JP3217399B2 - 成形体への転写層の形成方法 - Google Patents

成形体への転写層の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の成形体の被転写
面に転写層を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】成形体の被転写面に対して転写層を転写
する際に、被転写面と転写層との間の接着剤層として、
熱硬化型樹脂の塗工層を利用する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記熱硬化型樹脂によ
る塗工層を接着層として利用する従来の方法において
は、熱硬化型樹脂による塗工層が具備する接着力を利用
するものであるため、粘着性及び流動性を帯びている未
硬化状態にある熱硬化型樹脂の塗工層に対して転写用シ
ートの転写層を転写するものであることから、転写層の
転写工程での加圧によって、接着剤層をなす熱硬化型樹
脂の塗工層が流動,変形するため、成形体に対して転写
された転写層に亀裂,歪み,変形等が発生したり、ある
いは、形成される転写層の表面に凹凸が発生する等によ
り、品質の良好な転写層が得られない。
【0004】なお、熱硬化型樹脂による塗工層を接着剤
層として利用する方法において、該接着剤層をなす熱硬
化型樹脂の塗工層を完全に硬化させた後に転写を行なう
ようにすると、前述の転写層に発生する亀裂,歪,変形
等がなくなり、また、転写層の表面の凹凸の発生もなく
なるが、この場合には、接着剤層に化学反応性,熱溶着
性等が無くなっているため、転写層との間に良好な接着
力を形成することができない。
【0005】これに対して本各発明は、転写用シートに
おける転写層を被転写体の被転写面に形成されている熱
硬化型樹脂による接着剤層に転写する際の熱圧によっ
て、該熱硬化型樹脂による接着剤層が流動,変形するよ
うなことが無く、このため、転写層に亀裂,歪み,変形
等の発生の無いものが得られ、しかも、転写層と接着剤
層との間に強固な接着力が形成される等の特徴を有する
成形体への転写層の形成方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1の発明の成形体へ
の転写層の形成方法は、被転写体として利用される成形
体の被転写面に対して体質顔料を含有する熱硬化型樹脂
の溶剤液からなる塗工層を形成する第1工程と、該塗工
層を指触乾燥することによって未硬化状態の非粘着性固
体層にする第2工程と、転写用シート基材と転写層とか
らなる転写用シートにおける転写層面を前記非粘着性固
体層面に接当する第3工程と、被転写体と転写用シート
との重ね合わせ体を加熱,加圧することにより、転写層
を非粘着性固体層に転写すると同時に該非粘着性固体層
を硬化させ、次いで転写用シート基材を剥離するか、あ
るいは、被転写体と転写用シートとの重ね合わせ体を加
熱,加圧することにより、転写層を非粘着性固体層に転
写した後に転写用シート基材を剥離し、次いで前記被転
写体に形成した熱硬化型樹脂の非粘着性固体層を熱硬化
させる第4工程とにより、成形体の被転写面に対して転
写層を形成することからなる。
【0007】また、本第2の発明の成形体への転写層の
形成方法は、前述の本第1の発明の方法によって得られ
た成形体、すなわち、表面に転写層が転写されている成
形体からなり、しかも、転写層の接着剤層たる熱硬化型
樹脂の塗工層が完全に硬化している成形体に対して、該
成形体における転写層面の全面を被覆するようにして透
明な熱硬化型樹脂の塗工層を形成する第1工程と、これ
を熱硬化させることによって保護層を形成する第2工程
とにより、成形体の被転写面に転写層と保護層とを形成
することからなる。
【0008】さらに、本第3の発明の成形体への転写層
の形成方法は、被転写体として利用される成形体の被転
写面に対して体質顔料を含有する熱硬化型樹脂の溶剤液
からなる塗工層を形成する第1工程と、該塗工層を指触
乾燥することによって未硬化状態の非粘着性固体層にす
る第2工程と、転写用シート基材と転写層とからなる転
写用シートにおける転写層面を前記非粘着性固体層面に
接当する第3工程と、被転写体と転写用シートとの重ね
合わせ体を加熱,加圧することにより、転写層を非粘着
性固体層に転写した後に転写用シート基材を剥離する第
4工程と、前記非粘着性固体層に転写させた転写層面の
全面を被覆するようにして透明な熱硬化型樹脂の塗工層
を形成する第5工程と、前記被転写体に形成した熱硬化
型樹脂の非粘着性固体層と、転写層面の全面を被覆する
ようにして形成した透明な熱硬化型樹脂の塗工層とを、
加熱によって同時に硬化させる第6工程とにより、成形
体の被転写面に転写層と保護層とを形成することからな
る。
【0009】前記構成による本発明の成形体への転写層
の形成方法において、被転写体として利用される成形体
としては、例えば、木材の単材,木質合材,パーティク
ルボード,中密度繊維板等の木質成形体、石膏,石膏ス
ラグ等の石膏系成形体,珪酸カルシウム,石綿スレート
等の珪酸カルシウム系成形体、軽量発泡コンクリート,
中空押出しセメント,パルプセメント,石綿セメント,
木片セメント,硝子繊維強化コンクリート等のセメント
成形体及び繊維セメント成形体、陶器,磁器,土器,硝
子,琺瑯等のセラミックス成形体、鉄,ステンレス鋼,
亜鉛メッキ鋼,ポリ塩化ビニルゾル塗工鋼,ステンレス
鋼,アルミニウム,チタニウム,銅等の金属成形体、ポ
リエチレン,ポリプロピレン,ポリメタアクリル酸メチ
ル,ポリアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチ
ル,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン共重合体,ポリカーボネート等
の熱可塑性樹脂成形体、フェノール樹脂,尿素樹脂,不
飽和ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹
脂,メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂成形体、硝子繊維製
不織布,布帛,紙その他の各種の繊維質基材に対してフ
ェノール樹脂,尿素樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポ
リウレタン樹脂,エポキシ樹脂,メラミン樹脂あるいは
ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を含浸,硬化させた所
謂FRP成形体、2種以上の板等の成形体を接着剤や熱
融着法を利用して積層した複合成形体等が利用され、箔
状〜厚みあるシート状物、棒状物、射出成形体等の立体
成形体が使用される。特にアルミニウムの成形体が好適
である。
【0010】成形体の被転写面に対して形成される体質
顔料を含有する熱硬化型樹脂の溶剤液からなる塗工層
は、熱硬化型樹脂の溶剤液のコーティング層として形成
されるものであり、例えば、未硬化状態で指触乾燥を可
能ならしめるような重合度のメラミン樹脂,ジアリルフ
タレート樹脂,フェノール樹脂,尿素樹脂,グアナミン
樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,エ
ポキシ樹脂,熱硬化型アクリル樹脂,アミノアルキッド
樹脂,メラミン・尿素共重合樹脂,珪素樹脂,ポリシロ
キサン樹脂等の熱硬化型樹脂と、溶剤と、体質顔料と、
必要に応じて添加される添加剤、例えば架橋剤,重合開
始剤等の硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤等との混合物
からなるコーティング剤によって形成される。なお、こ
のコーティング剤に利用される溶剤は、使用される熱硬
化型樹脂の種類に応じて適宜選択されるもので、例え
ば、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセト
ン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シ
クロヘキサノン,イソホロン等のケトン類、ペンタン,
ヘキサン,ヘプタン,さらにはこれらの混合物であるガ
ソリン,ミネラルスピリット,石油ベンジン等の脂肪族
炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレン,シクロヘキ
サン等の芳香族炭化水素、トリクロロエチレン,パーク
ロルエチレン,四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、メ
チルアルコール,エチルアルコール,イソプロピルアル
コール,ブチルアルコール等の一価のアルコール類、エ
チレングリコール,グリセリン等の多価アルコール類、
エチルエーテル,メチルエーテル等のエーテル類等、さ
らには、これらの中の2種以上の混合物等が利用され
る。
【0011】前記被転写面に対して形成される熱硬化型
樹脂の塗工層に添加される体質顔料としては、炭酸カル
シウム,硫酸バリウム,シリカ,タルク等を使用するこ
とができ、体質顔料を含有する熱硬化型樹脂の塗工層に
することによって未硬化時における粘着性が低くなる。
又、この体質顔料を含有する熱硬化型樹脂の塗工層にお
ける樹脂成分は、熱可塑性アクリル樹脂,ポリ塩化ビニ
ル樹脂,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂,ポリス
チレン樹脂,セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂100
重量部に対して前述の熱硬化型樹脂10〜50重量部程
度を添加した混合樹脂にするのが好適である。
【0012】本発明の成形体への転写層の形成方法に利
用される転写用シートは、転写用シート基材と転写層と
からなるもので、表面が離型性面とされている転写用シ
ート基材と、該転写用シート基材における離型性面に形
成されている転写層とを具備する。
【0013】転写用シート基材における離型性面は、例
えば表面が離型性を有するプラスチックシートの場合に
は、該シートをそのまま転写用シート基材として利用し
得るが、通常は、プラスチックシートの表面に弗素樹脂
やシリコーン等による処理を施すことによって、該処理
面を離型性面としたものが使用される。
【0014】成形体の被転写面に対して形成される熱硬
化型樹脂の塗工層を完全に硬化させた後に、転写用シー
ト基材と転写層との間の離型を確実に行ない得るように
すると共に、成形体の被転写面に転写された転写層に表
面保護層が形成され得るようにする目的で、転写用シー
ト基材の表面に、耐擦傷性,耐薬品性,耐汚染性等に優
れた性質を具備する剥離層を形成して置くことが好まし
い。
【0015】特に、本発明方法によって得られた転写層
を有する成形体を、外装用,浴室内等の内装用,ブライ
ンド用等の窓周辺材材等のように、耐熱性と耐水性とを
兼備することが必要とされるような用途に利用する場合
には、硝子転移点が60℃以上の樹脂によって剥離層を
予め形成して置くことが好ましく、剥離層による表面保
護層の作用によって、温水や日光等による転写層の剥離
やブリスターの発生等を防止し得るようするのが良い。
【0016】なお、転写用シート基材の表面に形成され
る前記剥離層は、以下に記載するような熱硬化型樹脂や
電離放射線硬化型樹脂により、通常0.1〜10μ程度
の厚さで形成されるのが好ましい。
【0017】熱硬化型樹脂 メラミン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,フェノール樹
脂,尿素樹脂,グアナミン樹脂,不飽和ポリエステル樹
脂,ポリウレタン樹脂,エポシシ樹脂,アミノアルキッ
ド樹脂,メラミン・尿素共重合樹脂,珪素樹脂,ポリシ
ロキサン樹脂等。なお、熱硬化性樹脂には、必要に応じ
て、架橋剤,重合開始剤,硬化剤,重合促進剤,溶剤,
粘度調整剤,体質顔料等が添加される。
【0018】電離放射線硬化型樹脂 分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプ
レポリマー、オリゴマー、及び/ 又は単量体等による混
合樹脂組成物が利用される。
【0019】なお、前記プレポリマーやオリゴマーの具
体例は、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合
物等による不飽和ポリエステル類をはじめ、ポリエステ
ルメタクリレート,ポリエーテルメタクリレート,ポリ
オールメタクリレート,メラミンメタクリレート等によ
るメタクリレート類、ポリエステルアクリレート,エポ
キシアクリレート,ウレタンアクリレート,ポリエーテ
ルアクリレート,ポリオールアクリレート,メラミンア
クリレート等によるアクリレート類等が利用される。
【0020】さらに、単量体の具体例は、スチレン,α
・メチルスチレン等によるスチレン系単量体、アクリル
酸メチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,アクリル
酸メトキシエチル,アクリル酸ブトキシエチル,アクリ
ル酸ブチル,アクリル酸メトキシブチル,アクリル酸フ
ェニル等によるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メ
チル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メ
タクリル酸メトキシエチル,メタクリル酸エトキシメチ
ル,メタクリル酸フェニル等によるメタクリル酸エステ
ル類、アクリル酸−2−(N,N −ジエチルアミノ)エチ
ル,メタクリル酸−2−(N,N −ジメチルアミノ)エチ
ル,アクリル酸−2−(N,N −ジベンジルアミノ)エチ
ル,メタクリル酸−2−(N,N −ジメチルアミノ)メチ
ル,アクリル酸−2−(N,N −ジエチルアミノ)プロピ
ル等による不飽和酸の置換アミノアルコールエステル
類、アクリルアミド,メタクリルアミド等による不飽和
カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレー
ト,プロピレングリコールジアクリレート,ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート,ジエチレングリコールジアクリレー
ト,トリエチレングリコールジアクリレート等のジアク
リレート化合物、ジプロピレングリコールジアクリレー
ト,エチレングリコールアクリレート,プロピレングリ
コールジメタクリレート,ジエチレングリコールジメタ
クリレート等による多官能性化合物、トリメチロールプ
ロパントリチオグリコレート,トリメチロールプロパン
トリチオプロピレート,ペンタエリスリトールテトラチ
オグリコール等による分子中に2個以上のチオール基を
有するポリチオール化合物、等である。
【0021】なお、電離放射線硬化型樹脂には、通常、
前述のプレポリマー又はオリゴマーの5〜95重量%
と、単量体及び/又はポリチオール化合物の95〜5重
量%との混合組成物が利用される。
【0022】さらに、電離放射線硬化型樹脂によって剥
離層を形成する場合に、該剥離層を紫外線の照射によっ
て硬化させる際には、例えば、アセトフェノン類,ベン
ゾフェノン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエート,α・
アミロキシムエステル,テトラメチルメウラムモノサル
ファイド,チオキサントン類等による光重合開始剤と、
必要に応じて添加される光増感剤、例えば、n−ブチル
アミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルホスフィ
ン等による光増感剤とを含有するコーティング剤が利用
されることは勿論である。
【0023】転写用シート基材の離型性面に形成される
転写層は少なくとも装飾層を具備するものであり、必要
に応じて、先の剥離層や、装飾層の上に形成される接着
剤層等の積層構成による転写層が利用される。
【0024】装飾層は、印刷インキによる印刷層を初
め、アルミニウムやクロム等による金属膜層等からな
り、全面のベタ装飾層であっても、あるいは、木目,石
目,水玉,格子柄,文字,図形等を表現する部分模様
層、さらには、全面のベタ装飾層と部分模様層との組み
合わせからなるものであっても良い。なお、印刷インキ
による印刷層は、装飾層に対して耐温水性及び耐熱性を
具備させる目的で、特に硝子転移温度60℃以上の樹脂
をベヒクルとする印刷インキで形成することが好まし
い。
【0025】転写用シート基材に対して形成されている
転写層の最上層をなす接着剤層は、先の剥離剤層と同様
に必要に応じて形成されるものであり、例えば、装飾層
に熱可塑性樹脂が含有されていることから、該装飾層が
熱溶着性能を有するような場合には、接着剤層は必ずし
も必要では無いが、装飾層が金属蒸着層からなる場合に
ように、装飾層自体に熱溶着性能の無い場合には接着剤
層は不可欠になる。
【0026】接着剤層には、感熱接着剤、溶剤活性型接
着剤、電離放射線硬化型接着剤等が利用され、以下に説
明するようなものが使用される。
【0027】エチルセルロース,硝酸セルロース,エチ
ルヒドロキシエチルセルロース,セルロースアセテート
プロピオネート,酢酸セルロース等のセルロース誘導
体、ポリスチレン,ポリ−α−メチルスチレン等のスチ
レン樹脂及びスチレン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸
メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリアクリル酸エチ
ル,ポリアクリルブチル等のアクリル等のアクリル系樹
脂、ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体,ポリビニルブチラール樹脂等のビニ
ル重合体、ロジン,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン
変性フェノール樹脂,重合ロジン等のロジンエステル樹
脂、ポリイソプレンゴム,ポリイソブチルゴム,スチレ
ン・ブタジエンゴム,ブタジエン・アクリロニトリルゴ
ムとのゴム系樹脂、クマロン樹脂,ビニルトルエン樹
脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂,ポリ塩素化オレフ
ィン,各種アイオノマー等のその他の樹脂、さらには、
これらの混合物等、
【0028】なお、前記接着剤層は、被転写体に対して
形成した転写層に耐温水性及び耐熱性を具備させる目的
で、特に硝子転移温度90℃以上の樹脂で形成すること
が好ましい。
【0029】本各発明において、被転写体として利用さ
れる成形体の被転写面に対して熱硬化型樹脂の塗工層を
形成した後に、該塗工層を指触乾燥することによって未
硬化状態の非粘着性固体層となす工程は、塗工層中の溶
剤の1部または全部を揮発させることにより、塗工層の
表面を指触乾燥状態にするものであって、本乾燥工程に
おいて、塗工層に利用されている熱硬化型樹脂が完全硬
化に迄は至るようなことのないようにすることが必要で
ある。
【0030】すなわち、成形体の被転写面に対して熱硬
化型樹脂の塗工層を形成した後の乾燥工程においては、
該塗工層は、塗工層中の残留溶剤成分が揮発して指触乾
燥状態となっている、すなわち、塗工層の流動性や表面
の粘着性は無くなっているが、塗工層における樹脂自体
は少なくとも完全硬化には至らずに熱可塑性を保持して
いる状態となっているように、放置あるいは加熱乾燥す
るのが良い。
【0031】さらに、被転写体と転写用シートとの重ね
合わせ体を加熱,加圧することにより、転写層を非粘着
性固体層に転写する工程では、例えば、熱ローラー転
写,真空プレス転写等を利用し得る。
【0032】また、本第2の発明及び第3の発明におい
ては、転写層面の全表面を被覆する保護層を透明な熱硬
化型樹脂で形成するが、この保護層の形成工程は、熱硬
化型樹脂によるコーティング剤の塗工層の形成とそれに
続く加熱硬化工程とからなり、例えば、ポリウレタン樹
脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリシロ
キサン樹脂等の熱硬化型樹脂による厚さ1〜100μ程
度の透明な保護層として形成される。
【0033】
【作用】本発明の成形体への転写層の形成方法は、被転
写体として利用される成形体の被転写面に対して体質顔
料を含有する熱硬化型樹脂の溶剤液からなる塗工層を形
成する第1工程と、該塗工層を指触乾燥することによっ
て未硬化状態の非粘着性固体層にする第2工程と、転写
用シート基材と転写層とからなる転写用シートにおける
転写層面を前記非粘着性固体層面に接当する第3工程
と、被転写体と転写用シートとの重ね合わせ体を加熱,
加圧することにより、転写層を非粘着性固体層に転写す
ると同時に該非粘着性固体層を硬化させ、次いで転写用
シート基材を剥離するか、あるいは、被転写体と転写用
シートとの重ね合わせ体を加熱,加圧することにより、
転写層を非粘着性固体層に転写した後に転写用シート基
材を剥離し、次いで前記被転写体に形成した熱硬化型樹
脂の非粘着性固体層を熱硬化させる第4工程とにより、
成形体の被転写面に転写層を形成することからなる。
【0034】したがって、本発明の成形体への転写層の
形成方法においては、粘着性及び流動性を帯びている未
硬化状態にある熱硬化型樹脂の塗工層に対して転写用シ
ートの転写層を転写するものでは無いため、転写層の転
写工程での加圧によって、接着剤層をなす熱硬化型樹脂
の塗工層が流動,変形するようなことが無く、成形体に
対して転写された転写層に亀裂,歪み,変形等が発生し
たり、あるいは、形成される転写層の表面に凹凸が発生
する等のことの無い品質の良好な転写層が得られる。
【0035】また、本発明の成形体への転写層の形成方
法にあっては、熱硬化型樹脂による塗工層が完全硬化さ
れる前の状態を接着剤層として利用するものであるの
で、該接着剤層に化学反応性,熱溶着性等が十分に具備
されているために、転写層との間に良好な接着力が形成
される。しかも本発明の成形体への転写層の形成方法に
おいては、前記熱硬化型樹脂による塗工層中に体質顔料
が添加されているので、該塗工層の未硬化時の粘着性が
低くなる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の成形体への転写層の形成方法
の具体的な構成を実施例を以って説明する。
【0037】実施例1 (1) 転写用シートの作成 厚さ26μのポリエチレンテレフタレートフィルム「東
レ (株) :X−45」からなる転写用シート基材の表面
に、アクリル系樹脂による厚さ2μの剥離層を形成し、
該剥離層の表面に、アクリル樹脂と塩・酢ビ樹脂とのビ
ヒクルに顔料を添加した着色インキにより厚さ2μの格
子柄の絵柄層と、顔料を混入したアクリル系樹脂による
厚さ2μの着色ベタ刷りによる下刷り層兼接着剤層と
を、順次、グラビアコート法によって形成した後、60
℃,1分間の加熱乾燥に付し、表面がタックの無い状態
の転写用シートを得た。
【0038】(2)被転写体の準備 厚さ0.15mmのアルミニウム板「昭和アルミ (株)
製」の表面に、シリカ10重量%を含有する硬化型アク
リル樹脂のコーティング剤を塗工し、100℃で5分間
の加熱乾燥を行なうことにより、厚さ20μの熱硬化型
樹脂の塗工層が被転写面に形成されているアルミニウム
板からなる被転写体を得た。なお、塗工層の表面は指で
触ってもタックの無い状態である。
【0039】(3) 転写工程 被転写体の熱硬化型樹脂の塗工層面と転写用シートの下
刷り層兼接着剤層面とを接当させた状態で、10m/min
の速度で200℃の加熱下を2回通過させることからな
るロール転写を行なった。
【0040】(4) 転写用シート基材の剥離工程 次いで、転写用シートにおける転写用シート基材(ポリ
エチレンテレフタレートフィルム)を剥離することによ
り、着色ベタ刷りによる下刷り層兼接着剤層と格子柄の
絵柄層とを被転写体の熱硬化型樹脂の塗工層面に転写さ
せた。
【0041】(5) 硬化工程 しかるのちに、表面に着色ベタ刷りによる下刷り層兼接
着剤層と格子柄の絵柄層とが転写されているアルミニウ
ム板を、150℃で20分間加熱することにより、被転
写体に形成した熱硬化型樹脂の非粘着性固体層を熱硬化
させ、目的とする転写層を有する成形体を得た。
【0042】比較例1 (1) 転写用シートの作成 厚さ26μのポリエチレンテレフタレートフィルム「東
レ (株) :X−45」からなる転写用シート基材の表面
に、アクリル系樹脂による厚さ2μの剥離層を形成し、
該剥離層の表面に、アクリル樹脂と塩・酢ビ樹脂とのビ
ヒクルに顔料を添加した着色インキにより厚さ2μの格
子柄の絵柄層と、顔料を混入したアクリル系樹脂による
厚さ2μの着色ベタ刷りによる下刷り層兼接着剤層と
を、順次、グラビアコート法によって形成した後、60
℃,1分間の加熱乾燥に付し、表面がタックの無い状態
の転写用シートを得た。
【0043】(2)被転写体の準備 厚さ0.15mmのアルミニウム板「昭和アルミ (株)
製」の表面に、アクリルポリオールにトリレンジイソシ
アネートを混合した未硬化状態のポリウレタンによるコ
ーティング剤を塗工した後、乾燥によって溶剤のみを蒸
発させることにより、未硬化状態でかつ粘着性を帯びた
塗工層が被転写面に形成されているアルミニウム板から
なる被転写体を得た。
【0044】(3) 転写工程 被転写体の熱硬化型樹脂の塗工層面と転写用シートの下
刷り層兼接着剤層面とを接当させた状態で、150℃の
加熱ゴムロールでの加圧を10m/min の走行速度で行な
った。
【0045】(4) 転写用シート基材の剥離工程 次いで、転写用シートにおける転写用シート基材(ポリ
エチレンテレフタレートフィルム)を剥離させることな
く、(3) 工程で得られた積層シートのままで40℃で3
日間の養生を行ない、ポリウレタンが完全硬化した後
に、転写用シートにおける転写用シート基材(ポリエチ
レンテレフタレートフィルム)を剥離し、着色ベタ刷り
による下刷り層兼接着剤層と格子柄の絵柄層とが被転写
体の熱硬化型樹脂の塗工層面に転写されている比較のた
めの転写層を有する成形体を得た。
【0046】なお、比較例で得られた転写層を有する成
形体は、転写工程でのローラー圧と未硬化状態のポリウ
レタン塗工層との作用により、着色部及び絵柄層の1部
が溶出し、着色層に斑が、また、絵柄層にボヤケが発生
したが、実施例品にはこれらの不手際が無く、高品質の
転写層が得られた。
【0047】
【効果】本発明の成形体への転写層の形成方法によれ
ば、高品質特性の転写層を具備する成形体が、容易、か
つ、確実に得られるため、実用面での利用価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−205189(JP,A) 特開 昭63−126799(JP,A) 特開 昭64−43375(JP,A) 特開 昭53−96058(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 1/17

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被転写体として利用される成形体の被転
    写面に対して体質顔料を含有する熱硬化型樹脂の溶剤液
    からなる塗工層を形成する第1工程と、 該塗工層を指触乾燥することによって未硬化状態の非粘
    着性固体層にする第2工程と、 転写用シート基材と転写層とからなる転写用シートにお
    ける転写層面を前記非粘着性固体層面に接当する第3工
    程と、 被転写体と転写用シートとの重ね合わせ体を加熱,加圧
    することにより、転写層を非粘着性固体層に転写すると
    同時に該非粘着性固体層を硬化させ、次いで転写用シー
    ト基材を剥離するか、あるいは、被転写体と転写用シー
    トとの重ね合わせ体を加熱,加圧することにより、転写
    層を非粘着性固体層に転写した後に転写用シート基材を
    剥離し、次いで前記被転写体に形成した熱硬化型樹脂の
    非粘着性固体層を熱硬化させる第4工程とにより、 成形体の被転写面に転写層を形成することを特徴とする
    成形体への転写層の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法にて得られた転写層面の
    全面に対して、前記転写層を被覆するようにして透明な
    熱硬化型樹脂の塗工層を形成する第1工程と、これを熱
    硬化させることによって保護層を形成する第2工程とに
    より、成形体の被転写面に転写層と保護層とを形成する
    ことを特徴とする成形体への転写層の形成方法。
  3. 【請求項3】 被転写体として利用される成形体の被転
    写面に対して体質顔料を含有する熱硬化型樹脂の溶剤液
    からなる塗工層を形成する第1工程と、 該塗工層を指触乾燥することによって未硬化状態の非粘
    着性固体層にする第2工程と、 転写用シート基材と転写層とからなる転写用シートにお
    ける転写層面を前記非粘着性固体層面に接当する第3工
    程と、 被転写体と転写用シートとの重ね合わせ体を加熱,加圧
    することにより、転写層を非粘着性固体層に転写した後
    に転写用シート基材を剥離する第4工程と、 前記非粘着性固体層に転写させた転写層面の全面を被覆
    するようにして透明な熱硬化型樹脂の塗工層を形成する
    第5工程と、 前記被転写体に形成した熱硬化型樹脂の非粘着性固体層
    と、転写層面の全面を被覆するようにして形成した透明
    な熱硬化型樹脂の塗工層とを、加熱によって同時に硬化
    させる第6工程とにより、 成形体の被転写面に転写層と保護層とを形成することを
    特徴とする成形体への転写層の形成方法。
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