JP3957419B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置用ガラス基板、PDP用ガラス基板、半導体ウエハ等の各被処理基板に対して、基板に所定の処理液を供給することによって処理を行う基板処理装置、特に、基板を傾斜状態として処理を行う傾斜処理ユニットを有する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板処理装置は、一般に、基板に処理液を供給して処理を施す処理ユニットを含む複数の処理ユニット、例えば、薬洗ユニット、水洗ユニット、乾燥ユニット等を有している。このような基板処理装置では、基板を搬送ローラ等の搬送手段によって各処理ユニットに運び、各処理ユニットにおいて基板に処理を施す。
【0003】
上記の基板処理装置では通常基板を水平状態で保持・搬送して各処理ユニットで処理を施すが、近年、基板を傾斜状態で保持あるいは搬送しつつ基板に処理を施す装置が出現している。このように基板を傾斜姿勢として処理を行うと、処理液が基板の傾斜に沿って速やかに流下し、基板の処理効率が向上するというメリットが生じる。このため、最近は、基板を傾斜状態で処理する処理ユニットが増え、インラインシステムを構成する全ての処理ユニットを傾斜させる場合も多くなっている。
【0004】
このように基板を傾斜姿勢で処理する基板処理装置の一例を図7に示す。この基板処理装置1は、液晶表示器用のガラス基板上に形成された薄膜にエッチングを施す装置であって、ローダ2と、基板姿勢変更装置3と、エッチングユニット4と、水洗処理ユニット5と、乾燥ユニット6と、基板姿勢変更装置7と、アンローダ8とから構成されている。
【0005】
各ユニット4〜6は、基板を傾斜状態で保持・搬送して基板にそれぞれの処理を施す。一方、ローダ2に運ばれてくるカセットCやアンローダ8から運び去られるカセットCには基板が水平状態で収納されるので、基板姿勢変更装置3,7が基板の水平姿勢と基板の傾斜姿勢とを切り換えるために配備されている。基板姿勢変更装置3,7には、特開平9−155306号公報や特開平9−155307号公報に示されているような、基板を支持・搬送する搬送ローラを水平状態から傾斜状態に、あるいは傾斜状態から水平状態に変えることによって基板の姿勢を変更する方式の装置が採用されている。
【0006】
ここでは、前工程からローダ2に運ばれてきたカセットC内の基板は、基板移載ロボット2aのハンドによって取り出され、基板姿勢変更装置3内の水平状態となっている搬送ローラに載置される。そして、これらの搬送ローラが傾斜状態に変えられることで、基板姿勢変更装置3内で基板が水平姿勢から傾斜姿勢に変わる。その後基板は、傾斜姿勢のまま各ユニット4〜6に搬送されて処理を受け、基板姿勢変更装置7に移送される。ここで、基板の姿勢が傾斜姿勢から水平姿勢へと切り替えられ、アンローダ8の基板移載ロボット8aのハンドにより基板姿勢変更装置7から水平姿勢の基板が取り出されて、アンローダ8のカセットCに収納される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような基板を傾斜姿勢で処理する装置では、基板処理の処理効率や処理品質を向上させることができるが、処理の前後において基板の傾斜を水平状態と傾斜状態との間で変更する必要が生じる。このため従来においては、上記のように基板姿勢変更装置を配備して、この基板状態の変更を行っている。
【0008】
しかしながら、このように基板姿勢変更装置を配備する場合、基板処理装置全体の占有床面積(フットプリント)が大きくなるというデメリットがある。
【0009】
また、被処理基板、特にガラス基板は年々大型化しており、例えば幅が1mを超えるガラス基板を上記の基板姿勢変更装置で適当な角度に傾斜させるためには、搬送ローラを傾斜させるシリンダーストロークが数百mmとなってしまう。これにより、基板の姿勢変更に時間が取られてしまいスループットが低下するという問題も生じてくる。
【0010】
本発明の課題は、基板を傾斜姿勢として基板処理を行う基板処理装置の占有床面積を小さくすることにある。
【0011】
また、本発明の別の課題は、基板を傾斜姿勢として基板処理を行う基板処理装置において、基板の姿勢変更に要する時間を短縮することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る基板処理装置は、基板処理部と、基板搬入/搬出部と、基板移載ロボットと、制御部とを備えている。基板処理部は、傾斜状態の基板に対して処理を行う傾斜処理ユニットを含んでいる。基板搬入/搬出部は、基板を水平状態で搬入する、あるいは基板を水平状態で搬出する、あるいは基板を水平状態で搬出入する部である。すなわち、基板搬入/搬出部は、基板搬入部、基板搬出部、基板搬出入部のいずれかである。基板移載ロボットは、基板搬入/搬出部と基板処理部との間で基板の移載を行う。この基板移載ロボットは、基板を保持する保持部を有している。また、この基板移載ロボットは、その保持部の姿勢を、水平状態で基板を保持する姿勢及び傾斜状態で基板を保持する姿勢に変えることができる。制御部は、基板搬入/搬出部と基板処理部の傾斜処理ユニットとの間で 基板の移載を行う際に、保持部の姿勢を、基板を水平/傾斜状態で保持する姿勢から基板を傾斜/水平状態で保持する姿勢に変えさせる。そして、傾斜処理ユニットは、傾斜状態の基板の下端に当接し基板の傾斜方向下方への移動を抑えるサイドガイドと、基板の下面を支持する支持部材とを有している。また、制御部は、保持部により基板を保持して傾斜処理ユニットから基板搬出部へと基板を移載する際に、基板がサイドガイドから離反するように、支持部材に支持される基板の傾斜に対して垂直な向きよりも鉛直上向きに近い方向あるいは鉛直上向きに沿って基板を持ち上げる。
【0013】
本装置では、基板移載ロボットの保持部の姿勢を切り換えることができるようにして、保持部に保持された基板の姿勢を水平状態あるいは傾斜状態にさせる。すなわち、基板搬入/搬出部と基板処理部との間で基板の受け渡しを行う基板移載ロボットに、基板の姿勢を変更させる機能を与えている。
【0014】
このため、基板搬入/搬出部から傾斜処理ユニットへ、あるいは傾斜処理ユニットから基板搬入/搬出部へと基板を移す際に、従来設置していた基板姿勢変更装置のようなものを介さなくても、基板移載ロボットのみによって基板を移すことができるようになる。例えば基板搬入/搬出部から傾斜処理ユニットへと基板を移す際には、基板移載ロボットの保持部を水平状態で基板を保持できる姿勢にして基板搬入/搬出部から基板を取り出し、この保持部を傾斜状態で基板を保持する姿勢に変えた後に、傾斜処理ユニットへと基板を移載する。
【0015】
このように、ここでは基板搬入/搬出部と基板処理部との間で基板の受け渡しを行う基板移載ロボットに基板の姿勢を変更させる機能を与えたので、基板の姿勢を変更させる別の装置が不要となり、基板処理装置の占有床面積を小さく抑えることができる。
【0016】
なお、傾斜処理ユニットではなく基板を水平状態で処理する水平処理ユニットと基板搬入/搬出部との間で基板の移載を行う場合にもこの基板移載ロボットを使用することができ、この場合には、保持部の姿勢を変化させずに移載を行わせることになる。
【0017】
また、ここでは、傾斜処理ユニットにおいては基板が傾斜状態にあり、通常基板搬入/搬出部には基板が水平状態で存在することに鑑み、これらの両者の間で基板を移載する際に、制御部によって保持部の姿勢を変えさせている。
【0018】
さらに、本装置では、傾斜処理ユニットにおいて、基板は、下面を搬送ローラ等の支持部材に支持され、傾斜下端がサイドガイドによって支持されるが、この状態の基板を保持して基板移載ロボットが持ち上げる場合、基板の傾斜下端がサイドガイドに当接しているので、基板がサイドガイドと擦れ合ったり基板がサイドガイドと干渉する恐れがある。
【0019】
そこで、ここでは、このような不具合を回避するために、傾斜処理ユニット内で支持部材に支持されている基板を持ち上げる際には、保持した基板がサイドガイドから離れるような向きに基板を持ち上げるように制御している。具体的には、支持部材によって支持されている基板の傾斜に対して垂直な向きよりも鉛直上向きに近い向き、あるいは鉛直上向きに基板を持ち上げさせている。このような制御により、基板移載ロボットによる基板移載の際に基板がサイドガイドと擦れ合うことが回避される。
【0020】
請求項2に係る基板処理装置は、請求項1に記載の装置であって、基板移載ロボットの保持部は、基板を吸着することが可能である。また、保持部は、駆動手段によって所定の軸を中心に回動させられる。そして、制御部は、保持部の姿勢を水平状態で基板を保持する姿勢から傾斜状態で基板を保持する姿勢に、あるいは傾斜状態で基板を保持する姿勢から水平状態で基板を保持する姿勢に変えさせる際に、駆動手段によって前記の軸を中心として基板移載ロボットの保持部を回動させる。
【0021】
本装置では、保持部が基板を吸着することができるようになっているため、保持部が基板を傾斜状態に保持する姿勢となったときにも、保持部は基板を位置ずれさせることなく確実に保持することができる。
【0022】
また、保持部を所定の軸を中心として回動させることによって保持部の姿勢を変えさせる方式を採用しているため、基板の大きさが大きくなったときにも、同程度の時間で、保持部の姿勢変更、すなわち基板の姿勢変更を完了させることができる。すなわち、基板の大きさにかかわらず回動させる角度は一定であるため、基板が大きくなった場合にも短時間で基板の姿勢変更を終わらせることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
<装置の全体構成>
図1に本発明の一実施形態である基板処理装置10を示す。基板処理装置10は、液晶表示器用のガラスの基板上に形成された薄膜にエッチングを施す装置であって、主として、ローダ12及びアンローダ18と、基板移載ロボット20と、基板処理部(エッチングユニット14,水洗処理ユニット15,乾燥ユニット16)とから構成されている。各ユニット14〜16内には、図4及び図5に示す搬送ローラ(支持部材)40及びサイドガイド50が複数配備されている。また、各ユニット14〜16の下方の空間には、エッチングユニット14に薬液を供給するための薬液槽や配管、水洗処理ユニット15に純水を供給するための純水槽や配管、高圧空気・排気・排液・排水等の各種配管、制御装置や電気配線等が配置されている。
【0024】
<基板の各ユニットでの姿勢>
本装置10のエッチングユニット14,水洗処理ユニット15,及び乾燥ユニット16では、搬送ローラ40及びサイドガイド50により、基板Wが傾斜状態で保持・搬送される(図4及び図5参照)。この基板Wの傾斜は、水平面Hに対して角度θだけ傾斜する傾斜である(図5参照)。そして角度θは、エッチングの効率等を考慮して、5゜〜10゜の範囲で所定値に設定されている。
【0025】
搬送ローラ40は、図4に示すように基板搬送方向(図1の左から右に向かう方向)に直交して延びるもので、基板搬送方向に沿って概ね等間隔に複数配置されている。この搬送ローラ40は、図5に示すように、水平面Hに対して角度θだけ傾斜する回転軸41と、回転軸41に固定される基板支持ローラ(支持部材)42と、回転軸41の上部に固定される鍔ローラ43とから構成されている。回転軸41は、その両端が各ユニットの側壁に軸受を介して回転自在に支持されている。また、図示しない搬送ローラ用駆動モータによって、複数の回転軸41が回転させられる。基板支持ローラ42は、基板Wの幅方向の両側部と中央部とを支持することができるように、回転軸41の3箇所に固定されている(図4及び図5参照)。これらの基板支持ローラ42の表面部分は、ゴムや合成樹脂等の基板Wに対する摩擦係数の大きな材料から構成されており、基板支持ローラ42上で傾斜下方に基板Wが滑り難いようにしている。鍔ローラ43は、回転軸41の傾斜上部にある基板支持ローラ42の上側において回転軸41に固定される。この鍔ローラ43は、円錐台形状であって、底面部分が基板支持ローラ42よりも大径に設定されている。
【0026】
サイドガイド50は、図4に示すように、基板搬送方向において搬送ローラ40の間に配置されている。このサイドガイド50は、搬送ローラ40の回転軸41とは直交する方向に延びる支持軸51と、この支持軸51に回転自在に装着されている下端支持ローラ52とを有している。下端支持ローラ52は、その周面が基板Wの傾斜下端と接するような位置において、支持軸51に軸受を介して装着されている。また、下端支持ローラ52の回転軸は基板Wと直交する方向に延びているため、基板Wの搬送方向への移動に従って下端支持ローラ52は基板搬送方向に沿って回転する。このサイドガイド50は、下端支持ローラ52が基板Wの下端に当接しこれを側方から支持することによって、基板Wの傾斜下方への移動を抑える役割を果たす。
【0027】
<基板移載ロボットの構成>
基板移載ロボット20は、ローダ12及びアンローダ18にそれぞれ配備されるものであって、ローダ12にあるカセットCからエッチングユニット14への基板の移載、あるいは乾燥ユニット16からアンローダ18にあるカセットCへの基板の移載を行うロボットである。この基板移載ロボット20は、ローダ12やアンローダ18の各カセットCにハンド部21を出入りさせる必要があるため、基板搬送方向と直交する方向(図1の上下方向)に移動が可能にされている。これは、図2に示すロボット載置部材28が図示しない駆動装置によってレール29に沿って移動することにより為される。レール29は図1の上下方向に沿って設けられており、ロボット載置部材28及び基板移載ロボット20は制御部(図示せず)からの指令によってレール29に沿って移動する。
【0028】
基板移載ロボット20は、主として、本体部26と、3つのアーム部23,24,25と、水平軸回転部22と、ハンド部(保持部)21から構成されている。
【0029】
本体部26は、断面がL字型の上記のロボット載置部材28に載置され固定されている。この本体部26には、鉛直方向に延びる円柱部材26aと、この円柱部材26aを上下に移動させる駆動手段が組み込まれている。円柱部材26aの上端には、第1アーム部25が平面的に回動自在に連結されている。第1アーム部25は、図2の矢印A5で示す方向に回転可能である。第1アーム部25の円柱部材26aとの連結部とは反対側の端部には、その上側に配置される第2アーム部24の一端が平面的に回動自在に連結されている。この第2アーム部24は、図2の矢印A4で示す方向に回転可能である。第2アーム部24の他端には、その上側に配置される第3アーム部23の一端が平面的に回動自在に連結されている。この第3アーム部23は、図2の矢印A3で示す方向に回転可能である。第3アーム部23の他端には、水平に延びる回転軸22aを有するサーボモータ(駆動手段)が組み込まれた水平軸回転部22が固定されている。回転軸22aは、図2の矢印A2で示す方向に回転可能である。
【0030】
回転軸22aには、図2に示すハンド部21が装着されている。このハンド部21は、制御部の指令によるサーボモータの回転軸22aの回動によって、図3の実線で示す水平状態と、図3の点線で示す傾斜状態とが切り替えられる。また、ハンド部21は、その上面で基板Wを支持するときに、図示しない吸着ポンプを駆動させることによって基板Wを吸着させることができる。
【0031】
<装置の動作>
前工程からローダ12に運ばれてきたカセットCには、複数の基板が水平姿勢で収容されている。まず制御部は、ローダ12の基板移載ロボット20を所定のカセットCの正面に移動させ、各アーム部23〜25の動きを制御して、このカセットCに基板移載ロボット20のハンド部21を進入させる。このときのハンド部21の姿勢は水平状態としておく。そして、保持する基板の下面にハンド部21を接触させ、円柱部材26aを上昇させることで基板を少し持ち上げた後に、ハンド部21に基板を吸着させる。
【0032】
次に、ハンド部21を水平状態のままカセットCから引き出させ、ハンド部21の向きを反転させるとともに基板移載ロボット20をエッチングユニット14の正面に移動させる。
【0033】
次に、水平軸回転部22のサーボモータを制御して、水平状態のハンド部21を傾斜させ、基板を水平面に対して角度θだけ傾いた傾斜状態とさせる。そして、制御部は、エッチングユニット14の搬入口を閉めていたシャッター(図示せず)を開けて、図4に示すように図示しない搬入口からエッチングユニット14の内部にハンド部21を進入させる。このときには、図5の点線で示すように搬送ローラ40の基板支持ローラ42の上面よりも少し高い位置に基板Wが保持された状態で、基板Wを保持した傾斜姿勢のハンド部21がエッチングユニット14の内部に入る。
【0034】
ハンド部21をエッチングユニット14内の所定位置まで進入させると、次に制御部は、ほぼ鉛直下方にハンド部21を下降させ、基板Wが基板支持ローラ42の接触するときにハンド部21による基板Wの吸着を解除する。すると、基板Wはハンド部21から基板支持ローラ42に載り移る。この後も制御部はハンド部21の下降を少しだけ続けさせ、図5に示すようにハンド部21を基板Wと搬送ローラ40の回転軸41との間に位置させる。このときには、基板Wは、下面が各基板支持ローラ42に支持され、傾斜下端がサイドガイド50の下端支持ローラ52に側方から支持されている状態となる。
【0035】
この基板Wの搬送ローラ40への移載の詳細な好適動作は、エッチングユニット14内に進入したハンド部21が下降を開始すると共に吸着を解除し、基板支持ローラ42に当接したとき約0.5秒待機した後、更に下降するのが望ましい。こうすることにより、基板Wとハンド部21との吸着状態がスムーズに解除される。
【0036】
また、基板Wの基板支持ローラ42への移載位置は、基板Wの傾斜下端がサイドガイド50と約1mmの隙間を保つ位置とされる。これにより、基板Wがハンド部21上で少なからず傾斜し吸着された状態で移載が行われ、基板Wの四隅の角部がサイドガイド50に当接した状態で基板Wの搬送が行われることが防止される。すなわち、角部が当接していると少なからず搬送抵抗となるが、サイドガイド50と隙間を有することにより、駆動がかかり搬送が開始された時、サイドガイド50に沿って傾斜下端がサイドガイド50に当接するため、基板Wはスムーズに搬送される。
【0037】
このように基板Wの搬送ローラ40への移載が完了すると、制御部はエッチングユニット14からハンド部21を抜き出させる。このときには、ハンド部21は傾斜姿勢を保ったまま、基板搬送方向に沿って同じ高さ位置でまっすぐ抜き出される。そして、ハンド部21がエッチングユニット14から出た後に、エッチングユニット14の搬入口が閉められ、エッチングユニット14での基板処理が始められる。
【0038】
エッチングユニット14では、エッチング用の薬液が基板に噴射され、基板表面上の薄膜が所定の厚さだけ食刻される。このようにエッチングされた基板は、次に水洗処理ユニット15に送られて、基板に付着した薬液が洗い流される。そして、水洗処理を終えた基板は、乾燥ユニット16でエアー吹き付けによる乾燥処理が行われた後に、アンローダ18の基板移載ロボット20によってアンローダ18のカセットCに収容される。
【0039】
乾燥ユニット16での処理を終えて搬送ローラ40上に載置されている基板Wは、以下のようにして、ローダ12のカセットCからエッチングユニット14に基板を移載するときの手順とは概ね逆の手順で、アンローダ18のカセットCに収容される。
【0040】
乾燥ユニット16の搬出口付近において搬出を待つ状態の基板Wは、図5に実線で示されているように搬送ローラ40及びサイドガイド50に支持されている。ここから基板Wを搬出する際には、まず基板移載ロボット20のハンド部21を乾燥ユニット16の基板Wの下方に傾斜姿勢で進入させる。そして、図5に示す状態からハンド部21をほぼ鉛直上方(図5の矢印A2の向き)に上昇させ、基板Wに接触するときに基板Wをハンド部21に吸着させる。そして、ハンド部21の上昇により基板Wが図5の点線で示す高さ位置まで持ち上がると、ハンド部21を乾燥ユニット16から抜き出す。そして、ハンド部21を反転させ、ハンド部21を傾斜状態から水平状態に変えさせ、基板移載ロボット20を所定のカセットCの正面に移動させる。そして、ハンド部21を所定の高さに合わせてカセットCに進入させ、基板をカセットC内に載置させる。
【0041】
この搬送ローラ40及びサイドガイド50に支持された基板Wの搬出の詳細な好適動作は、基板移載ロボット20のハンド部21の傾斜姿勢を、基板支持ローラ42の傾斜角度にプラスアルファ(約1度加算)した角度に傾けた後、持ち上げる。ハンド部21の吸着ポンプの駆動は、ハンド部21の持ち上げ開始と同時で、基板Wにハンド部21が接触したところで約0.5秒待機する。待機後、更にハンド部21は上昇し、基板Wを搬送ローラ40及びサイドガイド50より完全に離脱させる。すなわち、基板Wの傾斜上端を若干持ち上げて、ハンド部21に基板Wが確実に吸着される保持力を確保した状態で、基板Wの搬出を行う。
【0042】
このようにアンローダ18のカセットCに収納された基板は、カセットCごと次工程に運ばれていく。
【0043】
<装置の特徴>
(1)
本装置10では、基板移載ロボット20のハンド部21の姿勢を変えることができるように構成し、ハンド部21に保持された基板の姿勢を水平状態あるいは傾斜状態にさせている。すなわち、ローダ12やアンローダ18のカセットCと傾斜姿勢の基板に処理を施すユニット14,16との間で基板の受け渡しを行う基板移載ロボット20に、基板の傾斜状態を変更させる機能を与えている。
【0044】
このため、カセットCからエッチングユニット14へ、あるいは乾燥ユニット16からカセットCへと基板を移す際に、従来設置していた基板姿勢変更装置のようなものを介さなくても、基板移載ロボット20のみによって基板の姿勢を変化させて基板を移載することができるようになっている。したがって、本装置10では、図1と図7とを対比比較すればわかるように、基板の姿勢を変更させるための装置3,7(図7参照)に相当するものがなくなっており、占有床面積が小さく抑えられている。
【0045】
(2)
本装置10では、ハンド部21に単に基板を載置させるだけではなく、ハンド部21に基板を吸着させるように構成している。このため、ハンド部21が基板を傾斜状態に保持する姿勢となったときにも、ハンド部21は基板を位置ずれさせることなく確実に保持することができる。
【0046】
(3)
本装置10では、ハンド部21をサーボモータの回転軸22aを中心として回動させることによって、ハンド部21の姿勢を変えさせる方式を採用している(図3参照)。このため、基板の大きさが大きくなったときにも、ハンド部21の姿勢変更、すなわち基板の姿勢変更にかかる時間を短く抑えることが容易である。すなわち、基板の大きさが大きくなっても回転軸22aを回動させる角度は変わらないため、基板が大きくなった場合にも短時間で基板の姿勢変更を完了させることができる。
【0047】
(4)
本装置10では、乾燥ユニット16において、基板Wは、下面を搬送ローラ40の基板支持ローラ42に支持され、傾斜下端をサイドガイド50の下端支持ローラ52によって支持されている(図5参照)。そして、この状態の基板Wをハンド部21により持ち上げさせる場合に、制御部は、基板Wを保持したハンド部21を基板の傾斜に対して垂直な方向(図5の矢印A1の向き)に持ち上げるのではなく、概ね鉛直方向(図5の矢印A2の向き)に持ち上げている。このため、基板Wは、下端支持ローラ52から離れるように上昇する。したがって、基板Wが基板支持ローラ42から持ち上げられるときに、基板Wの傾斜下端が下端支持ローラ52と擦れ合ったり、基板Wが下端支持ローラ52に干渉して損傷するというような不具合が発生しない。
【0048】
[他の実施形態]
(A)上記実施形態においては、基板搬入部であるローダ12のカセットCからエッチングユニット14に基板を移載する基板移載ロボット20、及び乾燥ユニット16から基板搬出部であるアンローダ18のカセットCに基板を移載する基板移載ロボット20を有する基板処理装置10を記載しているが、本発明はローダ12とアンローダ18との役割を兼ねたインデクサー(基板搬出入部)112により基板を搬出入する基板処理装置にも適用することが可能である。
【0049】
図6に示す基板処理装置は、処理ユニット114〜116及び処理ユニット118〜120を備え、インデクサー112のカセットCから処理ユニット114に搬入された基板を各処理ユニット115,116,118,119,120に順次搬送しながら基板処理を行い、処理ユニット120からインデクサー112のカセットCに基板を戻すUターン型の基板処理装置である。各処理ユニットは基板を傾斜させて処理を行う処理ユニットであり、処理ユニット116,118間は、基板を傾斜状態に保持して横にスライドさせるスライダー117によって結んでいる。
【0050】
ここでは、上記実施形態で説明したものと同じ構成の基板移載ロボット20が、インデクサー112のカセットCから処理ユニット114への基板の移載と処理ユニット120からインデクサー112のカセットCへの基板の移載との両方を行う。この移載の手順については、上記実施形態におけるローダ12のカセットCからエッチングユニット14への基板の移載、乾燥ユニット16からアンローダ18のカセットCへの基板の移載と同様である。
【0051】
(B)上記実施形態においてはハンド部21に吸着させた基板Wを水平状態でカセットCから処理ユニット側へ反転させているが、この反転動作中にハンド部21を傾斜状態へと駆動制御してもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明では、基板搬入/搬出部と基板処理部との間で基板の受け渡しを行う基板移載ロボットに基板の姿勢を変更させる機能を与えたので、基板の姿勢を変更させる別の装置が不要となり、基板処理装置の占有床面積を小さく抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成図。
【図2】 基板移載ロボットの斜視図。
【図3】 基板移載ロボットの正面図。
【図4】 基板移載ロボットの動作一状態図。
【図5】 搬送ローラ等の正面図。
【図6】 他の実施形態の基板処理装置の概略構成図。
【図7】 従来の基板処理装置の概略構成図。
【符号の説明】
10 基板処理装置
12 ローダ(基板搬入部)
14 エッチングユニット(傾斜処理ユニット)
16 乾燥処理ユニット(傾斜処理ユニット)
18 アンローダ(基板搬出部)
20 基板移載ロボット
21 ハンド部(保持部)
22a 回転軸(軸)
40 搬送ローラ(支持部材)
42 基板支持ローラ(支持部材)
50 サイドガイド
52 下端支持ローラ
112 インデクサー(基板搬出入部)
114,120 処理ユニット(傾斜処理ユニット)
Claims (2)
- 傾斜状態の基板に対して処理を行う傾斜処理ユニットを含む基板処理部と、
水平状態で基板を搬入/搬出する基板搬入/搬出部と、
前記基板搬入/搬出部と前記基板処理部との間で基板の移載を行うロボットであって、基板を保持する保持部を有し、基板を水平状態で保持する姿勢及び基板を傾斜状態で保持する姿勢に保持部の姿勢を変えることができる基板移載ロボットと、
前記基板搬入/搬出部と前記基板処理部の傾斜処理ユニットとの間で基板の移載を行う際に、前記保持部の姿勢を、基板を水平/傾斜状態で保持する姿勢から基板を傾斜/水平状態で保持する姿勢に変えさせる制御部と、
を備え、
前記傾斜処理ユニットは、傾斜状態の基板の下端に当接し基板の傾斜方向下方への移動を抑えるサイドガイドと、基板の下面を支持する支持部材とを有しており、
前記制御部は、前記保持部により基板を保持して前記傾斜処理ユニットから前記基板搬出部へと基板を移載する際に、基板が前記サイドガイドから離反するように、前記支持部材に支持される基板の傾斜に対して垂直な向きよりも鉛直上向きに近い方向あるいは鉛直上向きに沿って基板を持ち上げることを特徴とする、
基板処理装置。 - 前記保持部は、基板を吸着することが可能であって、駆動手段によって所定の軸を中心に回動させられるものであり、
前記制御部は、前記保持部の姿勢を、水平/傾斜状態で基板を保持する姿勢から傾斜/水平状態で基板を保持する姿勢に変えさせる際に、前記駆動手段によって前記軸を中心として前記保持部を回動させる、
請求項1に記載の基板処理装置。
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