JP4026321B2 - 機能性表面を有するプラスチック成形体の製造方法、及び、これに用いる塗料付きシートとその製造方法 - Google Patents

機能性表面を有するプラスチック成形体の製造方法、及び、これに用いる塗料付きシートとその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、浴室ユニット等の床パン、壁パネル、天井パネル等の成形品表面に機能性表面を有するプラスチック成形体の製造方法、及び、これに用いる塗料付きシートとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FRP成形品表面への模様による意匠性付与の方法として、成形体の成形時に模様付きシートを一体成形して表面に模様付けを行う方法は、例えば、特開平6−134784号公報などにより知られている。
一方、プラスチック成形品表面に、親水性、易洗浄性、易排水性、防曇性などの機能性を付与するために、プラスチック成形体を形成した後、後塗装により表面に機能性塗膜の形成を行い、プラスチック成形体とともに機能性塗料形成面の硬化(常温又は高温による硬化)を行う方法が知られている(特開2000−301054号参照)。
【0003】
しかし、従来の技術で述べた成形品表面への機能性付与方法は、成形体の形成後、再度成形体の表面に形成した機能性塗料の硬化を行う必要があるため、工程が長くなって生産性が悪く、作業効率の低下、作業環境の悪化、さらには成形体の形成温度及び機能性塗料層の硬化温度が高温である場合には、成形体は長時間にわたり高温環境にさらされるため基材が劣化する虞がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、作業効率の向上及び作業環境の改善が可能で、基材の劣化も少ないプラスチック成形体の製造方法、及び、これに用いる塗料付きシートとその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のように構成する。
(1) 表面側から、塗料層、繊維含有樹脂層、模様層を、この順に備え、前記塗料層が完全硬化前の任意の硬化度とされる成形用の塗料付きシートであって、
前記塗料層は、成形材料との一体成形時に完全硬化される材料とした成形用の塗料付きシート。
(2) 前記塗料層は、抗菌機能、撥水機能、親水機能、滑り止め機能、光沢向上機能、質感向上機能、プラスチック成形体が使用される室内の雰囲気向上機能の何れか、又は、これらの任意の組み合わせを有する前記(1)の成形用の塗料付きシート。
(3) 模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進めることにより、模様層と繊維含有樹脂層とを有する模様付きシートを形成し、
前記繊維含有樹脂層の表面に、塗料層をスプレーコートにより形成する前記(1)の成形用の塗料付きシートの製造方法。
(4) 模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、塗料層を有するフィルムの前記塗料層を前記樹脂側に向けて載置して、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進め、その後前記フィルムを剥がすことにより、前記塗料層を樹脂側に転写して形成する前記(1)の成形用の塗料付きシートの製造方法。
(5) 模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進めることにより、模様層と繊維含有樹脂層とを有する模様付きシートを形成し、
前記繊維含有樹脂層の表面に塗料を載置し、この塗料を延伸することにより塗料層を形成する前記(1)の成形用の塗料付きシートの製造方法。
(6) 前記塗料層は、抗菌機能、撥水機能、親水機能、滑り止め機能、光沢向上機能、質感向上機能、プラスチック成形体が使用される室内の雰囲気向上機能の何れか、又は、これらの任意の組み合わせを有する前記(3)〜(5)の何れかの成形用の塗料付きシートの製造方法。
(7) 表面側から、塗料層、繊維含有樹脂層、模様層、基材層を、この順に備えたプラスチック成形体であって、
前記塗料層は、成形前は完全硬化前の任意の硬化度とされており、成形によって完全硬化されたプラスチック成形体の製造方法において、
模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進めることにより、模様層と繊維含有樹脂層とを有する模様付きシートを形成し、
前記模様付きシートの前記繊維含有樹脂層の表面に完全硬化前の任意の硬化度の塗料層を設けることにより、表面側から、塗料層、繊維含有樹脂層、模様層を、この順に備える成形用の塗料付きシートであって、前記塗料層が成形材料との一体成形時に完全硬化される成形用の塗料付きシートを形成し、
この成形用の塗料付きシートの模様層側に成形材料を載置し、これらを上下一対の型の間に成形材料を上にして挟み、加圧加熱して一体成形することにより、成形と同時に前記塗料層の完全硬化を行うプラスチック成形体の製造方法
(8) 前記塗料層は、抗菌機能、撥水機能、親水機能、滑り止め機能、光沢向上機能、質感向上機能、プラスチック成形体が使用される室内の雰囲気向上機能の何れか、又は、これらの任意の組み合わせを有する前記(7)のプラスチック成形体の製造方法
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明におけるプラスチック成形体の表面側の機能性塗料層に用いる塗料としては、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、アクリルウレタン、ラッカー、ウレタン、酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂、有機溶媒への無機成分分散品、アルミナ、シリカゾル等の無機質系塗料などがある。
【0007】
機能性塗料層による機能性には、抗菌機能、撥水機能、親水機能、滑り止め機能などの他、光沢向上機能、質感向上機能、プラスチック成形体が使用される室内の雰囲気向上機能も含まれる。
機能性塗料層により形成される模様としては、花柄模様、無機物の粉砕物入り等の他、無模様又は単色模様でもよい。塗料色として特に制限はないが、中でも透明色や半透明色が好ましく、また、不透明色であってもよい。
【0008】
機能性塗料層の塗膜形成方法としては、スプレーガンによる吹き付け、刷毛塗り、フィルムコート、ロールコーター、カーテンコーター等が用いられる。なお、フィルムコートに使用するフィルム表面の塗料層の構成は、表面側からカップリング剤層、機能性塗料層、離型剤層、フィルム層が形成され、場合によってはカップリング剤層、又は/及び離型剤層を省くことも可能である。
【0009】
本発明におけるプラスチック成形体の繊維含有樹脂層に使用する樹脂に特に制限はないが、例えば、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂組成物等が使用される。
【0010】
繊維含有樹脂層に用いる繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維等の無機質繊維、あるいはポリエステル繊維、ナイロン繊維等の有機繊維からなる織布又は不織布が用いられるが、好ましくはガラス繊維の不織布が用いられる。上記織布の目付量としては20〜50g/平方メートル、好ましくは30〜40g/平方メートル程度である。
【0011】
基材層として使用される強化樹脂層として、代表的には繊維強化樹脂(FRP)があり、繊維強化樹脂の繊維としてはガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維、シリカ繊維などの無機質繊維、あるいはポリエステル繊維、ナイロン繊維などの有機繊維が用いられ、これらは織布であっても不織布でもよく、また、繊維を使用しなくてもよい。
強化樹脂層に使用される樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂やジシクロペンタジエン樹脂などの熱硬化性樹脂がある。
さらには、シートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)などの熱硬化性繊維強化材料を用いて強化樹脂層を形成することもできる。
【0012】
模様層に用いられる模様としては、インキが好ましく、繊維含有樹脂層に使用する樹脂に相溶性のあるものから選ばれる。そのようなインキとしては、顔料又は塗料を、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、硝化綿(ニトロセルロース)系樹脂などに混合したものがある。インキの他にも雲母(マイカ)等の天然鉱物の粉砕物、金属等の無機物の粉砕物を模様として用いることもできる。
なお、模様層の模様は、花柄模様、幾何学的模様等の種々の模様は勿論、無模様又は単色模様であってもよい。
【0013】
機能性塗料層を形成するプラスチック成形体の表面は、平坦又は凹凸形状のいずれでもよい。また、プラスチック成形体としては、浴室ユニット回りに使用する洗い場パン(床パン)、壁パネル、カウンター、天井パネル、洗面カウンター、浴槽用エプロン、浴槽等の成形体に使用される。
【0014】
本発明におけるプラスチック成形体は次に示す方法で製造される。
片面に模様を形成したフィルムを用意し、その模様面の上に繊維(ガラス繊維不織布等)を重ね、この上に樹脂を載置し、さらにその表面をフィルムで覆った後、フィルム上より荷重をかけて樹脂を均一の厚さに延伸し、これを硬化炉内において重合が約80%進行するまで保持する。重合が約80%進行した段階でこれを適宜大きさに切断する。次に、上記表面を覆ったフィルムを剥がした後、繊維含有樹脂層側に機能性塗料層を形成し、機能性塗料層の塗料面が任意の硬化度に達するまで放置する。なお、この任意の硬化度とは、機能性塗料付きシートを傾けた場合に機能性塗料の流動がなく、ハンドリング性も良好で、機能性塗料表面の糸を引くようなべとつきもない状態をいう。
さらに、片面に模様を形成したフィルムを剥離し、機能性塗料付きシートの模様面を上にして表面用型の上に載置し、この上にシートモールディングコンパウンド(SMC)等の成形材料を重ねて、裏面用型を締めて加圧加熱し成形する。冷却後脱型すると、機能性表面を有するプラスチック成形体が得られる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1乃至図4を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の実施例による機能性表面を有するプラスチック成形体の断面図であり、プラスチック成形体は、表面側から、機能性塗料層1、繊維含有樹脂層2、模様層3、基材層4の順序の層構成に形成される。
【0016】
(実施例1)
製造工程1
図2(a)に示すように、図1に示す繊維含有樹脂層2に使用する樹脂に相溶性のあるインキで片面を模様付けした模様層3を形成した厚さ50μmのポリエステル製のフィルム7を用意し、このフィルム7の模様付け面に、強化繊維として目付量35g/m2のガラス繊維不織布5(図1参照)を重ね、この表面上に透明な未硬化のイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂(日立化成工業(株)製)と硬化剤としてパーロイルTCP(日本油脂(株)製、商品名)を100:1の重量比にて混合した樹脂8を100重量部載置した。さらに、表面に厚さ50μmのフィルム9を載置して、その上からローラーにより荷重をかけて樹脂8を膜厚0.3mmに均一に延伸脱泡した。
【0017】
製造工程2
次に、延伸させた繊維含有樹脂層2を、40℃に保持した硬化炉内にて30分間樹脂の重合を進めた約80%の状態で停止させた。
上記シートを適宜大きさに切断の後、フィルム9を剥がし、スプレーコートにより繊維含有樹脂層側表面へ、有機溶媒中に無機系親水化成分を分散させた親水性塗料である機能性塗料1の塗装を行い、機能性塗料1が任意の硬度に達するのを待った。その後、フィルム7を剥がすと繊維含有樹脂層2の片面に模様層3が転写された機能性塗料付きシート10が形成される。この機能性塗料付きシート10を図3(a)に示すように模様層3を上にして表面用型12の上に載置し、続いて半硬化にした状態の成形材料13(成形体の基材層4となる材料)を上に重ね、図3(b)に示すように裏面用型14を締めて加圧(100kg/cm)・加熱(表面用型:145℃、裏面用型:150℃)して成形した。なお、成形材料13としてはシートモールディングコンパウンドを使用し、機能性塗料付きシート10は、成形型内で成形材料13が流動し、硬化するのに伴い完全硬化して成形材料13と一体化し、硬化が完了した。成形品を型から取り出し、床表面が機能性塗料層からなる塗料付きシートと、強化樹脂層からなり、且つ機能性塗料付きシートは繊維含有樹脂層を含む成形体表面に模様層を有する図4に示すFRP成形体15を得た。
【0018】
(実施例2)
製造工程1
図2(b)に示すように、繊維含有樹脂層2(図1参照)に使用される樹脂に相溶性のあるインキで片面を模様付けした模様層3を形成した厚さ50μmのポリエステル製のフィルム7を用意し、フィルム7の模様付き面に、強化繊維として目付量35g/m2のガラス繊維不織布を重ね、この表面上に透明な未硬化のイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂(日立化成工業(株)製)と硬化剤としてパーロイルTCP(日本油脂(株)製、商品名)を100:1の重量比にて混合した樹脂8を100重量部載置した。他方、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用意し、その片面にグラビア印刷機を用いて離型剤層を形成・乾燥させ、次に、親水性を示す機能性塗料層として、アルミナゾル−520(日産化学(株)製、商品名)とシリカ液ASR(住友大阪セメント(株)製、商品名)を1:1の重量比にて混合したものを0.5μm程度に塗布・乾燥させた。さらに、前記シート表面にカップリング剤層としてイソプロピルアルコールとエチルセロソルブ及びシュウ酸を500:500:1の重量比にて配合した溶液に、アクリル樹脂BC2−MU1(日立化成工業(株)製、商品名)を10%混合・攪拌したものを上記と同様に塗料層形成表面へ0.5μm程度に塗布・乾燥させて塗料層の形成を行い、前記の塗料層を形成したフィルム9の塗料層形成面を樹脂側に向けて載置し、その上からローラーにより荷重をかけて、樹脂8を膜厚約0.3mmに均一に延伸脱泡した。なお、ここで、前記模様層3を形成したフィルム7と塗料層を形成したフィルム9の位置を入れ替えることも可能である。また、機能性塗料層を形成しているフィルム表面の塗料層中、場合によってはカップリング剤層、又は/及び離型剤層を省くこともある。
【0019】
製造工程2
次に、延伸させた繊維含有樹脂層2を40℃に保持した硬化炉内にて30分間樹脂の重合を進めた約80%の状態で停止させた。
上記シートを適宜大きさに切断の後、フィルム7及びフィルム9を剥がすと、繊維含有樹脂層2の片面に模様層3が転写された機能性塗料付きシート10が形成される。上記の機能性塗料付きシートを図3(a)に示すように模様層3を上にして表面用型12の上に載置し、続いて半硬化にした状態の成形材料13を上に重ね、図3(b)に示すように裏面用型14を締めて加圧(100kg/cm2)・加熱(表面用型:145℃、裏面用型:150℃)して成形した。成形材料13としてはシートモールディングコンパウンドを使用し、機能性塗料付きシート10は、成形型内で成形材料13が流動し、硬化するのに伴い完全硬化して成形材料13と一体化し、硬化が完了した。成形品を型を型から取り出して、床表面が機能性塗料層からなる機能性塗料付きシートと強化樹脂層からなり、且つ機能性塗料付きシートは繊維含有樹脂層を含む成形体表面に模様層を有する図に示すようなFRP成形体15を得た。
【0020】
(実施例3)
製造工程1
図2(a)に示すように、繊維含有樹脂層2(図1参照)に使用される樹脂に相溶性のあるインキで片面を模様付けした模様層3を形成した厚さ50μmのポリエステル製のフィルム7を用意し、フィルム7の模様付き面に、強化繊維として目付量35g/m2のガラス繊維不織布を重ね、この表面上に透明な未硬化のイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂(日立化成工業(株)製)と硬化剤としてパーロイルTCP(日本油脂(株)製、商品名)を100:1の重量比にて混合した樹脂8を100重量部載置した。さらに、表面にフィルム9を載置し、その上からローラーにより荷重をかけて樹脂8を膜厚約0.3mmに均一に延伸脱泡した。
【0021】
製造工程2
次に、延伸させた繊維含有樹脂層2を40℃に保持した硬化炉内にて30分間樹脂の重合を進めた約80%の状態で停止させた。
上記シートのフィルム9を剥がし、図2(c)に示すように、セラミック系防汚染塗料ベルクリーンNo.5000(上塗り用)(日本油脂(株)製、商品名)と、ベルクリーン用硬化剤(日本油脂(株)製)を4:1の割合にて混合・攪拌した機能性塗料を載置した。さらにその表面にフィルム11を載置し、上からローラーにより荷重をかけて、機能性塗料1を膜厚約20μmに均一に延伸脱泡した。常温硬化により機能性塗料の指触硬化が完了した時点でフィルム11を剥がすと、繊維含有樹脂層2の片面に機能性塗料層1が形成されたシートが形成される。このシートを適宜大きさに切断した後、フィルム7を剥がし、機能性塗料付きシート10を図3(a)に示すように模様層2を上にして表面用型12の上に載置し、続いて半硬化にした状態の成形材料13を上に重ね、図3(b)に示すように裏面用型14を締めて加圧(100kg/cm2)・加熱(表面用型:145℃、裏面用型:150℃)して成形した。成形材料13としてシートモールディングコンパウンドを使用し、機能性塗料付きシート10は、成形型内で成形材料13が流動し、硬化するのに伴い完全硬化して成形材料13と一体化し硬化が完了する。成形品を型から取り出し、床表面が機能性塗料層からなる機能性塗料付きシートと強化樹脂層からなり、且つ機能性塗料付きシートは繊維含有樹脂層を含む成形体表面に模様層を有してなる図4に示すFRP成形体15を得た。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の機能性表面を有するプラスチック成形体の製造方法、及び、これに用いる塗料付きシートとその製造方法によれば、成形体の成形と同時に成形体表面側の機能性塗料層の硬化を行うため、機能性塗料層の再硬化工程を省くことができるようになり、作業効率の向上、作業環境の改善が図れるとともに、加熱時間の短縮による基材の劣化を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチック成形体の実施例による断面図である。
【図2】(a)、(b)及び(c)はそれぞれ本発明の実施例によるプラスチック成形体の製造方法を示す説明断面図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明の実施例によるプラスチック成形体の圧縮成形法による成形を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施例によるプラスチック成形体の斜視図である。
【符号の説明】
1 機能性塗料層 2 繊維含有樹脂層
3 模様層 4 基材層(強化樹脂層)
5 繊維 6 模様付きシート
7 フィルム 8 樹脂
9 フィルム 10 塗料付きシート
11 フィルム 12 表面用型
13 成形材料 14 裏面用型
15 FRP成形体

Claims (8)

  1. 表面側から、塗料層、繊維含有樹脂層、模様層を、この順に備え、前記塗料層が完全硬化前の任意の硬化度とされる成形用の塗料付きシートであって、
    前記塗料層は、成形材料との一体成形時に完全硬化される材料とした成形用の塗料付きシート。
  2. 前記塗料層は、抗菌機能、撥水機能、親水機能、滑り止め機能、光沢向上機能、質感向上機能、プラスチック成形体が使用される室内の雰囲気向上機能の何れか、又は、これらの任意の組み合わせを有する請求項1の成形用の塗料付きシート。
  3. 模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進めることにより、模様層と繊維含有樹脂層とを有する模様付きシートを形成し、
    前記繊維含有樹脂層の表面に、塗料層をスプレーコートにより形成する請求項1の成形用の塗料付きシートの製造方法。
  4. 模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、塗料層を有するフィルムの前記塗料層を前記樹脂側に向けて載置して、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進め、その後前記フィルムを剥がすことにより、前記塗料層を樹脂側に転写して形成する請求項1の成形用の塗料付きシートの製造方法。
  5. 模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進めることにより、模様層と繊維含有樹脂層とを有する模様付きシートを形成し、
    前記繊維含有樹脂層の表面に塗料を載置し、この塗料を延伸することにより塗料層を形成する請求項1の成形用の塗料付きシートの製造方法。
  6. 前記塗料層は、抗菌機能、撥水機能、親水機能、滑り止め機能、光沢向上機能、質感向上機能、プラスチック成形体が使用される室内の雰囲気向上機能の何れか、又は、これらの任意の組み合わせを有する請求項3〜5の何れかの成形用の塗料付きシートの製造方法。
  7. 表面側から、塗料層、繊維含有樹脂層、模様層、基材層を、この順に備えたプラスチック成形体であって、
    前記塗料層は、成形前は完全硬化前の任意の硬化度とされており、成形によって完全硬化されたプラスチック成形体の製造方法において、
    模様層上に強化繊維と樹脂を載置し、これらの上から荷重した後に、前記樹脂の重合を途中まで進めることにより、模様層と繊維含有樹脂層とを有する模様付きシートを形成し、
    前記模様付きシートの前記繊維含有樹脂層の表面に完全硬化前の任意の硬化度の塗料層を設けることにより、表面側から、塗料層、繊維含有樹脂層、模様層を、この順に備える成形用の塗料付きシートであって、前記塗料層が成形材料との一体成形時に完全硬化される成形用の塗料付きシートを形成し、
    この成形用の塗料付きシートの模様層側に成形材料を載置し、これらを上下一対の型の間に成形材料を上にして挟み、加圧加熱して一体成形することにより、成形と同時に前記塗料層の完全硬化を行うプラスチック成形体の製造方法。
  8. 前記塗料層は、抗菌機能、撥水機能、親水機能、滑り止め機能、光沢向上機能、質感向上機能、プラスチック成形体が使用される室内の雰囲気向上機能の何れか、又は、これら の任意の組み合わせを有する請求項7のプラスチック成形体の製造方法
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