JP3950757B2 - 合成床版およびその施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現場施工により製作された鋼製型枠にコンクリートを打設してなる橋梁用の合成床版およびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の現場施工の合成床版は、工場で底鋼板と呼ばれる鋼板に補鋼材を溶接して鋼製型枠を作製し、この鋼製型枠を現地に輸送して橋梁の主桁に掛け渡し、鉄筋を配置した後コンクリートを打設して形成するのが一般的である。底鋼板に補鋼材を溶接するのは、鋼製型枠の曲げ剛性を確保し、たわみの減少を図るためである。ところが、この鋼製型枠は溶接構造であることからその溶接止端から底鋼板に割れが発生したり、また、補鋼材の存在により鋼製型枠の構造が複雑となりコンクリートの充填性が損なわれてその充填欠陥によりコンクリートにひび割れが早期に発生することが指摘され、疲労耐久性に欠ける問題があった。さらに、工場での溶接作業は熟練を要するためその人件費が高く、鋼製型枠の製作コストが高いことが問題であった。
【0003】
また、特開平9−21114号には、溶接作業を不要とする合成床版として、底鋼板に所定間隔で高力ボルトを摩擦接合で取り付け、その後コンクリートを打設して形成されるプレキャスト床版が開示されている。このプレキャスト床版は、工場で型枠にコンクリートを打設してコンクリートと底鋼板とを一体化してほぼ完成品に近いものとした後、これを現場に輸送して最終的な敷設を行うものであり、コンクリートが固化した後に主桁上に掛け渡すため底鋼板のたわみの問題は生じないが、輸送コストが高くなる問題がある。
【0004】
また、特公平7−26450号には、工場でコンクリートを全厚さのうちの一部の厚さ分だけ打設して製作した床版(ハーフプレキャスト床版と呼ばれる)を現場で敷設し、この上に残りの厚さ分のコンクリートを打設して合成床版を構築する方法が開示されている。この方法によれば、ハーフプレキャスト床版を用いることにより既に曲げ剛性が確保されているため、現場でフレッシュコンクリートが打設された際にたわみの問題が生じることがないが、工場と現場の両方でコンクリート打設作業が必要となるため工期の延長やコスト上昇の問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、鋼製型枠に溶接構造を用いることなく、現場でフレッシュコンクリートが打設された際にたわみの問題が生じることがない、疲労耐久性に優れかつ低コストの現場施工の合成床版およびその施工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶接を一切使用せずにできるだけ汎用品を用いて構成した、曲げ剛性の高い鋼製型枠を用いることによりフレッシュコンクリート打設時のたわみを低減することを特徴とするものであり、その要旨は以下の通りである。
【0007】
請求項1に記載の発明は、主桁間に掛け渡された鋼製型枠と、該鋼製型枠に打設されたコンクリートとからなる現場施工で形成される合成床版であって、該鋼製型枠が、予め鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔が設けられた鋼板と、該ボルト取り付け孔に非ねじ部を上にしてナットで固定された、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトとからなり、該ボルトのねじ部の両先端を結ぶ直線と橋幅方向とのなす角度が45°以下であることを特徴とする合成床版である。
【0008】
請求項2の発明は、さらに、前記ボルトが、橋幅方向に平行で所定間隔の複数の直線上に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の合成床版である。
【0009】
請求項3の発明は、さらに、前記ボルトにせん断補強材が配置されてなることを特徴とする請求項2に記載の合成床版である。
【0010】
請求項4の発明は、前記せん断補強材がL字状形鋼であり、該L字状形鋼の水平部が前記鋼板と接して配置されてなることを特徴とする請求項3に記載の合成床版である。
【0012】
請求項の発明は、前記鋼板が、そのコンクリート打設面側に凹凸を設けたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の合成床版である。
【0013】
請求項の発明は、前記鋼板が縞鋼板であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の合成床版である。
【0014】
請求項の発明は、前記ボルトが、U字状ボルト、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトであり、該ボルトの非ねじ部に、前記ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の合成床版である。
【0016】
請求項の発明は、前記拡大部が、ねじ部側から非ねじ部側に向かって直径が拡大するテーパ状であることを特徴とする請求項に記載の合成床版である。
【0017】
請求項の発明は、鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、該ボルト取り付け孔にコの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトをその非ねじ部を上にして、かつ該ボルトのねじ部の両先端を結ぶ直線と橋幅方向とのなす角度が45°以下となるようにナットで固定して鋼製型枠を作製し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法である。
【0018】
請求項10の発明は、鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、該ボルト取り付け孔にコの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトをその非ねじ部を上にして、かつ該ボルトのねじ部の両先端を結ぶ直線と橋幅方向とのなす角度が45°以下となるようにナットで固定して鋼製型枠を作製し、該鋼製型枠に鉄筋を配置し、該鉄筋と前記ボルトとを結合し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法である。
【0019】
請求項11の発明は、さらに、前記ボルトを、橋幅方向に平行で所定間隔の複数の直線上に配置したことを特徴とする請求項又は10に記載の合成床版の施工方法である。
【0020】
請求項12の発明は、さらに、前記鋼製型枠を作製した後であって該鋼製型枠を主桁間に掛け渡す前に、前記ボルトにせん断補強材を取り付けることを特徴とする請求項11に記載の合成床版の施工方法である。
【0021】
請求項13の発明は、複数の、U字状ボルト、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトを予め鉄筋に所定のピッチで溶接により固定したものを、前記所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、前記複数のボルトの非ねじ部を上にしてナットで固定して鋼製型枠を作製し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法である。
【0022】
請求項14の発明は、複数の、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトを予めせん断補強材に所定のピッチで溶接により固定したものを、前記所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、前記複数のボルトの非ねじ部を上にしてナットで固定して鋼製型枠を作製し、該鋼製型枠に別の鉄筋を配置し、該別の鉄筋と前記ボルトとを結合し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法である。
【0023】
請求項15の発明は、鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、前記ボルト取り付け孔に合致するボルト挿通孔を有するL字状形鋼を互いの孔を合致させて上向きに配し、これらの孔にコの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトをその非ねじ部を上にして、ナットで固定して鋼製型枠を作製し、該鋼製型枠に鉄筋を配置し、該鉄筋と前記ボルトとを結合し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法である。
【0025】
請求項16の発明は、前記ボルトが、U字状ボルト、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトであり、該ボルトの非ねじ部に、前記ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設け、該ボルトを前記ボルト取付け孔に固定する際に、前記拡大部を前記ボルト取付け孔に押し付けつつ固定することを特徴とする請求項9〜12、14、15のいずれか1項に記載の合成床版の施工方法である
【0026】
請求項17の発明は、前記ボルトの非ねじ部に、前記ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設け、該ボルトを前記ボルト取付け孔に固定する際に、前記拡大部を前記ボルト取付け孔に押し付けつつ固定することを特徴とする請求項13に記載の合成床版の施工方法である。
請求項18の発明は、前記鋼板が、さらに少なくとも片面に凹凸を設けたものであり、かつ、この凹凸を設けた面を上向きとすることを特徴とする請求項9〜17のいずれか1項に記載の合成床版の施工方法である。

【0027】
請求項1、10の発明によれば、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトのねじ部の両先端を結ぶ直線と橋幅方向とのなす角度を45°以下として鋼板に取り付け、鉄筋と締結し、結合、固定したことにより、鋼板の橋幅方向断面の断面2次モーメントが増加して曲げ剛性が高まり、打設されたフレッシュコンクリートの重量によるたわみが小さくなる。また、上記ボルトを非ねじ部(R部)を上にして取り付けたことにより、該ボルトがジベルの役目を果たし鋼板とコンクリートとの一体化に寄与する。また、鋼板に上記ボルトをナットで固定するので溶接作業が一切不要となる。
【0028】
請求項2、11の発明によれば、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトを橋幅方向に平行な直線上に配置したことにより、主鉄筋を多数の該ボルトの非ねじ部(R部)と結合、固定することができ、これにより鋼板の曲げ剛性が高まり、フレッシュコンクリート重量によるたわみを小さくできる。
【0029】
請求項3、4、121415の発明によれば、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトにせん断補強材を配置したことにより、さらに鋼板の曲げ剛性が高まり、フレッシュコンクリート重量によるたわみを一層小さくできる。
【0031】
ここで、図8に示すように、鋼板4に設けられるボルト取付け孔41の穴径は通常、ボルト5の軸径よりも若干大きめに形成される。したがって、ボルト5とボルト取付け孔41との間には遊間と呼ばれる隙間11が存在する。このため、ボルト5を鋼板4にナット8で上下から締め付けて固定(摩擦接合)しているものの締め付け力が十分でないと、コンクリート7の固化後、コンクリート7に水平せん断力は加わるとコンクリート7を介してボルト5に水平荷重が伝わり、ボルト5が鋼板4に対して最大、遊間11の分だけ水平方向にずれてしまう場合がある。その結果、鋼板4とコンクリート7とがずれてしまう事態が生じる。
【0032】
一方、合成床版を設計する場合、鋼板とコンクリートと間にずれは生じないものとして設計され、変形や応力が算定される。したがって、上記のようなボルトのずれに起因して鋼板とコンクリートとの間にずれが発生すると、設計どおりの剛性などの機械的特性が得られないことになるばかりでなく、繰り返し作用する荷重により繰り返し変形を受けるため、コンクリート内部で疲労劣化が促進されるおそれもある。
【0033】
そこで、請求項18の発明によれば、鋼板のコンクリート打設面側に凹凸を設けたことにより、コンクリート固化後、鋼板とコンクリートとがこの凹凸を介して一体化されるため、合成床版に水平方向のせん断荷重が掛かっても、ボルトに伝わる荷重は小さく、ボルトの鋼板に対するずれが防止されることになる。その結果、より確実に鋼板とコンクリートとの一体化(合成)を図ることができ、所望の剛性などの機械的特性を確保することができる。
【0034】
また、請求項7、8、17の発明によれば、U字状ボルト(あるいはコの字状ボルトまたはV字状ボルト)の非ねじ部に、ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設けたことにより、この拡大部をボルト取付け孔に押し付けつつ固定することができるため、上記のU字状ボルト(あるいはコの字状ボルトまたはV字状ボルト)がボルト取付け孔に噛み込んだ状態で固定される。その結果、鋼板に対するボルトのずれがなくなるため、鋼板とコンクリートとの間のずれも防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施に係る合成床版を用いた橋梁の矢視図である。図2は、本発明の実施に係る合成床版の詳細を示す図であり、(a)は橋幅方向の断面図、(b)は橋軸方向の断面図である。
【0037】
図1に示すように、本発明の実施に係る合成床版を用いた橋梁は、現場にて鋼製型枠に配筋を施した状態(4,5,6,8を組立てた状態)にまで組み立て、これを一対の主桁1上に設置した後、コンクリート7を打設して合成床版2を形成することによって施工される。主桁1には通常、I断面のプレートガーダーや閉断面の箱桁、最近では開断面の箱桁が用いられる。合成床版2は、鋼板(底鋼板)4にU字状ボルト5を取り付けて鋼製型枠3とし、この鋼製型枠3上に鉄筋6(主鉄筋61、配力鉄筋62)を配置し、これを一対の主桁1上に掛け渡した後、コンクリート7を打設して形成される。
【0038】
鋼製型枠3の詳細は、図2(a)、(b)に示すように、鋼板4のボルト取り付け孔41にU字状ボルト5を非ねじ部(R部)51を上にしてナット8を締め込んで固定することによって形成される。底鋼板4には例えば市販の普通炭素鋼板を用い、これに事前に工場でドリルもしくはレーザー切断等により穴開け加工してボルト取り付け孔41を形成しておく。このボルト取り付け孔41は、使用するU字状ボルト5の両ねじ部52の間隔Pと等しい間隔で形成したものを一対とし、この一対の孔を底鋼板4全体に底鋼板4の縦横方向にそれぞれ所定のピッチで配置したものとする。また、底鋼板4へのU字状ボルト5の取り付け方向は、鋼製型枠2の曲げ剛性の上昇に一定の効果が奏されるようにU字状ボルト5の両ねじ部52の先端を結ぶ直線が橋幅方向と45°以下、より好ましくは30°以下、さらに好ましくは15°以下となるように前記一対の孔を配置するのがよく、概ね0°すなわち図1、2に示すように、U字状ボルト5の両ねじ部52の先端を結ぶ直線が橋幅方向と平行になるように取り付けるのが底鋼板3の曲げ剛性を最も効果的に高めることができ特に好ましい。このように、U字状ボルト5の両ねじ部52の先端を結ぶ直線が橋幅方向となす角度を小さくするほど好ましい理由は、以下の通りである。すなわち、U字状ボルト5の両ねじ部52の先端を結ぶ直線が橋幅方向となす角度を小さくするほど、その直線に沿って配される主鉄筋61を基準にとった支間距離が短くなり、鋼製型枠3全体のたわみを減少させるためである。
【0039】
底鋼板4にU字状ボルト5をナット8で固定した後、例えば図2(a)、(b)に示すように、底鋼板4上方に主鉄筋61および配力鉄筋62を配し、これらをU字状ボルト5の非ねじ部(R部)51と例えば番線9で結束(結合)して固定するとよい。通常、主鉄筋61は橋幅方向と平行に配置し、配力鉄筋62は橋軸方向と平行に配置する。これにより、主鉄筋61は橋幅方向に沿ってU字状ボルト5と番線9でピン結合に近い状態となるので、鋼製型枠3の曲げ剛性を高める効果がある。したがって、図1に示すように、U字状ボルト5を橋幅方向と平行で所定間隔の複数の直線上に配置すると、主鉄筋61とU字状ボルトとの結束点の数(ピン結合の数)を多くできるので鋼製型枠3の曲げ剛性を高くできる。
【0040】
U字状ボルト5としては、その形状・サイズは特に限定されないが、低コストで鋼製型枠3が形成できる、入手が容易で安価な市販のUボルトを用いることが好ましい。あるいはU字状ボルト5の代わりに、コの字状ボルトやV字状ボルトを用いても同様の効果が得られる。
【0041】
用いるU字状ボルト5(あるいはコの字状ボルトやV字状ボルト)のサイズや底鋼板4への取り付けピッチ・取り付け方向等は、例えば既存の有限要素法による数値解析などを用いて前記サイズ、ピッチ、取り付け方向等の変数を適宜変更してフレッシュコンクリート打設時の鋼製型枠3のたわみ量等を計算し、このたわみ量等が施工する合成床版2の要求精度を満足する前記変数の組み合わせの中から、U字状ボルト5を底鋼板4に取り付ける際の作業性等を考慮して好適な組み合わせのものを選定することにより決定できる。
【0042】
以上のようにして底鋼板4にU字状ボルト5を取り付けて形成した鋼製型枠3に鉄筋61、62を配した後、鋼製型枠3上にフレッシュコンクリート7を打設することにより、鋼製型枠3の曲げ剛性が高められているためフレッシュコンクリート7の重量による鋼製型枠3のたわみは小さく、高い施工精度で合成床版2が形成できる。
【0043】
なお、U字状ボルト5の取付けは工場で行うことも可能であるが、工場でボルト取り付け孔41のみ穴開け加工した鋼板4を、U字状ボルト5や鉄筋6と組み立てない状態のまま現場へ輸送し現場で組み立てる方が、輸送が簡便で現場での地組みも容易であるので、輸送コストを削減できる分さらに好ましい。また、地組みが容易であることから、製作コストも縮減できる。
【0044】
また、工場で、予め複数のU字状ボルト5を鉄筋6に、鋼板4のボルト取付け孔41に合致するピッチで溶接により固定したものを製作しておき、これを現場へ輸送し現場で鋼板4に取り付けることがさらに好ましい。これにより、現場での施工期間をさらに短縮でき、製作コストを一層縮減できる。
【0045】
上記において工場で複数のU字状ボルト5を鉄筋6に溶接により固定するに際し、U字状ボルト5の頂部のみで鉄筋6に溶接する方法では複数のU字状ボルト5の取り付け方向を一定に揃えることは難しく作業性が低下するおそれが高い。このため、U字状ボルト5の中段の両脚部ともに鉄筋(これを「組み立て鉄筋」という。)を点溶接する方法を採用するのが好ましい。そして、これを現地で鋼板4に取り付けたのち、U字状ボルト5の頂部に主鉄筋61および配力鉄筋62を溶接により固定すればよい。
【0046】
組み立て鉄筋に代えて、フラットバーやL字状形鋼(L形鋼)などのせん断補強材を用いてもよい。フラットバーを用いる場合には、U字状ボルト5の中段の両脚部にフラットバー12の板面を接触させて溶接すればよい(図10(a)参照)。これにより、組み立て鉄筋を用いる場合よりさらに容易かつ精度良くU字状ボルト5の取り付け方向を揃えることができ、作業性が一層改善される。また、フラットバー12をU字状ボルト5に溶接により固定するため鋼板4のせん断変形をさらに小さくすることができる効果も得られる。
【0047】
なお、せん断補強材は、U字状ボルトと鋼板とを一体化した後に取り付けてもよい。
【0048】
せん断補強材としてL字状形鋼を用いる場合には、L字状形鋼13の水平部に、鋼板4のボルト取り付け孔41に合致するボルト挿通孔を設けておき、鋼板4と互いの孔を合致させてU字状ボルト5のねじ部52を挿通し、ナットで一体に固定すればよい(図10(b)参照)。この方法によれば、取付けに溶接作業を不要としつつ、上記のフラットバーと同様の鋼板4のせん断変形を小さくする効果が得られる。
【0049】
〔実施形態2〕
底鋼板4としては、縞鋼板など、少なくともコンクリート打設面側に凹凸を設けたものを用いることが推奨される。図3は、底鋼板4に縞鋼板を用いた場合において、コンクリート固化後にコンクリートの部分に水平せん断荷重が掛かったときの荷重の伝達を説明するモデル図である。前述の図8と同様、U字状ボルト5が鋼板4にナット8で上下から締め付けられて固定されている(なお、図3は鋼板4近傍のみを示している)。そして鋼板4には縞状の突起42が複数設けられており、この鋼板4上に固化したコンクリート7が密着している。ここで、鋼板を固定してコンクリート7に水平方向の荷重を掛けると、コンクリート7には水平方向にずれようとする力(水平せん断力)と突起4を乗り越えようとする力(アップリフト)が生じる。水平せん断力は突起4の反力により支持される一方、アップリフトはU字状ボルト5のジベル作用による反力により支持されるため、コンクリート7は鋼板4からずれたり浮き上がったりすることがない。
【0050】
なお、水平方向のずれは突起4により支持されることから、ボルト7と鋼板とのずれを摩擦接合のみで支持する必要がなく、ナットによる締め付け力も小さくてよい。このため、U字状ボルト5には、特開平9−21114号の高力ボルトに用いられているような高価な材質のものを用いる必要がなく、安価な普通鋼のUボルトを用いることができる。
【0051】
ちなみに、図9に鋼板4として縞鋼板を用い、U字状ボルト5を用いない場合についてのコンクリート7のずれ挙動を説明するモデル図を示す。図9に示すように、コンクリート7の部分に水平荷重が掛かったとき、U字状ボルト5がないためアップリフトを支持することができず、コンクリート7は鋼板42から剥離して浮き上がってしまい、突起4を乗り越えて水平方向にずれてしまうことがある。
【0052】
したがって、U字状ボルト7と縞鋼板4の併用により初めて、フレッシュコンクリート打設時のたわみを減少させるとともに、固化後のコンクリートのずれを確実に防止することを可能とするものである。
【0053】
〔実施形態3〕
上記の縞鋼板を用いるかわりに、U字状ボルトの非ねじ部に、ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設けたものを用いることもできる。例えば、図6に示すように、U字状ボルト5に、そのねじ部51側から非ねじ部52側に向かって直径が拡大し、その最大直径がボルト取付け孔41の直径より大きくしたテーパ部53を設ける。このU字状ボルト5を鋼板4に設けられたボルト取付け孔41に嵌め、ナット8で締め込むことにより、テーパ部53がボルト取付け孔41の上端部に拘束され、テーパ部53が引張り応力を受けて弾性伸びを生じた状態で固定される。したがって、固化後のコンクリート7の部分が水平せん断力を受けても、U字状ボルト5が鋼板4からずれることがなく、かつ浮き上がることもない。
【0054】
なお、テーパ部53の形状は上記図6に限るものではなく、例えば、図7に示すように、テーパ部53の最大直径側をフランジ状としてもよい。
【0055】
【実施例】
〔実施例1〕
本発明の効果を確認するため、本発明に係る鋼製型枠(本発明例1および本発明例2)と、高力ボルトを用いた鋼製型枠(比較例)のそれぞれについて、有限要素法を用いた3次元解析により最大たわみ量を計算し、比較を行った。図5の(a)は本発明例1、(b)は本発明例2、(c)は比較例の構成をそれぞれ説明する矢視図である。
【0056】
図5(a)に示す本発明例1の鋼製型枠3は、厚さ6mmの底鋼板4を床版支間(主桁間隔)2.5mで2点支持した構造とし、この底鋼板4にU字状ボルト5である呼び150のUボルト(JIS F 3022)を、非ねじ部(R部)51を上にして、取り付けピッチが橋幅方向にUボルト5中心間隔で388mm、橋軸方向に250mmの配置で取り付けたものとした。また、Uボルト5の取り付け方向は、Uボルト5の両ねじ部52の先端を結ぶ直線が橋幅方向に一致するようにした。そして、19mm径の主鉄筋61、16mm径の配力鉄筋62が、Uボルト5の頂部付近で互いに直交するように底鋼板4の縦横方向に配置され、この直交部がUボルト5の頂部とピン結合されているものとした。
【0057】
図5(b)に示す本発明例2の鋼製型枠3は、本発明例1のUボルト5の配置を、橋軸方向に隣り合うUボルト5の橋幅方向の位置を半ピッチ分だけずらした千鳥配置に変更したものである。
【0058】
図5(c)に示す比較例の鋼製型枠3は、Uボルト5の代わりに高力ボルト10を用いたものである。本発明例1,2と同様の厚さ6mm、床版支間2.5mの底鋼板4にM24、基準寸法170mmの高力ボルト(JIS B 1186)10を、頭部101を上にして、取り付けピッチが橋幅方向、橋軸方向とも208mmの正方配置で取り付けたものとした。そして、19mm径の主鉄筋61、16mm径の配力鉄筋62が高力ボルト10の頭部101で互いに直交するように底鋼板4の縦横方向に配置され、この直交部が高力ボルト10の頭部101とピン結合されているものとした。
【0059】
なお、底鋼板4、Uボルト5、高力ボルト10および鉄筋6のヤング率はすべて206GPaとした。
【0060】
そして、上記それぞれの鋼製型枠3上に密度2350kg/m3のフレッシュコンクリートを200mm厚さに打設した状態における鋼製型枠3の最大たわみ量を計算した結果、本発明例1では7.9mm、本発明例2では7.2mm、比較例では32mmとなった。
【0061】
本発明例1,2では、底鋼板4とUボルト5と主鉄筋61との組み合せにより、フィーレンディール構造に近似した構造となるため、フレッシュコンクリート重量に対して、たわみを小さく抑えることができたものである。
【0062】
一方、比較例の底鋼板4と高力ボルト10と主鉄筋61とを組み合せた構造は、一見フィーレンディール構造のように見えるが、高力ボルト10と主鉄筋61との結合が回転の拘束がないピン結合であるため、フィーレンディール構造とは全く異なるものであり、たわみを小さく抑えることができなかったものである。
【0063】
ここに、フィーレンディール構造とは、上下2段の水平のはり部材を複数の鉛直部材によって剛結合した構造である。
【0064】
さらに、せん断補強材の効果を確認するため、上記本発明例1に対し、フラットバーを取り付けた場合(本発明例3)と、L形鋼を挿入した場合(本発明例4)のそれぞれについて、上記と同様、有限要素法を用いた3次元解析により最大たわみ量を計算した。図10の(a)は本発明例3、(b)は本発明例4の構成をそれぞれ説明する矢視図である。フラットバーはFB−70×6のものを用い、L形鋼はL−70×70×6のものを用いた。計算の結果、せん断補強材を使用しない本発明例1の場合のたわみ量が7.9mmであったのに対し、フラットバー、L形鋼のいずれを用いた場合でもたわみ量は3.0mmとなり、せん断変形防止効果が大きいことが確認された。
【0065】
〔実施例2〕
縞鋼板(長さ2800mm、幅2500mm、厚さ6mm)の長手方向に複数のボルト取付け孔(ピッチ250mm、穴径14.5mm)を形成し、このボルト取付け孔に市販のUボルト(テーパ部のないもの;JIS F 3022[呼び150])をナットで固定したのちコンクリート(厚さ200mm)を打設し固化させて合成床版の試験片を作製した。この試験片に対して繰り返し移動荷重による負荷試験(輪荷重走行試験)を行い、試験後に縞鋼板からコンクリートを取り外して、縞鋼板と接していた側のコンクリートの表面を目視観察した。その結果、コンクリートの表面には縞鋼板の突起痕が明瞭に残っており、図9に示すようなコンクリートが突起を乗り越えるような挙動がなかったものと判断される(コンクリートが繰り返し突起を乗り越えた場合、コンクリートの突起痕の角部が突起により磨耗ないし破壊されて突起痕は明瞭でなくなる)。
【0066】
〔実施例3〕
鋼板としては、縞鋼板でなく、突起のない普通の鋼板(サイズは上記実施例2の縞鋼板と同じ)を用い、U字状ボルト5としては、上記実施例2で用いた通常のUボルトと軸径以外は同じサイズであるが、ねじ部51の直上の非ねじ部51にテーパ部53(φ12mm/φ16mm、長さ6mm)を設けたものを用いた(図6参照)。また、ボルト取付け孔の穴径は上記実施例2と同じ14.5mmとした。このUボルト5をボルト取付け孔にナットで固定したのちコンクリート(厚さ200mm)を打設し固化させて合成床版の試験片を作製した。この試験片に対して繰り返し移動荷重による負荷試験(輪荷重走行試験)を行い、試験後に目視観察したところ、Uボルト5と鋼板との間のずれは認められず、またコンクリートは鋼板から剥離することなく、ずれも認められなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、熟練を要する溶接作業を単純な穴開け作業とU字状ボルト等の締結作業に置き換えることができるので、フレッシュコンクリート打設の際の鋼製型枠のたわみの少ない施工精度の高い合成床版を低コストでかつ、鋼製型枠に溶接構造を用いないので疲労耐久性に優れた合成床版とその施工方法が提供できる。
【0068】
また、せん断補強材を用いることにより、鋼製型枠のたわみをさらに小さくできる。
【0069】
さらに、縞鋼板やテーパ付きのU字状ボルトなどを用いることにより鋼板とコンクリートと間のずれを防止できるので、上記の効果に併せて、合成床版の剛性などの機械的特性をより確実に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に係る合成床版(実施形態1)の構成を説明する矢視図である。
【図2】本発明の実施に係る合成床版(実施形態1)の詳細を説明する図であり、(a)は橋幅方向の断面図、(b)は橋軸方向の断面図である。
【図3】本発明の実施に係る合成床版(実施形態2)における荷重の伝達を説明するモデル図であり、(a)は無荷重の場合、(b)は水平荷重を受けた場合である。
【図4】本発明の実施に係る合成床版(実施形態3)における荷重の伝達を説明するモデル図であり、(a)は無荷重の場合、(b)は水平荷重を受けた場合である。
【図5】実施例1の鋼製型枠の構成を説明する図であり、(a)は本発明例1、(b)は本発明例2、(c)は比較例の構成をそれぞれ説明する矢視図である。
【図6】実施例3の合成床版に用いる、テーパ部を有するU字状ボルトを示す図であり、(a)は正面図、(b)はテーパ部近傍Aの詳細を示す部分正面図である。
【図7】実施例3の合成床版に用いる、テーパ部を有するU字状ボルトの他の形態を示す、(a)は全体正面図、(b)はテーパ部近傍Bの詳細を示す部分正面図である。
【図8】ボルトによる摩擦接合を用いた合成床版における荷重の伝達を説明するモデル図であり、(a)は無荷重の場合、(b)は水平荷重を受けた場合である。
【図9】ボルトを用いずに縞鋼板のみを用いた合成床版におけるずれの挙動を説明するモデル図である。
【図10】実施例1の鋼製型枠の構成を説明する図であり、(a)は本発明例3、(b)は本発明例42の構成をそれぞれ説明する矢視図である。
【符号の説明】
1…主桁
2…合成床版
3…鋼製型枠
4…鋼板(底鋼板)
41…ボルト取り付け孔
42…突起
5…U字状ボルト(Uボルト)
51…非ねじ部(R部)
52…ねじ部
53…テーパ部
6…鉄筋
61…主鉄筋
62…配力鉄筋
7…コンクリート(フレッシュコンクリート)
8…ナット
9…番線
10…高力ボルト
101…頭部
11…遊間
12…フラットバー
13…L字状形鋼(L形鋼)

Claims (18)

  1. 主桁間に掛け渡された鋼製型枠と、該鋼製型枠に打設されたコンクリートとからなる現場施工で形成される合成床版であって、該鋼製型枠が、予め鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔が設けられた鋼板と、該ボルト取り付け孔に非ねじ部を上にしてナットで固定された、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトとからなり、該ボルトのねじ部の両先端を結ぶ直線と橋幅方向とのなす角度が45°以下であることを特徴とする合成床版。
  2. さらに、前記ボルトが、橋幅方向に平行で所定間隔の複数の直線上に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の合成床版。
  3. さらに、前記ボルトにせん断補強材が配置されてなることを特徴とする請求項2に記載の合成床版。
  4. 前記せん断補強材がL字状形鋼であり、該L字状形鋼の水平部が前記鋼板と接して配置されてなることを特徴とする請求項3に記載の合成床版。
  5. 前記鋼板が、そのコンクリート打設面側に凹凸を設けたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の合成床版。
  6. 前記鋼板が縞鋼板であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の合成床版。
  7. 前記ボルトが、U字状ボルト、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトであり、該ボルトの非ねじ部に、前記ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の合成床版。
  8. 前記拡大部が、ねじ部側から非ねじ部側に向かって直径が拡大するテーパ状であることを特徴とする請求項に記載の合成床版。
  9. 鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、該ボルト取り付け孔にコの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトをその非ねじ部を上にして、かつ該ボルトのねじ部の両先端を結ぶ直線と橋幅方向とのなす角度が45°以下となるようにナットで固定して鋼製型枠を作製し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法。
  10. 鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、該ボルト取り付け孔にコの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトをその非ねじ部を上にして、かつ該ボルトのねじ部の両先端を結ぶ直線と橋幅方向とのなす角度が45°以下となるようにナットで固定して鋼製型枠を作製し、該鋼製型枠に鉄筋を配置し、該鉄筋と前記ボルトとを結合し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法。
  11. さらに、前記ボルトを、橋幅方向に平行で所定間隔の複数の直線上に配置したことを特徴とする請求項又は10に記載の合成床版の施工方法。
  12. さらに、前記鋼製型枠を作製した後であって該鋼製型枠を主桁間に掛け渡す前に、前記ボルトにせん断補強材を取り付けることを特徴とする請求項11に記載の合成床版の施工方法。
  13. 複数の、U字状ボルト、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトを予め鉄筋に所定のピッチで溶接により固定したものを、前記所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、前記複数のボルトの非ねじ部を上にしてナットで固定して鋼製型枠を作製し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法。
  14. 複数の、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトを予めせん断補強材に所定のピッチで溶接により固定したものを、前記所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、前記複数のボルトの非ねじ部を上にしてナットで固定して鋼製型枠を作製し、該鋼製型枠に別の鉄筋を配置し、該別の鉄筋と前記ボルトとを結合し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法。
  15. 鋼板の縦横方向にそれぞれ所定のピッチでボルト取り付け孔を予め設けた鋼板に対し、前記ボルト取り付け孔に合致するボルト挿通孔を有するL字状形鋼を互いの孔を合致させて上向きに配し、これらの孔にコの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトをその非ねじ部を上にして、ナットで固定して鋼製型枠を作製し、該鋼製型枠に鉄筋を配置し、該鉄筋と前記ボルトとを結合し、その後、主桁間に掛け渡し、該鋼製型枠にコンクリートを打設することを特徴とする合成床版の施工方法。
  16. 前記ボルトが、U字状ボルト、コの字状ボルト及びV字状ボルトの内いずれかのボルトであり、該ボルトの非ねじ部に、前記ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設け、該ボルトを前記ボルト取付け孔に固定する際に、前記拡大部を前記ボルト取付け孔に押し付けつつ固定することを特徴とする請求項9〜12、14、15のいずれか1項に記載の合成床版の施工方法。
  17. 前記ボルトの非ねじ部に、前記ボルト取付け孔の直径より大きな直径を有する拡大部を設け、該ボルトを前記ボルト取付け孔に固定する際に、前記拡大部を前記ボルト取付け孔に押し付けつつ固定することを特徴とする請求項13に記載の合成床版の施工方法。
  18. 前記鋼板が、さらに少なくとも片面に凹凸を設けたものであり、かつ、この凹凸を設けた面を上向きとすることを特徴とする請求項17のいずれか1項に記載の合成床版の施工方法。
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