JP3955224B2 - 液体ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動モータを駆動源とする液体ポンプに関し、更に詳しくは、マグネットを利用したシール機構において改良された特徴を持つ液体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体ポンプでは、ポンプケーシング側からモータケーシングへと回転軸を伝わって液体が浸入するのを阻止するために、回転軸の軸受部分にメカニカルシールを配設する構成或いはパッキンを配設する構成のシール機構が備えられている。回転軸の周面においてシールを行う機構では、シール部材が、電動モータの作動時・不作動時を問わず、回転軸に対して常に接触状態にあるため、摩耗し易すくメンテナンス負荷が大きい。
【0003】
また、液体ポンプでは、利用場所や用途によっては、液体だけでなく微細な固形分までもが回転軸の周囲に浸入する結果、回転軸の周面でシールを行う従来の機構では、シール部材が損壊され易いという難点もある。
【0004】
上記事情から、電磁石を利用したシール方式が提案・実施されている。例えば、特公平1−43159号公報は、回転軸に鍔状に固定されるリングシールと、回転軸の軸線方向に移動可能な状態に配設される円筒状支持体に取り付けられるリングシールとを用意して両者を対向させ、円筒状支持体を電磁石により作動させる構成として、電動モータの作動時には、電磁石の作用ONにより円筒状支持体を移動させて両リングシールを密着させてシール状態とし、電動モータの不作動時には、電磁石の作用OFFにより円筒状支持体をバネなどにより復帰させて両リングシール密着を解除する構成を教示している。
【0005】
一方、特公昭62−46717号、同62−49477号公報は、電動モータの作動時に回転軸の回転によって生じる遠心力により対向リングシールの接合・離開を制御する構成を教示している。
【0006】
上記の外、回転軸の回転によって生じる遠心力を利用してシールを行う構成が特開平7−280105号公報などに示されているが、機械的構成だけによっている点で本発明の構成とは異なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特公平1−43159号公報で教示されているシール機構は、電磁石のON・OFFにより対向リングシールの接合・離開を行う構成であるので、(1)電磁石を作動させるための電源回路が必要でありコスト高となるばかりでなく、(2)電源電圧は国・地域によっては不統一であり、利用に先立って調整が必要である、(3)電磁石を配置するスペースも水密化が必要であり機構が複雑化する、(4)電磁石によって生じる熱により水密スペースの温度が上昇し、停止時には結露が生じ易いことから、誤動作が懸念される、などの技術上の課題が残されている。
【0008】
他方、特公昭62−46717号、同62−49477号公報は、上記したように、電動モータの作動時に回転軸の回転によって生じる遠心力により対向リングシールの接合・離開を制御するシール機構であるが、全ての要素が機械的構成であるために、(1)精密な部材の加工や組立或いは運転調整が要求されるだけでなく、(2)微細な固形物などが浸入した場合には誤動作し易く、メンテナンス負荷が大きい、などの技術上の課題が残されている。
【0009】
特に、従来のシール機構では、シール部材を上下に駆動するための摺動部にOリング或いはオイルシールを必要としているが、摺動部に薬液による膨張や腐食などがあり、摩擦抵抗により、シール部材が回転軸の動きに対してスムースに追随できなくなる場合がある。この結果、従来の液体ポンプではメンテナンス負荷が高くなる難点がある。
【0010】
本発明は、液体ポンプにおける上記した従来技術の持つ難点を解決することを課題として成されたものであり、液体ポンプにおける、(1)シール部材の摩耗防止のために、回転軸の回転時にはシールが解除されるように制御し得る構成、(2)シールの制御に電源を必要としない構成、(3)シール制御部の気密性の保持が容易である構成、(4)メンテナンス負荷が軽減される構成、(5)部品点数が少なく、機構も簡易であり製造コストが軽減される構成、であるシール機構を有する液体ポンプを明らかにするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液体ポンプは、次の構成であることを特徴とする。
【0012】
1.モータケーシングとポンプケーシングとの間に配設した円筒状フレームの内側空間に1対のシール材を配設すると共に、両シール材の接合・離開をモータ回転軸の回転により位置変動するマグネットの磁力により制御する方式のリニアシール機構を有する液体ポンプにおいて、(1)シール材が、モータ回転軸に固定されている回転盤の下面に取り付けられている環状の回転シールと、該回転シールに対して接合・離開する可撓固定シールとから成り、(2)該回転シールが配設される回転盤には、回転盤の回転に伴う遠心力により位置変動する可動マグネットが配設されており、他方、前記可撓固定シールが固定される上下スライド部材の上面側には、固定マグネットが配設されており、(2−1)モータ回転軸の停止時には、原位置にある可動マグネットのN極又はS極によって固定マグネットの異極(S極又はN極)に引き寄せられて、前記上下スライド部材は上方に引き上げられる結果、可撓固定シールの上面は回転シールの下面に接合(接触)状態となって空気室がシールされる構成であり、(2−2)モータ回転軸の所定回転数での回転時には、遠心力により原位置から位置変動した可動マグネットと固定マグネットの同極どうしが反発し、上下スライド部材は下方に押し下げられる結果、可撓固定シールの上面が回転シールの下面から離開し空気室のシールが解除されるように、シール材の制御が行われる構成であるリニアシール機構を有することを特徴とする液体ポンプ。
【0013】
2.モータケーシングとポンプケーシングとの間に配設した円筒状フレームの内側空間に1対のシール材を配設すると共に、両シール材の接合・離開をモータ回転軸の回転により位置変動するマグネットの磁力により制御する方式のリニアシール機構を有する液体ポンプにおいて、(1)シール材が、モータ回転軸に固定されている回転盤の下面に取り付けられている環状の回転シールと、上端に前記回転シールの下面に接触する上面部が、中間部に伸縮部が形成されると共に、側面に円筒状の上下スライド部材が配設され、下端が上下スライド部材のポンプケーシングに連続して固定されている円盤状基板に固定されている可撓固定シールとから成り、(2)該回転シールが配設される回転盤には、マグネット収納部が用意され、該マグネット収納部には、回転盤の回転に伴う遠心力により位置変動する可動マグネットが配設されており、他方、前記可撓固定シールが固定される上下スライド部材の上面側には、固定マグネットが配設されており、(2−1)モータ回転軸の停止時には、原位置にある可動マグネットのN極又はS極によって固定マグネットの異極(S極又はN極)に引き寄せられて、前記上下スライド部材は上方に引き上げられる結果、可撓固定シールの上面は回転シールの下面に接合(接触)状態となって空気室がシールされる構成であり、(2−2)モータ回転軸の所定回転数での回転時には、遠心力により原位置から位置変動した可動マグネットと固定マグネットの同極どうしが反発し、上下スライド部材は下方に押し下げられる結果、可撓固定シールの上面が回転シールの下面から離開し空気室のシールが解除されるように、シール材の制御が行われる構成であるリニアシール機構を有することを特徴とする液体ポンプ。
【0014】
3.可動マグネットの原位置への復帰が、固定マグネットとの同極どうしの反発力及び異極との吸着力により行われる構成であることを特徴とする前記1又は2に記載したリニアシール機構を有することを特徴とする液体ポンプ。
【0015】
4.全体が筒状であり、上下端部ないし側面部には固定部材ないし可動部材に対する接続部が、中間部には伸縮部が形成されているシール材を有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の液体ポンプ。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る液体ポンプを添付の図面に従って詳細に説明する。
【0017】
図1において、モータケース10はポンプを駆動するための電動モータを水密状態に収納しており、その底部において、フランジ11を介してポンプ用円筒状フレーム12に連結されている。ポンプ用円筒状フレーム12の下端には、ポンプケーシング13が固定状態に取り付けられている。
【0018】
モータケース10に気密状態に収納されている電動モータの回転軸20は、フランジ11の下方に延長されており、ポンプ室14に達している先端には羽根車30が取り付けられる。
【0019】
羽根車30の下端側には主羽根31が、上端側には裏羽根32が取り付けられている。また、羽根車30には鍔状の逆流防止シール33が配設されており、隔壁板55の開口部との連携により、回転軸20を停止した際、ポンプ室14側から急激に液体が浸入するのを阻止する機能を持っている。
【0020】
電動モータの駆動により羽根車30が回転し、これに配設されている主羽根31及び裏羽根32の回転により液体が矢符A方向からポンプ室14に吸引され、矢符B方向に吐出される。
【0021】
以上説明した構成は、従来公知の液体ポンプの構成と基本的に同一であり、次に、本発明が対象とするシール機構を説明する。
【0022】
ポンプ室14の上方位置には、円筒状フレーム12に囲繞された内側には、以下に説明するシール機構が収納されている。
【0023】
中央開口が回転軸20に固定されており、回転軸20の回転に従って回転する回転盤40の下面には、回転シール41が取り付けられている。回転シール41は、リング状であることを基本形状とするが、その断面形状は、図1に示すような方形であることを要しない。然しながら、シールを目的とするものであるから、少なくともその下側の面は、後述する可撓固定シール50の上面と密着する部分を持つことを要する。
【0024】
回転シール41を形成する材料としては、天然ないし合成ゴム、合成樹脂の如き、シール材として一般的に用いられる様々な材料を用いることができ、液体ポンプの利用分野にもよるが、一般的に、油やその他の化学剤等に対して耐性を有する材料であることが好ましい。
【0025】
上記した回転シール41に対向させて可撓固定シール50が配設される。可撓固定シール50における可撓とは、図1において、その全体又は1部が上下方向にフレキシブルであること、また、固定とは、回転軸20から独立しており回転しないこと、を意味する。本発明に用いられる可撓固定シール50は、前記回転シール41に対して接合・離開する構成であればよい。
【0026】
本実施例の可撓固定シール50の側面に形成されている突起部分は、円盤状の上下スライド部材51の内周壁に弾性を利用して取り付けられており、また、可撓固定シール50の下端部分は円盤状の固定部材52に固定されている。可撓固定シール50の下端を固定する固定部材52は、円盤状基板54の上に取り付けられており、更に、基板54はポンプ室14と空気室15とを仕切る円盤状の隔壁板55の上面に固定されている。従って、可撓固定シール50に対して固定状態にある各部材は、回転軸20の回転から自由であり回転しない。
【0027】
上下スライド部材51は、回り止めボルト53に規制されている結果、回動せず、回り止めボルト53に従って摺動して上下方向にのみ移動が可能である。
【0028】
上記の構成の特徴は、可撓固定シール50を支持している固定部材52及び円盤状基板54が円筒状フレーム12の内周面に沿って摺動させる必要がなく、また、可撓固定シール50に連続されている上下スライド部材51は、円筒状フレーム12の内周面を含む他の部材との摺動面において、従来の液体ポンプのシール機構に見られるようなOリングやメカニカルシール等のシール機構を持たない点である。
【0029】
可撓固定シール50は、断面U字状の伸縮部57が形成されている結果、上下方向に伸縮性を持っている。伸縮部57は、U字状部が複数連続する蛇腹状にするなど種々に構成することができ、従って、可撓固定シール50は、伸縮部57を含めて、図1に示す断面形状に限定されるものではない。
【0030】
可撓固定シール50は、全部材を天然ないし合成ゴムや合成樹脂等の可撓性を有する材料で形成してもよいが、伸縮部57の部分だけを可撓性部材で形成する複合構造とすることもできる。従って、例えば、ステンレス製のベローズで伸縮部57を形成することもできる。更に、可撓固定シール50は、前記した回転シール41と同様に、一般的に、油やその他の化学剤等に対して耐性を有する材料で形成することが好ましく、また、フッ素樹脂加工などにより表面を処理して薬品耐性を強化することも好ましい。
【0031】
次に、回転シール41の下面と可撓固定シール50の上面との接合(接触)構造に付いて説明する。以下、「接合」については、「接触」という用語を用いる。
【0032】
回転シール41の下面と可撓固定シール50の上面とが接触状態にあるときシールはON状態であり、両者が離開するとシールはOFFとなる構造であるから、両者の接触面は基本的には平滑であってよい。然しながら、回転軸20が、所定回転数で回転している状態、所定回転数以下で回転している状態、停止している状態を比較すると、空気室15(逆流防止シール33から回転盤40及び回転シール41までの空間)の圧力に差が見られ、空気室15の内圧は、回転軸20が停止しているときに最大となる。従って、回転シール41の下面と可撓固定シール50の上面との接触状態は、空気室内圧が最大となった状態のときに最強となるよう、両者の接触面を構成することが好ましい。
【0033】
上記を満足させる構成を具体的に説明する。先ず、図5に示す構成では、可撓固定シール50の上面は2段に形成されており、上面内縁側50Aは外縁に向かって傾斜されており、上面外縁側50Bは略水平に形成されており、上面外縁側50Bの面よりも上面内縁側50Aの先端の方が突出した形状となっている。従って、回転シール41と可撓固定シール50とが離開した状態から、ポンプの駆動が停止され回転軸20の回転数が減少するに従って、マグネット43、56の働きで、可撓固定シール50が上昇すると、先ず、上面内縁側50Aの最先端部が回転シール41の下面に接触し、次いでマグネット43、56の力によって更に上に引き寄せられると、上面内縁側50Aの最先端部は変形し、上面外縁側50Bの面が回転シール41の下面に接触することとなる。
【0034】
上記構成は、可撓固定シール50の上面を2段に形成する態様であるが、上面の全体を外側に向かって下降する傾斜状態(傘形)に形成する態様など、密接できる構成であればよい。
【0035】
可撓固定シール50の上面が上記構成となっているので、回転シール41の下面が平面状であっても、可撓固定シール50の上面の全体が平面である構成と比較して強い接触圧が得られシール効果が高い。
【0036】
回転シール41が取り付けられる回転盤40には、マグネット収納部42が用意されて可動マグネット43が配設され、また、可撓固定シール50の側面に配設される上下スライド部材51には、マグネット収納部に固定マグネット56が配設される。
【0037】
図2に示すように、回転盤40に配置する可動マグネット43は、放射状に用意されているマグネット収納部42に収納されて、N極が中心側に位置するように配列される。配置される可動マグネット43は図示の態様では4ヵ所であるが、数に限定されるものではない。マグネット収納部42内に配設される可動マグネット43の形状・個数は、基本的に棒状のものが単一であるが、これに限定されるものではなく、例えば、方形の2つの磁石を互いに極性を逆にして配設する態様であってもよい。
【0038】
図2に示すように、上下スライド部材51に配設される固定マグネット56は断面が環状であり、N極が上に位置するように配置され、放射状に配設される可動マグネット43に対応している。尚、可動マグネット43と固定マグネット56とは、夫々極性を図2に示す極性とは逆に配置してもよい。
【0039】
尚、図2に示した態様では、可動マグネット43のためのマグネット収納部42が、円周方向に直線状に配設されているが、本発明は、図3に示すように、マグネット収納部42を、矢符に示す方向とは逆方向に傾斜した状態で用意する態様を包含するものである。
【0040】
図2及び図3に示すように、回転軸20が停止状態にあるとき(回転数が所定の回転数以下の場合を含む)、即ち、可動マグネット43と固定マグネット56とが図1に示す位置状態にあるときは、可動マグネット43のS極と固定マグネット56のN極とが互いに引き合う結果、上下スライド部材51は図1において上方向に引き付けられ、可撓固定シール50の上面は回転シール41の下面に接触され、シール機能がONの状態となる。
【0041】
次に、回転軸20が所定の回転数で回転状態にあるときは、回転盤40も同期して回転するので、可動マグネット43は遠心力により円周方向に飛ばされ、そのN極が、上下スライド部材51に用意されている固定マグネット56のN極の上面に位置することとなる(図2・図3の回転状態を参照)。この状態では、可動マグネット43のN極と固定マグネット56のN極とが反発し合う結果、上下スライド部材51は、図4に示すように、下方向に押し下げられる。この結果、可撓固定シール50の上面は回転シール41の下面からの接触が解除され、シール機能はOFFの状態となる。
【0042】
上記の構成において、回転軸20が所定の回転数で回転状態にあるときに遠心力により、円周方向に飛ばされている可動マグネット43が、回転軸20の停止時(所定回転数に満たない回転数での回転時を含む)に、図1に示す原位置に復帰する機序の説明が必要である。
【0043】
上記した機序を可能とする第1の実施態様として、回転軸20の回転を止め、可動マグネット43を円周方向に飛び出させている遠心力が弱まった時点では、可動マグネット43のS極とマグネット56のN極とが引き合う力が大となり、可動マグネット43が原位置に自動復帰する構成が挙げられる。
【0044】
第2の実施態様として、図1に仮想線で示すように、弦巻バネやゴムなどの弾性部材44の反発力を利用して可動マグネット43が原位置に自動復帰する構成が挙げられる。この弾性部材44の反発力と上記マグネット43・56の反発・吸磁力とを併せ利用する構成であってもよい。
【0045】
第3の実施態様として、可動マグネット43を収納するマグネット収納部42を中心方向に傾斜した状態に配設し、遠心力負荷がない場合に、可動マグネット43をその重力により復帰させる構成が挙げられる。この実施態様は、液体ポンプが常に垂直状態を保って利用される場合にのみ有効である。
【0046】
可撓固定シール50が回転シール41と組み合わせて利用されるとき、上記したような働きを有するものであるが、本発明に係る「全体が筒状であり、上下端部ないし側面部には固定部材ないし可動部材に対する接続部が、中間部には伸縮部が形成されていることを特徴とするシール材」は、円筒状物の内部空間を縦方向に二分するフレキシブルなシール材として、液体ポンプ等のポンプ用、その他の可撓シール用途として各種分野に利用し得るものである。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る液体ポンプは上記した構成であるので、(1)回転軸の作動時にはシール部材を離開させ、不作動時だけに機能するように制御することができるので、常に作動状態にある従来の構成と比較して部材の摩耗防止に有効である、(2)シールの制御に定圧電源を必要としないので、電圧の一定しない国や地域でも利用が可能である、(3)シール部材のON・OFFが、機械的には非接触であるマグネットの動きによってのみ行われ、マグネット収納部は、気密性の保持が容易である、(4)シール部材を駆動する部分のシールが不要であり、従来のリニアシールのようなOリングやメカニカルシール部分の汚染がなく、メンテナンス負荷が軽減される、(5)部品点数が少なく、機構も簡易であり製造コストが軽減される、等の利益を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す要部縦断面図
【図2】可動マグネットの配置例を示す概略平面図
【図3】可動マグネットの他の配置例を示す概略平面図
【図4】シール機構の作動説明図
【図5】回転シールと可撓固定シールの接触面の構造を示す要部断面図
【符号の説明】
10−モータケース
11−フランジ
12−円筒状フレーム
13−ポンプケーシング
14−ポンプ室
15−空気室
20−モータ(ポンプ回転翼)の回転軸
30−羽根車
31−主羽根
32−裏羽根
33−逆流防止シール
40−回転盤
41−回転シール
42−マグネット収納部
43−可動マグネット
44−弾性部材
50−可撓固定シール
51−上下スライド部材
52−固定部材
53−回り止めボルト
54−円盤状基板
55−隔壁板
56−固定マグネット
57−伸縮部
Claims (4)
- モータケーシングとポンプケーシングとの間に配設した円筒状フレームの内側空間に1対のシール材を配設すると共に、両シール材の接合・離開をモータ回転軸の回転により位置変動するマグネットの磁力により制御する方式のリニアシール機構を有する液体ポンプにおいて、
(1)シール材が、モータ回転軸に固定されている回転盤の下面に取り付けられている環状の回転シールと、該回転シールに対して接合・離開する可撓固定シールとから成り、
(2)該回転シールが配設される回転盤には、回転盤の回転に伴う遠心力により位置変動する可動マグネットが配設されており、他方、前記可撓固定シールが固定される上下スライド部材の上面側には、固定マグネットが配設されており、(2−1)モータ回転軸の停止時には、原位置にある可動マグネットのN極又はS極によって固定マグネットの異極(S極又はN極)に引き寄せられて、前記上下スライド部材は上方に引き上げられる結果、可撓固定シールの上面は回転シールの下面に接合(接触)状態となって空気室がシールされる構成であり、(2−2)モータ回転軸の所定回転数での回転時には、遠心力により原位置から位置変動した可動マグネットと固定マグネットの同極どうしが反発し、上下スライド部材は下方に押し下げられる結果、可撓固定シールの上面が回転シールの下面から離開し空気室のシールが解除されるように、シール材の制御が行われる構成であるリニアシール機構を有することを特徴とする液体ポンプ。 - モータケーシングとポンプケーシングとの間に配設した円筒状フレームの内側空間に1対のシール材を配設すると共に、両シール材の接合・離開をモータ回転軸の回転により位置変動するマグネットの磁力により制御する方式のリニアシール機構を有する液体ポンプにおいて、(1)シール材が、モータ回転軸に固定されている回転盤の下面に取り付けられている環状の回転シールと、上端に前記回転シールの下面に接触する上面部が、中間部に伸縮部が形成されると共に、側面に円筒状の上下スライド部材が配設され、下端が上下スライド部材のポンプケーシングに連続して固定されている円盤状基板に固定されている可撓固定シールとから成り、(2)該回転シールが配設される回転盤には、マグネット収納部が用意され、該マグネット収納部には、回転盤の回転に伴う遠心力により位置変動する可動マグネットが配設されており、他方、前記可撓固定シールが固定される上下スライド部材の上面側には、固定マグネットが配設されており、(2−1)モータ回転軸の停止時には、原位置にある可動マグネットのN極又はS極によって固定マグネットの異極(S極又はN極)に引き寄せられて、前記上下スライド部材は上方に引き上げられる結果、可撓固定シールの上面は回転シールの下面に接合(接触)状態となって空気室がシールされる構成であり、(2−2)モータ回転軸の所定回転数での回転時には、遠心力により原位置から位置変動した可動マグネットと固定マグネットの同極どうしが反発し、上下スライド部材は下方に押し下げられる結果、可撓固定シールの上面が回転シールの下面から離開し空気室のシールが解除されるように、シール材の制御が行われる構成であるリニアシール機構を有することを特徴とする液体ポンプ。
- 可動マグネットの原位置への復帰が、固定マグネットとの同極どうしの反発力及び異極との吸着力により行われる構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載したリニアシール機構を有することを特徴とする液体ポンプ。
- 全体が筒状であり、上下端部ないし側面部には固定部材ないし可動部材に対する接続部が、中間部には伸縮部が形成されているシール材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体ポンプ。
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