
【0042】
また、請求項12に係る発明であると、メモリセルがNANDセルを有しているとき、メモリ素子に、データが記憶されていても、確実に非導通状態とでき、読み出しを禁止する動作を、確実に行うことができる。
【0043】
また、請求項13に係る発明では、請求項11に係る発明において、前記NANDセルを構成するメモリ素子の少なくとも一つに、読み出し禁止であるか否かを判別する判別用のメモリ素子を設け、前記判別用のメモリ素子のゲートに、読み出し基準電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行うことを特徴とする。
【0044】
請求項13に係る発明であると、判別用のメモリ素子を設けることで、例えば、特殊な電圧を使用せずに読み出しを禁止する動作を行うことが可能となる。
【0045】
また、請求項14に係る発明では、請求項13に係る発明において、前記判別用のメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする。
【0046】
請求項14に係る発明であると、読み出し禁止か否かを判別する情報を、メモリ素子に記憶させるので、例えば読み出しの禁止を、アドレス単位で設定できるなど、読み出し禁止の設定に対する自由度が増す。
【0047】
上記目的を達成するために、請求項15に係る発明では、ビット線とソース線との間に互いに並列に接続され、しきい値可変型のメモリ素子を含むブロックと、前記ブロックのビット線電位の供給点、およびソース電位の供給点の少なくとも一方に設けられた、このブロックを選択する選択素子とを含むメモリセルを有し、前記ブロックは、前記ビット線電位の供給点と前記ソース電位の供給点との間に、電流通路を互いに並列に接続した複数のメモリ素子を含むNORセルであり、前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする。
【0048】
請求項15に係る発明であると、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つが、導通状態となり、読み出し選択されたメモリセルからは、正しいデータを読み出せない状態が得られる。これにより、メモリセルに記憶されたデータは保護される。
また、請求項16に係る発明では、請求項15に係る発明において、前記NORセルを構成するメモリ素子のうち、非選択のメモリ素子のゲートに、このメモリ素子がとる最も高いしきい値よりも高い電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行なうことを特徴とする。
請求項16に係る発明であると、メモリセルがNORセルを有しているとき、メモリ素子に、データが記憶されていても、確実に導通状態とでき、読み出しを禁止する動作を確実に行うことができる。
【0049】
また、請求項17に係る発明では、請求項15に係る発明において、記NORセルを構成するメモリ素子の少なくとも一つに、読み出し禁止であるか否かを判別する判別用のメモリ素子を設け、前記判別用のメモリ素子のゲートに、読み出し基準電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行うことを特徴とする。
【0050】
請求項17に係る発明であると、判別用のメモリ素子を設けることで、例えば、特殊な電圧を使用せずに読み出しを禁止する動作を行うことが可能である。
【0051】
また、請求項18に係る発明では、請求項17に係る発明において、前記判別用のメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする。
【0052】
請求項18に係る発明であると、読み出し禁止か否かを判別する情報を、メモリ素子に記憶させるので、例えば読み出しの禁止を、アドレス単位で設定できるなど、読み出しの禁止の設定に対する自由度が増す。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明を、実施の形態により説明する。
【0062】
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るEEPROMのブロック図である。
【0063】
まず、EEPROMの基本的なブロック構成を説明する。
【0064】
図1に示すように、EEPROMチップ1は、メモリセルアレイ2を有している。メモリセルアレイ2には、行線(WL)3と列線(BL)4とがそれぞれ形成され、行線3と列線4との交点には、メモリセル5が配置される。メモリセル5は、一つのメモリトランジスタで構成される場合(NOR型)と、複数のメモリトランジスタで構成される場合(NAND型、AND型、DINOR型など)との二通りがある。ロウデコーダ6は、ロウアドレス信号をデコードし、活性化させる行線3を選ぶ。活性化された行線3に接続されたメモリセル5は、列線4に、記憶内容に応じたデータを出力する。センスアンプ7は、列線4に出力されたデータを増幅/保持する。カラムデコーダ8は、カラムアドレス信号をデコードし、列線4を選択する。選択された列線4からは、センスアンプ7により増幅/保持されたデータが出力される。
【0065】
上記ブロック構成を有するEEPROMをアクセスしたとき、この発明は、データを正常に読み出せる、通常読み出し動作と、データを正常に読み出せない、読み出し禁止動作との、二通りの動作を行う。
【0066】
以下、二通りの動作を、NAND型EEPROMを例にとり、具体的に説明する。
【0067】
図2は、NAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
NAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の特徴的なところは、メモリセル5が、ビット線(列線)BLとソース線SOURCEとの間に、互いに直列接続される複数のメモリトランジスタにより構成された、ユニットセル(以下、NANDセル)を含むことである。
【0068】
図2に示すように、メモリセル5は、互いに直列に接続された複数のメモリトランジスタM1〜Mnにより構成されるNANDセル100と、NANDセル100のドレイン端Dと、ビット線BL1との間に直列に接続された選択トランジスタS1により構成されるドレイン側選択ゲート102と、NANDセル100のソース端Sと、ソース線SOURCEとの間に直列に接続された選択トランジスタS2により構成されるソース側選択ゲート104とを有している。
【0069】
また、NAND型の場合、図1に示す行線3の1本は、複数の制御ゲート線CG1〜CGn、並びに2つの選択ゲート線SG1、SG2に対応する。列線4の1本は、ビット線の1本(BL1、もしくはBL2)に対応する。
【0070】
図3は、NAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の平面図である。
【0071】
図4(A)は、図3中の4A−4A線に沿う断面図、図4(B)は、図3中の4B−4B線に沿う断面図である。
【0072】
図3、図4(A)、(B)それぞれに示すように、N型のシリコン基板(N-sub )200(もしくはN型のウェル領域)には、P型のウェル領域(P-well)202が形成されている。ウェル領域202の表面には、フィールド酸化膜(SiO2 )204が形成されている。フィールド酸化膜204は、ウェル領域202の表面に素子領域を区画する。フィールド酸化膜204により区画されたウェル領域202には、メモリトランジスタM1〜Mn、並びに選択トランジスタS1、S2がそれぞれ形成される。メモリトランジスタM1〜Mnの一つの例は、ウェル領域202上に、トンネル酸化膜(SiO2 )206、浮遊ゲート208、浮遊ゲート〜制御ゲート間絶縁膜(例えばSiO2 /Si3 4 /SiO2 の3層膜)210、および制御ゲート212(CG)を順次形成した、浮遊ゲート型のMOSトランジスタである。また、選択トランジスタS1、S2の一つの例は、ウェル領域202上に、ゲート酸化膜(SiO2 )214、ゲート(SG)216を形成した、通常型のMOSトランジスタである。
【0073】
選択トランジスタS1のN型ドレイン領域218は、ウェル領域202内に形成されて、ビット線(BL1)220に接続される。そのN型ソース領域222は、ウェル領域202内に形成されて、メモリトランジスタM1のN型ソース/ドレイン領域の一方と共有される。メモリトランジスタM1の、他方のN型ソース/ドレイン領域2241 は、メモリトランジスタM2の、N型ソース/ドレイン領域の一方と共有される。メモリトランジスタM2の、他方のN型ソース/ドレイン領域2242 は、メモリトランジスタM3の、N型ソース/ドレイン領域の一方と共有される。以下、同様のパターンを、メモリトランジスタMnまで繰り返す。選択トランジスタS2のN型ドレイン領域226は、メモリトランジスタMnのソース/ドレイン領域の他方と共有され、そのN型ソース領域(SOURCE)228は、ウェル領域202内に行方向に形成されて、他の選択トランジスタのN型ソース領域(SOURCE)と共有される。
【0074】
次に、第1の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートCG2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0075】
図5に、第1の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0076】
なお、図5に示すように、第1の実施の形態においては、例えば一括消去動作および選択書き込み動作はそれぞれ、従来、知られている動作で良い。したがって、以下の説明は、従来と特に異なっている動作についてのみ、詳細に行うことにする。
【0077】
(通常読み出し動作)
図5に示すように、通常読み出し動作では、選択ゲートSG1、SG2にそれぞれ、5V(電源電位VCCレベル)を与え、選択トランジスタS1、S2をそれぞれオンさせる。読み出し選択された制御ゲートCG2には読み出し基準電位0Vを印加し、他の非選択の制御ゲートCG1、CG3、CG4にはそれぞれ導通電位5Vを印加する。これにより、メモリトランジスタM1、M3、M4はそれぞれ“オン”する。
【0078】
また、メモリトランジスタM2は、そのしきい値が、読み出し基準電位0V以下であるとき“オン”し、読み出し基準電位0V以上であるとき“オフ”する。これにより、データが、“0”か“1”かが区別される。
【0079】
(読み出し禁止動作)
図5に示すように、読み出し禁止動作では、非選択の制御ゲートのうち、少なくとも一つに、メモリトランジスタの浮遊ゲート中の電子の有無に関わらず、メモリトランジスタを、強制的にオフさせる電位を印加する。メモリトランジスタを、強制的にオフさせる電位の一つの例は、“−5V”である。このような電位“−5V”を、例えば制御ゲートCG1に印加することで、NANDセルの電流通路は、読み出し禁止動作中、遮断される。これにより、アクセスされようとしているメモリトランジスタM2からは、正確なデータを読み出すことができなくなる。このように、正確なデータを、メモリトランジスタから読み出せない状態を発生させることで、読み出し禁止の状態が実現される。
【0080】
また、第1の実施の形態に係る読み出し禁止動作では、図5に示すように、メモリトランジスタを強制的にオフさせる電位(以下、読み出し禁止電位という)を、非選択の制御ゲートCG1に与えているが、読み出し禁止電位は、他の非選択の制御ゲートCG3、CG4などに与えることも可能である。さらに、読み出し禁止電位は、非選択の制御ゲートの複数に与えることも可能である。
【0081】
また、読み出し禁止電位は、図5に示すように、“−5V”としているが、メモリトランジスタを、強制的にオフできる電位、即ちメモリトランジスタがとる幾つかのしきい値のうち、最も低いしきい値よりも低い電位であればよい。例えばメモリトランジスタの最も低いしきい値が−3Vであるときには、読み出し禁止電位は、“−3V”以下であれば良い。
【0082】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様なものであるが、読み出し禁止動作のとき、メモリトランジスタではなく、選択ゲートを、強制的にオフさせることが異なっている。
【0083】
図6に、第2の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0084】
(通常読み出し動作)
図6に示すように、第1の実施の形態と同様である。
【0085】
(読み出し禁止動作)
図6に示すように、読み出し禁止動作では、選択ゲートSG1、SG2それぞれに、選択トランジスタS1、S2をオフさせる電位を印加する。選択トランジスタS1、S2をオフさせる電位の一つの例は、“0V”である。このような電位“0V”を、選択ゲートSG1、SG2にそれぞれ印加することで、NANDセルの電流通路は、読み出し禁止動作中、遮断される。これにより、アクセスされようとしているメモリトランジスタM2からは、第1の実施の形態と同様に、正確なデータを読み出すことができなくなる。
【0086】
また、第2の実施の形態に係る読み出し禁止動作では、図6に示すように、選択ゲートSG1、SG2にそれぞれ、選択トランジスタS1、S2をオフさせる電位を与えているが、選択ゲートSG1、SG2のいずれかに、選択トランジスタの一方をオフさせる電位を与えるようにしても良い。
【0087】
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態では、非選択の制御ゲートのうちのいくつかを強制的にオフさせること、また、第2の実施の形態では、選択ゲートを強制的にオフさせることで、読み出し禁止の状態をそれぞれ実現した。この第3の実施の形態に係るNAND型EEPROMは、読み出しを禁止するための読み出し禁止ゲートを、メモリセルアレイ2の中に、別に設けたものである。
【0088】
図7は、第3の実施の形態に係るNAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0089】
図7に示すように、読み出し禁止ゲートCG0は、例えば制御ゲートCG1〜CGnと並行に設けられる。読み出し禁止ゲートCG0に接続されるトランジスタは、読み出し禁止動作のとき、NANDセルのソース端Sと、そのドレイン端Dとを、遮断させる。この第3の実施の形態では、読み出し禁止ゲートCG0に接続されるトランジスタは、メモリトランジスタと同様の構造を有している。
【0090】
次に、第3の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートCG2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0091】
図8に、第3の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0092】
(一括消去動作)
図8に示すように、読み出し禁止ゲートCG0には、“0V”を印加する。
【0093】
なお、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係は、図8に示すように、従来の一括消去動作の電圧関係と同様である。
【0094】
(選択書き込み動作)
図8に示すように、読み出し禁止ゲートCG0には、“Vm(=Vpp/2)”を印加する。
【0095】
なお、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係は、図8に示すように、従来の選択書き込み動作と同様である。
【0096】
(通常読み出し動作)
図8に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に“5V”を印加し、読み出し禁止ゲートCG0をゲートとするメモリトランジスタM0を“オン”させる。これにより、図8に示すように、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0097】
(読み出し禁止動作)
図8に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に“−5V”を印加し、読み出し禁止ゲートCG0をゲートとするメモリトランジスタM0を強制的に“オフ”させる。これにより、図8に示すように、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係を、上記通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データは、正常に読み出せなくなる。
【0098】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、等価回路的には、第3の実施の形態と同様なものであるが、読み出し禁止ゲートに接続されるメモリトランジスタに、通常読み出しか、読み出し禁止かを識別するデータを、記憶させるようにしたものである。
【0099】
図9に、第4の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0100】
(一括消去動作)
図9に示すように、第3の実施の形態と同様である。
【0101】
(選択書き込み動作)
図9に示すように、第3の実施の形態と同様である。
【0102】
(通常読み出し動作)
図9に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に“5V”を印加し、読み出し禁止ゲートCG0をゲートとするメモリトランジスタM0を“オン”させる。これにより、図9に示すように、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0103】
(読み出し禁止動作)
図9に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に、“0V”を印加する。この電位は、例えば図9の通常読み出し動作の欄に示す制御ゲートCG2の電位、つまり読み出し基準電位と同じである。
【0104】
このとき、メモリトランジスタM0のしきい値が、読み出し基準電位“0V”よりも高ければ、メモリトランジスタM0は“オフ”する。この場合は、読み出し禁止であり、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係を、図9に示すように、通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データを、正常に読み出すことができない。
【0105】
また、メモリトランジスタM0のしきい値が、読み出し基準電位“0V”よりも低ければ、メモリトランジスタM0は“オン”する。この場合は、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係を、上記通常読み出し動作と同様な電圧関係とすると、データは、正常に読み出される。
【0106】
なお、第4の実施の形態において、読み出し禁止ゲートCG0に、導通電位“5V”を与えるようにすると、メモリトランジスタM0が記憶しているデータに関わらず“オン”する。このため、記憶させた読み出し禁止の状態を、必要に応じて回避することもできる。
【0107】
[第5の実施の形態]
図10は、第5の実施の形態に係るNAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0108】
図10に示すように、第5の実施の形態は、読み出し禁止ゲートCG0に接続されるトランジスタをメモリトランジスタから、トランジスタT0としたものである。トランジスタT0の構造としては、通常のトランジスタ、あるいは図10に示すように、メモリトランジスタでは浮遊ゲートとなる部分を、制御ゲートにショートさせたものなどがある。
【0109】
次に、第5の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートCG2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0110】
図11に、第5の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0111】
(一括消去動作)
図11に示すように、読み出し禁止ゲートCG0には、“0V”を印加する。
【0112】
なお、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係は、図11に示すように、従来の一括消去動作の電圧関係と同様である。
【0113】
(選択書き込み動作)
図11に示すように、読み出し禁止ゲートCG0には、“Vm(=Vpp/2)”を印加する。
【0114】
なお、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係は、図11に示すように、従来の選択書き込み動作と同様である。
【0115】
(通常読み出し動作)
図11に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に“5V”を印加し、読み出し禁止ゲートCG0をゲートとするトランジスタT0を“オン”させる。これにより、図11に示すように、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0116】
(読み出し禁止動作)
図11に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に“0V”を印加し、読み出し禁止ゲートCG0をゲートとするトランジスタT0を“オフ”させる。これにより、図11に示すように、読み出し禁止ゲートCG0以外の電圧関係を上記通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データは、正常に読み出せなくなる。
【0117】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態は、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示す、読み出し不可の電圧をセットできる、EEPROMの第1の構成例である。
【0118】
図12は、第6の実施の形態に係るEEPROMのブロック図である。
【0119】
図12に示すように、チップ1には、バッファ9が設けられており、このバッファ9には、読み出し禁止コマンドが入力される。入力された読み出し禁止コマンドは、さらにロウデコーダ6に入力される。ロウデコーダ6は、読み出し禁止コマンドを受けたとき、あるいは受けている間、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示すような、読み出し不可の電圧をセットする。
【0120】
上記EEPROMであると、読み出し禁止コマンドが入力されたとき、あるいは入力されている間、読み出し禁止の状態を作ることができる。
【0121】
また、チップ1には、読み出し禁止コマンドの代わりに、読み出し禁止解除コマンドを入力するようにすることも可能である。この場合には、読み出し禁止解除コマンドが入力されたとき、あるいは入力されている間、通常読み出しの状態を作ることができる。
【0122】
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態は、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示す、読み出し不可の電圧をセットできる、EEPROMの第2の構成例である。
【0123】
図13は、第7の実施の形態に係るEEPROMのブロック図である。
【0124】
図13に示すように、チップ1には、読み出し禁止情報を記憶するメモリ9´が設けられており、このメモリ9´は、読み出し禁止コマンドが入力されたとき、読み出しを禁止する情報を記憶する。ロウデコーダ6は、メモリ9´から読み出しを禁止する情報を受けたとき、あるいは受けている間、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示すような、読み出し不可の電圧をセットする。また、読み出しを禁止する情報は、メモリ9´に読み出し禁止解除コマンドを入力することで消去することができる。
【0125】
上記EEPROMであると、メモリ9´に、読み出しを禁止する情報が記憶されている間、読み出し禁止の状態を作ることができる。
【0126】
また、メモリ9´には、読み出しを禁止する情報の代わりに、読み出し禁止を解除する情報を記憶させることもできる。この場合には、メモリ9´に、読み出し禁止を解除する情報が記憶されている間、通常読み出しの状態を作ることができる。
【0127】
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態は、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示す、読み出し不可の電圧をセットできる、EEPROMの第3の構成例である。この第8の実施の形態は、読み出し不可の電圧を、メモリセルアレイ2の全体でも、また、アドレス単位でもセットできるようにしたものである。
【0128】
図14(A)は、読み出し禁止アドレスの記憶動作のアルゴリズムを示す流れ図、図14(B)は、読み出し禁止アドレスの解除動作のアルゴリズムを示す流れ図、図15は、読み出し動作のアルゴリズムを示す流れ図である。
【0129】
また、図16は、図14(A)、(B)および図15に示すアルゴリズムに従った動作を可能とするEEPROMの構成例の一つを示すブロック図である。
【0130】
以下、第8の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作を説明する。
(読み出し禁止アドレスを記憶させる動作)
図14(A)に示すように、まず、読み出し禁止コマンドを、図16に示すメモリ9´に入力する。次に、読み出し禁止アドレスを、メモリ9´に入力する。そして、読み出し禁止アドレスを、メモリ9´に記憶させる。
【0131】
(読み出し動作)
図15に示すように、まず、読み出しアドレスを入力する。次に、入力された読み出しアドレスとメモリ9´に記憶されている読み出し禁止アドレスとを比較する。
【0132】
不一致の場合、通常の読み出し動作が行われ、正常なデータが出力され、読み出し動作が終了する。
【0133】
また、合致の場合、読み出し禁止動作が行われ、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示すような、読み出し不可の電圧をセットする。その後、読み出し動作が行われるが、実際には、正常でないデータ(誤データ)が出力され、読み出し動作が終了する。
【0134】
なお、合致の場合、図15に破線で示される流れのように、読み出し不可を示す出力を行って、読み出し動作を終了させるようにしても良い。読み出し不可を示す出力は、例えばメモリ9´から出力したり、あるいはメモリセルアレイ2に、読み出し不可を示す情報を記憶するエリアを設けておき、このエリアをアクセスし、出力すれば良い。
【0135】
(読み出し禁止アドレスを解除する動作)
図14(B)に示すように、まず、読み出し禁止解除コマンドをメモリ9´に入力する。次に、読み出し禁止解除アドレスをメモリ9´に入力する。次に、メモリ9´に記憶されている読み出し禁止アドレスのうち、読み出し解除アドレスに対応したものを消去する。なお、メモリ9´に記憶されている読み出し禁止アドレスは、一括して消去するようにしても良い。
【0136】
上記EEPROMであると、読み出しアドレスが、メモリ9´に記憶された読み出し禁止アドレスに合致したときに、読み出し禁止の状態を作ることができる。
【0137】
また、メモリ9´には、読み出し禁止アドレスの代わりに、読み出し禁止解除アドレスを記憶させることもできる。この場合には、読み出しアドレスが、メモリ9´に記憶された読み出し禁止解除アドレスに合致したとき、通常読み出しの状態を作ることができる。
【0138】
[第9の実施の形態]
第9の実施の形態は、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示すような読み出し不可の電圧をセットできる、EEPROMの第4の構成例である。
【0139】
第9の実施の形態は、読み出し禁止の状態を、チップ1の外部から照合情報を入力し、入力された照合情報が、チップ1が持つ情報に合致したときのみ、解除されるようにしたものである。
【0140】
図17は、読み出し動作のアルゴリズムを示す流れ図である。また、図18は、図17に示すアルゴリズムに従った動作を可能とするEEPROMの構成例の一つを示すブロック図である。
【0141】
以下、アダプタ(CPC)からチップ1にアダプタ情報を入力し、入力されたアダプタ情報を、チップ1が持つチップ情報に照合させる例を説明する。
【0142】
(読み出し動作)
図17に示すように、まず、アダプタ情報を、図18に示すバッファ9に入力する。次に、入力されたアダプタ情報と、記憶部11に記憶されたチップ情報とを比較する。
【0143】
合致の場合、通常読み出し動作が行われ、正常なデータが出力され、読み出し動作が終了する。
【0144】
また、不一致の場合、図5、図6、図8、図9、図11の読み出し禁止の欄に示すような読み出し不可の電圧をセットする。その後、読み出し動作が行われるが実際には、正常でないデータ(誤データ)が出力され、読み出し動作が終了する。
【0145】
なお、不一致の場合、図17に破線で示される流れのように、読み出し不可を示す出力を行って、読み出し動作を終了させるようにしても良い。読み出し不可の出力は、第8の実施の形態と同様に、例えば記憶部11から出力したり、メモリセルアレイ2の読み出し不可の情報を記憶するエリアをアクセスし、出力すれば良い。
【0146】
また、第9の実施の形態に係る入力されたアダプタ情報を、チップ情報に照合させる形態は、第6〜第8の実施の形態で説明した形態と、互いに組み合わせて使用することができる。一つの例として、図19に、第9の実施の形態と第8の実施の形態とを組み合わせた例を示す。
【0147】
上記EEPROMであると、入力されたアダプタ情報が、チップ情報に合致したとき、読み出し禁止の状態を解除することができる。したがって、特定のアダプタを用いたときのみ、データを読み出せるようにでき、データの機密性が確保される。
【0148】
図20に、第9の実施の形態に係るEEPROMを搭載したメモリカード・システムの構成例の一つを示す。
【0149】
図20に示すように、集積回路型記憶媒体としてのメモリカード20には、図19に示すEEPROMチップ1が搭載されている。メモリカード20には、外部端子12、13、14が設けられている。外部端子12には、アダプタ22を介してアドレス入力が供給される。同様に、外部端子13には、アダプタ22を介して読み出し禁止/解除コマンド入力、およびアダプタ22からアダプタ情報が供給される。外部端子14にはデータ出力が供給され、データ出力は外部端子14を介してアダプタ22に供給される。
【0150】
このように、第9の実施の形態に係るEEPROMを、例えばメモリカード20に搭載したときには、そのカード20からは、特定のアダプタ22を用いたときのみ、データを読み出せるようにできる。このため、カード20のデータの機密性が確保される。
【0151】
また、アダプタをCPUに変え、CPUから照合情報を入力し、入力された照合情報とチップ情報とを照合させるようにしても良い。
【0152】
図21に、第9の実施の形態に係るEEPROMを用いたメモリ・システムの構成例の一つを示す。
【0153】
図21に示すように、集積回路型記憶媒体としてのメモリパッケージ24には、図19に示すEEPROMチップ1が内蔵されている。パッケージ24には、外部端子12、13、14が設けられている。外部端子12には、処理装置であるCPU26からアドレス入力が供給される。同様に、外部端子13には、CPU26から読み出し禁止/解除コマンド入力、および照合情報が供給される。外部端子14にはデータ出力が供給され、データ出力は外部端子14を介してCPU22に供給される。
【0154】
図21に示すように、第9の実施の形態に係るEEPROMを用いたメモリ・システムでは、システムのCPUが、特定の照合情報を送信したときのみ、データを読み出せるようにできる。このため、システムのデータの機密性が確保される。
【0155】
[第10の実施の形態]
図22は、この発明の第10の実施の形態に係るNOR型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0156】
NOR型EEPROMのメモリセルアレイ2の特徴的なところは、メモリセル5が、一つのメモリトランジスタ、あるいは一つのメモリトランジスタと、このメモリトランジスタを選択する選択トランジスタとを含むことである。
【0157】
図22に示すように、読み出し禁止ゲートWL0は、例えば制御ゲートWL1〜WLnと並行に設けられる。読み出し禁止ゲートWL0は、読み出し禁止動作の間、ビット線BLをソース線SOURCEにショートさせる。この第10の実施の形態では、読み出し禁止ゲートWL0に接続されるトランジスタは、メモリトランジスタM0により構成している。
【0158】
次に、第10の実施の形態に係るNOR型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートWL2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0159】
図23に、第10の実施の形態に係るNAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0160】
(一括消去動作)
図23に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“0V”か、“12V”かを印加する。あるいは“フローティング(F)”とする。
【0161】
なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図23に示すように、従来の一括消去動作の電圧関係と同様である。
【0162】
また、制御ゲートWL1〜WL4に、例えば“−8V”程度の負電圧を印加し、ソース線SOURCEの電位を、例えば4V程度の正電位として消去することも可能である。
【0163】
(選択書き込み動作)
図23に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“0V”を印加する。なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図23に示すように、従来の選択書き込み動作と同様である。
【0164】
(通常読み出し動作)
図23に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“0V”を印加し、読み出し禁止ゲートCG0をゲートとするトランジスタM0を“オフ”させる。これにより、図23に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0165】
(読み出し禁止動作)
図23に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“10V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするメモリトランジスタM0を強制的に“オン”させる。これにより、図23に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、上記通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データは、正常に読み出せなくなる。
【0166】
[第11の実施の形態]
第11の実施の形態は、等価回路的には、第10の実施の形態と同様なものであるが、読み出し禁止ゲートに接続されるメモリトランジスタに、通常読み出しか、読み出し禁止かを識別するデータを、記憶させるようにしたものである。
【0167】
図24に、第11の実施の形態に係るNOR型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0168】
(一括消去動作)
図24に示すように、第10の実施の形態と同様である。
【0169】
(選択書き込み動作)
図24に示すように、第10の実施の形態と同様である。
【0170】
(通常読み出し動作)
図24に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に“0V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするメモリトランジスタM0を“オフ”させる。これにより、図24に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0171】
(読み出し禁止動作)
図24に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に、“5V”を印加する。この電位は、例えば図24の通常読み出し動作の欄に示す制御ゲートWL2の電位、つまり読み出し基準電位と同じである。
【0172】
このとき、メモリトランジスタM0のしきい値が、読み出し基準電位“5V”よりも低ければ、メモリトランジスタM0は“オン”する。この場合は、読み出し禁止であり、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、図24に示すように、上記通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データを、正常に読み出すことができない。
【0173】
また、メモリトランジスタM0のしきい値が、読み出し基準電位“5V”よりも高ければ、メモリトランジスタM0は“オフ”する。この場合は、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、上記通常読み出し動作と同様な電圧関係とすると、データは、正常に読み出される。
【0174】
また、第11の実施の形態において、読み出し禁止ゲートWL0に、“0V”を与えるようにすると、メモリトランジスタM0が記憶しているデータに関わらず“オフ”する。このため、記憶させた読み出し禁止の状態を、必要に応じて回避することもできる。
【0175】
[第12の実施の形態]
図25は、第12の実施の形態に係るNOR型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0176】
図25に示すように、第12の実施の形態は、読み出し禁止ゲートWL0に接続されるトランジスタを、メモリトランジスタから、トランジスタT0としたものである。トランジスタT0の構造としては、通常のトランジスタ、あるいは図25に示すように、メモリトランジスタでは浮遊ゲートとなる部分を、制御ゲートにショートさせる例がある。
【0177】
次に、第12の実施の形態に係るNOR型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートWL2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0178】
図26に、第12の実施の形態に係るNOR型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0179】
(一括消去動作)
図26に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“0V”か、“12V”かを印加する。あるいは“フローティング(F)”とする。
【0180】
なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図26に示すように、従来の一括消去動作の電圧関係と同様である。
【0181】
(選択書き込み動作)
図26に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“0V”を印加する。なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図26に示すように、従来の選択書き込み動作と同様である。
【0182】
(通常読み出し動作)
図26に示すように、読み出し禁止ゲートCG0に“0V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするトランジスタT0を“オフ”させる。これにより、図26に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0183】
(読み出し禁止動作)
図26に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“5V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするトランジスタT0を“オン”させる。これにより、図26に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を上記通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データは、正常に読み出せなくなる。
【0184】
[第13の実施の形態]
図27は、この発明の第13の実施の形態に係るNOR型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0185】
図27に示すEEPROMは、グランドアレイ型と呼ばれているものである。グランドアレイ型EEPROMは、基本的にNOR型である。したがって、読み出し禁止動作は、第12の実施の形態と同様に行うことで実現できる。例えば図27に示す読み出し禁止ゲートWL0に接続されたメモリトランジスタM0を“オン”させ、図23、図24、図26の読み出し禁止動作の欄に示すような、ビット線BLをソース線SOURCEにショートさせる電圧をセットすればよい。
【0186】
また、図27には、消去ゲートEGを持つグランドアレイ型EEPROMを示しているが、消去ゲートEGを持たないグランドアレイ型EEPROMでも、図23、図24、図26の読み出し禁止動作の欄に示したような、読み出し不可の電圧をセットできる。
【0187】
また、図27には、制御ゲートの一部を、浮遊ゲートからチャネル長方向にオフセットさせた、スプリットチャネル型のグランドアレイ型EEPROMを示しているが、スプリットチャネル型でなくても、図23、図24、図26の読み出し禁止動作の欄に示したような、読み出し不可の電圧をセットできる。
【0188】
[第14の実施の形態]
図28は、この発明の第14の実施の形態に係るAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0189】
AND型EEPROMのメモリセルアレイ2の特徴的なところは、メモリセル5が、互いに並列接続された複数のメモリトランジスタにより構成された、ユニットセル(以下、NORセル)を含むことである。
【0190】
図28に示すように、メモリセル5は、互いに並列に接続された複数のメモリトランジスタM1〜Mnにより構成されるNORセル150と、NORセル150のドレイン端Dと、ビット線BL1との間に直列に接続された選択トランジスタS1により構成されるドレイン側選択ゲート152と、NORセル150のソース端Sと、ソース線SOURCEとの間に直列に接続された選択トランジスタS2により構成されるソース側選択ゲート154とを有している。
【0191】
また、AND型の場合、図1に示す行線3の1本は、複数の制御ゲート線WL1〜WLn、並びに2つの選択ゲート線SG1、SG2に対応する。列線4の1本は、ビット線の1本(BL1、もしくはBL2)に対応する。
【0192】
次に、第14の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートWL2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0193】
図29に、第14の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0194】
なお、図29に示すように、第14の実施の形態においては、例えば一括消去動作および選択書き込み動作はそれぞれ、従来、知られている動作で良い。したがって、以下の説明は、従来と特に異なっている動作についてのみ、詳細に行うことにする。
【0195】
(通常読み出し動作)
図29に示すように、通常読み出し動作では、選択ゲートSG1、SG2にそれぞれ、5V(電源電位VCCレベル)を与え、選択トランジスタS1、S2をそれぞれオンさせる。読み出し選択された制御ゲートWL2には読み出し基準電位3Vを印加し、他の非選択の制御ゲートWL1、WL3、WL4にはそれぞれ0Vを印加する。これにより、メモリトランジスタM1、M3、M4はそれぞれ“オフ”する。
【0196】
また、メモリトランジスタM2は、そのしきい値が、読み出し基準電位3V以下であるとき“オン”し、読み出し基準電位3V以上であるとき“オフ”する。これにより、データが、“0”か“1”かが区別される。
【0197】
(読み出し禁止動作)
図29に示すように、読み出し禁止動作では、非選択の制御ゲートのうち、少なくとも一つに、メモリトランジスタの浮遊ゲート中の電子の有無に関わらず、メモリトランジスタを、強制的にオンさせる電位を印加する。メモリトランジスタを、強制的にオフさせる電位の一つの例は、“6V”である。このような電位“6V”を、例えば制御ゲートWL1に印加することで、NORセル150のソース端Sとそのドレイン端Dとが、読み出し禁止動作中、互いにショートされる。これにより、アクセスされようとしているメモリトランジスタM2からは、正確なデータを読み出すことができなくなる。
【0198】
また、第14の実施の形態に係る読み出し禁止動作では、図29に示すように、メモリトランジスタを強制的にオンさせる電位(以下、読み出し禁止電位という)を、非選択の制御ゲートWL1に与えているが、読み出し禁止電位は、他の非選択の制御ゲートWL3、WL4などに与えることも可能である。さらに、読み出し禁止電位は、非選択の制御ゲートの複数に与えることも可能である。
【0199】
また、読み出し禁止電位は、図29に示すように、“6V”としているが、メモリトランジスタを、強制的にオフできる電位、即ちメモリトランジスタがとる幾つかのしきい値のうち、最も高いしきい値よりも高い電位であればよい。例えばメモリトランジスタの最も高いしきい値が3V以下であるときには、読み出し禁止電位は“3V”あれば良い。
【0200】
[第15の実施の形態]
第15の実施の形態は、第14の実施の形態と同様なものであるが、読み出し禁止動作のとき、メモリトランジスタではなく、選択ゲートを、強制的にオフさせることが異なっている。
【0201】
図30に、第15の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0202】
(通常読み出し動作)
図30に示すように、第14の実施の形態と同様である。
【0203】
(読み出し禁止動作)
図30に示すように、読み出し禁止動作では、選択ゲートSG1、SG2それぞれに、選択トランジスタS1、S2をオフさせる電位を印加する。選択トランジスタS1、S2をオフさせる電位の一つの例は、“0V”である。このような電位“0V”を、選択ゲートSG1、SG2にそれぞれ印加することで、NANDセルの電流通路は、読み出し禁止動作中、遮断される。これにより、アクセスされようとしているメモリセルトランジスタM2からは、第14の実施の形態と同様に、正確なデータを読み出すことができなくなる。
【0204】
また、第15の実施の形態に係る読み出し禁止動作では、図30に示すように、選択ゲートSG1、SG2にそれぞれ、選択トランジスタS1、S2をオフさせる電位を与えているが、選択ゲートSG1、SG2のいずれかに、選択トランジスタの一方をオフさせる電位を与えるようにしても良い。
【0205】
[第16の実施の形態]
第14の実施の形態では、非選択の制御ゲートのうちのいくつかを強制的にオンさせること、また、第15の実施の形態では、選択ゲートを強制的にオフさせることで、読み出し禁止の状態をそれぞれ実現した。この第16の実施の形態に係るAND型EEPROMは、読み出しを禁止するための読み出し禁止ゲートを、メモリセルアレイ2の中に、別に設けたものである。
【0206】
図31は、第16の実施の形態に係るAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0207】
図31に示すように、読み出し禁止ゲートWL0は、例えば制御ゲートWL1〜WLnと並行に設けられる。読み出し禁止ゲートWL0に接続されるトランジスタは、読み出し禁止動作のとき、NORセルのソース端Sと、そのドレイン端Dとを、互いにショートさせる。この第16の実施の形態では、読み出し禁止ゲートWL0に接続されるトランジスタは、メモリトランジスタと同様の構造を有している。
【0208】
次に、第16の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートWL2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0209】
図32に、第16の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0210】
(一括消去動作)
図32に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“15V”を印加する。
【0211】
なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図32に示すように、従来の一括消去動作の電圧関係と同様である。
【0212】
(選択書き込み動作)
図32に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“0V”を印加する。なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図32に示すように、従来の選択書き込み動作と同様である。
【0213】
(通常読み出し動作)
図32に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“0V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするメモリトランジスタM0を“オフ”させる。これにより、図32に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0214】
(読み出し禁止動作)
図32に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“6V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするメモリトランジスタM0を強制的に“オン”させる。これにより、図32に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、上記通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データは、正常に読み出せなくなる。
【0215】
[第17の実施の形態]
第17の実施の形態は、等価回路的には、第16の実施の形態と同様なものであるが、読み出し禁止ゲートに接続されるメモリトランジスタに、通常読み出しか、読み出し禁止かを識別するデータを、記憶させるようにしたものである。
【0216】
図33に、第17の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0217】
(一括消去動作)
図33に示すように、第16の実施の形態と同様である。
【0218】
(選択書き込み動作)
図33に示すように、第16の実施の形態と同様である。
【0219】
(通常読み出し動作)
図33に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“0V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするメモリトランジスタM0を“オフ”させる。これにより、図33に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0220】
(読み出し禁止動作)
図33に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に、“3V”を印加する。この電位は、例えば図33の通常読み出し動作の欄に示す制御ゲートWL2の電位、つまり読み出し基準電位と同じである。
【0221】
このとき、メモリトランジスタM0のしきい値が、読み出し基準電位“3V”よりも低ければ、メモリトランジスタM0は“オン”する。この場合は、読み出し禁止であり、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、図33に示すように、通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データを、正常に読み出すことができない。
【0222】
また、メモリトランジスタM0のしきい値が、読み出し基準電位“3V”よりも高ければ、メモリトランジスタM0は“オフ”する。この場合は、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、上記通常読み出し動作と同様な電圧関係とすると、データは、正常に読み出される。
【0223】
なお、第17の実施の形態において、読み出し禁止ゲートWL0に、“0V”を与えるようにすると、メモリトランジスタM0が記憶しているデータに関わらず“オフ”する。このため、記憶させた読み出し禁止の状態を、必要に応じて回避することもできる。
【0224】
[第18の実施の形態]
図34は、第18の実施の形態に係るAND型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0225】
図34に示すように、第18の実施の形態は、読み出し禁止ゲートWL0に接続されるトランジスタをメモリトランジスタから、トランジスタT0としたものである。トランジスタT0の構造としては、通常のトランジスタ、あるいは図34に示すように、メモリトランジスタでは浮遊ゲートとなる部分を、制御ゲートにショートさせたものなどがある。
【0226】
次に、第18の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作を、4本の制御ゲートのうち、制御ゲートWL2を選択し、これに接続されたメモリトランジスタM2からデータを読み出す例により、説明する。
【0227】
図35に、第18の実施の形態に係るAND型EEPROMの各動作毎の電圧関係を示す。
【0228】
(一括消去動作)
図35に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“15V”を印加する。
【0229】
なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図35に示すように、従来の一括消去動作の電圧関係と同様である。
【0230】
(選択書き込み動作)
図35に示すように、読み出し禁止ゲートWL0には、“0V”を印加する。なお、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係は、図35に示すように、従来の選択書き込み動作と同様である。
【0231】
(通常読み出し動作)
図35に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“0V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするトランジスタT0を“オフ”させる。これにより、図35に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を、従来の読み出し動作と同様な電圧関係とすることにより、データは、正常に読み出される。
【0232】
(読み出し禁止動作)
図35に示すように、読み出し禁止ゲートWL0に“3V”を印加し、読み出し禁止ゲートWL0をゲートとするトランジスタT0を“オン”させる。これにより、図11に示すように、読み出し禁止ゲートWL0以外の電圧関係を上記通常読み出し動作と同様な電圧関係としても、データは、正常に読み出せなくなる。
【0233】
[第19の実施の形態]
図36は、この発明の第19の実施の形態に係るHi−Cセル型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0234】
図36に示すHi−Cセル型EEPROMは、ソース側選択ゲート154を、2つのNORセル150で互いに共有させたものである。
【0235】
図36に示すHi−Cセル型EEPROMの読み出し禁止動作は、第14の実施の形態、および第15の実施の形態と同様に行うことで実現できる。
【0236】
[第20の実施の形態]
図37は、この発明の第20の実施の形態に係るHi−Cセル型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0237】
図37に示すHi−Cセル型EEPROMは、図36に示すHi−Cセル型EEPROMに対し、読み出し禁止ゲートWL0を設けたものである。また、読み出し禁止ゲートWL0には、メモリトランジスタM0を接続するようにしている。
【0238】
図37に示すHi−Cセル型EEPROMの読み出し禁止動作は、第16の実施の形態、および第17の実施の形態と同様に行うことで実現できる。
【0239】
[第21の実施の形態]
図38は、この発明の第21の実施の形態に係るHi−Cセル型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0240】
図38に示すHi−Cセル型EEPROMは、読み出し禁止ゲートWL0に、トランジスタT0を接続するようにしたものである。
【0241】
図38に示すHi−Cセル型EEPROMの読み出し禁止動作は、第18の実施の形態と同様に行うことで実現できる。
【0242】
[第22の実施の形態]
図39は、この発明の第22の実施の形態に係るDINOR型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0243】
図39に示すDINOR型EEPROMは、AND型EEPROMと同様に、互いに並列に接続された複数のメモリトランジスタM1〜Mnにより構成されるNORセル150を有している。NORセル150のドレイン端Dは、選択トランジスタS1を介して、ビット線BL1に接続されている。メモリトランジスタM1〜Mn各々のソースは、ソース線SOURCEに接続されている。
【0244】
図39に示すDINOR型EEPROMの読み出し禁止動作は、第14の実施の形態、および第15の実施の形態と同様に行うことで実現できる。
【0245】
[第23の実施の形態]
図40は、この発明の第23の実施の形態に係るDINOR型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0246】
図40に示すDINOR型EEPROMは、図39に示すDINOR型EEPROMに対し、読み出し禁止ゲートWL0を設けたものである。また、読み出し禁止ゲートWL0には、メモリトランジスタM0を接続するようにしている。
【0247】
図40に示すDINOR型EEPROMの読み出し禁止動作は、第16の実施の形態、および第17の実施の形態と同様に行うことで実現できる。
【0248】
[第24の実施の形態]
図41は、この発明の第24の実施の形態に係るDINOR型EEPROMのメモリセルアレイ2の等価回路図である。
【0249】
図41に示すDINOR型EEPROMは、読み出し禁止ゲートWL0に、トランジスタT0を接続するようにしたものである。
【0250】
図41に示すDINOR型EEPROMの読み出し禁止動作は、第24の実施の形態と同様に行うことで実現できる。
【0251】
以上、この発明を、第1〜第24の実施の形態により説明したが、この発明は、第1〜第24の実施の形態に限られるものではなく、各種のEEPROM、あるいはEPROMに適用できる。例えば拡散層ビット線を有するグランドアレイ型、FACE型にも適用できる。また、メモリトランジスタは、浮遊ゲート型のものだけでなく、MNOS型であっても良い。
【0252】
また、この発明は、EEPROM、EPROMの他、チャネルイオン注入等により、情報を固定的に書き込んだMOSトランジスタをメモリセルとする、いわゆるマスクROMにも、適用することができる。
【0253】
さらに、第1〜第24の実施の形態では、読み出し禁止の状態を説明したが、読み出し禁止と同様な方法により、書き込み禁止の状態を実現することもできる。書き込み禁止の状態を実現することで、記憶しているデータを、例えば故意な破壊から保護することができる。したがって、記憶しているデータを保護する動作を行える。
【0254】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、記憶しているデータを保護する動作を行える半導体集積回路装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はEEPROMの基本構成を示すブロック図。
【図2】図2は第1の実施の形態に係るNAND型EEPROMの等価回路図。
【図3】図3は第1の実施の形態に係るNAND型EEPROMの平面図。
【図4】図4(A)は図3中の4A−4A線に沿う断面図、図4(B)は図3中の4B−4B線に沿う断面図。
【図5】図5は第1の実施の形態に係るNAND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図6】図6は第2の実施の形態に係るNAND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図7】図7は第3の実施の形態に係るNAND型EEPROMの等価回路図。
【図8】図8は第3の実施の形態に係るNAND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図9】図9は第4の実施の形態に係るNAND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図10】図10は第5の実施の形態に係るNAND型EEPROMの等価回路図。
【図11】図11は第5の実施の形態に係るNAND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図12】図12は第6の実施の形態に係るEEPROMのブロック図。
【図13】図13は第7の実施の形態に係るEEPROMのブロック図。
【図14】図14(A)は第8の実施の形態に係るEEPROMの読み出し禁止アドレス入力動作を示す流れ図、図14(B)は第8の実施の形態に係るEEPROMの読み出し禁止解除動作を示す流れ図。
【図15】図15は第8の実施の形態に係るEEPROMの読み出し動作を示す流れ図。
【図16】図16は第8の実施の形態に係るEEPROMのブロック図。
【図17】図17は第9の実施の形態に係るEEPROMの読み出し動作を示す流れ図。
【図18】図18は第9の実施の形態に係るEEPROMのブロック図。
【図19】図19は第9の実施の形態に係るEEPROMの他のブロック図。
【図20】図20は第9の実施の形態に係るEEPROMを搭載したメモリカード・システムを示すブロック図。
【図21】図21は第9の実施の形態に係るEEPROMを搭載したメモリ・システムを示すブロック図。
【図22】図22は第10の実施の形態に係る NOR型EEPROMの等価回路図。
【図23】図23は第10の実施の形態に係る NOR型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図24】図24は第11の実施の形態に係る NOR型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図25】図25は第12の実施の形態に係る NOR型EEPROMの等価回路図。
【図26】図26は第12の実施の形態に係る NOR型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図27】図27は第13の実施の形態に係るグランドアレイ型EEPROMの等価回路図。
【図28】図28は第14の実施の形態に係る AND型EEPROMの等価回路図。
【図29】図29は第14の実施の形態に係る AND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図30】図30は第15の実施の形態に係る AND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図31】図31は第16の実施の形態に係る AND型EEPROMの等価回路図。
【図32】図32は第16の実施の形態に係る AND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図33】図33は第17の実施の形態に係る AND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図34】図34は第18の実施の形態に係る AND型EEPROMの等価回路図。
【図35】図35は第18の実施の形態に係る AND型EEPROMの電圧の関係を示す図。
【図36】図36は第19の実施の形態に係るHi-Cセル型EEPROMの等価回路図。
【図37】図37は第20の実施の形態に係るHi-Cセル型EEPROMの等価回路図。
【図38】図38は第21の実施の形態に係るHi-Cセル型EEPROMの等価回路図。
【図39】図39は第22の実施の形態に係る DINOR型EEPROMの等価回路図。
【図40】図40は第23の実施の形態に係る DINOR型EEPROMの等価回路図。
【図41】図41は第24の実施の形態に係る DINOR型EEPROMの等価回路図。
【符号の説明】
1…チップ、
2…メモリセルアレイ、
3…行線、
4…列線、
5…メモリセル、
6…ロウデコーダ、
7…センスアンプ、
8…カラムデコーダ、
9…バッファ、
9´…読み出し禁止情報メモリ、
11…チップ情報、
100…NANDセル、
102…ドレイン側選択ゲート、
104…ソース側選択ゲート、
150…NORセル、
152…ドレイン側選択ゲート、
154…ソース側選択ゲート。

Claims (18)

  1. ビット線電位の供給点とソース電位の供給点との間に直列に接続される、しきい値可変型のメモリ素子を含むメモリセルを有し、
    前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を非導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 前記メモリ素子を非導通状態とする電圧を、前記メモリ素子がとる最も低いしきい値よりも低い電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
  3. 前記メモリ素子を非導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子のしきい値が読み出し基準電圧よりも高いとき、
    前記メモリ素子を非導通状態とする電圧を、前記読み出し基準電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
  4. 前記読み出し基準電圧は、0Vであることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置。
  5. 前記メモリ素子を非導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
  6. ビット線電位の供給点とソース電位の供給点との間に互いに並列に接続される、しきい値可変型のメモリ素子を含むメモリセルを有し、
    前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  7. 前記メモリ素子を導通状態とする電圧を、前記メモリ素子がとる最も高いしきい値よりも高い電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路装置。
  8. 前記メモリ素子を導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子のしきい値が読み出し基準電圧よりも低いとき、
    前記メモリ素子を導通状態とする電圧を、前記読み出し基準電圧とし、前記メモリ素子のゲートに供給することを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路装置。
  9. 前記読み出し基準電圧は、電源電圧であることを特徴とする請求項8に記載の半導体集積回路装置。
  10. 前記メモリ素子を導通状態とする電圧が供給されるメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする請求項6乃至請求項9いずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
  11. ビット線とソース線との間に互いに並列に接続され、しきい値可変型のメモリ素子を含むブロックと、前記ブロックのビット線電位の供給点、およびソース電位の供給点の少なくとも一方に設けられた、このブロックを選択する選択素子とを含むメモリセルを有し、
    前記ブロックは、前記ビット線電位の供給点と前記ソース電位の供給点との間に、電流通路を互いに直列に接続した複数のメモリ素子を含むNANDセルであり、
    前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を非導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  12. 前記NANDセルを構成するメモリ素子のうち、非選択のメモリ素子のゲートに、このメモリ素子がとる最も低いしきい値よりも低い電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行うことを特徴とする請求項11に記載の半導体集積回路装置。
  13. 前記NANDセルを構成するメモリ素子の少なくとも一つに、読み出し禁止であるか否かを判別する判別用のメモリ素子を設け、
    前記判別用のメモリ素子のゲートに、読み出し基準電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行うことを特徴とする請求項11に記載の半導体集積回路装置。
  14. 前記判別用のメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする請求項13に記載の半導体集積回路装置。
  15. ビット線とソース線との間に互いに並列に接続され、しきい値可変型のメモリ素子を含むブロックと、前記ブロックのビット線電位の供給点、およびソース電位の供給点の少なくとも一方に設けられた、このブロックを選択する選択素子とを含むメモリセルを有し、
    前記ブロックは、前記ビット線電位の供給点と前記ソース電位の供給点との間に、電流通路を互いに並列に接続した複数のメモリ素子を含むNORセルであり、
    前記メモリセルからデータを読み出す時、読み出し選択されたメモリセルに含まれている読み出し選択されたメモリ素子以外のメモリ素子の少なくとも1つに、このメモリ素子を導通状態とする電圧を供給し、前記データの読み出しを禁止する動作を行うモードを有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  16. 前記NORセルを構成するメモリ素子のうち、非選択のメモリ素子のゲートに、このメモリ素子がとる最も高いしきい値よりも高い電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行なうことを特徴とする請求項15に記載の半導体集積回路装置。
  17. 前記NORセルを構成するメモリ素子の少なくとも一つに、読み出し禁止であるか否かを判別する判別用のメモリ素子を設け、
    前記判別用のメモリ素子のゲートに、読み出し基準電圧を供給して、前記データの読み出しを禁止する動作を行うことを特徴とする請求項15に記載の半導体集積回路装置。
  18. 前記判別用のメモリ素子に、読み出し禁止か否かを判別する情報を記憶させておくことを特徴とする請求項17に記載の半導体集積回路装置。
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