JP3966757B2 - 多導体送電線用被接地金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発変電所や開閉所等で、主に275kV以上の多導体送電線(多導体母線を含む)に取り付けられる被接地金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発変電所等で機器の点検や改修等を行う場合には、機器に接続された送電線を停電させた後、送電線を接地してから作業を行う。多導体送電線の場合、接地作業は図5のようにして行われる。図において、10は発変電所等に架設された多導体送電線(図示の例は3導体)、12は鉄構、14は懸垂碍子、16はGIS(ガス絶縁開閉器)、18は多導体送電線10の導体間隔を保持するスペーサ、20は多導体送電線10の引き下げ部に取り付けられたスペーサ型の被接地金具である。多導体送電線10を接地するときは、接地車22を被接地金具20の真下に配置し、アウトリガー(図示せず)を張り出させた上で、上端に接地金具24を取り付けた絶縁棒26を上へ伸ばして行き、接地金具24で被接地金具20を挟みつける。接地金具24には予め接地線28が接続されているので、接地金具24で被接地金具20を挟みつけると、多導体送電線10を接地することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
接地をしようとする多導体送電線10には、活線状態にある隣の多導体送電線からの誘導電流が流れる。この誘導電流は500kVの多導体送電線では500A以上にもなり、接地金具24及び接地線28が過熱するという問題が生じている。過熱を防止するためには被接地金具20に接地金具24を2個取り付けることが考えられるが、被接地金具20は多導体送電線10の導体間隔で寸法が決まっているため、寸法上、接地金具を2個取り付けることはできない。
【0004】
このほか、1)スペーサ型の被接地金具は接地金具取付け部の幅が狭いため、接地金具を取り付けることが難しい、2)近くにGISのブッシング16aがあるため接地作業が慎重になり、時間がかかる、3)接地車のアウトリガーを張り出させようとするとGISの基礎にぶつかってしまい、適正な作業環境が作れない、等の問題もあった。
【0005】
本発明の目的は、以上のような問題点を解決した多導体送電線用被接地金具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の多導体送電線用被接地金具は、複数の接地金具を取り付けられるだけの長さを有し、両端に1つずつコロナ防止金具が取り付けられた被接地導体と、この被接地導体を、多導体送電線の外側に位置するように多導体送電線に取り付ける取付け金具とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
このような接地金具を用いれば、被接地導体に複数の接地金具を取り付けることができるので、過熱の問題を解消できる。また被接地導体は多導体送電線の外側に位置することになるが、両端にコロナ防止金具が取り付けられているので、通電時にコロナが発生するおそれは少ない。
【0008】
また本発明の多導体送電線用被接地金具は、複数の接地金具を取り付けられるように形成された環状被接地導体と、この環状被接地導体を、多導体送電線の外側に位置するように多導体送電線に取り付ける2組の取付け金具とを備え、前記2組の取付け金具はそれぞれ、前記環状被接地導体に固定された2つの固定金具と、傾斜した多導体送電線の上方を把持する上部クランプと、同じ多導体送電線の下方を把持する下部クランプと、一方の固定金具と上部クランプ間を連結する上部アームと、他方の固定金具と下部クランプ間を連結する下部アームとで構成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0009】
このような構成でも、環状被接地導体に複数の接地金具を取り付けることができるので、過熱の問題を解消できる。この場合は、環状被接地導体がコロナ防止金具を兼ねることになる。なお環状被接地導体の接地金具取付け部は直線状とすることが好ましい。
【0010】
また本発明の多導体送電線用被接地金具は、取付け金具の一部に、多導体送電線の通電時に、取付け金具と多導体送電線で構成されるループ又は取付け金具と被接地導体と多導体送電線とで構成されるループに循環電流が流れないようにする絶縁部を設けた構成とすることが好ましい。
【0011】
このようにすれば、被接地金具が循環電流で過熱するのを防止できる。なお取付け金具に絶縁部を設ける位置は、取付け金具の中間部でもよいし、端部でもよい。端部に設ける場合は、多導体送電線の導体を把持するクランプの内側に設けることもできるし、取付け金具と被接地導体の連結部に設けることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態を示す。この多導体送電線用被接地金具30は、両端に球形のコロナ防止金具32が取り付けられた棒状の被接地導体34と、この被接地導体34を、傾斜した多導体送電線10の外側(下側)にほぼ水平に取り付ける2組の取付け金具36とから構成されている。なお18は多導体送電線10の導体間隔を保持するスペーサである。
【0014】
被接地導体34は接地金具24を2個取り付けられるだけの長さを有している。被接地導体34及びコロナ防止金具32はアルミ又はアルミ合金により形成することができる。
【0015】
2組の取付け金具36はそれぞれ、被接地導体34の端部付近に溶接等により固定された固定金具38と、傾斜した多導体送電線10の上方を把持する上部クランプ40と、同じ多導体送電線10の下方を把持する下部クランプ42と、固定金具38と上部クランプ40間を連結する上部アーム44と、固定金具38と下部クランプ42間を連結する下部アーム46とで構成されている。固定金具38、クランプ40、42及びアーム44、46もアルミ又はアルミ合金製である。このように構成された取付け金具36により被接地導体34は多導体送電線10と電気的に接続されるので、被接地導体34に接地金具24を取り付けることで、多導体送電線10を接地できる。
【0016】
またこの実施形態の場合は、上部アーム44の中間部に絶縁部48が設けられている。この絶縁部48は、多導体送電線10の通電時に、取付け金具36と多導体送電線10で構成されるループ又は取付け金具36と被接地導体34と多導体送電線10とで構成されるループに循環電流が流れないようにするためのものである。
【0017】
以上のような構成にすると、被接地導体34に二つの接地金具24を取り付けることができるので、誘導電流が大きい場合でも接地金具及び接地線の過熱を防止できる。また上部アーム44の中間部に絶縁部48が設けられているので、通電時に被接地金具30が循環電流により過熱するのを防止できる。なお絶縁部48は上部クランプ40又は下部クランプ42の内面に設けることもできる。
【0018】
なお、この実施形態では、被接地導体34の両端に球形のコロナ防止金具32を取り付けた場合を説明したが、コロナ防止金具32の形は例えば図2のように車輪形にすることもできるし、図3のように半円形にすることもできる。
【0019】
図4は本発明の他の実施形態を示す。この多導体送電線用被接地金具30は、二つの接地金具24が取り付けられるように形成された環状被接地導体50と、この環状被接地導体50を、多導体送電線10の複数本の導体に囲まれる領域の外側に位置するように、多導体送電線10に取り付ける2組(左右1組ずつ)の取付け金具36とから構成されている。
【0020】
環状被接地導体50は平行な直線部分を有する長円形であり、一方の直線部分に二つの接地金具24が取り付けられるような大きさに形成されている。ただし環状被接地導体50は上記のような形に限定されるものではなく、例えば平行な直線部分を有する長円形で、両方の直線部分に一つずつ接地金具を取り付けられるようなものであってもよく、また周方向に離れた2箇所に接地金具取付け部を有する円形のものであってもよい。環状被接地導体50はコロナ防止機能を備えているので、コロナ防止金具を取り付ける必要がない。
【0021】
2組の取付け金具36はそれぞれ、環状被接地導体50の平行な直線部分の端部付近に溶接等により固定された固定金具38A、38Bと、傾斜した多導体送電線10の上方を把持する上部クランプ40と、同じ多導体送電線10の下方を把持する下部クランプ42と、一方の固定金具38Aと上部クランプ40間を連結する上部アーム44と、他方の固定金具38Bと下部クランプ42間を連結する下部アーム46とで構成されている。この取付け金具36により環状被接地導体50は多導体送電線10と電気的に接続される。また上部アーム44の中間に絶縁部48が設けられていることは前記実施形態と同じである。
【0022】
以上の実施形態では、傾斜した多導体送電線10に被接地金具30を取り付ける場合を説明したが、本発明の被接地金具は水平な又は垂直な多導体送電線に取り付けることもできる。水平な多導体送電線に取り付ける場合は取付け金具のアームをすべて同じ長さにすればよく、垂直な多導体送電線に取り付ける場合は上部クランプ及び下部クランプが垂直配置となるように例えば上部アームを屈曲させればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、多導体送電線の外側に、複数の接地金具が取り付けられるように構成された被接地導体を設置できるので、停電作業時に、被接地導体に複数の接地金具を容易に取り付けることができると共に、誘導電流による接地金具及び接地線の過熱を防止でき、安全性の高い接地状態を得ることができる。また被接地導体は、多導体送電線の外側に設置されるが、両端にコロナ防止金具を取り付けた形又は環状に形成されているため、通電時にコロナの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多導体送電線用被接地金具の一実施形態を示す、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線断面図。
【図2】 本発明に使用される被接地導体の他の例を示す(A)は正面図、(B)は側面図。
【図3】 同じくさらに他の例を示す、(A)は平面図、(B)は側面図。
【図4】 本発明に係る多導体送電線用被接地金具の他の実施形態を示す、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(A)のC−C線矢視平面図。
【図5】 多導体送電線の従来の接地作業を示す、(A)は全体説明図、(B)は(A)のB−B線矢視図。
【符号の説明】
10:多導体送電線
24:接地金具
30:多導体送電線用被接地金具
32:コロナ防止金具
34:被接地導体
36:取付け金具
50:環状被接地導体
Claims (2)
- 複数の接地金具を取り付けられるだけの長さを有し、両端に1つずつコロナ防止金具が取り付けられた被接地導体と、この被接地導体を、多導体送電線の外側に位置するように多導体送電線に取り付ける取付け金具とを備えていることを特徴とする多導体送電線用被接地金具。
- 複数の接地金具を取り付けられるように形成された環状被接地導体( 50 )と、この環状被接地導体を、多導体送電線( 10 )の外側に位置するように多導体送電線( 10 )に取り付ける2組の取付け金具(36)とを備え、前記2組の取付け金具(36)はそれぞれ、前記環状被接地導体( 50 )に固定された2つの固定金具( 38 A、 38 B)と、傾斜した多導体送電線( 10 )の上方を把持する上部クランプ( 40 )と、同じ多導体送電線( 10 )の下方を把持する下部クランプ( 42 )と、一方の固定金具( 38 A)と上部クランプ( 40 )間を連結する上部アーム( 44 )と、他方の固定金具( 38 B)と下部クランプ( 42 )間を連結する下部アーム( 46 )とで構成されていることを特徴とする多導体送電線用被接地金具。
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