JP3958636B2 - 車両用多気筒内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は車両用多気筒内燃機関の失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載された内燃機関の運転中に失火が生じると、運転性能や燃費性能を悪化させると共に、未燃焼ガスが排気系でアフタファイヤを生じて排気ガス浄化装置に悪影響を与える恐れがあることから、失火が生じたときは早期に検出するのが望ましい。
【0003】
他方、車両の走行状態は様々であり、悪路を走行するときなど、失火判定を行うと誤判定を招き易い。従って、悪路走行など失火判定を行うと誤判定を招き易い特定の運転状態を精度良く検知し、失火判定を禁止する必要がある。その意図から、例えば、特許第2976684号公報記載の技術にあっては、車輪速度センサが出力するパルス信号の周期を測定すると共に、所定数のパルス信号群の平均値を算出し、前回算出した平均値との差を求めて変動量とし、その変動量を所定値と比較することで悪路走行など失火判定に影響を与える、即ち、失火の誤判定を招き易い特定の運転状態にあるか否か判断し、そのような運転状態にあるときは失火判定を禁止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、車輪速度センサの出力パルスの周期を測定し、その変動量から判定するに止まっているため、失火による車輪速度の変動と悪路走行などの特定の運転状態での車輪速度の変動との区別が難しく、悪路走行など特定の運転状態にあるか否かの判定精度が、必ずしも十分に満足し難いものであった。
【0005】
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消することにあり、悪路走行などの失火判定に影響を与える特定の運転状態をより精度良く検知し、失火の誤判定をより確実に回避するようにした車両用多気筒内燃機関の失火検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を解決するために請求項1項にあっては、車両に搭載される車両用多気筒内燃機関の失火検出装置において、前記内燃機関の回転に応じて所定回転角度ごとに回転信号を出力する回転信号出力手段、前記回転信号出力手段が出力する回転信号に基づいて前記内燃機関に失火が発生したか否かを気筒ごとに判定する失火判定手段、前記車両の車輪の回転速度を示す信号を出力する車輪速度センサ、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記車両の駆動系の固有振動数を通過させる第1のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第1の変動値を算出する第1の変動値算出手段、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記固有振動数より高い周波数で、かつ前記固有振動数の非整数倍に相当する周波数を通過させる第2のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第2の変動値を算出する第2の変動値算出手段、前記第1の変動値算出手段と第2の変動値算出手段の算出値を乗算して得られる、前記車輪の回転速度の変動度合いを示すパラメータを算出し、前記算出したパラメータをしきい値と比較し、前記算出したパラメータが前記しきい値以上となった回数をカウントして前記失火判定手段による失火判定に影響を与える特定の運転状態を検出する特定運転状態検出手段、および前記特定運転状態検出手段によって前記特定の運転状態が検出されたとき、前記失火判定手段による失火判定を禁止する失火判定禁止手段を備える如く構成した。
【0007】
上記の如く、車輪速度センサの出力信号に基づき、車両の駆動系の固有振動数を通過させる第1のフィルタを用いて車輪の回転速度の第1の変動値を算出し、同様に車輪速度センサの出力信号に基づき、固有振動数より高い周波数で、かつ固有振動数の非整数倍に相当する周波数(換言すればそのn次高調波ではない周波数)を通過させる第2のフィルタを用いて車輪の回転速度の第2の変動値を算出し、第1の変動値算出手段と第2の変動値算出手段の算出値を乗算して車輪の回転速度の変動度合いを示すパラメータを算出し、前記算出したパラメータをしきい値と比較し、前記算出したパラメータが前記しきい値以上となった回数をカウントして前記失火判定手段による失火判定に影響を与える特定の運転状態を検出し、その運転状態が検出されたとき、失火判定を禁止するようにしたので、悪路走行などの失火判定に影響を与える特定の運転状態を、その失火時に誤って失火判定を禁止することなく、より精度良く検知することができ、失火の誤判定をより確実に回避することができる。また、悪路による車輪速度センサの出力信号の変動のみを抽出することができ、換言すれば、失火による車輪速度センサの出力信号の変動を排除することができる。
【0010】
即ち、車両の駆動系の固有振動数の非整数倍に相当する周波数を選択することで、失火時に第1のフィルタの出力と第2のフィルタの出力の両方が同時に現れることがないため、失火による車輪速度センサの出力信号の変動を排除することができると共に、悪路による車輪速度センサの出力信号のみを抽出することができる。これによって、悪路走行などの特定の運転状態を、その失火時に誤って失火判定を禁止することなく、より精度良く検知することができ、失火の誤判定をより確実に回避することができる。
【0011】
請求項2項にあっては、車両に搭載される車両用多気筒内燃機関の失火検出装置において、前記内燃機関の回転に応じて所定回転角度ごとに回転信号を出力する回転信号出力手段、前記回転信号出力手段が出力する回転信号に基づいて前記内燃機関に失火が発生したか否かを気筒ごとに判定する失火判定手段、前記車両の車輪の回転速度を示す信号を出力する車輪速度センサ、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記車両の駆動系の固有振動数を通過させる第1のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第1の変動値を算出する第1の変動値算出手段、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記固有振動数より高い周波数で、かつ前記固有振動数の整数倍に相当する周波数(換言すればそのn次高調波に相当する周波数)を通過させる第2のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第2の変動値を算出する第2の変動値算出手段、前記第1の変動値算出手段の算出値を第2の変動値算出手段の算出値で除算して得られる、前記車輪の回転速度の変動度合いを示すパラメータを算出し、前記算出したパラメータをしきい値と比較し、前記算出したパラメータが前記しきい値以上となった回数をカウントして前記失火判定手段による失火判定に影響を与える特定の運転状態を検出する特定運転状態検出手段、および前記特定運転状態検出手段によって前記特定の運転状態が検出されたとき、前記失火判定手段による失火判定を禁止する失火判定禁止手段を備える如く構成した。
【0012】
請求項2項の場合、請求項1項と逆に、第2のフィルタを介して固有振動数より高い周波数で、かつ固有振動数の整数倍に相当する周波数成分を選択するようにした。この結果、ランダムに失火が発生して前記した車両の駆動系の固有振動数で失火が発生したとき、その整数倍の高調波成分を選択し、かかる第1、第2のフィルタを用いて得た第1、第2の変動値算出手段の出力から、第1のフィルタの出力を第2のフィルタのそれで除算することで、車輪速度センサの出力信号の変動が失火によるものなのか、悪路走行などの特定の運転状態によるものなのかを一層精度良く判別することができる。これによって、例えば、失火を悪路走行などと誤判定して失火判定を禁止することがなく、失火の誤判定を一層確実に回避することができる。
【0013】
尚、上記で、「失火」とは、燃料供給系のフェールに起因すると、点火系のフェールに起因するとを問わず、さらには火花放電が発生したと否とを問わず、燃焼が生じない場合を全て含む意味で使用する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、この発明の1つの実施の形態に係る車両用多気筒内燃機関の失火検出装置を概略的に示す全体図である。
【0016】
図において、符号10は内燃機関(以下「エンジン」という)を示す。エンジン10はV型6気筒(多気筒)OHCエンジンである。簡略化のため、左右のバンク(図示せず)に3個ずつ配置された6個の気筒の中、1つの気筒についてのみ図示する。
【0017】
エンジン10において吸気管12の先端に配置されたエアクリーナ14から吸入された吸気は、スロットルバルブ16でその流量を調節されつつインテークマニホルド(吸気マニホルド)18を流れ、それぞれの気筒20の吸気バルブ22まで流れる。
【0018】
吸気バルブ22の上流にはインジェクタ(燃料噴射弁)24が設けられ、図示しない燃料供給系から圧送された燃料を噴射する。噴射されて吸気と一体となった混合気は、吸気バルブ22が開放されるとき、それぞれの気筒20の燃焼室28に流入し、燃焼室28を臨む位置に配置された点火プラグ30によって第1、第4、第2、第5、第3、第6気筒の順に火花放電で着火されて燃焼し、ピストン(図示せず)を駆動する。
【0019】
燃焼後の排気ガスは排気バルブ31およびエキゾーストマニホルド32を経て排気管(図示せず)に流れ、そこで触媒装置(図示せず)で浄化されて大気に放出される。
【0020】
エンジン10においてカムシャフト34の付近には複数個の電磁ピックアップからなるカムシャフトセンサ(回転信号出力手段)36が配置され、第1気筒の所定のクランク角度で気筒判別信号を、6個の気筒のTDC付近の所定のクランク角度でTDC信号を、TDCを細分した30度(所定回転角度)ごとにクランク角度信号(回転角度を示す信号)をパルスで出力する。また、シリンダブロック38の冷却水路には水温センサ40が配置され、エンジン冷却水温TWに応じた信号を出力する。
【0021】
また、吸気管12のスロットルバルブ16の下流には絶対圧センサ44が設けられ、スロットル弁下流の吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力すると共に、スロットルバルブ16にはスロットル開度センサ46が接続され、スロットル開度THに比例した信号を出力する。さらに、吸気管12の適宜位置には吸気温センサ48が配置され、エンジン10に吸入される外気の温度TAに比例した信号を出力する。
【0022】
また、エンジン10が搭載される車両(図示せず)には前進6速(段)、後進1段の手動変速機(図に「M/T」と示す)60が設けられ、エンジン10の出力を変速して駆動輪(図示せず)に伝達する。また、ドライブシャフト(図示せず)の付近には、電磁ピックアップからなる車輪速度センサ62が配置され、ドライブシャフトの所定回転角度、即ち、車輪の所定回転角度ごとに上記した駆動輪(車輪)の回転速度TNCDを示す信号を出力する。
【0023】
また、排気系には触媒装置下流に空燃比センサ(図示せず)が配置され、排気ガス中の酸素濃度に応じた信号を出力する。
【0024】
これらセンサ出力は、ECU(電子制御ユニット)70へ送出される。
【0025】
ECU70はCPU,ROM,RAM(全て図示せず)などを備えるマイクロコンピュータからなり、前記したカムシャフトセンサ36と車輪速度センサ62の出力はECU70内においてカウントされ、エンジン回転数NEおよび車速Vが算出される。
【0026】
ECU70において、CPUは、検出したエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBA(エンジン負荷)とから予め設定されてROM内に格納されているマップを検索し、基本燃料噴射量(インジェクタ24の開弁時間で示される)および基本点火時期を算出し、エンジン冷却水温TWなどから算出した基本値を補正して出力燃料噴射量および出力点火時期を算出する。
【0027】
次いで、CPUは、出力回路および駆動回路(共に図示せず)を介し、前記した気筒順で、算出した出力燃料噴射量に相当する時間だけインジェクタ24を開弁させると共に、イグナイタ(図示せず)を介して出力点火時期に相当するクランク角度で点火プラグ30に火花放電を生じさせて混合気を点火し、燃焼させる。
【0028】
さらに、CPUは、後述するように、失火判定を行うと共に、判定結果に基づいてエンジン10が異常か否か判定する。
【0029】
次いで、図2フロー・チャートを参照し、その失火判定および異常判定、即ち、この実施の形態に係る車両用多気筒内燃機関の失火検出装置の動作を説明する。
【0030】
図2は、その動作を示すメイン・フロー・チャートである。尚、図示のプログラムは、各気筒のTDC(上死点)ごとに実行される。
【0031】
以下説明すると、S10においてフラグF.MCNDのビットが1にセットされているか判断する。このフラグF.MCNDは、続いて述べる失火判定を許可する条件(以下「モニタ条件」という)の成立・不成立を判定するルーチンにおいて、モニタ条件成立と判定されるとき、そのビットが1にセットされる。従って、この処理は、モニタ条件が成立しているか否か判断することを意味する。
【0032】
理解の便宜上、図2フロー・チャートの説明を続ける前に、そのモニタ条件の成立・不成立を判定するルーチンについて先に説明する。
【0033】
図3はその処理を示すフロー・チャートである。図示のプログラムも各気筒のTDC(上死点)ごとに実行される。
【0034】
以下説明すると、先ずS100において、検出されたエンジン回転数NEが所定回転数#NMFL(アイドル回転数相当。具体的には500rpm)を超えているか否か判断する。尚、この明細書および図面で#を付した値は、予め設定された所定の値であることを示す。
【0035】
S100で否定されるときはS102に進んでタイマ(ダウンカウンタ。後述)TMCNDに所定値#TMMCND(具体的には1sec)をセットしてダウンカウント(時間計測)を開始し、S104に進んでフラグF.MCNDのビットを0にリセットし、以降の処理をスキップする。フラグF.MCNDのビットを0にリセットすることは、モニタ条件が成立しないと判定したことを意味する。
【0036】
他方、S100で肯定されるときはS106に進み、検出されたエンジン冷却水温TWが所定値#TWMF(具体的には−10℃)を超え、かつ吸気温TAが所定値#TAMF(具体的には−10℃)を超え、かつエンジン回転数NEが所定値#NMFH(具体的には6300rpm)未満か否か判断する。
【0037】
S100およびS106の処理は、エンジン10が失火検出すべき運転状態にあるか否か判断することを意味し、従ってS106で否定されるときはS100で否定される場合と同様、S102に進むと共に、肯定されるときはS108に進み、フラグF.FCのビットが1にセットされているか否か判断する。
【0038】
このフラグF.FCは図示しない別のルーチンでFC(フューエルカット。燃料供給停止)が実行されているときにそのビットが1にセットされることから、この処理は、エンジン10への燃料(ガソリン燃料)の供給が停止されているか否かを判断することに相当する。
【0039】
S108で肯定されるときはS102に進むと共に、否定されるときはS110に進み、検出された吸気管内絶対圧PBAが所定値#PBMF以上か否か判断する。所定値#PBMFは、エンジン回転数NEから検索自在に設定される値である。失火検出はエンジン10が仕事をしているときのみ行えば足ることから、この判断は、エンジン負荷が走行負荷を超えているか、換言すればエンジン10が車両側から駆動されるモータリング状態にないことを確認するための処理である。
【0040】
S110で否定されるときはモータリング状態にあって失火検出する必要がないことからS102に進むと共に、肯定されてエンジン10がファイアリング状態にあると判断されるときはS112に進み、今回検出されたスロットル開度THと前回(即ち、前回プログラムループ時に)検出されたスロットル開度THの差分DTHを算出し、その絶対値が所定値#DTHMF(具体的には5度)を超えているか否か判断する。
【0041】
これは、エンジン10が急加減速状態にあるときは失火の誤判定の恐れがあることから、エンジン10が急加減速状態にあるか否か判断するための処理である。従って、S112で肯定されるときは定常運転状態にないと判断してS102に進むと共に、否定されるときはS114に進み、フラグF.DISTのビットが1にセットされているか否か判断する。
【0042】
このフラグは、別のルーチンで悪路走行などの特定の運転状態にあると判定されるとき、そのビットが1にセットされる。尚、その判定処理については後述する。S114で肯定されるときはS116に進み、前記したタイマTMCNDに所定値#TMMCNDをセットしてダウンカウント(時間計測)を開始する。次いでS118に進み、先に述べたように悪路走行などの特定の運転状態にあるときは失火を誤判定し易いことから、フラグF.MCNDのビットを0にリセットし、S120に進み、フラグF.DISTのビットを0にリセットすると共に、NDIST(カウンタ。後述)の値を0にリセットする。
【0043】
他方、S114で否定されるときはS122に進み、前記したタイマTMCNDの値が0に達したか否か、具体的にはモニタ条件の成立を否定する状況が解消されてから1sec経過したか、換言すればエンジン10の運転状態が失火検出を行うのに安定したか否か判断する。
【0044】
従って、S122で否定されるときはS104に進むと共に、肯定されるときはS124に進み、フラグF.MCNDのビットを1にセットする。このフラグのビットを1にセットすることは、モニタ条件、即ち、失火判定を許可する条件が成立したことを意味する。
【0045】
続いて、上記した悪路走行などの特定の運転状態にあるか否かの判断処理を説明する。
【0046】
図4はその判断処理を示すフロー・チャートである。尚、図示のプログラムは、各気筒のTDC付近、より具体的にはATDC10度で実行される。
【0047】
以下説明すると、先ずS200において検出された車速Vが所定値#VL(具体的には20km/h)以上で、所定値#VH(具体的には120km/h)未満か否か判断する。これは、悪路判定は車速がこの範囲にあるときに行えば足るためである。
【0048】
従って、S200で否定されるときは悪路判断自体が不要であることから、S202に進み、タイマ(ダウンカウンタ)NDSTに所定値#CDST(具体的には1sec)をセットしてダウンカウント(時間計測)を開始し、以降の処理をスキップする。
【0049】
他方、S200で肯定されるときはS204に進み、フラグF.MCNDのビットが1にセットされているか否か判断する。否定されるときはモニタ条件が不成立で同様に悪路判断自体が不要であることからS202に進むと共に、肯定されるときはS206に進み、値DISTNCを算出する。
【0050】
図5はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0051】
先ずS300において図示の式で定義されるフィルタFILT.1(n) の出力を算出する。この処理は、車輪速度センサ62の出力信号に基づき、第1のフィルタFILT.1を用いて車輪の回転速度TNCDの第1の変動値(即ち、フィルタFILT.1の出力)を算出することに相当する。尚、この場合、車輪の回転速度TNCDは、より詳しくは時間値を意味する。
【0052】
また、この明細書および図面で、(n) および(n-m) は離散系のサンプル時間、換言すれば、図4、図5などのフロー・チャートのプログラムループ時刻を意味する。具体的には、(n) は今回の、(n-m) はm回前のプログラムループ時刻の値を意味する。
【0053】
次いでS302に進み、図示の式で定義されるフィルタFILT.2(n) の出力を算出する。この処理は、車輪速度センサ62の出力信号に基づき、第2のフィルタFILT.2を用いて車輪の回転速度TNCDの第2の変動値(即ち、フィルタFILT.2の出力)を算出することに相当する。
【0054】
次いでS304に進み、算出したフィルタFILT.1,2の出力を乗算し、前記した値DISTNCを算出する。この値DISTNCは、車輪(駆動輪)の回転速度の変動度合いを示すパラメータ(悪路判定パラメータ)を意味する。尚、図5の処理については後述する。
【0055】
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS208に進み、手動変速機60で現在係合されているギヤ位置(変速段あるいは変速比)を適宜な手法で検出し、それに応じて車速Vと吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAから、値DISTNCJDをマップ検索する。値DISTNCJDは、上記した悪路判定パラメータDISTNCと比較されて車両が悪路を走行する特定の運転状態にあるか否かを判断するためのしきい値である。尚、これについても後述する。
【0056】
図6は、その検索で使用されるマップの特性を示す説明図である。この実施の形態に係る手動変速機60は前進6速(段)であることから、マップは、1,2速、3,4速および5,6速の3組が用意される。従って、検出されたギヤ位置が例えば3速とすると、3,4速のマップを選択し、車速Vと吸気管内絶対圧PBAから検索してしきい値DISTNCJDを算出することになる。
【0057】
次いでS210に進み、前記したタイマNDSTの値が零に達したか否か判断する。これは、先に述べたタイマTMCNDと同様、悪路判断を許可しない状況が解消されてから1sec経過したか、より具体的にはエンジン10の運転状態が悪路判断を行うのに安定したか否か判断するためである。
【0058】
S210で否定されるときはS212に進んでタイマ値を1つデクリメントすると共に、肯定されるときはS214に進み、前回算出した悪路判定パラメータDISTNC(n-1) が、前回算出されたしきい値DISTNCJD(n-1) 以上か否か判断する。
【0059】
ここで、図4フロー・チャートの説明を続ける前に、この悪路判定パラメータDISTNCおよびしきい値DISTNCJDなどについて説明する。
【0060】
車両が悪路などの凹凸の多い路面を走行すると、車輪が路面から離れたり、逆に強く接地する現象が生じることがあり、かかる現象が生じると、その影響がエンジン回転にも現れてエンジン回転が急激に変動する。従って、失火の誤判定を招く恐れがあることから、車両が悪路走行などの特定の運転状態にあるか否かを精度良く判定する必要がある。その点で上記した従来技術にあっては車輪速度センサの出力パルス信号の周期の変動から悪路走行か否かを判定しているため、精度において十分に満足し難いものであった。
【0061】
そこで、発明者達は知見を重ねた結果、車両の駆動系の持つ固有振動数に基づいて悪路判定パラメータを求めることで悪路走行などの特定の運転状態を精度良く判断できることを見い出した。即ち、車輪から車軸、さらに手動変速機60からエンジン10の回転系までに至る駆動系の持つ固有振動数は、それらの物理的な構造から一義的に決まる。この実施の形態に係る車両にあっては、その固有振動数は2Hzであった。
【0062】
図7は車両が(失火なく)悪路を走行したときの加振による、駆動系、より具体的には車輪の自由振動の応答を示す実測データ、図8は車両が(失火なく)平坦路を走行したときの同様の実測データ、および図9は平坦路において失火が生じたときの同様の実測データである。
【0063】
図7に示す如く、フーリエ変換を用いて得た車速変動の周波数特性に着目すると、悪路を走行した場合、同図に符号hで示すように、固有振動数(周波数)2Hzの付近で振動値の振幅は大きくなると共に、周波数が高くなるにつれて次第に減衰する一方、符号iで示すように、10Hzから15Hzの間でも振動値の振幅が比較的大きくなるのが知見された。他方、図8に示す如く、平坦路を走行するときは、このような振幅の変化は見られなかった。
【0064】
また、図9に示す如く、失火が発生したとき、固有振動数に相当する2Hzとその整数倍の4Hz,6Hzなどで振幅が大きくなってスパイクが見られたが、固有振動数の非整数倍に相当する周波数(換言すればそのn次高調波ではない周波数。例えば13Hz)では、そのようなスパイクは見られなかった。
【0065】
このように、車両が悪路を走行するとき、車両の駆動系の固有振動数(所定周波数)2Hz付近で車速変動が大きくなると共に、10Hzから15Hzなど、固有振動数より大きく、かつ固有振動数の非整数倍に相当する周波数、例えば13Hzで車速変動は大きくなるが、2Hz周期で失火が発生したとしても、13Hzでは変動が現れない。このことは、悪路と失火の影響とが区別可能であることを意味する。
【0066】
そこで、発明者達はかかる知見に基づき、図5のS300で定義されるようなフィルタFILT.1を用い、その出力を算出することで車輪速度センサ62の2Hz分に相当する成分を抽出(算出)すると共に、S302で定義されるようなフィルタFILT.2を用い、その出力を算出することで車輪速度センサ62の13Hz分に相当する成分を抽出(算出)するようにした。即ち、演算量が多いフーリエ変換に代え、実時間で処理可能なデジタルフィルタを用いて処理するようにした。
【0067】
従って、フィルタFILT.1(第1のフィルタ)が車輪速度センサ62の出力信号の中の所定の周波数(固有振動数)を通過させるバンドパスフィルタに相当し、フィルタFILT.2(第2のフィルタ)が、前記所定の周波数より高い周波数で、かつ前記所定の周波数の非整数倍の周波数を通過させるバンドパスフィルタに相当する。
【0068】
尚、上記で、固有振動数より大きく、かつ固有振動数の非整数倍に相当する周波数、例えば13Hzとしたのは、固有振動数より少しだけ大きい場合にはその影響を受ける一方、極めて大きい場合には信号そのものが減衰することから、両者を勘案して11Hzから13Hz、例えば13Hzとした。
【0069】
また、算出したフィルタFILT.1およびFILT.2の出力を乗算し、よって得た積を悪路判定パラメータDISTNCとすると共に、それに比較されるべきしきい値DISTNCJDを実験を通じて求めておき、ギヤ位置に応じて車速Vと吸気管内絶対圧PBAとから検索するようにした。
【0070】
これにより、図10(a)に示す如く、悪路走行時には、失火の有無に関わらず、車速Vが符号jで示すように変動して失火の誤判定の一因となるが、同図(b)に示す如く、悪路判定パラメータDISTNCをしきい値DISTNCJDと比較し、後述するように、パラメータがしきい値を超えたとき、超えた回数をカウンタNDISTでカウントし、カウンタ値が所定値に達したとき、悪路と判定することで、悪路走行を精度良く判定することができる。それによってモニタ条件が成立しないと判定することで、失火の誤判定を回避することができる。
【0071】
ここで、フィルタFILT.1とFILT.2の出力の積を求めてパラメータとしたのは、悪路走行時には2Hz成分と13Hz成分が共にある程度以上の値になるからである。また、失火時には両者のいずれかが零(あるいは微少な値)となって積として零(あるいは微少の値)となってしきい値DISTNCJD未満となり、失火による回転変動を排除して路面の凹凸による回転変動のみを抽出できるからである。
【0072】
尚、しきい値DISTNCJDを車速Vと吸気管内絶対圧PBAとから検索自在としたのは、これらによって主として車両の駆動系の振動特性およびエンジンの駆動トルクから悪路判定パラメータDISTNCの値が決定されるためである。また、しきい値DISTNCJDをギヤ位置で相違させたのは、ギヤ位置によって車両の駆動系の振動特性が変わり、パラメータDISTNCの値が変化するためである。
【0073】
図4の説明に戻ると、S214で前回算出した悪路判定パラメータDISTNC(n-1) が前回算出したしきい値DISTNCJD(n-1) 以上と判断されるときは以降の処理をスキップすると共に、否定されるときはS216に進み、今回算出した悪路判定パラメータDISTNC(n) が同様に今回算出したしきい値DISTNCJD(n) 以上か否か判断する。
【0074】
そしてS216で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS218に進み、カウンタNDISTの値を1つインクリメントする。図10(c)にその処理を示す。
【0075】
このように、S214とS216の処理は、悪路判定パラメータが初めてしきい値以上となった場合の回数のみをカウントするための処理であり、換言すれば、前回以前に悪路判定パラメータがしきい値以上となった場合および悪路判定パラメータが今回しきい値未満となった場合を除外するための作業である。
【0076】
次いでS220に進み、カウンタNDISTの値が所定値#NDISTJD(具体的には10回)以上となったか否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS222に進み、フラグF.DISTのビットを1にセットする。このフラグのビットを1にセットすることは、悪路走行などの特定運転状態にあると判定したことを意味する。
【0077】
図2に戻って失火判定などの説明を続けると、S10で肯定されるときはS12に進み、クランクシャフトの回転変動を計測する。即ち、前記した30度ごとのクランク角度信号からクランク角度120度分の回転時間TREV(n) を計測し、前回のプログラムループ時の回転時間TREV(n-1) との偏差ΔTREV(n) を算出する。そして、前回算出された偏差ΔTREV(n-1) 、2回前(前前回)に算出された偏差ΔTREV(n-2) 、および3回前に算出された偏差ΔTREV(n-3) の平均値を算出し、その平均値と算出した偏差ΔTREV(n) の差を求めて回転変動量ΔΔTREV(n) とする。
【0078】
次いでS14に進み、失火判定を行う。即ち、先ずエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAから予め設定されたマップ(特性図示省略)を検索して失火判定値MFDELを適宜な手法で算出し、失火判定値MFDELを回転変動量ΔΔTREV(n) と比較し、回転変動量ΔΔTREV(n) が失火判定値MFDELを超えるとき、失火と判定してフラグF.MFを1にセットすると共に、回転変動量ΔΔTREV(n) が失火判定値MFDEL以下のとき、失火ではないと判定してフラグF.MFを0にリセットする。
【0079】
尚、前記の如く、「失火」とは、燃料供給系のフェールに起因すると点火系のフェールに起因するとを問わず、さらには火花放電が発生したと否とを問わず、燃焼が生じない場合を全て含む意味する。
【0080】
次いでS16に進み、フラグF.MFのビットが1にセットされているか否か判断し、肯定されるときはS18に進み、前記した気筒判別信号に基づいて失火と判定された気筒を判別する。換言すれば、エンジン10に失火が発生したか否かを気筒ごとに判定する。
【0081】
次いでS20に進み、気筒別に設けられた失火回数カウンタNMFの中、該当する気筒のカウンタの値を1つインクリメントし、S22に進み、S12以降の処理で失火判定を行ったTDC数が所定値C(具体的には3000回)を超えたか否か判断する。S22で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS24に進み、異常判定を行う。尚、所定値Cは、600回などとしても良い。
【0082】
異常判定は、具体的には、気筒別に設けられた失火回数カウンタNMFの値を通算して6気筒については失火回数の合算値を求め、合算値が所定値を超えたとき、エンジン10が異常と判定する。あるいは、いずれかの気筒の失火回数カウンタNMFの値が別途設定された値を超えたときも、エンジン10が異常と判定するようにしても良い。
【0083】
次いでS26に進み、失火回数カウンタNMFの値をリセットする。尚、S10で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、S16で否定されるときはS22に進む。また、S22で否定されるときは、以降の処理をスキップする。
【0084】
この実施の形態は上記の如く構成したので、悪路走行などの失火判定に影響を与える特定の運転状態を、その失火時には誤って失火判定を禁止することなく、より精度良く検知することができ、失火の誤判定をより確実に回避することができる。
【0085】
具体的には、所定の周波数成分として例えば車両の駆動系の固有振動数を選択して第1のフィルタを介してその周波数成分を抽出すると共に、第2のフィルタを介して所定の周波数より高い周波数で、かつ前記所定の周波数の非整数倍に相当する周波数、例えば失火の影響が車輪速度センサ62の出力信号に現れ難い周波数成分を選択することで、悪路による車輪速度センサ62の出力信号の変動のみを抽出することができ、換言すれば、失火による車輪速度センサ62の出力信号の変動を排除することができる。
【0086】
即ち、前記所定の周波数の非整数倍に相当する周波数を選択するようにしたので、失火時に第1のフィルタの出力と第2のフィルタの出力の両方が同時に現れることがないため、失火による車輪速度センサの出力信号の変動を排除することができると共に、悪路による車輪速度センサの出力信号のみを抽出することができる。これによって、悪路走行などの特定の運転状態を、その失火時には誤って失火判定を禁止することなく、より精度良く検知することができ、失火の誤判定をより確実に回避することができる。
【0087】
図11は、この発明の第2の実施の形態に係る車両用多気筒内燃機関の失火検出装置の動作を示す、図5と同様の悪路判定パラメータの算出処理を示すフロー・チャートである。
【0088】
同図を参照して第2の実施の形態に係る装置の動作を説明する前に、図12を参照して第2の実施の形態に係る装置の課題について説明する。
【0089】
1気筒連続失火、2気筒連続失火などのサイクルごとに発生する失火では、失火による回転変動は、エンジン回転数に比例する成分が主となる。尚、サイクルごとに発生する失火(以下「サイクル失火」という)とは、図12に示すような失火、即ち、エンジン10において第1気筒に始まって第6気筒で終わる燃焼を1サイクルとすると、図示のようなサイクルごとに同じパターンが繰り返されるような失火を意味する。
【0090】
このようなサイクル失火では、エンジン10において例えば1気筒連続失火の状態で1200rpmで回転している場合、1secの間に10サイクル、即ち、10Hz成分が大きくなる。
【0091】
また、このようなサイクル失火が発生しているとき、失火による回転変動が2Hzおよび13Hzの成分を持つエンジン回転数を計算すると、240rpmおよび1560rpmとなる。前記した駆動系の固有振動数である2Hzが大きくなる240rpmについては第1の実施の形態の図3のS100で述べた#NMFL(アイドル回転数相当。失火検知の下限回転数)以下のため、支障ない。
【0092】
13Hz成分が発生する1560rpmに関しても、そのような回転変動が生じても、それより低い周波数である2Hz成分が励起されないので、第1の実施の形態で述べた2Hz成分と13Hz成分を乗じて得た悪路判定パラメータDISTNCで悪路か失火か精度良く判別することができる。このように、サイクル失火では、2Hz成分が甚だしくなる回転数がアイドル回転数以下にあって十分に低いため、問題ない。
【0093】
しかしながら、数サイクルおきにランダムに発生する失火では、アイドル回転数から3000rpm程度までの常用回転域で2Hz成分が大きくなる可能性がある。尚、ここで、数サイクルおきにランダムに発生する失火(以下「ランダム失火」という)とは、失火発生が等間隔であり、かつサイクル中の失火がランダムに選択された気筒で発生するような失火を意味する。
【0094】
従って、例えば、2%のランダム失火とは、図13に示すように、49TDCごとに発生する単発失火を意味する(実失火率=1/49=2.04%)。図示の6気筒のエンジン10についてより一般的にいえば、エンジン回転数[rpm]x、失火間隔[TDC数]yで失火が発生しているときの間隔[Hz]Zは、Z=x/(20・y)となる(サイクル失火と異なり、ランダム失火にあっては、失火間隔は、エンジン回転数に加え、何TDCおきに失火が発生しているかによって決まる)。
【0095】
そして、このような49TDCごとに失火が起こる2%のランダム失火の場合、エンジン10が1960rpmで運転されると、失火間隔が2Hzとなるため、13Hz成分がある程度発生すると、第1の実施の形態で述べた悪路判定手法では失火発生を悪路走行(失火なしの)と誤認する恐れがある。
【0096】
従って、第2の実施の形態に係る装置にあっては、かかるランダム失火が生じた場合であっても、失火と悪路走行(失火なし)を精度良く判別できるようにした。
【0097】
上記を前提として図11フロー・チャートを参照して第2の実施の形態に係る装置における悪路判定パラメータの算出を説明すると、先ずS400において図示の式で定義されるフィルタFILT.1(n) の出力を算出する。第1の実施の形態と同様、フィルタFILT.1(第1のフィルタ)が車輪速度センサ62の出力信号の中の所定の周波数(固有振動数)を通過させるバンドパスフィルタに相当し、この処理が、車輪速度センサ62の出力信号に基づき、第1のフィルタFILT.1を用いて車輪の回転速度TNCDの第1の変動値(即ち、フィルタFILT.1の出力)を算出することに相当する。
【0098】
次いでS402に進み、図示の式で定義されるフィルタFILT.2(n) の出力を算出する。フィルタFILT.2(第2のフィルタ)が前記所定の周波数より高い周波数で、かつ前記所定の周波数の整数倍の周波数を通過させるバンドパスフィルタに相当し、この処理が、車輪速度センサ62の出力信号に基づき、第2のフィルタFILT.2を用いて車輪の回転速度TNCDの第2の変動値(即ち、フィルタFILT.2の出力)を算出することに相当する。
【0099】
次いでS404に進み、算出したフィルタFILT.1,2の出力に基づき、図示の式に従って悪路判定パラメータDISTNCを算出する。尚、残余の処理は、第1の実施の形態と異ならない。
【0100】
ここで、第2の実施の形態に係る装置における悪路判定パラメータの算出を説明すると、上記したように、ランダム失火において失火間隔が2Hzとなるような回転数でエンジン10が運転されるとき、13Hz成分がある程度発生すると、第1の実施の形態で述べた悪路判定手法では失火発生を悪路走行(失火なしの)と誤認する恐れがある。
【0101】
他方、2Hz間隔で失火が発生している場合の車速変動の周波数特性(フーリエ変換結果)に着目すると、第1の実施の形態において図9に示すように、失火が発生したとき、失火間隔(固有振動数に相当する2Hz)の整数倍成分の高調波が発生するのに対し、(失火なしの)悪路走行では図7に示すように、かかる高調波は発生しない。このことは、高調波成分と2Hz成分の関係から、(失火なしの)悪路走行と失火発生の有無が判別可能なことを意味する。
【0102】
第2の実施の形態はかかる知見に基づいてなされたものであり、FILT.1(第1のフィルタ)で第1の実施の形態と同様の固有振動数に相当する2Hz成分を抽出すると共に、FILT.2(第2のフィルタ)では、2Hz周期で失火が発生するときに変動が現れ難い固有振動数の非整数倍に相当する周波数(例えば13Hz)に代え、整数倍の高調波成分、例えば8Hzを抽出するようにした。
【0103】
具体的には、図11フロー・チャートのS404に示すように、FILT.1の出力を自乗して2Hz成分を強調すると共に、FILT.2の出力から得た2Hz間隔で失火したときに現れる8Hz成分の積算値(より正確にはFILT.2の出力の絶対値の所定回(例えば20回)分の積算値)で除算して悪路判定パラメータDISTNCを算出することで:実際に失火が発生するときに悪路判定パラメータが増大するのを防止するようにした。さらに、分母に1を加えることで、8Hz成分がほとんど現れない非失火時に、分母が0に近くなって商が無限大となるのを防止するようにした。
【0104】
第2の実施の形態は上記の如く構成したので、悪路判定パラメータDISTNCを(失火なしに)悪路を走行するときに大きな値とすることができる一方、失火が発生したときはほぼ0とすることができる。よって失火と悪路走行を精度良く判別することができ、失火発生を悪路走行(失火なしの)と誤認することがなく、失火の誤判定をより確実に回避することができる。
【0105】
尚、第2の実施の形態において、FILT.2で2Hz(固有振動数)の整数倍の高調波成分として8Hz成分を抽出するようにしたが、それに限られるものではなく、車両の駆動系の固有振動数の整数次成分であれば良い。
【0106】
ただし、図14に示すように、2次成分(4Hz)の場合、フィルタを介して抽出するとき、符号aで示す領域で2Hz(固有振動数相当)との分離が困難となって失火と悪路走行の判別精度が低下する。尚、同図で符号bで示す領域は4次(8Hz)成分の場合を示し、2次の場合に比して分離困難な領域が減少しているので、支障ない。さらに、図9に示すように、6次以上(12Hz以上)の成分の場合、失火時に発生する高調波の振幅が減衰することから、同様に失火と悪路走行の判別精度が低下する。
【0107】
上記から、FILT.2で抽出すべき固有振動数の整数倍の高調波成分として3次から5次(6Hzから10Hz)程度を抽出するのが望ましい。また、積算回数を20回としたが、それに限られるものではないことはいうまでもない。
【0108】
第1の実施の形態は上記の如く、車両に搭載される車両用多気筒内燃機関(エンジン)10の失火検出装置において、前記内燃機関の回転に応じて所定回転角度(具体的には30度)ごとに回転信号を出力する回転信号出力手段(カムシャフトセンサ36)、前記回転信号出力手段が出力する回転信号に基づいて前記内燃機関に失火が発生したか否かを気筒ごとに判定する失火判定手段(S12,S16)、前記車両の車輪の回転速度TNCDを示す信号を出力する車輪速度センサ62、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記車両の駆動系の固有振動数(例えば2Hz)を通過させる第1のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第1の変動値(幅)FILT.1を算出する第1の変動値算出手段(S206,S300)、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記固有振動数より高い周波数で、かつ前記固有振動数の非整数倍に相当する周波数(換言すればそのn次高調波ではない周波数、例えば13Hz)を通過させる第2のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第2の変動値FILT.1を算出する第2の変動値算出手段(S206,S302)、前記第1の変動値算出手段と第2の変動値算出手段の算出値を乗算して得られる、前記車輪の回転速度の変動度合いを示すパラメータ(悪路判定パラメータ)DISTNCを算出し(S206,S304)、前記算出したパラメータに基づいて、より具体的には前記算出したパラメータをしきい値DISTNCJDと比較し、前記算出パラメータが前記しきい値以上となった回数をカウンタNDISTでカウントして前記失火判定手段による失火判定に影響を与える、悪路走行などの特定の運転状態を検出する特定運転状態検出手段(S200からS222)、および前記特定運転状態検出手段によって前記特定の運転状態が検出されたとき、前記失火判定手段による失火判定を禁止する失火判定禁止手段(S114,S118,S10)を備える如く構成した。
【0110】
また、第2の実施の形態にあっては、車両に搭載される車両用多気筒内燃機関(エンジン)10の失火検出装置において、前記内燃機関の回転に応じて所定回転角度(具体的には30度)ごとに回転信号を出力する回転信号出力手段(カムシャフトセンサ36)、前記回転信号出力手段が出力する回転信号に基づいて前記内燃機関に失火が発生したか否かを気筒ごとに判定する失火判定手段(S12,S16)、前記車両の車輪の回転速度TNCDを示す信号を出力する車輪速度センサ62、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記車両の駆動系の固有振動数(例えば2Hz)を通過させる第1のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第1の変動値(幅)FILT.1を算出する第1の変動値算出手段(S206,S400)、前記車輪速度センサの出力信号の中の前記固有振動数より高い周波数で、かつ前記固有振動数の整数倍に相当する周波数(換言すればそのn次高調波、具体的には3次から5次の高調波に相当する周波数、例えば8Hz)を通過させる第2のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第2の変動値FILT.1を算出する第2の変動値算出手段(S206,S402)、前記第1の変動値算出手段の算出値を第2の変動値算出手段の算出値で除算して得られる、前記車輪の回転速度の変動度合いを示すパラメータ(悪路判定パラメータ)DISTNCを算出し(S206,S404)、前記算出したパラメータに基づいて、より具体的には前記算出したパラメータをしきい値DISTNCJDと比較し、前記算出パラメータが前記しきい値以上となった回数をカウンタNDISTでカウントして前記失火判定手段による失火判定に影響を与える、悪路走行などの特定の運転状態を検出する特定運転状態検出手段(S200からS222)、および前記特定運転状態検出手段によって前記特定の運転状態が検出されたとき、前記失火判定手段による失火判定を禁止する失火判定禁止手段(S114,S118,S10)を備える如く構成した。
【0111】
尚、上記において、クランク角度120度分の回転時間などから失火を判定したが、失火判定手法はこれに限られるものではなく、この発明は、エンジンの回転変動から検出するものであれば、どのような手法にも妥当する。
【0112】
また、手動変速機を備える車両を例にとって説明したが、この発明は、手動変速機に代えて自動変速機を備える車両についても同様に妥当する。
【0113】
また、図2フロー・チャートなどに関して述べた各種の変数の具体値は一例であり、それに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0114】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、悪路走行などの失火判定に影響を与える特定の運転状態を、その失火時に誤って失火判定を禁止することなく、より精度良く検知することができ、失火の誤判定をより確実に回避することができる。また、悪路による車輪速度センサの出力信号の変動のみを抽出することができ、換言すれば、失火による車輪速度センサの出力信号の変動を排除することができる。即ち、固有振動数の非整数倍に相当する周波数を選択することで、失火時に第1のフィルタの出力と第2のフィルタの出力の両方が同時に現れることがないため、失火による車輪速度センサの出力信号の変動を排除することができると共に、悪路による車輪速度センサの出力信号のみを抽出することができる。これによって、悪路走行などの特定の運転状態を、その失火時に誤って失火判定を禁止することなく、より精度良く検知することができ、失火の誤判定をより確実に回避することができる。
【0116】
請求項2項の場合、請求項1項と逆に、第2のフィルタを介して固有振動数より高い周波数で、かつ固有振動数の整数倍に相当する周波数成分を選択するようにした。この結果、ランダムに失火が発生して前記した車両の駆動系の固有振動数で失火が発生したとき、その整数倍の高調波成分を選択し、かかる第1、第2のフィルタを用いて得た第1、第2の変動値算出手段の出力から、第1のフィルタの出力を第2のフィルタのそれで除算することで、車輪速度センサの出力信号の変動が失火によるものなのか、悪路走行などの特定の運転状態によるものなのかを一層精度良く判別することができる。これによって、例えば、失火を悪路走行などと誤判定して失火判定を禁止することがなく、失火の誤判定を一層確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1つの実施の形態に係る車両用多気筒内燃機関の失火検出装置を概略的に示す全体図である。
【図2】図1装置の動作を示すフロー・チャートである。
【図3】図2フロー・チャートで言及される、(失火判定許可条件)モニタ条件の成立・不成立の判定処理を示すフロー・チャートである。
【図4】図3フロー・チャートで言及される、悪路走行などの特定の運転状態にあるか否かの判断処理を示すフロー・チャートである。
【図5】図4フロー・チャートの悪路判定パラメータの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図6】図4フロー・チャートのしきい値DISTNCJDの検索で使用されるマップの特性を示す説明図である。
【図7】車両が悪路を走行したときの加振による、駆動系、より具体的には車輪の自由振動の応答を示す実測データである。
【図8】車両が平坦路を走行したときの同様の実測データである。
【図9】車両が平坦路を走行したときに失火が生じた場合の同様の実測データである。
【図10】車両が悪路を走行しているときの車速などの経時的な変動を示す実測データである。
【図11】この発明の第2の実施の形態に係る車両用多気筒内燃機関の失火検出装置の動作を示す、図5と同様のフロー・チャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る装置の動作を理解するためのサイクル失火の説明図である。
【図13】第2の実施の形態に係る装置の動作を理解するためのランダム失火の説明図である。
【図14】第2の実施の形態における第2のフィルタ(FILT.2)で抽出すべき固有振動数の整数倍の高調波成分の範囲を説明するためのグラフ図である。
【符号の説明】
10 内燃機関(エンジン)
20 気筒
28 燃焼室
30 点火プラグ
36 カムシャフトセンサ(回転信号出力手段)
44 絶対圧センサ
60 手動変速機
62 車輪速度センサ
70 ECU(電子制御ユニット)
Claims (2)
- 車両に搭載される車両用多気筒内燃機関の失火検出装置において、
a.前記内燃機関の回転に応じて所定回転角度ごとに回転信号を出力する回転信号出力手段、
b.前記回転信号出力手段が出力する回転信号に基づいて前記内燃機関に失火が発生したか否かを気筒ごとに判定する失火判定手段、
c.前記車両の車輪の回転速度を示す信号を出力する車輪速度センサ、
d.前記車輪速度センサの出力信号の中の前記車両の駆動系の固有振動数を通過させる第1のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第1の変動値を算出する第1の変動値算出手段、
e.前記車輪速度センサの出力信号の中の前記固有振動数より高い周波数で、かつ前記固有振動数の非整数倍に相当する周波数を通過させる第2のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第2の変動値を算出する第2の変動値算出手段、
f.前記第1の変動値算出手段と第2の変動値算出手段の算出値を乗算して得られる、前記車輪の回転速度の変動度合いを示すパラメータを算出し、前記算出したパラメータをしきい値と比較し、前記算出したパラメータが前記しきい値以上となった回数をカウントして前記失火判定手段による失火判定に影響を与える特定の運転状態を検出する特定運転状態検出手段、
および
g.前記特定運転状態検出手段によって前記特定の運転状態が検出されたとき、前記失火判定手段による失火判定を禁止する失火判定禁止手段、
を備えたことを特徴とする車両用多気筒内燃機関の失火検出装置。 - 車両に搭載される車両用多気筒内燃機関の失火検出装置において、
h.前記内燃機関の回転に応じて所定回転角度ごとに回転信号を出力する回転信号出力手段、
i.前記回転信号出力手段が出力する回転信号に基づいて前記内燃機関に失火が発生したか否かを気筒ごとに判定する失火判定手段、
j.前記車両の車輪の回転速度を示す信号を出力する車輪速度センサ、
k.前記車輪速度センサの出力信号の中の前記車両の駆動系の固有振動数を通過させる第1のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第1の変動値を算出する第1の変動値算出手段、
l.前記車輪速度センサの出力信号の中の前記固有振動数より高い周波数で、かつ前記固有振動数の整数倍に相当する周波数を通過させる第2のフィルタを用いて前記車輪の回転速度の第2の変動値を算出する第2の変動値算出手段、
m.前記第1の変動値算出手段の算出値を第2の変動値算出手段の算出値で除算して得られる、前記車輪の回転速度の変動度合いを示すパラメータを算出し、前記算出したパラメータをしきい値と比較し、前記算出したパラメータが前記しきい値以上となった回数をカウントして前記失火判定手段による失火判定に影響を与える特定の運転状態を検出する特定運転状態検出手段、
および
n.前記特定運転状態検出手段によって前記特定の運転状態が検出されたとき、前記失火判定手段による失火判定を禁止する失火判定禁止手段、
を備えたことを特徴とする車両用多気筒内燃機関の失火検出装置。
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