JP3965944B2 - ねじ締め機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はねじを締め付ける際にねじを保持するバーチカルガイドを有するねじ締め機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バーチカルガイドをドライバビットの下方に設け、バーチカルガイドがねじを保持する力で反動を低減する構成を本出願人が先に出願した特開平11−262871号により提案した。この反動低減装置を構成するバーチカルガイド41は、図6に示す如く、後述するノーズ部36の下端に取り付けられ、互いに対向しスプリング24により対向する向きに押圧される一対のガイド22により構成され、各ガイド22のねじ保持面27の内壁は下方に行くに従って狭くなる角錐形状に形成され、ガイド22がねじ、とりわけねじ頭部を保持する力によりねじ締め機本体(以下単に本体という)の反動を軽減する。
【0003】
前記ガイド22のねじ保持面27の傾斜角が大きいほどねじ保持力は大きく、またねじが締め終わる直前までねじ頭部を保持する必要があるため、ガイド22は本体の最下方すなわち被締結材の直近にセットされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記反動低減装置により反動に起因するねじ浮きをある程度改善することは可能となった。しかし、本体の押付け力が弱い場合、ガイド22が本体の最下方に位置するため、ガイド22がねじ頭部を保持するまで本体が反動を受け浮き上がる。その後、本体が反動により上昇するのはガイド22により阻止されるが、この時の反動はピストン、ドライバビットの軸心すなわち本体の軸心に加わるため、操作者が把持するハンドル部には回転モーメントが働く。
【0005】
このため、ねじと本体の軸心がずれ、ねじ頭部が均等の力でガイド22のねじ保持面27の内壁に保持されずガイド22からねじが外れたり、ねじ溝からドライバビットが外れたりする不具合が生じていた。
【0006】
このように、本体が反動を受け浮き上がろうとする時間に対し、ガイド22がねじ頭部を保持し、浮き上がりを防ぐ時間が短いため十分に反動を軽減することができず本体が浮き上がり、ねじ浮きを完全に防止するには至らなかった。
【0007】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、反動に起因する本体の上昇を阻止してねじ浮きを完全に防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、プッシュレバーのバーチカルガイドよりねじ締め方向後方に位置する部分にストッパ部を設け、バーチカルガイドのガイドのねじ締め方向後端部を該ストッパ部に接触させてバーチカルガイドのガイドの開放を阻止することによりガイドがねじを保持し、ねじ締め機本体がねじ締め方向に進んでガイドの前記後端部がストッパ部から外れた時にガイドが開放してねじを保持しなくなるようにすることにより達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図1〜図5を参照して説明する。
【0010】
本体1の外枠を形成するボディ5内には圧縮空気取り入れ口35に連通した蓄圧室4、トリガレバー33により開閉される操作弁30が設けられ、上方にあるエアモータ2、遊星歯車装置3を介して回転される有底円筒状の回転体6が回転可能に支持されている。回転体6の内壁には軸方向に延びた一対の凹部10が設けられている。凹部10に嵌挿する一対の凸部8を上方に有する回転スライド部材7が軸方向に移動可能な如く回転体6内に設けられている。上端が回転スライド部材7に固着されたシャフト部材9の下部内側にはドライバビット11を装着するドライバビット装着部40、下端外周にはピストン部13が設けられている。ピストン部13はシリンダ12内を摺動する。シリンダ12の上部には、回転スライド部材7が所定距離降下した時に回転スライド部材7のエア遮断面14と当接するプレート部15が設けられ、プレート部15の下方には通気口16が設けられている。通気口16は図示しないエア通路を介してエアモータ2の図示しない入気口に連通する。ボディ5の下方とシリンダ12の外周の間には空気釘打機等において周知構成の戻し空気室20が形成されている。
【0011】
ボディ5の下方には、ねじ18、ドライバビット11が通過する孔を有し、釘打機において周知構成のノーズ部36が設けられ、また図示しない連結バンドにより連結され、マガジン17内に装填された連結ねじ18をノーズ部36に自動供給するねじ送り部19がノーズ部36近傍に設けられている。
【0012】
本体1の下方に位置するバーチカルガイド31は高さ方向のほぼ中央部にピン21を介してノーズ部36に取付けられた左右対称形状の一対のガイド22を有し、上部はノーズ部36との間に設けられたスプリング24により付勢され、下部はガイド部を構成し互いに当接している。なお、ガイド22の上部にはガイドピン部38が前方に突出するように設けられている。ガイド22のガイド部は、軸心と平行な2個の垂直面26と、垂直面26の下方には、下方に行くに従って隙間が狭まる傾斜平面すなわち角錐面からなる2つの保持面27で構成される。左右対称形状のガイド22がスプリング24により互いに当接している状態では、保持面27の4個の傾斜平面が四角錘を形成し、4個の垂直面26で囲まれた空間は、ねじ頭部29が略接する隙間となっている。
【0013】
32は釘打機等において周知のプッシュレバーであり、下方には両端がそれぞれガイドピン部38に当接し、プッシュレバー32が押しこまれ上死点の位置にあるときにはガイドピン部38よりも上方に位置するように配置されたストッパ部39が設けられている。
【0014】
以上のように構成された本発明ねじ締め機の動作について以下説明する。
【0015】
本発明のねじ締め機は、操作弁30とプッシュレバー32を共に操作して駆動を開始するものであるが、プッシュレバー32を図示しない被締結材に押し当てた後操作弁30を引いても、または操作弁30を引きながらプッシュレバー32を被締結材に押し当ててもねじ締めが可能である。
【0016】
圧縮空気取り入れ口35を図示しないコンプレッサに接続すると圧縮空気は蓄圧室4、操作弁30に流入する。プッシュレバー32を被締結材に押し当てて操作弁30を作動させると、圧縮空気は操作弁30及び図示しないエア通路を介して回転体6内に流入し、ピストン部13上面に空気圧が加わりピストン部13を下方に押し下げると共に通気口16を介してエアモータ2に圧縮空気が供給されエアモータ2は回転する。エアモータ2の回転は遊星歯車装置3を介して回転体6及び回転スライド部材7に伝達され、シャフト部材9下端のピストン部13及びドライバビット11は降下しながら同時に回転する。ドライバビット11の下降回転によりその下方にあるねじ18が連結バンドから離脱し、被締結材に真直にねじ込まれるが、ピストン部13でねじ18を押付けるため、反動により本体1が浮き上がる。
【0017】
ここで図3に示すようにガイド22の当接部にねじ18が入り込み、ねじ頭部29が保持面27に接触しガイド22を押し広げようとするが、ガイドピン部38がストッパ部39に接触しガイド22が開くのを阻止されるため、ねじ頭部29は保持面27に保持された状態を保つ。ガイド22はボディ5に固定されているため本体1の浮上がりは阻止され、この状態でねじ18を締め続けるとねじ18が締めつけられるに伴って本体1は被締結材側に引き込まれる。本体1が完全に引き込まれプッシュレバー32が上死点に達すると図4に示すようにガイドピン部38はストッパ部39から外れ、ガイド22はねじ頭部29により開き始める。その後、ねじ18が所定位置まで締められるまで本体1は反動により浮き上がろうとするが、ガイド22はスプリング24により押圧されているのでガイド22が開き始めた後もねじ頭部29を保持し続け、ねじ締め完了まで本体1の浮き上がりを阻止する。
【0018】
ねじ18が所定の深さまで締められると、回転スライド部材7はプレート部15に突き当たり降下を停止すると共に通気口16が閉じエアモータ2が停止する。操作弁30を戻すと回転体6内への圧縮空気の流入が遮断され、戻し空気室20内の圧縮空気によりピストン部13は元の初期位置に戻る。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ねじ頭部を保持するガイドの開閉を被締結材と本体の相対位置によって制御することにより、ねじ締め開始初期から終了までバーチカルガイドの保持力により本体の浮き上がりを防止することができ、軽い押付け力で確実にねじを締めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ねじ締め機の一実施形態を示す一部断面側面図。
【図2】図1のバーチカルガイドを示す一部断面側面図。
【図3】図2のバーチカルガイドの動作状態を示す一部断面側面図。
【図4】図2のバーチカルガイドの動作状態を示す一部断面側面図。
【図5】図3を上面からみた断面図
【図6】従来のバーチカルガイドの一例を示す断面側面図。
【符号の説明】
1は本体、11はドライバビット、13はピストン部、18はねじ、22はガイド、27は保持面、29はねじ頭部、31はバーチカルガイド、32はプッシュレバー、36はノーズ部、38はガイドピン部、39はストッパ部である。
Claims (4)
- エアモータ及びエアピストンにより回転及び軸方向の運動を与えられるドライバビットと、連結されたねじをドライバビットの下方に供給するねじ供給部と、ドライバビットによって打ち出されるねじをガイドするノーズ部と、前記ノーズ部の下端に取り付けられ、ねじを保持する開閉可能な少なくとも一対のガイドを有するバーチカルガイドと、これらドライバビット、ねじ供給部、ノーズ部、バーチカルガイド等から構成され、ねじ締め時にねじ締め方向に向かって押し進められるねじ締め機本体と、ねじ締め方向方向に沿っての移動が可能でねじ締め機本体の移動方向と反対の方向に移動するようにねじ締め機本体に取付けられ、先端が前記バーチカルガイドよりねじ締め方向前方に突出するように配置されたプッシュレバーとを備えたねじ締め機であって、
前記プッシュレバーのバーチカルガイドよりねじ締め方向後方に位置する部分にストッパ部を設け、バーチカルガイドのガイドのねじ締め方向後端部を該ストッパ部に接触させてバーチカルガイドのガイドの開放を阻止することによりガイドがねじを保持し、ねじ締め機本体がねじ締め方向に進んでガイドの前記後端部がストッパ部から外れた時にガイドが開放してねじを保持しなくなるようにしたことを特徴とするねじ締め機。 - 前記バーチカルガイドはガイドピンを有し、前記ガイドピンと前記ストッパ部が接触している間はガイド部が閉まっていることを特徴とする請求項1記載のねじ締め機。
- 前記バーチカルガイドのガイドが互いに当接するようにスプリングを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のねじ締め機。
- 前記バーチカルガイドのねじ保持面の内壁に、他のガイドの内壁に対向する少なくとも1個の平面を設け、この平面をねじの進行方向に沿って他のガイド内壁平面との隙間が狭まるように傾斜させたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のねじ締め機。
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