JP3949343B2 - チューブ容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、胴部を圧搾することで内容物を押出し可能なチューブ容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、実開平1−116156に示されているように、弾性圧搾可能な胴部上端から肩部を介して口頸部を起立し、該口頸部外面へキャップを螺合させたチューブ容器が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなチューブ容器では、容器体内容物を押し出すと、容器体内が負圧化して、容器体内へ空気が導入されるが、容器体内容物の種類によっては空気に触れることにより酸化して劣化することがある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、容器体内容物の押出しで容器体の体積が減少しても空気が容器体内へ流入しないようにして、内容物の劣化を防止するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、胴部2上端から口頸部3を起立し、該口頸部上端から第1内向きフランジ5を介して下面閉塞の垂下筒6を垂設し、該垂下筒下面を閉塞する底板7外周部に弁孔10を形成した容器体1と、
上記容器体口頸部外面へ嵌合させた周壁21上端に、上記第1内向きフランジ5上面へ載置させて第2内向きフランジ22を付設したキャップ部材20とからなり、
上記垂下筒底板7の中央部から突出部8を起立すると共に、該突出部と上記弁孔10との間の底板7部分から弾性シール弁9、41を起立し、
上記第2内向きフランジ22内周から上記弾性シール弁を囲むようにして注出筒23を起立させて、該注出筒上部内面を弾性シール弁上端部へ気密に接触させ、
該注出筒23下部内面と弾性シール弁外周面との間隙を、上記弁孔10を介して容器体1内へ連通する容器体内容物の流出路25に形成し、
上記弾性シール弁を、上記注出筒23内面を弁座として、容器体内容物の注出を許容すると共に、容器体内への外気の流入を阻止する逆止弁として構成したことを特徴とする。
【0006】
第2の手段として、上記弾性シール弁を、上記突出部8を囲む筒状に形成したことを特徴とする。
【0007】
第3の手段として、上記注出筒23の下部内面に凹溝40を縦設し、上記弾性シール弁を凹溝40の開口面を気密に閉塞可能な板状に形成したことを特徴とする。
【0008】
第4の手段として、上記突出部8を、上記弾性シール弁よりも高く形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明に係るチューブ容器の第1の実施形態を示す。
1は容器体で、弾性圧搾可能な胴部2の上端部から肩部を介して口頸部3を起立して、該口頸部上端面を頂壁4で閉塞する。
頂壁4は、図示するように、口頸部3上端から第1内向きフランジ5を介して垂下する垂下筒6の下端面を底板7で閉塞する。そして、該底板の中央部から断面円形状の柱状部8を起立し、該柱状部の下部を、上向き段部を介して大外径部に形成し、該上向き段部から円筒状の弾性シール筒9を起立させる。一方、該シール筒の外方頂壁4部分に複数の弁孔10を等間隔で形成する。
【0010】
20はキャップ部材で、容器体口頸部3外面へ凹凸の係合手段を介して嵌着させた周壁21上端に、第2内向きフランジ22を第1内向きフランジ5へ載置させて付設すると共に、第2内向きフランジ内周から注出筒23を、その下部を垂下筒6内面へ嵌合させて起立する。
【0011】
また、注出筒23の上下方向中間部内面は下方大径のテーパ部24に形成して、該注出筒23内面と弾性シール筒9外面との間に、容器体内容物の流出路25が形成されるようにすると共に、テーパ部24よりも上方注出筒23部分内面に、弾性シール筒9の上端部外面を気密に接触させる。
なお、柱状部8は弾性シール筒9よりも高く形成する。
【0012】
26はキャップで、第2内向きフランジ22へ載置した筒27を薄肉ヒンジ28を介して周壁21に連結すると共に、注出筒23の上端部外面へ嵌合させた筒栓29を、筒27上端面を閉塞する頂板30の中央部から垂下する。
【0013】
次に本実施形態の作用について説明する。
容器体1から内容物を押し出すには、注出筒23からキャップ26を離脱させて、胴部2を圧搾すればよく、すると内容物が弁孔10を介して流出路25内へ流入する。流出路25内へ流入した内容物は弾性シール筒9を注出筒23から離隔させ、さらに柱状部8上端と注出筒23上端との間を通って注出筒23上面から押し出される。このため内容物が弾性シール筒9と柱状部8との間に浸入して、これらの間で硬化することがない。
【0014】
容器体内容物が注出筒23から注出すると、弾性シール筒9は弾性力で元の位置に復帰して注出筒23内面へ気密に接触する。このため空気が容器体内へ流入することがなく、従って、内容物が酸化等により劣化することがない。
【0015】
図3ないし図6は第2の実施形態を示す。
本実施形態では、注出筒23内面は上下両端間にわたってほぼ同一径に形成すると共に、注出筒下部内面に一対の凹溝40を軸対称の位置に縦設する。
一方、柱状部8の大外径部の上端部を、注出筒23の下端部内面へ嵌合させると共に、大外径部からは各凹溝40に対応させて一対の弾性シール板41を起立して、各シール板で対応する凹溝40の開口面を閉塞させる。その他の構成は第1の実施形態と同一であるので説明を省略する。
【0016】
次に作用について説明する。
胴部2圧搾により弁孔10を介して垂下筒6と柱状部8との間隙へ流入した容器体内容物は一対の凹溝40内へ流入し、さらに、凹溝内へ流入した内容物は弾性シール板41を注出筒23内面から離隔させて注出筒から注出する。
容器体内容物が注出筒23から押し出されると、弾性シール板41が凹溝40の開口面を気密に閉塞するため、第1の実施形態と同様に容器体内への空気の吸引が阻止される。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、容器体口頸部上端面を閉塞する頂壁に、容器体内への外気の流入を阻止する逆止弁を設けたので、容器体内容物の押出しで容器体の体積が減少しても空気が容器体内へ流入することがなく、このため容器体内容物の劣化が防止される。
【0018】
請求項2及び請求項3に係る発明は、弾性シール筒または弾性シール板を、容器体口頸部上端面を閉塞する頂壁に設けたので、容器体内容物の流路を直線状にすることができ、このため内容物の注出が円滑になる。
【0019】
請求項4に係る発明は、突出部を弾性シール筒または弾性シール板よりも高く形成したので、容器体内容物が弾性シール筒または弾性シール板と突出部との間に浸入することがなく、従って、これらの間で内容物が硬化して弾性シール筒または弾性シール板の内方への弾性変形を妨げることがないため、内容物の押し出しが不能になるといったことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチューブ容器の第1の実施形態を示す正面からみた断面図。
【図2】同じく、作用説明図。
【図3】本発明に係るチューブ容器の第2の実施形態を示す正面からみた断面図。
【図4】同じく、図3のA−A線に沿う断面図。
【図5】同じく、図4のB−B線に沿う断面図。
【図6】同じく、作用説明図。
【符号の説明】
1 容器体
2 胴部
3 口頸部
4 頂壁
9、41 逆止弁
10 弁孔
20 キャップ部材
21 周壁
22 内向きフランジ
23 注出筒
40 凹溝
Claims (4)
- 胴部2上端から口頸部3を起立し、該口頸部上端から第1内向きフランジ5を介して下面閉塞の垂下筒6を垂設し、該垂下筒下面を閉塞する底板7外周部に弁孔10を形成した容器体1と、
上記容器体口頸部外面へ嵌合させた周壁21上端に、上記第1内向きフランジ5上面へ載置させて第2内向きフランジ22を付設したキャップ部材20とからなり、
上記垂下筒底板7の中央部から突出部8を起立すると共に、該突出部と上記弁孔10との間の底板7部分から弾性シール弁9、41を起立し、
上記第2内向きフランジ22内周から上記弾性シール弁を囲むようにして注出筒23を起立させて、該注出筒上部内面を弾性シール弁上端部へ気密に接触させ、
該注出筒23下部内面と弾性シール弁外周面との間隙を、上記弁孔10を介して容器体1内へ連通する容器体内容物の流出路25に形成し、
上記弾性シール弁を、上記注出筒23内面を弁座として、容器体内容物の注出を許容すると共に、容器体内への外気の流入を阻止する逆止弁として構成したことを特徴とするチューブ容器。 - 上記弾性シール弁を、上記突出部8を囲む筒状に形成したことを特徴とする請求項1記載のチューブ容器。
- 上記注出筒23の下部内面に凹溝40を縦設し、上記弾性シール弁を凹溝40の開口面を気密に閉塞可能な板状に形成したことを特徴とする請求項1記載のチューブ容器。
- 上記突出部8を、上記弾性シール弁よりも高く形成したことを特徴とする請求項1、2又は3のいずれか1つに記載のチューブ容器。
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