JP3956042B2 - 産業車両のサスペンション装置及び産業車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リーチ型フォークリフトトラック等の産業車両において左右で対を成す駆動輪及び従動輪を支持するサスペンション装置、及び、同サスペンション装置を備えた産業車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、産業車両であるリーチ型フォークリフトトラック(以下、単にリーチフォークリフトという)には、駆動操舵輪及びキャスタで後輪を構成し、サスペンション装置によって駆動操舵輪及びキャスタ輪を互いに逆向きに上下変位可能に作動連結したものがある。これは、マスト装置のリーチ位置の変化に伴う駆動操舵輪の輪重変化をできるだけ小さくするためである。即ち、マスト装置を前方に移動させたときには駆動操舵輪の輪重が不足しないようにして駆動力又は制動力を確保できるようにし、マスト装置を後方に移動させたときには駆動操舵輪の輪重が過大にならないようにする。
【0003】
このようなリーチフォークリフトとしては、例えば特開平8−164722号広報で開示されるものがある。このリーチフォークリフトのサスペンション装置は、図9に示すように、車両の前後方向と直交する平面上で作動する平行リンク機構70によって構成されている。
【0004】
この平行リンク機構70は、車体フレームに回動可能に支持されたアッパリンク71及びロアリンク72で、両リンク71,72を連結する支持リンク73に固定されたドライブユニット74を上下変位可能に支持する。又、固定軸75を超えて運転席76側に延長されたロアリンク72の端部と、固定軸75に回動可能に支持されたキャスタリンク77とでキャスタ78を支持する。ドライブユニット74に一体化された駆動操舵輪79には、支持リンク73を下向きに付勢する油圧シリンダ80によって予荷重が与えられている。
【0005】
そして、サスペンション装置は、図示しないマスト装置のリーチ位置、積み荷の重量によって車両後部の重量が変化しても、駆動操舵輪の輪重変化を小さく抑制するようにキャスタ78及び駆動操舵輪79の輪重を配分する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のサスペンション装置では、マスト装置をリーチ動作させるリーチシリンダ81の上方に平行リンク機構70が配置されている。このため、運転席76の床面76aが高くなっていた。その結果、運転席76へ乗り降りし難いという問題があった。
【0007】
そこで、本出願人は、本発明の実施形態で詳述するように、図4〜図6に示すような新しいサスペンション装置29を考えた。このサスペンション装置29は、車幅方向に延びるように支持された第1回動軸32で、ドライブユニット30を支持したドライブユニットサポート31を回動可能に支持する。このことにより、駆動操舵輪19を、車幅方向と直交する平面上の軌道で揺動させる。又、車幅方向に延びる第2回動軸34で、キャスタ20を支持したキャスタアーム35を回動可能に支持する。このことにより、キャスタ20を車幅方向と直交する平面上の軌道で揺動させる。さらに、第1回動軸32と第2回動軸34とを互いに逆方向に回転するように作動連結することで、駆動操舵輪19及びキャスタ20を互いに逆向きに上下変位可能に支持する。
【0008】
このサスペンション装置29では、ドライブユニット30とキャスタ20とを、運転席よりも前方でリーチシリンダ17と交差する第1回動軸32が連結している。このため、運転席13の床下に作動連結機構がないので、床面を従来より低い位置に設けることができる。また、ドライブユニット30と運転席13との間にはサスペンション機構が存在しないので、運転席13の左右幅を広くできる。
【0009】
しかしながら、このサスペンション装置29では、図10に示すように、第1回動軸32に結合したアーム82と、キャスタアーム35に一体に設けたアーム部83とを、アーム82側に設けた凸部84を介して係合させることで、両軸32,34を作動連結している。詳述すると、凸部84の係合面84aを、アーム部83の係合面83aに当接させることで回動力を伝達する。従って、サスペンション装置29の作動時には、凸部84の係合面84aがアーム部83の係合面83aに対して、摺接する状態で当接する。このため、サスペンション装置29が作動するときに、両係合面83a,84aの摺接による異音が発生し、オペレータに違和感を抱かせる虞がある。また、車両の使用期間が長くなると、両係合面83a,84aが摩耗し、車体後部の高さが低くなったり、アーム82又はアーム部83の強度が低下する虞がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、作動連結機構において直接接触して運動伝達する両伝達部材間で異音が発生し難く、又、両伝達部材が摩耗し難い産業車両のサスペンション装置、及び、同サスペンション装置を備えた産業車両を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、駆動輪を備えたドライブユニットは、車体に対し回動可能に支持された第1回動軸と、該第1回動軸に作動連結された駆動側支持手段とによって前記車体に対し上下変位可能に支持され、前記駆動輪と左右で対をなす従動輪は、前記車体に対し回動可能に支持された第2回動軸と、該第2回動軸に作動連結された従動側支持手段とによって前記車体に対し上下変位可能に支持されるとともに、前記第1回動軸及び第2回動軸は、前記駆動輪及び従動輪が互いに逆向きに上下変位するように作動連結機構によって作動連結されている産業車両のサスペンション装置において、前記作動連結機構は、主としてころがり接触によって互いに運動伝達する複数の伝達部材から構成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、駆動側支持手段を介して第1回動軸に上下変位可能に支持された駆動輪と、従動側支持手段を介して第2回動軸に上下変位可能に支持された従動輪とが、主としてころがり接触によって運動伝達する複数の伝達部材によって構成された作動連結機構によって互いに逆向きに上下変位する。従って、サスペンション装置の作動時に、作動連結機構を構成する各伝達部材間でのすべり接触による運動伝達が抑制される。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記伝達部材同士がころがり接触して運動伝達する接触面は、インボリュート形状又はサイクロイド形状に形成されていることを要旨とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、伝達部材間でのすべり接触による運動伝達がより確実に抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の産業車両のサスペンション装置において、前記作動連結機構は、前記駆動輪及び従動輪からの入力荷重がないときにも作動連結状態となっていることを要旨とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、積み荷の荷重、走行中の重心移動等により駆動輪又は従動輪からの荷重入力がなくなっても、両伝達部材の接触面同士が全く離れてしまうことはなく、両伝達部材が衝突することによる作動連結機構のがたつきが発生し難い。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の産業車両のサスペンション装置において、前記第1回動軸及び第2回動軸は互いに平行に設けられ、前記伝達部材は、該第1回動軸に結合された第1伝達部材と、該第2回動軸に結合された第2伝達部材とからなり、該第1伝達部材と第2伝達部材とが互いに運動伝達することを要旨とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、駆動輪及び従動輪が両回動軸に直交する平面上の軌道で上下変位する。また、作動連結機構が最小の部品点数で構成される。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両のサスペンション装置を備えたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、産業車両のサスペンション装置が、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をリーチ型フォークリフトトラックのサスペンション装置に具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0020】
図2,3に示すように、産業車両としてのリーチ型フォークリフトトラック10(以下、フォークリフトという)は、前二輪の後輪一輪駆動タイプである。車体11の前部には左右一対のリーチレグ12が前方へ延出している。車体11の後部右部分には立席タイプの運転席(運転室)13が設けられている。運転席13の前側にあるインストルメントパネル11Aには、アクセルレバー14aと、複数の荷役レバー14bとが設けられている。また、運転席13の左隣に立設された収容ボックス11Bの上面にはハンドル(ステアリングホイール)15が設けられている。
【0021】
車体11にはマスト装置16が左右一対のリーチレグ12に沿って前後方向に移動可能に装備されている。マスト装置16には車体11の底部車幅方向中央に配設されたリーチシリンダ(油圧シリンダ)17のピストンロッド17aが連結されている。荷役レバー14bのうちリーチレバーを操作することでオイルコントロールバルブ(図示せず)からリーチシリンダ17に作動油が供給されてピストンロッド17aが伸縮駆動されることにより、マスト装置16は所定ストローク範囲内で前後に移動する。
【0022】
左右の前輪18は従動輪で左右のリーチレグ12の先端部にそれぞれ取付けられている。後側一輪が操舵輪を兼ねた駆動輪としての駆動操舵輪19となっており、駆動操舵輪19は車幅方向左寄りにオフセットされて位置し、所定距離離れたその右隣には駆動操舵輪19と左右で対をなす従動輪としてのキャスタ20が設けられている。
【0023】
図4,6に示すように、車体11を構成する車体フレーム21は、車体本体前後に配置されたフロントフレーム部22及びリアフレーム部23と、両フレーム部22,23を車幅方向略中央位置にて前後に連結し、運転席13と収容ボックス11Bとの区画線に沿って延びる支持フレーム部24とを有する。左右のリーチレグ12の下面には両者を連結するボトムプレート25が溶接されている。車体11の側面および後面(背面)は車体フレーム21に組付けられたパネル26により覆われている。
【0024】
車体11の前部下側には、図6に示すように、バッテリ収容室27が前面開口状態で凹設されている。バッテリ収容室27の内部にはバッテリ28が車幅方向ほぼ一杯に配置された状態で収容されている。
【0025】
車体11の後部にはサスペンション装置29が装備されている。サスペンション装置29は、車体11のロール方向の揺動を許容する状態に駆動操舵輪19とキャスタ20を車体フレーム21に対して上下変位可能に懸架している。
【0026】
図4〜7に示すように、サスペンション装置29は、ドライブユニット30を支持する駆動側支持手段としてのドライブユニットサポート31と、第1回動軸32と、伝達部材及び第1伝達部材としての伝達アーム33、第2回動軸34と、キャスタ20を支持する従動側支持手段、伝達部材及び第2伝達部材としてのキャスタアーム35とを備える。第1回動軸32は車幅の約1/2以上の長さで車幅中央に配置され、車体フレーム21に取付けられた4つの軸受36により、両端部と中寄り2箇所の計4箇所で車体フレーム21に対して回転可能に支持されている。第2回動軸34は第1回動軸32の右側部分と対向する近接位置に第1回動軸32と平行に配置され、車体フレーム21に取付けられた2つの軸受37により両端部で支持されている。なお、本例における軸受36,37は、フレームに支持された軸受用ブラケットと、その孔に挿着されたブッシュ(円筒)とからなる。本実施の形態では、伝達アーム33及びキャスタアーム35が作動連結機構を構成する。
【0027】
第1回動軸32は運転席13より前方にリーチシリンダ17よりも高い位置に配置されている。このため、第1回動軸32はリーチシリンダ17と運転席13の前方で交差している。第2回動軸34は運転席13の床板13a(図5に図示)の下方に配置されている。
【0028】
ドライブユニットサポート31の基部(下端部)31aは第1回動軸32に対してスプライン嵌合またはセレーション結合により一体回動可能に結合され、ドライブユニットサポート31は第1回動軸32を中心として車幅方向と直交する面内を揺動可能となっている。
【0029】
ドライブユニットサポート31は、図6に示すように、側面視略クランク形状に形成され、基部31aから上方へ延びる腕部31bと、腕部31bの上端から略水平に後方へ延びる支持台部31cを有する。支持台部31cには、ドライブユニット30が装着されている。腕部31bはドライブユニット30を前方から支持する状態にドライブユニット30の前側に上下に延びる状態に位置している。
【0030】
ドライブユニット30は、支持台部31cの上面に組付けられたドライブモータ38と、支持台部31cの下面に水平面内で回動可能に支持されたギヤハウジング39とを備える。ギヤハウジング39の下部に駆動操舵輪19が回転可能に支持されている。ギヤハウジング39の上部に固定されたギヤホイール40は、ハンドル15に対しユニバーサルジョイント(図示せず)によって連結されたステアリングシャフト下端のギヤ部(いずれも図示せず)と噛合しており、ハンドル15の回転操作に応じて駆動操舵輪19が操舵されるようになっている。
【0031】
一方、キャスタアーム35は、その基部35aが第2回動軸34に対してスプライン嵌合またはセレーション結合により一体回動可能に連結され、第2回動軸34を中心として上下に揺動可能に支持されている。キャスタアーム35は基部35aから後方右側へ湾曲するように延びており、その後端部にはキャスタ20が水平面内で回動可能に支持されている。キャスタ20は1組のキャスタ輪20aを有している。
【0032】
第1回動軸32の右側部分には伝達アーム33の基部33aがスプライン嵌合またはセレーション結合により結合され、第1回動軸32と一体回動可能に連結されている。図7に示すように、伝達アーム33の基部33aからはその回動半径方向に斜め下側後方へアーム部41が延出されている。一方、キャスタアーム35の基部35aからはアーム部42が斜め上側前方へ延出されている。アーム部41及びアーム部42は、アーム部42の前面側がアーム部41の後面側に当接する状態で係合している。そして、駆動操舵輪19及びキャスタ20は、第1回動軸32、アーム部41、アーム部42(キャスタアーム35)及び第2回動軸34によって、互いに逆向きに上下変位可能に作動連結されている。
【0033】
本実施の形態では、アーム部41及びアーム部42は、主としてころがり接触することで回動を伝達するように形成されている。詳述すると、図1に示すように、アーム部41及びアーム部42が回動するときに互いに接触して回動を伝達する接触面41a,42aは、各回動軸32,34の軸方向と直交する断面における形状がインボリュート形状となるように形成されている。従って、アーム部41及びアーム部42が互いに接触して回動するときは、接触面41a,42aが互いに主としてころがり接触する。
【0034】
駆動操舵輪19とキャスタ20が路面に接地する状態では、駆動操舵輪19の輪重(正確には輪重により路面から受ける抗力)に基づく力が第1回動軸32の左側部分に結合されたアーム部41に図7における時計回り方向の回動力として働き、キャスタ20の輪重に基づく力がアーム部42に同図反時計回り方向の回動力として働く。つまり、駆動操舵輪19とキャスタ20の各輪重に基づきアーム部41、アーム部42に働く各回動力が、互いに逆向きになるようになっており、両回動力が釣り合うように両回動軸32,34が回動する。
【0035】
また、サスペンション装置29は、図6に示すように、フロントフレーム部22の後面に設けられたブラケット43と、ドライブユニットサポート31の支持台部31cの上面に固定されたブラケット44との間に介装された輪重調整用スプリング45を備えている。輪重調整用スプリング45は、ドライブユニットサポート31の揺動軌跡の接線方向に軸線が平行となる斜めの姿勢で配設されており、その弾性力によりドライブユニットサポート31を下方へ付勢している。
【0036】
サスペンション装置29は、駆動操舵輪19とキャスタ20とによって後二輪で支えられる車両後部荷重から輪重調整用スプリング45の付勢力寄与分を差し引いた荷重を、駆動操舵輪19とキャスタ20とにほぼ等分に配分するリンク比に設定されている。すなわち、第2回動軸34からキャスタ20までの距離に、第1回動軸32からアーム部41とアーム部42の当接位置までの距離を第2回動軸34からアーム部41とアーム部42の当接位置までの距離で除した比を乗じた値が、第1回動軸32から駆動操舵輪19までの距離にほぼ等しくなるように設定されている。
【0037】
サスペンション装置29を介した駆動操舵輪19とキャスタ20の輪重配分比率はほぼ等しいが、輪重調整用スプリング45の付勢力分が駆動操舵輪19の輪重として余分に加わるため、駆動操舵輪19の輪重が常にキャスタ20の輪重よりも一定値だけ大きくなるようになっている。
【0038】
マスト装置16が最大積載荷重で最前位置にリーチした状態では、車両後部荷重がかなり小さくなるが、輪重調整用スプリング45の付勢力分の輪重が駆動操舵輪19の方に余分に付与されるため、駆動操舵輪19の輪重は常に必要最低限以上の値に確保される。そのため、駆動操舵輪19のスリップが起き難くなっている。
【0039】
また、マスト装置16が空荷で最後退位置にある状態では、車両後部荷重が極めて大きくなるが、この後部荷重から輪重調整用スプリング45の付勢力分の一定値を差し引いた値の荷重を両輪19,20にほぼ等分に配分する。このため、キャスタ20の輪重配分比率が高まり、駆動操舵輪19に規定値を超える輪重が付与されることがなくなる。
【0040】
第1回動軸32はその左右両側から入力される二入力(回転力)が釣り合うように回動し、駆動操舵輪19とキャスタ20を車体11に対して上方変位することで、駆動操舵輪19とキャスタ20の各々の輪重を好適な輪重比率に配分する。
【0041】
また、ドライブユニットサポート31と車体11側の図示しないブラケットとの間には、ドライブユニットサポート31の揺動を許容又は規制可能なロック用シリンダ46が設けられている。ロック用シリンダ46は、そのシリンダ本体47がドライブユニットサポート31に対し回動可能に連結され、そのピストンロッド48が車体11側に回動可能に連結されている。ロック用シリンダ46は、図7に示すように、シリンダ本体47に対するピストンロッド48の出没動作を許容又は規制可能なロック用電磁弁49を備えている。ロック用電磁弁49は、外部から駆動電流を供給されないときにピストンロッド48の出没動作を規制し、駆動電流が供給されるときに出没動作を許容する。
【0042】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の各効果を得ることができる。
(1) 従来技術のように運転席13の床下でリーチシリンダ17に交差する構成と異なり、運転席13の前方でリーチシリンダ17に第1回動軸32が交差する構成なので、運転席13の床面が高くならない。また、ドライブユニット30と運転席13との間には、サスペンション装置29の機構が配置されないので、運転席13の左右幅を広くすることができる。
【0043】
(2) 第1回動軸32に結合した伝達アーム33と、第2回動軸34に結合したアーム部42(キャスタアーム35)とが、インボリュート形状に形成した接触面41a,42a同士が主としてころがり接触することで運動伝達する。従って、サスペンション装置29の作動中に、アーム部41及びアーム部42で異音が発生し難く、また、両接触面41a,42aが摩耗し難い。その結果、オペレータに違和感を持たせないようにし、また、使用期間が長くなっても、車体後部の高さが低くなり難く、また、アーム部41及びアーム部42の強度が低下し難い。
【0044】
(3) ドライブユニットサポート31を介してドライブユニット30を支持する第1回動軸32と、キャスタアーム35を介してキャスタ20を支持する第2回動軸34とを互いに平行に配置した。また、第1回動軸32に結合したアーム部41と、第2回動軸34に結合したキャスタアーム35のアーム部42とをころがり接触させることで両回動軸32,34を作動連結した。従って、駆動操舵輪19及びキャスタ20を両回動軸32,34と直交する平面上の軌道で上下変位させることができる。また、このようなサスペンション装置29の構成が簡単となる。
【0045】
以下、上記実施形態以外の実施形態を列挙する。
○ 上記実施形態で、アーム部41及びアーム部42の各接触面41a,42aをサイクロイド形状に形成してもよい。この場合にも、伝達アーム33及びキャスタアーム35は、その接触面41a,42aが主としてころがり接触することで回動を伝達する。
【0046】
○ 上記実施の形態で、各接触面41a,42aは、正確なインボリュート形状又はサイクロイド形状でなくても、すべり接触よりも主としてころがり接触することで回動を伝達するように形成されていればよい。
【0047】
○ 上記実施形態で、両回動軸32,34を作動連結する作動連結機構を構成する伝達アーム33と、アーム部42が設けられたキャスタアーム35を、図8に示すように、複数の歯50を備えた伝達部材及び第1伝達部材としての伝達アーム51と、歯50に歯合する複数の歯52を備えたアーム部53を有する従動側支持手段、伝達部材及び第2伝達部材としてのキャスタアーム54とする。そして、伝達アーム51及びキャスタアーム54が回動するとき、歯合する両歯50,52を介して回動を伝達する。
【0048】
この場合には、両輪19,20に輪重を与えるように回動力を伝達するときの各歯50,52の接触面50a,52aを、インボリュート形状に形成する。このため、サスペンション装置29の作動中にアーム51及びアーム部53で異音が発生し難く、また、両接触面50a,52aが摩耗し難い。さらに、上記実施形態よりも両接触面50a,52aの接触面積を大きくすることができるので、車重によって両接触面50a,52aが傷み難いようにするとともに円滑に動作させることができる。
【0049】
また、駆動操舵輪19及びキャスタ20に荷重入力がない状態でも作動連結しているので、駆動操舵輪19又はキャスタ20からの荷重入力がなくなっても、アーム51及びアーム部53の両接触面50a,52aが離れることがなく、アーム51及びアーム部53間にがたつきが発生しない。即ち、積み荷の荷重が大きいと車両が前傾して、サスペンション装置29の作動によってキャスタ20の輪重が小さくなる。このような状態で走行したとき、駆動操舵輪19が凹凸を越えると、キャスタ20が路面に接地しない状態となることがある。このとき、上記実施形態のように、アーム部41及びアーム部42が接触面41a,42a同士で単に接触しているだけだと、アーム部42を回動させる荷重入力がなくなることから、両アーム部41,42が一時的に当接しない状態となる。その結果、キャスタ20の接地する状態と接地しない状態とを繰り返すときに、両アーム部41,42同士が衝突を繰り返すことになる。一方、この実施形態では、駆動操舵輪19及びキャスタ20からの荷重入力がない状態でも、伝達アーム51及びキャスタアーム54が作動連結していることから、そのようながたつきは発生しない。
【0050】
○ 上記実施形態で、駆動側支持手段は、ドライブユニット30を姿勢を変えないままで上下に変位させる平行リンク機構としてもよい。平行リンク機構は、第1回動軸32に基部が結合されたロアリンクと、フロントフレーム部22に基端が回動可能に支持されたアッパリンクと、ロアリンク及びアッパリンクを連結するとともにドライブユニット30に結合された支持リンクとから構成する。
【0051】
○ 上記実施形態では、従動側支持手段としてのキャスタアーム35が、伝達アーム33と共に作動連結機構を構成するようにしたが、キャスタアーム35とは別に第2回動軸34に結合した作動連結部材と、伝達アーム33とで作動連結機構を構成してもよい。
【0052】
○ リーチフォークリフトに限らず、上記構成のサスペンション装置29によて駆動輪及び従動輪を支持するその他の産業車両に実施してもよい。
【0053】
【発明の効果】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、作動連結機構を構成する複数の各伝達部材が主としてころがり接触で運動伝達するので、各伝達部材間で異音が発生し難く、また、各伝達部材の接触部が摩耗し難いようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 サスペンション装置の作動連結部を示す模式右側面図。
【図2】 リーチ型フォークリフトの模式右側面図。
【図3】 リーチ型フォークリフトの模式平面図。
【図4】 サスペンション装置を示す模式平面図。
【図5】 同じく模式背面図。
【図6】 同じく模式左側面図。
【図7】 同じく模式右側面図。
【図8】 他の実施形態の作動連結部を示す模式右側面図。
【図9】 従来のサスペンション装置を示す模式背面図。
【図10】 作動連結部を示す模式右側面図。
【符号の説明】
10…産業車両としてのリーチ型フォークリフトトラック、11…車体、19…駆動輪としての駆動操舵輪、20…従動輪としてのキャスタ、31…駆動側支持手段としてのドライブユニットサポート、32…第1回動軸、33…作動連結機構を構成する伝達部材及び第1伝達部材としての伝達アーム、34…第2回動軸、35…作動連結機構を構成する従動側支持手段、伝達部材及び第2伝達部材としてのキャスタアーム、41a…接触面、42a…接触面、51…作動連結機構を構成する伝達部材及び第1伝達部材としてのアーム、50a…接触面、52a…接触面、54…作動連結機構を構成する従動側支持手段、伝達部材及び第2伝達部材としてのキャスタアーム。
Claims (5)
- 駆動輪を備えたドライブユニットは、車体に対し回動可能に支持された第1回動軸と、該第1回動軸に作動連結された駆動側支持手段とによって前記車体に対し上下変位可能に支持され、
前記駆動輪と左右で対をなす従動輪は、前記車体に対し回動可能に支持された第2回動軸と、該第2回動軸に作動連結された従動側支持手段とによって前記車体に対し上下変位可能に支持されるとともに、
前記第1回動軸及び第2回動軸は、前記駆動輪及び従動輪が互いに逆向きに上下変位するように作動連結機構によって作動連結されている産業車両のサスペンション装置において、
前記作動連結機構は、主としてころがり接触によって互いに運動伝達する複数の伝達部材から構成されている産業車両のサスペンション装置。 - 請求項1に記載の産業車両のサスペンション装置において、
前記伝達部材同士がころがり接触して運動伝達する接触面は、インボリュート形状又はサイクロイド形状に形成されている産業車両のサスペンション装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の産業車両のサスペンション装置において、
前記作動連結機構は、前記駆動輪及び従動輪からの入力荷重がないときにも作動連結状態となっている産業車両のサスペンション装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の産業車両のサスペンション装置において、
前記第1回動軸及び第2回動軸は互いに平行に設けられ、
前記伝達部材は、該第1回動軸に結合された第1伝達部材と、該第2回動軸に結合された第2伝達部材とからなり、該第1伝達部材と第2伝達部材とが互いに運動伝達する産業車両のサスペンション装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両のサスペンション装置を備えた産業車両。
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