JP3949766B2 - ラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ラフィングジブをブーム先端部に対していわゆる立組によって組付け得るようにしたラフィングジブ付きブームクレーンに関し、さらに詳しくはそのようなラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のラフィングジブ付きブームクレーンにおいて、ラフィングジブは、作業条件に応じて複数の分割ジブを順次継ぎ足して構成される。又、ラフィングジブの基端分割ジブの基端部には、予めジブサポートが連結されており、ラフィングジブは、該ジブサポートを介してブーム先端部に組付けられる。そして、ラフィングジブをブーム先端部に組付ける際に、従来では、基端分割ジブ以外の分割ジブを平地上で順次連結する場合(平組方式と称する)と、伸縮ブームを起仰及び伸長させながら各分割ジブを順次ブーム先端部から吊下げた状態で連結する場合(立組方式と称する)とがある。
【0003】
ところで、平組方式によるラフィングジブの組付け方法では、基端分割ジブを除く各分割ジブを平地上で順次直線状に連結する必要があることから、ラフィングジブ組付けのために地上に広い(長い)余剰スペースが必要となる。従って、作業現場にラフィングジブを平組するための広い余剰スペースがない場合には、該ラフィングジブを立組方式によって組付ける必要がある。
【0004】
図15〜図16には、立組方式でラフィングジブを組付け得るようにした従来のラフィングジブ付きブームクレーンが示されている。ラフィングジブ4は、各分割ジブ41〜43をそれぞれ分離した状態で作業現場に搬送される。尚、ラフィングジブ4の基端分割ジブ41とジブサポート3とは、予め軸31で連結した状態で搬送される。
【0005】
又、この種のラフィングジブ付きブームクレーンでは、ラフィングジブ4の使用時に該ラフィングジブ4を支持するための第1マスト51及び第2マスト52と、ラフィングジブ立組時に使用される第3マスト6とが設けられている。そして、この従来のラフィングジブ付きブームクレーンでは、第1マスト51の基端部を基端分割ジブ41の基端上に枢着し、第2マスト52の基端部をジブサポート3の先端上部に枢着し、第3マスト6をジブサポート3の先端寄り上部に立設・固定している。又、第3マスト6の先端部(上端部)には、ラフィングジブ立組時においてテンションロープ59とサブロープ16を支持するためのローラ63が取付けられている。
【0006】
そして、この従来例のラフィングジブ付きブームクレーンでは、ラフィングジブ4を次のようにして組付けている。
【0007】
▲1▼ まず、図15に示すように、ブーム縮小状態でほぼ水平姿勢まで倒伏させた伸縮ブーム2の先端部21に、基端分割ジブ41を連結しているジブサポート3の基端部をピン結合(上下・左右の4箇所)する。尚、このとき、第1マスト51の先端部と第2マスト52の先端部とは、屈曲可能なテンションロッド53で連結しておき、さらに第1マスト51先端部と基端分割ジブ41先端部とを控えロープ54で連繋し、先端を第2マスト52先端部に連結したテンションロープ59を第3マスト6のローラ63上を迂回させた状態で該テンションロープ59の基端とメインウインチ13(図16参照)から繰出されたメインロープ15が掛け回された空中シーブとを連結しておく。
【0008】
▲2▼ 次に、旋回台11上のサブウインチ14(図16参照)から繰出したサブロープ16を、伸縮ブーム2の上面に沿わせて第3マスト6のローラ63上に載せ掛けし、第2マスト52先端部のシーブ57と第1マスト51先端部のシーブ56に巻掛けした後、該サブロープ16の先端16aを下方に垂らせておく。
【0009】
▲3▼ 次に、メインウインチ13を巻上げ操作し、メインロープ15が引っ張られると、まず第2マスト52が引き起こされ、続いてテンションロッド53が緊張した時点で第1マスト51が引き起こされる。尚、メインウインチ13の巻き上げ操作は、控えロープ54が緊張した時点で停止させる。このとき、第1マスト51及び第2マスト52は、図15においてそれぞれ符号51′,52′の姿勢となり、又、基端分割ジブ41の前面下端部は地面に接地している。
【0010】
▲4▼ 次に、基端分割ジブ41の先端部に次順の中間分割ジブ42(図16)の基端部(上側左右2箇所)をピン結合し→伸縮ブーム2を所定量だけ起仰・伸長させて基端分割ジブ41と第1中間分割ジブ42とを直線状に連続させた状態で両分割ジブ41,42の下側左右2箇所をピン結合し→順次同様に伸縮ブーム2の起仰・伸長操作を行いながら図16に示すように必要個数の中間分割ジブ42と先端分割ジブ43とを継ぎ足せば、一連のラフィングジブ4を立組することができる。尚、第1マスト51の先端部とラフィングジブ4(先端分割ジブ43)の先端部とは、ワイヤーロープやロッド等のテンション部材55で連繋される。又、サブロープ16の先端側は、ラフィングジブ4先端部のシーブに巻掛けし、そのロープ先端には吊りフックが取付けられる。
【0011】
図16に示すラフィングジブ4の立組状態では、メインロープ15に連結したテンションロープ59が第3マスト6先端部のローラ63上に載っており、メインウインチ13を巻上げ操作することによって、第2マスト52、テンションロッド53、第1マスト51及びテンション部材55を介してラフィングジブ4を立ち起こすことができるようになっている。尚、この従来例のラフィングジブ付きブームクレーンでは、図16に示すようにラフィングジブ4の立組完了状態においてラフィングジブ4の基端部がブーム先端部21の下端部21aに干渉するのを防止するために、ジブサポート3としてかなり長さ(例えば4〜5m程度)のものを使用している。
【0012】
ところで、ラフィングジブ4を使用したクレーン作業時において、ラフィングジブ4を支持するテンション部材55(第1マスト51の先端部とラフィングジブ4の先端部間に設置)として、従来ではワイヤーロープ(テンションロープ)を使用している場合が多い。又、従来から、上記テンション部材55として、ロッドタイプのものを使用したものもあるが、この場合のテンションロッドは、各分割ジブ41〜43に対応した複数の分割リンクで構成される。そして、これらの分割リンクは、ラフィングジブ4の立組作業時において、各分割リンクの端部同士を順次ピン結合させて一連のテンションロッドを構成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のように、テンション部材55としてワイヤーロープを使用する場合、ラフィングジブ4に大きな荷重が加わるクレーン作業には該テンションロープ55の本数を増やす必要がある。このように、テンションロープ55の本数が多くなると、ラフィングジブ4の立組作業時にテンション用のワイヤーロープの連結作業が繁雑となり、ラフィングジブの組立作業性が悪くなる。又、この種のテンションロープ55では、分割ジブ41〜43の搬送時に該テンションロープを別送したり、あるいは該テンションロープを分割ジブに縛り付けたりしているが、取り扱いが面倒であった。
【0014】
又、従来のロッドタイプのテンション部材は、各分割リンクが対応する分割ジブ41〜43にそれぞれ仮止めして搬送されるので、その取り扱いがテンションロープの場合より簡便であるが、該分割リンクは、分割ジブに対して仮止めを解除すると、該分割ジブから完全にフリー状態となる。このように、連結しようとしている分割リンクが完全にフリー状態となっていると、分割リンクの連結作業時において、該分割リンクがかなりの重量を有していることと相俟って、マスト51から吊下げられている分割リンクの端部穴と次の分割リンクの端部穴とを重合させる際の作業がしにくいという問題があった。即ち、分割リンクが完全にフリー状態になると、分割リンクを傾斜させたときに、例えば該分割リンクの先端側(下端側)がジブのラチス内に侵入したり該分割ジブ上から脱落したりすることがあり、分割リンクの連結作業がしにくくなる。
【0015】
本願発明は、上記した従来の問題点に鑑み、ラフィングジブを支持するテンション部材の組立てを簡単に行えるようにしたラフィングジブ支持装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
【0017】
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明で適用されるラフィングジブ付きブームクレーンは、伸縮ブームの先端部に、複数の分割ジブを連結してなるラフィングジブを立組方式によって取付け得るようにし、さらにラフィングジブをブーム先端部に取付けた状態で該ラフィングジブの基端側付近に立設させたマストとラフィングジブ先端部付近とをロッドタイプのテンション部材で連結してラフィングジブを支持するように構成されている。
【0018】
そして、本願請求項1の発明のラフィングジブ支持装置は、次の各構成を有している。
【0019】
まず、テンション部材は、各分割ジブとそれぞれほぼ同長さを有する複数の分割リンクを順次ピンで連結して構成される。
【0020】
又、各分割ジブにおける中間部に位置する中間分割ジブの先端側上部には、短小リンクを該中間分割ジブに対してその長さ方向及び上下方向に所定範囲内で移動自在なる状態で連結している。この短小リンクの連結構造としては、該短小リンクに縦向きの長穴を形成しておき、該長穴内にピンを通して短小リンクを中間分割ジブに連結するようにすることができる。
【0021】
そして、中間分割ジブの組立前においては、該中間分割ジブに対応する中間分割リンクの先端部を中間分割ジブの先端側上部に設けている短小リンクに対してピンで着脱自在に連結している。
【0022】
この請求項1のラフィングジブ支持装置では、中間分割ジブの組立前は、中間分割リンクの先端部が短小リンクにピン結合されていて、中間分割リンクが中間分割ジブ上に横倒し状態で保管される。又、中間分割リンクの横倒し状態では、該中間分割リンクの先端部が短小リンクに連結されているものの、該短小リンクが中間分割ジブに対して移動できる範囲内で中間分割リンクが中間分割ジブ上をその長さ方向にスライド可能となっている。尚、中間分割リンクの横倒し状態では、中間分割リンクの基端側を中間分割ジブ上に適宜の仮止め部材で保持するようにするとよい。その場合も、中間分割リンクが中間分割ジブ上でスライド可能となるようにするとよい。
【0023】
そして、ラフィングジブを立組方式によって組立てるには、まず、ブーム先端部にジブサポートを介して基端分割ジブを連結する。その際、マスト先端部から基端分割リンクを吊下げておく。次に、基端分割ジブの先端部近傍に次順の中間分割ジブを運び→基端分割ジブの先端部と中間分割ジブの基端部(上側左右2箇所)をピン結合し→マストの傾斜角度を調整して基端分割リンクの先端部を中間分割ジブ側の中間分割リンクの基端部に近づけ→該基端分割リンクの先端穴と中間分割リンクの基端穴とを重合させて両穴をピン結合する。このとき、中間分割リンクの先端部は短小リンクに連結されているので、上記両穴を重合させる際に、中間分割リンクの無駄な動き(例えば中間分割リンクの先端側が中間分割ジブ内に侵入したり該中間分割ジブ上から脱落したりすること)がなくなる。又、中間分割リンクは、その先端部が短小リンクに連結されているものの、中間分割リンクは短小リンクの移動可能範囲内で移動できるようになっているので、上記両穴を重合させる際の調整移動が可能となる。そして、基端分割リンクの先端部と中間分割リンクの基端部とをピン結合した後、該中間分割リンクの先端部と短小リンクとを連結しているピンを抜外し→伸縮ブーム2を所定量だけ起仰・伸長させて基端分割ジブと中間分割ジブとを直線状に連続させた状態で両分割ジブの下側左右2箇所をピン結合する。以下、順次同様に、伸縮ブーム2の起仰・伸長操作を行いながら必要個数の中間分割ジブと先端分割ジブとを継ぎ足し、且つ各分割リンク(中間分割リンク及び先端分割リンク)を連結して一連のテンション部材をマスト上端部とラフィングジブ先端部間に介設すれば、ラフィングジブの立組が完了する。
【0024】
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明のラフィングジブ支持装置は、請求項1のラフィングジブ付きブームクレーンにおいて、各分割ジブにおける中間部に位置する中間分割ジブの先端側上部に、上部側に縦長の長穴を形成した短小リンクの下端部をピンで枢着して、該短小リンクの上部側が中間分割ジブに対してその長さ方向に所定範囲内で揺動し得るように設置している。
【0025】
又、中間分割ジブの組立前においては、中間分割ジブに対応する中間分割リンクの先端部を短小リンクの長穴に対して該長穴内でスライドし得るピンで着脱自在に連結している。
【0026】
上記請求項1では、短小リンクが中間分割ジブに対してその長さ方向及び上下方向に移動可能になっているのに対して、この請求項2のラフィングジブ支持装置では、短小リンクを中間分割ジブに対してその長さ方向にのみ揺動可能とする一方、中間分割ジブの組立前において中間分割リンクの先端部を短小リンクに対して上下動可能に連結している。尚、この請求項2のラフィングジブ支持装置も、上記請求項1の場合と同様の機能を有する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図14を参照して本願実施形態のラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ支持装置を説明すると、この実施形態では、ブームクレーンとして伸縮ブーム2を車両1上に搭載した移動式ブームクレーンが採用されている。又、このラフィングジブ付きブームクレーンは、ラフィングジブ4を立組方式で組付け得るようにしたものである。尚、この種のラフィングジブ4は、大型のブームクレーンに採用されるものであり、図1に示すように伸縮ブーム2の最伸長状態では、該伸縮ブーム2の長さが例えば40m程度になるものもある。
【0028】
この実施形態のラフィングジブ付きブームクレーンは、図1に示すように、車両1の旋回台11上に起伏シリンダ12によって起伏せしめられる伸縮ブーム2を取付け、該伸縮ブーム2の先端部21にジブサポート3を介してラフィングジブ4を立組方式によって取付け得るように構成されている。尚、伸縮ブーム2の先端部21は、先端ブーム20の先端部であって、以下の説明では、この先端部21をブーム先端部ということもある。
【0029】
車両1の旋回台11には、メインウインチ13とサブウインチ14とが搭載されている。メインウインチ13からはメインロープ15が繰出されるとともに、サブウインチ14からはサブロープ16が繰出される。
【0030】
ラフィングジブ4は、この実施形態では、基端分割ジブ41と4本の中間分割ジブ42,42・・と先端分割ジブ43との合計6本の分割ジブを連結して構成される。これらの分割ジブ41,42,43は、それぞれ分離された状態で作業現場に搬送される。尚、中間分割ジブ42の使用本数は、作業に応じて適宜に設定できる。
【0031】
基端分割ジブ41の基端部は、図3に示すように予めジブサポート3の先端下端部に軸31で枢着されていて、基端分割ジブ41とジブサポート3とが一体化された状態で取り扱われる。尚、基端分割ジブ41は、ジブサポート3に対して上記枢着軸31を中心にして上下に回動し得るようになっている。
【0032】
ジブサポート3は、ブーム先端部21の前面部に上下・左右の4箇所でそれぞれピン結合される。そして、ジブサポート3をブーム先端部21に連結した状態では、基端分割ジブ41とジブサポート3との枢着部(枢着軸31部分)が、ブーム水平姿勢において先端ブーム20の下面20aより該下面垂直方向にかなりの高さT(図1又は図2)だけ下方に位置するようにしている。尚、この実施形態における上記高さTは、200mm程度に設定している。
【0033】
ラフィングジブ4は、後述するように各分割ジブ41,42,43を図13及び図14の状態を経て順次連結して、図1に示すように最終立組姿勢の状態に組付けられる。この図1に示すラフィングジブ最終立組姿勢では、通常、伸縮ブーム2が角度60〜65°程度まで起仰され、且つラフィングジブ4が鉛直線に対して角度5〜10°程度だけ前方に下降傾斜された姿勢となる。従って、ラフィングジブ4の最終立組状態では、伸縮ブーム2の軸線とラフィングジブ4の軸線とのなす角度が40〜30°程度となり、基端分割ジブ41とブーム先端部21の前面下端部21a(ブーム水平姿勢において先端ブーム20下面よりやや下方まで突出している)との間にかなりの余裕空間がある。他方、ラフィングジブの立組作業時において、誤って伸縮ブーム2を例えば角度75〜80°程度まで立ち起こしたり、あるいはラフィングジブ4を鉛直姿勢に吊り下げるという操作を行うおそれがあるが、その場合でも、ラフィングジブ4の最終立組状態において、基端分割ジブ41がブーム先端部21の前面下端部21aに干渉しないようにする必要がある。
【0034】
ところで、この実施形態では、基端分割ジブ41とジブサポート3との枢着部(枢着軸31部分)を、ブーム水平姿勢において先端ブーム20の下面20aより高さT(T=200mm)だけ下方に位置するようにしているので、図1に示すようにラフィングジブ4の最終立組状態において基端分割ジブ41とブーム先端部21の前面下端部21aとの間になかり大きな余裕空間ができ、その分、ジブサポート3の長さを図15〜図16に示す従来例のジブサポート長さ(4〜5m程度)に比して大幅に短くできる。尚、この実施形態では、ジブサポート3の長さを1.4m程度に設定している。このように、上記枢着部31をブーム水平姿勢における先端ブーム下面20aより下方に位置させると、ジブサポート3の長さを例えば1.4m程度まで短くしたものであっても、誤って伸縮ブーム2を例えば角度75〜80°程度まで立ち起こしたり、あるいはラフィングジブ4を鉛直姿勢に吊り下げた場合でも、基端分割ジブ41がブーム先端部21の前面下端部21aに干渉することがない。又、このように、ジブサポート3の長さを短くすると、図3において基端分割ジブ41とジブサポート3を一体に連結した状態における全体長さLを短くできる。
【0035】
ラフィングジブ4の使用時において該ラフィングジブ4を支持するためには、前後に配置したそれぞれ長尺(例えば6〜7m程度の長さ)の第1マスト51と第2マスト52とが必要である。この第1マスト51及び第2マスト52は、それぞれ左右2本の支柱間を補強材で連結している。尚、第1マスト51及び第2マスト52の各支柱間の基端部寄りは、基端分割ジブ41の左右間隔とほぼ同等の間隔を有している。そして、第1マスト51及び第2マスト52の各基端部寄りには、符号51a,52aで示す連結材より下方部分にそれぞれ空間部58,58が形成されている。この各空間部58,58は、後述するように第3マスト6やステップ7を潜らせるためのものである。又、第1マスト51及び第2マスト52の各先端部には、それぞれシーブ56,57が取付けられている。尚、使用状態においては、第1マスト51が前側で第2マスト52が後側に位置している。
【0036】
又、この実施形態では、第1マスト51及び第2マスト52の各基端部を基端分割ジブ41の基端上部に枢着しており、運搬時には図3に示すように第1マスト51及び第2マスト52を基端分割ジブ41上に横倒し状態で格納し得るようにしている。尚、第1、第2の両マストを基端分割ジブ41上に格納(横倒し)した状態では、第1マスト51が下で第2マスト52が上に位置する。第1マスト51先端部と第2マスト52先端部間には屈曲式のテンションロッド53が介設され、第2マスト52の先端部にはテンションロープ59付きのテンションロッド60が連結され、第1マスト51の先端部には控えロープ54が連結されている。
【0037】
基端分割ジブ41とジブサポート3間の上部には、バックストッパー装置8が設けられている。このバックストッパー装置8は、ラフィングジブ作業時において第2マスト52及び第1マスト51を引き起こしたときに、重心移動によってラフィングジブ4が後方に転倒するのを防止するためのものである。尚、このバックストッパー装置8は、ジブサポート3側に取付けた油圧シリンダ81と、基端分割ジブ41側に取付けたストッパー82とを有しており、該ストッパー82と油圧シリンダ81とをピンで着脱自在に連結し得るようにしている。
【0038】
ジブサポート3の上面には、第3マスト6が固定されている。この第3マスト6は、図3及び図4に示すように、左右一対の支柱61,61間の上端寄り付近にローラ63を取付け、該支柱61,61を横向きの控材(左右一対ある)62で固定している。又、この第3マスト6の左右幅は、第2マスト52の左右支柱間における基端部寄りの間隔よりやや小幅に形成している。第3マスト6の各支柱61,61は、その下端部をジブサポート3の先端部寄り上面に取付けた状態でやや前方に傾斜させており、ローラ63部分が基端分割ジブ41とジブサポート3との枢着部(枢着軸31部分)の直上方付近に位置するようにしている。このように、ローラ63部分を上記枢着部(枢着軸31部分)の直上方付近に位置させると、図15に示す従来例のように該ローラを枢着部の直上方より後方に退避させている場合より、ラフィングジブ立組時において第2マスト52を立ち起こすときのモーメントを大きくすることができ、その分、支柱61の上方突出長さを短くできる。尚、この実施形態では、支柱61の上端高さを、図3に示すように格納状態の第2マスト52の最高高さ位置よりやや低位置になるように設定している。
【0039】
ところで、第3マスト6の上端部を上記枢着部(枢着軸31部分)の直上方付近に位置させると、図2に示すように第2マスト52を立ち起こしたときに、第2マスト52が第3マスト6を越えて後側に変位するようになるが、第2マスト52の基端部寄りには、第3マスト6を潜らせるための空間部58を形成している。従って、側面視において、第2マスト52と第3マスト6が交差する構成のものであっても、第2マスト52の空間部58によって該第2マスト52と第3マスト6との干渉を回避させることができる。
【0040】
第3マスト6における左右の控材62間には、図4に示すように歩行台64が取付けられている。この歩行台64は、ジブサポート3の基端部寄り上面付近と第3マスト6の上端部付近との間に跨がって設置されている。尚、この歩行台64は、その上を歩行するのに支障がないように、ほぼ水平姿勢か僅かに傾斜する状態で設置される。
【0041】
又、図3に示すように、第1マスト51及び第2マスト52を基端分割ジブ41上に格納した状態では、第3マスト6の上端部と第2マスト52の基端部上面との間にかなりの高差(1m以上)があるが、このラフィングジブ付きブームクレーンでは、第3マスト6の上端部付近と基端分割ジブ41上に格納された第2マスト52の基端寄り上面付近との間にステップ(階段)7を介在させている。又、この実施形態では、ステップ後端側をジブサポート3側から支持材71で支持する一方、ステップ前端側を基端分割ジブ41側から支持材72で支持している。即ち、このステップ7は、ジブサポート3と基端分割ジブ41の両方に跨がって支持されている。尚、このステップ7は、その使用される状態(ブームが水平姿勢で基端分割ジブ41の先端部が接地したときの基端分割ジブ41が角度15〜20°程度傾斜した状態)において、ステップ7の後端部が第3マスト6側の歩行台64先端部に近接するようにして設置される。又、このステップ7は、図4に示すようにかなりの小幅に形成されており、第1マスト51及び第2マスト52の各基端部寄り空間部58,58内を自由に潜れるようになっている。尚、他の実施形態では、ステップ7を、基端分割ジブ41からのみ、あるいはジブサポート3側からのみ支持させるようにしてもよい。
【0042】
ラフィングジブ4は、メインロープ15に連結されたテンションロープ59、第2マスト52、第1マスト51、両マスト51,52間のテンションロッド53、及びテンション部材44によって支持されるようになっている。
【0043】
テンション部材44は、第1マスト51の先端部とラフィングジブ4の先端部間を連結するものであり、このテンション部材44としてはロッドタイプのものが使用されている。このテンション部材44は、左右一対有しており、それぞれ各分割ジブ41,42,43とほぼ同長さの分割リンク45A,45・・,45Bを順次連結して構成される。尚、符号45Aは、基端分割リンク、45は中間分割リンク、45Bは先端分割リンクである。
【0044】
次に、ラフィングジブ支持装置の具体例を説明すると、図5〜図9には本願第1実施形態、図10〜図11には同第2実施形態、図12には同第3実施形態のラフィングジブ支持装置が示されている。
【0045】
図5〜図9に示す第1実施形態のラフィングジブ支持装置において、各中間分割ジブ42には、その先端側上部に左右一対の短小リンク46,46が取付けられている。この第1実施形態の各短小リンク46は、2枚の側板間に鉤形の連結プレート68(図8)を介在させてなる上部ブロック66と、該上部ブロック66の下部側両外面からそれぞれ下方に向けて延出させた左右一対のU型棒67,67とを有している。各U型棒67,67は、上部ブロック66の各外側面に溶接されている。U型棒67,67内には、縦向きの長穴47が形成されている。尚、この長穴47の長さは、例えば100〜150mm程度でよい。そして、この各短小リンク46,46は、中間分割ジブ42の先端側上部に横設されたピン(軸)49を各長穴47,47部分に嵌挿させることによって該中間分割ジブ42に取付けられている。従って、各短小リンク46,46は、ピン49に対して長穴47の範囲で前後に揺動したり上下に昇降したりし得るようになっている。
【0046】
この各短小リンク46,46には、それぞれ中間分割リンク45,45の先端部45bがピン48,48によってそれぞれ着脱自在に連結されるようになっている。尚、中間分割リンクの先端部45bは、短小リンク46の上部ブロック66における左右の側板間のスペース内で連結される。そして、中間分割ジブ42の組立前には、1つの中間分割ジブ42につき2本の中間分割リンク45,45をそれぞれ短小リンク46,46に連結した状態で中間分割ジブ42の上面に沿わせて保管される。
【0047】
各中間分割リンク45,45は、その基端部45a側が中間分割ジブ42上で左右に振れるのを防止するためにそれぞれ前後2つの保持具50,50で仮保持されている。この保持具50は、中間分割リンク45を単に左右からガイドしているだけであり、中間分割リンク45の基端側を持ち上げるだけで該中間分割リンク45を保持具50,50から外すことができるようになっている。又、保持具50,50の底部には、スライド板50aが設けられていて、中間分割リンク45がスライド板50a,50a上を短小リンク46の前後揺動範囲内で中間分割ジブの長さ方向にスライドし得るようになっている。従って、図8に示すように、中間分割リンク45を中間分割ジブ42に対して基端側(右方向)に引くと、短小リンク46が符号46′で示すように右方向に変位し、逆に分割リンク45を中間分割ジブ42に対して先端側(左方向)に押すと、短小リンク46が符号46″で示すように左方向に変位して、該分割リンク45が所定小範囲で左右にスライドし得るようになっている。
【0048】
又、図8において、中間分割リンク45を符号45′で示すように所定角度だけ上方に立上げたときには、該中間分割リンク45′の先端部45b′の外周部45cが、短小リンク46の連結プレート68の先端に衝合するようになっている。そして、このように中間分割リンク先端部の外周部45cが連結プレート68の先端に衝合した状態では、短小リンク46の右回転方向の回動が禁止されるようになり、立ち起こした中間分割リンク45′がピン49よりジブ基端部側に落ち込むことがなくなる。尚、中間分割ジブ42の上面部におけるピン49よりジブ基端部側には、ラチス(補強棒)42aが取付けられており、中間分割リンク45の先端部45bがピン49よりジブ基端部側に落ち込むと、該先端部45bがラチス42aに衝突するという問題が生じるが、上記連結プレート68と中間分割リンク先端部の外周部45cとを衝合させることにより、上記衝突の問題を防止できる。
【0049】
図5〜図9に示す第1実施形態のラフィングジブ支持装置では、中間分割ジブ42の運搬時に、中間分割リンク45を中間分割ジブ42の上面部に沿わせた状態で行え、従来のようにテンション部材としてワイヤーロープを使用した場合より、その取り扱いが容易となる。又、この中間分割リンク45つきの中間分割ジブ42を図9に示すように立組するときには、中間分割リンク45の先端部45bを短小リンク46に連続させた状態で、該中間分割リンク45の基端部45a側を少し持ち上げ(符号45′の状態)、下方に垂れ下げた先の分割リンク45の下端部45b(ピン穴)と横向き姿勢の中間分割リンク45の基端部45a(ピン穴)を重合させる。その際(両ピン穴を重合させる際)に、横向き姿勢の中間分割リンク45の先端部45bは短小リンク46に連結されているので、該中間分割リンク45の無駄な動き(例えば中間分割リンクの先端側が中間分割ジブ内に侵入したり該中間分割ジブ上から脱落したりすること)がなくなる。又、連結しようしする中間分割リンク45は、その先端部45bが短小リンク46に連結されているものの、該中間分割リンク45は短小リンク46の移動可能範囲内で移動できるようになっているので、上記両穴を重合させる際の調整移動が可能となる。従って、両分割リンク45,45を連結する際の穴合わせ作業が容易になる。又、中間分割リンク45を横向き姿勢でジブ長さ方向にスライドさせると、短小リンク46が揺動するようになるが、そのとき、短小リンク46は長穴47部分で支持されているので、短小リンク46の揺動に伴って中間分割リンク45の先端部45bが浮き上がることなく水平方向に移動するようになり、該中間分割リンク45の動きが円滑になるという作用もある。尚、このように中間分割リンク45を短小リンク46でスライド自在に連続させたものでは、各中間分割ジブ42を地面上で平組する場合において、特に各分割リンク45,45の連結操作が容易となる。
【0050】
図10及び図11に示す第2実施形態のラフィングジブ支持装置では、短小リンク46の変形例を示している。この第2実施形態の短小リンク46は、1枚ものの板材の下部寄りに縦向きの長穴47を打ち抜いて形成している。そして、この短小リンク46は、中間分割ジブ42の先端側上部において、長穴47部分に中間分割ジブ42側のピン49を挿通させることによって取付けている。この場合も、短小リンク46は、ピン49に対して長穴47の範囲内でジブ長さ方向及び上下方向に移動自在となっている。そして、短小リンク46の上端部には、中間分割リンク45の先端部45bがピン48によって着脱自在に連結し得るようになっている。
【0051】
又、この第2実施形態では、短小リンク46の下端部寄り外側を枠体90で囲っている。この枠体90には、短小リンク46の揺動方向の前後各側に前枠92と後枠91とを有している。前枠92は、中間分割リンク45を前方側(図10の左側)に移動させたとき(短小リンク46が符号46′の位置に変位する)に、該短小リンク46′の下端寄り前面が前枠92の上端に衝合して、短小リンク46がそれ以上、左回転しないように規制するようになっている。従って、中間分割リンク45を図10の符号45′で示すように上方に立ち起こし、短小リンク46に対して左回転方向の力が加わっても、該短小リンク46が符号46′の位置(前枠92に衝合した位置)より左回転方向に回動することがない。又、後枠91は、図11に示すように、中間分割リンク45を立ち起こした状態で該中間分割リンク45に右移動させるような作用が加わったときに、該中間分割リンク45の先端部45bの下面45dが後枠91の上端に衝合して、中間分割リンク先端部45bがそれ以上、下動しないように規制する作用をする。尚、中間分割リンクの先端部(下端部)45bがピン49よりジブ基端部側に落ち込むと、該先端部45bがラチス42aに衝突するおそれがあるが、この後枠91によってそのような問題を阻止できるようにしている。
【0052】
尚、上記第1実施形態及び第2実施形態の各構成は、それぞれ特許請求範囲中の請求項1に対応するものである。
【0053】
図12に示す第3実施形態のラフィングジブ支持装置では、短小リンク46は、その下端部を中間分割ジブ42の先端側上部においてピン49で枢着して取付けている。従って、この第3実施形態では、短小リンク46はピン49に対して前後に揺動するのみで上下動することはない。又、この短小リンク46の上部側には、縦向きの長穴47が形成されており、該長穴47に対して中間分割リンク45の先端部45bがピン48で着脱自在に連結されている。そして、この第3実施形態では、中間分割リンク45を中間分割ジブ42上で左右にスライドさせると、短小リンク46は前後に揺動するだけであるが、そのときピン48が長穴47内で上下に相対変位するので、中間分割リンクの先端部45bが浮き上がることなく水平方向に移動するようになる。尚、この第3実施形態の場合も、第2実施形態と同様な枠体90を設けており、その前枠92と後枠91とがそれぞれ第2実施形態の場合と同様な作用をする。
【0054】
この実施形態のラフィングジブ付きブームクレーンにおいては、ラフィングジブ4の搬送時には各分割ジブ41,42,43に分離させた状態で搬送される。その際、基端分割ジブ41とジブサポート3とは、図3に示すように枢着軸31で一体化させた状態で搬送されるが、この実施形態ではジブサポート3の長さを短く(例えば1.4m)しているので、基端分割ジブ41とジブサポート3との全体長さLが、図15に示す従来例のものよりかなり短くなり、搬送作業が容易となる。又、第3マスト6の高さを低くしているので、基端分割ジブ41及びジブサポート3の搬送時の全高が大きくならず、搬送時の高さ制限等の面で有利となる。さらに、テンション部材44の各中間分割リンク45は、それぞれ中間分割ジブ42の上面部に保管された状態で搬送されるので、該中間分割リンク45の取り扱いが容易となる。
【0055】
各分割ジブは、作業現場において、順次ブーム先端部21に連結されるが、まず図3の状態から別のクレーンでジブサポート3側を持ち上げて、該ジブサポート3の基端部をブーム先端部21に連結する。尚、その時点では、バックストッパー装置8の油圧シリンダ81とストッパー82とはピン結合されている。又、このとき、テンション部材44の基端分割リンク45Aの基端部を第1マスト51の先端部に連結しておく。
【0056】
ジブサポート3をブーム先端部21に連結した後、控えロープ54で第1マスト51先端部と基端分割ジブ41先端部とを連繋し→テンションロープ59を第3マスト6のローラ63上に載せ掛けした後、該テンションロープ59先端とメインウインチ13からのメインロープ15先端を連結し→サブウインチ14からのサブロープ16を上記ローラ63上に載せ掛けした後、該サブロープ16の先端側16aを基端分割ジブ41の先端部側に導く。その際、作業員がサブロープ先端部16aを持って伸縮ブーム2上からジブサポート3上を経て基端分割ジブ41上に移動するが、ジブサポート3の上方には歩行台64があり、それに続いてステップ7が設置されているので、ブーム先端部21上から基端分割ジブ41の基端部上までの足場の悪い部分を歩行台64及びステップ7上を通って容易に且つ安全に歩行できる。
【0057】
次に、メインウインチ13を巻き上げ操作して、図13に示すように控えロープ54が緊張する程度まで第2マスト52及び第1マスト51を立ち上げる。尚、この時点では、図13における中間分割ジブ42は連結されていない。
【0058】
続いて、バックストッパー装置8のピン結合を解除し→別のクレーンで次順の中間分割ジブ42を基端分割ジブ41の先端部まで運び→図13に示すように基端分割ジブ41の先端上部と中間分割ジブ42の基端上部とをピン結合する。その後、第1マスト51と第2マスト52とを少し前側に倒して、第1マスト51先端部から垂れ下げた基端分割リンク45Aの下端部(ピン穴)と中間分割ジブ42上の分割リンク45の基端部45a(ピン穴)とを重合させて両者をピン結合し→該中間分割ジブ42側の分割リンク45の先端部45bのピン48(図8〜図12)を外し→伸縮ブーム2を所定量だけ起仰・伸長させて、図14に示すように基端分割ジブ41と中間分割ジブ42とを直線状にし→該基端分割ジブ41の先端部下端と中間分割ジブ42の基端部下端とをピン結合する。
【0059】
その後、図14に示すように、次の中間分割ジブ42を先に連結した中間分割ジブ42の先端近傍に運んできて同様に連結し、順次必要本数の中間分割ジブ42,42及び先端分割ジブ43を連結すれば、図1に示すようにラフィングジブ4全体を立組することができる。尚、各分割ジブの連結に並行して、各中間分割リンク45及び先端分割リンク45Bを順次連結することは勿論である。
【0060】
【発明の効果】
本願請求項1及び2の各発明では、次のような効果がある。
【0061】
(1) テンション部材44は、各分割ジブ41,42,43に対応させてそれぞれ複数の分割リンクで構成し、そのうち、中間分割ジブ42に対応する中間分割リンク45は、中間分割ジブの組立前は中間分割リンクの先端部45bを短小リンク46を介して中間分割ジブ42の先端側上部に連結しているので、搬送時に中間分割リンク45を中間分割ジブ42に沿わせたままで行え、該中間分割リンク45の取り扱いが容易となる。
【0062】
(2) 中間分割リンク45は、その先端部45bが短小リンク46を介して中間分割ジブ42の先端側上部に連結された状態で、先の分割リンクに対して連結作業が行えるので、その連結しようとする中間分割リンク45の先端側が安定し、その連結作業時の中間分割リンクの取り扱いが容易となる。
【0063】
(3) 中間分割リンク45の先端部45bが、短小リンク46を介して中間分割ジブ42の長さ方向及び上下方向に移動可能となっているので、該中間分割リンク45の基端部45aと先の分割リンクの先端部45bとのピン穴合わせ作業時に、連結しようとする中間分割リンク45を調整移動させることができ、そのピン穴合わせが容易となる。
【0064】
(4) 中間分割リンク45の先端部45bが短小リンク46を介して上下に移動可能となっているので、短小リンク46を中間分割ジブ42に対してその長さ方向に揺動し得るようにしたものであっても、その短小リンク揺動時に中間分割リンク先端部45bが浮き上がることなく水平方向に移動するようになり、分割リンクの連結作業時において中間分割リンク45の調整移動をスムーズに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施形態にかかるラフィングジブ付きブームクレーンのラフィングジブ最終立組状態の側面図である。
【図2】図1のラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ立ち起こし状態の一部側面図である。
【図3】本願実施形態のラフィングジブ付きブームクレーンにおける基端分割ジブ付きジブサポートをブーム先端部に連結する前の側面図である。
【図4】図3の基端分割ジブ付きジブサポートをブーム先端部に連結した状態の一部平面図である。
【図5】本願第1実施形態のラフィングジブ支持装置を適用した中間分割ジブの側面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図5のVII−VII拡大矢視図である。
【図8】図7のVIII−VIII拡大矢視図である。
【図9】本願第1実施形態のラフィングジブ支持装置を使用したラフィングジブ付きブームクレーンにおける中間分割ジブの連結方法説明図である。
【図10】本願第2実施形態のラフィングジブ支持装置における図8相当図である。
【図11】図10からの変化図である。
【図12】本願第3実施形態のラフィングジブ支持装置における図8相当図である。
【図13】本願実施形態のラフィングジブ付きブームクレーンのラフィングジブ立組方法説明図である。
【図14】図13からの変化図である。
【図15】従来のラフィングジブ付きブームクレーンのラフィングジブ立組方法説明図である。
【図16】従来のラフィングジブ付きブームクレーンのラフィングジブ最終立組状態の側面図である。
【符号の説明】
2は伸縮ブーム、3はジブサポート、4はラフィングジブ、21はブーム先端部、41は基端分割ジブ、42は中間分割ジブ、43は先端分割ジブ、44はテンション部材、45は中間分割リンク、45Aは基端分割リンク、45Bは先端分割リンク、45bは先端部、51は第1マスト、52は第2マストである。
Claims (2)
- 伸縮ブーム(2)の先端部(21)に、複数の分割ジブ(41,42,43)を連結してなるラフィングジブ(4)を立組方式によって取付け得るようにし、さらに前記ラフィングジブ(4)をブーム先端部(21)に取付けた状態で該ラフィングジブ(4)の基端側付近に立設させたマスト(51)とラフィングジブ先端部付近とをロッドタイプのテンション部材(44)で連結して前記ラフィングジブ(4)を支持するようにしたラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ支持装置であって、
前記テンション部材(44)は、前記各分割ジブ(41,42,43)とそれぞれほぼ同長さを有する複数の分割リンク(45A,45,45B)を順次ピンで連結して構成し、
前記各分割ジブにおける中間部に位置する中間分割ジブ(42)の先端側上部に、短小リンク(46)を該中間分割ジブ(42)に対してその長さ方向及び上下方向に所定範囲内で移動自在なる状態で連結しておく一方、
前記中間分割ジブ(42)の組立前においては、該中間分割ジブ(42)に対応する中間分割リンク(45)の先端部(45b)を前記短小リンク(46)に対してピン(48)で着脱自在に連結しておき、前記中間分割ジブ(42)の組立後においては、前記ピン(48)を抜外して該中間分割リンク(45)の先端部(45b)を前記短小リンク(46)から分離させるようにしている、
ことを特徴とするラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ支持装置。 - 伸縮ブーム(2)の先端部(21)に、複数の分割ジブ(41,42,43)を連結してなるラフィングジブ(4)を立組方式によって取付け得るようにし、さらに前記ラフィングジブ(4)をブーム先端部(21)に取付けた状態で該ラフィングジブ(4)の基端側付近に立設させたマスト(51)とラフィングジブ先端部付近とをロッドタイプのテンション部材(44)で連結して前記ラフィングジブ(4)を支持するようにしたラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ支持装置であって、
前記テンション部材(44)は、前記各分割ジブ(41,42,43)とそれぞれほぼ同長さを有する複数の分割リンク(45A,45,45B)を順次ピンで連結して構成し、
前記各分割ジブにおける中間部に位置する中間分割ジブ(42)の先端側上部に、上部側に縦向きの長穴(47)を形成した短小リンク(46)の下端部をピン(49)で枢着して、該短小リンク(46)の上部側が中間分割ジブ(42)に対してその長さ方向に所定範囲内で揺動し得るように設置する一方、
前記中間分割ジブ(42)の組立前においては、該中間分割ジブ(42)に対応する中間分割リンク(45)の先端部(45b)を前記短小リンク(46)の長穴(47)に対して該長穴(47)内でスライドし得るピン(48)で着脱自在に連結しておき、前記中間分割ジブ(42)の組立後においては、前記ピン(48)を抜外して該中間分割リンク(45)の先端部(45b)を前記短小リンク(46)から分離させるようにしている、
ことを特徴とするラフィングジブ付きブームクレーンにおけるラフィングジブ支持装置。
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