JP3966613B2 - 鉄骨架構の施工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接を用いない鉄骨架構の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄骨造りの建築に供する柱及び梁等の部材の製作に関して従来は、工場において、製品の輸送が輸送車両に納まるように材料を短くして、例えば、柱材に梁ブラケットを取り付け、あるいは、梁材に柱材を取り付けておく。そして、現場において、ポジショナー等の装置により溶接姿勢が良くなるように回転させつつ溶接により部材を相互に接合していた。
ここで、部材の構成について、柱材では、H形鋼または角形鋼が主体であり、梁材では、H形鋼が主体であった。
また、仕口・継手接合については、現場において、大梁はフランジ・ウェブの両方を接合し、小梁ではウェブを接合しているのが一般的である。なお、梁などの水平材の架構構成については、全ての梁材を天端位置にて同一高さに揃えていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の鉄骨造りの建築においては、先ず、製品輸送について、部材に梁ブラケット等の突出物があり、輸送効率が低いものとなっていた。
また、製品の供給の面からは、複雑な部材の加工組立を要するため、高い技術レベルを有する製作工場が不可欠なものとなっていた。
そして、現場においては、部材の建方組立に高度な技能技術を要し、さらに、部材の溶接には、高度の技能技術や品質管理を必要としていた。
【0004】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、工場または現場でも部材の製作が容易で輸送上も有利であり、高度の技能技術や品質管理を要する溶接を行うことなく現場での建方組立が簡単に行え、コストダウン並びに工期短縮が図れる鉄骨柱および鉄骨大梁の施工方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の鉄骨架構の施工方法は、互いに平行に延在する第1溝形鋼と第2溝形鋼とを連結材により相互に連結して成る鉄骨大梁ユニットを複数製作し、該鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼と第2溝形鋼とは互いの間に鉄骨柱が挿入される間隔をあけて相互に連結され、該鉄骨大梁ユニットの第1端においては第1溝形鋼の端部が第2溝形鋼の端部よりも突出し第2端においては第2溝形鋼の端部が第1溝形鋼の端部よりも突出しており、鉄骨架構の複数の鉄骨柱を設置し、隣り合う2本の前記鉄骨柱の間に次々と前記鉄骨大梁ユニットを組付けて行くことによって複数の前記鉄骨大梁ユニットを連結して行き、それら組付け及び連結はボルト結合によって行い、その際に、先に組付けた前記鉄骨大梁ユニットの第2端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第2溝形鋼の端部と、後から組付ける前記鉄骨大梁ユニットの第1端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼の端部との間に、それら端部がボルト結合される前記鉄骨柱が挟まれるようにし、且つ、先に組付けた前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼及び第2溝形鋼の端部に、後から組付ける前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼及び第2溝形鋼の端部をそれぞれ連結するようにすることを特徴とする。
また、本発明は、前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼と第2溝形鋼とは、それらのウェブどうしが互いに向かい合うようにして相互に連結されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の鉄骨架構の施工方法によれば、工場または現場で接合材の組付が容易に行え、据え付けや輸送も簡単になされる。
また、本発明の鉄骨架構の施工方法によれば、溶接する必要がなく、工場または現場での組付が容易に行える。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<鉄骨柱の施工方法>
先ず、図1は本発明を適用した一例としての鉄骨柱を示すもので、図1(a)は下端部分を示した縦断面図、図1(b)は平面図であり、図中、10は鉄骨柱、12はH形鋼、14はL形鋼を示す。
この鉄骨柱10はH形鋼12からなり、H形鋼12はウェブ12wと、ウェブ12wの幅方向両端に位置する一対のフランジ12f,12fからなる。
前記鉄骨柱10の端部には一対のL形鋼(接合材)14,14が設けられている。
前記各L形鋼14,14は、一方の片がH形鋼12の延在方向の端部でウェブ12wの両面にそれぞれ重ね合わされ、上下左右4本のボルト16,16,16,16及びナット18,18,18,18により固定されている。
また、各L形鋼14,14の他方の片がH形鋼12の延在方向と直交する面上で互いに逆向きに位置するように配置されている。前記他方の片にボルト挿通孔14a,14aが形成され、他方のの先端は、フランジ12fの先端よりも僅かに外方に位置している。
【0008】
図2は鉄骨柱10を設置する基礎部分を示すもので、図2(a)は縦断面図、図2(b)は平面図であり、図中、22はコンクリート基礎、24はアンカーボルト、26はモルタル、28はベースプレートである。
このコンクリート基礎22には、一対のアンカーボルト24,24が立設されていて、そのアンカーボルト24,24の部分がモルタル26により盛り上げられている。
このモルタル26の部分において、アンカーボルト24,24を挿通孔28a,28aに貫通させて鋼板製のベースプレート28が置かれている。
【0009】
図3はコンクリート基礎22上に鉄骨柱10を設置した状態を示す縦断面図であり、図示のように、ベースプレート28の部分において、アンカーボルト24,24をボルト挿通孔14a,14aに貫通させて、鉄骨柱10下端のL形鋼14,14の他方の片を重ねている。
そして、L形鋼14,14の他方の片上に突出したアンカーボルト24,24に、ダブルナット32,32を締め付けることによって、コンクリート基礎22上に鉄骨柱10を固定設置している。なお、ベースプレート28は省略することも可能である。
本実施の形態によれば、H形鋼12の下端にL形鋼12からなる接合材を予めボルト結合により固定した鉄骨柱10を用い、かつ、L形鋼12の他方の片をボルト結合により基礎部分に固定するので、工場または現場で接合材の組付が容易に行え、H形鋼の下端に基礎固定用の鋼板を溶接する必要もなくなり、輸送も簡単になされ、現場での建方組立が簡単に行える。
【0010】
図4は本発明を適用した他の例としての鉄骨柱を示すもので、図4(a)、(c)は下端部分を示した縦断面図、図4(b)、(d)は平面図であり、図中、40、40Aは鉄骨柱、42は溝形鋼、44はL形鋼を示す。
図4(a)、(b)に示す鉄骨柱40は、H形鋼12に代えて、二つの溝形鋼42,42を用いたものである。
前記溝形鋼42は、ウェブ42wと、ウェブ42wの幅方向両端から起立する一対のフランジ42f,42fからなり、二つの溝形鋼42,42は、それらのウェブ42wを接近させ平行した状態でかつフランジ42f,42fが逆向きとなるように配置されている。
前記鉄骨柱40の延在方向の端部に二つL形鋼(接合材)44,44が設けられている。
各L形鋼44,44は、一方の片が互いに重ね合わされた状態で前記ウェブ42w,42wの間に挿入され、上下左右4本のボルト46,46,46,46及びナット48,48,48,48によりウェブ42w,42wで挟まれた状態で固定されている。
各L形鋼44,44の他方の片は互いに逆向きで溝形鋼42,42の延在方向と直交する面上に位置するように配置され、他方の片にはボルト挿通孔44a,44aが形成され、他方の片の先端は、フランジ42fよりも僅かに外方に位置している。
また、図4(c)、(d)に示す鉄骨柱40Aでは、二つの溝形鋼42,42が、それらのウェブ42wを合わせかつフランジ42f,42fが逆向きとなるように配置されている。
前記鉄骨柱40の延在方向の端部に二つL形鋼(接合材)44,44が設けられ、各L形鋼44,44は、一方の片が各溝形鋼42,42のウェブ42wに合わされ、上下左右4本のボルト46,46,46,46及びナット48,48,48,48によりウェブ42w,42wの外側で、ウェブ42w,42wを挟み込むように固定されている。
各L形鋼44,44の他方の片は互いに逆向きで溝形鋼42,42の延在方向と直交する面上に位置するように配置され、他方の片にはボルト挿通孔44a,44aが形成され、他方の片の先端は、フランジ42fよりも僅かに外方に位置している。
このような鉄骨柱40、40Aによっても、前記実施の形態と同様に、接合材が予めボルト結合により固定されており、かつ、接合材の他方の片をボルト結合により基礎部分に固定できるので、工場または現場で接合材の組付が容易に行え、H形鋼の下端に基礎固定用の鋼板を溶接する必要もなくなり、輸送も簡単になされ、現場での建方組立が簡単に行える。
【0011】
<鉄骨大梁の施工方法>
図5は本発明を適用した一例としての鉄骨大梁ユニットを示す平面図で、図中、50は鉄骨大梁ユニット、52a,52b,54は溝形鋼を示す。
鉄骨大梁ユニット50は、互いに平行する一対の溝形鋼52,52からなる。
溝形鋼52,52bの各々は、ウェブ52wと、ウェブ52wの幅方向両端から起立し互いに平行するフランジ52f,52fからなる。
前記二つの溝形鋼52,52は、本実施の形態では互いに等しい長さを有しており、それらウェブ52w,52wの間に鉄骨柱10が挿入される間隔をおき、かつ、双方のウェブ52w,52wが互いに対向する部分と対向しない部分を有するようにほぼ半分の長さ分だけ長手方向にずらして配置されている。
二つの溝形鋼52,52は、上記のような位置関係を保ちつつ連結材をなす二つの溝形鋼54により連結されている。各溝形鋼54は、前記二つの溝形鋼52,52のウェブ52w,52wの間に挿入され、それらウェブ52w,52wにウェブ54w両端のフランジ54f,54fをボルトナット結合により固定したものである。
従って、鉄骨大梁ユニット50は、互いに平行に延在する第1溝形鋼52aと第2溝形鋼52bとを2個の連結材54、54により相互に連結して成るものであって、第1溝形鋼52aと第2溝形鋼52bとは、それらのウェブ52wどうしが互いに向かい合うようにして相互に連結されている。そして、鉄骨大梁ユニット50の第1溝形鋼52aと第2溝形鋼52bとは、互いの間に鉄骨柱10が挿入される間隔をあけて連結され、鉄骨大梁ユニット50の第1端においては第1溝形鋼52aの端部が第2溝形鋼52bの端部よりも突出し、一方、第2端においては第2溝形鋼52bの端部が第1溝形鋼52aの端部よりも突出している。
上記の構成からなる鉄骨大梁ユニット50の複数は、図10、図11に示すように、ウェブ52wが互いに対向しない部分を対向させ、かつ、各鉄骨大梁ユニット50を構成する二つの溝形鋼52,52がそれぞれ直線上に位置するように、ボルトおよび梁継手56(図8参照)を用いて連結される。
尚、図10、図11に加えて図5を参照すれば明らかなように、ここでいう鉄骨大梁ユニット50のウェブ52wが対向しない部分とは、鉄骨大梁ユニット50の第1端における第1溝形鋼52aの端部が第2溝形鋼52bの端部よりも突出している部分、及び、第2端における第2溝形鋼52bの端部が第1溝形鋼52aの端部よりも突出している部分である。
従って、図10、図11に示すように、鉄骨加工の施工に際しては、隣り合う2本の鉄骨柱10の間に次々と鉄骨大梁ユニット50を組付けて行くことによって複数の鉄骨大梁ユニット50を連結して行き、それら組付け及び連結はボルト結合によって行い、その際に、先に組付けた鉄骨大梁ユニット50の第2端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第2溝形鋼52bの端部と、後から組付ける鉄骨大梁ユニット50の第1端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼52aの端部との間に、それら端部がボルト結合される鉄骨柱10が挟まれるようにし、且つ、先に組付けた鉄骨大梁ユニット50の第1溝形鋼52a及び第2溝形鋼52bの端部に、後から組付ける鉄骨大梁ユニット50の第1溝形鋼52a及び第2溝形鋼52bの端部をそれぞれ連結するようにしている。
【0012】
図6は本発明を適用した一例としての鉄骨梁構成材を示すもので、(a)は端面図、(b)は側面図であり、図中、60は鉄骨梁構成材、62はプレート、64はL形鋼を示す。
この鉄骨梁構成材60は、図示のように、鋼板製のプレート62の幅方向の両側に、上下一対のL形鋼64,64を、各々多数のボルト66,66,66,・・・及びナット68,68,68,・・・により固定して備えたものである。
このような鉄骨梁構成材60は、前述したような鉄骨大梁ユニット50の溝形鋼52の代わりに用いたり、鉄骨小梁の溝形鋼の代わりに用いたりしても良い。
【0013】
図7は本発明を適用した一例としての鉄骨梁10と鉄骨大梁ユニット50の接合を示すもので、(a)は要部平面図、(b)は要部縦断面図であり、図中、72はL形鋼、74は溝形鋼を示す。
即ち、図示のように、鉄骨柱10を鉄骨大梁ユニット50に直交させて配置する場合に、鉄骨柱10(H形鋼12)の各フランジ12fの幅方向両端を、鉄骨大梁ユニット50の一対の溝形鋼52,52のウェブ52w,52wに臨ませ、各フランジ12fとウェブ52w,52w間を、接合材をなす一対のL形鋼72,72または溝形鋼74により、上下左右で複数のボルト76,76,76,・・・及びナット78,78,78,・・・により固定したものである。
前記L形鋼72,72または溝形鋼74(両フランジ74f,74fを連結するウェブ74wで)は、鉄骨柱10(H形鋼12)のフランジ12fにボルト、ナットを用いて先付けされている。
なお、鉄骨柱10(H形鋼12)は鉄骨大梁ユニット50どうしを連結する前に、図5に点線で示すように、鉄骨柱10の上部と鉄骨大梁ユニット50のウェブ52wが対向しない部分とが合わされてボルト、ナットにより固定され、次に、この鉄骨柱10が固定された鉄骨大梁ユニット50に対して連結すべき鉄骨大梁ユニット50のウェブ52wが互いに対向しない部分が鉄骨柱10に合わされてボルト、ナットにより固定される。
【0014】
したがって本実施の形態によれば、H形鋼に代えて、一対の溝形鋼52a,52bを鉄骨大梁として使用することができ、しかも、工場または現場で一対の溝形鋼52及び連結材の組付が容易に行えて、溶接する必要がないといった利点が得られ、コストダウンと工期短縮に寄与できる。
また、建方時において、一対の溝形鋼52a,52bを長さ方向にずらした状態でボルト結合により継ぎ足していくことにより、作業が容易な片面のみの接合とすることができるといった利点が得られる。
さらに、工場または現場で鉄骨柱10と鉄骨大梁の組付が容易に行えて、鉄骨柱10と鉄骨大梁を溶接する必要がなく、また、鉄骨柱10と鉄骨大梁ユニット50に分けて効率良い輸送を行うことができ、この点からもコストダウンと工期短縮に寄与できる。
【0015】
図8は本発明による鉄骨柱10、鉄骨大梁ユニット50及び鉄骨小梁の施工例を示すもので、下方から見上げて示した斜視図で、図中、56は梁継手、80はデッキプレート、82は上層小梁、84は小梁継手、86は小梁、88はL形鋼、90は床スラブである。
即ち、図示のように、鉄骨柱10(H形鋼12)の上端において、下層大梁(鉄骨大梁ユニット50)及び上層大梁(鉄骨大梁ユニット50)を直交させてボルトナット結合すると共に、これらの下層大梁及び上層大梁を各々構成する複数の鉄骨大梁ユニット50,50を鋼板製の梁継手56でボルトナット結合している。
そして、下層大梁(鉄骨大梁ユニット50)上には、その連結材(溝形鋼)54を上方に延長して、デッキプレート80下の上層小梁82をボルトナット結合している。
さらに、上層小梁82,82同士を小梁継手84でボルトナット結合すると共に、平行する上層小梁82,82間に小梁86をL形鋼88でボルトナット結合により架設している。
【0016】
ところで、前記連結材54及び前記接合材72,74の位置において、小梁が架かる部分は、同じ位置にてお互いが背合わせになるようにしてウェブ面をボルトナット結合とするように上方に長くしている。この場合の連結材54及び接合材72,74は、大梁の組立と小梁受けを兼ねることになる。
なお、連結材54及び接合材72,74の働きは、その本来の連結または接合機能の他に、小梁との接合材及び大梁の座屈防止材としての三点の働きをする。
【0017】
水平材(梁)の配置については、上下二層構成であり、その上層材は、柱に取り付く一方向大梁で、上層材は、下層材と直交する方向に架ける大梁と、下層の大梁に直交して載せ架ける小梁を配するものとする。
図7に示した接合構造の他、柱・大梁仕口部は、大梁溝形鋼のウェブ面が柱のフランジに接する場合は、直接ボルトナット結合する。
下層大梁と上層小梁の仕口は、下層大梁が単材の時は、L形鋼、組立材の場合は、溝形鋼の接合材を上方に伸ばしておき、接合材と小梁材が背合わせになるようにしてウェブ面をボルトナット結合する。
梁の継手位置は、大梁・小梁とも、部材の中間部の任意の位置にてウェブ面のみボルト結合する。
継手位置は、梁の応力バランスや撓み量等により決まるが、一般的には、スパンの1/4から1/6点付近となる。
【0018】
<建方例>
図9は本発明による鉄骨柱10の建方例を示した平面図であり、図示のように、所定位置に鉄骨柱10を順次設置して行く。
図10は本発明による下層大梁(鉄骨大梁ユニット50)の建方例を示した平面図であり、図示のように、通り芯に合わせて、鉄骨柱10に下層大梁としての鉄骨大梁ユニット50をボルトナット結合して行く。
この場合、鉄骨大梁ユニット50は、斜めに挿入後、矢印で示したように、鉄骨柱10の方向に回転させてボルトナット結合により接合する。
図11は本発明による上層梁(鉄骨大梁ユニット50及び小梁82,86)の建方例を示した平面図であり、既に建方を終えた下層大梁上において、図示のように、上層梁としての鉄骨大梁ユニット50と、上層小梁82と、その上層小梁82,82間の小梁86とを順次ボルトナット結合により接合して行く。
【0019】
<効果>
以上のような鉄骨架構の施工方法によれば、以下に列挙する効果が得られる。
1)接合は全てボルトナット結合であり、溶接は使用しない。
2)梁の接合は全てウェブ面での接合であり、容易である。
3)部材構成が単純・簡単であり、生産及びコスト効率が高い。
4)製作工場の技術レベル指定が無くなる。また、管理が容易である。
5)組立大梁(鉄骨大梁ユニット)において、建方時に柱との接合が片面となることにより、重層建物の場合でも、建方が梁を斜行挿入して回転させて柱に取り付けるので、接合が容易である。
6)水平材の積層化により、部材の取付が簡単に行える。
7)梁の継手において、ウェブのみの接合で、剛接の場合と同等の効果がある。
8)資材数量の低減及び大幅な制作費ダウンが図れる。
9)製作工期の大幅な短縮が図れる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の鉄骨架構の施工方法は、互いに平行に延在する第1溝形鋼と第2溝形鋼とを連結材により相互に連結して成る鉄骨大梁ユニットを複数製作し、該鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼と第2溝形鋼とは互いの間に鉄骨柱が挿入される間隔をあけて相互に連結され、該鉄骨大梁ユニットの第1端においては第1溝形鋼の端部が第2溝形鋼の端部よりも突出し第2端においては第2溝形鋼の端部が第1溝形鋼の端部よりも突出しており、鉄骨架構の複数の鉄骨柱を設置し、隣り合う2本の前記鉄骨柱の間に次々と前記鉄骨大梁ユニットを組付けて行くことによって複数の前記鉄骨大梁ユニットを連結して行き、それら組付け及び連結はボルト結合によって行い、その際に、先に組付けた前記鉄骨大梁ユニットの第2端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第2溝形鋼の端部と、後から組付ける前記鉄骨大梁ユニットの第1端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼の端部との間に、それら端部がボルト結合される前記鉄骨柱が挟まれるようにし、且つ、先に組付けた前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼及び第2溝形鋼の端部に、後から組付ける前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼及び第2溝形鋼の端部をそれぞれ連結するようにする。
そのため、工場または現場でも部材の製作が容易で輸送上も有利であり、高度の技能技術や品質管理を要する溶接を行うことなく現場での建方組立が簡単に行え、コストダウン並びに工期短縮を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した一例としての鉄骨柱を示すもので、(a)は下端部分を示した縦断面図、(b)は平面図である。
【図2】 図1の鉄骨柱を設置する基礎部分を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。
【図3】 図2の基礎上に図1の鉄骨柱を設置した状態を示す縦断面図である。
【図4】 本発明を適用した他の例としての鉄骨柱を示すもので、(a)、(c)は下端部分を示した縦断面図、(b)、(d)は平面図である。
【図5】 本発明を適用した一例としての鉄骨大梁ユニットを示す平面図である。
【図6】 本発明を適用した一例としての鉄骨梁構成材を示すもので、(a)は端面図、(b)は側面図である。
【図7】 本発明を適用した一例としての鉄骨梁と鉄骨大梁の接合構造を示すもので、(a)は要部平面図、(b)は要部縦断面図である。
【図8】 本発明による鉄骨柱、鉄骨大梁、鉄骨小梁の施工例を示すもので、下方から見上げて示した斜視図である。
【図9】 本発明による鉄骨柱の建方例を示した平面図である。
【図10】 本発明による下層大梁の建方例を示した平面図である。
【図11】 本発明による上層梁の建方例を示した平面図である。
【符号の説明】
10、40、40A 鉄骨柱
12 H形鋼
14、44、72 L形鋼
14a、28a、44a ボルト通し穴
24 アンカーボルト
42、52a、52b、74 溝形鋼
50 鉄骨大梁ユニット
56 梁継手
80 デッキプレート

Claims (2)

  1. 互いに平行に延在する第1溝形鋼と第2溝形鋼とを連結材により相互に連結して成る鉄骨大梁ユニットを複数製作し、該鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼と第2溝形鋼とは互いの間に鉄骨柱が挿入される間隔をあけて相互に連結され、該鉄骨大梁ユニットの第1端においては第1溝形鋼の端部が第2溝形鋼の端部よりも突出し第2端においては第2溝形鋼の端部が第1溝形鋼の端部よりも突出しており、
    鉄骨架構の複数の鉄骨柱を設置し、
    隣り合う2本の前記鉄骨柱の間に次々と前記鉄骨大梁ユニットを組付けて行くことによって複数の前記鉄骨大梁ユニットを連結して行き、それら組付け及び連結はボルト結合によって行い、その際に、先に組付けた前記鉄骨大梁ユニットの第2端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第2溝形鋼の端部と、後から組付ける前記鉄骨大梁ユニットの第1端に突出している当該鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼の端部との間に、それら端部がボルト結合される前記鉄骨柱が挟まれるようにし、且つ、先に組付けた前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼及び第2溝形鋼の端部に、後から組付ける前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼及び第2溝形鋼の端部をそれぞれ連結するようにする、
    ことを特徴とする鉄骨架構の施工方法。
  2. 前記鉄骨大梁ユニットの第1溝形鋼と第2溝形鋼とは、それらのウェブどうしが互いに向かい合うようにして相互に連結されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の鉄骨加工の施工方法。
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