JP3942891B2 - 自動販売機の商品投出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機に内蔵されて商品を排出する商品投出装置に関するものであり、特に角筒状の商品の取り扱いが可能な自動販売機の商品投出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビールやジュース等の飲料を無人販売する装置として、自動販売機が多用される。これらの飲料を販売する自動販売機では、図26に示す様に奥行き方向に複数の商品収納棚1が設けられている。そしてその商品通路2の最下部に、商品投出装置7が取り付けられている。
ここで商品投出装置7は、商品通路2内の商品を一個づつ排出するものであり、図27に示すように最下部(最下流側)に位置する商品を保持する主フラッパ200と、当該フラッパ200が後退した時、一時的に二番目の商品を保持する次期商品押さえフラッパ201を持つ。
そして図28(a)の様に主フラッパ200を商品通路側2に出し、次期商品押さえフラッパ201を収納した状態で、商品排出信号を待つ。すなわち主フラッパ200によって最も下流にある商品を支持し、次期商品押さえフラッパ201は邪魔にならないように、収納されている。
【0003】
そして硬貨の投入及び商品の選択により、図28(b)の様に所定の信号が発せられると、ソレノイド等が機能して主フラッパ200を収納し、これと連動して次期商品押さえフラッパ201を商品通路2側に出す。
その結果、最も下流にあった商品は主フラッパ200が開放されることにより下部に落下し、その一つ上にあった商品は、次期商品押さえフラッパ201によって一旦支持されてその位置に留まる。より詳細に説明すると、次期商品押さえフラッパ201は下端部分が揺動軸203によって軸支されており、下端部分の揺動軸203を中心として揺動する。すなわち次期商品押さえフラッパ201は上端部分が商品通路側2に突出し、その先端部分204が次期商品206と当接して支持する。
【0004】
したがってただ一つの商品だけが落下し、購買者に供給される。
最下部にあった商品が落下したことが確認されると、主フラッパ200を出し、これと連動して次期商品押さえフラッパ201を引き込める。その結果、当初、下流から二番目にあった商品206が主フラッパ200上に載置され、次の排出信号を待つ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところでビールやジュースといった飲料の缶には、太缶、中太缶、細缶と称される三種類のものが一般に普及している。また近年、ペットボトル入りの飲料も自動販売機で販売される様になった。そこで自動販売機は直径や形状の異なる複数種類の商品を取り扱い得ることが大切である。
【0006】
しかしながら、缶の直径が異なると、商品の落下速度や、フラッパが当接する位置・角度が微妙に異なる。特に近年多用される角形ペットボトル(以下 角ペットボトルと略す)は、商品の落下速度とフラッパが当接する位置・角度が、缶とは著しく異なる。
そのため従来技術の商品投出装置を使用した自動販売機では、角ペットボトルを収納すると商品の2個出しすることがあった。すなわち従来技術の商品投出装置を使用して角ペットボトルを販売しようとすると、一度に角ペットボトルが2個排出されてしまう故障があった。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、複数形状の商品に適用可能であり、商品通路出口側の設定作業を無くし、且つ商品の搬出トラブルを防止できる自動販売機の商品投出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、本発明者らは角ペットボトルを収納した場合に2個出しが発生する原因を検討した。
その結果、商品の2個出しが生じる原因は、角ペットボトルの位置によって次期商品押さえフラッパ201が角ペットボトルの壁面に押される場合があり、この場合に次期商品押さえフラッパ201の突出が不十分となるためであることが判明した。
すなわち従来技術の商品投出装置7を採用する自動販売機に角ペットボトルを収容すると、図29(a)の様に最も下流にある角ペットボトル210が主フラッパ200に支持され、次期商品押さえフラッパ201は邪魔にならないように、収納される。
一方、商品通路2の幅は、多品種の商品に対応できる様に、角ペットボトル210,211の幅よりも幾分大きい。
そのため角ペットボトル210は、商品投出装置212側に寄った位置で主フラッパ200に支持される場合や、対抗壁213側に寄った位置で主フラッパ200に支持される場合がある。
ここで図29(a)の様に、角ペットボトル210が商品投出装置212側に寄った位置において主フラッパ200に支持された場合は、収納状態にある次期商品押さえフラッパ201と主フラッパ200上の角ペットボトル211が極めて近接した位置関係にある。
【0008】
この状態において、ソレノイド等を機能させると、前記した様に主フラッパ200を収納し、次期商品押さえフラッパ201が商品通路2側に出ようとするが、前記した様に角ペットボトル210が商品投出装置212側に寄った位置において主フラッパ200に支持されていると、次期商品押さえフラッパ201が落下途上の角ペットボトル210の壁面と接し、揺動することができない。すなわち次期商品押さえフラッパ201の先端部分204が商品通路2側に出ようとしても、次期商品押さえフラッパ201が落下途上の角ペットボトル210の壁面に押さえられ、次期商品押さえフラッパ201が揺動せず、次期商品の角ペットボトル210を支持することができない。そのため従来技術の商品投出装置では、主フラッパ200に支持されていた角ペットボトル210のみならず、次期商品たる角ペットボトル211も同時に排出され、商品の2個出しが起こってしまう。
【0009】
そこで本発明者らは、商品と次期商品押さえフラッパ201の間にフラッパ201が移動しうる空間を確保すれば、商品の2個出しは解消されると考えた。
【0010】
請求項1に記載の発明は、自動販売機の商品通路に取り付けられ、商品通路の壁面側から中央側に向かって突出・後退して最下流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、前記主商品支持部材の上流側に位置し、揺動軸を中心として揺動し、中央側に向かって突出・後退して下流側から二番目の商品を保持する次期商品支持部材と、前記次期商品支持部材が後退位置にあるとき、最下流側に位置する前記商品が前記次期商品支持部材に密接する位置に来ないように張出した張出部が設けられ、前記張出部は、前記次期商品支持部材の揺動中心部を膨出させたものであり、前記次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出すことで、前記次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空隙が形成されることを特徴とする商品投出装置である。
【0011】
本発明の商品投出装置では、次期商品支持部材の揺動中心部を膨出させ中央側に向かって張出した張出部が設けられている。そのため商品は張出部が障害となり、商品が次期商品支持部材に密接する位置に来ない。また張出部は次期商品支持部材の揺動中心部を膨出させて設けられているから次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空間が確保される。そのため次期商品支持部材は揺動軸を中心として揺動し、確実に次期の商品を支持することができる。
【0012】
また請求項2に記載の発明は、自動販売機の商品通路に取り付けられ、揺動軸を中心として揺動し、商品通路の壁面側から中央側に向かって突出・後退して最下流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、前記主商品支持部材の上流側に位置し、揺動軸を中心として前記商品通路の上流側を自由端として揺動し、中央側に向かって突出・後退して下流側から二番目の商品を保持する次期商品支持部材と、前記次期商品支持部材が後退位置にあるとき、最下流側に位置する前記商品が前記次期商品支持部材に密接する位置に来ないように張出した張出部材とが設けられ、前記張出部材は前記主商品支持部材または前記次期商品支持部材のどちらかの前記揺動軸に取付けられ、前記次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出すことで、前記次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空隙が形成されることを特徴とする商品投出装置である。
【0013】
本発明の商品投出装置では、張出部材は主商品支持部材または次期商品支持部材のどちらかの揺動軸に取付けられている。そして張出部材は次期商品支持部材が後退位置にあるとき、次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出している。そのため商品は張出部が障害となり、次期商品支持部材に密接する位置には来ない。したがって次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空間が確保される。そのため次期商品支持部材は確実に支持される。
【0023】
また張出部は付勢部材によって中央側に向かって突出方向に付勢された構成を採用することもできる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明にさらに、張出部材は付勢部材によって付勢され、次期商品支持部材が後退位置にあるとき、次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出している構成を採用することもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の自動販売機の商品投出装置の正面図である。図2は、図1の自動販売機の商品投出装置の側面図である。図3は、図1の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図である。図4は、図1の自動販売機の商品投出装置のリンクBの後端部の様子を示す斜視図である。図5は、図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって太缶を投出する際の動作を説明する説明図である。図6は、図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明図である。図7は、図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって細缶を投出する際の動作を説明する説明図である。図8は、図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作の中で、最も角ペットボトルが上部フラッパ側に寄った状態を示す説明図である。
【0026】
図において、20は、本発明の実施形態の自動販売機の商品投出装置を示す。本実施形態の商品投出装置20は、枠状のフレーム21を持ち、その上下にフラッパ(商品支持部材)22,23が設けられたものである。ここで下部(下流側)のフラッパ23は、商品通路の最も下流にある商品を保持するものであり、主商品支持部材として機能する。下部フラッパ23には、後退阻止部材25が配備されている。
また上部フラッパ22は、下から2個目の商品を保持するものであり、次期商品支持部材として機能する。さらに上部フラッパ22には、張出部材26が装備されている。また本実施形態の商品投出装置20は、他にソレノイド27、連動部材28等を持つ。
【0027】
順次説明すると、フレーム21は、鋼の薄板をプレスした後、曲げ加工して作られたものであり、上下のフラッパ22,23が取り付けられる部位に、略正方形の開口101が設けられている。ただし、下部フラッパ23が装着される部位の開口には、板状部材103が設けられており、開口101の下部の一部を閉塞している。すなわちフレーム21の下部フラッパ23の裏面側の位置には板状部材103が設けられている。
板状部材103が設けられた位置は、フレーム21の中心から向かって左側であり、商品投出装置20を背中合わせに重ねた時に、後記するリンクBを覆う部位である。
【0028】
またフレーム21の正面側であって、上部フラッパ22が取り付けられる開口101の上部には、突起71a,71bが設けられている。突起71a,71bは、同一の高さであり、断面形状も同一である。すなわち商品投出装置側突起71a,71bの縦断面形状は、図2,6,7,8の様に台形であり、傾斜部109,107と平面部108を持つ。
【0029】
次期商品支持部材たる上部フラッパ22は、高剛性のエンジニアリングプラスチックや金属のダイカストで成形されたものであり、図2,3の様に本体部30とガイド溝部31を持つ。本体部30は板状であり、一辺側(図面 下辺)に軸孔32が設けられている。そして本体部30の背面にガイド溝部31が設けられている。すなわち本体部30の背面には、3個(1個のみ図示)の板状突起33が設けられ、当該板状突起33にガイド溝34が形成されている。板状突起33の平面は、前記した本体部30の平面に対して垂直である。ガイド溝部31は、一端が開放されている。板状突起33と本体部30を含む平面では、ガイド溝34は本体部30に対して45°程度の角度を持つ。
【0030】
一方、張出部材26は、枠状であって中央に長方形の大きな開口35を持つ。開口35の長さは、前記した上部フラッパ22の長さよりも長い。そして張出部材26の一辺側には軸孔36が形成されている。
【0031】
次に主商品支持部材たる下部フラッパ23について説明する。主商品支持部材たる下部フラッパ23は、金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材38が一体化されたものである。すなわちフラッパ部材37は、金属製であり、長方形の板状をしている。またその一辺に軸孔40が設けられている。
【0032】
一方、接合部材38は、板状部43の一辺側に軸孔41が設けられ、さらに下面側にガイド部44が設けられたものである。ガイド部44は、板状部43の平面に対して垂直の面にあり、ガイド溝45が形成されている。ガイド溝45は、図2の様に円弧状をしている。
金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材38は、図示しない嵌合構造によって一体化されており、フラッパ部材37の軸孔40と接合部材38の軸孔41は連通する。
【0033】
後退阻止部材25は、本実施形態では、二つのリンクA,Bによって構成されている。
リンクAは、二本の平行な帯状部材61a,61bを持ち、これが向き合わせに配され、その一面側(商品通路側)に隠し板62が溶接されたものである。
リンクBは二本の帯状の部材である。
【0034】
連動部材28は板状の部材であり、下部にフック47が設けられ、中間部に軸48が挿通されている。また連動部材28は、フレーム21に設けられたソレノイド27に接続されており、フレーム21に対して上下に昇降する。
【0035】
次に各部材の組み立て構造について説明する。
上記した各部材は、いずれもフレーム21に取り付けられている。すなわち上部フラッパ22は、フレーム21の開口101を覆う位置に設けられ、本体部30の軸孔32に軸50が挿通され、フレーム21に対して揺動自在に取り付けられている。ここで上部フラッパ22は、その下部に軸50が挿通されており、上辺側が自由端となる。また図示しないストッパが設けられており、上部フラッパ22は、垂直から約30°程度の範囲内において揺動する。
上部フラッパ22がフレーム21に取り付けられた状態においては、上部フラッパ22の背面側のガイド溝部31はフレーム21の背面側に位置する。そしてガイド溝部31のガイド溝34には、連接部材28の軸48が係合している。
【0036】
また張出部材26についても一辺側に設けられられた軸孔36に軸51が挿通されてフレーム21に取り付けられている。ここで張出部材26は、その上部に軸51が挿通されており、下辺側が自由端となる。
張出部材26についても図示しないストッパが設けられており、垂直姿勢から水平姿勢に至る範囲において揺動する。また張出部材26は、常時水平姿勢となる様にバネ54によって付勢されている。すなわち張出部材26は、常時突出方向に付勢されている。なお張出部材26を付勢する手段は、バネに限定されるものではなく、他の弾性体を活用することもできる。
【0037】
また張出部材26と上部フラッパ22の位置関係は、張出部材26の揺動軸51が上部にあり、上部フラッパ22の揺動軸50が下部にある。そして張出部材26は、下端側がフレーム21に対して突出方向に揺動し、上部フラッパ22は上端側がフレーム21に対して突出方向に揺動する。また上部フラッパ22が収納された状態の時、すなわち閉じた状態のとき、上部フラッパ22の上端の高さは、張出部材26の揺動軸51の高さと略一致する。そのためフレーム21に取り付けられた状態においては、側面から見て、上部フラッパ22と張出部材26の揺動軌跡は交差する。
【0038】
しかしながら、上記した様に張出部材26は枠状であって開口35を持ち、かつ開口35の長さは、上部フラッパ22の長さよりも長いので、上部フラッパ22は、張出部材26の開口35内にすっぽりと入り込む。したがって側面から見て、上部フラッパ22と張出部材26の揺動軌跡は交差するものの、張出部材26の位置に係わらず、上部フラッパ22は全揺動範囲に渡って揺動することができる。
【0039】
一方、張出部材26は、上部フラッパ22の位置によって動作範囲の制約を受ける。すなわち上部フラッパ22が垂直の状態にあるとき、上部フラッパ22の先端が張出部材26の先端と係合し、張出部材26は、水平姿勢を維持して揺動できない。張出部材26は、上部フラッパ22が最も突出した状態にあるとき、先端側の枠56の内側が上部フラッパ22の突端部57と係合して固定される。
【0040】
また図5(a)、図8の様に上部フラッパ22が完全に収納され、且つ張出部材26も収納された状態にあるとき、張出部材26の先端部分(張出部)39は、上部フラッパ22の揺動軸50の近傍に位置する。そしてこの時、張出部材26の先端部分(張出部)39は、上部フラッパ22の突端部(商品保持部分)57よりも商品通路2の中央側に向かって張出している。
すなわち上部フラッパ22と張出部材26の両者がフレーム21側に後退した時、少なくとも、張出部材26の先端部分(張出部)39は、上部フラッパ22の次期商品支持部分(突端部57)よりも商品通路2の中央側に向かって張出している。
【0041】
次に下部フラッパ23側の組み立て構造について説明する。 下部フラッパ23は、前記した上部フラッパ22の下部(下流側)に位置して取り付けられる。すなわち下部フラッパ23は、本体部分に設けられた軸孔40と、接合部材38に設けられた軸孔41の双方に軸58が挿通され、フレーム21に対して揺動自在に取り付けられている。下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記した張出部材26を揺動させる軸51との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等しい。言い換えると、下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記した張出部材26を揺動させる軸51との距離は、販売対象となる缶又は瓶の内で最も小さいものと略等しく、好ましくは、この距離は最も小径の缶等の±10%の範囲にある。
【0042】
本実施形態では、下部フラッパ23は、その上部に軸58が挿通されており、下部側が自由端となる。また図示しないストッパが設けられており、下部フラッパ23は、垂直から略水平の範囲内において揺動する。
また下部フラッパ23は、常時略水平姿勢となる様にバネ59(図1)からなる付勢手段によって付勢されている。すなわち下部フラッパ23は、バネ59によって常時突出方向に付勢され、水平姿勢を保つ。なお下部フラッパ23の姿勢は、水平から20°程度の範囲、より好ましくは、15°〜20°程度の範囲内の傾斜であることが望ましい。またこの場合の傾斜方向は、自由端側が下であり、揺動中心が上である。この様に自由端側を下にする理由は、商品を商品投出装置20と対向する壁側に寄せ、張出部材26の揺動範囲から商品を遠ざけるためである。
なお下部フラッパ23を付勢する手段は、バネに限定されるものではなく、他の弾性体を活用することもできる。
【0043】
そして下部フラッパ23のガイド溝45にリンクAの先端がピン60を介して係合している。従ってリンクAの先端は、ガイド溝45に沿って摺動自在であり、かつピン60を介して回動することもできる。
またリンクAの他端側は、ピン63によってフレームの一部65に設けられた孔105に揺動可能に軸止されている。
【0044】
リンクBの先端は、リンクAの中間部分にピン64を介して取り付けられている。一方、リンクBの後端側には軸66が挿通され、さらに軸66は、フレームの一部65に設けられたガイド溝67と係合している。なお、ガイド溝67は、僅かに湾曲し、略垂直方向にのびる。従ってリンクBの後端側は、ガイド溝67にそって略垂直方向に移動する。
またリンクBに挿通された軸66には、図4の様に連動部材28のフック47の下端が係合可能である。ただし連動部材28のフック47は、軸66の下端側にあるものの、両者は一体ではない。より具体的には、フック47を上昇させると、軸66はフックに引っかけられて上に移動するが、軸66は単独で上昇することもできる。
【0045】
下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関係は、図2の通りであり、下部フラッパ23が略水平姿勢にあるとき、下部フラッパ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置する。したがって、下部フラッパ23から受ける力は、リンクAに対して軸方向にのみ作用し、リンクAは揺動せず、下部フラッパ23を略水平姿勢に保持する。
またこのとき、リンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置する。すなわちリンクBは、リンクAが上記した関係を崩す方向に対して垂直方向に位置する。より具体的には、リンクAはフレーム21側(商品通路の側壁側)に移動すると下部フラッパ23を支持し得なくなるが、リンクBによってリンクAがフレーム21側に移動することを阻止している。
本実施形態では、リンクAから受ける力は、リンクBに対して軸方向にのみ作用し、リンクBは揺動しない。すなわち前記したリンクAは、下部フラッパ23の移動を阻止し、リンクBは前記リンクAの移動を阻止する。
【0046】
一方、リンクBの後端側が移動してこれらの関係が崩れると、下部フラッパ23の姿勢を維持することができなくなる。
すなわちリンクBの後端側が上部に僅かに移動すると、リンクAから受ける力によってリンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの後端側はその力によって更に上昇する。
その結果、リンクBと結合したリンクAが揺動する。すなわちリンクAの先端側のピン60が下部フラッパ23のガイド溝45に沿って移動し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が変わる。そのため下部フラッパ23から受ける力によってリンクAに揺動方向の力が生じ、リンクAは閉じる方向に移動する。その結果下部フラッパ23は、収納方向に移動する。
【0047】
上記した自動販売機の商品投出装置20は、図2,5,6,7の様に、自動販売機の商品通路2の下部に取り付けられる。また商品通路2の対向壁106には、図5,6,7の様に上部フラッパ22が飛び出した状態の時の、上部フラッパ22の最高高さに相当する位置に、壁側突起70が設けられている。壁側突起70の断面形状は、図2,5,6,7の様に、略直角三角形である。すなわち突端部110の下部は、水平壁111となっており、上部は比較的なだらかな傾斜壁112となっている。
壁側突起112の傾斜壁112は、上流側から下流側にかけて次第に突出量が増大する様に傾斜する傾斜面(傾斜部)112を形成する。そしてこの傾斜面の角度、すなわち傾斜壁112の傾斜角度θは、15°以下であり、より好ましくは12°以下である。
一方、商品投出装置20のフレーム21にも、前記した様に商品投出装置側突起71があり、両突起70,71の高さは段違い状態となっている。すなわち商品通路の対向壁側の突起70と商品投出装置20側の商品投出装置側突起71は近似した高さにあり、商品投出装置20側の突起71が僅かに高い位置にある。
なお壁側突起112の高さと商品投出装置側突起71の高さは、略等しい。具体的には両者の差は、15%以下であり、具体的数値としては2mm以下である。またより推奨される両者の差は1.5mm以下である。
【0048】
ここで本実施形態の商品投出装置20と、商品通路の対向壁106の各部の位置関係を、詳細に説明すると、商品通路2の幅をWとした時、商品投出装置20に設けられた突起71と対向壁106間の距離Waは、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満である。また対向壁106に設けられた壁側突起70の突端部110と、これに対向する位置における商品投出装置20との距離Wbについても、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満である。さらに商品投出装置20に設けられた突起71と対向壁側の突起70との最短距離Wcについても、商品通路の幅Wの85%以上95%未満である。
また上部フラッパ(次期商品支持部材)22が突出した状態における張出部材26と壁側突起70の突端110との最短距離Wdは、商品通路2の幅Wの65%以下である。
【0049】
さらに壁側突起70の突端部110の位置及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置関係は、商品通路2の幅Wの88%の直径を持つ円筒が下部フラッパ23に支持されたときに当該円筒の一部が壁側突起70の突端部110と当接し、商品通路2の幅Wの70%の直径を持つ円筒が下部フラッパ23に支持されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起70の突端部110と接しない関係にある。
なお商品通路2の幅Wの88%は、狙いとする大径商品(太缶)の平均的な直径に相当する寸法である。また商品通路2の幅Wの70%は、狙いとする小径商品(細缶)の平均的な直径に相当する寸法である。
壁側突起70の突端部110の位置及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置関係を、上記の通りとすることにより、狙いとする大径商品及び小径商品の双方を円滑に投出することができる。
【0050】
次に本実施形態の自動販売機の商品投出装置20の全体的な作用について説明する。図5は、本実施形態の自動販売機の商品投出装置20によって太缶を投出する場合の様子を示す。
本実施形態の商品投出装置20を太缶の排出に使用する場合は、図5(a)の様に最も下端の缶72は、下部フラッパ23によって支持される。太缶72が下部フラッパ23に載置された時、太缶72の一部、より具体的には、太缶72の中心軸を通る水平軸に対して10°〜20°程度上方の位置が壁側突起70の突端部110と接する。なお本実施形態においては、太缶72は壁側突起70の突端部110、下部フラッパ23及び商品投出装置20の一部の3点で支持され、商品通路の対向壁106とは接しない。
【0051】
またこの時の下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関係は、前記した通りであり、下部フラッパ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置する。したがって太缶の荷重は、リンクAによって阻止され、さらにリンクAはリンクBによって固定される。そのため下部フラッパ23は略水平姿勢を維持し、太缶は落下しない。
【0052】
またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿勢にあり、後退している。
張出部材26は、バネ54によって突出方向に付勢されているが、太缶72に押されて図5(a)の様に引き込んだ姿勢となっている。
【0053】
続いて硬貨の投入及び商品の選択により、所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる軸66を引き上げる。そうすると、リンクBとリンクAの上記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によってリンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの後端側はその力によって更に上昇する。すなわち連動部材28のフック47は、軸66を引っかけているのに過ぎず、軸66は、フック47を離れて上部に移動することができるから、リンクBの後端側は、連動部材28の上昇よりも早く上昇する。そしてリンクBに連れてリンクAが揺動し、リンクAの先端側のピン60が下部フラッパ23のガイド溝45に沿って移動し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が変わる。そのため太缶の荷重によって、下部フラッパ23は、押し開かれる。
その結果、最下部に位置する太缶72が落下し商品が排出される。
【0054】
そしてソレノイド27によって引き続き連動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸48と、上部フラッパ22のガイド溝34との位置関係が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺動する。すなわち図5(b)の様に上部フラッパ22が突出する。ここで前記した様に、張出部材26は枠状であって開口35を持ち、かつ開口35の長さは、上部フラッパ22の長さよりも長いので、上部フラッパ22は、張出部材26の開口35内にすっぽりと入り込み、張出部材26の位置に係わらず、上部フラッパ22は全揺動範囲に渡って揺動することができるので、上部フラッパ22は障害なく突出することができる。その結果、上部フラッパ22の突端部57が下から2個目の缶73と当接し、缶73の落下を防ぐ。
【0055】
この時の太缶73の様子は、図5(b)の様であり、太缶73は、商品投出装置20の突起71の平面部108と、対向壁106の壁側突起70の傾斜壁112に挟まれ、さらに下部が上部フラッパ22の突端部57で支持されて安定する。
【0056】
この様に缶73が上部フラッパ22によって保持され、下部フラッパ23は無荷重となるので、下部フラッパ23は、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定する。
そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。
【0057】
また上部フラッパ22が戻ると、缶73は、つっかえが外された状態となって落下するが、本実施形態では、商品投出装置20と対向壁106の双方に突起70,71が設けられているので、缶73は、ややジグザグ状に移動して下部フラッパ23に載置される。すなわち本実施形態では、商品投出装置20側の突起71と壁側突起70が段違い状態となっており、商品投出装置20側の突起71が壁側突起70に比べて僅かに高い位置にある。また対向壁106側の突起70は、断面形状が、図2,5,6,7の様に、略直角三角形であり、突端部110の下部の上部は比較的なだらかな傾斜壁112となっている。さらに商品投出装置20に設けられた突起71と対向壁106間の距離Waは、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満であり、商品通路2の他の部分に比べて狭く規制されている。また対向壁106に設けられた壁側突起70の突端部110と、これに対向する位置における商品投出装置20との距離Wbについても、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満であり、商品通路2の他の部分に比べて狭く規制されている。
【0058】
そのため缶73は、上部フラッパ22が戻った際、対向壁106側の壁側突起70の傾斜壁112に沿って商品投出装置20側に移動する。そして缶73は、商品投出装置20に設けられた突起71と壁側突起70との最短距離Wcの部位を通過し、下部に至る。ここで本実施形態では、商品投出装置20に設けられた突起71と壁側突起70との最短距離Wcについても、商品通路の幅Wの85%以上95%未満の広さを持つので、比較的太い缶でも容易に通過することができる。
【0059】
また本実施形態では、下部フラッパ23が水平から20°程度の範囲の角度をもって自由端側が下に傾斜しているので、缶73は対向壁106側に移動する。その結果、缶73は、ややジグザグ状に移動して下部フラッパ23に載置される。
【0060】
以上は、太缶を販売する場合の動作であるが、次に角ペットボトルを販売する場合の動作について説明する。角ペットボトルを販売する場合の注意点として角ペットボトルを回転させずに排出することが挙げられる。すなわち円筒缶は、商品通路を落下する時の回転姿勢がどうであれ商品通路やフラッパ22,23等との当接関係は変わらないが、角ペットボトルでは、回転姿勢によって商品支持部材等との当接関係が大きく変化する。たとえば角ペットボトルが角の部分を先頭に落下すると、下部フラッパ23に角ペットボトルの角の部分が接し、不安定な状態で支持されることとなる。そのため角ペットボトルの様な角状の商品は、平面部分が最下部となる様に落下させることが望ましい。そこで本実施形態では、壁側突起112の傾斜壁112を15°以下のなだらかなものとし、角ペットボトルが回転しない様に配慮している。すなわち本発明者らの研究によると、壁側突起112の変化率(勾配)が急激であると角ペットボトルの角が壁側突起112に引っ掛かり、角ペットボトルの両側面の落下速度に違いが生じる。そのため角ペットボトルが回転して角の部分が最下部となってしまうことが分かった。一方、当該傾斜面の角度が商品通路に対して15°以下である場合は、商品の回転が発生する頻度は極めて少ないものとなる。すなわち傾斜面の角度が小さい場合は、角ペットボトルの両側面の落下速度の違いが少なく、角ペットボトルが回転しない。傾斜面の角度が商品通路に対して15°以下である場合は、角ペットボトルがたとえ回転したとしても回転角度が小さく、角ペットボトルが下部フラッパ23と接した時に自然に元の姿勢に復帰する。
これに対して傾斜面の角度が商品通路に対して15°を越えると、数十回に1回の割合で角ペットボトルが正規の姿勢に復帰しない場合が生じる。
そこで本実施形態では、壁側突起112の傾斜壁112を15°以下のなだらかなものとし、角ペットボトルの回転を阻止している。
【0061】
角ペットボトルを販売する場合の基本的な動作は、図6の通りであり、下端の角ペットボトル74が下部フラッパ23によって支持され、この時、上部フラッパ22は、垂直姿勢にあり、後退している。また張出部材26は、角ペットボトル74に押されて図6(a)の様に引き込んだ姿勢となっている。
【0062】
ここで注目すべきは、最も下部にある角ペットボトル74の位置である。すなわち商品通路2の幅Wは、角ペットボトル74の幅よりも大きいから、角ペットボトル74は商品通路2の幅方向に自由度を持つ。そして上記した様に下端の角ペットボトル74が下部フラッパ23によって支持されるが、前記した様に角ペットボトル74が商品通路2の幅方向に自由度を持つ故、角ペットボトル74は、商品投出装置20側に寄った位置に載置される場合や対向壁106側に寄った位置に載置される場合がある。
そして「解決しようとする課題」の欄で説明したように、角ペットボトル74が過度に商品投出装置20側に近接すると、角ペットボトル74の壁が上部フラッパ22の動作を阻害し、商品の2個出しが発生してしまう。
【0063】
これに対して、本実施形態の商品投出装置20では、張出部材26の先端部分(張出部)39は、上部フラッパ22の突端部57よりも商品通路2の中央側に向かって張出している。すなわち上部フラッパ22と張出部材26の両者がフレーム21側に後退した時、少なくとも、張出部材26の先端部分(張出部)39は、上部フラッパ22の次期商品支持部分(突端部57)よりも商品通路2の中央側に向かって張出している。
そのため本実施形態では、張出部材26の先端部分(張出部)39が邪魔をして角ペットボトル74と上部フラッパ22の間に空隙46が生じる。すなわち図8が、最も角ペットボトル74が上部フラッパ22側に寄った状態を示す。本実施形態では、張出部材26の先端部分(張出部)39が角ペットボトル74の一部と当接するので、角ペットボトル74の壁が、直接的に上部フラッパ22と接することはない。
【0064】
続いて硬貨の投入及び商品の選択により、所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して連動部材28が引き上げられ、リンクBとリンクAの上記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によってリンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの後端側はその力によって更に上昇し、角ペットボトルの荷重によって、下部フラッパ23は、押し開き方向に移動する。
そのため最下部に位置する角ペットボトル74が落下し商品が排出される。
【0065】
そしてソレノイド27によって引き続き連動部材28が引き上げられ、上部フラッパ22のガイド溝部31との位置関係が変化して上部フラッパ22が突出する。
ここで本実施形態では、張出部材26の先端部分(張出部)39の作用により、角ペットボトル74と上部フラッパ22の間に空隙46が確保されているので、上部フラッパ22の先端側の動作を阻害するものはなく、上部フラッパ22の動作は円滑である。そのため上部フラッパ22が突出し、上部フラッパ22の次期商品支持部分(突端部57)が角ペットボトル74の角の部分と当接し、角ペットボトル75の落下を防ぐ。
【0066】
そのため下部フラッパ23は無荷重となり、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定する。
そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。
その結果、角ペットボトル75は、ややジグザグ状に移動して下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に支持される。
【0067】
また張出部材26は、バネ54によって突出方向に付勢されているので、角ペットボトル75が落下する際に角ペットボトル75を対向壁106側に押す。そのため角ペットボトル75は、下部フラッパ23の対向壁106側に近い側に落下し、上部フラッパ22から比較的遠い位置において下部フラッパ23に載置される。
【0068】
続いて細缶を販売する場合の動作を図7に基づいて説明する。細缶を販売する場合の動作は、先の太缶等の場合と大きく異なる。
すなわち本実施形態の商品投出装置20を細缶の排出に使用する場合は、図7(a)の様に最も下端の缶76は、下部フラッパ23によって支持される。このとき、缶76はいずれの部分も突起70の突端部110と接しない。すなわち細缶76は、対向壁106、下部フラッパ23及び商品投出装置20の一部の3点で支持され突起70とは接しない。
本実施形態では、細缶76の一部は対向壁106と接しているが、当該接触部位は対向壁106に設けられた突起70の下部近傍であり、細缶76の最上部の高さは突起70の突端部110の高さを越えるものの、細缶76外周の曲率が大きく、且つ突起70の高さが低いために突起70の突端部110は細缶76と接しない。
【0069】
このとき、下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関係は、前述の太缶の場合と同一であり、下部フラッパ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置する。したがって細缶の荷重は、リンクAによって阻止され、さらにリンクAはリンクBによって固定され、下部フラッパ23は略水平姿勢を維持し、細缶は落下しない。
【0070】
またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿勢にあり、後退している。
ここで前記した太缶及び角ペットボトルを販売する場合は、張出部材26は、太缶に押されて図5(a)の様に引き込んだ姿勢となっていたが、細缶を販売する場合には、張出部材26は突出した姿勢となる。すなわち細缶は径が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記した張出部材26を揺動させる軸51との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等しいため、張出部材26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付勢されて水平姿勢となる。
【0071】
続いて硬貨の投入及び商品の選択により、所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる軸66を引き上げる。そうすると、リンクBとリンクAの上記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によってリンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの後端側はその力によって更に上昇する。そしてリンクBに連れてリンクAが揺動し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が変わり、細缶の荷重によって、下部フラッパ23は、閉塞方向に移動する。
そのため最下部に位置する細缶76が落下し商品が排出される。
【0072】
そしてソレノイド27によって引き続き連動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸48と、上部フラッパ22のガイド溝部31との位置関係が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺動する。すなわち図7(b)の様に上部フラッパ22が突出する。
ここで本実施形態では、前記した様に細缶の径が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記した張出部材26を揺動させる軸51との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等しいため、張出部材26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付勢されて水平姿勢となっている。
そのため上部フラッパ22は、張出部材26が水平姿勢となった状態で揺動し、その先端部が張出部材26の先端部と係合する。したがって張出部材26は、図7(b)の様に先端側が上部フラッパ22によってつっかえられた状態となり、揺動しない。またこのとき張出部材26の最先端は、上部フラッパ22の先端よりも対向壁106側に突出しているので、全体としての突出量は、上部フラッパ22単独の場合に比べてより先端側に位置する。
【0073】
そのため張出部材26の最先端は、図7(b)の様に2個目の細缶77と接し、細缶77の落下を防ぐ。すなわち上部フラッパ22は、実質的に張出部材26によって延長され、細缶77と接して細缶77の落下を防ぐ。
【0074】
そのため下部フラッパ23は無荷重となり、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定する。
そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。
そうすると、2個目の細缶77をおさえていた張出部材26は、つっかえとなる部材を失い、細缶77の重量におされて傾斜する。そして細缶77は、ややジグザグ状に移動して下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に支持される。
【0075】
(実施形態2)
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態の自動販売機の商品投出装置の正面図である。図10は、図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置のフレームの正面図である。図11は、図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図である。図12は、図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の待機状態を裏面側から見た斜視図である。図13,14は、図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の商品排出時の状態を裏面側から見た斜視図である。図15は、図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の商品排出直後の状態を裏面側から見た斜視図である。図16は、図12の円A部分の拡大図であり、自動販売機の商品投出装置の仮止め部材の斜視図である。図17,18は、図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって缶を投出する際の動作を説明する説明図である。
【0076】
本実施形態の自動販売機の商品投出装置120は、前記した実施形態の商品投出装置20の下部フラッパ23の一部を改良したものである。本実施形態の自動販売機の商品投出装置120で採用する上部フラッパ22の構成は、先と全く同一である。そのため下部フラッパ23の基本構成や上部フラッパ22の構成については簡単な説明に止め、特徴部分たる下部フラッパの改良部分に重点をおいて説明する。また先の実施形態と共通する部品や、同一の機能を発揮する部品については、同一の番号を付して重複して説明を省略する。
【0077】
以下説明すると、商品投出装置120は、先の実施形態と同様に枠状のフレーム21を持ち、その上下にフラッパ(商品支持部材)22,23が設けられたものである。フレーム21は、鋼板を曲げ加工して作られたものであり、上下のフラッパ22,23が取り付けられる部位に、開口101が設けられている。しかしながら開口101の下部フラッパ23が装着される部位の開口には、板状部材103が設けられており、開口101の一部を閉塞している。
板状部材103が設けられ位置は、フレーム21の中心から向かって左側であり、商品投出装置20を背中合わせに重ねた時に、後記するリンクBを覆う部位である。
【0078】
またフレーム21の正面側であって、上部フラッパ22が取り付けられる部位の開口101の上部には、突起71a,71bが設けられている。突起71a,71bは、同一の高さであり、断面形状も同一である。すなわち突起71a,71bの縦断面形状は、図2,5,6,7の様に台形であり、傾斜部109,107と平面部108を持つ。
【0079】
また本実施形態では、フレーム21の裏面側に図13〜15の様に二本の支持棒117,118が設けられている。支持棒117,118は、後記する固定側部材125を含めて、全て樹脂によって作られている
支持棒117,118には、図13〜15の様に3個の長穴124,121,122と、一つの丸穴123が設けられている。この内、最も上部に設けられた長穴120は、直線状であり、連接部材28の軸48をガイドするものである。
また中間部の長穴121は、リンクBの後端側を軸66を介して支持するものであり、図12に示すように弓形をしている。より詳細には、長穴121は、両端部が直線状であって支持棒117,118の軸方向にのび、中間部が円弧状をしている。すなわち長穴121は、両端に直線部121a,bを持ち、その中間部に円弧部121cを持つ。
支持棒117,118の長穴121は、リンクBの後端側をガイドするものである。最も下部に設けられた長孔122は、リンクAの後端側を支持する軸132が挿通される。
【0080】
また丸孔123には、下部フラッパ23の揺動軸58が挿通される。ここで本実施形態の商品投出装置120では、一方の支持棒118の丸孔123に、仮止め手段115の一部たる固定側部材125が設けられている。固定側部材125は、図16に示すように、丸孔123の端面に設けられた3個の切欠穴137である。すなわち商品投出装置120では、支持棒118の、下部フラッパ23の揺動軸58を挿通する丸孔123端面に、3個の切欠穴137が等間隔に設けられている。
【0081】
上部フラッパ22は、下から2個目の商品を保持するものであり、次期商品支持部材として機能する。上部フラッパ22の構造は、前記した実施形態と同一であり、張出部材26が装備されている。
【0082】
次に主商品支持部材たる下部フラッパ23について説明する。主商品支持部材たる下部フラッパ23は、金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材38が一体化されたものである。すなわちフラッパ部材37は、金属製であり、長方形の板状をしている。またその一辺の両端に軸孔40が設けられている。
【0083】
一方、接合部材38は、板状部43の一辺側の両端及び中央に軸孔41a,41b,41cが設けられ、さらに下面側にガイド部44が設けられたものである。
ここで本実施形態の商品投出装置120では、板状部43の中央の軸孔41bに仮止め手段115の一部たる駆動側部材116が設けられている。駆動側部材116は、図16に示すように、軸穴41bの端面に設けられた3個の突起138である。すなわち商品投出装置120では、板状部43の中央の軸孔41bの端面に3個の突起138が等間隔に設けられている。そして駆動側部材116を構成する突起138は、特定の回転姿勢の際に、支持棒118の丸孔123の端面に設けられた3個の切欠穴137(固定側部材125)と係合する。
【0084】
またガイド部44は、板状部43の平面に対して垂直の面にあり、ガイド溝45が形成されている。ガイド溝45は、図11,17の様に直線状をしている。
金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材38は、図示しない嵌合構造によって一体化されており、フラッパ部材37の軸孔40と接合部材38の軸孔41a,b,cは連通する。
【0085】
後退阻止部材25は、本実施形態では、二つのリンクA,Bによって構成されている。
リンクAは、一枚の板体を曲げ加工して略「コ」の字状に構成されたものであり、二本の平行な帯状部材61a,61bを持ち、その一面側(商品通路側)に隠し板62が形成されたものである。帯状部材61a,61bの一方には丸孔130が設けられている。また帯状部材61a,61bの他方には長孔131が設けられている。
【0086】
またリンクAの隠し板62の中央部分は、二箇所の部分で半円状に切り返されている。当該切り返し部135は、帯状部材61a,61bと平行に折り立てられている。そして切り返し部135には、孔136が設けられている。
リンクBは2個の樹脂で作られたリンク片によって構成されている。各リンク片の全体形状は板状であり、一方の辺部側の部位には側面同士を貫通する貫通孔126が設けられている。また他辺側には切欠部が設けられ、前記した貫通孔126と平行にピン127が設けられている。
【0087】
連動部材28は先の実施形態と同一であり、下部にフック47が設けられ、中間部に軸48が挿通されている。また連動部材28は、フレーム21に設けられたソレノイド27に接続されており、フレーム21に対して上下に昇降する。
【0088】
次に各部材の組み立て構造について説明する。
上記した下部フラッパ23の各部材は、いずれもフレーム21に取り付けられている。すなわち下部フラッパ23は、本体部分に設けられた軸孔40と、接合部材38に設けられた軸孔41の双方に軸58が挿通され、フレーム21に対して揺動自在に取り付けられている。下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記した張出部材26を揺動させる軸51との距離は、先の実施形態と同一である。
【0089】
本実施形態においても、下部フラッパ23は、その上部に軸58が挿通されており、下部側が自由端となる。また図示しないストッパが設けられており、下部フラッパ23の揺動範囲が規制されている。ここで先の実施形態においては、下部フラッパ23の揺動範囲は垂直から略水平姿勢までの範囲であったが、本実施形態においては、下部フラッパ23は、水平よりも5〜10°程度、自由端側が上になるまで揺動可能である。
また本実施形態においては、下部フラッパ23は、常時開き姿勢となる様にバネ59(図1)からなる付勢手段によって付勢されている。すなわち下部フラッパ23は、バネ59によって常時突出方向に付勢されている。
【0090】
また本実施形態においては、バネ140によって下部フラッパ23が軸方向に付勢されている。
すなわち本実施形態の商品投出装置120では、下部フラッパ23を揺動させる軸58にバネ140が挿通されている。当該バネ140の取付け位置は、図12〜16に示すように支持棒117(固定側部材125が設けられていない側)と下部フラッパ23(板状部43)の中央の軸孔41bの間の部分である。ここで支持棒117は、フレーム21に対して一体的に取り付けられているから、下部フラッパ23は、バネ140の作用によって他方の支持棒118側に向かって押圧されている。前記した様に下部フラッパ23(板状部43)の中央の軸孔41bには仮止め手段115の一部たる駆動側部材116が設けられており、他方の支持棒118には固定側部材125が設けられているから、バネ140によって駆動側部材116が、固定側部材125に向かって常時付勢されている。
【0091】
また下部フラッパ23側に設けられた駆動側部材116は、下部フラッパ23の揺動に伴って揺動し、下部フラッパ23が最も開いた状態の時に駆動側部材116と固定側部材125が係合する。より具体的には、下部フラッパ23が揺動して、自由端側が水平よりも5〜10°程度上位に位置するとき、下部フラッパ23に設けられた3個の突起138の位置が、固定側部材125に設けられた3個の切欠孔137の位置と合致し、駆動側部材116と固定側部材125が互いに係合する。
【0092】
そして下部フラッパ23のガイド溝45にリンクAの先端が軸60を介して係合している。すなわちリンクAの帯状部材61a,61bの丸孔130に軸60が挿通され、さらにその軸60の両端が下部フラッパ23のガイド溝45と係合している。従ってリンクAの先端は、ガイド溝45に沿って摺動自在であり、かつ軸60を介して回動することもできる。
またリンクAの他端側に設けられた長孔131には、軸132が挿通され、さらに軸132は、支持棒117,118の端部(図面下部)の長穴122及びフレームの一部21に設けられた長孔133に挿通されている。
リンクAの他端側は、前記した様に軸132を介して支持棒117,118に取り付けられているので、当該軸132を中心として揺動可能である。またさらに軸132が支持される支持棒117,118及びフレーム21には、長孔122,133が設けられているので、リンクAは長孔122,133の範囲に限って直線移動することができる。
【0093】
リンクBの先端は、リンクAの隠し板62に設けられた切り返し部135に回動可能に取り付けられている。すなわちリンクBの先端に設けられたピン127が、切り返し部135に設けられた孔136と係合している。
一方、リンクBの後端側には軸128が挿通され、支持棒117,118の中間部の長穴121と係合している。
長穴121は、弓状であって僅かに湾曲し、略垂直方向にのびる。従ってリンクBの後端側は、長穴121にそって略垂直方向に移動する。
【0094】
またリンクBに挿通された軸128には、図11〜15の様に連動部材28のフック47の下端が係合可能である。フック47と軸128との関係は先の実施形態と同様であり、フック47を上昇させると、軸128はフックに引っかけられて上に移動するが、軸128は単独で上昇することもできる。
【0095】
下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関係は、図17(a)の通りであり、下部フラッパ23が水平よりも僅かに自由端側が下にある時、下部フラッパ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の略接線方向にリンクAが位置する。より正確には、リンクAは、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向から僅かに外れており、揺動中心となる軸132を中心として、他端がフレーム21に近接する方向(図の反時計回り)に回転力を得る位置にある。ただし、前記した様に、リンクAの下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向に対するずれは僅かであり、リンクAに掛かる回転力はごく小さいものである。
また当該位置は、ガイド溝45の端部であって、リンクAの先端部はガイド溝45の端部をストッパーとして停止する。一方、リンクAの他端は軸132を介してフレーム21に結合される。したがって、下部フラッパ23、リンクA、フレーム21によって閉塞された三角形を構成し、下部フラッパ23から受ける力は、主にリンクAに対して軸方向力として作用する。そのため下部フラッパ23が商品から受ける力は、その大部分がリンクAの軸方向に作用し、下部フラッパ23が商品から受ける力は、リンクAによって支持される。
またリンクAに僅かに生じる回転力は、リンクBによって支持される。
【0096】
すなわちこのとき、リンクBは下端が長穴121の下端側の直線部121bに位置する。この時のリンクBの姿勢は、リンクAの揺動軌跡の接線からわずかに外れており、リンクBは、リンクAの揺動中心軸132を中心としてリンクAが閉塞方向(反時計回り)に回転したとき、リンクBの下端が下方向に力を受ける位置にある。
本実施形態においては、下部フラッパ23が略水平姿勢にあるとき、下部フラッパ23の荷重は主にリンクAのみによって支持され、僅かに生じるリンクAの回転方向分力をリンクBが負担する。そのため下部フラッパ23上の商品の重量によってはリンクAは揺動せず、下部フラッパ23を略水平姿勢に保持する。
【0097】
またリンクAを強制的に閉塞方向に移動させると、リンクBの下端が下方向に移動し、長穴121の下端側の直線部121bの末端に突き当たり、リンクAから受ける力をリンクBが負担する。したがって本実施形態においても、リンクAを操作して下部フラッパ23を下げることはできない。
【0098】
一方、リンクBの後端側が上昇すると、リンクBはリンクAの揺動軌跡の接線方向を越える。そのためリンクAから閉塞方向に力を受けるとリンクBの後端部が長孔121の直線部121bを離れて中間の円弧部121cに移動する。そのためリンクBの後端側が上昇すると、リンクBはリンクAの揺動を阻止することができない。
またリンクBの後端側が上昇すると、前記したリンクAの回転方向分力によってリンクAが自然に閉塞方向に移動し、リンクAは、先端がガイド溝45の末端部を離れ、さらに下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向を越える。すなわち本実施形態では、リンクBがリンクAの回動を阻止するストッパとしての機能を果たしているが、リンクBの後端側が上昇すると、あたかもストッパが外れた状態となる。したがって下部フラッパ23を下げる力(下部フラッパ23を時計方向に回転させる力)によってリンクAが閉塞方向に力を受け、リンクAの先端がガイド溝45に沿って移動し、下部フラッパ23が傾斜し収納方向に移動する。すなわちリンクAの移動によってリンクAは下部フラッパ23の揺動を阻止することができない状態となる。そのため結果的に、リンクBの後端側を上昇させると、下部フラッパ23の揺動阻止が解除される。
【0099】
上記した自動販売機の商品投出装置120は、図17,18の様に、自動販売機の商品通路2の下部に取り付けられる。また商品通路2の対向壁106には、図の様に上部フラッパ22が飛び出した状態の時の、上部フラッパ22の最高高さに相当する位置に、壁側突起70が設けられている。壁側突起70の断面形状は、先の実施形態と同一であり、略直角三角形である。傾斜壁112の傾斜角度θは、15°以下であり、より好ましくは12°以下である。
【0100】
また本実施形態の商品投出装置120と、商品通路の対向壁106の各部の位置関係等についても、先の実施形態と同一であり、商品通路2の幅をWとした時、商品投出装置120に設けられた突起71と対向壁106間の距離Waは、商品通路の幅Wの85%以上95%未満である。さらに対向壁106に設けられた壁側突起70の突端部110と対向する位置における商品投出装置120との距離Wbについても、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満である。また商品投出装置120に設けられた突起71と対向壁106側の壁側突起70との最短距離Wcについても、商品通路の幅Wの85%以上95%未満である。
また上部フラッパ(次期商品支持部材)22が突出した状態における張出部材26と壁側突起70の突端110との最短距離Wdは、商品通路の幅Wの65%以下である。
【0101】
さらに壁側突起70の突端部110の位置及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置関係は、商品通路2の幅Wの88%の円筒が下部フラッパ23に支持されたときに当該円筒の一部が壁側突起70の突端部110と当接し、商品通路2の幅Wの70%の円筒が下部フラッパ23に支持されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起70の突端部110と接しない関係にある。
【0102】
次に本実施形態の自動販売機の商品投出装置120の全体的な作用について説明する。図17,18は、本実施形態の自動販売機の商品投出装置120によって細缶を投出する場合の様子を示す。また図12〜15は、この時の商品投出装置120を裏面側から観察したものであり、図12は、図17(a)に相当する時期の様子であり、図13は、図17(b)に相当する時期の様子であり、図14は、図18(a)に相当する時期の様子であり、図15は、図18(b)に相当する時期の様子である。
【0103】
また図17,18の下部に設けられた長孔の図は、支持棒117,118及びフレームの一部21に設けられた長孔122,133と、リンクAの後端側を支持する軸132との位置関係を示すものである。さらにその下部に描かれた図は、下部フラッパ23側に設けられた駆動側部材116と、支持棒118に設けられた固定側部材125の関係を図示するものである。すなわち当該図は、仮止め手段115の動作を示すものである。
【0104】
本実施形態の商品投出装置120によって缶の排出に使用する場合は、図17(a)の様に最も下端の缶76は、下部フラッパ23によって支持される。このとき、下部フラッパ23は揺動可能範囲の上限よりもやや下側の位置にある。すなわち本実施形態では、下部フラッパ23は、自由端側が揺動軸58よりも5〜10°程度上になるまで揺動可能であるが、缶76を支持する際には、下部フラッパ23は、自由端側が揺動軸58よりも下となる様に傾斜している。この時の下部フラッパ23とリンクAの関係は、下部フラッパ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の略接線方向にリンクAが位置するものとなっている。より正確には、リンクAは、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向から僅かに外れており、揺動中心となる軸132を中心として、他端が近接する方向(図の反時計回り)に回転力を得る位置にある。また当該位置は、ガイド溝45の端部であって、リンクAの先端部は ガイド溝45の端部をストッパーとして停止する。一方、リンクAの他端は軸132を介してフレーム21に結合される。したがって、下部フラッパ23、リンクA、フレーム21によって閉塞された三角形を構成し、下部フラッパ23の荷重は、その大部分がリンクAの軸方向力によって抗され、さらに僅かに生じるリンクAの回転力がリンクBに抗され、リンクAは揺動せず、下部フラッパ23を略水平姿勢に保持する。
【0105】
なおこの時のリンクAの軸方向荷重は、図17(a)の上部の図の様にリンクAの長孔131の上端縁が軸132を押し、さらに当該軸132が、支持棒117,118及びフレーム21の長孔122,133の下端縁を押圧してフレーム21に支持される。
【0106】
またこのとき、仮止め手段115は図の様に係合していない。
リンクBは下端が長穴121の下端部に位置する。
【0107】
またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿勢にあり、後退している。
先の実施形態で説明したのと同様に、細缶は径が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記した張出部材26を揺動させる軸51との距離は、図17の様に細缶77の直径と略等しいため、張出部材26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付勢されて水平姿勢となる。
【0108】
続いて硬貨の投入及び商品の選択により、所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる軸128を引き上げる。そうすると、リンクBの端部が上昇してリンクAを閉塞側に引き込む。するとリンクAの先端部は、ガイド溝45の末端を離れ、さらに下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向からも外れる。そのため缶76の重量によって下部フラッパ23が傾斜し、さらにリンクAの先端部は、ガイド溝45に沿って摺動して下部フラッパ23の傾斜が進行し、下部フラッパ23が傾斜し収納方向に移動する。
【0109】
一方、リンクAから受ける力によってリンクBに揺動方向の力が作用し、リンクBの後端側はその力によって更に上昇する。すなわち本実施形態においても、連動部材28のフック47は、軸128を引っかけているのに過ぎず、軸128は、フック47を離れて上部に移動することができるから、リンクBの後端側は、連動部材28の上昇よりも早く上昇する。そしてリンクBに連れてリンクAが揺動し、リンクAの先端側のピン60が下部フラッパ23のガイド溝45に沿って移動し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が変わる。そのため細缶76の荷重によって、下部フラッパ23は、押し開かれる。
そのため最下部に位置する細缶76が落下し図17(b)の様に商品が排出される。
【0110】
そしてソレノイド27によって引き続き連動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸48と、上部フラッパ22のガイド溝部31との位置関係が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺動する。すなわち図17(b)の様に上部フラッパ22が突出する。
本実施形態についても、細缶の径が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記した張出部材26を揺動させる軸51との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等しいため、張出部材26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付勢されて水平姿勢となっている。
そのため上部フラッパ22は、張出部材26が水平姿勢となった状態で揺動し、その先端部が張出部材26の先端部と係合する。したがって張出部材26は、図7(b)の様に先端側が上部フラッパ22によってつっかえられた状態となり、揺動しない。またこのとき張出部材26の最先端は、上部フラッパ22の先端よりも対向壁106側に突出しているので、全体としての突出量は、上部フラッパ22単独の場合に比べてより先端側に位置する。
【0111】
そのため張出部材26の最先端は、図17(b)の様に2個目の細缶77と接し、細缶77の落下を防ぐ。すなわち上部フラッパ22は、実質的に張出部材26によって延長され、細缶77と接して細缶77の落下を防ぐ。
【0112】
そのため下部フラッパ23は無荷重となり、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定する。
そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。
そうすると、2個目の細缶77をおさえていた張出部材26は、つっかえとなる部材を失い、細缶77の重量におされて傾斜する。そして細缶77は、下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に支持される。
【0113】
この様に缶77が上部フラッパ22によって保持され、下部フラッパ23は無荷重となるので、下部フラッパ23は、バネ59の力によって上端まで戻る。すなわち本実施形態の本実施形態の商品投出装置120では、下部フラッパ23は、自由端側が揺動軸58よりも5〜10°程度上になるまで揺動可能であるため、下部フラッパ23は、バネ59の力によって図18(c)の様に自由端側が揺動軸58よりも上になるまで揺動する。
この時、本実施形態の商品投出装置120では、リンクAと支持棒117,118等に長孔131,122,133が設けられており、この長孔131,122,133に挿通された軸132を介してリンクAとフレーム21が接続されているので、下部フラッパ23は跳ね上がるが如く動作して上端部に至る。
具体的に説明すると、下部フラッパ23が最も上昇した位置にあるとき、リンクAに生じる引っ張り力は、図18(c)の上部の図の様にリンクAの長孔131の下端縁が軸132を引き、さらに当該軸132が、支持棒117,118及びフレーム21の長孔122,133の上端縁を引いてフレーム21に支持される。従って、実質的にリンクAが軸方向に移動し、伸び上がる様に移動して迅速に下部フラッパ23を上端部に至らしめる。
【0114】
そして下部フラッパ23が上端部に至ると、下部フラッパ23と共に仮止め手段115の駆動側部材116が回転して3個の突起138の位置が、固定側部材125に設けられた3個の切欠穴137の位置と合致する。また駆動側部材116は、バネ140によって固定側部材125に向かって常時付勢されているので、駆動側部材116と固定側部材125は互いに係合する。そのため下部フラッパ23は上端部の位置で一旦停止し、振動しない。
【0115】
また下部フラッパ23がバウンドした時は、駆動側部材116と固定側部材125の係合が一旦解け、下部フラッパ23は一時的に自由端側が下になるが、下部フラッパ23はバネによって常時、商品通路2を閉塞する方向に付勢されているので、下部フラッパ23は再度揺動して駆動側部材116と固定側部材125係合する。これら一連の動作により、下部フラッパ23の運動エネルギーが消費され、下部フラッパ23は一旦静止する。
【0116】
そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。
その結果、缶76が下部フラッパ23の上に落下する。すると下部フラッパ23にかかる重みによって下部フラッパ23が揺動し、バネ140の力に抗して仮止め手段115の係合が外れる。ここで仮止め手段115を構成する駆動側部材116及び固定側部材125は、いずれも樹脂で作られているので、仮止め手段115は円滑に係合が解ける。
そして結果的に前記した様な、下部フラッパ23の自由端側が揺動軸58よりもやや下となる様に傾斜し、下部フラッパ23の揺動軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置することによって缶の重量に耐えて略水平姿勢を維持する。
【0117】
なお上部フラッパ22が戻ると、缶76は、つっかえが外された状態となって落下するが、本実施形態では、商品投出装置120と対向壁106の双方に突起70,71が設けられているので、缶77は、ややジグザグ状に移動して下部フラッパ23に載置される。
【0118】
以上、細缶を販売する場合を例に動作を説明したが、他の太さの缶を販売する場合もについても同様に一連の動作が行なわれる。さらに角ペットボトルを販売する場合も同様の動作をする。
すなわち張出部材26の先端部分(張出部)39の作用により、角ペットボトル74と上部フラッパ22の間に空隙46が確保され、上部フラッパ22の先端側の動作を阻害するものはなく、上部フラッパ22の動作は円滑である。そのため上部フラッパ22が突出し、上部フラッパ22の次期商品支持部分(突端部57)が角ペットボトル74の角の部分と当接し、角ペットボトル75の落下を防ぐことができる。
【0119】
以上説明した実施形態は、いずれも張出部材26を備え、張出部材26の先端部分(張出部)39によって角ペットボトル74と上部フラッパ22の間に空隙46を確保した。
しかしながら本発明は、張出部材26を有するものに限定されるものではなく、張出部材26を持たない構成の商品投出装置にも適用することができる。
以下、第3実施形態として張出部材26を持たない構成の商品投出装置に本発明を適用した例を説明する。
【0120】
(実施形態3)
図19,20,21は、本発明の第3実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明図である。図22は、本発明の第3実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作の中で、最も角ペットボトルが上部フラッパ側に寄った状態を示す説明図である。
【0121】
本実施形態の自動販売機の商品投出装置80は、前記した実施形態の商品投出装置20,120の構成から、張出部材26を除いたものであり、大部分の構成は、先の二つの実施形態と同一である。
すなわち下部フラッパの構成及び動作は、第2実施形態と全く同一である。
また上部フラッパ81の構成及び動作は、後記する張出部82を除いて先の二者の構成と全く同一である。
【0122】
すなわち前記した第1及び第2実施形態では、張出部材26の先端部分に張出部39としての機能を持たせたが、第2実施形態では、上部フラッパ81自身に張出部82を設けた。
本実施形態で採用する上部フラッパ81は、揺動軸50(32)の近傍部分が膨出している。図19を参照しつつ説明すると、上部フラッパ81は、本体部83とガイド溝部31を持つ。なおガイド溝部31は前記した実施形態と同一である。
上部フラッパ81の本体部30は概ね板状であり、一辺側(図面 下辺)に軸孔32が設けられている。そして軸孔32の周囲であって、商品通路2側に面した部位が他の部分に比べて膨らんでおり、張出部82が設けられている。
上部フラッパ81の商品通路2に向かう面の断面形状を説明すると、図19の様に、上端部分に小さな突出部85があり、直線的な部位に繋がっている。そして下端部の軸孔32の近傍部分が極端に商品通路2側に突出し、張出部82となっている。
本実施形態では、張出部82は上部フラッパ81が収納状態にあるとき、約45°程度の傾斜面を構成する(正確には揺動軸を中心とした円弧面)。また上部フラッパ81が収納状態にあるとき、張出部82は上部フラッパ81の商品保持部分85よりも中央側に向かって張出している。
【0123】
次に、本実施形態の商品投出装置80によって角ペットボトルを販売する場合の動作について説明する。
【0124】
本実施形態の商品投出装置80においても、下端の角ペットボトル74が下部フラッパ23によって支持され、この時、上部フラッパ81は、垂直姿勢にあり、後退している。
【0125】
また商品通路2の幅Wは、図19の様に角ペットボトル74の幅よりも大きいから、角ペットボトル74は商品通路2の幅方向に自由度を持つが、本実施形態の商品投出装置80では、上部フラッパ81の揺動軸50(32)の近傍部分に張出部82が設けられている。
そのため本実施形態では、図19(a)の様に上部フラッパ81の下端に設けられた先端部分(張出部)82が邪魔をして角ペットボトル74と上部フラッパ81の次期商品支持部分(突端部57)との間に空隙46が生じる。すなわち図22は、最も角ペットボトル74が上部フラッパ81側に寄った状態を示す。本実施形態では、上部フラッパ81の下端に設けられた張出部82が角ペットボトル74の一部と当接するので、角ペットボトル74の壁が、直接的に上部フラッパ81と接することはない。
【0126】
続いて硬貨の投入及び商品の選択により、所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して下部フラッパ23は、押し開き方向に移動する(図19 a,b)。
そのため最下部に位置する角ペットボトル74が落下し商品が排出される(図20a)。
【0127】
そしてソレノイド27によって上部フラッパ81が突出する(図19c,図20a)。
ここで本実施形態では、上部フラッパ81に設けられた張出部82の作用により、角ペットボトル74と上部フラッパ81の間に空隙46が確保されているので、上部フラッパ81の先端側の動作を阻害するものはなく、上部フラッパ81の動作は円滑である。そのため上部フラッパ81が突出し、上部フラッパ81の次期商品支持部分(突端部85)が角ペットボトル74の角の部分と当接し、角ペットボトル75の落下を防ぐ。
【0128】
下部フラッパ23はバネ59の力によって水平姿勢に戻る。
最下部の商品の排出が確認されると、上部フラッパ81が戻り角ペットボトル75は、下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に支持される。
このとき、角ペットボトル75が上部フラッパ81に近接した位置に落下すると、角ペットボトル75が上部フラッパ81の下部に設けられた張出部82と当たる。ここで本実施形態では、張出部82は上部フラッパ81が収納状態にあるとき、約45°程度の傾斜面(正確には揺動軸を中心とした円弧面)を構成しているので、角ペットボトル75は張出部82の傾斜面(円弧面)を滑り、対向壁106側に移動する。そのため角ペットボトル75は、下部フラッパ23の対向壁106側に近い側に落下し、上部フラッパ81から比較的遠い位置において下部フラッパ23に載置される。
【0129】
(実施形態4)
また上記した実施形態では、張出部材や上部フラッパ81に張出部82を設けたが、商品投出装置は、枠状のフレーム21に張出部86を設けてもよい。図23は、本発明の第4実施形態の自動販売機の商品投出装置の斜視図であり、枠状のフレーム21に張出部86が設けられた例を示す。
張出部86の位置は、下部フラッパ23に商品が載置された際に商品と接し得る位置であれば特に制限はないが、上部フラッパ22の揺動軸の近傍であることが望ましい。
また上記した実施形態では、張出部86を上部フラッパ81の横に設けたが、張出部86を上部フラッパ81と下部フラッパ23の間(図23 矢印Aの位置)に設けてもよい。
【0130】
(実施形態5)
またさらに張出部を下部フラッパ或いはその近傍に設けることも可能である。図24は、本発明の第5実施形態の自動販売機の商品投出装置の側面図であり、下部フラッパ23の揺動軸58に張出部材87を設けた例を示す。同図は、下部フラッパ23の揺動軸58に張出部材87を設けた例である。
図24に示す商品投出装置88では、張出部材87は断面形状が楕円形であり、偏心している。そして偏心位置に孔89が設けられ、下部フラッパの揺動軸58に挿通されている。また揺動軸58には図示しないバネが設けられ、張出部材87を反時計方向に付勢している。ただし張出部材87の一部が他の部材と当接するので下部フラッパ23が突出した状態の時は、張出部材87はバネによって反時計方向に付勢されるものの、図24(a)の様に一部が下部フラッパ23の上部に露出した状態で停止する。
【0131】
また下部フラッパ23が突出した状態の時は、張出部材87の一部が下部フラッパ23の一部と接し、張出部材87は時計回りには回転しない。したがって上部フラッパ22が収納され、下部フラッパ23が突出した状態の時は、図24(a)の様に張出部材87はその一部が下部フラッパ23の上部に露出した状態で停止する。すなわち張出部材87は張出部として機能し、上部フラッパ22が収納状態にあるとき、張出部材87の一部は上部フラッパ22の商品保持部分57よりも中央側に向かって張出している。
【0132】
次に、本実施形態の商品投出装置88によって角ペットボトルを販売する場合の動作について説明する。
【0133】
本実施形態の商品投出装置88においても、下端の角ペットボトル74が下部フラッパ23によって支持される。この時、上部フラッパ81は、垂直姿勢にあり、後退している。
そして前記した様に張出部材87の一部が上部フラッパ22の商品保持部分57よりも中央側に向かって張出している。
【0134】
前記した様に、商品通路2の幅Wは、角ペットボトル74の幅よりも大きいから、角ペットボトル74は商品通路2の幅方向に自由度を持つが、本実施形態の商品投出装置88では、下部フラッパ23の揺動軸58に張出部材87を設けられ、張出部材87の一部が上部フラッパ22の揺動軸50(32)の近傍部分に至る。
そのため本実施形態では、張出部材87の一部が邪魔をして角ペットボトル74と上部フラッパ22の次期商品支持部分(突端部57)との間に空隙46が生じる。
【0135】
そして硬貨の投入等により、下部フラッパ23は、押し開き方向に移動する(図24(b))。
そのため最下部に位置する角ペットボトル74が落下し商品が排出される。また下部フラッパ23が押し開かれることにより、張出部材87と下部フラッパ23との当接関係が解除され、張出部材87は時計方向への回動が可能となる。そのため角ペットボトル74が落下する際に、角ペットボトル74の一部が張出部材87と接触すると、張出部材87は時計方向に回転して逃げる。したがって角ペットボトル74が落下する際に、張出部材87が障害となることはない。
【0136】
また先の実施形態と同様に、下部フラッパ23が押し開かれるのと同時に、上部フラッパ81が突出するが、本実施形態では、張出部材87の作用により、角ペットボトル74と上部フラッパ22の間に空隙46が確保されているので、上部フラッパ22の先端側の動作を阻害するものはなく、上部フラッパ22の動作は円滑である。そのため上部フラッパ22が突出し、上部フラッパ22の次期商品支持部分(突端部85)が角ペットボトル74の角の部分と当接し、角ペットボトル75の落下を防ぐ。
【0137】
最下部の商品の排出が確認されると、上部フラッパ22が戻り、角ペットボトル75は、下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に支持される。また張出部材87の一部は正規の位置たる、上部フラッパ22と下部フラッパ23の間に戻る。
本実施形態においても、張出部材87の作用により、角ペットボトル75は、下部フラッパ23の対向壁106側に近い側に落下し、上部フラッパ22から比較的遠い位置において下部フラッパ23に載置される。
【0138】
上記した実施形態では、張出部材87に楕円形のものを採用したが、本発明は、この形状にこだわるものではなく、円形のものや板状のものを使用することもできる。図25は、本発明の第5実施形態の変形例を示す自動販売機の商品投出装置の側面図であり、張出部材90として板状のものを使用した例を示す。
すなわち図25に示す商品投出装置91では、張出部材90として断面形状が「L」状のものを使用している。張出部材90は、本体部92を持ち、その端部が約90°に折り曲げられて張出部93が設けられている。張出部93はゆるやかな円弧面である。
【0139】
本実施形態の商品投出装置91では、張出部材90の本体部92の端部が下部フラッパの揺動軸58に軸止されており、張出部材90は揺動軸58を中心として揺動する。なお前記した張出部93は、揺動軸58を中心とする円弧面を構成する。
また先の実施形態と同様に図示しないバネが設けられ、張出部材90を反時計方向に付勢している。ただし張出部材90の一部が他の部材と当接するので下部フラッパ23が突出した状態の時は、張出部材90の張出部93が下部フラッパ23の上部に露出した状態で停止する。
そのため上部フラッパ22が後退位置にあるとき、張出部材90の張出部93は、上部フラッパ22の商品保持部分よりも中央側に向かって張出している。
【0140】
図25に示す商品投出装置91の作用は、前記した商品投出装置88と同一であり、張出部材90の張出部93が邪魔をして角ペットボトル74と上部フラッパ22の次期商品支持部分(突端部57)との間に空隙46が生じさせ、上部フラッパ22の揺動しろを確保することができる。
【0141】
上記した第5実施形態では、張出部材87,90を下部フラッパ23の揺動軸58に設けたが、他の軸に張出部材87,90を取り付けてもよい。また張出部材87,90を下部フラッパ23に取り付けてもよい。
【0142】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の自動販売機の商品投出装置は、角ペットボトルを収納した場合においても2個出しが起こりにくいという効果があり、複数種類の形状の商品を円滑に排出することができ、商品の搬出トラブルを防止することができる効果がある。
【0143】
特に請求項1に記載の商品投出装置では、次期商品支持部材の揺動中心部を膨出させた張出部が設けられている。そのため商品は張出部が障害となり、次期商品支持部材に密接する位置には来ず、次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空間が確保される。そのため次期商品支持部材は揺動軸を中心として揺動し、確実に次期の商品を支持することができる効果がある。
【0144】
また請求項2に記載の商品投出装置では、張出部材は主商品支持部材または次期商品支持部材のどちらかの揺動軸に取付けられ、張出部は次期商品支持部材が後退位置にあるとき、次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出している。そのため商品は張出部が障害となり、次期商品支持部材に密接する位置には来ず、次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空間が確保され、次期商品支持部材は揺動軸を中心として揺動し、確実に次期の商品を支持することができる効果がある。
【0147】
また請求項1乃至3に記載の商品投出装置は簡単な構造であるにも係わらず、商品は張出部が障害となり、次期商品支持部材に密接する位置には来ず、次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空間が確保され、次期商品支持部材は揺動軸を中心として揺動し、確実に次期の商品を支持することができ、動作が確実であり、本発明の実施の指針となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の自動販売機の商品投出装置の正面図
【図2】図1の自動販売機の商品投出装置の側面図
【図3】図1の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図
【図4】図1の自動販売機の商品投出装置のリンクBの後端部の様子を示す斜視図
【図5】図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって太缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図6】図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明図
【図7】図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって細缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図8】図1の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作の中で、最も角ペットボトルが上部フラッパ側に寄った状態を示す説明図
【図9】本発明の第2実施形態の自動販売機の商品投出装置の正面図
【図10】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置のフレームの正面図
【図11】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図
【図12】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の待機状態を裏面側から見た斜視図
【図13】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の商品排出時の状態を裏面側から見た斜視図
【図14】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の商品排出時の状態を裏面側から見た斜視図
【図15】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置の商品排出直後の状態を裏面側から見た斜視図
【図16】図12の円A部分の拡大図であり、自動販売機の商品投出装置の仮止め部材の斜視図
【図17】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図18】図9の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図19】本発明の第3実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明図である。
【図20】本発明の第3実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明図
【図21】本発明の第3実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明図
【図22】図21は、本発明の第3実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作の中で、最も角ペットボトルが上部フラッパ側に寄った状態を示す説明図
【図23】本発明の第4実施形態の自動販売機の商品投出装置の斜視図
【図24】本発明の第5実施形態の自動販売機の商品投出装置の側面図
【図25】本発明の第5実施形態の変形例を示す自動販売機の商品投出装置の側面図
【図26】従来の自動販売機の商品投出装置を搭載した自動販売機本体の概略構成を示す断面図
【図27】従来の自動販売機の商品投出装置の概略構成を示す斜視図
【図28】従来の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図29】従来の実施形態の自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明図
【符号の説明】
20,80,88,91 120 自動販売機の商品投出装置
21 フレーム
22 81上部フラッパ
23,81 下部フラッパ
25 後退阻止部材
26,87,90 張出部材
39 先端部分(張出部)
46 空隙
50 揺動軸
58 揺動軸
82 張出部
92 張出部
Claims (3)
- 自動販売機の商品通路に取り付けられ、商品通路の壁面側から中央側に向かって突出・後退して最下流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、前記主商品支持部材の上流側に位置し、揺動軸を中心として揺動し、中央側に向かって突出・後退して下流側から二番目の商品を保持する次期商品支持部材と、前記次期商品支持部材が後退位置にあるとき、最下流側に位置する前記商品が前記次期商品支持部材に密接する位置に来ないように張出した張出部が設けられ、前記張出部は、前記次期商品支持部材の揺動中心部を膨出させたものであり、前記次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出すことで、前記次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空隙が形成されることを特徴とする商品投出装置。
- 自動販売機の商品通路に取り付けられ、揺動軸を中心として揺動し、商品通路の壁面側から中央側に向かって突出・後退して最下流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、前記主商品支持部材の上流側に位置し、揺動軸を中心として前記商品通路の上流側を自由端として揺動し、中央側に向かって突出・後退して下流側から二番目の商品を保持する次期商品支持部材と、前記次期商品支持部材が後退位置にあるとき、最下流側に位置する前記商品が前記次期商品支持部材に密接する位置に来ないように張出した張出部材とが設けられ、前記張出部材は前記主商品支持部材または前記次期商品支持部材のどちらかの前記揺動軸に取付けられ、前記次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出すことで、前記次期商品支持部材の自由端側には移動可能な空隙が形成されることを特徴とする商品投出装置。
- 張出部材は付勢部材によって付勢され、次期商品支持部材が後退位置にあるとき、次期商品支持部材の商品保持部分よりも中央側に向かって張出していることを特徴とする請求項2に記載の商品投出装置。
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