JP3951012B2 - 光ファイバーケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高ヤング率および高引掛強度の各特性を均衡に備えたポリエチレンナフタレートモノフィラメントをケーブル部材として使用した光ファイバーケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリエステル繊維はその優れた物理特性・化学特性から種々の産業資材として使用されているが、通信ケーブル部材や工業用織物などの分野においては、高強度、高ヤング率かつ高引掛強度の特性を同時に併せ持つポリエステル繊維に対する要望が、近年益々高くなっている。
【0003】
ポリエステル繊維の中でも代表的なポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの製造方法については、特開平6−220718号公報および特開平10−168661号公報などに記載されており、これらの従来技術においては、上述の高ヤング率化の要請に対し延伸倍率を上げることにより対処しているが、この場合には延伸切れなどの操業性の悪化が顕著に発現してしまうため、高ヤング率化には限界があった。
【0004】
また、ポリエステル繊維の高引掛強度の要請に対しては、延伸倍率を下げるか、使用する樹脂の粘度を下げることなどにより、引張伸度を上げるなどの手法がとられているが、この場合には高延伸倍率による高ヤング率化の効果がうち消されてしまい、高ヤング率を同時に維持することができなかった。
【0005】
つまり、ポリエステル繊維の高ヤング率化と高引掛強度とは二律背反の関係にあり、ポリエチレンテレフタレートモノフィラメントにおいて高ヤング率と高引掛強度を同時に満足するには限界があった。
【0006】
また、特許第2948006号公報および特開平11−279833号公報などには、ポリエチレンナフタレート繊維が提案されているが、これらはいずれもマルチフィラメントや線径の小さいモノフィラメントに関するものであり、汎用的な繊度や直径を有するモノフィラメントの分野には言及されていないばかりか、高ヤング率と高引掛強度を同時に満たすモノフィラメントについては何らの開示もするものではなかった。
【0007】
さらに、最近の光ファイバーケーブルのテンションメンバーには、繊維強化プラスチック(以下FRPという場合がある)などの高ヤング率の産業資材が使用されているが、FRP自体には、ささくれる、折れる、割れるなどの欠点があるため、これを用いてなる光ファイバーケーブルのテンションメンバーはこれを曲げることができないという問題があった。
【0008】
つまり、実質的にFRP自体は高ヤング率であるがゆえに引掛強度が低く、また光ファイバーケーブルを製作する場合や端末における光ファイバーケーブルを接続する場合などでの作業性が悪いこと、およびささくれたFRPの一部が指に刺さるといった点で安全性に劣ることなどの問題が発生していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。
【0010】
したがって、本発明の目的は、従来ポリエチレンテレフタレートでは到底発現し得なかった高ヤング率および高引掛強度の各特性を均衡に備えたポリエチレンナフタレートモノフィラメントをケーブル部材、特にテンションメンバーとして使用した光ファイバーケーブルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の光ファイバーケーブルは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を85モル%以上含有し、固有粘度が0.5以上、末端カルボキシル基濃度が40当量/t以下のポリエチレンナフタレートからなるモノフィラメントをケーブル部材として使用した光ファイバーケーブルであって、前記ケーブル部材のJIS L1013に準じて測定したヤング率が8000N/mm2 以上、JIS L1013に準じて測定した引掛強度が0.5cN/dtex以上であることを特徴とする。
【0012】
そして、本発明の光ファイバーケーブルにおいては、ケーブル部材の繊維直径が0.05〜4.00mmであること、およびケーブル部材のJIS L1013に準じて測定した引張強度が3.0cN/dtex以上、引張伸度が2%以上であることが、いずれも好ましい条件として挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明で使用するポリエチレンナフタレートポリマーは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を85モル%以上含有するポリマーであり、固有粘度が0.5以上、好ましくは0.6以上、末端カルボキシル基濃度が40当量/t以下、好ましくは30当量/t以下のポリマーである。
【0017】
なお、ポリエチレンナフタレートポリマーは、15モル%未満であれば、他のジカルボン酸成分およびジオール成分を含有することができ、他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびデカリンジカルボン酸などが、他のジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族グリコール、o−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ジフェニルスルホンなどの芳香族グリコール、およびヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジフェノール類などが挙げられ、これらは2種以上を組合わせて用いることができる。
【0018】
しかし、エチレン−2,6−ナフタレート単位の含有量が上記の範囲未満または固有粘度が上記の範囲未満のポリエチレンナフタレートの場合は、ポリエチレンナフタレートポリマー特有の高強度および高ヤング率が得られにくく、モノフィラメント自体の強度やタフネスが大幅に低下する傾向となる。
【0019】
また、末端カルボキシル基濃度が上記の範囲を越えるポリマーを用いると、ポリエステルの代表的な欠点である加水分解性が促進されて、実質的に固有粘度が低下し、延伸切れなどの操業性の悪化が顕著に発現するばかりか、得られるモノフィラメントの強度やタフネスが大幅に低下する傾向になる。
【0020】
つまり、上記のエチレン−2,6−ナフタレート単位、固有粘度および末端カルボキシル基濃度を満たすポリエチレンナフタレートポリマーを使用することにより、産業資材に要望される高ヤング率および高強度を満足したポリエステルモノフィラメントを得ることができる。
【0021】
すなわち、本発明の光ファイバーケーブルに使用されるポリエチレンナフタレートモノフィラメントからなるケーブル部材は、JIS L1013に準じて測定したヤング率が8000N/mm2 以上、好ましくは10000N/mm2 以上、さらに好ましくは15000N/mm2 以上であり、JIS L1013に準じて測定した引掛強度が0.5cN/dtex以上、好ましくは1.0cN/dtex以上という従来にない優れた特性を発現するものである。
【0022】
なお、ヤング率が上記の範囲未満では、従来のポリエチレンテレフタレートモノフィラメントが発現する最大のヤング率とほぼ同等のレベルであるため、ポリエチレンナフタレートモノフィラメントとしての利点が得られないばかりか、ケーブル部材用途に代表される高ヤング率の要望を満たすことができないため好ましくない。
【0023】
つまり、ヤング率が8000N/mm2 以上であれば、ポリエチレンテレフタレートモノフィラメントでは到底到達することができなかった近年の産業資材の要望に対し十分に対応することができ、各種の産業資材用途に容易に展開可能となるのである。
【0024】
また、引掛強度が上記の範囲未満の場合は、FRPに代表される剛直な繊維と同様な特性を示すことにより、モノフィラメント自体を曲げるとフィブリル、割れ、ささくれなどの問題が発生しやすくなり、モノフィラメント加工時においても剛直な繊維と同様に安全面や加工作業性の低下を生じてしまい、各種の産業資材への用途展開が難しい傾向となるため好ましくない。
【0025】
つまり、引掛強度が0.5cN/dtex以上であれば、モノフィラメントが柔軟に湾曲するので、フィブリルしたモノフィラメントが指に刺さるなどの安全性の問題がなくなり、加工時における安全が確保できるばかりか、加工作業性が向上し、高次加工の生産効率が極めて向上することになるのである。
【0026】
なお、本発明で使用するポリエチレンナフタレートポリマーには、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニア、フッ化リチウム、カオリン、タルク等の無機粒子、耐熱剤、耐候剤、耐光剤、耐加水分解剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、平滑剤、ワックス類、シリコーンオイル、界面活性剤、染料、顔料などの公知の添加剤成分を必要に応じて任意に添加することができる。
【0027】
さらに、ポリエチレンナフタレートポリマーには、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートまたはその2種類以上の共重合またはブレンドなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6・12、ナイロン12、ナイロン6・10、ナイロン10、またはその2種類以上の共重合またはブレンドなどのポリアミド、ポリプロピレン、低密度および高密度ポリエチレン、シンジオタクチックまたはアタクチックまたはイソタクチックポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイドなどのポリサルファイド、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレンブロックコポリマー、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレンブロックコポリマーなどのスチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン・プロピレン・ジエチレンコポリマーなどのオレフィン系ゴムとポリプロピレンまたはエチレンなどのポリオレフィンとのブレンドなどのポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエーテルエステル、ポリウレタン、ポリカボネート、ポリアリレート、エチレンテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライドなどのフッ素樹脂、およびシリコン樹脂などの他の熱可塑性樹脂を、必要に応じて15重量%以下ブレンドして使用することもできる。
【0028】
本発明の光ファイバーケーブルに使用されるポリエチレンナフタレートモノフィラメントからなるケーブル部材は、直径が0.05〜4.00mm、特に0.20〜2.00mm、引張強度が3.0cN/dtex以上、特に4.0cN/dtex以上、引張伸度が2%以上、特に5%以上であることがさらに好ましい。
【0029】
ここで、引張強度が3.0cN/dtex未満および引張伸度が2%未満の場合は、モノフィラメントの脆性破壊やタフネスが低いことにより、産業資材の必要最低限の強伸度が維持できないため、各種産業資材への用途展開が難しい傾向となる。
【0030】
つまり、引張強度が3.0cN/dtex以上、引張伸度が2%以上であるポリエチレンナフタレートモノフィラメントであれば、必要最低限の特性を満たすため、容易に産業資材へ展開することができる。
【0031】
そして、本発明の光ファイバーケーブルに使用されるポリエチレンナフタレートモノフィラメントからなるケーブル部材は、直径を上記の範囲とすることにより、光ファイバーケーブルのケーブル部材として好適な性能を発揮する。
【0032】
また、本発明の光ファイバーケーブルに使用されるポリエチレンナフタレートモノフィラメントからなるケーブル部材の断面形状については特に限定されるものではなく、例えば丸形、楕円形、三角・四角・六角などの多角形、星形・十・Y・H形・花びら形・帽子形などの異形断面、および中空形などを挙げることができ、これらの形状を一部変更したものや合成したものでもよい。また、産業資材への使用にあたっては、これらの各種の断面形状を組み合わせてもよい。
【0033】
本発明の光ファイバーケーブルのケーブル部材となるポリエチレンナフタレートモノフィラメントは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を85モル%以上含有し、固有粘度が0.5以上、末端カルボキシル基濃度が40当量/t以下のポリエチレンナフタレートを溶融紡糸機から溶融押出した未延伸糸を、(ポリマーのガラス転移点−30℃)〜(ポリマーのガラス転移点+30℃)の温度の冷却溶媒で冷却した後、全延伸倍率が6.5倍以上になるように延伸し、次いで0.7〜0.95倍の弛緩倍率下に熱処理する方法により製造することができる。
【0048】
かくして得られるポリエチレンナフタレートモノフィラメントは、容易に高次加工ができるため、光ファイバーケーブルのケーブル部材として用途展開することができる。
【0050】
光ファイバーケーブル内には光ファイバーおよび補強などを目的に使用される補強線またはテンションメンバー、さらには光ファイバーの隙間を埋める目的に使用される介在線およびケーブルの外層被覆を剥離するために用いられる引き裂き線などがあるが、上記ポリエチレンナフタレートモノフィラメントは、これらの補強線、介在線および引き裂き線などの用途に有効に展開することができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、上記および下記に記載の本発明の光ファイバーケーブルのケーブル部材となるポリエチレンナフタレートモノフィラメントの各種特性の測定方法は次の方法にしたがって行なった。
[固有粘度]
精秤したモノフィラメント試料またはチップ原料を、オルソクロロフェノール溶液に溶解し、25℃雰囲気中で測定した粘度測定値。
[末端カルボキシル基]
精秤したモノフィラメント試料またはチップ原料を、オルソクレゾール溶液に溶解し、溶液にジクロロメタンを適量添加した後、0.02規定の水酸化カリウムメタノール溶液にて適定した測定値。
[直径(mm)]
デジタルマイクロメーター(MITUTOYO製)を用いて、モノフィラメントの長さ方向に5回測定した平均値。
[引張強伸度(cN/dtex、%)]
JIS L1013 7.5.1項に準じて測定した。
[ヤング率 (N/mm2 )]
JIS L1013 7.10項に準じて測定した。
[引掛強度(cN/dtex)]
JIS L1013 7.7項に準じて測定した。
[紡糸性]
紡糸性を下記の2水準で判定した。
【0052】
○・・・・モノフィラメントの延伸が均一かつ延伸切れもなく生産が可能である。
【0053】
×・・・・モノフィラメントの延伸が不均一であり延伸切れなどの生産性が悪く生産できない。
【0054】
また、実施例および比較例に記載の使用原料は次のとおりである。
[原料A]
固有粘度0.83、末端カルボキシル基11当量/tのポリエチレンナフタレート樹脂(東洋紡績社製PN550、ガラス転移点:123℃、融点:270℃)。
[原料B]
固有粘度1.07、末端カルボキシル基14当量/tのポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ社製T750M、ガラス転移点:75℃、融点:255℃)。
[実施例1]
原料Aを通常のエクストルーダー型紡糸機で320℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径1.0mmφの口金から紡出し、冷却溶媒温度95℃のポリエチレングリコール冷却浴槽で冷却した。
【0055】
得られた未延伸糸を140℃で6.5倍に1段延伸した後、200℃で0.93倍に弛緩熱処理し、速度150m/分で巻取ることによりポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0056】
得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表1に示す。
[実施例2]
原料Aを通常のエクストルーダー型紡糸機で320℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径2.5mmφの口金から紡出し、冷却溶媒温度95℃のポリエチレングリコール冷却浴槽で冷却した。
【0057】
得られた未延伸糸を140℃で6.5倍に1段延伸した後、240℃で0.93倍に弛緩熱処理し、速度110m/分巻取ることによりポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0058】
得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表1に示す。
[実施例3]
原料Aを通常のエクストルーダー型紡糸機で320℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径3.0mmφの口金から紡出し、冷却溶媒温度95℃のポリエチレングリコール冷却浴槽で冷却した。
【0059】
得られた未延伸糸を140℃で6.5倍に1段延伸した後、240℃で0.93倍に弛緩熱処理し、速度70m/分で巻取ることによりポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0060】
得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表1に示す。
[実施例4]
原料Aを通常のエクストルーダー型紡糸機で320℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径4.0mmφの口金から紡出し、冷却溶媒温度95℃のポリエチレングリコール冷却浴槽で冷却した。
【0061】
得られた未延伸糸を160℃で6.5倍に1段延伸した後、240℃で0.93倍に弛緩熱処理し、速度60m/分で巻取ることによりポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0062】
得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表1に示す。
[実施例5]
原料Aを通常のエクストルーダー型紡糸機で320℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径12mmφの口金から紡出し、冷却溶媒温度95℃のポリエチレングリコール冷却浴槽で冷却した。
【0063】
得られた未延伸糸を140℃で6.5倍に1段延伸した後、200℃で0.95倍に弛緩熱処理し、速度30m/分で巻取ることによりポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0064】
得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表1に示す。
[実施例6]
得られた未延伸糸を140℃で6.0倍に延伸し、さらに180℃で1.20倍に延伸する2段延伸に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0065】
得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表1に示す。
[実施例7]
得られた未延伸糸を140℃で6.0倍に延伸し、さらに200℃で1.40倍に2段延伸した後、240℃で弛緩熱処理に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0066】
得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
[比較例1]
得られた未延伸糸を140℃で4.0倍に1段延伸した後、240℃で0.95倍に弛緩熱処理に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0068】
この場合には、延伸点が不安定のため均一なモノフィラメントが得られなかったが、少量得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表2に示す。
[比較例2]
得られた未延伸糸を200℃で0.65倍に弛緩熱処理することに変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0069】
しかし、この場合には延伸糸が弛緩熱処理工程内部に接触したため、サンプルを得ることができなかった。
[比較例3]
得られた未延伸糸を冷却溶媒温度60℃の水冷却浴槽で冷却することに変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0070】
しかし、この場合には未延伸糸が冷却浴内での蛇行がひどくなり、延伸切れが多発したためサンプルを得ることができなかった。
[比較例4]
得られた未延伸糸を冷却媒体温度155℃のポリエチレングリコール冷却浴槽で冷却することに変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0071】
しかし、この場合には冷却浴周辺に冷却溶媒の揮発成分が充満したため、サンプルを得ることができなかった。
[比較例5]
得られた未延伸糸を140℃で6.0倍に1段延伸し、さらに180℃で1.5倍に延伸する2段延伸に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンナフタレートモノフィラメントを製造した。
【0072】
この場合には、2段目延伸で延伸切れが多発したが、少量得られたポリエチレンナフタレートモノフィラメントの特性を評価した結果を表2に示す。
[比較例6]
原料Bを通常のエクストルーダー型紡糸機で280℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径0.7mmφの口金から紡出し、冷却溶媒温度70℃の水冷却浴槽で冷却した。
【0073】
得られた未延伸糸を93℃で3.0倍に1段延伸し、さらに200℃で1.93倍に2段延伸した後、250℃で0.75倍に弛緩熱処理し、速度150m/分で巻取ることによりポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを製造した。
【0074】
得られたポリエチレンテレフタレートモノフィラメントについて、特性を評価した結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバーケーブルのケーブル部材には、ポリエチレンテレフタレートでは到底発現し得ない高ヤング率かつ高引掛強度の特性を均衡に具備し、容易に高次加工することができるポリエチレンナフタレートモノフィラメントを使用しているため最良な効果を発揮する。またこのポリエチレンナフタレートモノフィラメントは、
その他の多くの産業資材、例えば抄紙、キャンバス、フェルト、フィルター、スクリーン紗などの工業用織物または編織物類、歯ブラシの毛先、工業用ブラシなどのブラシ類、テグス、延縄、漁網などの水産資材類、テニスやバトミントンなどのガット類、琴糸、ギター弦などの楽器弦類、張線、刈払いなどの農業用途類、捨線、撚線、リード線、コード、ロープへ展開が可能である。
Claims (4)
- エチレン−2,6−ナフタレート単位を85モル%以上含有し、固有粘度が0.5以上、末端カルボキシル基濃度が40当量/t以下のポリエチレンナフタレートモノフィラメントをケーブル部材として使用した光ファイバーケーブルであって、前記ケーブル部材のJIS L1013に準じて測定したヤング率が8000N/mm2 以上、JIS L1013に準じて測定した引掛強度が0.5cN/dtex以上であることを特徴とする光ファイバーケーブル。
- 前記ケーブル部材の繊維直径が0.05〜4.00mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーケーブル。
- 前記ケーブル部材のJIS L1013に準じて測定した引張強度が3.0cN/dtex以上、引張伸度が2%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバーケーブル。
- 前記ケーブル部材が光ファイバーケーブル内のテンションメンバーであることを特徴とする請求項1〜3に記載の光ファイバーケーブル。
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