JP3967010B2 - 包装トレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器、OA(Office Automation )端末機、および、広告表示装置などに使用される表示素子の包装に用いられる包装トレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶パネル等の表示素子の包装に包装トレイが用いられている。製造された表示素子の単体品を出荷すべく搬送する際には、少なくとも1個の表示素子を包装トレイ内に載置し、この包装トレイを多段に積み重ねて例えば段ボール箱に封入する作業が行われる。このように、表示素子を包装トレイに収納して搬送することにより、搬送時における表示素子の損傷が極力回避される。
【0003】
このような搬送作業で用いられる従来の包装トレイとしては、例えば、▲1▼真空成形金型を利用した非発泡材料による成形品、▲2▼発泡スチロール等の発泡材料による成形品、▲3▼プラスチック段ボールや発泡ポリエチレンを利用して組み立てたもの、等が一般的に知られている。
【0004】
また、この他に、例えば特開平8−324674号公報に開示されたものもある。上記公報に開示された包装トレイは、外形が蓋形で形成されており、複数の包装トレイを多段に重ねやすいようになっている。以下、この包装トレイについて説明する。
【0005】
図8(a)に示すように、上記公報に開示された包装トレイ51は、例えばカーボンをポリスチレンや塩化ビニルに練り込んでなる導電性材料からなり、金型を用いて蓋形に成形されている。
【0006】
そして、この包装トレイ51は、複数の表示素子収納凹部52を備えている。図8(a)中のR部、すなわち、1個の表示素子収納凹部52の底面部の拡大図である図8(b)に示すように、表示素子収納凹部52は、コーナー規制部53と、側面規制部54と、受け部55とを備えている。
【0007】
コーナー規制部53は、液晶パネル56(図8(c)参照)の3つのコーナー部分に当接してその位置を規制するものである。一方、側面規制部54は、残りのコーナー部分近傍の一側面に当接して液晶パネル56の位置を規制するものである。これらコーナー規制部53および側面規制部54による位置規制により、液晶パネル56が包装トレイ51内の所定の場所に位置決めされ、収納されることになる。
【0008】
受け部55は、図8(a)中のE−E線矢視端面図である図8(c)に示すように、液晶パネル56の有効表示エリアAよりも外側の箇所を、液晶パネル56の裏面側から受けて、液晶パネル56を保持するようになっている。これにより、液晶パネル56の有効表示エリアA内の例えば偏光板の損傷が回避されている。
【0009】
また、図8(a)に示すように、包装トレイ51表面の各側辺近傍には、各側辺に沿って断面凹状のリブ57が設けられており、成形時の包装トレイ51の反り、および、液晶パネル56を表示素子収納凹部52に載置したときの包装トレイ51の反りが防止されるようになっている。
【0010】
一方、図9に示すように、包装トレイ51の裏面であって、表示素子収納凹部52が形成されていない隅部および中央部には、複数の包装トレイ51を上下に積み重ねた際に、下側の包装トレイ51の表面と当接するスペーサー58が設けられている。
【0011】
ここで、図10は、複数の包装トレイ51を上下に積み重ねた状態を示している。なお、同図においては、上側の包装トレイ51のスペーサー58が、下側の包装トレイ51に設けられたリブ57に嵌合しているように見えるが、実際はそうではない。嵌合して見えるのは、同図がトレイ断面を示しているからであって、上側の包装トレイ51のスペーサー58が、下側の包装トレイ51の表面と当接していることは、図8(a)および図9において、リブ57とスペーサー58との位置関係を見れば明らかである。
【0012】
このように、包装トレイ51の裏面にはスペーサー58が設けられているので、複数の包装トレイ51を上下に積み重ねた際には、下側の包装トレイ51内に載置された液晶パネル56と、その上方に位置する包装トレイ51との間に適当な空間が確保され、上記液晶パネル56と上記包装トレイ51とが接触するようなことがない。これにより、液晶パネル56の面に荷重が掛かるのを防止することができ、液晶パネル56の損傷が回避されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上側の包装トレイ51の裏面に設けられたスペーサー58は、下側の包装トレイ51の表面と当接しているだけであるので、下側の包装トレイ51に対する上側の包装トレイ51の重ね合わせ位置は固定されていない。すると、液晶パネル56の搬送時の振動等によって、積み重ねた包装トレイ51・51同士が容易に離反したり、位置ずれを起こしたりする。つまり、包装トレイ51を蓋形に形成するだけでは、重ね合わせ位置を規定することはできず、その結果、積み重ねた包装トレイ51・51同士の位置ずれを防止することはできない。
【0014】
したがって、上記公報の構成では、積み重ねられた包装トレイ51の安定性を欠く。その結果、液晶パネル56の搬送時に、包装トレイ51の位置ずれによって液晶パネル56の移動、欠け、割れ等が発生しやすくなり、不良品率が増加するという問題が生ずる。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、搬送時における包装トレイの位置ずれ等に起因して表示素子が損傷するのを回避することができる包装トレイを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る包装トレイは、上記の課題を解決するために、少なくとも1個の表示素子を収納するための表示素子収納凹部を有し、外形を蓋形に形成することにより、上記表示素子収納凹部に表示素子を載置したまま多段に積み重ねることが可能な包装トレイにおいて、上記表示素子収納凹部の周囲に、複数の包装トレイを積み重ねた際に上下の包装トレイのうちの少なくとも一方との重ね合わせ位置を固定的に規定する位置規定部が設けられていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、包装トレイは外形が蓋形で形成されており、表示素子収納凹部に少なくとも1個の表示素子を収納したまま、複数の包装トレイが多段に積み重ねられる。
【0018】
このとき、各包装トレイにおける表示素子収納凹部の周囲に位置規定部が設けられているので、上側の包装トレイおよび/または下側の包装トレイとの重ね合わせ位置が固定的に規定される。これにより、積み重ねた包装トレイ同士が安定し、搬送時の振動等によって相対的に位置ずれするようなことがない。
【0019】
したがって、上記構成によれば、表示素子搬送時に、積層した包装トレイの位置ずれに起因してその内部に収納した表示素子において移動、欠け、割れ等が発生するのを回避することができ、不良品率の増加を抑制することができる。
【0020】
請求項2の発明に係る包装トレイは、上記の課題を解決するために、請求項1の構成において、上記位置規定部は、上記包装トレイの裏面から下方へ突出するような凹状に形成されてなり、上記位置規定部の底部は、上記位置規定部の開口部よりもごく僅か小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、複数の包装トレイを積層した際に、上側の包装トレイの位置規定部の底部が、下側の包装トレイの位置規定部の開口部に若干嵌まる。これにより、上側の包装トレイが下側の包装トレイに所定位置で固定される。なお、一方の位置規定部の底部が他方の位置規定部の開口部に完全に嵌合するわけではないので、上下の包装トレイ同士の密着性は弱く保たれる。
【0022】
したがって、上記構成によれば、包装トレイの位置規定を確実に行いながらも、包装トレイを離反しやすくすることができる。その結果、包装トレイの積み重ね作業および離反作業の効率をともに高めることができる。
【0023】
請求項3の発明に係る包装トレイは、上記の課題を解決するために、請求項1または2の構成において、上記位置規定部は、平面視で十字形状に形成されていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、上記の十字形と同じ大きさで例えば平面視で円形状、三角形状等で構成される位置規定部と比べ、位置規定部の底面積を小さくすることができ、これにより、積み重ねられた包装トレイ同士を容易に離反することができる。一方、十字形形状は4本の腕部を放射状に有しているので、包装トレイの特に水平方向の位置ずれを確実に押さえることができ、水平方向に対する包装トレイの位置固定性を確実に向上させることができる。
【0025】
つまり、上記構成によれば、包装トレイの離反のしやすさおよび位置固定性をともに確実に満足させることができ、作業効率を確実に向上させることができる。
【0026】
請求項4の発明に係る包装トレイは、上記の課題を解決するために、請求項1、2または3の構成に加えて、複数の包装トレイを重ね合わせた際に、下側の包装トレイに収納された表示素子と有効表示エリア外部で当接することによって、上記表示素子を押さえる表示素子押さえ部がさらに設けられていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、複数の包装トレイを重ね合わせた際に、上側の包装トレイの表示素子押さえ部が、下側の包装トレイに収納された表示素子と当接し、上記表示素子を押さえる。これにより、表示素子の特に上下方向の保持性を高めることができる。したがって、上記構成によれば、上下方向の振動衝撃に起因して、搬送中に表示素子の不良が発生するのを確実に回避することができ、搬送中の表示素子の安全性を高めることができる。
【0028】
なお、上記表示素子押さえ部は、上記表示素子の有効表示エリア外部で当接するので、有効表示エリア内にある例えば偏光板が損傷することはない。それゆえ、上記構成によって上記表示素子の表示特性が劣化することはない。
【0029】
請求項5の発明に係る包装トレイは、上記の課題を解決するために、請求項1ないし4のいずれかの構成に加えて、収納した表示素子の角部近傍を除く側面に部分的に当接する表示素子固定用突起部が、上記表示素子収納凹部の内面から突出して設けられていることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、表示素子収納凹部の角部には、収納した表示素子の角部とは当接しない逃げ部が形成される。本来、表示素子の角部は、外的衝撃によって割れ、欠け等が発生しやすいが、このような逃げ部が形成されることで、たとえ外的衝撃が包装トレイに加わったとしても、その衝撃が表示素子の角部にまで加わることがない。したがって、外的衝撃に起因して表示素子の角部が破損するのを確実に回避することができ、表示素子の不良品発生率を確実に低減することができる。
【0031】
また、表示素子固定用突起部は、表示素子の側面と部分的に当接するので、表示素子固定用突起部以外の部位と表示素子との間には適当な隙間が形成される。これにより、表示素子収納凹部に対する表示素子の収納および取り出しが容易となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図4、および、図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0033】
図2に示すように、本実施の形態における包装トレイ1は、表示素子としての液晶パネル2(図1参照)を収納したまま、多段に積み重ねることができるように、外形が蓋形に成形されている。
【0034】
包装トレイ1の成形方法は次の通りである。すなわち、熱可塑性のプラスチックシートを加熱、軟化させ、収納物(少なくとも液晶パネル2)を収納できる形状にする。そして、上記シートが軟らかい間に、これに外力(真空、圧空等)を加えて成形し、その後、上記シートを冷却、固化させる。
【0035】
本実施形態では、包装トレイ1の材質はポリスチレンであり、厚さは約1mmであるが、材質および厚さはこれらに限定されるわけではない。包装トレイ1をポリスチレンで構成した理由としては、以下に示す点等を考慮したことによる。
【0036】
▲1▼ポリスチレンが、高圧力下で液晶パネル2における偏光板の凹みやセルギャップ変化による色むらが現れないようなクッション性を有していること。
【0037】
▲2▼規定の振動試験や落下試験等を行ったときに、液晶パネル2の移動、欠け、割れ等の発生がないこと。
【0038】
▲3▼ポリスチレンが環境に配慮された材料であること。
【0039】
また、包装トレイ1は、黒系に近い色を呈している。これにより、外光が包装トレイ1で吸収され、液晶パネル2に届かなくなるので、外光に起因して液晶パネル2の表示品位が低下するのを回避することができる。
【0040】
次に、このような包装トレイ1の具体的な構成について以下に説明する。
【0041】
包装トレイ1は、液晶パネル2を収納する液晶パネル収納凹部3(表示素子収納凹部)を有している。本実施形態では、液晶パネル収納凹部3は、一つの液晶パネル2および周辺回路基板2a(図1参照)を収納できるようになっており、しかも、載置された液晶パネル2を取り出しやすくするための取り出し用凹部3aを有している。この取り出し用凹部3aは、本実施形態では、同図に示すように、液晶パネル収納凹部3の短辺方向に設けられているが、液晶パネル収納凹部3の長手方向に設けられていてもよい。
【0042】
なお、本実施形態では、液晶パネル2および周辺回路基板2aをベゼル4に所定の方向に固定し、ベゼル4ごと液晶パネル収納凹部3に収納することが可能となっている。なお、ベゼル4とは、液晶パネル2および周辺回路基板2aを保持・保護するための外側のケースであり、例えば金属板からなっている。また、包装トレイ1に載置された液晶パネル2の保持性を高めるため、液晶パネル2の上から固定シート5を液晶パネル収納凹部3に嵌めることが可能となっている。なお、この固定シート5は、包装トレイ1を複数段積み重ねたときに、例えば最上段の空包装トレイ1(液晶パネル2が収納されていない包装トレイ1)とその下の液晶パネル2を収納した包装トレイ1との間に生じる隙間によって上記液晶パネル2ががたつくのを防止する役目も果たす。
【0043】
液晶パネル収納凹部3の内部には、液晶パネル2の周辺部品を収納するための周辺部品収納凹部6が形成されている。ここで、図3(a)中のB−B線矢視端面図である図3(c)に示すように、周辺部品収納凹部6の底面には段差が付けられており、底面がフラットな場合に生じやすい包装トレイ1の反りが防止されるようになっている。
【0044】
周辺部品収納凹部6の底面には、図3(a)に示すように、注意表示7、部品コード8、製造年月表示9、リサイクル・材質表示10が記されている。
【0045】
注意表示7は、包装トレイ1を使用する際の注意を作業者に促すものであり、例えば『静電気注意』等の表示がなされる。部品コード8は、各包装トレイ1固有のコード番号である。
【0046】
製造年月表示9は、包装トレイ1の製造年月を示すものであり、例えば二桁の数字とアルファベット一文字で示される。二桁の数字は、製造年の西暦での下二桁である。そして、アルファベットは製造月を示し、アルファベットA〜Lが例えば順に1月〜12月に対応する。したがって、製造年月表示9として例えば『97G』が記されている場合、包装トレイ1が1997年7月に製造されたことを意味する。
【0047】
なお、包装トレイ1に製造年月表示9を付しているのは、帯電防止剤を使用した包装トレイ1の使用期限(1年)を使用者に知らせるためである。
【0048】
リサイクル・材質表示10は、例えば包装トレイ1がリサイクル可能であることを示すマークを示すと共に、包装トレイ1の材質を示すものであり、SPIコードとISOコードとを用いて表示される。
【0049】
SPIコードは、例えば上記マークと材質の補助記号とから構成される。補助記号は1〜7の数字で示され、各数字はそれぞれこの順に、包装トレイ1の材質がポリエチレンテレフタレート(PETE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、塩化ビニル(V)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、その他(OTHER)であることを示す。一方、ISOコードは、包装トレイ1の材質が上記した括弧内の材質記号で示される。本実施形態の場合、包装トレイ1の材質はポリスチレンであるので、材質の補助記号は“6”であり、材質記号は“PS”である。
【0050】
一方、包装トレイ1表面における液晶パネル収納凹部3の周囲には、図3(a)ないし(c)に示すように、複数の包装トレイ1を積み重ねた際に、上下の包装トレイ1・1のうちの少なくとも一方との重ね合わせ位置を規定する位置規定用凹部11(位置規定部)が複数設けられている。
【0051】
この位置規定用凹部11は、平面視では十字形状であり、その形状のまま深さ方向に窪んだ形となっている。また、図3(b)および(c)に示すように、位置規定用凹部11の深さ方向端部の底部11aは、位置規定用凹部11の開口部11bよりもごく僅か小さくなるように形成されており、位置規定用凹部11の側面は、包装トレイ1表面に対して略垂直となっている。
【0052】
これにより、図1および図4(a)に示すように、複数の包装トレイ1を重ね合わせた際に、上側の包装トレイ1の位置規定用凹部11の底部11aが、下側の包装トレイ1の位置規定用凹部11の開口部11bに点接触または線接触に近い形で若干嵌まるようになり、下側の包装トレイ1に対する上側の包装トレイ1の重ね合わせ位置が固定的に規定される。
【0053】
このとき、位置規定用凹部11の側面は、包装トレイ1表面に対して略垂直であるため、一方の位置規定用凹部11の底部11aは、他方の位置規定用凹部11の開口部11bに完全には嵌合しない。したがって、上記構成では、上下の包装トレイ1・1同士が完全に重なり合うことはなく、結果的には、位置規定用凹部11の深さ方向の長さが、上下の包装トレイ1・1間の間隔にほぼ対応することになる。
【0054】
したがって、位置規定用凹部11を設けることによって、上下の包装トレイ1・1間を所定の間隔に保つことができ、包装トレイ1の積層時および搬送時における液晶パネル2への負担を軽減することができる。また、上記深さ方向の長さを調整することにより、包装トレイ1・1間の距離を調整することができる。
【0055】
なお、位置規定用凹部11の平面視での形状を十字形としたのは、包装トレイ1・1同士の離反のしやすさ(作業性)および位置固定性を考慮したときに、4本の腕部を有する十字形が一番好適と判断したためである。つまり、位置規定用凹部11が上記の十字形と同じ大きさで例えば平面視で円形状、三角形状等で構成される場合と比べ、位置規定用凹部11の底面積を極力小さくすることができる。これにより、積み重ねられた包装トレイ1・1同士を容易に離反することができる。一方、十字形形状は4本の腕部を放射状に有しているので、包装トレイ1の特に水平方向の位置ずれを確実に押さえることができ、水平方向に対する包装トレイ1の位置固定性を確実に向上させることができる。つまり、位置規定用凹部11を平面視で十字形形状とすることによって、包装トレイ1の離反のしやすさおよび位置固定性をともに確実に満足させることができ、作業効率を確実に向上させることができる。
【0056】
なお、平面形状が例えば星型、ライン状等の、十字形形状の場合と同等の効果を奏する形状であれば、勿論、そのような平面形状で位置規定用凹部11を構成してもよい。
【0057】
なお、位置規定用凹部11の断面形状は、図4(a)に示すものに限定されるわけではない。例えば図4(b)および(c)に示すように、位置規定用凹部11の側面を包装トレイ1表面に対して完全に垂直となるように形成し、位置規定用凹部11の角部の断面形状を多角形状、円弧形状としてもよい。
【0058】
また、本実施形態における包装トレイ1は、図1に示すように、パネル押さえ部12(表示素子押さえ部)を有している。このパネル押さえ部12は、複数の包装トレイ1を重ね合わせた際に、下側の包装トレイ1の液晶パネル収納凹部3に収納された液晶パネル2と、有効表示エリアA外部で当接可能なように、周辺部品収納凹部6の裏面から下方へ突出して設けられている。
【0059】
これにより、液晶パネル2の搬送時における液晶パネル2の特に上下方向の保持性を高めることができ、上下方向の振動衝撃に起因して、搬送中に液晶パネル2の不良が発生するのを確実に回避することができ、搬送中の液晶パネル2の安全性を高めることができる。
【0060】
また、パネル押さえ部12は、液晶パネル2の有効表示エリアA外部で当接するので、有効表示エリアA内にある例えば偏光板が損傷することはなく、それゆえ、液晶パネル2の表示特性が劣化することはない。
【0061】
なお、例えば、図11に示すように、複数の包装トレイ1を重ね合わせた際に、上側の包装トレイ1のパネル押さえ部12の底部が、下側の包装トレイ1に収納された液晶パネル2の有効表示エリアA外部と若干の隙間F(例えば0.3mm程度)を隔てて位置するようになっていてもよい。この場合、多段に積み重ねられた包装トレイ1に何らかの要因で、例えば上方から外的な力(ストレス)が加えられても、上記のストレスがパネル押さえ部12を介して直接液晶パネル2に加わることがない(この場合、上記のストレスは上下の包装トレイ1の各位置規定用凹部11にて吸収される)。したがって、外的ストレスに起因する液晶パネル2の割れ、欠け、変形、色ムラ等を防止することができる。
【0062】
図3(a)に示すように、包装トレイ1における液晶パネル収納凹部3および位置規定用凹部11以外の表面には、液晶パネル位置決めマーク13が記されており、液晶パネル収納凹部3に載置する液晶パネル2の所定方向の位置決めがなされる。液晶パネル2の表示は、コモン、セグメントの2方向の基板により駆動されるが、例えば液晶パネル位置決めマーク13として、その片方の基板の略号“COM”を表示しておくことにより、液晶パネル2の液晶パネル収納凹部3内での位置決めが確実に行われ、収納間違いが確実に防止される。
【0063】
また、包装トレイ1の3ヶ所のコーナー部分1b・1c・1dは、耐衝撃性を高めるため斜めカットされている。一方、残り1ヶ所のコーナー部分1aは、複数の包装トレイ1を積み重ねる際の位置合わせの目安として利用するため、丸く形成されている。
【0064】
上記の構成において、液晶パネル2を搬送すべく包装トレイ1に収納する場合には、図2に示すように、まず、液晶パネル2の周辺部品を周辺部品収納凹部6に収納し、その後、液晶パネル2を液晶パネル収納凹部3に収納する。このとき、液晶パネル2の表示面側が下向きとなるように、液晶パネル2および周辺回路基板2aをベゼル4に固定する。そして、液晶パネル位置決めマーク13を参照して、液晶パネル2が所定の方向で収納されるように、ベゼル4ごと液晶パネル収納凹部3に収納する。さらに、液晶パネル2の保持性を高めるため、固定シート5を液晶パネル2に被せ、液晶パネル収納凹部3に嵌めてもよい。
【0065】
次に、図1に示すように、液晶パネル2を収納した複数の包装トレイ1を多段に重ね合わせる。なお、同図では、説明の理解をしやすくするため、固定シート5の図示を省略している。
【0066】
このとき、上側の包装トレイ1の位置規定用凹部11の底部11aが、下側の包装トレイ1の位置規定用凹部11の開口部11bに若干嵌まることで、下側の包装トレイ1に対する上側の包装トレイ1の重ね合わせ位置が固定的に規定される。
【0067】
同時に、上側の包装トレイ1のパネル押さえ部12は、下側の包装トレイ1に載置された液晶パネル2の有効表示エリアA以外の部位と当接する。そして、このように多段に重ね合わされた複数の包装トレイ1を例えば段ボール箱等に収納した後、段ボール箱ごと目的地へ搬送する。
【0068】
上記の構成によれば、各包装トレイ1における液晶パネル収納凹部3の形成されていない部位(液晶パネル収納凹部3の周囲)に位置規定用凹部11が設けられているので、上側の包装トレイ1および/または下側の包装トレイ1との重ね合わせ位置が固定的に規定される。これにより、積み重ねた包装トレイ1・1同士が安定し、搬送時の振動等によって相対的に位置ずれするようなことがなくなる。
【0069】
したがって、液晶パネル2の搬送時に、積層した包装トレイ1の位置ずれに起因してその内部に収納した液晶パネル2において移動、欠け、割れ等が発生するのを回避することができ、不良品率の増加を抑制することができると共に、包装トレイ1による包装の信頼性を向上させることができる。
【0070】
また、一方の位置規定用凹部11の底部11aは、他方の位置規定用凹部11の開口部11bに完全には嵌合しないため、上下の包装トレイ1・1同士の密着性は弱い。したがって、上記構成とすることによって、包装トレイ1の位置規定を確実に行いながらも、包装トレイ1を離反しやすくすることができる。その結果、包装作業の効率を高めることができる。
【0071】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図5ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0072】
図5、図6(a)ないし(c)に示すように、本実施形態では、包装トレイ1は、複数の液晶パネル2を収納可能となっている。具体的には、包装トレイ1は、2個の液晶パネル2を収納可能な液晶パネル収納凹部3を2個備えている。なお、液晶パネル収納凹部3が収納可能な液晶パネル2の数、および、包装トレイ1が具備する液晶パネル収納凹部3の数は、これらに限定されるわけではない。位置規定用凹部11は、液晶パネル収納凹部3の周囲、および、各液晶パネル2の載置領域の間に形成されている。
【0073】
液晶パネル収納凹部3は、載置した液晶パネル2を取り出すための取り出し用凹部3aを、各液晶パネル2の載置位置に応じて備えている。また、液晶パネル収納凹部3は、載置された液晶パネル2を有効表示エリアA以外の部位で保持する凸部21を備えている。なお、この凸部21の高さは、例えば液晶パネル2を構成する2枚のガラス基板の厚さに相当している。
【0074】
したがって、液晶パネル2の角部(有効表示エリアAの外部)を凸部21に合わせて載せることにより、液晶パネル2を包装トレイ1に載置することができる。また、液晶パネル2と包装トレイ1とを固定テープ22を用いて固定することにより、振動衝撃、落下による液晶パネル2の割れ、欠け、剥がれ等の欠陥が発生するのを確実に防止することができる。
【0075】
なお、液晶パネル2に対する外部からの衝撃を緩和するため、緩衝性を有する保護シート23を液晶パネル2に被せるようにしてもよい。また、実施の形態1で示した固定シート5(図2参照)を保護シート23の代わりに使用してもよい。
【0076】
本実施形態では、包装トレイ1における液晶パネル収納凹部3・3の間および各液晶パネル収納凹部3の縁に沿って、固定シート5または保護シート23を受けるシート受け部27が設けられている。このシート受け部27は、固定シート5または保護シート23を液晶パネル2に被せたときに、シートが包装トレイ1の最上面から突出しないように、その上面が包装トレイ1の最上面よりも低い位置となって設けられている。この場合、固定シート5または保護シート23を、包装トレイ1に収納した全液晶パネル2を覆うことができる大きさの1枚もので構成することができ、個々の液晶パネル2に対応した大きさで各シートを構成する場合に比べ、部品点数を削減することができる。
【0077】
なお、保護シート23は、やわらかい材料で形成された厚さ0.5mm程度の薄いシートであるため、包装トレイ1の積み重ねには何ら問題はない。つまり、包装トレイ1を多段に積み重ねたときに、上側の包装トレイ1における、液晶パネル2の載置領域間の位置規定用凹部11の底部11aで保護シート23が押さえられるが、これによって、包装トレイ1ががたつくようなことはない。
【0078】
また、周辺部品収納凹部6の底部には、液晶パネル2の載置順を示すナンバー24が記してあり、これにより、例えば液晶パネル2を包装トレイ1の内側から載置していく作業を効率的に行うことができるようになっている。また、周辺部品収納凹部6における、隣合う液晶パネル2の載置位置間には、回路基板25およびフレキシブル基板26を収納できるようになっている。
【0079】
なお、包装トレイ1の角部の形状等、その他の構成については実施の形態1と同様である。
【0080】
上記の構成において、複数の液晶パネル2を搬送すべく包装トレイ1に収納する場合には、図5に示すように、ナンバー24を参照しながら、回路基板25およびフレキシブル基板26と共に複数の液晶パネル2を液晶パネル収納凹部3に収納する。このとき、液晶パネル2の角部を凸部21に合わせて載せ、液晶パネル2と包装トレイ1とを固定テープ22にて固定する。その後、さらに、各液晶パネル2の保持性を高めるため、各液晶パネル2の上に保護シート23を被せてもよい。
【0081】
次に、図7に示すように、複数の液晶パネル2を収納した複数の包装トレイ1を多段に重ね合わせる。なお、同図では、説明の理解をしやすくするため、保護シート23の図示を省略している。
【0082】
このとき、上側の包装トレイ1の位置規定用凹部11の底部11aが、下側の包装トレイ1の位置規定用凹部11の開口部11bに若干嵌まることで、下側の包装トレイ1に対する上側の包装トレイ1の重ね合わせ位置が固定的に規定される。同時に、上側の包装トレイ1のパネル押さえ部12は、下側の包装トレイ1に載置された液晶パネル2の有効表示エリアA以外の部位と当接する。
【0083】
したがって、上記の構成によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。また、本実施形態の包装トレイ1は、特に、複数の液晶パネル2を収納することができるので、一度に大量の液晶パネル2を搬送することができ、液晶パネル2の搬送効率を向上させることができる。
【0084】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図12ないし図14に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1・2で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0085】
本実施形態では、図12に示すように、液晶パネル収納凹部3が1個の液晶パネル2を収納するようになっており、この液晶パネル収納凹部3が複数個マトリクス状に配置されている。そして、位置規定用凹部11は、包装トレイ1に各側辺にほぼ沿うように設けられていると共に、縦2個、横2個の計4個の液晶パネル収納凹部3からなる収納凹部群28の略中央にも設けられている。なお、位置規定用凹部11の形状等をはじめ、その他の構成については、実施の形態1・2と全く同様である。
【0086】
このように、包装トレイ1の側辺近傍のみならず内部にも位置規定用凹部11を設けることにより、包装トレイ1を多段に積み重ねたときの固定性および安定性をさらに向上させることができる。
【0087】
また、包装トレイ1の対向する2側面には、把手用切り欠き29が設けられており、包装トレイ1の搬送、積み重ねが容易なものとなっている。また、この把手用切り欠き29は、外的衝撃によって包装トレイ1が歪むのを防止する役目も果たしており、これにより、包装トレイ1に収納された液晶パネル2へ加わるストレスが緩和されるようになっている。
【0088】
ここで、一対の把手用切り欠き29は、切り欠きの長さが互いに異なるように形成されていてもよい。多段に積層可能な包装トレイ1は、全て同一構造であるため、全て同方向に配置して積み重ねる必要がある。包装トレイ1が、例えば左右逆になって積み重ねられると、上下の包装トレイ1において構造が左右逆になるため、上側の包装トレイ1の位置規定用凹部11の底部11aやパネル押さえ部12が、下側の包装トレイ1に収納された液晶パネル2と接触し、液晶パネル2が破損するおそれがある。
【0089】
そこで、切り欠きの長さが互いに異なっていれば、包装トレイ1の左右を容易に判別することができるので、包装トレイ1を左右逆にして積み重ねるようなことがなくなる。したがって、包装トレイ1を適正に積み上げて、包装トレイ1の誤配置に起因する液晶パネル2の損傷を確実に回避することができる。
【0090】
次に、本実施形態における液晶パネル収納凹部3の構成について説明する。
【0091】
各液晶パネル収納凹部3は、図13および図14に示すように、液晶パネル2を収納したときに、液晶パネル収納凹部3の内面から突出して液晶パネル2の側面と部分的に当接する固定用突起部30(表示素子固定用突起部)を有している。この固定用突起部30は、液晶パネル収納凹部3の各側面に対して少なくとも1個設けられればよいが、本実施形態では各側面全てに2個設けられており、液晶パネル2を収納したときの安定性が増加するものとなっている。
【0092】
本実施形態では、各固定用突起部30は、液晶パネル2の角部近傍を除く側面に当接するようになっている。これにより、液晶パネル収納凹部3の角部には、収納した液晶パネル2の角部とは当接しない逃げ部31が形成されるようになる。
【0093】
このように固定用突起部30および逃げ部31を形成することにより、以下の作用効果を得ることができる。
【0094】
例えば、液晶パネル収納凹部を液晶パネルの形状に沿って形成すると共に、液晶パネルに付随しているTCP(Tape Carrier Package)やヒートシール部にダメージが加わらないように固定用でっぱりを設ける構成が従来から提案されているが、この構成では、液晶パネルの側面および角部4か所を固定するので、外的な衝撃に対する逃げがなく、その結果、液晶パネルの割れ、欠け等が発生しやすいものとなっていた。特に、液晶パネルの角部は衝撃に対して非常に弱く、不良品のほとんどはこの角部の不良によるものといっても過言ではない。また、液晶パネル収納凹部が液晶パネルの形状に沿っているので、液晶パネルの収納および取り出し作業がしにくいという不都合も招来していた。
【0095】
しかし、本実施形態の構成では、液晶パネル収納凹部3の内面に、液晶パネル2の角部近傍を除く側面に当接する固定用突起部30を設け、これにより、液晶パネル収納凹部3の角部に逃げ部31を形成しているので、外的な衝撃が包装トレイ1に加わったとしても、その衝撃が液晶パネル2の角部にまで加わることがない。これにより、外的衝撃に起因して液晶パネル2の角部が破損するのを確実に回避することができ、液晶パネル2の不良品発生率を確実に低減することができる。また、固定用突起部30は、液晶パネル2の側面のみに当接し、液晶パネル2に付随するTCP32やヒートシール部33には当接しないので、これらに外的衝撃が加わることもない。
【0096】
さらに、液晶パネル収納凹部3が、液晶パネル2側面と部分的に当接する固定用突起部30を有することにより、固定用突起部30以外の部位と液晶パネル2との間には適当な隙間が形成され、液晶パネル収納凹部3が液晶パネル2に沿った形状とはならない。これにより、液晶パネル収納凹部3に対して液晶パネル2の収納および取り出しがしやすいものとなり、作業性が向上する。
【0097】
なお、本実施形態では、液晶パネル収納凹部3の各側面に設ける固定用突起部30の個数を同数(2個)としているが、各側面ごとに異ならせるようにしても構わない。また、固定用突起部30の形成位置、各側面からの突出量、液晶パネル2との当接幅等については、液晶パネル2を安定して収納できるように適宜設定されればよい。
【0098】
なお、本実施形態のように、把手用切り欠き29、固定用突起部30、逃げ部31を設ける構成は、勿論、実施の形態1・2にも適用可能である。
【0099】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る包装トレイは、以上のように、表示素子収納凹部の周囲に、複数の包装トレイを積み重ねた際に上下の包装トレイのうちの少なくとも一方との重ね合わせ位置を固定的に規定する位置規定部が設けられている構成である。
【0100】
それゆえ、積み重ねた包装トレイ同士が安定し、搬送時の振動等によって相対的に位置ずれするようなことがない。したがって、表示素子搬送時に、積層した包装トレイの位置ずれに起因してその内部に収納した表示素子において移動、欠け、割れ等が発生するのを回避することができ、不良品率の増加を抑制することができるという効果を奏する。
【0101】
請求項2の発明に係る包装トレイは、以上のように、請求項1の構成において、上記位置規定部は、上記包装トレイの裏面から下方へ突出するような凹状に形成されてなり、上記位置規定部の底部は、上記位置規定部の開口部よりもごく僅か小さくなるように形成されている構成である。
【0102】
それゆえ、上側の包装トレイが下側の包装トレイに所定位置で固定されるが、一方の位置規定部の底部が他方の位置規定部の開口部に完全に嵌合するわけではないので、上下の包装トレイ同士の密着性は弱く保たれる。
【0103】
したがって、上記構成によれば、包装トレイの位置規定を確実に行いながらも、包装トレイを離反しやすくすることができる。その結果、請求項1の構成による効果に加えて、包装トレイの積み重ね作業および離反作業の効率をともに高めることができるという効果を奏する。
【0104】
請求項3の発明に係る包装トレイは、以上のように、請求項1または2の構成において、上記位置規定部は、平面視で十字形状に形成されている構成である。
【0105】
それゆえ、包装トレイの離反のしやすさおよび位置固定性をともに確実に満足させることができ、作業効率を確実に向上させることができるという効果を奏する。
【0106】
請求項4の発明に係る包装トレイは、以上のように、請求項1、2または3の構成に加えて、複数の包装トレイを重ね合わせた際に、下側の包装トレイに収納された表示素子と有効表示エリア外部で当接することによって、上記表示素子を押さえる表示素子押さえ部がさらに設けられている構成である。
【0107】
それゆえ、表示素子の有効表示エリアを損傷させることなく、表示素子の特に上下方向の保持性を高めることができる。その結果、請求項1、2または3の構成による効果に加えて、上下方向の振動衝撃に起因して、搬送中に表示素子の不良が発生するのを確実に回避することができ、搬送中の表示素子の安全性を高めることができるという効果を奏する。
【0108】
請求項5の発明に係る包装トレイは、以上のように、請求項1ないし4のいずれかの構成に加えて、収納した表示素子の角部近傍を除く側面に部分的に当接する表示素子固定用突起部が、上記表示素子収納凹部の内面から突出して設けられている構成である。
【0109】
それゆえ、表示素子収納凹部の角部には、収納した表示素子の角部とは当接しない逃げ部が形成されるので、外的衝撃が包装トレイに加わったとしても、その衝撃が破損しやすい表示素子の角部にまで加わることがない。したがって、請求項1ないし4のいずれかの構成による効果に加えて、外的衝撃に起因して表示素子の角部が破損するのを確実に回避することができ、表示素子の不良品発生率を確実に低減することができるという効果を奏する。
【0110】
また、表示素子固定用突起部は、表示素子の側面と部分的に当接するので、表示素子固定用突起部以外の部位と表示素子との間には適当な隙間が形成される。これにより、表示素子収納凹部に対する表示素子の収納および取り出しを容易に行うことができるという効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る包装トレイを多段に積み重ねたときの断面図である。
【図2】1個の液晶パネルを収納可能な上記包装トレイの斜視図である。
【図3】(a)は、上記包装トレイの平面図である。(b)は、同図(a)中のA−A線矢視端面図である。(c)は、同図(a)中のB−B線矢視端面図である。
【図4】(a)は、上記包装トレイに設けられた位置規定用凹部の一構成例を示す断面図である。(b)は、上記位置規定用凹部の他の構成例を示す断面図である。(c)は、上記位置規定用凹部のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示し、複数の液晶パネルを収納可能な包装トレイの斜視図である。
【図6】(a)は、同図(b)中のC−C線矢視端面図である。(b)は、上記包装トレイの平面図である。(c)は、同図(b)中のD−D線矢視端面図である。
【図7】上記包装トレイを多段に積み重ねたときの断面図である。
【図8】(a)は、従来の包装トレイの一構成例を示す斜視図である。(b)は、上記包装トレイに設けられた表示素子収納凹部の底面部の拡大図である。(c)は、同図(a)中のE−E線矢視端面図である。
【図9】上記包装トレイ裏面の斜視図である。
【図10】上記包装トレイを多段に積み重ねたときの断面図である。
【図11】本発明の実施の一形態において、上記包装トレイを多段に積み重ねたときに、上側の包装トレイのパネル押さえ部の底部が、下側の包装トレイに収納された液晶パネルと若干の隙間を隔てて位置している状態を示す断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態に係る包装トレイであって、複数の液晶パネル収納凹部をマトリクス状に備えた包装トレイの概略の構成を示す斜視図である。
【図13】上記包装トレイにおける1個の液晶パネル収納凹部および収納される液晶パネルを示す斜視図である。
【図14】上記液晶パネル収納凹部に液晶パネルを収納したときの平面図である。
【符号の説明】
1 包装トレイ
2 液晶パネル(表示素子)
3 液晶パネル収納凹部(表示素子収納凹部)
11 位置規定用凹部(位置規定部)
11a 底部
11b 開口部
12 パネル押さえ部(表示素子押さえ部)
30 固定用突起部(表示素子固定用突起部)
Claims (5)
- 少なくとも1個の表示素子を収納するための表示素子収納凹部を有し、外形を蓋形に形成することにより、上記表示素子収納凹部に表示素子を載置したまま多段に積み重ねることが可能な包装トレイにおいて、
上記表示素子収納凹部の周囲に、複数の包装トレイを積み重ねた際に上下の包装トレイのうちの少なくとも一方との重ね合わせ位置を固定的に規定する位置規定部が設けられており、
この位置規定部は、上記包装トレイの裏面から下方へ突出するような凹状に形成されてなり、上記位置規定部の底部は、上記位置規定部の開口部よりもごく僅か小さくなるように形成されていることを特徴とする包装トレイ。 - 少なくとも1個の表示素子を収納するための表示素子収納凹部を有し、外形を蓋形に形成することにより、上記表示素子収納凹部に表示素子を載置したまま多段に積み重ねることが可能な包装トレイにおいて、
上記表示素子収納凹部の周囲に、複数の包装トレイを積み重ねた際に上下の包装トレイのうちの少なくとも一方との重ね合わせ位置を固定的に規定する位置規定部が設けられており、
この位置規定部は、上記包装トレイの裏面から下方へ突出するような凹状に形成されてなり、
複数の上記包装トレイを重ね合わせた際に、上側の包装トレイの上記位置規定部の底部が、下側の包装トレイの位置規定部の開口部に、点接触または線接触で嵌まるように上記底部と上記開口部とが設けられていることを特徴とする包装トレイ。 - 上記位置規定部は、平面視で十字形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装トレイ。
- 複数の包装トレイを重ね合わせた際に、下側の包装トレイに収納された表示素子と有効表示エリア外部で当接することによって、上記表示素子を押さえる表示素子押さえ部が設けられており、
さらに、複数の包装トレイが重ね合わせた状態から外部ストレスが加わって、位置規定部の底部が位置規定部の開口部に入り込んだ状態において、上記表示素子押さえ部と表示素子との間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の包装トレイ。 - 収納した表示素子の角部近傍を除く側面に部分的に当接する表示素子固定用突起部が、上記表示素子収納凹部の内面から突出して設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の包装トレイ。
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