JP3675271B2 - 産業車両のサスペンション装置及びリーチ型フォークリフト - Google Patents

産業車両のサスペンション装置及びリーチ型フォークリフト Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばリーチフォークリフト等に採用されている産業車両のサスペンション装置、及び、同サスペンション装置を備えたリーチ型フォークリフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リーチフォークリフトは、車体前部のリーチレグに設けられた左右前輪が固定輪とされ、車体後部に設けられた左右後輪が、駆動操舵輪とキャスタとで構成されている。このような駆動操舵輪とキャスタとを支持するサスペンション装置としては、例えば特開平8−164722号広報のリーチ型フォークリフトのリヤサスペンション装置がある。リーチ型フォークリフトは、図12に示すように、その右部分に運転席80が設けられ、運転席80の前側に操作盤81が、又、運転席80の左側にハンドル82が設けられている。駆動操舵輪83はハンドル82の下方に配置され、キャスタ84は運転席80の床下に配置されている。駆動操舵輪83は、ドライブモータ85及びギヤユニット86を備えたドライブユニット87の下部に支持されている。
【0003】
ドライブユニット87及びキャスタ84は、リンク機構からなるサスペンション装置88によって、車体に対し上下変位可能に支持されている。
サスペンション装置88は、車体の前後方向に延びる2つの軸89,90によって、ドライブユニット87に一体化されている支持リンク91を動作させる二組テコ機構として動作する平行リンク機構を備えている。
【0004】
即ち、2つの軸89,90の内の上側の軸89と支持リンク91の上端との間にはアッパリンク92がピン連結され、同じく下側の軸90と支持リンク91の下端との間にはロアリンク93がピン連結されている。そして、ドライブユニット87は、平行リンク機構によって、駆動操舵輪83が路面に対して殆ど左右に傾かない状態で上下に変位するように車体に支持されている。
【0005】
キャスタ84は、軸90を超えて運転席80の下方まで延長されたロアリンク93の端部に支持されている。尚、キャスタ84は、両キャスタ輪94を車両前後方向に直交する平面内で揺動可能に支持し、路面に対し左右に傾かない状態で接地させる。
【0006】
又、リーチ型フォークリフトには、マスト装置をリーチ動作させるためのリーチシリンダ95が設けられている。リーチシリンダ95は、車体下部の左右中心部に、車両前後方向に延びるように設けられている。このため、サスペンション装置88のロアリンク93とリーチシリンダ95とは、上下で交差する位置関係で配置されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リーチ型フォークリフトは、操作者が運転席に立った状態で操作するようになっているが、走行時の安定感を確保するため、又、頻繁な乗り降りを容易にするため、運転席の床面はできるだけ低いことが望ましい。
【0008】
しかしながら、従来のリーチ型フォークリフトでは、運転席80の床下にキャスタ84を支持するロアリンク93と、リーチシリンダ95とが上下で交差する状態で配置されている上、ロアリンク93を上下に揺動させるための空間を確保する必要があるので、運転席80の床面をより低い位置に設けることができなかった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、荷役装置をリーチ動作させるリーチ用駆動装置を運転席に対して車長方向で重なる位置に備えた産業車両において、運転席の床面をより低い高さに配置することができる産業車両のサスペンション装置、及び、同サスペンション装置を備えたリーチ型フォークリフトを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、ドライブユニットに支持された駆動輪と、該駆動輪と左右で対をなす従動輪とを備え、前記ドライブユニットを車体に対して上下変位可能に支持する駆動側支持手段を介して前記駆動輪を運転席の下方から車幅方向に外れた位置で前記車体に対して上下変位可能に支持し、前記従動輪を前記車体に対して上下変位可能に支持する従動側支持手段を介して前記運転席の下方で支持するとともに、前記駆動側支持手段及び従動側支持手段を作動連結する作動連結機構によって前記駆動輪及び従動輪を左右で互いに上下逆向きに変位させる産業車両のサスペンション装置において、前記作動連結機構は、荷役装置を車体に対して前後動させるためのリーチ用駆動装置に対し、前記運転席から車両前後方向に外れた位置で交差している産業車両のサスペンション装置である。
【0011】
従って、請求項1に記載の発明によれば、駆動側支持手段と従動側支持手段とが、荷役装置を前後動させるリーチ用駆動装置に対し運転席の車両前後方向に離れた位置で交差する作動連結機構によって左右で互いに上下逆向きに変位するように作動連結される。従って、リーチ用駆動装置と作動連結機構の交差部分の高さに制限されることなく、運転席の床面をより低い位置に設けることが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記作動連結機構は、車幅方向に延びる状態で車体に対し回動可能に支持された回動軸を備え、前記リーチ用駆動装置に対し該回動軸が交差している。
【0013】
従って、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、車幅方向に延びる状態で車体に対し回動可能に支持されるとともに、リーチ用駆動装置に交差する回動軸を含む作動連結機構によって、駆動側支持手段と従動側支持手段とが作動連結される。従って、サスペンション装置の作動時には、回動軸は回動するのみでリーチ用駆動装置に交差する作動連結機構の部分の高さが変化しない。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記駆動側支持手段は、前記駆動輪が車幅方向に対して直交する平面内で揺動可能な状態に前記ドライブユニットを支持するアームである。
【0015】
従って、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、ドライブユニットを車体に対して支持するアームによって、駆動輪が車幅方向と直交する平面内で揺動可能に支持される。従って、駆動輪の車体に対する上下変位時に、駆動輪が路面に対して左右に傾かない状態で接地する。又、駆動輪が駆動操舵輪であっても、直進操舵時には路面に対して左右に傾倒しない状態で接地する。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記駆動側支持手段は、前記ドライブユニットを支持する駆動側支持部材と、該駆動側支持部材を前記ドライブユニットの姿勢を保持したままで上下変位可能に平行運動させる平行リンク機構とを備えている。
【0017】
従って、請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、駆動側支持部材に支持されたドライブユニットが、平行リンク機構によってその姿勢を保持したままで車体に対し上下方向に変位する。従って、駆動輪の車体に対する上下変位時に、駆動輪が路面に対して左右に傾かない状態で接地する。又、駆動輪が駆動操舵輪であっても、操舵状態に関係なく路面に対して左右に傾倒しない状態で接地する。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両のサスペンション装置を備えたリーチ型フォークリフトである。
従って、請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用をなすサスペンション装置によって、駆動輪及び従動輪が車体に対して上下方向に変位可能に支持される。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明をリーチ型フォークリフトのサスペンション装置に具体化した第1の実施の形態を図1〜図6に従って説明する。
【0020】
図2,3に示すように、産業車両としてのリーチ型フォークリフト10(以下、フォークリフトという)は、前二輪・後一輪の3輪車タイプである。車体11の前部には左右一対のリーチレグ12が前方へ延出している。車体11の後部右部分には立席タイプの運転席(運転室)13が設けられている。運転席13の前側にあるインストルメントパネル11Aには荷役操作等のための操作レバー14が設けられ、運転席13の左隣に立設された収容ボックス11Bの上面にはハンドル(ステアリングホイール)15が設けられている。
【0021】
車体11にはマスト装置16が左右一対のリーチレグ12に沿って前後方向に移動可能に装備されている。マスト装置16には車体11の底部車幅方向中央に配設されたリーチシリンダ(油圧シリンダ)17のピストンロッド17aが連結されている。操作レバー14のうちリーチレバーを操作することでオイルコントロールバルブ(図示せず)からリーチシリンダ17に作動油が供給されてピストンロッド17aが伸縮駆動されることにより、マスト装置16は所定ストローク範囲内で前後に移動する。
【0022】
左右の前輪18は従動輪で左右のリーチレグ12の先端部にそれぞれ取付けられている。後側一輪が操舵輪を兼ねた駆動輪(以下、駆動操舵輪という)19となっており、駆動操舵輪19は車幅方向左寄りにオフセットされて位置し、所定距離離れたその右隣には駆動操舵輪19と左右で対をなす従動輪としてのキャスタ20が設けられている。
【0023】
図1,4,6に示すように、車体11を構成する車体フレーム21は、車体本体前後に配置されたフロントフレーム部22及びリアフレーム部23と、両フレーム部22,23を車幅方向略中央位置にて前後に連結し、運転席13と収容ボックス11Bとの区画線に沿って延びる支持フレーム部24とを有する。左右のリーチレグ12の下面には両者を連結するボトムプレート25が溶接されている。車体11の側面および後面(背面)は車体フレーム21に組付けられたパネル26により覆われている。
【0024】
図4に示すように、車体11の前部下側にはバッテリ収容室27が前面開口状態で凹設されている。バッテリ収容室27の内部にはバッテリ28が車幅方向ほぼ一杯に配置された状態で収容されている。
【0025】
車体11の後部にはサスペンション装置30が装備されている。サスペンション装置30は、車体11のロール方向の揺動を許容する状態に駆動操舵輪19とキャスタ20を車体フレーム21に対して上下変位可能に懸架している。
【0026】
図1,4,5に示すように、サスペンション装置30は、駆動操舵輪19を下部に取り付けたドライブユニット31とキャスタ20とを、車体11のロール方向の揺動を許容するように車体11に対して上下変位可能な状態に作動連結する作動連結機構としてのサスペンション機構30Aを備えている。
【0027】
サスペンション機構30Aは、ドライブユニット31を支持する駆動側支持手段及びアームとしてのドライブユニットサポート41と、回動軸としての第1回転軸40と、伝達アーム46、第2回転軸47と、キャスタ20を支持する従動側支持手段としてのキャスタアーム48とを備える。第1回転軸40は車幅の約1/2以上の長さで車幅中央に配置され、車体フレーム21に取付けられた4つの軸受42により、両端部と中寄り2箇所の計4箇所で車体フレーム21に対して回転可能に支持されている。第2回転軸47は第1回転軸40の右側部分と対向する近接位置に第1回転軸40と平行に配置され、車体フレーム21に取付けられた2つの軸受52により両端部で支持されている。なお、本例における軸受42は、フレームに支持された軸受用ブラケットと、その孔に挿着されたブッシュ(円筒)とからなる。本実施の形態では、第1回転軸40、伝達アーム46及び第2回転軸47が作動連結機構を構成する。
【0028】
第1回転軸40は運転席13より前方にリーチシリンダ17よりも高い位置に配置されている。このため、第1回転軸40はリーチシリンダ17と運転席13の前方で交差している。第2回転軸47は運転席13の床板13aの下方に配置されている。
【0029】
ドライブユニットサポート41の基部(下端部)43は第1回転軸40に対してスプライン嵌合またはセレーション結合により一体回動可能に固定され、ドライブユニットサポート41は第1回転軸40を中心として車幅方向と直交する面内を揺動可能となっている。そして本実施形態では、ドライブユニットサポート41の基部43と第1回転軸40との連結固定部分が、ドライブユニットサポート41の揺動運動の運動起点となる運動起点構造部分である。
【0030】
図4に示すようにドライブユニットサポート41は側面視略クランク形状で、基部43から上方へ延びる腕部44と、腕部44の上端から略水平に後方へ延びる支持台部45とを有する。ドライブユニット31は支持台部45に組付けられている。腕部44はドライブユニット31を前方から支持する状態にドライブユニット31の前側に上下に延びる状態に位置している。
【0031】
ドライブユニット31は、支持台部45の上面に組付けられたドライブモータ32と、支持台部45の下面に水平面内で回動可能に支持されたギヤハウジング33とを備える。ギヤハウジング33の下部に駆動操舵輪19が回転可能に支持されている。ギヤハウジング33の上部に固定されたギヤホイール33aは、ハンドル15に対しユニバーサルジョイント(図示せず)によって連結されたステアリングシャフト下端のギヤ部(いずれも図示せず)と噛合しており、ハンドル15の回転操作に応じて駆動操舵輪19が操舵されるようになっている。
【0032】
一方、図1,5,6に示すようにキャスタアーム48の基部53は第2回転軸47に対してスプライン嵌合またはセレーション結合により一体回動可能に連結され、キャスタアーム48は第2回転軸47を中心として上下に揺動可能となっている。キャスタアーム48は基部53から後方右側へ湾曲するように延びており、その後端部にはベアリング34を介してキャスタ20が水平面内を回動可能に支持されている。キャスタ20は1組のキャスタ輪35を有している。
【0033】
第1回転軸40の右側部分には伝達アーム46の基部49がスプライン嵌合またはセレーション結合により固定され、第1回転軸40と一体回動可能に連結されている。伝達アーム46の基部49からはその回動半径方向下側に斜め後方へ第1アーム部50が延びている。第1アーム部50の後面からは左右一対の突起51が上側斜め後方に突出している。キャスタアーム48の基部53寄りの根元部分からは第2アーム部54が上側斜め前方へ延出し、その下面にて突起51と当接している。キャスタアーム48の回動力は、第2アーム部54,突起51及び第1アーム部50を介することで第1回転軸40に逆向きの回転力として伝達される。
【0034】
駆動操舵輪19とキャスタ輪35が路面に接地する状態では、駆動操舵輪19の輪重(正確には輪重により路面から受ける抗力)に基づく力が第1回転軸40の左側部分に図6における時計回り方向の回転力として入力され、キャスタ輪35の輪重に基づく力が第1回転軸40の右側部分に同図反時計回り方向の回転力として入力される。つまり、第1回転軸40にドライブユニットサポート41を介してその左側部分に入力される回転力と、キャスタアーム48から第2アーム部54,突起51及び第1アーム部50を介してその右側部分に入力される回転力とが互いに逆向きになるようになっている。
【0035】
また、サスペンション装置30は、フロントフレーム部22の後面に設けられたブラケット56と、ドライブユニットサポート41の支持台部45の上面に固定されたブラケット57との間に介装された輪重調整用スプリング58を備えている。輪重調整用スプリング58は、ドライブユニットサポート41の揺動軌跡の接線方向に軸線が平行となる斜めの姿勢で配設されており、その弾性力によりドライブユニットサポート41を下方へ付勢している。
【0036】
サスペンション機構30Aは、駆動操舵輪19とキャスタ輪35とによって後二輪で支えられる車両後部荷重から輪重調整用スプリング58の付勢力寄与分を差し引いた荷重を、駆動操舵輪19とキャスタ20とにほぼ等分に配分するリンク比に設定されている。すなわち、第2回転軸47からキャスタ20までの距離に、第1回転軸40から突起51の先端当接部までの距離を第2回転軸47から突起51の先端当接部までの距離で除した比を乗じた値が、第1回転軸40から駆動操舵輪19までの距離にほぼ等しくなるように設定されている。
【0037】
サスペンション機構30Aを介した駆動操舵輪19とキャスタ輪35の輪重配分比率はほぼ等しいが、輪重調整用スプリング58の付勢力分が駆動操舵輪19の輪重として余分に加わるため、駆動操舵輪19の輪重が常にキャスタ輪35の輪重よりも一定値だけ大きくなるようになっている。
【0038】
マスト装置16が最大積載荷重で最前位置にリーチした状態では、車両後部荷重がかなり小さくなるが、輪重調整用スプリング58の付勢力分の輪重が駆動操舵輪19の方に余分に付与されるため、駆動操舵輪19の輪重は常に必要最低限以上の値に確保される。そのため、駆動操舵輪19のスリップが起き難くなっている。
【0039】
また、マスト装置16が空荷で最後退位置にある状態では、車両後部荷重が極めて大きくなるが、この後部荷重から輪重調整用スプリング58の付勢力分の一定値を差し引いた値の荷重を両輪19,20にほぼ等分に配分する。このため、キャスタ20の輪重配分比率が高まり、駆動操舵輪19に規定値を超える輪重が付与されることがなくなる。
【0040】
第1回転軸40はその左右両側に入力される駆動操舵輪19の輪重に基づく回転力と、キャスタ20の輪重に基づく回転力とが逆向きであることからねじれた状態に保持される。第1回転軸40のねじり反力は駆動操舵輪19およびキャスタ20の各輪重と釣り合っている。
【0041】
第1回転軸40はその左右両側から入力される二入力(回転力)が釣り合うように回動し、駆動操舵輪19とキャスタ20を車体11に対して上方変位することで、駆動操舵輪19とキャスタ20の各々の輪重を好適な輪重比率に配分する。
【0042】
第1回転軸40のねじれ量はその左右両側からの二入力の値が大きいほど大きく、そのねじれ量が大きいほど第1回転軸40のねじり反力が大きくなる。両輪19,20は第1回転軸40のねじり反力により路面を押圧するように付勢されている。なお、厳密にはドライブユニットサポート41及びドライブユニット31の重量も駆動操舵輪19の輪重に寄与し、キャスタアーム48の重量もキャスタ20の輪重に寄与している。
【0043】
駆動操舵輪19とキャスタ20は第1回転軸40のねじり反力により路面に付勢されている。例えばフォークリフト走行時に、駆動操舵輪19が凸部に乗り上げると、キャスタ20及びキャスタアーム48が慣性力のために静止し続けようとするものの、駆動操舵輪19は第1回転軸40が一瞬ねじれることで凸部に追従するように上方変位する。そして第1回転軸40が余剰のねじれを開放しながらその左右両側の二入力が釣り合う位置まで回動することで、キャスタ20が若干遅れて車体11に対して下降変位し、キャスタ20の輪重が増える。
【0044】
また、駆動操舵輪19が凹部に落ちたとき、キャスタ20及びキャスタアーム48が慣性力のために静止し続けようとするものの、駆動操舵輪19を路面に押圧付勢する第1回転軸40のねじれが開放されることで、駆動操舵輪19は凹部に追従する。そして第1回転軸40がねじれを復帰させながらその左右両側の二入力が釣り合う位置まで回動することで、キャスタ20が若干遅れて車体11に対して上方変位し、キャスタ20の輪重が減る。
【0045】
また、キャスタ20が凸部に乗り上げたり凹部に落ちるときも同様で、第1回転軸40がねじれたりねじれを開放することで、キャスタ20の路面追従性が高まる。よって、駆動操舵輪19とキャスタ20の路面追従性が向上する。
【0046】
以上詳述したように本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1) サスペンション機構30Aが前方を迂回する平面視で略コ字形状に配置された構造で、第1回転軸40がリーチシリンダ17と運転席13よりも前方で交差している。従来のサスペンション装置88では平行リンク機構のロアリンク93が運転席80の床面下方に配置され、床下でリーチシリンダ95と交差していたため、運転席80の床面が高くなっていた。これに対し、この実施形態によれば、第1回転軸40が床面下を通らず運転席13の前方でリーチシリンダ17と交差しているので、運転席13の床面を低くすることができる。
【0047】
(2) 第1回転軸40を中心として揺動するドライブユニットサポート41により、ドライブユニット31を前方から支持し、駆動操舵輪19が車幅方向と直交する面内で揺動するようにしたので、直進走行時に駆動操舵輪19が路面に対して傾倒することがなく、駆動操舵輪19のタイヤの偏摩耗を防ぎ易くすることができる。つまり、例えば、特開平8−156544号公報のサスペンションリンク機構のようにドライブユニットを横から支持する構成では、直進走行時にも駆動操舵輪が傾倒する。しかし、本実施の形態では、ドライブユニット31を前から支持することにより駆動操舵輪19を車幅方向と直交する面内で揺動させるので、直進走行時に駆動操舵輪が19が傾倒しない。
【0048】
(3) サスペンション機構30Aが前方を迂回する平面視で略コ字形状に配置された構造で、ドライブユニットサポート41の運動起点構造部分がドライブユニット31の前方に位置する。よって、ドライブユニットサポート41がドライブユニット31を前方から支持するように配置され、ドライブユニットサポート41の腕部44がドライブユニット31の前側を上下に延びる状態に配置されるので、従来のサスペンション装置88で、ドライブユニット87の横(右隣)に配置されていた支持リンク91及びアッパリンク92があったスペースまで運転席13を車幅方向に広くすることができる。
【0049】
(4) 両輪19,20が路面に接地した状態では第1回転軸40がねじれた状態に保たれるため、第1回転軸40のねじり反力により両輪19,20は路面に押しつけられる方向に付勢される。従来のサスペンション装置では剛性の高い平行リンク機構が使用されて非常に撓み難い構造であった。これに対し、この実施形態は第1回転軸40が車幅方向に沿って延びるように配置された比較的長尺の軸でしかも軸長方向両側から逆向きの回転力が入力されてねじれ易いので、そのねじり反力を両輪19,20の付勢に利用できる。このため、フォークリフト10が走行する際、両輪19,20の路面追従性を高めることができる。よって、従来に比べ凹凸路面走行時の走行安定性を高めることができる。
【0050】
(5) 駆動操舵輪19とキャスタ20との間に平行リンク機構が介在せず、回転軸40の回動を利用するサスペンション機構30Aを採用するので、従来の平行リンク機構方式のサスペンション装置88に比較して、同様の輪重配分機能を備える割にサスペンション装置30を簡単な構造にすることができる。さらに駆動操舵輪19とキャスタ20を第1回転軸40に対し同じ側に位置させた状態に回動軸(第1回転軸40)を配置できることから、サスペンション装置30をコンパクトにレイアウトすることができる。
【0051】
(6) ドライブユニットサポート41を、車幅方向に延びる第1回転軸40を回動中心として揺動するように車体フレーム21に対して連結するとともに、第1回転軸40を、左右両リーチレグ12の間に配置した。サスペンション装置30の作動時には第1回転軸40は回動するのみで高さ方向に位置が変化しないので、サスペンション機構30Aをより低い範囲内に設けることができる。従って、バッテリ28を左右両リーチレグ12のすぐ上方に配置することができるので、従来のサスペンションリンク119によって駆動操舵輪113及びキャスタ114を支持するサスペンション装置と同様に、バッテリ28をできるだけ低い位置に配置することができる。その結果、車両重心が高い位置とならないようにし、走行安定性が従来より低下しないようにすることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図7,図8に従って説明する。
本実施形態は、ドライブユニットサポートを平行リンク機構を利用して上下に平行移動可能に第1回転軸40と連結した点が前記第1の実施形態と異なる。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、特に異なる構成についてのみ説明する。
【0053】
回動軸としての第1回転軸40は前記第1の実施形態と同様の配置位置及び組付構造で、運転席13及びドライブユニット31よりも前方において車幅方向に沿って延びる状態に位置し、車体フレーム21に複数の軸受42を介して回転可能に支持されている。第1回転軸40はリーチシリンダ17とその上方で交差している。このサスペンション装置60では、駆動側支持部材としてのドライブユニットサポート62は側面視略L字形状を有し、ドライブユニット31を支持する支持台部66と、支持台部66の前端から略直角に下方へ折れ曲がって延びる腕部65とを有している。
【0054】
ドライブユニットサポート62は、第1回転軸40及び車体フレーム21に対して平行リンク機構61を介して上下変位可能に支持されている。平行リンク機構61は、ドライブユニットサポート62と、ドライブユニットサポート62の上部左右両側に連結された左右一対のアッパリンク63と、その下部左右両側に連結された左右一対のロアリンク64とを備える。本実施の形態では、ドライブユニットサポート62及び平行リンク機構61が駆動側支持手段を構成する。
【0055】
左右のアッパリンク63は、フロントフレーム部22の後面に取付けられたブラケット67に対しその基端部が軸68を介して回動可能に連結されるとともに、その先端部がドライブユニットサポート62の支持台部66の側部に対し軸69aを介して回動可能に連結された状態にある。また、左右のロアリンク64は、その基端部が第1回転軸40に一体回動可能に連結されるとともに、その先端部がドライブユニットサポート62の腕部65の下端部に対し軸69bを介して回動可能に連結されている。
【0056】
各軸40,68,69a,69bは側面視において平行四辺形となるように配置されており、ドライブユニットサポート62の一部及び両リンク63,64等により、ドライブユニットサポート62を上下変位可能に平行運動させる平行リンク機構61が構成されている。このため、平行リンク機構61が作動することによって、ドライブユニット31はその鉛直姿勢を保持したままドライブユニットサポート62と一体で上下に平行移動するようになっている。本実施形態では、第1回転軸40と、平行リンク機構61のうちドライブユニットサポート62自身を除く機構構造部分であるアッパリンク63及びロアリンク64とが運動起点構造部分である。
【0057】
また、本実施形態でも、支持台部66から下方へ延びる腕部65は、ドライブユニット31の前側に位置している。また、輪重調整用スプリング58はその軸線方向がドライブユニットサポート62の平行運動方向にほぼ平行となるように支持台部66にほぼ垂直に配設されている
第1回転軸40とキャスタ20との間の作動連結構造は、図8に示すように前記第1の実施形態と同じである。この場合、車両後部荷重から輪重調整用スプリング58の付勢力寄与分を差し引いた値の荷重を、駆動操舵輪19とキャスタ20にほぼ等分に分配するようにサスペンション機構60Aは構成されている。すなわちサスペンション機構60Aは、駆動操舵輪19の輪重から輪重調整用スプリング58の付勢力寄与分を差し引いた輪重とキャスタ20の輪重とがほぼ等しいときに第1回転軸40の左右両側に逆向きに入力されるの2つの回転力が釣り合うようなリンク比に設定されている。
【0058】
そして、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1回転軸40、伝達アーム46及び第2回転軸47が作動連結機構を構成する。
よって、この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に(1)〜(6)の各効果が得られる他、さらに次の効果が得られる。
【0059】
(7) 平行リンク機構61の採用により、ドライブユニット31がその姿勢を保持したまま上下に平行移動(運動)するので、直進時の操舵以外のときでも駆動操舵輪19が傾かず、そのタイヤの偏摩耗を防止できる。
【0060】
(8) 平行リンク機構61を採用する平行運動方式なので、第1の実施形態で採用した揺動方式に比べ、ドライブユニット31の車両前後方向の変位量が相対的に小さく済み、他部品との干渉を防ぐために必要なドライブユニット31の収容空間を相対的に小さくすることができる。
【0061】
(第3の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態を図9に従って説明する。尚、本実施の形態は、第1の実施の形態のサスペンション装置30をサスペンション装置70に変更したことのみが第1の実施の形態と異なる。従って、第1の実施の形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、サスペンション装置70のみについて詳述する。
【0062】
サスペンション装置70は、車幅方向の中央部において前後一対で設けられたブラケット71と、車両前後方向に延びる回動軸を回動中心として揺動するように両ブラケット71間に支持された駆動側支持手段及び従動側支持手段としてのサスペンションリンク72とを備えている。
【0063】
各ブラケット71は、車体フレーム21に固定されており、サスペンションリンク72を支持するための孔71aを備えている。孔71aは、車両前後方向に延びるように形成されている。
【0064】
サスペンションリンク72は、両ブラケット71間に配置される基部73と、この基部73の左側に一体で設けられたドライブユニットサポート部74と、基部73の右側に一体で設けられたキャスタサポート部75とを備えている。
【0065】
基部73の前後端には、各ブラケット71の孔71aに嵌合する支持軸76がそれぞれ設けられている。ドライブユニットサポート部74は、ドライブユニット31を支持するための支持台部77を備えている。支持台部77の上面にはドライブモータ32が固定され、同じく下面にはギヤハウジング33が水平面内で回動可能に連結されている。ドライブユニットサポート部74及びキャスタサポート部75は、サスペンションリンク72が両支持軸76を回動軸として揺動することにより、車体11に対し上下方向に変位可能に支持されている。
【0066】
本実施の形態では、両ブラケット71と、サスペンションリンク72の基部73に設けられた各支持軸76とが、ドライブユニット31を車体11に対して上下に変位させるサスペンションリンク72の揺動運動の運動起点となる運動起点構造部分である。そして、この運動起点構造部分は、ドライブユニット31の前側に位置している。
【0067】
又、本実施の形態では、ドライブユニットサポート部74及びキャスタサポート部75が設けられたサスペンションリンク72自体が作動連結機構である。そして、サスペンションリンク72は、駆動操舵輪19とキャスタ20とを互いに上下逆向きに変位するように作動連結する。又、サスペンションリンク72は、リーチシリンダ17に対し運転席13から前方に離れた位置で交差するように設けられている。
【0068】
又、サスペンション装置70は、車体フレーム21に固定されたブラケット78と、ドライブユニットサポート部74の支持台部77の上面との間に介在された輪重調整用スプリング79とを備えている。輪重調整用スプリング79は、ドライブユニットサポート部74を下方に付勢するように設けられている。
【0069】
サスペンション装置70は、車両後部の荷重から輪重調整用スプリング79の付勢力寄与分を差し引いた荷重を、駆動操舵輪19とキャスタ20とにほぼ等分するリンク比に設定されている。即ち、サスペンションリンク72の回動軸から駆動操舵輪19までの距離と、同回動軸からキャスタ20までの距離とがほぼ等しいように設定されている。
【0070】
サスペンションリンク72を介した駆動操舵輪19及びキャスタ20の輪重配分比率はほぼ等しいが、輪重調整用スプリング79の付勢力分が駆動操舵輪19の輪重として余分に加わるため、駆動操舵輪19の輪重が常にキャスタ20の輪重よりも一定値だけ大きくなるようになっている。
【0071】
以上詳述した本実施の形態のサスペンション装置によれば、前記第1の実施の形態における(1),(3)に記載の各効果と、以下に記載する効果とを得ることができる。
【0072】
(9) 車体フレーム21に対し車両前後方向に延びる軸を回動中心として揺動するように連結された1つのサスペンションリンク72だけで駆動操舵輪19及びキャスタ20が支持される。従って、サスペンション装置70の構成が簡素なものとなり、部品点数及び組み立て工数が少なくすむ。
【0073】
以下、本発明を具体化した上記実施の形態以外の実施の形態を列挙する。
○ 第1の実施の形態では、第1回転軸40と作動連結するドライブユニットサポート41の基部43が、図1に示すように、第1回転軸40の左端部を車体フレーム21に支持する軸受42と、中央部を支持する軸受42との間で、第1回転軸40に嵌合固定されるようにした。これを、図10に示すように、第1回転軸40の左端部よりも中央寄りを支持するように設けた軸受42の両側で第1回転軸40に嵌合固定されるようにしてもよい。
【0074】
○ 第1の実施の形態で、図11に示すように、作動連結機構を構成する伝達アーム46の第1アーム部50とキャスタアーム48の第2アーム部54との間に、ドライブユニットサポート41とキャスタアーム48とがそれぞれ所定の変位範囲内で独立して変位可能なように弾性的に作動連結するサスペンションスプリング59を設けた構成としてもよい。この構成では、比較的細かいピッチの凹凸路面の走行時に、駆動操舵輪19及びキャスタ20がそれぞれ一定の変位範囲内で左右独立状態で変位する。その結果、駆動操舵輪19及びキャスタ20の路面追従性が向上して走破性が向上するとともに、凹凸路面から車体11に伝わる比較的細かい振動が抑制され車体11の走行安定性が向上する。
【0075】
○ 各実施の形態で、輪重調整用スプリングに代えて、油圧シリンダ、空圧シリンダ等の流体圧シリンダとしてもよい。
○ サスペンション装置を設ける産業車両は、左右前輪あるいは左右後輪が駆動操舵輪とキャスタとで構成されるとともにキャスタの上方に運転席が設けられた産業車両であればよく、リーチ型フォークリフトに限らない。
【0076】
以下、特許請求の範囲に記載した各発明の外に、前述した各実施の形態及び各別例から把握される技術的思想をその効果とともに記載する。
(1) 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記作動連結機構には、前記駆動側時手段及び従動側支持手段をそれぞれ所定の変位範囲内で互いに独立して変位可能なように弾性的に作動連結する弾性作動連結手段(キャスタスプリング59)が含まれている。このような構成によれば、走破性及び走行安定性が向上する。
【0077】
(2) 請求項1に記載の発明において、前記駆動側支持部材及び従動側支持部材は、車幅方向の中央部において車両前後方向に延びる回動軸を回動中心として揺動するサスペンションリンク(72)である。このような構成によれば、車体に対し揺動可能に支持されたサスペンションリンクだけで駆動輪及び従動輪が支持されるので、構成が簡素化され、部品点数及び組み付け工数が少なくてすむ。
【0078】
(3) 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記駆動側支持手段の変位運動の起点となる運動起点構造部分が、前記ドライブユニットの前側に位置している。このような構成によれば、車幅を拡大することなく運転席の左右幅を広くすることができる。
【0079】
(4) 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記作動連結機構は、前記駆動輪の輪重に応じた回転力が前記駆動側支持手段を介して入力されるとともに、前記従動輪の輪重に応じた回転力が前記従動側支持手段を介して該駆動輪側からの回転力と逆向きに入力される回動軸(第1回転軸40)を備え、前記2つの回転力が釣り合うように該回動軸が回動することにより前記駆動輪及び従動輪が前記車体に対して互いに上下逆向きに変位可能に構成されている。このような構成によれば、駆動輪と従動輪とを作動連結する機構の構造物である回転軸の捻じり反力を利用して、駆動輪及び従動輪の路面追従性を向上することができる。
【0080】
【発明の効果】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、荷役装置をリーチ動作させるためのリーチ用駆動装置を備えた産業車両において、運転席の床面をより低い高さに配置することができる。又、リーチ型フォークリフトにおいては、運転席への昇降性を向上することができる。
【0081】
加えて請求項2〜請求項5に記載の発明によれば、リーチ用駆動装置と作動連結機構との交差部分の高さが変化しないようにし、作動連結機構をより一層低い範囲内に設けることができる。
【0082】
加えて請求項3又は請求項5に記載の発明によれば、サスペンション装置の作動に起因する偏摩耗を抑制することができる。
加えて請求項4又は請求項5に記載の発明によれば、駆動輪が操舵される駆動操舵輪であっても、サスペンション装置の作動に起因する偏摩耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態におけるサスペンション装置を示す模式平面図。
【図2】 リーチ型フォークリフトの模式右側面図。
【図3】 リーチ型フォークリフトの模式平面図。
【図4】 サスペンション装置を示す模式左側面図。
【図5】 サスペンション装置を示す模式背面図。
【図6】 サスペンション装置を示す模式右側面図。
【図7】 第2の実施の形態におけるサスペンション装置を示す模式左側面図。
【図8】 サスペンション装置を示す模式平面図。
【図9】 第3の実施の形態におけるサスペンション装置を示す模式透視斜視図。
【図10】 別例のサスペンション装置を示す模式平面図。
【図11】 別例のサスペンション装置を示す模式右側面図。
【図12】 従来のサスペンション装置を示す模式背面図。
【符号の説明】
10…リーチ型フォークリフト、11…車体、13…運転席、19…駆動輪としての駆動操舵輪、20…従動輪としてのキャスタ、30…サスペンション装置、30A…作動連結機構としてのサスペンション機構、31…ドライブユニット、40…第1及び第2の実施の形態における作動連結機構を構成する回動軸としての第1回転軸、41…駆動側支持手段及びアームとしてのドライブユニットサポート、46…第1及び第2の実施の形態における作動連結機構を構成する伝達アーム、47…同じく第2回転軸、48…第1及び第2の実施の形態における従動側支持手段としてのキャスタアーム、60…サスペンション装置、60A…作動連結機構としてのサスペンション機構、61…第2の実施の形態における駆動側支持手段を構成する平行リンク機構、62…駆動側支持手段を構成する駆動側支持部材としてのドライブユニットサポート、70…サスペンション装置、72…駆動側支持手段、従動側支持手段及び作動連結機構としてのサスペンションリンク。

Claims (5)

  1. ドライブユニットに支持された駆動輪と、該駆動輪と左右で対をなす従動輪とを備え、前記ドライブユニットを車体に対して上下変位可能に支持する駆動側支持手段を介して前記駆動輪を運転席の下方から車幅方向に外れた位置で前記車体に対して上下変位可能に支持し、前記従動輪を前記車体に対して上下変位可能に支持する従動側支持手段を介して前記運転席の下方で支持するとともに、前記駆動側支持手段及び従動側支持手段を作動連結する作動連結機構によって前記駆動輪及び従動輪を左右で互いに上下逆向きに変位させる産業車両のサスペンション装置において、
    前記作動連結機構は、荷役装置を車体に対して前後動させるためのリーチ用駆動装置に対し、前記運転席から車両前後方向に外れた位置で交差している産業車両のサスペンション装置。
  2. 前記作動連結機構は、車幅方向に延びる状態で車体に対し回動可能に支持された回動軸を備え、前記リーチ用駆動装置に対し該回動軸が交差している請求項1に記載の産業車両のサスペンション装置。
  3. 前記駆動側支持手段は、前記駆動輪が車幅方向に対して直交する平面内で揺動可能な状態に前記ドライブユニットを支持するアームである請求項1又は請求項2に記載の産業車両のサスペンション装置。
  4. 前記駆動側支持手段は、前記ドライブユニットを支持する駆動側支持部材と、該駆動側支持部材を前記ドライブユニットの姿勢を保持したままで上下変位可能に平行運動させる平行リンク機構とを備えている請求項1又は請求項2に記載の産業車両のサスペンション装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両のサスペンション装置を備えたリーチ型フォークリフト。
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