JP2807778B2 - 真空内上下受渡し装置 - Google Patents

真空内上下受渡し装置

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JP2807778B2 JP7012041A JP1204195A JP2807778B2 JP 2807778 B2 JP2807778 B2 JP 2807778B2 JP 7012041 A JP7012041 A JP 7012041A JP 1204195 A JP1204195 A JP 1204195A JP 2807778 B2 JP2807778 B2 JP 2807778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体製造・検査装
置または液晶基板製造・検査装置等の真空容器内でシリ
コンウェハ等のワークを上下方向に受け渡す、真空内上
下受渡し装置に関し、特に超高真空・超清浄雰囲気の実
現と、機器の長寿命化を図るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の真空容器内での上下方向
のワーク受け渡しには図3に示すような真空内上下受渡
し装置が用いられている。
【0003】同図に示す装置は真空容器1内に真空と大
気とを遮断するための金属ベローズ50を有し、この金
属ベローズ50は真空容器1の底面開口部3に設置され
ており、金属ベローズ50の外周面側は真空容器1内の
雰囲気(真空の雰囲気)に、また当該金属ベローズ50
の内周面側は大気の雰囲気に設定されている。
【0004】金属ベローズ50の内周面側には軸部51
が上下動可能に設置されており、軸部51の先端は金属
製ベローズ50の蓋体50aに、また軸部50の後端は
シリンダ52内のピストンに一体に取付けられている。
【0005】そして、シリンダ52内のピストンを介し
て軸部51を上下に移動すると、金属ベローズ50が真
空容器1内で伸縮動作し、これにより金属ベローズ50
の先端に設置したワークWの上下受け渡しが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の真空内上下受渡し装置にあっては、上記の如
く真空容器1内で金属ローズ50が伸縮動作するもので
ある。このため金属べローズ50の蛇腹溶接部に繰り返
し荷重がかかり、そこから金属粉が発生するだけでな
く、金属ローズ50は蛇腹状であるためその表面積が広
く、表面から発生するガスが多く、しかもガスが溜まり
やすい構造であることから、超高真空・超清浄雰囲気の
実現が困難である。また5万サイクル程度の繰り返し荷
重で蛇腹溶接部のリークが発生し、機器寿命が短い等の
問題点がある。
【0007】この発明は上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは超高真空・超清浄雰囲気
の実現と、機器の寿命化を図るのに好適な真空内上下受
渡し装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は真空容器の外側に設けられ
るとともに、上記真空容器の底面開口部に一端を開口
し、他端を密閉してなる筒状の隔壁と、上記底面開口部
に上下動可能に挿入されるとともに、先端部が上記真空
容器内に位置し、後端部が上記隔壁内に位置するロッド
と、上記隔壁の外周面側から磁力で上記ロッドを径方向
に浮上支持するラジアル磁気支持手段と、上記隔壁の外
周面側から磁力で上記ロッドを軸方向に浮上支持するア
キシャル磁気支持手段と、上記ラジアル磁気支持手段を
上記隔壁に沿って上下に移動させる上下移動手段とを備
え、上記ラジアル磁気支持手段は、上記隔壁の外周面側
に設置され、かつ上記ロッドの外周面に一体に設けた磁
性体ターゲットを吸引するラジアル電磁石を有し、 上記
アキシャル磁気支持手段は、上記隔壁の外周面側に設置
され、かつ上記ロッドの外周面に一体に設けた内側永久
磁石体と反発し合う外側永久磁石体を有し、 上記上下移
動手段は、上記ラジアル電磁石および上記外側永久磁石
体を一体に取付けた移動部本体と、上記移動部本体を上
記隔壁に沿って上下に移動させる移動機構体とからなる
ことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、真空容器の外側に
設けられるとともに、上記真空容器の底面開口部に一端
を開口し、他端を密閉してなる筒状の隔壁と、 上記底面
開口部に上下動可能に挿入されるとともに、先端部が上
記真空容器内に位置し、後端部が上記隔壁内に位置する
ロッドと、 上記隔壁の外周面側から磁力で上記ロッドを
径方向に浮上支持するラジアル磁気支持手段と、 上記隔
壁の外周面側から磁力で上記ロッドを軸方向に浮上支持
するアキシャル磁気支持手段と、 上記ラジアル磁気支持
手段を上記隔壁に沿って上下に移動させる上下移動手段
とを備え、 上記ラジアル磁気支持手段および上記上下移
動手段は、上記隔壁の外周面側に設置したリニアパルス
モータ本体と、上記ロッドの外周面に一体に設けられ、
かつ上記リニアパルスモータ本体に対向する櫛歯状磁性
体ターゲットとからなることを特徴とする。
【0010】
【0011】
【作用】この発明では、ラジアル磁気支持手段、アキシ
ャル磁気支持手段が隔壁に沿って上下に移動すると、こ
の移動に追従してロッドが隔壁内で上下に移動する。つ
まり磁力で浮上支持されたロッドが伸縮せずそのまま上
下動し、これによりロッドの先端に載置したワークの上
下受け渡しを行う。
【0012】
【実施例】以下、この発明に係る真空内上下受渡し装置
の実施例について図1および図2を用い詳細に説明す
る。
【0013】この真空内上下受渡し装置は図1に示す如
く真空と大気とを遮断するための金属からなる隔壁2を
有し、隔壁2は筒状に形成され、かつ真空容器1の外側
に設置されている。
【0014】隔壁2の一端2aは真空容器1の底面開口
部3に開口し、かつ真空容器1に固定されており、隔壁
2の他端2bは蓋体4により密閉されている。
【0015】なお、真空容器1への隔壁2の固定は、隔
壁2の一端2a外周縁に設けたフランジ部5と、これを
真空容器1に連結するためのねじ6とによるものであ
り、またフランジ部5と真空容器1との間にはその隙間
を遮断するためのシール材7が介挿されている。
【0016】真空容器1の底面開口部3にはロッド8が
上下動可能に挿入されており、ロッド8の先端部8a側
は真空容器1内に、その後端部8b側は隔壁2内に位置
するように配設されている。
【0017】ロッド8は隔壁2の外周面側から磁力で径
方向に浮上支持されており、このようにロッド8を径方
向に浮上支持するためのラジアル磁気支持手段9は複数
のラジアル電磁石900,900…および図示しないラ
ジアル変位センサ部等から構成されている。
【0018】ラジアル電磁石900,900…は隔壁2
の外周面側に環状に設置されている一方、図示省略のラ
ジアル変位センサ部はロッド8の径方向変位を検出し、
これを制御回路(図示省略)に出力し、制御回路はラジ
アル変位センサ部での検出結果に基づきラジアル電磁石
900,900…の励磁電流を調節し、これによりラジ
アル電磁石900,900…の吸引力を制御する。
【0019】隔壁2の内側には磁性体ターゲット901
が配設されており、磁性体ターゲット901はロッド8
の外周面に一体に設けられ、かつ隔壁2を介してラジア
ル電磁石900,900…と対向するように設置されて
いる。
【0020】すなわち、ラジアル磁気支持手段9はラジ
アル電磁石900,900…の磁力で磁性体ターゲット
901を吸引し、これによりロッド8の径方向浮上支持
を図り、ラジアル電磁石900,900…と磁性体ター
ゲット901間が常時一定の距離となるように設定す
る。
【0021】一方、上記ロッド8は隔壁2の外周面側か
ら磁力で軸方向にも浮上支持されており、このようにロ
ッド8を軸方向に浮上支持するためのアキシャル磁気支
持手段10は隔壁2の外周面側に配設された上下一対の
外側永久磁石体100,101を具備する。
【0022】外側永久磁石体100,101は隔壁2の
内側に配設された内側永久磁石体102,103とそれ
ぞれ反発し合うように設けられており、内側永久磁石体
102,103は磁性体ターゲット901の上下に位置
し、かつロッド8の外周面に一体に取付けられている。
【0023】そして、上位の外側永久磁石体100は上
位の内側永久磁石体102より若干上方に、また下位の
外側永久磁石体101は下位の内側永久磁石体103よ
り若干下方にそれぞれ設置されている。
【0024】つまり、アキシャル磁気支持手段10は内
側永久磁石体102,103との間における外側永久磁
石体100,101の反発力でロッド8を径方向に浮上
支持し、ロッド8にかかる軸方向の荷重(スラスト力)
を受けるように構成されている。
【0025】隔壁2の外側にはラジアルおよびアキシャ
ル磁気支持手段9,10を隔壁2に沿って上下に移動さ
せるための、上下移動手段11が設けられており、上下
移動手段11は移動部本体110および移動機構体11
1から構成されている。
【0026】移動部本体110には上述のラジアル電磁
石900,900…および上下一対の外側永久磁石体1
00,101が一体に取付けられており、また移動機構
体111は移動部本体110を隔壁2に沿って上下に移
動させるように構成されている。
【0027】なお、移動機構体111としては例えばボ
ールねじ機構、あるいはエアーシリンダとガイドからな
るスライド機構等を採用することができる。
【0028】次に、上記の如く構成された真空内上下受
渡し装置の動作について図1を基に説明する。
【0029】この真空内上下受渡し装置によれば、内側
永久磁石体102,103と外側永久磁石体100,1
01の反発力によりロッド8が軸方向に浮上支持され
る。
【0030】また、ラジアル磁気支持手段9が作動する
と、ラジアル電磁石900,900…の吸引力によりロ
ッド8が径方向に浮上支持される。
【0031】上記の如くロッド8が径方向および軸方向
に浮上支持された後、移動機構体111を作動させ、こ
れにより移動部本体110を上下に移動させると、この
移動に追従してロッド8が真空容器1および隔壁2内で
上下に移動する。このようなロッド8の上下動により、
当該ロッド8の先端に載置したワークWを上下方向に受
け渡すことができる。
【0032】したがって、上記実施例の真空内上下受渡
し装置は、真空容器1内では磁力で浮上支持されたロッ
ド8が伸縮せずそのまま上下動するように構成し、従来
の金属べローズを廃止したものである。このためロッド
8は金属ベローズの如く伸縮のための蛇腹部や蛇腹溶接
部を備えず、表面積も金属ベローズに比し小さなものと
なることから、金属べローズによる弊害、すなわち金属
粉、多量ガス、ガス溜まり、およびリークの発生等をす
べて防止でき、超高真空・超清浄雰囲気の実現と、機器
の寿命化を図れる。
【0033】図2はこの発明の他の実施例を示すもの
で、同図に示す真空内上下受渡し装置が上記実施例と異
なるところは、ラジアル磁気支持手段9と上下移動手段
11が一つのリニアパルスモータ12からなる点にあ
る。
【0034】すなわち、リニアパルスモータ12は櫛歯
状磁性体ターゲット120およびリニアパルスモータ本
体121から構成されており、櫛歯状磁性体ターゲット
120は隔壁2の内側に、またリニアパルスモータ本体
121は隔壁2の外周面側に配設されている。
【0035】櫛歯状磁性体ターゲット120はロッド8
の後部外周面に一体に取付けられており、一方、リニア
パルスモータ本体121は隔壁2を介し櫛歯状磁性体タ
ーゲット120と対向する位置に設置されている。
【0036】図示しないモータ駆動手段からリニアパル
スモータ本体121側に所定のパルス信号が出力される
と、ロッド8が上方または下方に移動し、これと同時に
リニアパルスモータ本体121が櫛歯状磁性体ターゲッ
ト120を吸引し、これによりロッド8の径方向浮上支
持がなされる。
【0037】つまり、リニアパルスモータ12はラジア
ル磁気支持手段9と上下移動手段11の2つの手段を兼
用するものである。
【0038】なお、本実施例ではアキシャル磁気支持手
段10の外側永久磁石体100,101は上下動せず定
位置に固定されているが、内側永久磁石体102,10
3はロッド8と一体に上下動するため、図1に示すよう
な長さの短い外側永久磁石体100,101では内側永
久磁石体102,103との対向位置がずれ、これによ
りアキシャル磁気支持手段10の機能(径方向浮上支持
の機能)が喪失するおそれがある。このため本実施例に
おける外側永久磁石体100,101については内側永
久磁石体102,103の移動ストロークの範囲を十分
にカバーできる長さが必要とされることから、図1に示
す外側永久磁石体100,101より長いものが適用さ
れている。
【0039】次に、上記の如く構成された真空内上下受
渡し装置の動作について図2を基に説明する。
【0040】この真空内上下受渡し装置では、内側永久
磁石体102,103と外側永久磁石体100,101
の反発力によりロッド8が軸方向に浮上支持される。
【0041】そして、リニアパルスモータ12を起動す
ると、ロッド8が上下に移動する。この際同時に、リニ
アパルスモータ本体121の吸引力によりロッド8の径
方向浮上支持がなされる。
【0042】つまり、真空容器1および隔壁2内ではロ
ッド8が内外の永久磁石体101〜104およびリニア
パルスモータ12を介して軸方向および径方向に支持さ
れながら上下に移動し、このようなロッド8の上下動に
より、当該ロッド8の先端に載置したワークWを上下方
向に受け渡すことができる。
【0043】したがって、この実施例の真空内上下受渡
し装置にあっても、上記実施例と同じく真空容器1内で
は磁力で浮上支持されたロッド8が伸縮せずそのまま上
下動するように構成し、従来の金属べローズを廃止した
ものであることから、金属べローズによる弊害、すなわ
ち金属粉、多量ガス、ガス溜まり、およびリークの発生
等をすべて防止でき、超高真空・超清浄雰囲気の実現
と、機器の寿命化を図れる。
【0044】特に、この実施例は1つのリニアパルスモ
ータ12がラジアル磁気支持手段9と上下移動手段11
の2つの手段を兼用するものであることから、機器の小
型化等を図るのに好適である。
【0045】
【発明の効果】この発明に係る真空内上下受渡し装置に
あっては、上記の如く真空容器内では磁力で浮上支持さ
れたロッドが伸縮せずそのまま上下動するように構成
し、従来の金属べローズを廃止したものである。このた
めロッドは金属ベローズの如く伸縮のための蛇腹部や蛇
腹溶接部を備えず、表面積も金属ベローズに比し小さな
ものとなることから、金属べローズによる弊害、すなわ
ち金属粉、多量ガス、ガス溜まり、およびリークの発生
等をすべて防止でき、超高真空・超清浄雰囲気の実現
と、機器の寿命化を図るのに好適である。またアキシャ
ル磁気支持手段を永久磁石により構成し、磁力で軸方向
に浮上支持しているため、停電時の落下防止の効果があ
る。
【0046】請求項2および3記載の発明にあっても上
記と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す断面図。
【図2】この発明の他の実施例を示す断面図。
【図3】従来の真空内上下受渡し装置の断面図。
【符号の説明】
2 隔壁 8 ロッド 9 ラジアル磁気支持手段 10 アキシャル磁気支持手段 11 上下移動手段 100,101 外側永久磁石体 110 移動部本体 111 移動機構体 120 櫛歯状磁性体ターゲット 121 リニアパルスモータ本体 900 ラジアル電磁石 901 磁性体ターゲット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器の外側に設けられるとともに、
    上記真空容器の底面開口部に一端を開口し、他端を密閉
    してなる筒状の隔壁と、 上記底面開口部に上下動可能に挿入されるとともに、先
    端部が上記真空容器内に位置し、後端部が上記隔壁内に
    位置するロッドと、 上記隔壁の外周面側から磁力で上記ロッドを径方向に浮
    上支持するラジアル磁気支持手段と、 上記隔壁の外周面側から磁力で上記ロッドを軸方向に浮
    上支持するアキシャル磁気支持手段と、 上記ラジアル磁気支持手段を上記隔壁に沿って上下に移
    動させる上下移動手段とを備え、上記ラジアル磁気支持手段は、上記隔壁の外周面側に設
    置され、かつ上記ロッドの外周面に一体に設けた磁性体
    ターゲットを吸引するラジアル電磁石を有し、 上記アキシャル磁気支持手段は、上記隔壁の外周面側に
    設置され、かつ上記ロッドの外周面に一体に設けた内側
    永久磁石体と反発し合う外側永久磁石体を有し、 上記上下移動手段は、上記ラジアル電磁石および上記外
    側永久磁石体を一体に取付けた移動部本体と、上記移動
    部本体を上記隔壁に沿って上下に移動させる移動機構体
    とからなる ことを特徴とする真空内上下受渡し装置。
  2. 【請求項2】 真空容器の外側に設けられるとともに、
    上記真空容器の底面開口部に一端を開口し、他端を密閉
    してなる筒状の隔壁と、 上記底面開口部に上下動可能に挿入されるとともに、先
    端部が上記真空容器内に位置し、後端部が上記隔壁内に
    位置するロッドと、 上記隔壁の外周面側から磁力で上記ロッドを径方向に浮
    上支持するラジアル磁気支持手段と、 上記隔壁の外周面側から磁力で上記ロッドを軸方向に浮
    上支持するアキシャル磁気支持手段と、 上記ラジアル磁気支持手段を上記隔壁に沿って上下に移
    動させる上下移動手段とを備え、 上記ラジアル磁気支持手段および上記上下移動手段は、
    上記隔壁の外周面側に設置したリニアパルスモータ本体
    と、上記ロッドの外周面に一体に設けられ、かつ上記リ
    ニアパルスモータ本体に対向する櫛歯状磁性体ターゲッ
    トとからなることを特徴とする 真空内上下受渡し装置。
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