JP3952706B2 - 高分子化合物及びその製造方法、成形体及びその製造方法 - Google Patents

高分子化合物及びその製造方法、成形体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子化合物及びその製造方法、並びに成形体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、特定の機能を有する低分子化合物が高分子材料中に分散された機能性フィルム、機能性プレートなどの成形体の開発が盛んに行われている。このような成形体は、原料を所定の溶剤に溶解又は分散した塗液を、フィルム状、ドラム状などの形状を有する基体上に塗布して成形することができるので、世量産性に富み、電磁波遮断材、近赤外線遮断材、導電性膜などの多くの分野で期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような成形体にあっては、機能性材料を高分子材料中に均一に分散することが重要である。すなわち、機能性材料の分散均一性が高ければ、目的の機能が高水準で達成され、更には機能性材料の添加量を低減して成形体の強度を高めることも可能となる。
【0004】
そこで、機能性材料の分散均一性を高めるために、高剪断分散、多段階分散などの分散方法を採用したり、高分子材料の種類を選択するなどの工夫がなされている。しかしながら、このような方法では、機能性材料の分散均一性の向上に限界があるため、機能性材料を比較的均一に分散し得る条件で成形体を作製しているのが現状であり、得られる成形体は、その用途によっては必ずしも十分な特性を有しているとは言えない。
【0005】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、機械的強度に優れると共に、機能性材料を十分に均一に分散することが可能な高分子化合物及びその製造方法、並びにその高分子化合物を用いた成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の環状構造を有する高分子化合物によって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の高分子化合物は、下記一般式(1):
【化7】
Figure 0003952706
(式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表し、mは繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZの総数は1以上である)
で表される環状構造を有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の高分子化合物においては、前記環状構造が、下記一般式(2):
【化8】
Figure 0003952706
(式中、X及びAは同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、m’及びm”はそれぞれ0〜4の整数を表し、nは2以上の整数を表し、m’及びm”は繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZの総数は1以上である)
で表されるものであることが好ましい。
【0009】
また、本発明の高分子化合物の製造方法は、下記一般式(3):
【化9】
Figure 0003952706
(式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Rは水素原子及び炭化水素基からなる群より選ばれる1種を表す)
で表される化合物と、下記一般式(4):
【化10】
Figure 0003952706
(式中、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Z’はアルケニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基からなる群より選ばれる1種を形成し得る反応性基を表し、kは1以上の整数を表す)
で表される化合物とを含む原料混合物をエステル化又はエステル交換させて、それらの複合体を得る第1のステップと、
減圧下、前記複合体の縮重合反応により、下記一般式(5):
【化11】
Figure 0003952706
(式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Z’はアルケニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基からなる群より選ばれる1種を形成し得る反応性基を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表し、mは繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZ’の総数は1以上である)
で表される環状オリゴマーを得る第2のステップと、
上記一般式(5)で表される環状オリゴマー同士を反応させて、下記一般式(1):
【化12】
Figure 0003952706
(式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表し、mは繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZの総数は1以上である)
で表される環状構造を有する高分子化合物を得る第3のステップと
を含むことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の成形体は、上記本発明の高分子化合物を含有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の成形体においては、分子量3000以下の機能性材料を更に含有することが好ましく、当該機能性材料は、電気伝導性又は波長選択吸収性を示すものであることがより好ましい。
【0012】
また、本発明の成形体の製造方法は、上記本発明の高分子化合物を含有する塗液を所定の基体に塗布し、乾燥する工程を含むことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の成形体の製造方法においては、前記塗液が、分子量3000以下の機能性材料を更に含有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1):
【化13】
Figure 0003952706
で表される環状構造を有するものであり、機械的強度に優れると共に、機能性材料を十分に均一に分散することが可能なものである。
【0016】
上記一般式(1)中、Xはアルキレン基(好ましくは炭素数1〜20のアルキレン基)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜14のアリーレン基)、アリールアルキレン基(好ましくは炭素数7〜20のアリールアルキレン基)、アルキルアリーレン基(好ましくは炭素数7〜20のアルキルアリーレン基)、ハロゲン化アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20のハロゲン化アルキレン基)及びハロゲン化アリーレン基(好ましくは炭素数6〜14のハロゲン化アリーレン基)からなる群より選ばれる1種を表す。Xで表される基の好ましい例を表1に示す。なお、一般式(1)中に含まれる複数のXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0017】
【表1】
Figure 0003952706
【0018】
また、上記一般式(1)中、Yはアルキレン基(好ましくは炭素数1〜20のアルキレン基)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜14のアリーレン基)、アリールアルキレン基(好ましくは炭素数7〜20のアリールアルキレン基)、アルキルアリーレン基(好ましくは炭素数7〜20のアルキルアリーレン基)、ハロゲン化アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20のハロゲン化アルキレン基)、及びハロゲン化アリーレン基(好ましくは炭素数6〜14のハロゲン化アリーレン基)からなる群より選ばれる1種を表す。Yで表される基の好ましい例を表2、3に示す。なお、表2、3中には、Zで表される基をZ1、Z2として併せて示した。一般式(1)中に含まれる複数のYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0019】
【表2】
Figure 0003952706
【0020】
【表3】
Figure 0003952706
【0021】
また、上記一般式(1)中、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。
【0022】
ここで、mは一般式(1)で表される環状構造を構成する繰り返し単位毎に独立である。すなわち、当該環状構造は、Yで表される基にZで表される結合が形成された繰り返し単位(以下、繰り返し単位1という)のみで構成されていてもよく、繰り返し単位1と、Yで表される基にZで表される結合が形成されていない繰り返し単位(以下、繰り返し単位2という)とで構成されていてもよい。但し、1つの環状構造が有するZの総数は1以上であることが必要である。また、当該環状構造が繰り返し単位1と繰り返し単位2とで構成される場合、それらの重合形態はブロック共重合、ランダム共重合のいずれであってもよい。
【0023】
また、環状構造が有する複数のXは繰り返し単位毎に同一でも異なっていてもよい。すなわち、当該環状構造は、Xが同一である繰り返し単位のみで構成されていてもよく、Xが異なる2種以上の繰り返し単位で構成されていてもよい。同様に、Y、Zも、繰り返し単位毎に同一でも異なっていてもよい。
【0024】
このような環状構造の中でも、下記一般式(2):
【化14】
Figure 0003952706
(式中、X及びAは同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、m’及びm”はそれぞれ0〜4の整数を表し、nは2以上の整数を表し、m’及びm”は繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZの総数は1以上である)
で表されるものは、機械的強度及び製造容易性の点で特に好ましい。
【0025】
本発明の高分子化合物の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは10000〜500000であり、より好ましくは50000〜300000である。重量平均分子量が前記下限値未満であると、機械的強度が不十分となる傾向にある。また、重量平均分子量が前記上限値を超えると、溶剤に対する溶解性、流動性が低下し、成形性が不十分となる傾向にある。
【0026】
上記の構成を有する本発明の高分子化合物においては、上記一般式(1)で表される環状構造がZで表される結合を介して相互に結合しているため、優れた機械的強度を有している。また、本発明の高分子化合物においては、分子の自由体積が大きく、また、線状高分子化合物とは違って分子鎖同士の絡み合いがないので、溶剤に対する非常に高い溶解性と、加熱時の低い溶融粘度とが得られる。このため、射出成形、押し出し成形などで良好な溶融成形性を達成することが可能となる。
【0027】
また、本発明の高分子化合物は、機能性材料を十分に均一に分散し得るものであり、従って、電磁波遮断材、近赤外線遮断材、導電性膜などの成形体における高分子材料として非常に有用である。
【0028】
なお、本発明の高分子化合物によって機能性材料の分散均一性が向上する理由は明らかではないが、機能性材料と本発明の高分子化合物とを混合したときに、上記一般式(1)で表される環状構造の空隙に機能性材料が安定的に保持されることに起因するものと、本発明者らは推察する。
【0029】
(高分子化合物の製造方法)
本発明の高分子化合物の製造方法においては、先ず、下記一般式(3):
【化15】
Figure 0003952706
で表される化合物と、下記一般式(4):
【化16】
Figure 0003952706
で表される化合物とを含む原料混合物を、エステル化又はエステル交換することにより、それらの複合体が得られる(第1のステップ)。
【0030】
上記一般式(3)、(4)中、X及びYはそれぞれ上記一般式(1)中のX及びYと同一の定義内容を表す。また、一般式(3)中のRは水素原子及び炭化水素基からなる群より選ばれる1種を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。
【0031】
また、上記一般式(4)中のZ’はアルケニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基からなる群より選ばれる1種を形成し得る反応性基を表し、kは1以上の整数を表す。すなわち、Z’で表される反応性基は、後述する環状オリゴマー同士を反応させる際の反応点となり得る基である。Z’で表される反応性基の好ましい例を表4に示す。なお、反応性基が1種のみで上記の結合を形成し得る場合には、一般式(4)中のZ’は1種単独であってもよいが、エステル結合のように2つの反応性基の反応により結合が形成される場合には、2種以上の反応性基の組み合わせが適用されることは言うまでもない。
【0032】
【表4】
Figure 0003952706
【0033】
上記の工程に用いられる原料混合物は、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とからなるものであってもよい。このとき、一般式(5)中の全てのYにZ’が結合した環状オリゴマーが得られる。また、当該原料混合物は、一般式(3)、(4)で表される化合物の他に、下記一般式(6):
HO−Y−OH (6)
(式中、Yは上記一般式(1)と同一の定義内容を表す)
で表される化合物を更に含むものであってもよい。
【0034】
一般式(3)で表される化合物と、一般式(4)で表される化合物との配合比は特に制限されないが、一般式(3)で表される化合物1molに対して一般式(4)で表される化合物1〜2.5molを配合すると、目的の高分子化合物の収率が向上する傾向にあるので好ましい。
【0035】
また、エステル化又はエステル交換を行う際には、触媒として、酸化亜鉛、三酸化アンチモンなどの金属酸化物、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛などの金属酢酸塩、テトラブトキシチタンなどを用いることが好ましい。触媒の使用量は、目的とする高分子化合物の構造により異なるが、例えば金属酸化物を用いる場合、その使用量はジカルボン酸又はエステル(一般式(3)で表される化合物を含む)1molに対して0.0005〜0.1mol、又はジオール(一般式(4)、(6)で表される化合物を含む)1molに対して0.0001〜0.1molであることが好ましい。また、金属酢酸塩を用いる場合、その使用量はジカルボン酸又はエステル(一般式(3)で表される化合物を含む)1molに対して0.001〜0.3mol、又はジオール(一般式(4)、(6)で表される化合物を含む)1molに対して0.0002〜0.3molであることが好ましい。触媒の使用量が前記下限値未満であると、エステル化又はエステル交換の段階で比較的高分子量の線状オリゴマーが生成しやすくなり、後述する工程における環状オリゴマーの収率が低下する傾向にある。
【0036】
また、エステル化又はエステル交換の際の反応温度は、150〜200℃であることが好ましい。反応温度が前記上限値を超えると、エステル化又はエステル交換の段階で比較的高分子量の線状オリゴマーが生成しやすくなり、後述する工程における環状オリゴマーの収率が低下する傾向にある。また、反応温度が前記下限値未満であると、反応効率が不十分となる傾向にある。反応の際には、原料混合物を撹拌しながら、温度が上記の範囲内となるまで徐々に加熱することが好ましい。
【0037】
なお、反応の進行に伴い、エステル化の場合は水、エステル交換の場合はアルコールが副生するが、これらの副生成物を系外に留出させ、その流出量に基づいて反応の終点を確認することができる。
【0038】
次に、減圧下、上記の工程で得られた複合体の縮重合反応を行い、下記一般式(5):
【化17】
Figure 0003952706
で表される環状オリゴマーが得られる(第2のステップ)。
【0039】
一般式(5)中のX、Y及びZ’はそれぞれ一般式(3)、(4)中のX、Y及びZ’と同一の定義内容を表し、nは2以上の整数を表す。
【0040】
また、上記一般式(5)中、mは0又は1以上の整数を表し、環状オリゴマーを構成する繰り返し単位毎に独立であり、一般式(5)中のZ’の総数は1以上である。例えば、原料混合物が一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とからなる場合、環状オリゴマーはmが1以上である繰り返し単位のみで構成される。また、原料化合物が一般式(6)で表される化合物を更に含有する場合には、環状オリゴマーは、mが0である繰り返し単位と、mが1以上である繰り返し単位とで構成される。なお、環状オリゴマーが構造の異なる2種以上の繰り返し単位で構成される場合、その重合形態はブロック共重合、ランダム共重合のいずれであってもよい。
【0041】
複合体の縮重合反応を行う際には、重合触媒として、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモンなどの金属酸化物、テトラブトキシチタンなどを用いることが好ましい。重合触媒の使用量は、環状オリゴマーの構造及び触媒の種類に応じて適宜選択されるものであるが、例えば金属酸化物を用いる場合、その使用量は複合体1molに対して0.001〜0.3molであることが好ましい。重合触媒の使用量が前記下限値未満であると、エステル化又はエステル交換の段階で比較的高分子量の線状オリゴマーが生成しやすくなり、後述する工程における環状オリゴマーの収率が低下する傾向にある。重合触媒の使用量が前記下限値未満であると、線状オリゴマーが生成しやすくなり、環状オリゴマーの収率が低下する傾向にある。他方、触媒の使用量が前記上限値を超えても、使用量に見合う収率の向上効果が得られない傾向にある。
【0042】
なお、重合触媒の使用量が上記の範囲内である場合に環状オリゴマーの収率が向上する理由は明らかでないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、第1のステップにおいてエステル化触媒又はエステル交換触媒、第2のステップにおいて重合触媒を用いる場合、第1のステップにおいて、ジカルボン酸とジオールとが1:1のモル比で結合し、更にエステル化触媒又はエステル交換触媒が配位した複合体が生成し、第2のステップにおいてこの複合体に重合触媒が作用して環状オリゴマーが生成するという反応機構が主要であると考えられる。従って、重合触媒の増加に伴い環状オリゴマーの収率が向上するものと考えられる。
【0043】
また、複合体の縮重合反応を行う際には、必要に応じて酸化防止剤を添加してもよい。かかる酸化防止剤としては、具体的には、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸などのリン化合物などが挙げられる。酸化防止剤の添加量は、環状オリゴマー1molに対して0.0001〜0.001molであることが好ましい。
【0044】
複合体の縮重合反応は減圧下で行われるが、そのときの圧力は1Torr以下であることが好ましい。また、複合体の縮重合反応における反応温度は、200〜240℃であることが好ましく、210〜230℃であることがより好ましい。反応温度が前記上限値を超えると、線状オリゴマーが生成しやすくなり、環状オリゴマーの収率が低下する傾向にある。また、反応温度が前記下限値未満であると、反応効率が不十分となる傾向にある。反応の際には、複合体を含む反応混合物を撹拌しながら、圧力及び温度が上記の範囲内となるように徐々に(好ましくは1〜2時間かけて)減圧及び加熱を行うことが好ましい。
【0045】
縮重合反応の終点については、撹拌のトルク値を指標とすることができる。また、反応終了後、内容物をテトラヒドロフラン(THF)などの溶剤に溶解し、液体クロマトグラフィーなどで分取することによって、目的の環状オリゴマーを単離することができる。
【0046】
更に、上記一般式(5)で表される環状オリゴマー同士を反応させて、上記一般式(1)で表される環状構造を有する本発明の高分子化合物が得られる(第3のステップ)。
【0047】
環状オリゴマー同士の反応は、所定の重合開始剤を用いて好適に行うことができる。重合開始剤の種類は、一般式(5)中のZ’で表される基の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、Z’がビニル基である場合には、2,2−ビスアゾイソブチロニトリルを用いてラジカル重合を行い、環状構造同士が炭素−炭素結合を介して結合した高分子化合物を得ることができる。また、Z’がハロホルミル基(クロロホルミル基など)と水酸基との組み合わせである場合には、トリエチルアミンを用いて界面縮重合を行い、環状構造同士がエステル結合を介して結合した高分子化合物を得ることができる。
【0048】
なお、本発明の製造方法では、前述のように第1及び第2のステップで縮重合反応(エステル化反応又はエステル交換反応)が行われるため、Z’がビニル基などのラジカル重合性の基であると、第1及び第2のステップにおける副反応を容易に且つ確実に抑制することができるので好ましい。
【0049】
また、Z’がエステル基のように縮重合性を示す場合には、上記一般式(4)で表される化合物について、予め、塩化物などを用いてZ’の保護基化を行っておくことが好ましい。すなわち、環状オリゴマーを生成する際には溶融縮重合を行い、環状オリゴマー同士を反応させる場合には界面縮重合を行うことによって、目的の高分子化合物を好適に得ることができる。
【0050】
(成形体及びその製造方法)
本発明の成形体は、上記本発明の高分子化合物を含有するものであり、機械的強度及び成形性に優れるものである。従って、本発明の成形体は、自動車部品、車両部品、航空機部品などの分野で非常に有用である。
【0051】
また、本発明の成形体においては、機能性材料を本発明の高分子化合物中に分散することによって、所定の特性を付与することができる。ここで、本発明の高分子化合物は分散均一性が十分に高いものであるから、機能性材料を十分に均一に分散することができ、また、機能性材料の添加量が従来の成形体に少量であっても、同等もしくはそれ以上の特性を発現させることができる。
【0052】
機能性材料としては、波長選択吸収性(電磁波吸収性、近赤外線吸収性など)、導電性などを示す化合物を用いることができる。波長選択吸収性を示す化合物としては、具体的には、ジインモニウム化合物、ナフタロシアニン化合物、アゾ化合物、フタロシアニン化合物などが挙げられる。また、導電性を示す化合物としては、金、銀などの金属粒子、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物、インジウム−スズ酸化物合金(ITO)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリアセンなどの導電性高分子、オクチルシアノビフェニルなどの液晶分子などが挙げられる。
【0053】
機能性材料の分子量は、3000以下であることが好ましく、50〜2000であることがより好ましい。機能性材料の分子量が前記の範囲内であると、より高い分散均一性が得られ、成形体の特性及び生産性が向上する傾向にあり、特に、波長選択吸収性や導電性を付与する際に非常に効果的である。すなわち、電磁波遮断材や近赤外線遮断材などでは、機能性材料の分散均一性が不十分であると、機能性材料の分布が疎である部分で光が透過してしまい、十分な特性が得られない場合があるが、分子量3000以下の機能性材料を用いると、機能性材料同士の距離が実質的に同等となるように分散されて、より高い波長選択吸収性が得られる傾向にある。また、導電性成形体の場合も、分子量3000以下の機能性材料を用いると、機能性材料同士の距離が実質的に同等となるように分散されて、より高い導電性が得られる傾向にある。
【0054】
このように、本発明の成形体が機能性材料を含む場合には、プラズマディスプレイのリモコン誤動作防止用近赤外線吸収パネル、建材、飛行機、列車、自動車などの熱線吸収カバー、各種センサー、家電製品や携帯電話などの電磁波遮蔽カバー、カラーフィルター、光散乱防止フィルム、反射防止フィルム、位相差フィルム、液晶配向フィルム、透明電極フィルム、光導波路、光ファイバーなどの多くの用途において非常に有用である。
【0055】
本発明の成形体は、射出成形、射出圧縮成形、押し出し成形、キャスト成形、コーティング成形、ディッピング成形などの成型方法で得ることが可能である。これらの中でも、キャスト成形、コーティング成形、ディッピング成形などのように、本発明の高分子化合物、並びに必要に応じて配合される機能性材料を所定の溶剤に分散又は溶解して得られる塗液を、所定の基体上に塗布し、乾燥する方法が好ましい。特に、機能性材料を用いる場合には、本発明の高分子化合物が有する溶剤への溶解性により、当該高分子化合物の環状構造内に機能性材料が均一に且つ安定的に保持される点で、上記の好ましい方法は効果的である。
【0056】
本発明において用いられる溶剤としては、本発明の高分子化合物を溶解し得るものであれば特に制限されないが、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類などが挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、シリコーンオイルなどのレベリング剤を塗液に微量添加すると、得られる成形体の表面の平滑性が向上するので好ましい。
【0057】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0058】
実施例1
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル1molと、下記式(7)で表されるジオール0.7molと、下記式(8)で表されるビニル置換ジオール0.07molと、エチレングリコール1.8molと、酢酸カルシウム0.001molとを1Lのオートクレーブに入れ、内温を130℃に昇温し、手動で攪拌可能なことを確認した後、150rpmで攪拌開始した。
【0059】
【化18】
Figure 0003952706
【0060】
【化19】
Figure 0003952706
【0061】
内温を30℃/hrで昇温したところ、150℃付近からメタノールの留出が始まった。240℃で理論量の98%に相当するメタノールが留出したことを確認し、エステル交換反応を終了した。
【0062】
次に、反応後の内容物に、酸化ゲルマニウム0.002mol及びトリメチルリン酸0.001molを加え、100rpmで攪拌しながら、200℃から15℃/hrで昇温し、2時間で240℃に到達させた。このとき、オートクレーブ内の圧力を2時間で0.4Torrまで減圧した。更に、270℃、0.4Torrで攪拌を1時間続け、反応を終了した。
【0063】
内容物を室温まで冷却し、これにテトラヒドロフラン1Lを加えて攪拌、溶解した後、メタノール中に滴下し、生じた固形分をろ別した。得られた粗生成物から、液体クロマトグラフ質量分析計(島津製作所社製、LCMS-prepSTAR)を用いて環状オリゴマーを分取した。収量は25gであった。
【0064】
得られた環状オリゴマーの全量を塩化メチレン200mlに溶解し、ビスイソブチルニトリル0.0001molを加え、窒素雰囲気下、20℃、200rpmで15時間攪拌した。その後、内容物を3Lのメタノール中に滴下し、生じた固形分をろ別した。得られた粗生成物を70℃で15時間真空乾燥し、目的の高分子化合物を得た。得られた高分子化合物のH1−NMRスペクトルを図1、IRスペクトルを図2にそれぞれ示す。
【0065】
また、得られた高分子化合物について、ゲルパーミッションクロマトグラフ(東ソー社製、HLC8020)を用いて分子量分布を測定した。得られたGPCスペクトルを図3、重量平均分子量及び分子量分布(重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで割ったもの)を表5にそれぞれ示す。
【0066】
(引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定)
溶融押し出し成形機(ICI社製、MINIMAX MOLUDER)を用いて、得られた高分子化合物(固形状)を溶融押し出し成形し、ダンベル、アイゾット試験片を得た。このダンベルを用いてJIS K−7133に従い引っ張り強度を測定し、また、アイゾット試験片を用いてJIS K−7110に従いアイゾット耐衝撃強度を測定した。得られた結果を表5に示す。
【0067】
(近赤外線吸収材の作製)
得られた高分子化合物10重量部と、近赤外線吸収物質であるジインモニウム化合物(日本化薬社製、IRG−002、分子量:1200)0.02重量部とをテトラヒドロフラン50重量部に加え、ペイントシェーカーで60分間分散して塗液を調製した。この塗液を用いて、キャスト成形により厚さ0.2mmのフィルムを成形した。
【0068】
得られたフィルムの任意の位置から5cm四方の試験片を切り出し、更にこの試験片を9等分した試験片のそれぞれについて、分光光度計(日立製作所社製、UV4000)を用いて分光透過率スペクトルの測定を行った。得られたスペクトルから波長1000nmにおける透過率の最大値と最小値との差(ΔT)を求め、分散均一性の目処とした。得られた結果を表6に示す。表6中、ΔTが小さいほど、フィルム中のジインモニウム化合物の分散均一性が高いことを意味している。
【0069】
また、このフィルムについて、分光光度計(日立製作所社製、UV4000)を用い、可視光線(波長:400〜700nm)及び近赤外線(波長:950〜1200nm)に対する透過率を測定した。そして、可視光線に対する平均の透過率T1と、近赤外線に対する平均の透過率T2との比T1/T2を求め、透明性近赤外線吸収フィルムとしての特性を評価した。得られた結果を表6に示す。表6中、T1/T2が大きいことは、可視領域での透明性が高く、近赤外線を選択的に吸収することを意味している。
【0070】
(導電性フィルムの作製)
得られた高分子化合物10重量部と、導電性物質である酸化亜鉛(東京化成社製、分子量:72)6重量部とをテトラヒドロフラン50重量部に加え、ペイントシェーカーで60分間分散して塗液を調製した。この塗液を、表面プライマー処理されたポリエステルフィルム(東洋紡社製、A1000)の表面にアプリケータによりコーティングし、コート膜厚0.5mmのフィルムを成形した。
【0071】
得られたフィルムの表面抵抗を4端子法により測定した。得られた結果を表6に示す。
【0072】
実施例2
式(7)で表されるジオールの代わりに下記式(9)で表されるジオール、式(8)で表されるビニル置換ジオールの代わりに下記式(10)で表されるビニル置換ジオールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、高分子化合物の合成を行った。得られた高分子化合物の重量平均分子量及びMw/Mnを表5に示す。
【0073】
【化20】
Figure 0003952706
【0074】
【化21】
Figure 0003952706
【0075】
また、得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0076】
更に、得られた高分子化合物を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0077】
実施例3
式(7)で表されるジオールの代わりに下記式(11)で表されるジオールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、高分子化合物の合成を行った。
【0078】
【化22】
Figure 0003952706
【0079】
また、得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0080】
更に、得られた高分子化合物を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0081】
実施例4
式(7)で表されるジオールの代わりに下記式(12)で表されるジオールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、高分子化合物の合成を行った。
【0082】
【化23】
Figure 0003952706
【0083】
また、得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0084】
更に、得られた高分子化合物を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0085】
実施例5
式(7)で表されるジオールの代わりに下記式(13)で表されるジオールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、高分子化合物の合成を行った。
【0086】
【化24】
Figure 0003952706
【0087】
また、得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0088】
更に、得られた高分子化合物を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0089】
実施例6
実施例1と同様にして環状オリゴマーの合成を行った後、液体クロマトグラフ質量分析計(島津製作所社製、LCMS-prepSTAR)を用いて、反応混合物から、環状オリゴマーと、副生した線状オリゴマーとを各々分取し、環状オリゴマーと線状オリゴマーとを5:95のモル比で混合した。
【0090】
その後、この混合物20gを100mlのオートクレーブに入れ、1時間かけて系内の温度を280℃に昇温し、0.4Torrに減圧した。反応終了後、内容物を1Lのテトラヒドロフランに溶解し、これを3Lのメタノール中に滴下し、固形分をろ別して、環状構造と線状構造とが混在する高分子化合物を得た。得られた高分子化合物の重量平均分子量及びMw/Mnを表5に示す。
【0091】
また、得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0092】
更に、得られた高分子化合物を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0093】
実施例7
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル1molと、上記式(6)で表されるジオール0.7molと、下記式(14)で表される酸クロリド置換ジオール0.03molと、下記式(15)で表される水酸基置換ジオール0,03molと、エチレングリコール1.8molと、酢酸カルシウム0.001molとを1Lのオートクレーブに入れ、手動で撹拌可能なことを確認した後、150rpmで撹拌を開始した。
【0094】
【化25】
Figure 0003952706
【0095】
【化26】
Figure 0003952706
【0096】
撹拌下、オートクレーブ内を30℃/hrで昇温したところ、150℃付近からメタノールの留出が始まった。190℃で理論量の96%に相当するメタノールが留出したことを確認し、エステル交換反応を終了した。
【0097】
次に、オートクレーブの内容物に酸化ゲルマニウム0.003molとトリメチルリン酸0.001molとを加え、100rpmで攪拌し、200℃から15℃/hrで昇温し、2時間で230℃に到達させた。このとき、2時間で0.2Torrまでオートクレーブ内を減圧した。更に、230℃、0.2Torrで撹拌を1時間続け、反応を終了した。
【0098】
内容物の温度を室温にまで低下させ、これにテトラヒドロフラン1Lを加えて攪拌、溶解した後、得られた溶液をメタノール中に滴下し、生じた固形分をろ別した。この生成物から、液体クロマトグラフ質量分析計(島津製作所社製、LCMS−prepSTAR)を用いて、環状オリゴマーを分取した。収量は20gであった。
【0099】
得られた環状オリゴマーを、5Lフラスコ中、水酸化ナトリウム1.5gを蒸留水500mlに溶解した溶液に加え、更に塩化メチレン500ml、トリメチルアミン0,01molを加えた。この混合液を、窒素雰囲気中、5℃の条件下、400rpmで60時間撹拌し、界面重合反応を行った。反応終了後、内容物を3Lのメタノールに滴下し、生じた固形分をろ別した。得られた粗生成物を70℃で15時間真空乾燥し、目的の高分子化合物を得た。得られた高分子化合物の重量平均分子量及びMw/Mnを表5に示す。
【0100】
また、得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0101】
更に、得られた高分子化合物を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0102】
比較例1
比較例1においては、市販の線状ポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロンRV200)を用いた。このポリエステル樹脂の重量平均分子量及びMw/Mnを表5に示す。
【0103】
このポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0104】
また、上記のポリエステル樹脂を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0105】
比較例2
比較例2においては、比較例1で用いたポリエステル樹脂を架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL、添加量:1重量%)で架橋して、架橋性高分子化合物を得た。
【0106】
得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を試みたが、溶融押し出し成型機による試験片の成形ができなかったため、測定を行うことができなかった。分子量について得られた結果を表5に示す。
【0107】
比較例3
架橋剤の添加量を5重量%としたこと以外は比較例2と同様にして、架橋性高分子化合物の合成を行った。
【0108】
得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を試みたが、溶融押し出し成型機による試験片の成形ができなかったため、測定を行うことができなかった。分子量について得られた結果を表5に示す。
【0109】
比較例4
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル1molと、上記式(6)で表されるジオール0.7molと、エチレングリコール1.8molと、酢酸カルシウム0.001molとを1Lのオートクレーブに入れ、内温を130℃に昇温し、手動で攪拌可能なことを確認した後、150rpmで攪拌を開始した。
内温を30℃/hrで昇温したところ、150℃付近からメタノールの留出が始まった。240℃で理論量の99%に相当するメタノールが留出したことを確認し、エステル交換反応を終了した。
【0110】
次に、オートクレーブの内容物に酸化ゲルマニウム0.002molとトリメチルリン酸0.001molとを加え、100rpmで攪拌しながら、240℃から15℃/hrで昇温し、2時間で270℃に到達させた。このとき、オートクレーブ内を2時間で0.4Torrまで減圧した。更に、270℃、0.4Torrで攪拌を1時間続け、反応を終了した。
内容物を室温まで冷却した後、テトラヒドロフラン1Lを加えて攪拌、溶解した。この混合液をメタノール中に滴下し、生じた固形分をろ別して高分子化合物を得た。得られた高分子化合物のIRスペクトルを図4、重量平均分子量及びMw/Mnを表5に示す。
【0111】
また、得られた高分子化合物を用い、実施例1と同様にして、引張強度及びアイゾット対衝撃強度の測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0112】
更に、得られた高分子化合物を用い、近赤外線吸収材の作製及び分光透過率スペクトルの測定、導電性フィルムの作製及び表面抵抗の測定を行った。得られた結果を表6に示す。
【0113】
【表5】
Figure 0003952706
【0114】
【表6】
Figure 0003952706
【0115】
表5に示したように、本発明にかかる実施例1〜7の高分子化合物は、十分に高い機械的強度を有していることが確認された。特に、実施例1〜5、7の高分子化合物は、比較例2、3より重量平均分子量が小さいにもかかわらず、引張り強度及びアイゾット耐衝撃強度の測定値が比較例2、3と同等もしくはそれ以上であった。
【0116】
また、表6に示したように、実施例1〜7の高分子化合物を用いて得られる成形体においては、機能性材料の分散均一性が十分に高く、近赤外線吸収性や可視領域での透明性、導電性などの特性を高水準で達成することができた。
【0117】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の高分子化合物は、機械的強度に優れると共に、機能性材料を十分に均一に分散することが可能なものである。また、本発明の高分子化合物の製造方法によれば、このように優れた特性を有する本発明の高分子化合物を容易に且つ確実に得ることができる。
【0118】
更に、本発明の高分子化合物を用いた本発明の成形体は、機械的強度及び成形性に優れるものである。また、本発明の成形体が機能性材料を含有する場合には、十分に高い分散均一性が達成されるので、所望の特性を容易に且つ高水準で得ることができる。また、本発明の成形体の製造方法によって、このように優れた特性を有する本発明の成形体を容易に且つ確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた高分子化合物の1H−NMRスペクトルを示すグラフである。
【図2】実施例1で得られた高分子化合物のIRスペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例1で得られた高分子化合物のGPCスペクトルを示すグラフである。
【図4】比較例2で得られた高分子化合物のIRスペクトルを示すグラフである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0003952706
    (式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表し、mは繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZの総数は1以上である)
    で表される環状構造を有することを特徴とする高分子化合物。
  2. 前記環状構造が、下記一般式(2):
    Figure 0003952706
    (式中、X及びAは同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、m’及びm”はそれぞれ0〜4の整数を表し、nは2以上の整数を表し、m’及びm”は繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZの総数は1以上である)
    で表されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 下記一般式(3):
    Figure 0003952706
    (式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Rは水素原子及び炭化水素基からなる群より選ばれる1種を表す)
    で表される化合物と、下記一般式(4):
    Figure 0003952706
    (式中、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Z’はアルケニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基からなる群より選ばれる1種を形成し得る反応性基を表し、kは1以上の整数を表す)
    で表される化合物とを含む原料混合物をエステル化又はエステル交換させて、それらの複合体を得る第1のステップと、
    減圧下、前記複合体の縮重合反応により、下記一般式(5):
    Figure 0003952706
    (式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Z’はアルケニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基からなる群より選ばれる1種を形成し得る反応性基を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表し、mは繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZ’の総数は1以上である)
    で表される環状オリゴマーを得る第2のステップと、
    前記環状オリゴマー同士を反応させて、下記一般式(1):
    Figure 0003952706
    (式中、Xはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Yはアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、ハロゲン化アルキレン基及びハロゲン化アリーレン基からなる群より選ばれる1種を表し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基、エステル基、ウレタン基、アミド基及びエーテル基から誘導される結合であって、他の環状構造に含まれるYと結合する結合を表し、mは0又は1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表し、mは繰り返し単位毎に独立であり、1つの環状構造が有するZの総数は1以上である)
    で表される環状構造を有する高分子化合物を得る第3のステップと
    を含むことを特徴とする高分子化合物の製造方法。
  4. 請求項1に記載の高分子化合物を含有することを特徴とする成形体。
  5. 分子量3000以下の機能性材料を更に含有することを特徴とする、請求項4に記載の成形体。
  6. 前記機能性材料が、電気伝導性又は波長選択吸収性を示すものであることを特徴とする、請求項5に記載の成形体。
  7. 請求項1に記載の高分子化合物を含有する塗液を所定の基体に塗布し、乾燥する工程を含むことを特徴とする成形体の製造方法。
  8. 前記塗液が、分子量3000以下の機能性材料を更に含有することを特徴とする、請求項7に記載の成形体の製造方法。
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