JP3956450B2 - 着色成形材料、成形品及びその製造方法 - Google Patents

着色成形材料、成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、均一着色性、表面平滑性に優れ、濃色の着色成形品でも色むらの起きない着色成形材料、その成形品及びその製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
不飽和ポリエステルに代表される熱硬化性樹脂は、多くの分野で成形材料として用いられている。その中で特にバルクモールディングコンパウンドやシートモールディングコンパウンドは、住設、電気、自動車関連分野に用いられており、年々その高機能化が要求されてきている。
【0003】
該成形材料は、通常、(a)液状ラジカル硬化性不飽和樹脂、(b)硬化触媒、(c)低収縮化剤、(d)無機フィラーおよび(e)顔料からなる組成物である。これらの成形材料には、硬化時に収縮しクラックを発生する問題から、収縮率を低下させるため、通常液状の低収縮化剤が混合される。しかし、低収縮化剤の添加された着色成形材料によって得られる着色成形品は、スカミング、光沢斑、色斑などの欠点が生じ、パステル調(薄)色ではさほど問題はないものの、濃色では該欠陥が顕著となり濃色の成形品を製品化できないのが現状である。また、該成形材料は、通常液状物を混合してから粉末状物を混ぜることが行われている。
【0004】
同様の問題は、バルクモールディングコンパウンドやシートモールディングコンパウンドのみならず、常温および中温で成形する注型用成形材料やポリマーコンクリートについても発生し、製品欠陥をまねく成形材料として重大な問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、濃色の着色成形材料を成形品とした際、色斑(色むら)が発生しないようすること、表面平滑性、均一着色性に優れる成形品、それを得ることの可能な成形材料、その製造方法にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
即ち、本発明は、(a)液状ラジカル硬化性不飽和樹脂、(b)硬化触媒、(c)低収縮化剤、(d)無機フィラーおよび(e)顔料からなる着色成形材料において、スチレン単量体に50℃以下では溶解せず、平均粒径が30μm以下の粉末状物質 (f) が、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物からなる部分架橋共重合体であり、部分架橋共重合体が、カルボキシル基を有した、金属イオンによってなされた部分架橋樹脂粉末である粉末状物質(f)を低収縮化剤(c)より先に混合分散させることを特徴とする着色成形材料を提供する。
【0008】
次に本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の着色成形材料とは、加熱圧縮成形に用いられるSMCおよびBMC、または注型による成形に用いられる成形材料および、水硬性ケイ酸塩材料、水および骨材を含むポリマーコンクリート用成形材料である。
【0010】
本発明で使用される液状ラジカル硬化性不飽和樹脂(a)は、不飽和ポリエステル樹脂(a-1)、エポキシアクリレート樹脂(a-2)、不飽和ポリエステルアクリレート樹脂(a-3)、多官能アクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類を含むアクリル樹脂(a-4)、アクリルウレタン樹脂(a-5)などが挙げられる。さらに、各種不飽和ポリエステルの混合物、前述の樹脂を併用できる。
【0011】
本発明に使用される不飽和ポリエステル樹脂(a-1)とは、好ましくは不飽和ポリエステル(a-1-1)及び不飽和重合性単量体(a-1-2)からなるものであれば特に制限はなく、従来不飽和ポリエステル樹脂成形品に慣用されている公知の不飽和ポリエステル(a-1)を使用することができる。この不飽和ポリエステル(a-1-1)は、α,β−不飽和カルボン酸または場合により飽和カルボン酸を含むα,β−不飽和カルボン酸とアルコールを縮合反応することから得られるものである。
【0012】
α,β−不飽和カルボン酸としては、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、クロロマレイン酸、あるいはこれらのジメチルエステル類などが挙げられる。これらのα,β−不飽和カルボン酸はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、飽和カルボン酸としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘッド酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などが挙げられる。これらの飽和カルボン酸はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0013】
一方、アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンモノアリルエーテル、水素化ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどのジオール類、トリメチロールプロパンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。これらのアルコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
該不飽和ポリエステル(a-1-1)を主成分とする樹脂組成物の不飽和重合性単量体(a-1-2)としては、例えばスチレンの他に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどに代表される(メタ)アクリル酸エステル類を単独、もしくは2種以上を併用することもできる。
【0015】
エポキシアクリレート樹脂(a-2)とは、エポキシ骨格(エポキシ樹脂)の末端をα,β−不飽和二塩基酸と当量比で1対2となるよう反応せしめて得られるものである。エポキシ樹脂は、例えば日刊工業新聞社発行プラスチック材料講座1「エポキシ樹脂」(昭和11年5月10日発行、縞本邦之編著)第19頁〜第48頁に記載されたエポキシ樹脂である。
【0016】
不飽和ポリエステルアクリレート樹脂(a-3)とは、不飽和ポリエステル末端のカルボキシル基と不飽和グリシジル化合物とを付加反応せしめたものである。この不飽和ポリエステルは前記のものが使用できる。
【0017】
多官能アクリル酸エステル類および(メタ)クリル酸エステル類を含むアクリル樹脂(a-4)とは、(メタ)クリル酸エステル類を必須とする重合性単量体を予備重合し、重合体と単量体とが共存するもの、(メタ)クリル酸エステル類を必須とする重合性単量体中に溶解した(メタ)クリル酸系重合体である。このメタクリル酸系重合体は、共重合成分として他の不飽和単量体を含んでもよい。多官能アクリル酸エステル類とは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等挙げられる。
【0018】
アクリルウレタン樹脂(a-5)とは、ポリオール、好ましくはポリエーテルポリオールの末端ヒドロキシル基に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類を過剰量付加し、次に得られる化合物のイソシアネート基に水酸基含有アクリル化合物、あるいは水酸基含有アリルエーテル化合物と水酸基含有アクリル化合物とをを反応させて得られるものである。
【0019】
本発明に使用される硬化触媒(b)は、分解してラジカルを発生しラジカル硬化性不飽和樹脂を架橋、重合して、組成物全体を硬化させる作用を有するものである。硬化触媒(b)は、成形に使用する温度に応じて適時選択することができる。注型成形のための温度が25℃(常温)から100℃である場合は、60〜80℃における半減期が2時間以下である触媒、例えば、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートを使用し、あるいは、硬化触媒(b)と硬化促進剤(g)を併用して触媒の分解温度を下げて使用することが好ましい。このような硬化触媒(b)と硬化促進剤(g)の組み合わせとしては、例えば、ケトンパーオキサイドとコバルトの有機酸塩、アシルパーオキサイドと芳香族3級アミン、ハイドロパーオキサイドとバナジウム塩などを挙げることができる。成形のための硬化温度が100〜160℃である場合は、通常の高温硬化型の触媒を使用することが好ましい。このような高温硬化触媒としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどを挙げることができる。硬化触媒は1種のみを用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。硬化触媒(b)の添加量は、ラジカル硬化性不飽和樹脂(a)100重量部に対して0.5〜7重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
【0020】
本発明の低収縮化剤(c)とは、通常、不飽和樹脂に用いられるものが使用可能で、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタンおよびアクリルゴム等が使用され得る。また、該ポリマーのスチレン、(メタ)アクリル酸エステル類などのラジカル重合性二重結合を有する反応性単量体で溶解されたものも用いることができる。この添加量は、ラジカル硬化性不飽和樹脂(a)100重量部に対して好ましくは1〜100重量部である。
【0021】
本発明の無機フィラー(d)としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト石灰石、セッコウ、アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデンなどが挙げられる。これらの無機フィラー(d)は、作業性や得られる成形品の強度、外観、経済性などを考慮して選ばれるが、通常炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム、シリカなどが好ましく用いられる。この添加量は、ラジカル硬化性不飽和樹脂(a)100重量部に対して好ましくは100〜350重量部である。
【0022】
本発明の顔料(e)とは、特に制限されるものではないが、ビヒクルとして飽和ポリエステルを使用することが好ましい。濃色として黄色酸化鉄(鉄黄)、赤色酸化鉄(弁柄)、カーボンブラック、フタロシアニンブルー等を挙げることができる。この添加量は、ラジカル硬化性不飽和樹脂(a)100重量部に対して好ましくは0.01〜20重量部である。
【0023】
スチレン単量体に50℃以下では溶解しない粉末状物質(f)としては、部分架橋樹脂粉末である。この添加量は、ラジカル硬化性不飽和樹脂(a)100重量部に対して好ましくは1〜50重量部である。50℃以下のスチレン単量体に溶解する粉末状物質だと混合時に急激な粘度上昇があり、均一な混合物均一な着色性を実現できない。ここでいう溶解しないとは、スチレン単量体100重量部に粉末状物質(f)を1重量部添加した時に5%以上粒径が変動しない状態をいうものである。
【0024】
部分架橋樹脂粉末(f)とは、好ましくは部分架橋した(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル化合物の共重合体であり、具体的には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物の中から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を含有する樹脂粉末状物質である。このアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等があげられる。また、これらと共重合可能な単量体としての芳香族ビニル化合物とは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられ、他の化合物として、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系化合物、メタアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、などのメタクリルアミド系化合物およびグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルアクリレートなどを併用することもできる。
【0025】
部分架橋に用いられる成分としては、アクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系単量体とラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2つ以上有する架橋性単量体が用いられ、具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートヘキサンジオールジアクリレート、オリゴエチレンジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、オリゴエチレンジメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニル単量体、トリメリット酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレートなどが例示される。
【0026】
さらに、カルボキシル基を有し、金属イオンによって部分架橋させた粉末状物質(f)としてとは、遊離カルボキシル基を有する単量体、具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸などの不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸などのジカルボン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチルなどの不飽和ジカルボン酸のモノエステルなどを(メタ)アクリル酸エステル類および芳香族ビニル化合物と乳化重合によって共重合させ、金属カチオンを添加してカルボキル基間をイオンまたは配位結合させたものである。この金属カチオンとしては、例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム、セシウムなどの一価の金属イオン、カルシウム、亜鉛、スズ、クロム、鉛などの二価の金属イオンなどを使用することができるが、特に周期律表I〜II属に属する金属の一価または二価のイオンが好ましい。また、該カチオンの供給体としては、前記金属類の酸化物、水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、亜硝酸塩、亜硫酸塩などの無機酸の塩、さらにはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクチル酸、カプリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノレン酸、コハク酸、アジピン酸、ナフテン酸、チオカルボン酸などの有機酸の塩、アセチルアセトン塩、エトキシドやメトキシドなどのアルコラートなどがあげられる。これらの金属カチオンの中で、特に一価の金属の水酸化物およびカルボン酸塩が反応効率や加熱成形品の機械的強度の点から有効である。前記の一価および二価のカチオン供給体は、溶液中においては、室温で数分以内でイオン架橋反応が可能であるという特徴を有している。
【0027】
スチレン単量体に50℃以下では溶解しない粉末状物質(f)としての(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル化合物の共重合体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物の中から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を含有する樹脂粉末状物質(f)で、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、などがあげられる。
【0028】
また、これらと共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系化合物、メタアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、などのメタクリルアミド系化合物およびグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルアクリレートなどから選ばれた1種もしくは2種以上の組み合わせで、水中で乳化重合を行いシードとし、組成の異なる上記単量体、アクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系単量体とラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2つ以上有する架橋性単量体および遊離カルボキシル基を有する単量体から選ばれる2種以上の組み合わせの単量体をシェル部として共重合させ、コア/シェル型ラテックスとし、多翼型回転ディスク式、円盤型回転ディスク式、ノズル式などで噴霧乾燥することにより、粉末状のコア/シェル型共重合体が得られる。この乾燥の場合、一般にコア/シェル型共重合体は噴霧液滴単位で凝集し、20〜100μm程度の凝集粒子を形成する。凝集の程度は乾燥条件によって異なり、乾燥後に粉砕してほぐす工程をもうけることもできる。また、乳化重合後に塩析法や凍結法によりラテックス粒子を凝固分離し、脱水して調製したウェットケーキを流動床などで乾燥して、凝集粒子状として得ることもできる。
【0029】
本発明に用いられるスチレン単量体に50℃以下では溶解しない粉末状物質(f)としての金属粉とは、鉄粉、銅粉、アルミ粉などが用いられるが、特に制限されるものではないが、粒径が30μm以下であればよい。
【0030】
本発明に用いられるスチレン単量体に50℃以下では溶解しない粉末状物質(f)としてのガラス粉とは、特に制限されるものではないが、粒径が30μm以下であればよい。
【0031】
本発明においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、従来BMC/SMC用不飽和ポリエステル樹脂組成物に慣用されている各種添加剤、例えば、離型剤、繊維強化材、消泡剤、減粘剤なども所望に応じ配合することができる。本発明の成形材料をBMC/SMCとする際には、繊維強化材を用いる。
【0032】
離型剤とは、例えばステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩、あるいはアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。この離型剤は樹脂分100重量部に対して、好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。これらの他に、消泡剤、減粘剤などを必要に応じて用いることができる。
【0033】
繊維強化材としては、通常繊維強化材として用いられるものでよく、例えば、ガラス繊維、ポリエステル繊維、フェノール繊維、ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポリアミド繊維、ナイロン繊維、炭素繊維がある。これらの形態としては、例えば、チョップドストランド、チョップドストランドマット、ロービング、織物状などが挙げられる。これらの繊維強化材は樹脂組成物の粘度や得られる成形品の強度などを考慮して選ばれる。
【0034】
チョップドストランドの長さは、好ましくはSMCで5〜60mm、BMCで2〜8mmである。
【0035】
また、SMCおよびBMCを製造する場合には、増粘剤として酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属酸化物や水酸化物を添加することができる。
【0036】
本発明による注型用成形材料の製造法は、常温で液状のラジカル硬化性不飽和樹脂(a)に、例えば、プラネタリーミキサー、ニーダーなどの公知の混合機を用いて、所定の割合のスチレンに50℃以下では溶解しない粉末状物質(f)を十分に分散させた後、ついで硬化触媒(b)、低収縮化剤(c)を混合分散させる。さらに顔料(e)、無機フィラー(d)、必要に応じて内部離型剤、分散剤を加え攪拌混合する。混合後、真空ポンプにて減圧脱泡し、所望の成形型に流し込み成形する。型の材質は特に限定されるものではなく、樹脂型、ステンレス型、金型など一般に用いられる型を使用することができる。硬化条件は、常温から160℃の範囲内である。
【0037】
本発明によるSMC成形材料の製造法は、常温で液状のラジカル硬化性不飽和樹脂(a)に、例えば、プラネタリーミキサー、ニーダーなどの公知の混合機を用いて、所定の割合のスチレン単量体に50℃以下では溶解しない粉末状物質(f)を十分に分散させた後、硬化触媒(b)、低収縮化剤(c)を混合分散させる。さらに顔料(e)、無機フィラー(d)、必要に応じて内部離型剤、分散剤、最後に増粘剤としてMgOを加え混合攪拌する。SMCを作製する場合の繊維強化材の添加部位は、通常SMCマシンにおける混合物圧延工程の手前である。混合機で調製されたコンパウンドは、2つの離型フィルムの一方または双方にフローコーターまたはドクターナイフによって0.3〜5mmの一定の厚さに塗布し、その上に繊維強化材をチョッパーにより切断して散布してから塗布面を内にして貼合わせ、圧延機によって圧延し厚さ0.5〜7mmのシートを得、両面を離型フィルムで被覆した状態でローラーによって巻とるか、折り畳むことにより製造される。
【0038】
増粘工程は、増粘剤の種類および量によって異なるが、常温および加熱によって数時間から数日行われる。得られたSMCの離型フィルムは、剥離性良好であるものを用いる。
【0039】
本発明によるBMCの製造法は、例えば、プラネタリーミキサー、ニーダーなどの公知の混合機を用いて常温で液状のラジカル硬化性不飽和樹脂(a)に、所定の割合のスチレン単量体に50℃以下では溶解しない粉末状物質(f)を十分に分散させた後、繊維強化材、硬化触媒(b)、低収縮化剤(c)を混合分散させる。さらに顔料(e)、無機フィラー(d)、必要に応じて内部離型剤、分散剤、最後に増粘剤としてMgOを加え混合攪拌する。混合された組成物はポリエチレンの袋に取り出し、密閉する。組成物はSMCの場合と同様、常温および加熱によって増粘させる。BMCの形状は、ペレット状、小石状、レンガ状など種々の形状と大きさが可能であるが、通常、径または一辺が0.7cm〜1mの大きさである。
【0040】
本発明においてポリマーコンクリート成形材料として使用する際のCaO、SiO2を含有する水硬化ケイ酸塩材料としては、好ましくはCaOが45〜70重量%、SiO2が15〜30重量%含み、これらで100%にならないときの他の成分、例えば、Al23、Fe23、MgO、SO3等を含むものが挙げられる。好ましくはポルトランドセメントである。また、混合セメント即ち、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等も使用可能である。更に特殊セメント、例えば、白色セメント、アルミナセメント、オイルウェルセメント、コロイドセメント、急硬化性セメント、高硫酸塩スラグセメント等も使用できる。
【0041】
さらに、ポリマーコンクリート成形材料として使用する場合の水とは、一般に使用される水道水、井戸水、海水や硫酸塩を含む水等でも良く、好ましくは日本建築学会、建築工事標準仕様書、同解説JASS 5鉄筋コンクリート工事に合格する水である。
【0042】
さらに、ポリマーコンクリート成形材料で使用される骨材とは、好ましくはシリカを主成分とする砂、砂利、砕石その他これに類似する材料をいう。粒径の大きさは、5mmふるいを重量で85%以上通過する細粒の骨材と、5mmふるいに重量で85%以上とどまる粗粒の骨材があるが、細粒と粗粒の混合物が好ましい。骨材に細粒のみを使用したセメント等との組成物はモルタルになり、粗骨材のみ或いは粗骨材と細骨材の混合物をセメント等と使用すると一般にはコンクリート用組成物になる。骨材には、天然骨材と人工骨材がある。前者として、川砂利、川砂、山砂利、山砂、海砂利、海砂がある。後者は、岩石、粘土、産業副産物等を原料としこれを加工したものであって、砕石、砕砂、珪砂、スラグ砕石、スラグ砕砂、人工軽量骨材等が挙げられる。
【0043】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、文中「部」とあるのは、重量部を示すものである。
【0044】
(参考例1)部分架橋ポリスチレンの製造
スチレン99重量部、ジビニルベンゼン1重量部を、攪拌機を備えた反応機に仕込み、乳化剤としてメタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体からなる高分子乳化剤1重量部、触媒として過硫酸カリウム0.1重量部を添加し、水150重量部中で重合温度90℃にて240分間攪拌した後、重合添加率98%になるまで重合を行った。得られたラテックスの平均粒子型はいずれも0.1〜0.7μmの範囲内であった。得られたラテックスをスプレードライによって150℃で噴霧乾燥し粉末状物質(f)を得た。
【0045】
(参考例2)コア/シェル共重合体の製造
n−ブチルアクリレート40重量部を、攪拌機を備えた反応機に仕込み、乳化剤としてメタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体からなる高分子乳化剤1重量部、触媒として過硫酸カリウム0.1重量部を添加し、水150重量部中で重合温度80℃にて180分間攪拌した後、重合転化率98%になるまで重合を行った。次いで、得られたラテックスをシードにして、メチルメタクリレート58重量部、メタクリル酸2重量部を添加し、連続的に重合させ重合体ラテックスを得た。室温まで冷却した後、水酸化カリウム1重量%水溶液100重量部を室温で添加して30分間攪拌した。得られたコア/シェル型ラテックスの平均粒子径はいずれも0.2〜0.5μmの範囲内であった。得られたラテックスをスプレードライによって150℃で噴霧乾燥し、コア/シェル型共重合体粉末状物質(f)を得た。
【0046】
(色斑の測定方法)
色斑を測定し数値化するために、色差計(日本電色工業製カラーマシンΣ80、測定径6mm)用い、任意の直線上で1cm間隔でL値(明るさ)を測定した。評価は、サンプル板中での平均をゼロとし、各測定値の分散度(標準偏差)を算出して行った。
【0047】
(実施例1)不飽和ポリエステル成形材料の製造との注型による成形
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)80重量部に粉末状物質(f)として参考例1で作成した部分架橋ポリスチレン20重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液20重量部を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を1重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを100重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業)1重量部を加え、十分に攪拌混合した後、5分間、20mmHg下、減圧脱泡を行う。離型剤を塗布した直径20cmの円形の皿に流し込み、120℃で30分、硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.53であった。
【0048】
(実施例2)不飽和ポリエステルBMCの製造とその加熱圧縮成形
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)240重量部に粉末状物質(f)として参考例1で作成した部分架橋ポリスチレン60重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液60重量部を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を3重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを750重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業製品)3重量部を加え、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を6重量部、増粘剤として酸化マグネシウムを3重量部、6mmのガラス繊維を繊維強化材として60重量部加え十分に攪拌混合した後、ポリエチレンのフィルムに包み、45℃にて1日、熟成増粘させBMCを得た。該BMC900gを30cm×30cmの金型にて140℃/5分で加熱圧縮硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.31であった。
【0049】
(実施例3)不飽和ポリエステルSMCの製造とその加熱圧縮成形
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)240重量部に粉末状物質(f)として参考例1で作成した部分架橋ポリスチレン60重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液60重量部を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を3重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを300重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業製品)3重量部を加え、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を6重量部、増粘剤として酸化マグネシウムを3重量部を加え十分に攪拌混合した後、SMC製造機に供給する。ドクターナイフによってポリエチレンフィルム上に1mm厚に塗布された該コンパウンドに1.2cmにカットされたガラス繊維を乗せた後、ローラーによって含浸させ、ロールで巻取る。その後、45℃にて1日、熟成増粘させSMCを得た。該SMC900gを30cm×30cmの金型にて140℃/5分で加熱圧縮硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.42であった。
【0050】
(実施例4)不飽和ポリエステルBMCの製造とその加熱圧縮成形
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)240重量部に粉末状物質(f)として平均粒子径15μmの炭酸カルシウム30重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液60重量部を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を3重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを750重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業製品)3重量部を加え、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を6重量部、増粘剤として酸化マグネシウムを3重量部、6mmのガラス繊維を繊維強化材として60重量部加え十分に攪拌混合した後、ポリエチレンのフィルムに包み、45℃にて1日、熟成増粘させBMCを得た。該BMC900gを30cm×30cmの金型にて140℃/5分で加熱圧縮硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.52であった。
【0051】
(実施例5)コアシェル入り注型品
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)80重量部に粉末状物質(f)として参考例2で作成したコア/シェル共重合体20重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を1重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを100重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業製品)1重量部を加え、十分に攪拌混合した後、5分間、20mmHg下、減圧脱泡を行う。離型剤を塗布した直径20cmの円形の皿に流し込み120℃で30分硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.47であった。
【0052】
(実施例6)金属粉入り注型品
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)80重量部に粉末状物質(f)として平均粒子径30μmの鉄粉10重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を1重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを100重量部、顔料としてカーボンブラック1重量部を加え、十分に攪拌混合した後、5分間、20mmHg下、減圧脱泡を行う。離型剤を塗布した直径20cmの円形の皿に流し込み、120℃で30分、硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.35であった。
【0053】
(実施例7)ガラス粉入り注型品
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)80重量部に粉末状物質(f)として平均粒子径20μmのガラス粉20重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を1重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを100重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業製品)1重量部を加え、十分に攪拌混合した後、5分間、20mmHg下、減圧脱泡を行う。離型剤を塗布した直径20cmの円形の皿に流し込み、120℃で30分、硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.50であった。
【0054】
(実施例8)ポリマーコンクリート
不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)80重量部に粉末状物質(f)として参考例1で作成した部分架橋ポリスチレン20重量部を加え、十分に攪拌分散させる。該溶液に低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液20重量部を加えさらに攪拌分散させる。硬化触媒としてベンゾイルパーオキサイドを1重量部、硬化促進剤としてジメチルアミンを0.2重量部、水を40重量部、ポルトランドセメントを40重量部、骨材として豊海標準砂を320重量部、無機フィラーとして炭酸カルシウムを10重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業製品)1重量部を加え、十分に攪拌混合した後、離型剤を塗布した直径20cmの円形の皿に流し込み、25℃で24時間、硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.64であった。
【0055】
(比較例1)
参考例1で作成した粉末状物質(f)としての部分架橋ポリスチレンを添加しない以外は、実施例1と同様の方法で注型品を作成した。上部にポリスチレンが分離し、また、下面にも部分的にポリスチレンが凝集し、不均一となっている。色斑の指標であるL値の分散度(標準偏差)は1.58であった。
【0056】
(比較例2)
参考例1で作成した粉末状物質(f)としての部分架橋ポリスチレンを添加しない以外は、実施例2と同様の方法で注型品を作成した。成形品には部分的にスカミングや白化した部分が目視で確認できた。L値の分散度(標準偏差)は0.82であった。
【0057】
(比較例3)
参考例1で作成した粉末状物質(f)としての部分架橋ポリスチレンを添加しない以外は、実施例3と同様の方法で注型品を作成した。成形品には部分的にスカミングや白化した部分が目視で確認できた。L値の分散度(標準偏差)は0.97であった。
【0058】
(比較例4)
参考例1で作成した粉末状物質(f)としての部分架橋ポリスチレンを、不飽和ポリエステル樹脂(フマル酸/ジエチレングリコール:67%スチレン溶液)80重量部、低収縮化剤としてポリスチレン(Mw=22万)の51%スチレン溶液20重量部、硬化触媒としてカヤブチルB(化薬アクゾ製品)を1重量部、顔料としてPC−4047(フタロシアニンブルー:大日本インキ化学工業製品)1重量部を加え攪拌混合した後に添加し混合したものに、無機フィラーとして炭酸カルシウムを100重量部、、十分に攪拌混合した後、5分間、20mmHg下、減圧脱泡を行う。離型剤を塗布した直径20cmの円形の皿に流し込み、120℃で30分、硬化させる。得られた注型成形品の色斑測定を上記方法にて行った結果、L値の分散度(標準偏差)は0.86であった。
【0059】
(比較例5)
平均粒子径35μmの炭酸カルシウム粉末を、粉末状物質(f)としての平均粒子径15μmの炭酸カルシウムの代わりに使用する以外は実施例4と同様にして作成した成形品のL値の分散度(標準偏差)は2.05であった。
【0060】
【表1】
Figure 0003956450
【0061】
【表2】
Figure 0003956450
【0062】
【発明の効果】
本発明は、特定粒径の粉末状物質(f)を着色成形材料の製造時に低収縮化剤を混合分散する前に、樹脂コンパウンド中に分散すれば、成形時に低収縮化剤が分離または凝集するのを防ぎ、注型および加熱圧縮成形時に色斑を発生しない着色性に優れた成形材料を得ることができる。このことによって、パステル調の淡い成形品ばかりでなく、黒、青、赤、オレンジといった濃色の着色成形品でも色むらのないものを製造することができ、さらに成形品の表面平滑性をも改善できる。

Claims (7)

  1. (a)液状ラジカル硬化性不飽和樹脂、(b)硬化触媒、(c)低収縮化剤、(d)無機フィラーおよび(e)顔料からなる着色成形材料において、
    スチレン単量体に50℃以下では溶解せず、平均粒径が30μm以下の粉末状物質(f)を低収縮化剤(c)より先に混合分散させること、粉末状物質 (f) が、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物からなる部分架橋共重合体であり、部分架橋共重合体が、カルボキシル基を有した、金属イオンによってなされた部分架橋樹脂粉末であることを特徴とする着色成形材料。
  2. 液状ラジカル硬化性不飽和樹脂(a)が、不飽和ポリエステル樹脂(a-1)、エポキシアクリレート樹脂(a-2)、不飽和ポリエステルアクリレート樹脂(a-3)多官能アクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類を含むアクリル樹脂(a-4)から選択される1種以上からなることを特徴とする請求項1記載の着色成形材料。
  3. 部分架橋共重合体が、成分の異なるコア/シェル構造を有するものであることを特徴とする請求項記載の着色成形材料。
  4. 注型用であることを特徴とする請求項1記載の着色成形材料。
  5. 更に、増粘剤(g)を加え繊維強化材(h)を含有させた、シートモールディングコンパウンド又はバルクモールディングコンパウンドであることを特徴とする請求項1記載の着色成形材料。
  6. 更に、水硬性ケイ酸塩材料、水および骨材を含み、ポリマーコンクリート用であることを特徴とする請求項1記載の着色成形材料。
  7. 請求項1〜いずれか記載の着色成形材料から得られる成形品。
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