JP2631356B2 - ゲートバルブ装置 - Google Patents

ゲートバルブ装置

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JP2631356B2
JP2631356B2 JP1204295A JP1204295A JP2631356B2 JP 2631356 B2 JP2631356 B2 JP 2631356B2 JP 1204295 A JP1204295 A JP 1204295A JP 1204295 A JP1204295 A JP 1204295A JP 2631356 B2 JP2631356 B2 JP 2631356B2
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真次 小谷野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体製造・検査装置
等に用いられる圧力差のある2室間、例えば真空状態と
大気圧下の2室間、または高真空状態と超高真空状態の
2室間を結ぶ開口部の開閉用ゲートバルブ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のゲートバルブ装置は図6
に示すようなロッド50を有し、ロッド50の先端には
真空容器51の開口部52を開閉するためのシール部5
3が設けられており、またロッド50は真空容器51に
連通の隔壁54内に配設されている。
【0003】隔壁54の外側には変位センサ部55と電
磁石部56が配設されており、変位センサ部55はロッ
ド50の変位を検出し、また電磁石部56は変位センサ
部55での検出結果に基づき励磁され、その磁力でロッ
ド50の磁性体ターゲット57を吸引し、ロッド50を
径方向および軸方向の両方向に浮上支持する。
【0004】このような構成のゲートバルブ装置におい
て開口部52を閉とする際は、電磁石部56の励磁電流
を制御してロッド50を径方向に平行移動し、これによ
りシール部53を開口部52に当接させ、この当接力で
シール部53のOリング58を弾性変形させる。なお開
口部52を開とする際は上記とは逆方向にロッド50を
平行移動し、開口部52からシール部53を遠ざける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ゲートバルブ装置にあっては、電磁石部56から磁性体
ターゲット57までの距離が、Oリング58のつぶし量
(約1mm)、Oリング58と真空容器51の隙間(約
0.5mm)および隔壁54と電磁石部56の隙間(約
0.5mm)を加算した合計(2.5mm以上)であ
り、このように電磁石部56と磁性体ターゲット57間
の距離が長く、しかも電磁石部56は単にロッド50を
径方向に支持するだけでなく、ロッド50のスラスト荷
重をも受けるものである。このため大型の電磁石が必要
であり、装置全体が大型なものとなるとともに、装置コ
ストも高くなり、また電磁石からの発熱量も大きい等の
問題点がある。
【0006】この発明は上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは電磁石部の小型化を通じ
て低コスト化、コンパクト化および発熱量の低減を図る
のに好適なゲートバルブ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は容器の開口部と対向する位置
に配設した蓋体と、上記蓋体の一側に一体に設けた首部
と、上記首部を径方向に磁力で浮上支持するための径方
向電磁石部を備えるラジアル磁気支持手段と、上記首部
に一体に装着した内側永久磁石体との反発力で当該首部
を軸方向に浮上支持する外側永久磁石体と、上記容器の
開口部に向かって首部を前後に振らせるとともに、この
首振り動作により蓋体での開口部の開閉を実行する首振
り手段とを具備することを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は首振り手段が、ラジ
アル磁気支持手段および外側永久磁石体を回転させる回
転機構体からなることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明はラジアル磁気支持手
段が、首部の軸方向に沿って配設された第1および第2
の径方向電磁石部を有し、首振り手段が、上記両径方向
電磁石部のうち少なくともいずれか一方の励磁電流を制
御して首部の径方向浮上位置を変更する、首振り制御部
からなることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は蓋体を、磁性体で形
成し、容器の開口部と蓋体との間に、弾性シール部材を
配設し、容器の開口部に、蓋体を吸引するためのシール
用電磁石を設けたことを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は先部を一定角度の傾
斜端とし、後部を容器の開口部に接続してなる筒状のシ
ールブロックと、上記シールブロックの傾斜端側に位置
し、かつ傾斜端との対向面に斜面部を備える蓋体と、上
記蓋体の斜面部とシールブロックの傾斜端との間に配設
した弾性シール部材と、上記蓋体の下部に取り付けられ
た首部と、上記首部を径方向に磁力で浮上支持するため
の径方向電磁石部と、上記首部に一体に装着した内側永
久磁石体との反発力で当該首部を軸方向に浮上支持する
外側永久磁石体と、上記首部を軸方向に吸引するととも
に、この吸引力で蓋体の斜面部とシールブロックの傾斜
端とを密着させるシール用電磁石とを具備することを特
徴とする。
【0012】
【作用】この発明では、外側永久磁石体が首部のスラス
ト荷重を受ける。このため径方向電磁石部の役割負担は
首部の径方向浮上支持のみとなる。
【0013】特に、請求項1ないし3記載の発明による
と、開口部の開閉を行う際は首部の首振り動作が行われ
る。このため首部を僅かに振るだけで、これが拡大され
て蓋体が大きく前後に移動し、開口部の開閉に要する蓋
体の移動ストロークが十分に得られる。
【0014】請求項4記載の発明では、シール用電磁石
が弾性シール部材の弾性変形力(つぶし力)を発生す
る。
【0015】請求項5記載の発明では、開口部の開閉を
行う際は蓋体の首部が軸方向に前後移動し、またシール
用電磁石が弾性シール部材の弾性変形力(つぶし力)を
発生する。
【0016】
【実施例】以下、この発明に係るゲートバルブ装置の実
施例について図1ないし図5を用い詳細に説明する。
【0017】このゲートバルブ装置は図1に示すように
真空容器1内に蓋体2を備え、蓋体2は真空容器1の開
口部3と対向する位置に配設されており、また蓋体2の
一側にはロッド状の首部4が一体に設けられている。
【0018】首部4は真空容器1の貫通穴5に上下動可
能に挿入されており、その先端4aは真空容器1内に位
置するが、後端4bは真空と大気とを遮断するための隔
壁6内に配置されている。
【0019】隔壁6は真空容器1の外側に配設され、か
つ筒状に形成されており、隔壁6の一端は貫通穴5に開
口し、かつ真空容器1に固定されている一方、隔壁6の
他端は密閉蓋7により密閉されている。
【0020】なお、真空容器1への隔壁6の固定は隔壁
6の一端外周縁に設けたフランジ部8と、これを真空容
器1に連結するねじ(図示省略)とによるものであり、
またフランジ部8と真空容器1との間にはその隙間を遮
断するためのシール部材10が介挿されている。
【0021】隔壁6の外周面側にはラジアル磁気支持手
段11が設けられており、ラジアル磁気支持手段11は
径方向電磁石部12および径方向変位センサ部(図示省
略)等から構成されている。
【0022】径方向電磁石部12は図2に示すように隔
壁6の外周面側に環状に設置された電磁石12a,12
a…から構成されており、また図示省略の径方向変位セ
ンサ部は首部4の径方向変位を検出し、これを制御回路
(図示省略)に出力する。制御回路は径方向変位センサ
部での検出結果に基づき径方向電磁石部12の励磁電流
を制御し、これにより径方向電磁石部12の吸引力を調
節する。
【0023】隔壁6の内側には磁性体ターゲット13が
配設されており、磁性体ターゲット13は首部4の外周
面に一体に設けられ、かつ隔壁6を介して径方向電磁石
部12と対向するように設置されている。
【0024】このようなラジアル磁気支持手段11は径
方向電磁石部12の磁力で磁性体ターゲット13を吸引
し、これにより首部4を径方向に浮上支持するように構
成されている。
【0025】隔壁6の外周面側には図1に示す通り上位
・下位の外側永久磁石体14,15が、また隔壁6の内
側には上位・下位の内側永久磁石体16,17が配設さ
れており、外側永久磁石体14,15は径方向電磁石部
12の両側に位置し、かつ隔壁6を介して内側永久磁石
体16,17と対向するように設置されている一方、内
側永久磁石体16,17は磁性体ターゲット13の両側
に位置し、かつ首部4に一体に取り付けられている。
【0026】外側永久磁石体14,15は内側永久磁石
体16,17と反発するように設定されており、また上
位の外側永久磁石体14は上位の内側永久磁石体16よ
り若干貫通穴5寄りに、下位の外側永久磁石体15は下
位の内側永久磁石体17より若干密閉蓋7寄りに配置さ
れている。
【0027】このような外側永久磁石体14,15は内
側永久磁石体16,17との反発力で首部4を軸方向に
浮上支持し、首部4にかかる軸方向の荷重(スラスト
力)を受けるように機能する。
【0028】径方向電磁石部12、径方向変位センサ部
(図示省略)および外側永久磁石体14,15等はすべ
てブロック18に取り付けられており、ブロック18の
近傍には首振り手段として回転機構体19が設けられて
いる。
【0029】回転機構体19は回転ピン20を介してブ
ロック18を一定方向に回転させる機構であり、回転機
構体19によるブロック18の正逆転がなされると、こ
れに追従して首部4が前後に振れる、いわゆる首部4の
首振り動作が行われる。
【0030】上記のような首振り動作の方向は首部4が
真空容器1の開口部3に向かって前後に振れる方向に設
定されている。
【0031】なお、ブロック18は全体が隔壁6に沿っ
て前後移動するようにも構成されており、このようなブ
ロック18の前後移動は図示しないスライド機構により
行われ、またブロック18が前後進すると、これに追従
して首部4もブロック18と同じ方向に前後進する。
【0032】真空容器1の開口部3と蓋体2との間には
筒状のシールブロック21および弾性シール部材として
Oリング22が配設されており、筒型のシールブロック
21は後部が開口部3周縁に取り付けられ、かつ先部が
蓋体2と対向するように設けられ、またOリング22は
シールブロック21と蓋体2との当接部をシールするた
めに蓋体2側に装着されている。
【0033】蓋体2は磁性体で形成されている一方、真
空容器1の開口部3にはシール用電磁石23が配設され
ており、シール用電磁石23はシールブロック21の外
周面側に位置し、かつ蓋体2を吸引し、この吸引力でO
リング22を弾性変形させるために設けられている。
【0034】次に、上記の如く構成されたゲートバルブ
装置の動作について図1ないし図3を基に説明する。
【0035】このゲートバルブ装置によれば、ラジアル
磁気支持手段11が作動すると、径方向電磁石部12が
磁性体ターゲット13を吸引し、これにより首部4が径
方向に浮上支持される。
【0036】これに加えて、外側永久磁石体14,15
が内側永久磁石体16,17との反発力で首部4を軸方
向に浮上支持する。
【0037】つまり、首部4の径方向浮上支持は径方向
電磁石部12が、また軸方向浮上支持は外側永久磁石体
14,15がそれぞれ個別に担当する。
【0038】上記の如く首部4が浮上支持された状態
で、ブロック18全体が隔壁6に沿って前後移動する
と、これに追従して首部4もブロック18と同じ方向に
前後進するので、このような追従移動を利用して蓋体2
が真空容器1の開口部3と対向するようにセットする。
【0039】その後、回転機構体18が作動し、開口部
3と蓋体2を密着させるための首振り動作が行われる。
【0040】すなわち、ブロック18が一定の角度で回
転するとともに、これに追従・同期して首部4が同じ方
向に回転移動し、これにより蓋体2が開口部3側に向か
って前進し、蓋体2とシールブロック21とが当接す
る。
【0041】このようにして蓋体2がシールブロック2
1に当接すると、シール用電磁石23に励磁電流が供給
され、これにより蓋体2がシール用電磁石23側に吸引
されるとともに、この吸引力でOリング22が弾性変形
し、開口部3が完全に閉じられる。
【0042】なお、開口部3を開とする場合には上記と
は逆の動作が行われる。すなわちシール用電磁石23へ
の電流供給が停止され、その後、開口部3と蓋体2の密
着・当接を解除するための首振り動作が行われる。密着
解除のための首振動作はブロック18を上記とは逆方向
に回転させるものである。
【0043】図4はこの発明の他の実施例を示すもの
で、同図に示すゲートバルブ装置が上記実施例と異なる
ところはラジアル磁気支持手段11が第1および第2の
径方向電磁石部24,25を備え、首振り手段が首振り
制御部26から構成されている点にある。
【0044】すなわち、ラジアル磁気支持手段11は磁
力で首部4を径方向に2点支持する構成を採用したもの
であり、このような2点支持を行うために、第1および
第2の径方向電磁石部24,25は首部4の軸方向に沿
って配設されている。なお第1および第2の径方向電磁
石部24,25がいずれも複数の電磁石から構成されて
いること等は上記実施例と同様である。
【0045】首振り制御部26は第1の径方向電磁石部
24の励磁電流、第2の径方向電磁石部25の励磁電
流、または両径方向電磁石部24,25の励磁電流を制
御して首部4の径方向浮上位置を変更し、これにより首
部4を振らせる。
【0046】つまり、励磁電流の制御により第1または
第2の径方向電磁石部24,25の吸引力をコントロー
ルすると、第1の径方向電磁石部24側での首部4の径
方向浮上位置、または第2の径方向電磁石部25側での
首部4の径方向浮上位置を自在に変更することができる
ことから、首振り制御部26はこのような励磁電流の制
御による浮上位置の変更を行い、これにより首部4の首
振り動作を実行するものとして構成されている。
【0047】首振り動作のための励磁電流の制御対象
を、第1の径方向電磁石部24のみとした場合には第2
の径方向電磁石部25の支持中心O1 を支点とする首振
り動作を、また第2の径方向電磁石部25のみとした場
合には第1の径方向電磁石部24の支持中心O2 を支点
とする首振り動作を行うことができ、さらにそのような
制御対象を両電磁石部24,25とした場合には首振り
動作の支点を両電磁石部24,25間O3 に設定するこ
とができる。
【0048】なお、首振り動作の方向は上記実施例と同
じく首部4が真空容器1の開口部3に向かって前後に振
れる方向に設定されている。
【0049】次に、上記の如く構成されたゲートバルブ
装置の動作について図4を基に説明する。
【0050】このゲートバルブ装置では、首部4の径方
向浮上支持は径方向電磁石部24,25が、また首部4
の軸方向浮上支持は外側永久磁石体14,15がそれぞ
れ個別に担当する。そして、このように首部4を浮上支
持した状態で、ブロック18全体が隔壁6に沿って前後
移動すると、これに追従して首部4もブロック18と同
じ方向に前後進するので、この追従移動を利用して蓋体
2が真空容器1の開口部3と対向するようにセットす
る。
【0051】その後、首振り制御部26が第1の径方向
電磁石部24の励磁電流を制御して、開口部3と蓋体2
を密着させるための首振り動作を実行する。
【0052】すなわち、首部4が第2の径方向電磁石部
25の支持点を中心に回転移動し、これにより蓋体2が
開口部3側へ前進し、蓋体2とシールブロック21とが
当接する。
【0053】このようにして蓋体2とシールブロック2
1が当接した後は、上記実施例と同じくシール用電磁石
23による蓋体2の吸引と、この吸引力によるOリング
22の弾性変形がなされ、開口部3が完全に閉じられ
る。なお開口部3を開とする場合には上記とは逆の動作
を実行すればよい。
【0054】図5はこの発明の他の実施例を示すもの
で、上記実施例と同一部材には同一符号を付す。
【0055】同図に示すゲートバルブ装置も上記実施例
と同じく筒状のシールブロック21を具備するが、この
実施例のシールブロック21は上記実施例のものと異な
り、その先部が一定角度の傾斜端21aとして設けられ
ており、傾斜端21aは筒の胴体腹部を一定の角度で斜
めに切り取った形状を呈する。なおシールブロック21
の後部21bは上記実施例と同じく真空容器1の開口部
3周縁に接続されている。
【0056】シールブロック21の傾斜端21a側には
蓋体2が配設され、蓋体2には傾斜端21aとの対向面
に斜面部26が形成されており、傾斜端21aと斜面部
26の傾斜角度は等しく設けられている。
【0057】斜面部26と傾斜端21aとの間には弾性
シール部材としてOリング22が配設されており、Oリ
ング22は傾斜端21aと斜面部26との当接部をシー
ルするために蓋体2側に装着されている。
【0058】蓋体2の下部には首部4が取り付けられて
いる。なお首部4およびその周辺構造、すなわち首部4
は真空容器1の貫通穴5に上下動可能に挿入され、その
後端4bは隔壁6内に位置し、隔壁6は真空容器1の外
側に配設されていること、および隔壁6の外周面側には
ラジアル磁気支持手段11と外側永久磁石体14,15
が設けられており、ラジアル磁気支持手段11は径方向
電磁石部12の磁力で磁性体ターゲット13を吸引し、
これにより首部4を径方向に浮上支持する一方、外側永
久磁石体14,15は内側永久磁石体16,17との反
発力で首部4を軸方向に浮上支持すること等については
上記実施例と同様なため、その詳細説明は省略する。
【0059】隔壁6は首部4の後端4bに中段部27を
有し、この中段部27から密閉蓋7までの間は大径の拡
径室28として設けられており、拡径室28内には吸引
板29が、また拡径室28の外側にはシール用電磁石2
3が配設されている。
【0060】吸引板29は連結ロット30を介して首部
4の後端4bに一体に取り付けられており、またシール
用電磁石23は吸引板29と対向する位置に設置され、
かつ吸引板29を通じて首部4を軸方向に吸引し、この
吸引力でOリング22を弾性変形させるために設けられ
ている。
【0061】なお、吸引板29の表面には吸引時の衝撃
を緩和するためのクッション材31が配設されている。
【0062】次に、上記の如く構成されたゲートバルブ
装置の動作について図5を基に説明する。
【0063】このゲートバルブ装置においても、上記実
施例と同じく首部4の径方向浮上支持は径方向電磁石部
21が、また首部4の軸方向浮上支持は外側永久磁石体
14,15がそれぞれ個別に担当する。
【0064】上記のように首部4を浮上支持した状態
で、そのままブロック18全体が隔壁6に沿って上昇す
る。これに追従して首部4が上昇移動し、蓋体2の斜面
部26がシールブロック21の傾斜端21aに接近・対
向する。
【0065】その後、シール用電磁石23に励磁電流が
供給されると、シール用電磁石23が吸引板29を通じ
て首部4を軸方向に吸引し、この吸引力でOリング22
が弾性変形し、開口部3が完全に閉じられる。なお開口
部3を開とする場合には上記とは逆の動作を実行すれば
よい。
【0066】したがって、上記各実施例の装置にあって
は、いずれも首部4のスラスト荷重を外側永久磁石体1
4,15で受けるとともに、Oリング22の弾性変形力
(つぶし力)をシール用電磁石23で発生するように構
成したものである。このため径方向電磁石部12,2
4,25の役割負担が首部4の径方向浮上支持のみとな
り、径方向電磁石部を小型なものとすることができるこ
とから、装置全体のコンパクト化、低コスト化、および
電磁石部からの発熱量の低減を図れる。
【0067】特に、第1および第2の実施例の装置は、
開口部3の開閉を行う際、蓋体2の首部4を径方向に平
行移動させるのではなく、首振り動作させるように構成
したものである。このため首部4を僅かに振るだけで、
これが拡大されて蓋体2が大きく前後に移動し、開口部
3の開閉に要する蓋体2の移動ストロークが十分に得ら
れる。従って径方向電磁石12,24,25から首部4
の磁性体ターゲット13までの間は首部4の僅かな回転
に要する微小スペースを確保するだけでよく、その間の
距離を短く設定することができる点でも径方向電磁石部
の小型化を図れる。
【0068】また、第3の実施例の装置は、開口部3の
開閉を行う際、蓋体2の首部4を径方向の平行移動でな
く、軸方向に前後移動するものであるため、径方向電磁
石部12から首部4の磁性体ターゲット13までの間
に、首部4の径方向平行移動のためのスペースを設ける
必要がなく、その間の距離を短く設定することができ、
上記実施例と同じく径方向電磁石部の小型化を図れる。
【0069】
【発明の効果】この発明に係るゲートバルブ装置にあっ
ては、首部のスラスト荷重を外側永久磁石体で受けるよ
うに構成したものである。このため径方向電磁石部の役
割負担が首部の径方向浮上支持のみとなり、径方向電磁
石部を小型なものとすることができることから、装置全
体のコンパクト化、低コスト化、および電磁石部からの
発熱量の低減を図れる。
【0070】特に、請求項1ないし3記載の発明による
と、開口部の開閉を行う際、蓋体の首部を径方向に平行
移動させるのではなく、首振り動作させるように構成し
たものである。このため首部を僅かに振るだけで、これ
が拡大されて蓋体が大きく前後に移動し、開口部の開閉
に要する蓋体の移動ストロークが十分に得られる。従っ
て径方向電磁石から首部までの間は首部の僅かな回転に
要する微小スペースを確保するだけでよく、その間の距
離を短く設定することができる点でも径方向電磁石の小
型化を図れる。
【0071】請求項5記載の発明は、開口部の開閉を行
う際、蓋体の首部を径方向の平行移動でなく、軸方向に
前後移動するものであるため、径方向電磁石から首部の
磁性体ターゲットまでの間に、首部の径方向平行移動の
ためのスペースを設ける必要がなく、その間の距離を短
く設定することができる点で、上記と同じく径方向電磁
石の小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るゲートバルブ装置の一実施例を
示す断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1に示すゲートバルブ装置の動作説明図。
【図4】この発明の他の実施例を示す断面図。
【図5】この発明の他の実施例を示す断面図。
【図6】従来のゲートバルブ装置の断面図。
【符号の説明】 1 容器 2 蓋体 3 開口部 4 首部 12 径方向電磁石部 11 ラジアル磁気支持手段 14,15 外側永久磁石体 19 回転機構体(首振り手段) 21 シールブロック 22 Oリング(弾性シール部材) 23 シール用電磁石 24 第1の径方向電磁石部 25 第2の径方向電磁石部 26 首振り制御部(首振り手段)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の開口部と対向する位置に配設した
    蓋体と、 上記蓋体の一側に一体に設けた首部と、 上記首部を径方向に磁力で浮上支持するための径方向電
    磁石部を備えるラジアル磁気支持手段と、 上記首部に一体に装着した内側永久磁石体との反発力で
    当該首部を軸方向に浮上支持する外側永久磁石体と、 上記容器の開口部に向かって首部を前後に振らせるとと
    もに、この首振り動作により蓋体での開口部の開閉を実
    行する首振り手段とを具備することを特徴とするゲート
    バルブ装置。
  2. 【請求項2】 首振り手段が、ラジアル磁気支持手段お
    よび外側永久磁石体を回転させる回転機構体からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のゲートバルブ装置。
  3. 【請求項3】 ラジアル磁気支持手段が、首部の軸方向
    に沿って配設された第1および第2の径方向電磁石部を
    有し、 首振り手段が、上記両径方向電磁石部のうち少なくとも
    いずれか一方の励磁電流を制御して首部の径方向浮上位
    置を変更する、首振り制御部からなることを特徴とする
    請求項1記載のゲートバルブ装置。
  4. 【請求項4】 蓋体を、磁性体で形成し、 容器の開口部と蓋体との間に、弾性シール部材を配設
    し、 容器の開口部に、蓋体を吸引するためのシール用電磁石
    を設けたことを特徴とする請求項1記載のゲートバルブ
    装置。
  5. 【請求項5】 先部を一定角度の傾斜端とし、後部を容
    器の開口部に接続してなる筒状のシールブロックと、 上記シールブロックの傾斜端側に位置し、かつ傾斜端と
    の対向面に斜面部を備える蓋体と、 上記蓋体の斜面部とシールブロックの傾斜端との間に配
    設した弾性シール部材と、 上記蓋体の下部に取り付けられた首部と、 上記首部を径方向に磁力で浮上支持するための径方向電
    磁石部と、 上記首部に一体に装着した内側永久磁石体との反発力で
    当該首部を軸方向に浮上支持する外側永久磁石体と、 上記首部を軸方向に吸引するとともに、この吸引力で蓋
    体の斜面部とシールブロックの傾斜端とを密着させるシ
    ール用電磁石とを具備することを特徴とするゲートバル
    ブ装置。
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