JP3945057B2 - ボールペンチップ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記部材としてのボールを先端小口部より一部突出して抱持収容するボール室にインキ流通孔を開口するボールペンチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールペンチップは、ボールを抱持するボール室内のインキをボールの回転により先端小口より吐出するものであり、大量なインキを吐出して濃く滑らかなインキ吐出を得るためなど、ボール室内に比較的大量のインキを収容できるようにインキの存在し得る空間を広く設定したものなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ボール室内におけるインキは、その空間の有する毛細管力やチップやボールの壁面に対する吸着力(親和性)のみによって保持される所謂自由状態で存在することになり、ボールペンそのものをペン先と反対側から落下させたり、輸送時の振動などによってボール室内のインキがインキタンク方向に逆流してしまい、ボール室内にインキが不足状態となることがあった。このような状態で筆記すると、書き始めにインキが吐出されない所謂初筆かすれ現象となる問題があった。インキ通路に溝を形成するなどして該部に毛細管力を発揮させインキが移動し難くしたものも知られているが、溝のような方向性のない開放空間によって毛細管力を発揮させると、ボール室内に向かう通常のインキの流れに対しても抵抗となり豊富なインキ吐出に対してはむしろ好ましくないことがあった。
【0004】
本発明は、落下時や輸送時などにおいても、ボール室内のインキが逆流して起こる初筆かすれ現象を極力抑制し、且つ、ボール室内への通常のインキの流れを阻害する危険の少ないボールペンチップを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、筆記部材としてのボールを先端小口部より一部突出して抱持収容するボール室にインキ流通孔を開口するボールペンチップにおいて、前記インキ流通孔に壁面との間に空間を存して長手方向に延在する覆片を有する内方突起を形成したことを特徴とするボールペンチップを要旨とする。
【0006】
【作用】
インキ流通路において、内方突起を形成することにより基本的にインキの逆流に対する障害物とすることができる。また、この内方突起が壁面との間に空間を存して長手方向に延在する覆片を有することによって、壁面との間の空間にインキの流れと直接的に影響少ないインキを溜めることができ、インキ保持能力を向上させ、更に、ボールによって塞がれることのない直接ボール室に開口する放射状溝と連設されることによって、この部分にインキが不足した場合にも直ちにインキを供給することができるものと推察される。また、この覆片は中心方向(径方向)に開口する部分を有さないので通常のインキの流れに悪影響を及ぼしにくいものと考えられる。
【0007】
【実施例】
以下、図面に基づき、一例について説明する。
図1に示したものは、ボールペンチップの前側部分を示した要部拡大縦断面図である。内部にインキの通路としてボール室1と中心孔2とこの中心孔2に連通する放射状溝3とを有しており、ボール室1には、先端を内側に変形させ小径開口部4とすることによってボール5を先端突出して抱持している。前述の中心孔2と放射状溝3とは共にボール室に開口しているが、この開口面がボール5と接触するボール受け座面6となっている。筆記の際には、紙面等の被筆記面にボールが押し付けられるため、中心孔2と放射状溝3の一部はボールによって塞がれるような形になるが、放射状溝3の最も外側の開口部分はボールの曲率によって開口状態を維持するので、該部からインキが吐出してボールの回転と共にボールペンチップの外に吐出される。
【0008】
中心孔2の中間部分には、突起7が形成されている。突起7は、放射状溝3の中心孔2への開口部終点に位置し、根元部7aとボールと反対側の長手方向に延在する覆片7bとを有している。覆片7は中心孔2の壁面との間に微細な空間8を存して形成されており、この空間8が毛細管力を有するインキ溜りとなる。
【0009】
このボールペンチップをペン先として先端に有する筆記具をペン先と反対側の後端部側から落下した時や輸送の時など、インキがペン先とは反対側に移動するような力が付与されたとき、突起7はインキ逆流の障害物となる。また、突起7の覆片7bによって形成される空間8の毛細管力によってインキが保持された状態となっているのでインキ自体の吸着力や粘度とも相俟ってインキの逆流を抑制し得、また、例え一部のインキに逆流が生じたとしても、ここに保持されているインキは覆片7bによって覆われているためインキの流れとは別に存在でき、筆記に際して直ちに供給されるインキとなり得る。
また、この突起7はボール受け座面6より離れた位置に形成されているため、筆記によるボールの回転によってボール受け座面6が摩耗しても突起7の上記効果を維持でき、インキ逆流抑制の効果を長期にわたって維持できるものである。
【0010】
本例のようなボールペンチップの加工について説明する。
図2に示したものは、放射状溝3の加工開始直後を、図3に示したものは、加工完了直前を示しているが、共に図1に対応するよう示してある。尚、ここでは金属製のボールペンチップを想定している。一般的なボールペンチップの加工方法としては、中心孔2をドリル等で切削加工し、次いで切削や圧延等によってボール室1を形成し、その後放射状溝と略同一の形状を有するブローチ刃9によって放射状溝3を切削加工する。ボール室1にボール5を配置して抱持する部材の先端を内側にかしめボールを一部突出した状態で抜け落ちないようにする。
【0011】
本例においては、この放射状溝3を形成するブローチ加工の際に突起7をも形成する。ブローチ刃9は中心の柱部分9aと放射状に配置された切削刃9bとからなっており、先端部分には切削刃9bが存在しない柱部分9aのみの部分を有している。この部分が突起7の形成のためのガイドピン9cとなっている。即ち、図2に示されているように、放射状溝3を切削し始めていくと、切削刃9bの先端はボール受座面6の角度より鋭角なる角度を有しており、ボール受け座面6の中心側から切削が開始されるが、この時切削による剥離片が発生する。ブローチ刃物9は、中心孔2部分を除いて部材と接触しており、この剥離片が逃げる空間がなく、唯一の空間である最もブローチ刃9に近い部分に伸びていくことになる。加工を進めていくとこの剥離片がガイドピン9cに沿って成長して伸びていき、図3に示すような突起7にまで成長する。
【0012】
このような突起7の形成方法は、1工程で加工できるだけでなく、矢溝加工における剥離片除去の必要がないため除去された剥離片がインキ流通を阻害したりする不具合が減少できる。この加工方法で形成された内方突起部は、ブローチ刃9の先端のガイドピン9cに押し当てられながら形成されるため、インキ流通路側の表面状態は切削面ではなく圧延状態が施された状態となり、インキの流通に有利な表面が滑らかな面とすることができる。
【0013】
本例はステンレス材を用いた場合の加工例を示したが、延性を有する素材であれば真鍮、洋白、銅合金、アルミニウム合金等の金属でも可能であり、合成樹脂による成型を考えれば、複雑な形状のものでも容易に得ることが可能である。特に、ステンレスの中では延性の優れたオーステナイト系ステンレスが好ましいが、切削加工及び耐食性を考慮すると総合的にはフェライト系で十分に対応が可能である。
【0014】
また、上記方法の他にも、矢溝加工後発生する剥離片をピン等で折り曲げる方法が採用できる。しかし、剥離片の偏りや、脱落がおこる可能性があり、突起7の大きさや形状にバラツキが生じやすく、結果としてそのバラツキがインキ流通孔内壁とで形成する空間にも影響を与え、空間の体積や大きさのバラツキとなってしまう。そのため、狙いの形状、大きさの内方突起部とその空間を得るためにはより高精度の加工をする必要がある。
【0015】
図4に他の一例を示す。図1に相当する図として示してある。ボールペンチップとしての基本的な構造は上述の一例と同様であるが、基本的に突起7の覆片7bの延在方向が図1の例とは反対側のボール側である点が異なる。本例の場合、落下時や輸送時などにインキの逆流が発生した時、突起7と中心孔2の内壁とで形成された空間8に保持されたインキは、インキの逆流方向に移動し難い。
【0016】
加工の方法としては、上述の一例と同様なブローチ刃9をボール室1と反対側から当てることで、同様に形成可能である。このとき、下側にも放射状溝3aが形成されることになるが、後孔部分の体積に比べ小さく、実際のインキの流れには影響を与えることはない。また、ボール室1側に延長された突起7がボール室側の放射状溝3を塞ぐことがないように、周方向に位置をずらして形成しているが、中心孔2を十分に長くすることで、覆片7bが放射状溝3にまで達しないようにすることもできる。
【0017】
【発明の効果】
以上の通り、本発明は、インキの通常の流れを阻害せずにインキの逆流を極力抑制して、初筆かすれ現象を極力抑制することができるボールペンチップを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一例を示す要部拡大縦断面図。
【図2】図1の一例の加工方法を示す要部拡大縦断面図。
【図3】図1の一例の加工方法を示す要部拡大縦断面図。
【図4】他の一例を示す要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 ボール室
2 中心孔
3 放射状溝
3a 放射状溝
4 小径開口部
5 ボール
6 ボール受け座面
7 突起
7a 根元部
7b 覆片
8 空間
9 ブローチ刃
9a 柱部分
9b 切削刃
9c ガイドピン

Claims (4)

  1. 筆記部材としてのボールを先端小口部より一部突出して抱持収容するボール室にインキ流通孔を開口するボールペンチップにおいて、前記インキ流通孔に壁面との間に空間を存して長手方向に延在する覆片を有する内方突起を形成したことを特徴とするボールペンチップ。
  2. 前記内方突起が前記ボール室に開口する小径の中心孔中間部分に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボールペンチップ。
  3. 前記インキ流通孔が前記中心孔及びこの中心孔と連通する放射状溝とからなり、この放射状溝が前記ボール室に開口しつつ中心孔の途中部位にまで延在するものとし、前記内方突起がこの放射状溝のボール室に対する開口部と反対側の端部部分に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のボールペンチップ。
  4. 前記内方突起を、ボールペンチップの内部形状を形成する切削加工刃にて加工前のボールペンチップ材料を、根元部を離脱させずに剥離部分を覆片として成長させることにより形成する請求項1乃至3の何れかに記載のボールペンチップの製造方法。
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