JP3964317B2 - シャッター装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッターカーテンの少なくとも一部が複数個のスラットで形成されているシャッター装置に係り、例えば、出入口や窓等の開口部を開閉するための開口部用シャッター装置、シャッターカーテンで防災区画を形成するための防災用シャッター装置などの各種シャッター装置に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
出入口や窓等の開口部を開閉するための開口部用シャッター装置や、建物内に防災区画を形成するための防災用シャッターには、巻取軸の巻き取り、繰り出しによって開閉移動するシャッターカーテンの少なくとも一部が、複数個のスラットを開閉移動方向に並設することによって形成されているものがあり、従来、これらのスラットの全部は、同じ大きさ及び形状で形成されたものとなっていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−117644(図11、図12)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
シャッターカーテンは巻取軸で巻き取られることによって収納され、この収納のために必要なスペースは、巻取軸に巻き取られたときのシャッターカーテンの巻き径に応じた大きさとなる。この巻き径が大きい場合には、シャッターボックスの内部に巻取軸が配置されているシャッター装置については大きなシャッターボックスが必要になり、天井裏空間に巻取軸が配置される防災用シャッター装置については大きい天井裏空間が必要になり、このような大きなシャッターボックスや天井裏空間が必要となるシャッター装置は、シャッター装置の設置場所等に制約が生ずるため、好ましくない。
【0005】
本発明の目的は、シャッターカーテンが巻取軸に巻き取られたときの巻き径を小さくできるシャッター装置を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシャッター装置は、巻取軸と、この巻取軸の巻き取り、繰り出しで開閉移動するシャッターカーテンとを有し、このシャッターカーテンの少なくとも一部が、このシャッターカーテンの開閉移動方向に並設された複数個のスラットによって形成されているシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法が、前記巻取軸に近いスラットについて小さくなっていることを特徴とするものである。
【0007】
シャッターカーテンが巻取軸に巻き取られ始めたときの巻き径は小さく、この巻き径は、巻き回数の増大とともに次第に大きくなる。複数個のスラットが連続的に連結されている部分が巻取軸に巻き取られると、シャッターカーテンは、スラット同士の連結部が角部状箇所となった多角形状となって巻き取られる。
【0008】
本発明では、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法が、巻取軸に近いスラットについて小さくなっているため、これらのスラットからなるシャッターカーテンの部分が巻取軸に巻き取られるとき、角部状箇所の個数が多い多角形状となって巻き取られることになる。したがって、シャッターカーテンは巻取軸に密着に近い状態となるように巻き取られる。
【0009】
このため、本発明によると、シャッターカーテンを巻取軸に巻き径を小さくして巻き取ることができ、巻取軸に巻き取られたシャッターカーテンを収納するために必要なスペースを小さくできる。
【0010】
以上のように、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法が、巻取軸に近いスラットについて小さくなっているとするためには、それぞれのスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法を、巻取軸に近いスラットほど小さくなるように全部のスラットについて異ならせてもよく、あるいは、3段階以上に変化させてもよい。また、前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法を2段階に変化させてもよい。
【0011】
前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法を2段階に変化させた場合には、この幅寸法を全部のスラットについて異ならせた場合や3段階以上に変化させた場合と比較し、生産しなければならないスラットの種類を少なくできるため、スラットの生産及び管理に関する費用の低減と、管理の簡素化とを達成できる。
【0012】
また、本発明に係るシャッター装置は、巻取軸と、この巻取軸の巻き取り、繰り出しで開閉移動するシャッターカーテンとを有し、このシャッターカーテンの少なくとも一部が、このシャッターカーテンの開閉移動方向に並設された複数個のスラットによって形成されているシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法が、前記巻取軸に近いスラットについて小さくなっていることを特徴とするものである。
【0013】
このシャッター装置によると、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法が、巻取軸に近いスラットについて小さくなっているため、巻取軸にシャッターカーテンが巻き取られ始められたときの巻き径を小さくでき、したがって、これ以後もこの巻き径の小径化の影響により、シャッターカーテンを巻取軸に巻き径を小さくして巻き取ることができ、巻取軸に巻き取られたシャッターカーテンを収納するために必要なスペースを小さくできる。
【0014】
このシャッター装置でも、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法が、巻取軸に近いスラットについて小さくなっているとするためには、それぞれのスラットにおけるシャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法を、巻取軸に近いスラットほど小さくなるように全部のスラットについて異ならせてもよく、あるいは、3段階以上に変化させてもよい。また、前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法を2段階に変化させてもよい。
【0015】
前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法を2段階に変化させると、この厚み寸法を全部のスラットについて異ならせた場合や3段階以上に変化させた場合と比較し、この発明でも、生産しなければならないスラットの種類が少なくなるため、スラットを生産及び管理するための費用を低減でき、管理の簡素化も達成できる。
【0016】
さらに、本発明に係るシャッター装置は、巻取軸と、この巻取軸の巻き取り、繰り出しで開閉移動するシャッターカーテンとを有し、このシャッターカーテンの少なくとも一部が、このシャッターカーテンの開閉移動方向に並設された複数個のスラットによって形成されているシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と前記シャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法との両方が、前記巻取軸に近いスラットについて小さくなっていることを特徴とするものである。
【0017】
このシャッター装置によると、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と厚さ方向の厚み寸法との両方が、巻取軸に近いスラットについて小さくなっているため、巻取軸にシャッターカーテンが巻き取られ始められたときの巻き径を小さくでき、これ以後もこの巻き径の小径化の影響により、シャッターカーテンを巻取軸に巻き径を小さくして巻き取ることができるため、巻取軸に巻き取られたシャッターカーテンを収納するために必要なスペースを小さくできる。
【0018】
このシャッター装置でも、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と厚さ方向の厚み寸法との両方が、巻取軸に近いスラットについて小さくなっているとするためには、それぞれのスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と厚さ方向の厚み寸法との両方を、巻取軸に近いスラットほど小さくなるように全部のスラットについて異ならせてもよく、あるいは、3段階以上に変化させてもよい。また、前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と厚さ方向の厚み寸法との両方を2段階に変化させてもよい。
【0019】
前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と厚さ方向の厚み寸法との両方を2段階に変化させると、幅寸法と厚み寸法との両方を全部のスラットについて異ならせた場合や3段階以上に変化させた場合と比較し、この発明でも、生産しなければならないスラットの種類が少なくなるため、スラットを生産及び管理するための費用を低減でき、管理の簡素化も図ることができる。
【0020】
以上説明したそれぞれの発明のように、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法や厚さ方向の厚み寸法を2段階に変化させるときには、これらの幅寸法や厚み寸法が小さくなっているスラットの個数を、巻取軸を少なくとも1回巻くことになる個数とすることが好ましい。
【0021】
これによると、シャッターカーテンにこれらの個数からなるスラットの部分が巻き取られたときの巻き径を小さくできるという効果を一層確実に得られることになる。
【0022】
以上の本発明において、巻取軸とシャッターカーテンとを結合するための結合部材は任意な材料で任意な形状に形成されたものでよいが、これらの巻取軸とシャッターカーテンは、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成する前記スラットによって生産された結合部材を介して結合することが好ましい。
【0023】
これによると、スラットと結合部材とを共通化できるため、スラットとは別の部材を特別に用意することなく、結合部材をスラットから得ることができ、部品生産のコストの点で有利となる。
【0024】
なお、巻取軸とシャッターカーテンとを結合するための結合部材をスラットによって生産することには、長寸のスラットを短寸に切断することによって結合部材を生産することや、長寸のスラットを結合部材としてそのまま用いること、さらには、スラットの一部打ち抜き加工などの簡易な加工によって結合部材を生産すること等が含まれる。
【0025】
また、このように巻取軸とシャッターカーテンとを結合するための結合部材がスラットによって生産された部材となっている場合であって、スラットが、シャッターカーテンの開閉移動方向の両端部と中間部とがシャッターカーテンの厚さ方向にずれたものとして形成され、両端部に対して中間部が巻取軸の側となってシャッターカーテンがこの巻取軸に巻き取られるとともに、シャッターカーテンの開閉移動方向の開き側の端部に配置されたスラットと結合部材とが、これらのスラットと結合部材におけるシャッターカーテンの開閉移動方向の端部同士の係合によって連結されている場合には、スラットによって生産されている結合部材を、シャッターカーテンの開閉移動方向における両端部と中間部とのうち、両端部を巻取軸の側に向けてこの巻取軸に固定することが好ましい。
【0026】
これによると、結合部材の両端部は巻取軸の側に向くことになって巻取軸の外径方向には向かないため、巻取軸の外径方向に向いた両端部の外側にシャッターカーテンが巻かれる場合と比較し、巻き径をより小さくできる。
【0027】
なお、結合部材の向きをこのように設定して巻取軸に結合部材を固定する場合には、結合部材における前記中間部の一部に、この結合部材を前記巻取軸に固定するための固定部を設け、この固定部を前記中間部の他の部分よりも巻取軸の側へ近づけて形成することが好ましい。
【0028】
このように、固定部を中間部の他の部分よりも巻取軸の側に近づけて形成すると、それだけ固定部は巻取軸に近づくことになるため、この固定部のために巻き径が大きくなるのを防止できる。
【0029】
この固定部は、結合部材を巻取軸に溶接等で直接固定する部分でもよく、ボルト、ビス、リベット、ピン等の止着具によって結合部材を巻取軸に止着固定する部分でもよい。また、固定部が、ボルト、ビス等のように頭部を有する止着具によって結合部材を巻取軸に止着固定する部分である場合には、この固定部は、頭部を当てる座面でもよい。
【0030】
以上のように、巻取軸とシャッターカーテンとを、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成するスラットによって生産された結合部材を介して結合することは、前述したように、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法や厚さ方向の厚み寸法を巻取軸に近いスラットについて小さくすることとは無関係の技術事項として実施できる。言い換えると、巻取軸とシャッターカーテンとを、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成するスラットによって生産された結合部材を介して結合することは、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成している前記複数個のスラットにおけるシャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法や厚さ方向の厚み寸法を巻取軸に近いスラットについて小さくしない場合にも、実施できる。
【0031】
従来、巻取軸とシャッターカーテンは、これらの巻取軸とシャッターカーテンとを結合するために特別に生産された結合部材を用いて結合されていた。これによると、シャッターカーテンの一部を形成しているスラット等とは異なる部材を特別に用意しなければならない。巻取軸とシャッターカーテンとを、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成するスラットによって生産された結合部材を介して結合することにより、部材の共通化によって生産しなければならない部材の種類を削減でき、これにより、部材の生産及び管理のコストを低減でき、部材の管理の簡素化も達成できるという効果を得られる。
【0032】
以上説明した本発明は任意な用途のシャッター装置に適用できる。その一例は、シャッターカーテンで出入口や窓等の開口部を開閉する開口部用シャッター装置であり、他の例は、火災等の災害発生時にシャッターカーテンで防災区画を形成する防災用シャッター装置である。さらに本発明は、トラックの荷台用のシャッター装置やガレージ用のシャッター装置、物置用のシャッター装置にも適用でき、その用途や設置場所は任意である。
【0033】
また、巻取軸によるシャッターカーテンの巻き取り、繰り出しは、手動操作でシャッターカーテンを開閉移動方向へ移動させることによりなされてもよく、巻取軸を電動モータ等の自動駆動源で正逆回転させることによりなされてもよく、また、巻き取りと繰り出しのうちの一方、例えば、巻き取りが電動モータ等の自動駆動源でなされ、他方が手動操作とシャッターカーテンの自重のうちの一方又は両方でなされてもよい。
【0034】
また、巻取軸にリターンスプリングが配置され、巻き取りと繰り出しのうちの一方がなされるときにこのリターンスプリングが蓄圧され、この蓄圧力が補助力として利用されて他方がなされてもよい。
【0035】
また、巻取軸は任意な構造、形式のものでよく、例えば、1本の軸によるものでもよく、中心に配置された固定軸の外周に、シャッターカーテンを繰り出し、巻き取るための回転部材が回転自在に配置されたものでもよい。また、後者における回転部材は、固定軸の外周に回転自在に嵌合された複数個のホイールと、固定軸の軸方向に離間して配置されたこれらのホイール同士を連結するバー状の連結部材とを含んで形成されたものでもよく、あるいは、これらのホイールと、これらのホイールの外周に固定嵌合されてホイール同士を結合するパイプ状部材とを含んで形成されたものでもよい。
【0036】
さらにシャッターカーテンの開閉移動方向は、上下方向でもよく、横方向でもよく、これらの方向に対して傾斜した方向でもよい。
【0037】
また、シャッターカーテンの全部又は主要部をスラットで形成してもよく、スラットと他の部材との複合で形成してもよい。スラットと他の部材との複合で形成する場合における他の部材とは、シートでもよく、パネルでもよく、ネットでもよく、パイプでもよく、任意である。
【0038】
また、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成する前記複数個のスラットを複数個ずつのグループに分けてシャッターカーテン内に配置し、グループの間にスラット以外のシャッターカーテン形成部材を配置してもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係るシャッター装置1の正面図が示されている。このシャッター装置1は、店舗の出入口等の開口部2をシャッターカーテン3で開閉するための開口部用シャッター装置である。
【0040】
シャッターカーテン3の左右方向の両端部であるシャッターカーテン3の幅方向の両端部は、開口部2の左右の壁や柱等の建物躯体4に取り付けられた一対のガイドレール5の内部にスライド自在に挿入され、水平の巻取軸6に上端部が結合されているシャッターカーテン3が、この巻取軸6の巻き取り、繰り出しによってガイドレール5で案内されながら上下方向の移動である開閉移動を行うことにより、開口部2は開閉される。巻取軸6は、開口部2の上部において建物躯体に取り付けられているシャッターボックス7の内部に収納され、この巻取軸6は両端部のブラケット8で回転自在に支持されている。
【0041】
巻取軸6の巻き取り、繰り出しによるシャッターカーテン3の開閉移動は手操作力をシャッターカーテン3に作用させることによりなされ、閉じ移動時に巻取軸6に配置されているリターンスプリングが蓄圧され、開き移動はこの蓄圧力を補助力に利用してなされる。
【0042】
シャッターカーテン3は、座板3Aを除く全部が多数のスラット10をシャッターカーテン2の開閉移動方向に連続並設することにより形成されている。座板3Aが開口部2の床2Aに接地したシャッターカーテン3の全閉時を示している図1のとおり、スラット10には、シャッターカーテン3の開閉移動方向である上下方向の幅寸法がW1になっているスラット20と、W2になっているスラット30との2種類があり、W2はW1よりも小さい。このように小さい幅寸法W2となっている全部のスラット30は、全部のスラット20に対し、巻取軸6の側に連続して並設されている。
【0043】
このように、本実施形態では、座板3Aを除くシャッターカーテン3の全部を形成しているスラット10の幅寸法はW1とW2の2段階に変化しており、巻取軸6に近いスラット30は、巻取軸6から遠いスラット20よりもシャッターカーテン3の開閉移動方向の幅寸法が小さくなっている。
【0044】
図2には、巻取軸6に対するシャッターカーテン3の巻き方向が2種類あることが示されている。この図2で示されているように、それぞれが板金の成形加工で形成されたスラット20,30は、シャッターカーテン3の開閉移動方向の両端部20A,20B,30A,30Bと、これらの両端部20A,20B,30A,30Bの間の中間部20C、30Cとからなり、両端部20A,20B,30A,30Bと中間部20C、30Cは、シャッターカーテン3の厚さ方向にずれており、シャッターカーテン3が開口部2を閉じたとき、中間部20C、30Cは、開口部2の外側へ、すなわち開口部2が出入口である場合にはこの出入口の外側へ、両端部20A,20B,30A,30Bよりも突出している。
【0045】
図2におけるA方向は、シャッターカーテン3が巻き取られるときにおける巻取軸6の回転方向を示す。図2の(A)は、上端部が結合部材21で巻取軸6に結合されたシャッターカーテン3が巻取軸6に内巻きで巻き取られる場合であり、この場合には、図3で示されているように、スラット20,30の両端部20A,20B,30A,30Bが巻取軸6の側に向いてこれらのスラット20,30が巻き取られる。図2の(B)は、上端部が結合部材31で巻取軸6に結合されたシャッターカーテン3が巻取軸6に外巻きで巻き取られる場合であり、この場合には、図4で示されている(図2の(B)と図4では、巻取軸6のシャッターカーテン巻き取り回転方向Aが逆になって示されている)ように、スラット20,30の中間部20C,30Cが巻取軸6の側に向いてこれらのスラット20,30が巻き取られる。
【0046】
スラット20同士及びスラット30同士、さらにはスラット20と30同士は、それぞれがカール部となっている端部20A,20B,30A,30Bが互いに回動自在に係合することにより連結されている。
【0047】
図3及び図4で示されているように、シャッターカーテン3が巻取軸6に対して内巻きとなっている場合でも、巻取軸6に対して外巻きとなっている場合でも、スラット20,30同士の連結部であるそれぞれの端部20A,20B,30A,30Bが回動した角部状箇所となりながら、シャッターカーテン3は巻取軸6に巻き取られる。この巻き取りは、幅寸法が小さいW2となっているスラット30が先に巻き取られることにより始まり、これらのスラット30からなるシャッターカーテン3の部分が巻取軸6に1回以上巻き取られてから、幅寸法が大きいW1になっているスラット20からなるシャッターカーテン3の部分が巻取軸6に巻き取られる。
【0048】
シャッターカーテン3が巻取軸6に巻き取れる始めたときの巻き径は小さく、巻き回数が増加するたびに巻き径が大きくなるが、巻取軸6に初めに巻き取られるスラット30の幅寸法は小さいW2であるため、図3及び図4で示されているとおり、最初にそれぞれの端部30A,30Bが角部状箇所となって多角形状に巻取軸6に巻き取られるこれらのスラット30は、幅寸法が大きなW1となっているスラット20が初めに巻き取られる場合よりも、巻取軸6に密着に近い状態となりながら巻き取られることになる。
【0049】
このため、シャッターカーテン3の全体が巻取軸6に巻き取られたときにおける巻き径を小さくでき、巻取軸6への巻き取りによってシャッターカーテン3を収納するための収納スペースは小さくてよいため、この収納スペースが内部空間となっている図1のシャッターボックス7を小型化することができる。
【0050】
また、この実施形態によると、シャッターカーテン3を形成するスラットの幅寸法は2段階に変化し、生産しなければならないスラット10は2種類のスラット20と30のみであるため、生産するスラットの種類を少なく抑えて、スラット生産及びスラット管理のための費用を低減でき、スラット管理を簡素化することもできる。
【0051】
図5の実施形態は、座板3Aを除くシャッターカーテン3の全部を形成しているスラット10が、2種類のスラット40と50になっている場合である。図5の(A)は、シャッターカーテン3を巻取軸6に内巻きにして巻き取るときであり、図5の(B)は、シャッターカーテン3を巻取軸6に外巻きにして巻き取るときである。スラット40におけるシャッターカーテン3の開閉移動方向の幅寸法はW3であってシャッターカーテン3の厚さ方向の厚み寸法はT3である。また、スラット50におけるシャッターカーテン3の開閉移動方向の幅寸法はW4であってシャッターカーテン3の厚さ方向の厚み寸法はT4である。W4はW3よりも小さく、T4はT3よりも小さい。
【0052】
すなわち、幅寸法と厚み寸法の両方が小さくなっているそれぞれのスラット50が巻取軸6の側に連続並設され、これらのスラット50のうちの最も巻取軸6に近いスラット50が結合部材41,51で巻取軸6に結合されている。また幅寸法と厚み寸法が大きくなっているスラット40は、複数個のスラット50のうちの巻取軸6から最も遠いスラット50より、座板3Aまで連続並設されている。この実施形態でも、結合部材41が用いられる内巻きでは、スラット40,50におけるシャッターカーテン3の開閉移動方向の両端部40A,40B,50A,50Bと中間部40C、50Cのうち、両端部40A,40B,50A,50Bが巻取軸6の側となって巻取軸6に巻き取られ、結合部材51が用いられる外巻きでは、スラット40,50におけるシャッターカーテン3の開閉移動方向の両端部40A,40B,50A,50Bと中間部40C、50Cのうち、中間部40C、50Cが巻取軸6の側となって巻取軸6に巻き取られる。
【0053】
この実施形態によると、巻取軸6の側のスラット50は、幅寸法W4と厚み寸法T4の両方についてスラット40よりも小さくなっており、シャッターカーテン3が巻取軸6に巻き取られたときの厚み寸法T4は巻き径に直接関係するため、この実施形態によると、シャッターカーテン3の全体が巻取軸6に巻き取られたときにおける巻き径を前記実施形態よりも小さくできる。そして、巻取軸6への巻き取りによってシャッターカーテン3を収納したときの収納スペースを一層小さくできるため、この収納スペースが内部空間となっている図1のシャッターボックス7を一層小型化することができる。
【0054】
また、この実施形態でも、シャッターカーテン3を形成するスラットの幅寸法と厚み寸法を2段階に変化させればよく、生産しなければならないスラット10は2種類のスラット40と50のみであるため、生産するスラットの種類を少なく抑えて、スラット生産及びスラット管理のための費用を低減でき、スラット管理を簡素化することもできる。
【0055】
さらに、この実施形態によると、巻取軸6の側のそれぞれのスラット50の厚み寸法T4が小さくなっていて、このために、風圧等の荷重に対抗するこれらのスラット50の断面係数が低下していても、これらのスラット50はシャッターカーテン3における巻取軸6に近い部分を形成するものとなっているため、左右のガイドレール5で長さ方向の両端部が支持されたスラット50の長さ方向中央部が風圧等の荷重で大きく撓むのを、巻取軸6の強度を利用することによって有効に防止できる。
【0056】
なお、図5の実施形態では、スラットの幅寸法と厚み寸法との両方を巻取軸6の側のスラット50について小さくしたが、スラットの厚み寸法だけを巻取軸6の側のスラットについて小さくし、幅寸法を、シャッターカーテン3を形成する全部のスラットについて同じにしてもよい。
【0057】
図6〜図12の実施形態は、シャッターカーテン3を巻取軸6に結合するための結合部材についての別実施形態を示す。この実施形態では、シャッターカーテン3を内巻きする図6の結合部材61も、シャッターカーテン3を外巻きとする図7の結合部材71も、シャッターカーテン3を形成するために用意された図8のスラット10によって生産されている。
【0058】
具体的に説明すると、図6の結合部材61は、左右方向に長寸となっている図8のスラット10を図9のように短寸に切断することにより形成されているとともに、この結合部材61におけるシャッターカーテン3の開閉移動方向の両端部61A,61Bの間の中間部61Cに、図9のS11−S11線断面図である図11に示すように、孔62が形成されている。この孔62に、図6で示すとおり、結合部材61を巻取軸6に止着するための止着具であるボルト80を挿入して巻取軸6に螺入することにより、結合部材61は巻取軸6に止着される。この止着は、結合部材61の両端部61A,61Bを巻取軸6の側に向けて行われる。すなわち、結合部材61の両端部61A,61Bの向きを、スラット10の両端部10A,10Bの向きと同じにする。
【0059】
結合部材61のカール部となっている端部61Bに、シャッターカーテン3を形成しているそれぞれスラット10のうちの最も巻取軸6に近いスラット10のカール部となっている端部10Aを回動自在に係合することにより、結合部材61を介してシャッターカーテン3は巻取軸6に結合される。このような結合部材61は、シャッターカーテン3の左右方向に複数個設けられる。
【0060】
また、図7の結合部材71も、図8のスラット10を図10のように短寸に切断することにより形成されているとともに、この結合部材71におけるシャッターカーテン3の開閉移動方向の両端部71A,71Bの間の中間部71Cの一部に、図10のS12−S12線断面図である図12に示すように、両端部71A、71Bの側へ窪んだ窪み部72が絞り加工等で形成されているとともに、この窪み部72に孔73が設けられている。図7で示すとおり、結合部材71を巻取軸6に止着するための止着具であるボルト90を孔73に挿入して巻取軸6に螺入することにより、言い換えると、窪み部72をボルト90の頭部90Aを当てる座面であって、結合部材71を巻取軸6に固定するための固定部とすることにより、結合部材71は巻取軸6に止着固定される。この止着固定は、内巻きのときと同じく、結合部材71の両端部71A,71Bを巻取軸6の側に向けて行われる。すなわち、この外巻きのときは、結合部材71の両端部71A,71Bの向きを、中間部10Cが巻取軸6の側となって巻取軸6に巻き取られるスラット10の両端部10A,10Bの向きとは逆の向きとする。
【0061】
この外巻きのときも、結合部材71のカール部となっている端部71Bに、シャッターカーテン3を形成しているそれぞれスラット10のうちの最も巻取軸6に近いスラット10のカール部となっている端部10Aを回動自在に係合することにより、結合部材71を介してシャッターカーテン3は巻取軸6に結合され、このような結合部材71は、シャッターカーテン3の左右方向に複数個設けられる。
【0062】
この実施形態によると、シャッターカーテン3を巻取軸6に結合するための結合部材61,71は、シャッターカーテン3を形成するためのスラット10を利用して生産されているため、特別の結合部材を用意する必要がなく、それだけ生産しなければならない部材の種類を削減でき、その生産コストを低減できる。
【0063】
また、図7の外巻きの場合には、スラット10におけるシャッターカーテン3の開閉移動方向の両端部10A,10Bと中間部10Cとがシャッターカーテン3に厚さ方向にずれ、シャッターカーテン3を形成しているそれぞれのスラット10は、両端部10A,10Bに対して中間部10Cが巻取軸6の側となってこの巻取軸6に巻き取られるが、スラット10を利用して生産された結合部材71は、両端部71A,71Bが巻取軸6の側となって巻取軸6に止着されるため、両端部71A、71Bは巻取軸6の外径方向へ向かない。このため、巻取軸6の外径方向に向いた両端部の外側にシャッターカーテン3が巻かれることはなく、巻取軸6の外径方向に向いた両端部の外側にシャッターカーテン3が巻かれる場合と比較し、シャッターカーテン3の巻き径を小さくできる。
【0064】
さらに、結合部材71の中間部71Cの一部に、この結合部材71を巻取軸6に止着するボルト90のための座面を設け、結合部材71を巻取軸6に固定するための固定部となっているこの座面は、中間部71Cの他の部分よりも巻取軸6の側へ近づいた窪み部72となっているため、座面上に露出するボルト90の頭部90Aはそれだけ巻取軸6に近づくことになる。このため、この頭部90Aのためにシャッターカーテン3の巻き径が大きくなることはなく、この点でも巻き径の小径化を図ることができる。
【0065】
また、中間部71Cに巻取軸6に近づいた窪み部72を設けずにボルト90で結合部材71を巻取軸6に止着固定した場合には、ボルト90の締め付けに伴い、図7で示された結合部材71の端部71Bと、複数個のスラット10のうちの結合部材71に最も近いスラット10の端部であって、結合部材71の端部71Bと係合している端部10Aとが、巻取軸6に近づく方向へ移動し、これに対して、スラット10の端部10Aとは反対側の端部10Bは巻取軸6から遠ざかる方向へ移動してしまうため、この端部10Bの箇所でのシャッターカーテン3の巻き径が大きくなってしまい、結合部材71が巻取軸6の長さ方向に離間して複数個設けられていると、その結合部材71の配置箇所において巻き径が大きくなるおそれがあるが、前述のように、結合部材71の中間部71Cの一部に、ボルト90の頭部90Aが当たるとともに巻取軸6に近づいている窪み部72を設けることにより、このような事態の発生を防止できる
なお、このような窪み部は、図6で示された結合部材61の中間部61Cにも設けてもよい。
【0066】
また、以上説明した図6〜図12の実施形態は、前述した図1〜図4の実施形態と図5の実施形態のように、シャッターカーテン3を形成している複数個のスラットのうち、巻取軸6に近いスラットについて、シャッターカーテン3の開閉移動方向の幅寸法やシャッターカーテン3の厚さ方向の厚み寸法を小さくする場合に実施してもよく、これらの寸法とは関係なく実施してもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明によると、シャッターカーテンが巻取軸に巻き取られたときの巻き径を小さくできるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る開口部用シャッター装置の全閉時を示す正面図である。
【図2】幅寸法が異なる2種類のスラットで形成されたシャッターカーテンを巻取軸に内巻きで巻き取る場合を(A)で、外巻きで巻き取る場合を(B)でそれぞれ示した縦断面図である。
【図3】図2のシャッターカーテンを巻取軸に内巻きで巻き取ったときを示す縦断面図である。
【図4】図2のシャッターカーテンを巻取軸に外巻きで巻き取ったときを示す縦断面図である。
【図5】幅寸法と厚み寸法の両方が異なる2種類のスラットで形成されたシャッターカーテンを巻取軸に内巻きで巻き取る場合を(A)で、外巻きで巻き取る場合を(B)でそれぞれ示した縦断面図である。
【図6】シャッターカーテンを巻取軸に結合するための結合部材についての別実施形態を示す図であって、内巻きのときを示す断面図である。
【図7】図6に実施形態における外巻きのときを示す断面図である。
【図8】シャッターカーテンを形成しているスラットの正面図である。
【図9】図8のスラットから生産された図6の結合部材を示す正面図である。
【図10】図8のスラットから生産された図7の結合部材を示す正面図である。
【図11】図9のS11−S11線断面図である。
【図12】図10のS12−S12線断面図である。
【符号の説明】
1 シャッター装置
3 シャッターカーテン
6 巻取軸
10 スラット
10A,10B 端部
10C 中間部
20 幅寸法の大きいスラット
21,31,61,71 結合部材
61A,61B,71A,71B 端部
61C、71C 中間部
30 幅寸法の小さいスラット
40 幅寸法と厚み寸法の両方が大きいスラット
50 幅寸法と厚み寸法の両方が小さいスラット
72 固定部である窪み部
80,90 止着具であるボルト

Claims (7)

  1. 巻取軸と、この巻取軸の巻き取り、繰り出しで開閉移動するシャッターカーテンとを有し、このシャッターカーテンの少なくとも一部が、このシャッターカーテンの開閉移動方向に並設された複数個のスラットによって形成されているシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法が、前記巻取軸に近いスラットについて小さくなっていることを特徴とするシャッター装置。
  2. 請求項1に記載のシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法は、2段階に変化していることを特徴とするシャッター装置。
  3. 巻取軸と、この巻取軸の巻き取り、繰り出しで開閉移動するシャッターカーテンとを有し、このシャッターカーテンの少なくとも一部が、このシャッターカーテンの開閉移動方向に並設された複数個のスラットによって形成されているシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法が、前記巻取軸に近いスラットについて小さくなっているとともに、この厚み寸法は、2段階に変化していることを特徴とするシャッター装置。
  4. 巻取軸と、この巻取軸の巻き取り、繰り出しで開閉移動するシャッターカーテンとを有し、このシャッターカーテンの少なくとも一部が、このシャッターカーテンの開閉移動方向に並設された複数個のスラットによって形成されているシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と前記シャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法との両方が、前記巻取軸に近いスラットについて小さくなっていることを特徴とするシャッター装置。
  5. 請求項4に記載のシャッター装置において、前記複数個のスラットにおける前記シャッターカーテンの開閉移動方向の幅寸法と前記シャッターカーテンの厚さ方向の厚み寸法との両方は、2段階に変化していることを特徴とするシャッター装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシャッター装置において、前記巻取軸と前記シャッターカーテンとは、前記スラットによって生産された結合部材を介して結合され、
    前記スラットは、前記シャッターカーテンの開閉移動方向の両端部と中間部とが前記シャッターカーテンの厚さ方向にずれて形成され、前記両端部に対して前記中間部が前記巻取軸の側となって前記シャッターカーテンがこの巻取軸に巻き取られるとともに、前記シャッターカーテンの前記開閉移動方向の開き側の端部に配置されたスラットと前記結合部材とが、これらのスラットと結合部材における前記シャッターカーテンの開閉移動方向の端部同士の係合によって連結され、かつ前記スラットによって生産されている前記結合部材は、前記シャッターカーテンの開閉移動方向における両端部と中間部とのうち、両端部が前記巻取軸の側に向けられてこの巻取軸に固定されていることを特徴するシャッター装置。
  7. 請求項6に記載のシャッター装置において、前記結合部材における前記中間部の一部には、この結合部材を前記巻取軸に固定するための固定部が設けられ、この固定部は前記中間部の他の部分よりも前記巻取軸の側へ近づいて形成されていることを特徴とするシャッター装置。
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