JP3953570B2 - 無機質系化粧板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築内装材、特に浴室、洗面台等の水回りに用いられる、良好な印刷模様を有する無機質系化粧板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無機質系化粧板としては、珪酸カルシウム板、石綿スレート板、セメントスレート板等の無機質系基材に印刷模様が施された化粧紙を積層し、更にポリエステル樹脂塗料を塗布したものが知られているが、浴室、洗面台等の水回りに用いた場合、化粧紙の紙の部分にカビが発生しやすいという問題があつた。そこでカビの発生の原因である化粧紙を除いて、直接無機質系基材に絵柄模様を印刷し加飾する方法が試みられているが、印刷適性が悪く、細密な絵柄模様の現出が困難で意匠性に劣るという欠点があった。
【0003】
上記の欠点を解決するために、転写シートを用いて無機質系基材に絵柄模様を転写し、該絵柄模様層の上から表面保護層を設けたものが提案されている。そうすることによってカビの発生は抑えることが出来たが、絵柄模様層に用いられる印刷インキの樹脂によっては、例えばアルキッド樹脂インキの場合、浴室のような温水雰囲気に長時間曝されると密着強度が低下し、無機質系基材、あるいは、表面保護層との密着性に問題が発生するという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、浴室、洗面台等の水回りに用いても、カビの発生が極めて少なく、また、密着性の低下もない、耐温水性、意匠性に優れた無機質系化粧板を容易に製造することが出来る無機質系化粧板の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の解決手段は、転写シート基材の一方の面にポリオレフィン系樹脂からなる離型層とポリオール系樹脂インキによって形成された転写印刷模様層を積層した転写シートを準備する工程、無機質系基材の上面にポリオール−イソシアネート系樹脂からなるプライマー樹脂層を塗装する工程、前記プライマー樹脂層がポリオール成分とポリイソシアネート成分とからなり、イソシアネート基が全て硬化する完全硬化ではなく、イソシアネート基が残存する指触乾燥程度の硬化状態にて前記転写シートの転写印刷模様層を前記無機質系基材上面のプライマー樹脂層に接するように載置し加熱加圧する工程、前記転写シートの転写シート基材を剥離することにより前記無機質系基材の上面に印刷模様層を形成する工程、前記印刷模様層表面に電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射硬化することにより表面保護層を形成する工程からなる無機質系化粧板の製造方法を採ることである。これにより、化粧紙を用いることなく無機質系基材面に細密な印刷模様層を形成でき、浴室、洗面台等の水回りに用いても、カビの発生や、密着性の低下もなく、表面硬度、耐汚染性等の表面物性および意匠性に優れた無機質系化粧板とすることが出来る。また、上記のような効果を有する無機質系化粧板が容易に確実に製造できるものである。
【0006】
また、転写シート基材の一方の面にポリオレフィン系樹脂からなる離型層とポリオール系樹脂インキによって形成された転写印刷模様層を積層した転写シートを準備する工程、シーラー層を硬化形成した無機質系基材の上面にポリオール−イソシアネート系樹脂からなるプライマー樹脂層を塗装する工程、前記プライマー樹脂層がポリオール成分とポリイソシアネート成分とからなり、イソシアネート基が全て硬化する完全硬化ではなく、イソシアネート基が残存する指触乾燥程度の硬化状態にて前記転写シートの転写印刷模様層を前記無機質系基材上面のプライマー樹脂層に接するように載置し加熱加圧する工程、前記転写シートの転写シート基材を剥離することにより前記無機質系基材の上面に印刷模様層を形成する工程、前記印刷模様層表面に電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射硬化することにより表面保護層を形成する工程からなることを特徴とする無機質系化粧板の製造方法を採ることである。これにより、無機質系基材へのプライマー層の吸い込み、また無機質系基材よりのアルカリ成分の溶出を防止し、表面を平滑に研磨出来るので、意匠性、密着性に優れた無機質系化粧板とすることが出来る。また、上記のような効果を有する無機質系化粧板が容易に確実に製造できるものである。
【0007】
また、前記プライマー樹脂層がウレタン系樹脂よりなることである。こうすることによって、プライマー樹脂層中のイソシアネート成分と印刷模様層中のポリオール成分が反応硬化して、密着性を強固なものとする。
【0008】
また、前記印刷模様層を形成するインキに塩酢ビ系樹脂が含有されていることを特徴とするものである。こうすることにより、印刷模様層のプライマー樹脂層への転写時にインキの活性化が容易に進み印刷模様層とプライマー層との密着がより強固なものとなる。
【0010】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の無機質系化粧板の積層構成を示す断面図、図2は本発明の無機質系化粧板の製造方法の一例を説明する断面図であり、1は無機質系化粧板、2は無機質系基材、3はプライマー樹脂層、3aはシーラー層、4は印刷模様層、4aはベタインキ層、4bは絵柄インキ層、5は表面保護層、6は転写シート、7は転写シート基材、7aは薄葉紙、7bはポリオレフィン系樹脂層、Rは電離放射線をそれぞれ表す。
【0011】
本発明の無機質系化粧板1の構成は図1に示すように、下から順に、無機質系基材2、シーラー層3a、プライマー樹脂層3、印刷模様層4、表面保護層5が積層された構成からなり、印刷模様層4はポリオール樹脂からなるベタインキ層4aと絵柄インキ層4bで構成されている。シーラー層3aが設けられた無機質系基材2の上面にイソシアネート基を含む2液硬化型ポリウレタン樹脂からなるプライマー樹脂層3を積層し、指触乾燥程度となった状態で転写法により印刷模様層4を形成し、さらに該印刷模様層4の上面に電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層5を積層した構成からなる。
【0012】
本発明の無機質系化粧板1に用いられる無機質系基材2としては、一般的には珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメント板等のセメント板、石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板、パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板が挙げられる。
【0013】
シーラー層3a及びプライマー樹脂層3は、無機質系基材2からのアルカリ成分溶出の防止、及び前記無機質系基材表面の凹凸を埋め、表面を平滑にし、印刷模様の転移性の向上による高意匠感の現出、および無機質系基材2の表面への印刷模様層4の密着性の向上を目的として設けられるものであり、その構成は任意で、前記の両方の物性を備えた樹脂組成による一層構成としてもよいことは勿論であるが、基材によって、或いは、品質性能を高める方法として、無機質系基材への吸い込みやアルカリ成分溶出の防止のために湿気硬化型ウレタン樹脂、ポリイソシアネート系樹脂等の硬化性樹脂、無機質系基材表面の凹凸を埋め、表面を平滑にするために電離放射線硬化性樹脂よりなるシーラー層3a、無機質系基材2の表面への印刷模様層4の密着性と転移性の向上を目的とするポリオール−イソシアネート系樹脂塗料等よりなるプライマー樹脂層3からなる多層構成とすることが望ましいものである。更に、プライマー樹脂に着色、不透明にすることにより、隠蔽性を持たせ、基材上に形成される印刷模様層4が被貼合せ基材の色の影響を受けなくすることが可能である。
【0014】
本発明においてプライマー樹脂層3に用いられるウレタン系樹脂塗料としては、公知のポリオール成分とポリイソシアネート成分からなり使用時に混合して用いられる。ポリオール成分としてはアクリルポリオールとポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールがある。アクリルポリオールとしては、ヒドロキシアルキルアクリレートもしくはメタクリレートを単量体成分として公知の方法で得られた重合体などがある。ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸あるいはその無水物とポリオールとの縮合によって得られるものであり、代表的なポリカルボン酸としてはアジピン酸、グルタール酸、スペリン酸、セバシン酸、フタール酸、テレフタール酸、イソフタール酸等があり、また、代表的なポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどがある。更にポリエーテルポリオールとしては、ポリオールのポリオキシアルキル化によって得られるものであり、例えば、ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン)トリメチロールエタン、ポリ(オキシプロピレン)ジエチレングリコールなどを挙げることができる。ポリイソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビスフェニルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネートなどを挙げることができる。
【0015】
無機質系化粧板1に印刷模様層4を形成するための転写シート6の構成としては、図2(イ)に示されているように、薄葉紙7aの片面に離型層としてのポリオレフィン系樹脂層7bが全面に形成された転写シート基材7の該ポリオレフィン系樹脂層7b面にベタインキ層4aと絵柄インキ層4bからなる任意の印刷模様層4を積層構成したものである。尚、本実施例では、印刷模様層4はベタインキ層4aと絵柄インキ層4bからなるものにおいて説明したが、本発明はこれに限られるものでないことは言うまでもない。
【0016】
転写シート基材7としては、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエステルフイルム等のプラスチックフイルムや紙、あるいはこれらの複合フイルムなど通常の転写シートの基材として用いられるものが使用され、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂層7bを薄葉紙7aの上面に積層したものが好ましく用いられる。転写の熱移動効率を良くするためには、転写シート基材7は出来る限り薄い方が好ましいが、あまり薄くなるとグラビア印刷等の印刷時に基材が伸び易く印刷適性が低下する。印刷適性の面より薄葉紙7a等を裏打ちすることが望ましく、薄葉紙7aに10〜50μmのポリオレフィン系樹脂をコーティングしたものが最適である。またポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用いることで無機質系基材の表面の微細な凹凸にも熱柔軟性を生かして転写を可能とすることが出来る。
【0017】
印刷模様層4としては、全面ベタ刷りのベタインキ層4aと、例えば木目、石目、天然皮革の表面柄、布目、抽象柄等を表現する絵柄インキ層4bが付されており、印刷模様層4を形成するインキのビヒクルとしては、イソシアネート基と反応する樹脂成分を含有するものであり、例えば、その樹脂成分としては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエテールポリオール等のポリオール系樹脂やアミン等の活性水素を保有する樹脂等があり、プライマー樹脂層3がアクリルポリオール−イソシアネート系樹脂からなる場合、印刷模様層4に用いるインキビヒクルとしては、アクリルポリオール系樹脂が好ましいものである。また、本発明における印刷インキのビヒクル成分としては前記樹脂成分以外にもビニル系樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂などを必要に応じて併用することもできる。これらのビヒクルを用いて各種印刷方式に適合するよう公知の手段によって顔料、染料などの着色剤、その他必要な添加剤を加えて添加剤を加えて混練し、印刷インキとする。
【0018】
表面保護層5としては、耐汚染性、耐溶剤性、耐温水性、耐擦傷性等の表面物性に優れた被膜を形成することが望ましく、該表面保護層5を形成する樹脂としては電離放射線硬化性樹脂が適し、電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性不飽和基、エポキシ基、チオール基等を含む単量体及び/又はプレポリマーからなる組成物を電離放射線で重合(架橋反応、付加反応等)硬化させてなる物であり、電離放射線としては、電子線、紫外線等が用いられる。これらのプレポリマーの例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル等が挙げられ、単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等がある。塗工方法としては、カーテンフローコート、ロールコート、スプレーコート等の公知の塗工手段を用いることができ、塗膜厚としては10〜100μmが好ましい。
【0019】
次に、本発明の無機質系化粧板1の製造方法の一例について図面を用いて説明する。先ず、図2(イ)に示すように、薄葉紙7aの表面に離型層としてポリオレフィン系樹脂層7bを設けた転写シート基材7の該ポリオレフィン系樹脂層7b面にポリオール系樹脂インキで形成した絵柄インキ層4b及びベタインキ層4aよりなる印刷模様層4が設けられた転写シート6を準備する。次に、図2(ロ)に示すような、無機質系基材2の上面にシーラー層3aを設け、研磨等によって表面を調整後、ポリオール−イソシアネート系樹脂からなるプライマー層3を設けた。続いて、前記プライマー層3が指触乾燥程度の状態で、図2(ハ)に示すように、該転写シート6の印刷模様層4を無機質系基材2の表面に設けられたプライマー樹脂層3と対向するように重ねあわせ、前記転写シート6の転写シート基材7の面より加熱加圧する。次いで、図2(ニ)に示すように、前記転写シート6の転写シート基材7を剥離し無機質系基材2の表面に印刷模様層4を設ける。さらに図2(ホ)に示すように、該印刷模様層4を含む無機質系基材2の上面に電離放射線硬化性樹脂を塗工し、電離放射線Rを照射し硬化することによって表面保護層5を形成し、図1に示すような無機質系化粧板1が得られる。
【0020】
上記本発明の製造方法において、無機質系基材2の上面に形成されるプライマー樹脂層3の硬化の程度はイソシアネート基が全て硬化する完全硬化ではなく、イソシアネート基が残存する指触乾燥程度の硬化とし、その状態で印刷模様層4を重ね合わせ、加熱加圧することで印刷模様層4のポリオール樹脂と残存するイソシアネート基が反応し、強固な密着性能を示す。従って、プライマー樹脂層3が完全硬化の状態でイソシアネート基が残存していないと、印刷模様層4のポリオール樹脂との反応が期待できず、密着性が不充分となるものである。
【0021】
上記本発明の方法で得られた無機質系化粧板は種々の用途、例えば、壁装材、天井材、キッチンバックパネル、バスユニット内装材等に適用することができ、特に、キッチンバックパネル、バスユニット内装材、洗面台パネル等の水回りの防水パネルとして有効に用いられる。
【0022】
【実施例】
実施例1
秤量30g/m2 の薄葉紙にポリプロピレン樹脂を30μmの厚さにコートした転写シート基材のポリプロピレン樹脂層面にアクリルポリオール樹脂:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂=1:1の組成比で混練したインキを用いてグラビア輪転印刷機にて所望の柄を印刷し転写シートを作製した。別途、厚さ6mmの珪酸カルシウム板にシーラー層として湿気硬化型ウレタン系樹脂塗料を100g/m2 塗布し、続いてウレタンアクリレート系紫外線硬化塗料を105g/m2 塗布し80w/cm×1灯、10m/minの速さで照射して硬化後、400番の研磨紙を用いて塗膜面を研磨し平滑にした。次いで、アクリルポリオール−ヘキサメチレンジイソシアネート系塗料を105g/m2 塗工し、インラインで前記アクリルポリオール−ヘキサメチレンジイソシアネート系塗料が指触乾燥の状態にて、該塗膜面に転写シートの絵柄面が対向するように載せ、220℃に加熱された表面硬度が70°のシリコンロールを用いて圧力5kg/cmで速度3m/minの条件で転写した。転写シートの転写シート基材を剥離後、表面に保護層としてウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を100μmの厚みに塗装し、80w/cm×1灯、10m/minの速さで照射して塗工した樹脂液を架橋硬化させ無機質系化粧板を得た。
【0023】
比較例1
転写シートに用いる印刷インキの組成を飽和ポリウレタン系樹脂に体質顔料として炭酸カルシウムを6重量%混練したインキとした以外は、実施例1と同様に処理して無機質系化粧板を得た。
【0024】
比較例2
転写シートに用いる印刷インキの組成をアルキッド系樹脂に体質顔料として硫酸バリウムを15重量%混練したインキとした以外は、実施例1と同様に処理して無機質系化粧板を得た。
上記、各実施例および各比較例で得た無機質系化粧板について、初期密着性、温水密着性等の密着強度を測定した。結果を表1に示す。
【0025】
以下、各試験の方法とその評価の仕方を説明する。
初期密着性
試験片の塗膜にカッターナイフで碁盤目状の切り筋(4mm四方×25個)を入れた後、セロハンテープ剥離試験を行う。塗膜の残った枡目の数Xを数えX/25とし、評価した。
温水密着性
試験片を60℃の温水中に10日間浸漬後、取りだし、室温に2時間放置後塗膜にカッターナイフで碁盤目状の切り筋(4mm四方×25個)を入れた後、セロハンテープ剥離試験を行う。塗膜の残った枡目の数Xを数えX/25とし、評価した。
【0026】
【表1】
上記結果より、印刷模様層を形成するインキとして、アクリルポリオール系樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を混練した樹脂を用い、プライマー樹脂層にアクリルポリオール−ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂を用いたものが、初期密着性、温水密着性ともに良好な成績を示している。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、アクリルポリオール−ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂等のポリオール−イソシアネート系樹脂からなるプライマー層面に、アクリルポリオール樹脂等のポリオール系樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を混練した樹脂よりなる印刷模様層を転写法によって直接設け、その上から電離放射線硬化性樹脂による表面保護層を設けるために、浴室、洗面台等の水回りに用いても、カビの発生もなく、密着性の低下もない物性に優れたものとなり、浴室、洗面台等の水回りに用いる無機質系化粧板が得られた。
【0028】
また、無機質系基材の表面に設けられたプライマー樹脂層面に転写法によって直接的に印刷模様層を設けるために、細密な絵柄模様が現出した高意匠の無機質系化粧板が得られた。
【0029】
さらに、必要に応じて、シーラー層を硬化形成した無機質系基材の上面にポリオール−イソシアネート系樹脂からなるプライマー樹脂層を塗装し、前記プライマー樹脂層が指触乾燥状態にて転写シートの転写印刷模様層を前記プライマー樹脂層に接するように載置し加熱加圧することによって、無機質系基材の上面に印刷模様層を形成し、その上から電離放射線硬化性樹脂による表面保護層を設ける製造方法としているために、浴室、洗面台等の水回りに用いても密着性の低下のない物性に優れた無機質系化粧板が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機質系化粧板の積層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の無機質系化粧板の製造方法の一例を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 無機質系化粧板
2 無機質系基材
3 プライマー樹脂層
3a シーラー層
4 印刷模様層
4a ベタインキ層
4b 絵柄インキ層
5 表面保護層
6 転写シート
7 転写シート基材
7a 薄葉紙
7b ポリオレフィン系樹脂層
R 電離放射線
Claims (2)
- 転写シート基材の一方の面にポリオレフィン系樹脂からなる離型層とポリオール系樹脂インキによって形成された転写印刷模様層を積層した転写シートを準備する工程、無機質系基材の上面にポリオール−イソシアネート系樹脂からなるプライマー樹脂層を塗装する工程、前記プライマー樹脂層がポリオール成分とポリイソシアネート成分とからなり、イソシアネート基が全て硬化する完全硬化ではなく、イソシアネート基が残存する指触乾燥程度の硬化状態にて前記転写シートの転写印刷模様層を前記無機質系基材上面のプライマー樹脂層に接するように載置し加熱加圧する工程、前記転写シートの転写シート基材を剥離することにより前記無機質系基材の上面に印刷模様層を形成する工程、前記印刷模様層表面に電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射硬化することにより表面保護層を形成する工程からなることを特徴とする無機質系化粧板の製造方法。
- 転写シート基材の一方の面にポリオレフィン系樹脂からなる離型層とポリオール系樹脂インキによって形成された転写印刷模様層を積層した転写シートを準備する工程、シーラー層を硬化形成した無機質系基材の上面にポリオール−イソシアネート系樹脂からなるプライマー樹脂層を塗装する工程、前記プライマー樹脂層がポリオール成分とポリイソシアネート成分とからなり、イソシアネート基が全て硬化する完全硬化ではなく、イソシアネート基が残存する指触乾燥程度の硬化状態にて前記転写シートの転写印刷模様層を前記無機質系基材上面のプライマー樹脂層に接するように載置し加熱加圧する工程、前記転写シートの転写シート基材を剥離することにより前記無機質系基材の上面に印刷模様層を形成する工程、前記印刷模様層表面に電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射硬化することにより表面保護層を形成する工程からなることを特徴とする無機質系化粧板の製造方法。
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- 1997-03-18 JP JP08608397A patent/JP3953570B2/ja not_active Expired - Lifetime
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