JP3942892B2 - 内壁部の断熱構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物の内壁部における断熱構造、特に、従来より高い断熱性能を得るための断熱構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅等の建物の内壁部は、図13に示すように、建物の軸組み1に、内壁枠2が順次取り付けられ、該内壁枠2に内壁ボード、壁紙(図示せず)等が設けられて構成されていた。前記内壁枠2は、図14に示すように、縦桟3Tと横桟3Yとからなる矩形の枠体3に断熱材4が充填され、枠体3の内壁側には防湿シート5が貼付されてなるものである。縦桟3T及び横桟3Yは、各々木製のものであり、釘、ビス、又は接着剤等を固着手段を用いて夫々接合されている。また、枠体3の矩形構造を補強するために横桟3Yは縦桟3T間に複数架設されている。断熱材4は、グラスウール又はロックウールを用いたもので、タッカー6により枠体3に固定されている。防湿シート5は、アルミと合成樹脂とのラミネートシートである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように構成された内壁枠2は、軸組1に、内壁枠2の枠体3、即ち縦桟3Tを押し当てるように位置せしめられ、軸組1に装着された止具7により固定されており、該内壁枠2に充填された断熱材4により、屋内から屋外への熱損失を抑制して、建築物の屋内の断熱を行っていた。
【0004】
しかし、前記内壁部の構成によっても、屋内から屋外への熱損失を完全に抑制することは困難である一方、省エネルギー等の観点から、より高い断熱性能が住宅等には求められている。例えば、内壁部の断熱構造を高めるために、前記断熱材4を厚くすることが考えられるが、断熱材4を厚くすれば内壁枠2の厚みも増す分、従来より納まりを大きくとる必要が生じ、一方、内壁枠2を従来と同様の厚みとすれば、充填された断熱材4の反発力が大きくなって屋内側に膨らみが生じ、施工性が悪くなる。従って、従来と同様の作業性や施工コストを備え、且つ断熱性能を向上した内壁部の構造が必要となっている。
【0005】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、簡易且つ安価であり、従来と同様の作業性を維持し、且つ、断熱性能の優れた内壁部の構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の内壁部の構造を鋭意研究した結果、軸組と内壁枠が直に接触している点、及び、内壁枠の枠体の材料である木材の熱伝導性が、断熱材として用いられるグラスウール等の約3倍程度と高い点に着眼し、従来の内壁部の構造における熱損失は内壁枠の枠体から軸組への熱伝導により生ずるものが主であることを見出した。また、断熱内壁枠の断熱性能をも向上させるため、断熱性能が優れた合成樹脂素材を併用することにより、断熱内壁枠の厚みや施工性等を従来と同等に維持し、断熱性能を向上できることに着眼し、前記熱伝導を簡易且つ低コストで抑制し、且つ、断熱性能を更に向上すべく本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の請求項1に係る内壁部の断熱構造は、建築物の内壁部を構成する軸組に、該軸組に沿って並設される断熱内壁枠を前記軸組から離間して固定するための取付部材が装着され、該取付部材により前記軸組に固定された前記断熱内壁枠の屋内側の縦目地に、帯状の内断熱材が貼設された内壁部の断熱構造において、前記取付部材は、その幅が前記軸組の隙間より小さく先端部分が前記軸組の隙間より大きく拡幅されるとともにその長さが前記軸組の奥行より大きい軸組挿入部が突設された基部と、該基部の軸組側に設けられバネ鋼が弧状に湾曲されてなる板バネと、を備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る内壁部の断熱構造100の主要部を示す断面図であるが、図に示すように、本断熱構造100は、住宅等の軸組1に、断熱内壁枠101が取付金具102により、軸組1から所定間隔離間されて設けられ、軸組1と断熱内壁枠101との間に目地断熱材103が充填され、断熱内壁枠101の屋内側の目地に内断熱縦目地シート104が貼設されてなるものである。
なお、断熱内壁枠101の屋内側には内壁ボード、壁紙等が貼設されて室内の内装が仕上げられるが、本実施の形態においては、これらの説明は省略している。
【0012】
断熱内壁枠101は、図2に示すように、2本の縦桟10T間に横桟10Yが複数架設されてなる矩形の枠体10の表面側全面に、防湿シート11が貼設され、枠体10で四囲された空間内に合成樹脂断熱材12が充填され、枠体10の裏面側から、易変形断熱材13が覆設されてなるものである。
なお、本実施の形態においては、枠体10の表面側とは屋内側を指し、裏面側とは屋外側を指すものとする。
【0013】
前記枠体10を構成する縦桟10T及び横桟10Yは、各々木製の角材であり、釘や接着剤等の周知の固着手段により夫々が固着されて枠体10をなしている。縦桟10T及び横桟10Yの断面寸法は、縦×横が夫々25〜60mm程度のものであることが好ましく、特に、縦桟10Tは、断熱内壁枠101を軸組1から離間させて設置することを考慮すると、断熱内壁枠101の納まりが従来より大きくならないように、例えば断面寸法が約30mm×30mm程度の、従来用いられている縦桟より断熱内壁枠101の厚み方向となるべき寸法が小さいものであることが好ましい。
横桟10Yも同様に、縦桟10Tと同程度の断面寸法とすることが好ましいが、枠体10の強度を高めるために、枠体10の高さ方向となるべき横桟の寸法を大きくすることは可能である。なお、本実施の形態では枠体10を木製のものとしたが、本発明は係る実施の形態に限定されるものでないことは当然であり、例えば枠体10を鋼材を用いたメタルフレームとすることも可能である。
【0014】
防湿シート11は、前記枠体10と同程度の大きさの矩形のものであり、アルミ及び合成樹脂のラミネートフィルム等、防湿性を有する素材からなるものである。枠体10への貼着は、タッカー等を用いて行うこともできるが、接着剤や両面テープ等、防湿シート11に穴を開けずに枠体10に貼着できる手段を使用することが好ましい。また、防湿シート11の素材としては、前記ラミネートフィルムの他、例えばポリプロピレン等、ガス透過性の低い合成樹脂を用いることもできる。
【0015】
合成樹脂断熱材12は、ポリスチレン、フェノール樹脂等の合成樹脂の発泡体からなるものであり、一般的に断熱材として用いられるグラスウールやロックウール等より高い断熱性能を有する一方、押圧による変形はグラスウール等ほど大きくなく、柔軟性は劣る。その大きさは枠体10で四囲される空間に略隙間なく充填できる程度の矩形に裁断されており、厚みは枠体10と同程度である。該合成樹脂断熱材12は、枠体10で四囲される空間に夫々嵌め込む際に、枠体10に両面テープ等により固定してもよいが、断熱内壁枠101の表面には防湿シート11が、裏面には易変形断熱材13が設けられることにより、これらの部材に挟入されて枠体10から脱落することはないので、固定を行うことなく嵌め込むこととしてもよい。
【0016】
易変形断熱材13は、例えばグラスウール、ロックウール等の繊維状のものであり、押圧を受けることにより容易に変形可能なものである。該易変形断熱材13は、予め、枠体10に合わせて適度な大きさに裁断され、繊維が解けたりしないように袋体に詰められている。易変形断熱材13の大きさは、枠体10と略同等であって縦桟10T間に納まる程度のものであり、厚みは枠体10の厚みより大きいものが好ましい。このように構成された易変形断熱材13は、図2に示すように、タッカー14を用いて横桟10Yに固定する。
【0017】
図3は、図2のA−A断面を示すものであるが、合成樹脂断熱材12は、縦桟10Tの厚みと略同等であり、一方、易変形断熱材13は、その両端が縦桟10Tより内側に納まるようにして、断熱内壁枠101の裏面側、即ち屋外側に膨出した状態となっている。
【0018】
このように、表面側に合成樹脂断熱材12を設けることにより、枠体10で四囲される一定容積の空間において易変形断熱材13より高い断熱性能を得ることができ、裏面側に易変形断熱材13を覆設することにより、横桟10Yによる熱伝導を抑制し、且つ、断熱内壁枠101の裏面側において軸組1等と当接する場合に容易に変形して、従来と同様の施工性が維持されるものとなっている。
【0019】
取付金具102は、前記断熱内壁枠101を、軸組1から所定間隔だけ離間させて固定するためのものであり、図4に示すように、基部20と、基部20の軸組側に設けられた板バネ21と、基部20と螺合するボルト22と、スペーサ23とからなる。
【0020】
基部20は、金属プレートが略C型に曲折されてなるものであり、該基部20から装着時に軸組1に向く方へ、先端部分が拡幅された平板棒状の軸組挿入部20aが突設されており、基部20の中央近傍にはボルト22と螺合するボルト挿通孔(図示せず)が穿設されている。該軸組挿入部20aの幅は、差し込むべき軸組1の隙間より若干小さい程度であり、先端の拡幅部分の幅は、該隙間より大きなものとなっている。また、軸組挿入部20aの長さは、差し込むべき軸組1の奥行よりやや大きい程度、即ち、軸組挿入部20aを完全に軸組に差し込んだ場合に、先端の拡幅部分が軸組1の反対側(裏面側)に突出する程度である。
【0021】
板バネ21は、バネ鋼が弧状に湾曲されてなるものであり、その中央部付近で基部20に固着されている。スペーサ23は、金属プレートが略コの字状に曲折され、装着時に軸組1側となる曲折部の中央付近に並行して切り込みが設けられ、更に該切込み部分が上方に曲折されて、縦断面形状が略コの字状の金属プレートから上方に突出する突片23aが形成されてなるものであり、該突片23aにはボルト22を摺動自在に挿通するための挿通孔23bが穿設されている。ボルト22が該挿通孔23bに挿通され、更に基部20と螺合されることにより、基部20とスペーサ23が一体となっている。
【0022】
図5は、取付金具102を軸組1に取り付ける方法を説明するためのものであるが、まず、図5(a)に示すように、基部20の軸組挿入部20aを、その先端の拡幅方向が垂直方向となるようにして、軸組1へ差し込む。板バネ21の反発力に対抗して板バネ21が潰れるまで軸組挿入部20aを軸組1に差し込むことにより、軸組挿入部20aの先端の拡幅部分が軸組1の反対側に突出する。その状態で、基部20を時計周り(又は半時計回り)に90度回転させてから、基部20を解放すれば、基部20は、板バネ21の反発力により図4の手前側に付勢されるとともに、軸組挿入部20aの拡幅部分により軸組1に掛止されて、軸組1に装着される。更に、スペーサ23の突片23aを基部20の開口部と嵌合させることにより、図5(b)に示すように、取付金具102が軸組1に装着される。
【0023】
目地断熱材103は、前記易変形断熱材13と同様に、グラスウール、ロックウール等の繊維状で容易に変形可能なものであり、予め、軸組1と断熱内壁枠101との間の空間に充填できる程度に裁断され、繊維が解けたりしないように袋体に詰められている。目地断熱材103の大きさは、図1に示すように、断面の幅が断熱内壁枠101の縦桟10Tの幅の2倍より若干大きい程度、奥行が軸組1と断熱内壁枠101との距離、即ち、前記取付金具102のスペーサ23の奥行と同程度のものであって、高さ寸法が断熱内壁枠101の高さ寸法と同程度のものである。
【0024】
内断熱縦目地シート104は、発泡ポリエチレン製の帯状のものであり、図1に示すように、断熱内壁枠101の屋内側の縦目地に貼設されるものである。内断熱縦目地シート104の幅は、取付金具102の屋内側の露呈部分、即ちボルト22の頭部等を被覆できる程度のものであり、断熱内壁枠101の縦目地全体に貼着できるように適宜裁断されて用いられる。内断熱縦目地シート104の貼着は、更に屋内側から内断熱縦目地シート104を覆うようにして粘着テープ40が断熱内壁枠101の目地に貼られることにより行われる。これにより、断熱内壁枠101の縦目地を封止するとともに、取付金具102の屋内側の露呈部分から軸組1への熱伝導を抑止することができる。
なお、内断熱縦目地シート104は、前述したように粘着テープ40を用いて貼着する他、内断熱目地シート104そのものが接着性を有するもの、即ち裏面に接着剤等が予め塗布されたものを用いて、断熱内壁枠101の縦目地に貼着させることもできる。また、内断熱目地シート104の厚みのために内壁面に凹凸が生じる場合には、図1に示すように、断熱内壁枠101の縦桟10Tの所要箇所を目地断熱シート104の厚み分だけ切り欠くことが好ましい。
【0025】
以下、本実施の形態に係る内壁部の断熱構造100の施工方法を説明する。
まず、図5に示したように、軸組1に取付金具102を装着する。具体的には、軸組1の縦方向に対して、図6に示すように、例えば4個の取付金具102を列設する。装着すべき取付金具102は、少なくとも2個以上であることが好ましいが、断熱内壁枠101の枠体10の強度等を考慮して設けるべき取付金具102の数を設定すればよく、特に4個に限定されるものでないことは当然である。また、図6では、説明の便宜上、一の軸組1にのみ取付金具102が装着されたものを示しているが、実際には断熱内壁枠101を設ける軸組すべてに取付金具102が装着される。
【0026】
つぎに、軸組1に屋内側に目地断熱材103が位置せしめる。目地断熱材103は、図6に示すように、軸組1の幅と略同等の幅を有するものであり、予め軸組1の高さに合致するように裁断されている。該目地断熱材103の、前記取付金具102と対応する位置に、目地断熱材103を貫通する縦方向の切込み30を設け、図6の拡大図に示すように、目地断熱材103が各取付金具102を内包するようにして、目地断熱材103を軸組1の屋内側に位置せしめる。
【0027】
目地断熱材103を所定位置に位置せしめた後、断熱内壁枠101を取り付ける。図7は、取付金具102の片側に断熱内壁枠101を取り付けた状態を示すものであり、説明の便宜上、前記目地断熱材103は点線で示している。図に示すように、断熱内壁枠101の縦桟10Tを、軸組1に装着された取付金具102のスペーサ23に当接させるようにして断熱内壁枠101を取り付ける。これにより、軸組1と前記縦桟10Tとの間にスペーサ23分だけの空間が生じ、縦桟10Tが軸組1と直接接触することはない。該空間には、図に点線で示すように、目地断熱材103が充填された状態となる。同様に、取付金具102の反対側にも断熱内壁枠101を取り付けることにより、断熱内壁枠101の縦目地であって軸組1と断熱内壁枠101の縦桟10Tとの間に、目地断熱材103が介設された状態となる。
【0028】
前述したように断熱内壁枠101を取り付けた後、取付金具102のボルト22をねじ込むことにより、ボルト22の頭部が断熱内壁枠101の表面に当接して断熱内壁枠101が固定される。ボルト22の頭部の大きさが小さい場合や軸組1に装着された取付金具102の数が少ない場合には、断熱内壁枠101の固定が不安定となることも想定されるが、そのような場合には、円盤状の押えプレート24をボルト22の頭部に取り付けてもよい。
【0029】
押えプレート24は、図8に示すように、直径がボルト22の頭部より大きな円盤状の平板であって、その中央近傍から径方向の3方向に膨らんだ係止孔25が穿たれたものである。該係止孔25は、互いに略反対方向に向かって膨らんだ頭挿通部25a、25bと、該頭挿通部25a、25bと略直交方向に向かって膨らんだ挿通補助部25cとが形成されており、両頭挿通部25a、25b間の係止孔25縁部は、押えプレート24の外縁に向かって膨らみ、ボルト22の頭部と係合可能な劣弧をなしており、頭挿通部25a、25bと挿通補助部25cとの間の係止孔25の縁部は、押えプレート24の中心に向かって膨らみ、ボルト22の頭部と係合可能な劣弧をなしている。
【0030】
このように構成された押えプレート24をボルト22の頭部に取り付けてから、ボルト22をねじ込むことにより、押えプレート24が断熱内壁枠101の屋内側の表面に圧接されて、断熱内壁枠101を確実に固定する。押えプレート24の取付けを詳細に説明するに、図8(a)に示すように、ボルト22の上方から、押えプレート24の係止孔25のボルト挿通部25a、25bにボルト22の頭部を挿入するようにして、押えプレート24をボルト22の頭部に嵌め込む。そして、ボルト22の軸部を挿通補助部25cへ退避させるようにして(図8(b))、ボルト22の頭部を係止孔25に挿通させる。これにより、押えプレート24の係止孔25にボルト22の軸部が遊挿された状態となる(図8(c))。押えプレート24をボルト22の頭部側ヘ位置せしめ、ドライバ等を用いてボルト22を取付金具102の基部20(図示せず)へねじ込むことにより(図8(d))、押えプレート24の係止孔25の周縁部とボルト22の頭部とが係合してボルト22による押圧力が押えプレート24に伝達され、該押えプレート24が断熱内壁枠101(図示せず)の屋内側の表面を押圧して、断熱内壁枠101を取付位置に固定する。
【0031】
前述したように断熱内壁枠101を固定した後、図9に示すように、断熱内壁枠101の目地に内断熱縦目地シート104を貼設する。詳細には、予め、帯状の内断熱縦目地シート104を断熱内壁枠101の縦目地寸法に裁断しておき、該内断熱縦目地シート104を、取付金具102の屋内側の露呈部分、即ちボルト22の頭部及び押えプレート24を覆うように位置せしめ、更に内断熱縦目地シート104の上から粘着テープ40を貼りつけて、内断熱縦目地シート104を断熱内壁枠101の目地に貼着させる。
【0032】
このようにして、内壁部の断熱構造100が施工され、軸組1と断熱内壁枠101の縦桟10Tとの間に目地断熱材103が介在させることにより、該縦桟10Tから軸組1への熱伝導を抑制する。また、断熱内壁枠101の表面側に合成樹脂断熱材12が、裏面側に易変形断熱材13が設けられることにより、断熱内壁枠101に両者の利点、即ち高い断熱性能及び柔軟性が効果的に発揮され、従来と同様の施工性が維持され、且つ、断熱性能の向上が可能となる。
なお、詳細には説明しないが、断熱内壁枠101の屋内側には内壁パネル、壁紙等が設けられて内装が仕上げられる。
【0033】
以下、前記断熱内壁枠101の別の形態に係る断熱内壁枠105を用いた内壁部の断熱構造について説明する。
図10は、前記断熱内壁枠105の構成を示すものであるが、該断熱内壁枠105は、2本の縦桟10T間に横桟10Yが複数架設されてなる矩形の枠体10の表面側全面に、防湿シート11が貼設され、枠体10で四囲された空間内に合成樹脂断熱材12が充填され、枠体10の裏面側から、易変形断熱材15が覆設されてなるものであり、枠体10、防湿シート11等、前記断熱内壁枠101の構成と同じ図番のものは同一のものである。
【0034】
易変形断熱材15も、前記易変形断熱材13と同様に、グラスウール、ロックウール等の繊維状で容易に変形可能なものが、予め、枠体10と略同程度の大きさに裁断され、繊維が解けたりしないように袋体に詰められてなるものであるが、その幅が、両縦桟10Tの裏面側にまで至るものである点で前記易変形断熱材13と異なる。図11は、図10のB−B断面を示すものであるが、図に示すように、易変形断熱材15は、その両端が枠体10の両端と略同じ位置にあり、縦桟10Tの裏面側をも覆った状態で、枠体10の裏面側に膨出するように固定されている。なお、易変形断熱材15の固定は前述と同様にタッカー14によるものである。
【0035】
図12は、取付金具102の片側に断熱内壁枠105を取り付けた状態を示すものであるが、図に示すように、断熱内壁枠105の縦桟10Tを、軸組1に装着された取付金具102のスペーサ23に当接させるようにして断熱内壁枠105を取り付ける。詳細には、断熱内壁枠105を取り付ける際に、易変形断熱材15の、縦桟10Tの裏面側であって取付金具102に対応する位置に、水平方向に切込みを設け、易変形断熱材15が取付金具102を内包し、該取付金具102のスペーサ23が断熱内壁枠105の縦枠10Tと当接できるようにする。易変形断熱材15と軸組1とが当接する部分は、断熱内壁枠105の取付け後、取付部材102のボルト22の頭部又は押えプレート24によって断熱内壁枠105を押圧、固定することにより、軸組1の形状に沿って弾性変形するので、特に切欠き等を設ける必要はない。
【0036】
このようにして、軸組1と前記縦桟10Tとの間にスペーサ23分だけの空間を空けて、縦桟10Tが軸組1と直接接触することがないように断熱内壁枠105を取り付け、軸組1と前記縦桟10Tとの間の空間には、断熱内壁枠105の易変形断熱材15が充填された状態となる。従って、取付金具102の反対側にも断熱内壁枠105を取り付けることにより、前述した目地断熱材103に代わり、断熱内壁枠101の縦目地であって軸組1と断熱内壁枠101の縦桟10Tとの間に、易変形断熱材15が介在する状態となって、縦桟10Tから軸組1への熱伝導を抑制する。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る内壁部の断熱構造によれば、建築物の内壁部を構成する軸組に、該軸組に沿って並設される断熱内壁枠を前記軸組から離間して固定するための取付部材が装着され、該取付部材により前記軸組に固定された前記断熱内壁枠の屋内側の縦目地に、帯状の内断熱材が貼設された内壁部の断熱構造において、前記取付部材は、その幅が前記軸組の隙間より小さく先端部分が前記軸組の隙間より大きく拡幅されるとともにその長さが前記軸組の奥行より大きい軸組挿入部が突設された基部と、該基部の軸組側に設けられバネ鋼が弧状に湾曲されてなる板バネと、を備えたものとしたので、基部の軸組挿入部を、その先端の拡幅方向が垂直方向となるようにして軸組へ差し込み、板バネの反発力に対向して板バネが潰れるまで軸組挿入部を軸組に差し込んで、軸組挿入部の先端の拡幅部分を軸組の反対側に突出させた状態で、基部を時計周り(又は反時計周り)に90度回転させてから解放すれば、板バネの反発力により付勢されて軸組挿入部の拡幅部分により軸組に掛止されることにより、取付部材が軸組に装着される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内壁部における断熱構造100の構成を示す横断面図である。
【図2】断熱内壁枠101の構成を示す分解斜視図である。
【図3】図2のA−A断面を示す拡大断面図である。
【図4】取付金具102の構成を示す斜視図である。
【図5】 (a)は、軸組1に装着する前の取付金具102を示す斜視図であり、(b)は、軸組1に装着された取付金具102を示す斜視図である。
【図6】軸組1に目地断熱材103を取り付ける方法を説明するための模式図及び部分拡大図である。
【図7】軸組1に断熱内壁枠101を取付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図8】 (a)は、ボルト22に押えプレート24を取付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は、ボルト22の頭部に押えプレートを嵌めた状態を示す斜視図であり、(c)は、押えプレート24にボルト22が相通された状態を示す斜視図であり、(d)は、ボルト22をねじ込む状態を示す斜視図である。
【図9】内断熱縦目地シート104を貼着する方法を説明するための拡大斜視図である。
【図10】断熱内壁枠105の構成を示す分解斜視図である。
【図11】図10のB−B断面を示す拡大断面図である。
【図12】軸組1に断熱内壁枠105を取付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図13】従来の内壁部における断熱構造を示す横断面図である。
【図14】従来の内壁枠2の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
100 内壁部における断熱構造
101 断熱内壁枠
102 取付金具(取付部材)
103 目地断熱材
104 内断熱縦目地シート(内断熱材)
1 軸組
10 枠体
10T 縦桟
10Y 横桟
12 合成樹脂断熱材
13、15 易変形断熱材
Claims (1)
- 建築物の内壁部を構成する軸組に、該軸組に沿って並設される断熱内壁枠を前記軸組から離間して固定するための取付部材が装着され、該取付部材により前記軸組に固定された前記断熱内壁枠の屋内側の縦目地に、帯状の内断熱材が貼設された内壁部の断熱構造において、
前記取付部材は、その幅が前記軸組の隙間より小さく先端部分が前記軸組の隙間より大きく拡幅されるとともにその長さが前記軸組の奥行より大きい軸組挿入部が突設された基部と、該基部の軸組側に設けられバネ鋼が弧状に湾曲されてなる板バネと、を備えたことを特徴とする内壁部の断熱構造。
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