JP2003058944A - 自動販売機の商品投出装置 - Google Patents

自動販売機の商品投出装置

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JP2003058944A
JP2003058944A JP2002210216A JP2002210216A JP2003058944A JP 2003058944 A JP2003058944 A JP 2003058944A JP 2002210216 A JP2002210216 A JP 2002210216A JP 2002210216 A JP2002210216 A JP 2002210216A JP 2003058944 A JP2003058944 A JP 2003058944A
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Ken Suwabe
憲 諏訪部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数形状の商品に適用可能であり、商品通路
出口側の設定作業を無くし、且つ商品の搬出トラブルを
防止できる自動販売機の商品投出装置を提供する。 【解決手段】 商品投出装置20は、枠状のフレーム2
1を持ち、その上下にフラッパ22,23が設けられた
ものである。上部フラッパ22には、補助支持部材26
が装備されている。商品投出装置20を太缶の排出に使
用する場合は、上部フラッパ22の突端部が下から2個
目の缶と当接し、缶の落下を防ぐ。商品投出装置20を
細缶の排出に使用する場合は、補助支持部材26に上部
フラッパ22がつっかえられた状態となり、補助支持部
材26が閉じず、補助支持部材26の最先端が、2個目
の細缶77と接し、缶77の落下を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動販売機に内蔵
されて商品を排出する商品投出装置に関するものであ
り、缶や壕などの直径の異なる複数種類の円筒状、又は
角筒状の商品の取り扱いが可能な自動販売機の商品投出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビールやジュース等の飲料を無人販売す
る装置として、自動販売機が多用される。ところでビー
ルやジュースといった飲料の缶には、太缶、中太缶、細
缶と称される三種類のものが一般に普及している。また
近年、ペットボトル入りの飲料も自動販売機で販売され
る様になった。さらにビタミン等が配合されたドリンク
剤は、専ら瓶入りで製造販売され、これらの瓶入りの飲
料についても自動販売機で販売される。そこで自動販売
機は直径や形状の異なる複数種類の商品を取り扱い得る
ことが大切である。
【0003】ここで一般に、自動販売機の商品投出装置
には、フラッパと称されるウイング動作を行う部材が使
用され、当該部材を商品通路側に突出させて商品の落下
を阻止し、またフラッパを壁面側に収納して商品を排出
する。商品投出装置のフラッパは、上記した様に、商品
通路の障害物となるものであるが、商品を確実に停止
し、また確実に一個づつ投出するためには、商品の径と
フラッパの長さ及び商品通路の幅との関係を調整するこ
とが必要である。そこで複数種類の径の商品を排出する
ためには、フラッパの長さを商品に合わせて変更する
か、あるいは商品通路の幅を変更する必要がある。しか
しフラッパの長さを自動販売機の設置現場で変更するこ
とは容易ではない。そこで従来技術においては、商品通
路の幅を変更することにより複数種類の商品に対応させ
る方策が採用されている。またこの種の自動販売機の商
品投出装置では、最下部(最下流側)に位置する商品を
保持する主フラッパと、当該フラッパが後退した時、一
時的に二番目の商品を保持する次期商品押さえフラッパ
を持つが、従来技術においては、二つのフラッパの動作
は連動していた。
【0004】以下、図面を参照しつつ従来技術の自動販
売機の商品投出装置を説明する。図24は、実開昭64
−27768号公報に開示された従来技術の自動販売機
の商品投出装置を搭載した自動販売機本体の概略構成を
示す断面図である。図24に示す自動販売機は、奥行き
方向に複数の商品収納棚1を構成し、その商品通路2内
に円筒状の商品3を縦列に収納している。
【0005】そして各商品収納棚1の入り口側には、商
品案内板5が設けられている。商品案内板5は、商品投
入口4から投入された商品3を転動させる商品収納棚1
に案内するべく設けられたものである。この商品案内板
5は前後方向に移動自在であり、図25に示すように商
品案内板5を前方(自動販売機の正面側)へ移動させる
と、商品収納棚1を構成する案内部材6の最上部の部材
6aとの間隔が広がり、大径の商品3aに合わせて入り
口幅が設定される。逆に、図26に示すように、商品案
内板5を後方(自動販売機の奥側)へ移動させると、案
内部材6との間隔が狭くなり小径の商品3b に合わせて
入り口幅が設定される。
【0006】また商品収納棚1の下端には、販売指令に
基づいて収納されている商品3を順次1個ずつ投出する
ための商品投出装置7と、これに対向配置されて商品3
の種類に応じて商品通路幅を規制する保持板8を設けて
いる。この保持板8は、図27に示すように、上部と下
部の両側に突出する係合軸9,10を有している。一
方、保持板8の両側に配置された側板11には、係合軸
9,10を係合させる係合溝12,13を形成してい
る。これらの係合溝12,13の内、上方の係合溝12
は前後方向に階段状となっており、下方の係合溝13は
前後方向に斜状で、上端と下端に返り部を有している。
【0007】そして保持板8は、係合軸9,10が係合
溝12,13内で案内されて移動することにより、前後
の2つの位置を得て商品通路2の前後方向の幅を商品3
の種類に応じて変えるようになっている。なお、保持板
8には、その厚みを変えて他の種類の商品3にも対応で
きるように、スペーサー(図示せず)の取り付け用の穴
14,15が適当な位置に形成されている。このよう
に、従来は、商品通路2の幅規制を商品3の入り口側と
出口側で別々に行っていた。これは、小径の商品3b に
設定しているとき、大径の商品3aが投入されると出口
側で詰まり、その排除が困難であるため、比較的排除し
やすい入り口側で規制することとしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成は、出口側を小径の商品に設定後、入り口側の
設定を忘れることがあり、その状態で大径の商品を投入
すると、出口側で詰まり、販売不可となってしまう。ま
たこれと逆に、出口側を大径の商品に誤って設定後、入
り口側は小径の商品に正しく設定したとき、小径の商品
を投入すると小径の商品は商品収納棚1に収納されず素
通りして落下するため再設定が必要となる場合がある。
また商品投出装置7が、たとえ小径の商品を保持したと
しても販売時に投出することができずに出口側で詰ま
り、販売ができなくなってしまう。更に、出口側の設定
は、商品収納棚1が奥に位置する場合、目視することが
困難でほとんど手探り状態で行うため作業性が悪く、誤
設定の要因となっていた。
【0009】このような不具合を解消するために特開平
6−52426号公報に開示されたものでは、入り口側
の設定操作部と出口側の設定操作部とをリンク機構で連
結し、入り口側の設定操作に連動させて出口側を設定さ
せている。しかし、大径の商品を販売するように商品通
路2の幅を設定し、誤って小径の商品を収納してしまっ
た場合、小径の商品が商品通路2の下から2本目の位置
に移動すると、大径の商品の上に位置した小径の商品が
同時に投出されてしまい2本同時に販売されることがあ
る。逆に小径の商品を販売するように商品通路2の幅を
設定し、誤って大径の商品を収納してしまった場合、商
品が詰まって全く排出されないこととなる。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、複数形状の商品に適用可能であり、商品通路出口側
の設定作業を無くし、且つ商品の搬出トラブルを防止で
きる自動販売機の商品投出装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための本発明は、自動販売機の商品通路に取り付けら
れ、商品通路の壁面側から中央側に向かって突出・後退
する商品支持部材と、壁面側に揺動可能に軸止めされ自
由端側の一部が商品支持部材と係合可能である補助支持
部材を有し、商品支持部材が突出した際に補助支持部材
の先端部が商品支持部材の先端よりも突出して商品を保
持することを特徴とする自動販売機の商品投出装置であ
る。
【0012】本発明により、自動販売機の商品通路出口
側の設定作業を行うことなく、複数種類の形状の商品を
円滑に排出することができ、商品の搬出トラブルを防止
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】前述した様に、従来技術の自動販
売機の商品投出装置は、いずれも商品通路の幅を変更す
る構成であったのに対し、本発明は、フラッパ(商品支
持部材)の長さを自動調節させて複数種類の商品に対応
させるものである。
【0014】すなわち請求項1に記載の発明は、自動販
売機の商品通路に取り付けられ、商品通路の壁面側から
中央側に向かって突出・後退する商品支持部材と、壁面
側に揺動可能に軸止めされ自由端側の一部が商品支持部
材と係合可能である補助支持部材を有し、商品支持部材
が突出した際に補助支持部材の先端部が商品支持部材の
先端よりも突出して商品を保持することを特徴とする自
動販売機の商品投出装置である。
【0015】本発明の商品投出装置では、商品通路の壁
面側から中央側に向かって突出・後退する商品支持部材
を有し、当該商品支持部材で商品を支持する。また本発
明は、これとは別に補助支持部材を備える。補助支持部
材は、壁面側に揺動可能に軸止めされ、自由端側の一部
が商品支持部材と係合可能である。そして補助支持部材
は、商品支持部材が突出した際に補助支持部材の先端部
が商品支持部材の先端よりも突出する。したがって商品
支持部材は、補助支持部材によって全長が延長され、小
径の商品を支持することができる。
【0016】また請求項2に記載の発明は、商品支持部
材は一端側が軸止めされていて他端側が移動し、且つ所
定の信号に基づいて動力によって揺動し、補助支持部材
は前記した商品支持部材の自由端側が軸止されていて他
端側が移動し、補助支持部材は商品支持部材が最も突出
位置にあるとき、又はその近傍の位置において商品支持
部材と係合することを特徴とする請求項1に記載の自動
販売機の商品投出装置である。
【0017】本発明の自動販売機の商品投出装置では、
商品支持部材は一端側が軸止めされていて他端側が移動
し、且つ所定の信号に基づいて動力によって揺動する。
そのため商品通路側に突出して商品の落下や移動を阻止
し、また壁面側に後退して商品通路を開き、商品を通過
させることができる。補助支持部材は、前記した商品支
持部材の自由端側が軸止されていて他端側が移動する。
例えば商品支持部材の揺動軸が下部にある場合であれ
ば、補助支持部材の揺動軸は上部にある。すなわち補助
支持部材は、商品支持部材と向き合い、両者は互いに反
対方向に揺動する。そのため商品支持部材の揺動軌跡
と、補助支持部材の揺動軌跡は交差する。そして補助支
持部材は商品支持部材が最も突出位置にあるとき、又は
その近傍の位置において商品支持部材と係合し、商品支
持部材の全長を延長する。
【0018】また請求項3に記載の発明は、自動販売機
の商品通路に取り付けられ、動力によって商品通路の壁
面側から中央側に向かって突出・後退し、商品の支持が
可能な商品支持部材と、壁面側に揺動可能に軸止され常
時自由端側が突出する方向に付勢され、商品によって押
し開き可能である補助支持部材を有し、商品支持部材の
一部を補助支持部材と係合させて補助支持部材の揺動を
阻止して補助支持部材によっても商品の支持が可能であ
ることを特徴とする自動販売機の商品投出装置である。
【0019】本発明の自動販売機の商品投出装置では、
動力によって商品通路の壁面側から中央側に向かって突
出・後退し、商品の支持が可能な商品支持部材を有す
る。またこれとは別に、壁面側に揺動可能に軸止され常
時自由端側が突出する方向に付勢され、商品によって押
し開き可能である補助支持部材を備える。そして本発明
の自動販売機の商品投出装置では、商品支持部材の一部
を補助支持部材と係合させて補助支持部材の揺動を阻止
することができ、補助支持部材によっても商品を支持す
ることができる。そのため本発明の自動販売機の商品投
出装置は、実質上、商品支持部材の長さを二種類持ち、
外径や形状の異なる商品を支持することができる。
【0020】また請求項4に記載の発明は、商品支持部
材と補助支持部材の少なくともいずれかは枠状部を持
ち、他方はその枠状部内に囲まれた位置に配置され、商
品支持部材と補助支持部材は独立して揺動可能であり、
補助支持部材は商品支持部材が最も突出位置にあると
き、又はその近傍の位置において商品支持部材と係合
し、他の位置関係にあるときは両者は非係合であること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動販
売機の商品投出装置でる。
【0021】本発明の自動販売機の商品投出装置では、
商品支持部材と補助支持部材の少なくともいずれかが枠
状部を持ち、他方はその枠状部内に囲まれた位置に配置
されている。また商品支持部材と補助支持部材は独立し
て揺動可能である。そのため商品支持部材と補助支持部
材は、交差する軌跡上を揺動することができ、また特定
の箇所で係合させることができる。本発明においては、
補助支持部材は商品支持部材が最も突出位置にあると
き、又はその近傍の位置において商品支持部材と係合
し、他の位置関係にあるときは両者は非係合である。
【0022】また請求項5に記載の発明は、最下流側に
位置する商品を保持する主商品支持部材と、前記主商品
支持部材の上流側に位置して下流側から二番目の商品を
保持する次期商品支持部材を有し、補助支持部材は前記
次期商品支持部材に取り付けられていることを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれかに記載の自動販売機の商品
投出装置である。
【0023】本発明の自動販売機の商品投出装置では、
最下流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、
前記主商品支持部材の上流側に位置して下流側から二番
目の商品を保持する次期商品支持部材を有する。そして
補助支持部材を次期商品支持部材側に取り付けている。
【0024】また請求項6に記載の発明は、主商品支持
部材を商品通路側に突出する方向に付勢する付勢手段
と、前記主商品支持部材の後退を阻止する後退阻止部材
と、次期商品支持部材を動力によって突出させる突出手
段を有し、所定の信号に応じて後退阻止部材による主商
品支持部材の後退阻止を解除し、これと前後して突出手
段によって次期商品支持部材を突出させることを特徴と
する請求項5に記載の自動販売機の商品投出装置であ
る。
【0025】本発明の自動販売機の商品投出装置は、主
商品支持部材と次期商品支持部材を持ち、両者の動作を
切り離して行うものである。すなわち従来技術において
は、主商品支持部材と次期商品支持部材の動作は連動し
ており、例えば主商品支持部材が30°に傾斜している
時は次期商品支持部材は20°に傾斜しているといった
1対1の関係にあった。従来技術の商品投出装置の基本
思想は、前記した様に商品通路の幅を変更して複数種類
の商品に対応させるものであったから、上記した様に主
商品支持部材と次期商品支持部材の動作を連動させてい
る。しかしながら、本発明の基本思想の様に、商品通路
の幅を変更せずに複数種類の商品に対応させようとする
と、商品の大きさや形状に応じて主商品支持部材と次期
商品支持部材の最適な相対関係が異なる。そこで本発明
は、主商品支持部材と次期商品支持部材の動作を切り離
して行わしめることとした。すなわち本発明の自動販売
機の商品投出装置では、主商品支持部材は付勢手段によ
り商品通路側に突出し、さらに後退阻止部材によって後
退が阻止される。これに対して次期商品支持部材は、突
出手段によって動力をもって突出される。本発明の自動
販売機の商品投出装置では、主商品支持部材が付勢手段
によって商品通路側に突出し、さらに後退阻止部材によ
って後退が阻止される。そのため主商品支持部材は、突
出したままの状態を維持し、商品の移動を阻止すること
ができる。一方、所定の信号によって後退阻止部材によ
る主商品支持部材の後退阻止が解除されると、商品の重
量によって主商品支持部材が後退し、最も下流にある商
品が排出される。またこれと前後して突出手段によって
次期商品支持部材が突出し、下流側から二番目の商品が
保持される。そのため一度に二個の商品が排出されるこ
とはない。また本発明では、主商品支持部材は商品の重
量によって後退するものであるから、次期商品支持部材
の動作とは独立している。
【0026】また請求項7に記載の発明は、主商品支持
部材は、商品通路の壁面側に揺動可能に軸止めされ、主
商品支持部材の自由端側であって商品通路の壁面側の部
位に突起が設けられ、後退阻止部材は前記突起と係合す
ると共に所定の信号に応じて移動し、主商品支持部材と
の後退阻止が解除されることを特徴とする請求項6に記
載の自動販売機の商品投出装置である。
【0027】本発明の自動販売機の商品投出装置では、
主商品支持部材は、商品通路の壁面側に揺動可能に軸止
めされている。そして主商品支持部材の自由端側であっ
て商品通路の壁面側の部位に突起が設けられ、後退阻止
部材がこの突起と係合する。したがって主商品支持部材
上に商品が載置されても主商品支持部材は後退せず、商
品を保持することができる。一方、後退阻止部材は、所
定の信号に応じて移動する。その結果、主商品支持部材
の後退阻止が解除され、商品が排出される。
【0028】また請求項8に記載の発明は、後退阻止部
材は二以上のリンクA,Bを有する連鎖構造によって構
成され、一つのリンクAは主商品支持部材と係合して主
商品支持部材の移動を阻止し、他のリンクBは前記リン
クAの移動を阻止することを特徴とする請求項6又は7
に記載の自動販売機の商品投出装置である。
【0029】本発明の自動販売機の商品投出装置は、安
全性を高めた機能を持つものである。すなわち請求項6
又は7に記載の自動販売機の商品投出装置は、後退阻止
部材を持ち、当該後退阻止部材で主商品支持部材の動作
を規制している。そのため、例えば商品が詰まった時、
手指を挿入して後退阻止部材を移動させると、後退阻止
部材が外れた状態となり、各部材が動作して手指が挟ま
れる。そこで本発明は、後退阻止部材を二以上のリンク
A,Bで構成し、一つのリンクAは主商品支持部材と係
合して主商品支持部材の移動を阻止し、他のリンクBは
前記リンクAの移動を阻止する構成として、後退阻止部
材が容易に動かない様にした。
【0030】また請求項9に記載の発明は、後退阻止部
材は二以上のリンクA,Bを有する連鎖構造によって構
成され、主商品支持部材と一つのリンクAは摺動及び回
動可能な接点を介して接合され、他のリンクBは前記リ
ンクAと回動可能な接点を介して接合され、リンクAが
主商品支持部材の移動方向に対して略垂直方向に位置す
るとき、リンクBはリンクAが上記した関係を崩す方向
に対して略垂直方向に位置することを特徴とする請求項
6乃至8のいずれかに記載の自動販売機の商品投出装置
である。
【0031】本発明の自動販売機の商品投出装置につい
ても、安全性が高い機能を持つものである。本発明の自
動販売機の商品投出装置では、後退阻止部材は二以上の
リンクA,Bを有する連鎖構造によって構成され、リン
クAが直接的に主商品支持部材の動作を規制する働きを
し、リンクBは、リンクAの動作を規制する働きをす
る。すなわち主商品支持部材と一つのリンクAは摺動及
び回動可能な接点を介して接合されているから、リンク
Aが主商品支持部材の移動方向に対して略垂直方向に位
置するとき、主商品支持部材の移動が阻止される。これ
に対してリンクAが主商品支持部材の移動方向に対して
傾斜した位置にあるとき、リンクAと主商品支持部材の
接触点が摺動し、主商品支持部材が移動する。一方、本
発明では、リンクAが主商品支持部材の移動方向に対し
て略垂直方向に位置するとき、すなわち前記した様にリ
ンクAが主商品支持部材の移動を阻止しているとき、リ
ンクBは、リンクAが前記した主商品支持部材を固定す
る関係を崩す移動方向に対して略垂直方向に位置する。
したがってリンクBによってリンクAの移動が阻止され
る。そのため手指等によって、リンクAを押さえても、
リンクAは、リンクBに保持され、リンクAは動かず後
退阻止が解除されない。
【0032】また請求項10に記載の発明は、主商品支
持部材は、商品通路の壁面側に揺動可能に軸止めされ、
後退阻止部材はリンクAを有し、主商品支持部材とリン
クAは摺動及び回動可能な接点を介して接合され、リン
クAが主商品支持部材の揺動に抗して商品支持部材の後
退を阻止することを特徴とする請求項6乃至9のいずれ
かに記載の自動販売機の商品投出装置である。
【0033】本発明の自動販売機の商品投出装置では、
後退阻止部材はリンクAを有する。そしてリンクAが主
商品支持部材の揺動に抗して商品支持部材の後退を阻止
する。リンクAは、例えば主商品支持部材の揺動方向に
対して略垂直方向に位置することによって商品支持部材
の後退を阻止することができる。またリンクAを、主商
品支持部材の揺動方向に対して垂直方向から少しずれた
位置に配置し、リンクAに生じる回転力を他のストッパ
によって阻止することによっても商品支持部材の後退を
阻止することができる。
【0034】また請求項11に記載の発明は、主商品支
持部材は、常時水平又は水平に対して20°以内の傾斜
角度で商品を支持する請求項6乃至11のいずれかに記
載の自動販売機の商品投出装置である。
【0035】本発明の自動販売機の商品投出装置では、
主商品支持部材は、常時水平又は水平に対して20°以
内の傾斜角度で商品を支持する。本発明の自動販売機の
商品投出装置では、主商品支持部材は、従来技術に比べ
て水平に近い状態で商品を支持している。すなわち従来
技術の商品投出装置の基本思想は、前記した様に商品通
路の幅を変更して複数種類の商品に対応させるものであ
り、商品通路の幅を変更して商品が理想的な位置に留ま
る様に調整していた。しかしながら、本発明の基本思想
の様に、商品通路の幅を変更せずに複数種類の商品に対
応させる場合、主商品支持部材が傾斜していると、商品
の径によって、商品と商品通路の壁面或いは主商品支持
部材との接触位置が変わり、商品の最低位置が安定しな
い。そこで本発明では、主商品支持部材を水平に近い姿
勢とし、商品の径や形状によらず最低位置が常に一定と
なる様に配慮した。
【0036】また請求項12に記載の発明は、請求項6
乃至11のいずれかに記載の商品投出装置が取り付けら
れた自動販売機の商品投出部の構造において、商品投出
装置の一部又は商品投出装置が取り付けられた壁面であ
って次期商品支持部材の上部の位置に商品投出装置側突
起が設けられ、前記商品投出装置に対向する壁面であっ
て、前記商品投出装置側突起と主商品支持部材の最上部
の位置との間の高さの位置に壁側突起が設けられている
ことを特徴とする自動販売機の商品投出部構造である。
【0037】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、商品投出装置の一部又は商品投出装置が取り付けら
れた壁面であって次期商品支持部材の上部の位置に突起
が設けられている。また前記商品投出装置に対向する壁
面であって、前記商品投出装置側突起と主商品支持部材
の最上部の位置との間の高さの位置にも突起が設けられ
ている。そのため本発明の自動販売機の商品投出部構造
によると、商品投出装置の時期商品支持部材及び主商品
支持部材と、商品との位置関係が適切なものとなり、排
出可能な商品の範囲が広い。すなわち本発明の自動販売
機の商品投出部構造によると、太缶、中太缶、細缶等の
各種サイズの商品や、角形あるいは丸形のペットボトル
商品又は瓶を無調整で排出することができる。
【0038】また請求項13に記載の発明は、商品通路
の壁面側から中央側に向かって突出して商品通路の最下
流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、前記
主商品支持部材の上流側に位置して下流側から二番目の
商品を保持する次期商品支持部材を有した商品投出装置
が取り付けられた自動販売機の商品投出部の構造におい
て、商品投出装置の一部又は商品投出装置が取り付けら
れた壁面であって次期商品支持部材の上部の位置に商品
投出装置側突起が設けられ、前記商品投出装置に対向す
る壁面であって、前記商品投出装置側突起と主商品支持
部材の最上部の位置との間の高さの位置に壁側突起が設
けられていることを特徴とする自動販売機の商品投出部
構造である。
【0039】本発明の自動販売機の商品投出部構造につ
いても、商品投出装置の一部又は商品投出装置が取り付
けられた壁面であって次期商品支持部材の上部の位置に
突起が設けられている。また前記商品投出装置に対向す
る壁面であって、前記商品投出装置側突起と主商品支持
部材の最上部の位置との間の高さの位置にも突起が設け
られている。そのため本発明の自動販売機の商品投出部
構造によると、商品投出装置の時期商品支持部材及び主
商品支持部材と、商品との位置関係が適切なものとな
り、排出可能な商品の範囲が広く、太缶、中太缶、細缶
等の各種サイズの商品や、角形あるいは丸形のペットボ
トル商品又は瓶を無調整で排出することができる。
【0040】また請求項14に記載の発明は、商品通路
の幅をWとした時、商品投出装置側突起とこれに対向す
る壁間の距離Wa、壁側突起とこれに対向する位置にお
ける商品投出装置との距離Wb及び商品投出装置側突起
と壁側突起の間の最短距離Wcは、いずれも商品通路の
幅Wの85%以上95%未満であり、次期商品支持部材
が突出した状態における次期商品支持部材又は補助支持
部材と壁側突起との最短距離Wdは、商品通路の幅Wの
65%以下であることを特徴とする請求項12又は13
に記載の自動販売機の商品投出部構造である。
【0041】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、商品通路の幅W、商品投出装置側突起とこれに対向
する壁間の距離Wa、壁側突起とこれに対向する位置に
おける商品投出装置との距離Wb、商品投出装置側突起
と壁側突起の間の最短距離Wc及び次期商品支持部材又
は補助支持部材と壁側突起との最短距離Wdに一定の制
約を設けた。本発明の自動販売機の商品投出部構造は、
これらの間隔が特定の関係にあるため、商品投出装置の
時期商品支持部材及び主商品支持部材と、商品との位置
関係が適切なものとなり、排出可能な商品の範囲が広
く、太缶、中太缶、細缶等の各種サイズの商品を無調整
で排出することができる。
【0042】また請求項15に記載の発明は、壁側突起
は商品通路の上流側から下流側にかけて傾斜する傾斜部
を有し、当該傾斜部の角度は商品通路に対して15°以
下であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれ
かに記載の自動販売機の商品投出部構造である。
【0043】本発明の自動販売機の商品投出部構造は、
円筒缶型の商品だけでなく、角形の商品にも対応できる
ものである。すなわち円筒缶は、商品通路を落下する時
の回転姿勢がどうであれ商品通路や商品支持部材等との
当接関係は変わらない。これに対して角ペットボトルで
は、回転姿勢によって商品支持部材等との当接関係が大
きく変化する。具体的に説明すると、角ペットボトルの
断面形状は略正方形であり、4個の平面と4個の角を有
する。そのため角ペットボトルの各平面が水平及び垂直
状態となって落下する場合と、各平面が水平に対して傾
斜して落下する場合がある。すなわち角ペットボトルの
平面部分が最下部となって落下する場合と、角の部分が
最下部となって落下する場合がある。ここで両者を比較
すると後者の様に傾斜姿勢となって角の部分を先頭に落
下した場合は、商品支持部材等との当接関係が不安定で
あり、商品を制御しにくい。そのため角ペットボトルの
様な角状の商品は、平面部分が最下部となる様に落下さ
せることが望ましい。そして本発明者らの研究による
と、壁側突起の他の平面部分に対する変化率(勾配)が
急激であるとペットボトル等の角が壁側突起に引っ掛か
り、商品が回転して角の部分が最下部となってしまうこ
とが分かった。すなわち壁側突起が上流側から段状に突
出していたり急傾斜である場合は商品の向きが変わり、
商品が回転して角の部分が最下部となってしまう。これ
に対して壁側突起の傾斜が緩やかであれば、商品は平面
部分が水平及び垂直となったままの状態を維持して落下
する。また当該傾斜部の角度が商品通路に対して15°
以下である場合は、商品の回転が発生する頻度は極めて
少ないものとなる。
【0044】また請求項16に記載の発明は、商品投出
装置側突起と壁側突起の高さの差は2mm以下であるこ
とを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の
自動販売機の商品投出部構造である。
【0045】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、商品投出装置側突起と壁側突起の高さの差は2mm
以下と小さい。そのため商品通路の幅を有効に活用する
ことができる。また落下時の商品の回転も小さいものと
なる。
【0046】また請求項17に記載の発明は、壁側突起
の突端部の位置及び高さと主商品支持部材の位置関係
は、商品通路の幅の88%の円筒が主商品支持部材に支
持されたときに当該円筒の一部が壁側突起の突端部と当
接し、商品通路の幅の70%の円筒が主商品支持部材に
支持されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起
の突端部と接しないことを特徴とする請求項12乃至1
6のいずれかに記載の自動販売機の商品投出部構造であ
る。
【0047】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、比較的大型の商品については主商品支持部材に載置
された際に壁側突起の突端部と当接し、姿勢保持がなさ
れる。一方、比較的小型の商品については、商品通路の
壁と当接し、姿勢保持がなされる。
【0048】
【実施例】(実施例1)以下さらに本発明の実施例につ
いて説明する。図1は、本発明の第1実施例の自動販売
機の商品投出装置の正面図である。図2は、図1の自動
販売機の商品投出装置の側面図である。図3は、図1の
自動販売機の商品投出装置の分解斜視図である。図4
は、図1の自動販売機の商品投出装置のリンクBの後端
部の様子を示す斜視図である。図5は、図1の実施例の
自動販売機の商品投出装置によって太缶を投出する際の
動作を説明する説明図である。図6は、図1の実施例の
自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投
出する際の動作を説明する説明図である。図7は、図1
の実施例の自動販売機の商品投出装置によって細缶を投
出する際の動作を説明する説明図である。図8は、図1
の実施例の商品投出装置の自動販売機内における配置を
説明する説明図である。
【0049】図において、20は、本発明の実施例の自
動販売機の商品投出装置を示す。本実施例の商品投出装
置20は、枠状のフレーム21を持ち、その上下にフラ
ッパ(商品支持部材)22,23が設けられたものであ
る。ここで下部(下流側)のフラッパ23は、商品通路
の最も下流にある商品を保持するものであり、主商品支
持部材として機能する。下部フラッパ23には、後退阻
止部材25が配備されている。また上部フラッパ22
は、下から2個目の商品を保持するものであり、次期商
品支持部材として機能する。さらに上部フラッパ22に
は、補助支持部材26が装備されている。また本実施例
の商品投出装置20は、他にソレノイド27、連動部材
28等を持つ。
【0050】順次説明すると、フレーム21は、鋼の薄
板をプレスした後、曲げ加工して作られたものであり、
上下のフラッパ22,23が取り付けられる部位に、略
正方形の開口101が設けられている。ただし、下部フ
ラッパ23が装着される部位の開口には、板状部材10
3が設けられており、開口101の下部の一部を閉塞し
ている。すなわちフレーム21の下部フラッパ23の裏
面側の位置には板状部材103が設けられている。板状
部材103が設けられた位置は、フレーム21の中心か
ら向かって左側であり、商品投出装置20を背中合わせ
に重ねた時に、後記するリンクBを覆う部位である。
【0051】またフレーム21の正面側であって、上部
フラッパ22が取り付けられる開口101の上部には、
突起71a,71bが設けられている。突起71a,7
1bは、同一の高さであり、断面形状も同一である。す
なわち商品投出装置側突起71a,71bの縦断面形状
は、図2,6,7,8の様に台形であり、傾斜部10
9,107と平面部108を持つ。
【0052】次期商品支持部材たる上部フラッパ22
は、樹脂で成形されたものであり、図2,3の様に本体
部30とガイド溝部31を持つ。本体部30は板状であ
り、一辺側(図面 下辺)に軸孔32が設けられてい
る。そして本体部30の背面にガイド溝部31が設けら
れている。すなわち本体部30の背面には、3個(1個
のみ図示)の板状突起33が設けられ、当該板状突起3
3にガイド溝34が形成されている。板状突起33の平
面は、前記した本体部30の平面に対して垂直である。
ガイド溝部31は、一端が開放されている。板状突起3
3と本体部30を含む平面では、ガイド溝34は本体部
30に対して45°程度の角度を持つ。
【0053】一方、補助支持部材26は、枠状であって
中央に長方形の大きな開口35を持つ。開口35の長さ
は、前記した上部フラッパ22の長さよりも長い。そし
て補助支持部材26の一辺側には軸孔36が形成されて
いる。
【0054】次に主商品支持部材たる下部フラッパ23
について説明する。主商品支持部材たる下部フラッパ2
3は、金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材
38が一体化されたものである。すなわちフラッパ部材
37は、金属製であり、長方形の板状をしている。また
その一辺に軸孔40が設けられている。
【0055】一方、接合部材38は、板状部43の一辺
側に軸孔41が設けられ、さらに下面側にガイド部44
が設けられたものである。ガイド部44は、板状部43
の平面に対して垂直の面にあり、ガイド溝45が形成さ
れている。ガイド溝45は、図2の様に円弧状をしてい
る。金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材3
8は、図示しない嵌合構造によって一体化されており、
フラッパ部材37の軸孔40と接合部材38の軸孔41
は連通する。
【0056】後退阻止部材25は、本実施例では、二つ
のリンクA,Bによって構成されている。リンクAは、
二本の平行な帯状部材61a,61bを持ち、これが向
き合わせに配され、その一面側(商品通路側)に隠し板
62が溶接されたものである。リンクBは二本の帯状の
部材である。
【0057】連動部材28は板状の部材であり、下部に
フック47が設けられ、中間部に軸48が挿通されてい
る。また連動部材28は、フレーム21に設けられたソ
レノイド27に接続されており、フレーム21に対して
上下に昇降する。
【0058】次に各部材の組み立て構造について説明す
る。上記した各部材は、いずれもフレーム21に取り付
けられている。すなわち上部フラッパ22は、フレーム
21の開口101を覆う位置に設けられ、本体部30の
軸孔32に軸50が挿通され、フレーム21に対して揺
動自在に取り付けられている。ここで上部フラッパ22
は、その下部に軸50が挿通されており、上辺側が自由
端となる。また図示しないストッパが設けられており、
上部フラッパ22は、垂直から約30°程度の範囲内に
おいて揺動する。上部フラッパ22がフレーム21に取
り付けられた状態においては、上部フラッパ22の背面
側のガイド溝部31はフレーム21の背面側に位置す
る。そしてガイド溝部31のガイド溝34には、連接部
材28の軸48が係合している。
【0059】また補助支持部材26についても一辺側に
設けられられた軸孔36に軸51が挿通されてフレーム
21に取り付けられている。ここで補助支持部材26
は、その上部に軸51が挿通されており、下辺側が自由
端となる。補助支持部材26についても図示しないスト
ッパが設けられており、垂直姿勢から水平姿勢に至る範
囲において揺動する。また補助支持部材26は、常時水
平姿勢となる様にバネ54によって付勢されている。す
なわち補助支持部材26は、常時突出方向に付勢されて
いる。なお補助支持部材26を付勢する手段は、バネに
限定されるものではなく、他の弾性体を活用することも
できる。
【0060】また補助支持部材26と上部フラッパ22
の位置関係は、補助支持部材26の揺動軸51が上部に
あり、上部フラッパ22の揺動軸50が下部にある。そ
して補助支持部材26は、下端側がフレーム21に対し
て突出方向に揺動し、上部フラッパ22は上端側がフレ
ーム21に対して突出方向に揺動する。また上部フラッ
パ22が収納された状態の時、すなわち閉じた状態のと
き、上部フラッパ22の上端の高さは、補助支持部材2
6の揺動軸51の高さと一致する。そのためフレーム2
1に取り付けられた状態においては、側面から見て、上
部フラッパ22と補助支持部材26の揺動軌跡は交差す
る。
【0061】しかしながら、上記した様に補助支持部材
26は枠状であって開口35を持ち、かつ開口35の長
さは、上部フラッパ22の長さよりも長いので、上部フ
ラッパ22は、補助支持部材26の開口35内にすっぽ
りと入り込む。したがって側面から見て、上部フラッパ
22と補助支持部材26の揺動軌跡は交差するものの、
補助支持部材26の位置に係わらず、上部フラッパ22
は全揺動範囲に渡って揺動することができる。
【0062】一方、補助支持部材26は、上部フラッパ
22の位置によって動作範囲の制約を受ける。すなわち
上部フラッパ22が垂直の状態にあるとき、上部フラッ
パ22の先端が補助支持部材26の先端と係合し、補助
支持部材26は、水平姿勢を維持して揺動できない。補
助支持部材26は、上部フラッパ22が最も突出した状
態にあるとき、先端側の枠56の内側が上部フラッパ2
2の突端部57と係合して固定される。
【0063】次に下部フラッパ23側の組み立て構造に
ついて説明する。下部フラッパ23は、前記した上部フ
ラッパ22の下部(下流側)に位置して取り付けられ
る。すなわち下部フラッパ23は、本体部分に設けられ
た軸孔40と、接合部材38に設けられた軸孔41の双
方に軸58が挿通され、フレーム21に対して揺動自在
に取り付けられている。下部フラッパ23を揺動させる
軸58の位置と、前記した補助支持部材26を揺動させ
る軸51との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等
しい。言い換えると、下部フラッパ23を揺動させる軸
58の位置と、前記した補助支持部材26を揺動させる
軸51との距離は、販売対象となる缶又は瓶の内で最も
小さいものと略等しく、好ましくは、この距離は最も小
径の缶等の±10%の範囲にある。
【0064】本実施例では、下部フラッパ23は、その
上部に軸58が挿通されており、下部側が自由端とな
る。また図示しないストッパが設けられており、下部フ
ラッパ23は、垂直から略水平の範囲内において揺動す
る。また下部フラッパ23は、常時略水平姿勢となる様
にバネ59(図1)からなる付勢手段によって付勢され
ている。すなわち下部フラッパ23は、バネ59によっ
て常時突出方向に付勢され、水平姿勢を保つ。なお下部
フラッパ23の姿勢は、水平から20°程度の範囲、よ
り好ましくは、15°〜20°程度の範囲内の傾斜であ
ることが望ましい。またこの場合の傾斜方向は、自由端
側が下であり、揺動中心が上である。この様に自由端側
を下にする理由は、商品を商品投出装置20と対向する
壁側に寄せ、補助支持部材26の揺動範囲から商品を遠
ざけるためである。なお下部フラッパ23を付勢する手
段は、バネに限定されるものではなく、他の弾性体を活
用することもできる。
【0065】そして下部フラッパ23のガイド溝45に
リンクAの先端がピン60を介して係合している。従っ
てリンクAの先端は、ガイド溝45に沿って摺動自在で
あり、かつピン60を介して回動することもできる。ま
たリンクAの他端側は、ピン63によってフレームの一
部65に設けられた孔105に揺動可能に軸止されてい
る。
【0066】リンクBの先端は、リンクAの中間部分に
ピン64を介して取り付けられている。一方、リンクB
の後端側には軸66が挿通され、さらに軸66は、フレ
ームの一部65に設けられたガイド溝67と係合してい
る。なお、ガイド溝67は、僅かに湾曲し、略垂直方向
にのびる。従ってリンクBの後端側は、ガイド溝67に
そって略垂直方向に移動する。またリンクBに挿通され
た軸66には、図4の様に連動部材28のフック47の
下端が係合可能である。ただし連動部材28のフック4
7は、軸66の下端側にあるものの、両者は一体ではな
い。より具体的には、フック47を上昇させると、軸6
6はフックに引っかけられて上に移動するが、軸66は
単独で上昇することもできる。
【0067】下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関
係は、図2の通りであり、下部フラッパ23が略水平姿
勢にあるとき、下部フラッパ23の揺動中心軸58を中
心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリ
ンクAが位置する。したがって、下部フラッパ23から
受ける力は、リンクAに対して軸方向にのみ作用し、リ
ンクAは揺動せず、下部フラッパ23を略水平姿勢に保
持する。またこのとき、リンクBは、リンクAの揺動中
心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に
位置する。すなわちリンクBは、リンクAが上記した関
係を崩す方向に対して垂直方向に位置する。より具体的
には、リンクAはフレーム21側(商品通路の側壁側)
に移動すると下部フラッパ23を支持し得なくなるが、
リンクBによってリンクAがフレーム21側に移動する
ことを阻止している。本実施例では、リンクAから受け
る力は、リンクBに対して軸方向にのみ作用し、リンク
Bは揺動しない。すなわち前記したリンクAは、下部フ
ラッパ23の移動を阻止し、リンクBは前記リンクAの
移動を阻止する。
【0068】一方、リンクBの後端側が移動してこれら
の関係が崩れると、下部フラッパ23の姿勢を維持する
ことができなくなる。すなわちリンクBの後端側が上部
に僅かに移動すると、リンクAから受ける力によってリ
ンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの
後端側はその力によって更に上昇する。その結果、リン
クBと結合したリンクAが揺動する。すなわちリンクA
の先端側のピン60が下部フラッパ23のガイド溝45
に沿って移動し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が
変わる。そのため下部フラッパ23から受ける力によっ
てリンクAに揺動方向の力が生じ、リンクAは閉じる方
向に移動する。その結果下部フラッパ23は、収納方向
に移動する。
【0069】上記した自動販売機の商品投出装置20
は、図2,5,6,7の様に、自動販売機の商品通路2
の下部に取り付けられる。また商品通路2の対向壁10
6には、図5,6,7の様に上部フラッパ22が飛び出
した状態の時の、上部フラッパ22の最高高さに相当す
る位置に、壁側突起70が設けられている。壁側突起7
0の断面形状は、図2,5,6,7の様に、略直角三角
形である。すなわち突端部110の下部は、水平壁11
1となっており、上部は比較的なだらかな傾斜壁112
となっている。壁側突起112の傾斜壁112は、上流
側から下流側にかけて次第に突出量が増大する様に傾斜
する傾斜面(傾斜部)112を形成する。そしてこの傾
斜面の角度、すなわち傾斜壁112の傾斜角度θは、1
5°以下であり、より好ましくは12°以下である。一
方、商品投出装置20のフレーム21にも、前記した様
に商品投出装置側突起71があり、両突起70,71の
高さは段違い状態となっている。すなわち商品通路の対
向壁側の突起70と商品投出装置20側の商品投出装置
側突起71は近似した高さにあり、商品投出装置20側
の突起71が僅かに高い位置にある。なお壁側突起11
2の高さと商品投出装置側突起71の高さは、略等し
い。具体的には両者の差は、15%以下であり、具体的
数値としては2mm以下である。またより推奨される両
者の差は1.5mm以下である。
【0070】ここで本実施例の商品投出装置20と、商
品通路の対向壁106の各部の位置関係を、詳細に説明
すると、商品通路2の幅をWとした時、商品投出装置2
0に設けられた突起71と対向壁106間の距離Wa
は、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満である。
また対向壁106に設けられた壁側突起70の突端部1
10と、これに対向する位置における商品投出装置20
との距離Wbについても、商品通路2の幅Wの85%以
上95%未満である。さらに商品投出装置20に設けら
れた突起71と対向壁側の突起70との最短距離Wcに
ついても、商品通路の幅Wの85%以上95%未満であ
る。また上部フラッパ(次期商品支持部材)22が突出
した状態における補助支持部材26と壁側突起70の突
端110との最短距離Wdは、商品通路2の幅Wの65
%以下である。
【0071】さらに壁側突起70の突端部110の位置
及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置
関係は、商品通路2の幅Wの88%の直径を持つ円筒が
下部フラッパ23に支持されたときに当該円筒の一部が
壁側突起70の突端部110と当接し、商品通路2の幅
Wの70%の直径を持つ円筒が下部フラッパ23に支持
されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起70
の突端部110と接しない関係にある。なお商品通路2
の幅Wの88%は、狙いとする大径商品(太缶)の平均
的な直径に相当する寸法である。また商品通路2の幅W
の70%は、狙いとする小径商品(細缶)の平均的な直
径に相当する寸法である。壁側突起70の突端部110
の位置及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23
の位置関係を、上記の通りとすることにより、狙いとす
る大径商品及び小径商品の双方を円滑に投出することが
できる。
【0072】次に本実施例の自動販売機の商品投出装置
20の全体的な作用について説明する。図5は、本実施
例の自動販売機の商品投出装置20によって太缶を投出
する場合の様子を示す。本実施例の商品投出装置20を
太缶の排出に使用する場合は、図5(a)の様に最も下
端の缶72は、下部フラッパ23によって支持される。
太缶72が下部フラッパ23に載置された時、太缶72
の一部、より具体的には、太缶72の中心軸を通る水平
軸に対して10°〜20°程度上方の位置が壁側突起7
0の突端部110と接する。なお本実施例においては、
太缶72は壁側突起70の突端部110、下部フラッパ
23及び商品投出装置20の一部の3点で支持され、商
品通路の対向壁106とは接しない。
【0073】またこの時の下部フラッパ23とリンク
A,Bの位置関係は、前記した通りであり、下部フラッ
パ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ2
3の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリ
ンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リン
クAの揺動軌跡の接線方向に位置する。したがって太缶
の荷重は、リンクAによって阻止され、さらにリンクA
はリンクBによって固定される。そのため下部フラッパ
23は略水平姿勢を維持し、太缶は落下しない。
【0074】またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退している。補助支持部材26は、バネ5
4によって突出方向に付勢されているが、太缶72に押
されて図5(a)の様に引き込んだ姿勢となっている。
【0075】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる
軸66を引き上げる。そうすると、リンクBとリンクA
の上記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によって
リンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクB
の後端側はその力によって更に上昇する。すなわち連動
部材28のフック47は、軸66を引っかけているのに
過ぎず、軸66は、フック47を離れて上部に移動する
ことができるから、リンクBの後端側は、連動部材28
の上昇よりも早く上昇する。そしてリンクBに連れてリ
ンクAが揺動し、リンクAの先端側のピン60が下部フ
ラッパ23のガイド溝45に沿って移動し、下部フラッ
パ23に対する傾斜角度が変わる。そのため太缶の荷重
によって、下部フラッパ23は、押し開かれる。その結
果、最下部に位置する太缶72が落下し商品が排出され
る。
【0076】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸
48と、上部フラッパ22のガイド溝34との位置関係
が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺動
する。すなわち図5(b)の様に上部フラッパ22が突
出する。ここで前記した様に、補助支持部材26は枠状
であって開口35を持ち、かつ開口35の長さは、上部
フラッパ22の長さよりも長いので、上部フラッパ22
は、補助支持部材26の開口35内にすっぽりと入り込
み、補助支持部材26の位置に係わらず、上部フラッパ
22は全揺動範囲に渡って揺動することができるので、
上部フラッパ22は障害なく突出することができる。そ
の結果、上部フラッパ22の突端部57が下から2個目
の缶73と当接し、缶73の落下を防ぐ。
【0077】この時の太缶73の様子は、図5(b)の
様であり、太缶73は、商品投出装置20の突起71の
平面部108と、対向壁106の壁側突起70の傾斜壁
112に挟まれ、さらに下部が上部フラッパ22の突端
部57で支持されて安定する。
【0078】この様に缶73が上部フラッパ22によっ
て保持され、下部フラッパ23は無荷重となるので、下
部フラッパ23は、バネ59の力によって水平姿勢に戻
る。また下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリン
クAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心
64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位
置して安定する。そして最下部の商品の排出が確認され
ると、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻
る。
【0079】また上部フラッパ22が戻ると、缶73
は、つっかえが外された状態となって落下するが、本実
施例では、商品投出装置20と対向壁106の双方に突
起70,71が設けられているので、缶73は、ややジ
グザグ状に移動して下部フラッパ23に載置される。す
なわち本実施例では、商品投出装置20側の突起71と
壁側突起70が段違い状態となっており、商品投出装置
20側の突起71が壁側突起70に比べて僅かに高い位
置にある。また対向壁106側の突起70は、断面形状
が、図2,5,6,7の様に、略直角三角形であり、突
端部110の下部の上部は比較的なだらかな傾斜壁11
2となっている。さらに商品投出装置20に設けられた
突起71と対向壁106間の距離Waは、商品通路2の
幅Wの85%以上95%未満であり、商品通路2の他の
部分に比べて狭く規制されている。また対向壁106に
設けられた壁側突起70の突端部110と、これに対向
する位置における商品投出装置20との距離Wbについ
ても、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満であ
り、商品通路2の他の部分に比べて狭く規制されてい
る。
【0080】そのため缶73は、上部フラッパ22が戻
った際、対向壁106側の壁側突起70の傾斜壁112
に沿って商品投出装置20側に移動する。そして缶73
は、商品投出装置20に設けられた突起71と壁側突起
70との最短距離Wcの部位を通過し、下部に至る。こ
こで本実施例では、商品投出装置20に設けられた突起
71と壁側突起70との最短距離Wcについても、商品
通路の幅Wの85%以上95%未満の広さを持つので、
比較的太い缶でも容易に通過することができる。
【0081】また本実施例では、下部フラッパ23が水
平から20°程度の範囲の角度をもって自由端側が下に
傾斜しているので、缶73は対向壁106側に移動す
る。その結果、缶73は、ややジグザグ状に移動して下
部フラッパ23に載置される。
【0082】以上は、太缶を販売する場合の動作である
が、次に角ペットボトルを販売する場合の動作について
説明する。角ペットボトルを販売する場合の注意点とし
て角ペットボトルを回転させずに排出することが挙げら
れる。すなわち円筒缶は、商品通路を落下する時の回転
姿勢がどうであれ商品通路やフラッパ22,23等との
当接関係は変わらないが、角ペットボトルでは、回転姿
勢によって商品支持部材等との当接関係が大きく変化す
る。たとえば角ペットボトルが角の部分を先頭に落下す
ると、下部フラッパ23に角ペットボトルの角の部分が
接し、不安定な状態で支持されることとなる。そのため
角ペットボトルの様な角状の商品は、平面部分が最下部
となる様に落下させることが望ましい。そこで本実施例
では、壁側突起112の傾斜壁112を15°以下のな
だらかなものとし、角ペットボトルが回転しない様に配
慮している。すなわち本発明者らの研究によると、壁側
突起112の変化率(勾配)が急激であると角ペットボ
トルの角が壁側突起112に引っ掛かり、角ペットボト
ルの両側面の落下速度に違いが生じる。そのため角ペッ
トボトルが回転して角の部分が最下部となってしまうこ
とが分かった。一方、当該傾斜面の角度が商品通路に対
して15°以下である場合は、商品の回転が発生する頻
度は極めて少ないものとなる。すなわち傾斜面の角度が
小さい場合は、角ペットボトルの両側面の落下速度の違
いが少なく、角ペットボトルが回転しない。傾斜面の角
度が商品通路に対して15°以下である場合は、角ペッ
トボトルがたとえ回転したとしても回転角度が小さく、
角ペットボトルが下部フラッパ23と接した時に自然に
元の姿勢に復帰する。これに対して傾斜面の角度が商品
通路に対して15°を越えると、数十回に1回の割合で
角ペットボトルが正規の姿勢に復帰しない場合が生じ
る。そこで本実施例では、壁側突起112の傾斜壁11
2を15°以下のなだらかなものとし、角ペットボトル
の回転を阻止している。
【0083】角ペットボトルを販売する場合の基本的な
動作は、図6の通りであり、下端の角ペットボトル74
が下部フラッパ23によって支持され、この時、上部フ
ラッパ22は、垂直姿勢にあり、後退している。また補
助支持部材26は、角ペットボトル74に押されて図6
(a)の様に引き込んだ姿勢となっている。
【0084】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28が引き上げられ、リンクBとリンクAの上
記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によってリン
クBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの後
端側はその力によって更に上昇し、角ペットボトルの荷
重によって、下部フラッパ23は、押し開き方向に移動
する。そのため最下部に位置する角ペットボトル74が
落下し商品が排出される。
【0085】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、上部フラッパ22のガイド
溝部31との位置関係が変化して上部フラッパ22が突
出し、角ペットボトル75の落下を防ぐ。
【0086】そのため下部フラッパ23は無荷重とな
り、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、
さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定す
る。そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノ
イド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。その結
果、角ペットボトル75は、ややジグザグ状に移動して
下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に支持さ
れる。
【0087】続いて細缶を販売する場合の動作を図7に
基づいて説明する。細缶を販売する場合の動作は、先の
太缶等の場合と大きく異なる。すなわち本実施例の商品
投出装置20を細缶の排出に使用する場合は、図7
(a)の様に最も下端の缶76は、下部フラッパ23に
よって支持される。このとき、缶76はいずれの部分も
突起70の突端部110と接しない。すなわち細缶76
は、対向壁106、下部フラッパ23及び商品投出装置
20の一部の3点で支持され突起70とは接しない。本
実施例では、細缶76の一部は対向壁106と接してい
るが、当該接触部位は対向壁106に設けられた突起7
0の下部近傍であり、細缶76の最上部の高さは突起7
0の突端部110の高さを越えるものの、細缶76外周
の曲率が大きく、且つ突起70の高さが低いために突起
70の突端部110は細缶76と接しない。
【0088】このとき、下部フラッパ23とリンクA,
Bの位置関係は、前述の太缶の場合と同一であり、下部
フラッパ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラ
ッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さ
らにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置する。したが
って細缶の荷重は、リンクAによって阻止され、さらに
リンクAはリンクBによって固定され、下部フラッパ2
3は略水平姿勢を維持し、細缶は落下しない。
【0089】またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退している。ここで前記した太缶及び角ペ
ットボトルを販売する場合は、補助支持部材26は、太
缶に押されて図5(a)の様に引き込んだ姿勢となって
いたが、細缶を販売する場合には、補助支持部材26は
突出した姿勢となる。すなわち細缶は径が小さく、且つ
下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記し
た補助支持部材26を揺動させる軸51との距離は、図
7の様に細缶77の直径と略等しいため、補助支持部材
26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付勢され
て水平姿勢となる。
【0090】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる
軸66を引き上げる。そうすると、リンクBとリンクA
の上記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によって
リンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクB
の後端側はその力によって更に上昇する。そしてリンク
Bに連れてリンクAが揺動し、下部フラッパ23に対す
る傾斜角度が変わり、細缶の荷重によって、下部フラッ
パ23は、閉塞方向に移動する。そのため最下部に位置
する細缶76が落下し商品が排出される。
【0091】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸
48と、上部フラッパ22のガイド溝部31との位置関
係が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺
動する。すなわち図7(b)の様に上部フラッパ22が
突出する。ここで本実施例では、前記した様に細缶の径
が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の
位置と、前記した補助支持部材26を揺動させる軸51
との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等しいた
め、補助支持部材26は細缶76,77と接触せず、バ
ネ54に付勢されて水平姿勢となっている。そのため上
部フラッパ22は、補助支持部材26が水平姿勢となっ
た状態で揺動し、その先端部が補助支持部材26の先端
部と係合する。したがって補助支持部材26は、図7
(b)の様に先端側が上部フラッパ22によってつっか
えられた状態となり、揺動しない。またこのとき補助支
持部材26の最先端は、上部フラッパ22の先端よりも
対向壁106側に突出しているので、全体としての突出
量は、上部フラッパ22単独の場合に比べてより先端側
に位置する。
【0092】そのため補助支持部材26の最先端は、図
7(b)の様に2個目の細缶77と接し、細缶77の落
下を防ぐ。すなわち上部フラッパ22は、実質的に補助
支持部材26によって延長され、細缶77と接して細缶
77の落下を防ぐ。
【0093】そのため下部フラッパ23は無荷重とな
り、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、
さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定す
る。そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノ
イド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。そうする
と、2個目の細缶77をおさえていた補助支持部材26
は、つっかえとなる部材を失い、細缶77の重量におさ
れて傾斜する。そして細缶77は、ややジグザグ状に移
動して下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に
支持される。
【0094】次に本実施例の自動販売機の商品投出装置
20の安全性に対する機能について説明する。商品が詰
まって出なくなった時、使用者やメンテナンス要員が商
品取り出し口から手を差し入れ、詰まった商品を抜き出
す場合がある。この時、下部フラッパ23が動作する
と、下部フラッパ23に手を挟まれ、痛い。これに対し
て、本実施例の自動販売機の商品投出装置20では、自
動販売機の商品取り出し口から手を差し入れて触ること
ができるのは、リンクAである。ここでもしリンクAが
移動するならば、下部フラッパ23が倒れ、手が挟まれ
ることとなる。しかしながら本実施例の自動販売機の商
品投出装置20では、リンクAは、リンクBによって支
持されており、外部から押してもリンクAは動かない。
またリンクBを移動させれば、下部フラッパ23が倒れ
るが、リンクBの前方には、リンクAの隠し板62があ
り、外部から手等をいれても隠し板62が障害となって
リンクBに触れることはできない。そのため下部フラッ
パ23は動作せず、下部フラッパ23に手を挟まれるこ
とはない。
【0095】また自動販売機の内部には、複数の商品通
路2が設けられているので、レイアウト上、商品投出装
置20,20’は、図8の様に背中合わせに配置される
こととなる。また本実施例の商品投出装置20は、下部
フラッパ23が水平に近い状態で缶を保持するので、フ
レーム21に大きな開口があると、商品取り出し口から
手を差し入れた時に、一方の商品投出装置20の開口部
分から隣の商品投出装置20’のリンクB等に触れ、下
部フラッパ23が閉じる事態が予想される。そこで本実
施例の商品投出装置20では、板状部材103が設けら
れ、開口101の一部を閉塞している。より具体的に
は、本実施例の商品投出装置20では、下部フラッパ2
3が装着される部位の開口であって、商品投出装置2
0,20’を背中合わせに重ねた時、リンクBを覆う部
位に板状部材103が設けられ、開口101の一部を閉
塞している。そのため本実施例の商品投出装置20で
は、商品取り出し口から手を差し入れても、隣接する商
品投出装置20が動作することはない。なお本実施例で
は、板状部材103は、図の様にフレーム21の開口1
01の下端部であって、向かって左側だけに設けられて
いる。これはフレーム21の開口101の下側であって
右半分には、前記した様にリンクAの隠し板62が存在
するため、向かって右側の部位から開口101に手が入
ることがないからである。また開口101の上部には上
部フラッパ22があり、当該上部フラッパ22は下部が
揺動中心となっており、さらに当該部位には常時商品が
存在して手が入らないため、開口101の上部には隠し
板はない。
【0096】(実施例2)次に本発明の第2実施例につ
いて説明する。図9は、本発明の第2実施例の自動販売
機の商品投出装置の正面図である。図10は、図9の実
施例の自動販売機の商品投出装置のフレームの正面図で
ある。図11は、図9の実施例の自動販売機の商品投出
装置の分解斜視図である。図12は、図9の実施例の自
動販売機の商品投出装置の待機状態を裏面側から見た斜
視図である。図13,14は、図9の実施例の自動販売
機の商品投出装置の商品排出時の状態を裏面側から見た
斜視図である。図15は、図9の実施例の自動販売機の
商品投出装置の商品排出直後の状態を裏面側から見た斜
視図である。図16は、図12の円A部分の拡大図であ
り、自動販売機の商品投出装置の仮止め部材の斜視図で
ある。図17,18は、図9の実施例の自動販売機の商
品投出装置によって缶を投出する際の動作を説明する説
明図である。
【0097】本実施例の自動販売機の商品投出装置12
0は、前記した実施例の商品投出装置20の下部フラッ
パ23の一部を改良したものである。本実施例の自動販
売機の商品投出装置120で採用する上部フラッパ22
の構成は、先と全く同一である。そのため下部フラッパ
23の基本構成や上部フラッパ22の構成については簡
単な説明に止め、特徴部分たる下部フラッパの改良部分
に重点をおいて説明する。また先の実施例と共通する部
品や、同一の機能を発揮する部品については、同一の番
号を付して重複して説明を省略する。
【0098】以下説明すると、商品投出装置120は、
先の実施例と同様に枠状のフレーム21を持ち、その上
下にフラッパ(商品支持部材)22,23が設けられた
ものである。フレーム21は、鋼板を曲げ加工して作ら
れたものであり、上下のフラッパ22,23が取り付け
られる部位に、開口101が設けられている。しかしな
がら開口101の下部フラッパ23が装着される部位の
開口には、板状部材103が設けられており、開口10
1の一部を閉塞している。板状部材103が設けられ位
置は、フレーム21の中心から向かって左側であり、商
品投出装置20を背中合わせに重ねた時に、後記するリ
ンクBを覆う部位である。
【0099】またフレーム21の正面側であって、上部
フラッパ22が取り付けられる部位の開口101の上部
には、突起71a,71bが設けられている。突起71
a,71bは、同一の高さであり、断面形状も同一であ
る。すなわち突起71a,71bの縦断面形状は、図
2,5,6,7の様に台形であり、傾斜部109,10
7と平面部108を持つ。
【0100】また本実施例では、フレーム21の裏面側
に図13〜15の様に二本の支持棒117,118が設
けられている。支持棒117,118は、後記する固定
側部材125を含めて、全て樹脂によって作られている
支持棒117,118には、図13〜15の様に3個の
長穴124,121,122と、一つの丸穴123が設
けられている。この内、最も上部に設けられた長穴12
0は、直線状であり、連接部材28の軸48をガイドす
るものである。また中間部の長穴121は、リンクBの
後端側を軸66を介して支持するものであり、図12に
示すように弓形をしている。より詳細には、長穴121
は、両端部が直線状であって支持棒117,118の軸
方向にのび、中間部が円弧状をしている。すなわち長穴
121は、両端に直線部121a,bを持ち、その中間
部に円弧部121cを持つ。支持棒117,118の長
穴121は、リンクBの後端側をガイドするものであ
る。最も下部に設けられた長孔122は、リンクAの後
端側を支持する軸132が挿通される。
【0101】また丸孔123には、下部フラッパ23の
揺動軸58が挿通される。ここで本実施例の商品投出装
置120では、一方の支持棒118の丸孔123に、仮
止め手段115の一部たる固定側部材125が設けられ
ている。固定側部材125は、図16に示すように、丸
孔123の端面に設けられた3個の切欠穴137であ
る。すなわち商品投出装置120では、支持棒118
の、下部フラッパ23の揺動軸58を挿通する丸孔12
3端面に、3個の切欠穴137が等間隔に設けられてい
る。
【0102】上部フラッパ22は、下から2個目の商品
を保持するものであり、次期商品支持部材として機能す
る。上部フラッパ22の構造は、前記した実施例と同一
であり、補助支持部材26が装備されている。
【0103】次に主商品支持部材たる下部フラッパ23
について説明する。主商品支持部材たる下部フラッパ2
3は、金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材
38が一体化されたものである。すなわちフラッパ部材
37は、金属製であり、長方形の板状をしている。また
その一辺の両端に軸孔40が設けられている。
【0104】一方、接合部材38は、板状部43の一辺
側の両端及び中央に軸孔41a,41b,41cが設け
られ、さらに下面側にガイド部44が設けられたもので
ある。ここで本実施例の商品投出装置120では、板状
部43の中央の軸孔41bに仮止め手段115の一部た
る駆動側部材116が設けられている。駆動側部材11
6は、図16に示すように、軸穴41bの端面に設けら
れた3個の突起138である。すなわち商品投出装置1
20では、板状部43の中央の軸孔41bの端面に3個
の突起138が等間隔に設けられている。そして駆動側
部材116を構成する突起138は、特定の回転姿勢の
際に、支持棒118の丸孔123の端面に設けられた3
個の切欠穴137(固定側部材125)と係合する。
【0105】またガイド部44は、板状部43の平面に
対して垂直の面にあり、ガイド溝45が形成されてい
る。ガイド溝45は、図11,17の様に直線状をして
いる。金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材
38は、図示しない嵌合構造によって一体化されてお
り、フラッパ部材37の軸孔40と接合部材38の軸孔
41a,b,cは連通する。
【0106】後退阻止部材25は、本実施例では、二つ
のリンクA,Bによって構成されている。リンクAは、
一枚の板体を曲げ加工して略「コ」の字状に構成された
ものであり、二本の平行な帯状部材61a,61bを持
ち、その一面側(商品通路側)に隠し板62が形成され
たものである。帯状部材61a,61bの一方には丸孔
130が設けられている。また帯状部材61a,61b
の他方には長孔131が設けられている。
【0107】またリンクAの隠し板62の中央部分は、
二箇所の部分で半円状に切り返されている。当該切り返
し部135は、帯状部材61a,61bと平行に折り立
てられている。そして切り返し部135には、孔136
が設けられている。リンクBは二個の樹脂で作られたリ
ンク片によって構成されている。各リンク片の全体形状
は板状であり、一方の辺部側の部位には側面同士を貫通
する貫通孔126が設けられている。また他辺側には切
欠部が設けられ、前記した貫通孔126と平行にピン1
27が設けられている。
【0108】連動部材28は先の実施例と同一であり、
下部にフック47が設けられ、中間部に軸48が挿通さ
れている。また連動部材28は、フレーム21に設けら
れたソレノイド27に接続されており、フレーム21に
対して上下に昇降する。
【0109】次に各部材の組み立て構造について説明す
る。上記した下部フラッパ23の各部材は、いずれもフ
レーム21に取り付けられている。すなわち下部フラッ
パ23は、本体部分に設けられた軸孔40と、接合部材
38に設けられた軸孔41の双方に軸58が挿通され、
フレーム21に対して揺動自在に取り付けられている。
下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記し
た補助支持部材26を揺動させる軸51との距離は、先
の実施例と同一である。
【0110】本実施例においても、下部フラッパ23
は、その上部に軸58が挿通されており、下部側が自由
端となる。また図示しないストッパが設けられており、
下部フラッパ23の揺動範囲が規制されている。ここで
先の実施例においては、下部フラッパ23の揺動範囲は
垂直から略水平姿勢までの範囲であったが、本実施例に
おいては、下部フラッパ23は、水平よりも5〜10°
程度、自由端側が上になるまで揺動可能である。また本
実施例においては、下部フラッパ23は、常時開き姿勢
となる様にバネ59(図1)からなる付勢手段によって
付勢されている。すなわち下部フラッパ23は、バネ5
9によって常時突出方向に付勢されている。
【0111】また本実施例においては、バネ140によ
って下部フラッパ23が軸方向に付勢されている。すな
わち本実施例の商品投出装置120では、下部フラッパ
23を揺動させる軸58にバネ140が挿通されてい
る。当該バネ140の取付け位置は、図12〜16に示
すように支持棒117(固定側部材125が設けられて
いない側)と下部フラッパ23(板状部43)の中央の
軸孔41bの間の部分である。ここで支持棒117は、
フレーム21に対して一体的に取り付けられているか
ら、下部フラッパ23は、バネ140の作用によって他
方の支持棒118側に向かって押圧されている。前記し
た様に下部フラッパ23(板状部43)の中央の軸孔4
1bには仮止め手段115の一部たる駆動側部材116
が設けられており、他方の支持棒118には固定側部材
125が設けられているから、バネ140によって駆動
側部材116が、固定側部材125に向かって常時付勢
されている。
【0112】また下部フラッパ23側に設けられた駆動
側部材116は、下部フラッパ23の揺動に伴って揺動
し、下部フラッパ23が最も開いた状態の時に駆動側部
材116と固定側部材125が係合する。より具体的に
は、下部フラッパ23が揺動して、自由端側が水平より
も5〜10°程度上位に位置するとき、下部フラッパ2
3に設けられた3個の突起138の位置が、固定側部材
125に設けられた3個の切欠孔137の位置と合致
し、駆動側部材116と固定側部材125が互いに係合
する。
【0113】そして下部フラッパ23のガイド溝45に
リンクAの先端が軸60を介して係合している。すなわ
ちリンクAの帯状部材61a,61bの丸孔130に軸
60が挿通され、さらにその軸60の両端が下部フラッ
パ23のガイド溝45と係合している。従ってリンクA
の先端は、ガイド溝45に沿って摺動自在であり、かつ
軸60を介して回動することもできる。またリンクAの
他端側に設けられた長孔131には、軸132が挿通さ
れ、さらに軸132は、支持棒117,118の端部
(図面下部)の長穴122及びフレームの一部21に設
けられた長孔133に挿通されている。リンクAの他端
側は、前記した様に軸132を介して支持棒117,1
18に取り付けられているので、当該軸132を中心と
して揺動可能である。またさらに軸132が支持される
支持棒117,118及びフレーム21には、長孔12
2,133が設けられているので、リンクAは長孔12
2,133の範囲に限って直線移動することができる。
【0114】リンクBの先端は、リンクAの隠し板62
に設けられた切り返し部135に回動可能に取り付けら
れている。すなわちリンクBの先端に設けられたピン1
27が、切り返し部135に設けられた孔136と係合
している。一方、リンクBの後端側には軸128が挿通
され、支持棒117,118の中間部の長穴121と係
合している。長穴121は、弓状であって僅かに湾曲
し、略垂直方向にのびる。従ってリンクBの後端側は、
長穴121にそって略垂直方向に移動する。
【0115】またリンクBに挿通された軸128には、
図11〜15の様に連動部材28のフック47の下端が
係合可能である。フック47と軸128との関係は先の
実施例と同様であり、フック47を上昇させると、軸1
28はフックに引っかけられて上に移動するが、軸12
8は単独で上昇することもできる。
【0116】下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関
係は、図17(a)の通りであり、下部フラッパ23が
水平よりも僅かに自由端側が下にある時、下部フラッパ
23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ23
の揺動軌跡の略接線方向にリンクAが位置する。より正
確には、リンクAは、下部フラッパ23の揺動軌跡の接
線方向から僅かに外れており、揺動中心となる軸132
を中心として、他端がフレーム21に近接する方向(図
の反時計回り)に回転力を得る位置にある。ただし、前
記した様に、リンクAの下部フラッパ23の揺動軌跡の
接線方向に対するずれは僅かであり、リンクAに掛かる
回転力はごく小さいものである。また当該位置は、ガイ
ド溝45の端部であって、リンクAの先端部はガイド溝
45の端部をストッパーとして停止する。一方、リンク
Aの他端は軸132を介してフレーム21に結合され
る。したがって、下部フラッパ23、リンクA、フレー
ム21によって閉塞された三角形を構成し、下部フラッ
パ23から受ける力は、主にリンクAに対して軸方向力
として作用する。そのため下部フラッパ23が商品から
受ける力は、その大部分がリンクAの軸方向に作用し、
下部フラッパ23が商品から受ける力は、リンクAによ
って支持される。またリンクAに僅かに生じる回転力
は、リンクBによって支持される。
【0117】すなわちこのとき、リンクBは下端が長穴
121の下端側の直線部121bに位置する。この時の
リンクBの姿勢は、リンクAの揺動軌跡の接線からわず
かに外れており、リンクBは、リンクAの揺動中心軸1
32を中心としてリンクAが閉塞方向(反時計回り)に
回転したとき、リンクBの下端が下方向に力を受ける位
置にある。本実施例においては、下部フラッパ23が略
水平姿勢にあるとき、下部フラッパ23の荷重は主にリ
ンクAのみによって支持され、僅かに生じるリンクAの
回転方向分力をリンクBが負担する。そのため下部フラ
ッパ23上の商品の重量によってはリンクAは揺動せ
ず、下部フラッパ23を略水平姿勢に保持する。
【0118】またリンクAを強制的に閉塞方向に移動さ
せると、リンクBの下端が下方向に移動し、長穴121
の下端側の直線部121bの末端に突き当たり、リンク
Aから受ける力をリンクBが負担する。したがって本実
施例においても、リンクAを操作して下部フラッパ23
を下げることはできない。
【0119】一方、リンクBの後端側が上昇すると、リ
ンクBはリンクAの揺動軌跡の接線方向を越える。その
ためリンクAから閉塞方向に力を受けるとリンクBの後
端部が長孔121の直線部121bを離れて中間の円弧
部121cに移動する。そのためリンクBの後端側が上
昇すると、リンクBはリンクAの揺動を阻止することが
できない。またリンクBの後端側が上昇すると、前記し
たリンクAの回転方向分力によってリンクAが自然に閉
塞方向に移動し、リンクAは、先端がガイド溝45の末
端部を離れ、さらに下部フラッパ23の揺動軌跡の接線
方向を越える。すなわち本実施例では、リンクBがリン
クAの回動を阻止するストッパとしての機能を果たして
いるが、リンクBの後端側が上昇すると、あたかもスト
ッパが外れた状態となる。したがって下部フラッパ23
を下げる力(下部フラッパ23を時計方向に回転させる
力)によってリンクAが閉塞方向に力を受け、リンクA
の先端がガイド溝45に沿って移動し、下部フラッパ2
3が傾斜し収納方向に移動する。すなわちリンクAの移
動によってリンクAは下部フラッパ23の揺動を阻止す
ることができない状態となる。そのため結果的に、リン
クBの後端側を上昇させると、下部フラッパ23の揺動
阻止が解除される。
【0120】上記した自動販売機の商品投出装置120
は、図17,18の様に、自動販売機の商品通路2の下
部に取り付けられる。また商品通路2の対向壁106に
は、図の様に上部フラッパ22が飛び出した状態の時
の、上部フラッパ22の最高高さに相当する位置に、壁
側突起70が設けられている。壁側突起70の断面形状
は、先の実施例と同一であり、略直角三角形である。傾
斜壁112の傾斜角度θは、15°以下であり、より好
ましくは12°以下である。
【0121】また本実施例の商品投出装置120と、商
品通路の対向壁106の各部の位置関係等についても、
先の実施例と同一であり、商品通路2の幅をWとした
時、商品投出装置120に設けられた突起71と対向壁
106間の距離Waは、商品通路の幅Wの85%以上9
5%未満である。さらに対向壁106に設けられた壁側
突起70の突端部110と対向する位置における商品投
出装置120との距離Wbについても、商品通路2の幅
Wの85%以上95%未満である。また商品投出装置1
20に設けられた突起71と対向壁106側の壁側突起
70との最短距離Wcについても、商品通路の幅Wの8
5%以上95%未満である。また上部フラッパ(次期商
品支持部材)22が突出した状態における補助支持部材
26と壁側突起70の突端110との最短距離Wdは、
商品通路の幅Wの65%以下である。
【0122】さらに壁側突起70の突端部110の位置
及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置
関係は、商品通路2の幅Wの88%の円筒が下部フラッ
パ23に支持されたときに当該円筒の一部が壁側突起7
0の突端部110と当接し、商品通路2の幅Wの70%
の円筒が下部フラッパ23に支持されたときには当該円
筒のいずれの部位も壁側突起70の突端部110と接し
ない関係にある。
【0123】次に本実施例の自動販売機の商品投出装置
120の全体的な作用について説明する。図17,18
は、本実施例の自動販売機の商品投出装置120によっ
て細缶を投出する場合の様子を示す。また図12〜15
は、この時の商品投出装置120を裏面側から観察した
ものであり、図12は、図17(a)に相当する時期の
様子であり、図13は、図17(b)に相当する時期の
様子であり、図14は、図18(a)に相当する時期の
様子であり、図15は、図18(b)に相当する時期の
様子である。
【0124】また図17,18の下部に設けられた長孔
の図は、支持棒117,118及びフレームの一部21
に設けられた長孔122,133と、リンクAの後端側
を支持する軸132との位置関係を示すものである。さ
らにその下部に描かれた図は、下部フラッパ23側に設
けられた駆動側部材116と、支持棒118に設けられ
た固定側部材125の関係を図示するものである。すな
わち当該図は、仮止め手段115の動作を示すものであ
る。
【0125】本実施例の商品投出装置120によって缶
の排出に使用する場合は、図17(a)の様に最も下端
の缶76は、下部フラッパ23によって支持される。こ
のとき、下部フラッパ23は揺動可能範囲の上限よりも
やや下側の位置にある。すなわち本実施例では、下部フ
ラッパ23は、自由端側が揺動軸58よりも5〜10°
程度上になるまで揺動可能であるが、缶76を支持する
際には、下部フラッパ23は、自由端側が揺動軸58よ
りも下となる様に傾斜している。この時の下部フラッパ
23とリンクAの関係は、下部フラッパ23の揺動中心
軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の略
接線方向にリンクAが位置するものとなっている。より
正確には、リンクAは、下部フラッパ23の揺動軌跡の
接線方向から僅かに外れており、揺動中心となる軸13
2を中心として、他端が近接する方向(図の反時計回
り)に回転力を得る位置にある。また当該位置は、ガイ
ド溝45の端部であって、リンクAの先端部は ガイド
溝45の端部をストッパーとして停止する。一方、リン
クAの他端は軸132を介してフレーム21に結合され
る。したがって、下部フラッパ23、リンクA、フレー
ム21によって閉塞された三角形を構成し、下部フラッ
パ23の荷重は、その大部分がリンクAの軸方向力によ
って抗され、さらに僅かに生じるリンクAの回転力がリ
ンクBに抗され、リンクAは揺動せず、下部フラッパ2
3を略水平姿勢に保持する。
【0126】なおこの時のリンクAの軸方向荷重は、図
17(a)の上部の図の様にリンクAの長孔131の上
端縁が軸132を押し、さらに当該軸132が、支持棒
117,118及びフレーム21の長孔122,133
の下端縁を押圧してフレーム21に支持される。
【0127】またこのとき、仮止め手段115は図の様
に係合していない。リンクBは下端が長穴121の下端
部に位置する。
【0128】またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退している。先の実施例で説明したのと同
様に、細缶は径が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動
させる軸58の位置と、前記した補助支持部材26を揺
動させる軸51との距離は、図17の様に細缶77の直
径と略等しいため、補助支持部材26は細缶76,77
と接触せず、バネ54に付勢されて水平姿勢となる。
【0129】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる
軸128を引き上げる。そうすると、リンクBの端部が
上昇してリンクAを閉塞側に引き込む。するとリンクA
の先端部は、ガイド溝45の末端を離れ、さらに下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向からも外れる。そのた
め缶76の重量によって下部フラッパ23が傾斜し、さ
らにリンクAの先端部は、ガイド溝45に沿って摺動し
て下部フラッパ23の傾斜が進行し、下部フラッパ23
が傾斜し収納方向に移動する。
【0130】一方、リンクAから受ける力によってリン
クBに揺動方向の力が作用し、リンクBの後端側はその
力によって更に上昇する。すなわち本実施例において
も、連動部材28のフック47は、軸128を引っかけ
ているのに過ぎず、軸128は、フック47を離れて上
部に移動することができるから、リンクBの後端側は、
連動部材28の上昇よりも早く上昇する。そしてリンク
Bに連れてリンクAが揺動し、リンクAの先端側のピン
60が下部フラッパ23のガイド溝45に沿って移動
し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が変わる。その
ため細缶76の荷重によって、下部フラッパ23は、押
し開かれる。そのため最下部に位置する細缶76が落下
し図17(b)の様に商品が排出される。
【0131】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸
48と、上部フラッパ22のガイド溝部31との位置関
係が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺
動する。すなわち図17(b)の様に上部フラッパ22
が突出する。本実施例についても、細缶の径が小さく、
且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前
記した補助支持部材26を揺動させる軸51との距離
は、図7の様に細缶77の直径と略等しいため、補助支
持部材26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付
勢されて水平姿勢となっている。そのため上部フラッパ
22は、補助支持部材26が水平姿勢となった状態で揺
動し、その先端部が補助支持部材26の先端部と係合す
る。したがって補助支持部材26は、図7(b)の様に
先端側が上部フラッパ22によってつっかえられた状態
となり、揺動しない。またこのとき補助支持部材26の
最先端は、上部フラッパ22の先端よりも対向壁106
側に突出しているので、全体としての突出量は、上部フ
ラッパ22単独の場合に比べてより先端側に位置する。
【0132】そのため補助支持部材26の最先端は、図
17(b)の様に2個目の細缶77と接し、細缶77の
落下を防ぐ。すなわち上部フラッパ22は、実質的に補
助支持部材26によって延長され、細缶77と接して細
缶77の落下を防ぐ。
【0133】そのため下部フラッパ23は無荷重とな
り、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、
さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定す
る。そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノ
イド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。そうする
と、2個目の細缶77をおさえていた補助支持部材26
は、つっかえとなる部材を失い、細缶77の重量におさ
れて傾斜する。そして細缶77は、下部フラッパ23に
落下し、下部フラッパ23に支持される。
【0134】この様に缶77が上部フラッパ22によっ
て保持され、下部フラッパ23は無荷重となるので、下
部フラッパ23は、バネ59の力によって上端まで戻
る。すなわち本実施例の本実施例の商品投出装置120
では、下部フラッパ23は、自由端側が揺動軸58より
も5〜10°程度上になるまで揺動可能であるため、下
部フラッパ23は、バネ59の力によって図18(c)
の様に自由端側が揺動軸58よりも上になるまで揺動す
る。この時、本実施例の商品投出装置120では、リン
クAと支持棒117,118等に長孔131,122,
133が設けられており、この長孔131,122,1
33に挿通された軸132を介してリンクAとフレーム
21が接続されているので、下部フラッパ23は跳ね上
がるが如く動作して上端部に至る。具体的に説明する
と、下部フラッパ23が最も上昇した位置にあるとき、
リンクAに生じる引っ張り力は、図18(c)の上部の
図の様にリンクAの長孔131の下端縁が軸132を引
き、さらに当該軸132が、支持棒117,118及び
フレーム21の長孔122,133の上端縁を引いてフ
レーム21に支持される。従って、実質的にリンクAが
軸方向に移動し、伸び上がる様に移動して迅速に下部フ
ラッパ23を上端部に至らしめる。
【0135】そして下部フラッパ23が上端部に至る
と、下部フラッパ23と共に仮止め手段115の駆動側
部材116が回転して3個の突起138の位置が、固定
側部材125に設けられた3個の切欠穴137の位置と
合致する。また駆動側部材116は、バネ140によっ
て固定側部材125に向かって常時付勢されているの
で、駆動側部材116と固定側部材125は互いに係合
する。そのため下部フラッパ23は上端部の位置で一旦
停止し、振動しない。
【0136】また下部フラッパ23がバウンドした時
は、駆動側部材116と固定側部材125の係合が一旦
解け、下部フラッパ23は一時的に自由端側が下になる
が、下部フラッパ23はバネによって常時、商品通路2
を閉塞する方向に付勢されているので、下部フラッパ2
3は再度揺動して駆動側部材116と固定側部材125
係合する。これら一連の動作により、下部フラッパ23
の運動エネルギーが消費され、下部フラッパ23は一旦
静止する。
【0137】そして最下部の商品の排出が確認される
と、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻
る。その結果、缶76が下部フラッパ23の上に落下す
る。すると下部フラッパ23にかかる重みによって下部
フラッパ23が揺動し、バネ140の力に抗して仮止め
手段115の係合が外れる。ここで仮止め手段115を
構成する駆動側部材116及び固定側部材125は、い
ずれも樹脂で作られているので、仮止め手段115は円
滑に係合が解ける。そして結果的に前記した様な、下部
フラッパ23の自由端側が揺動軸58よりもやや下とな
る様に傾斜し、下部フラッパ23の揺動軸58を中心と
して、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンク
Aが位置することによって缶の重量に耐えて略水平姿勢
を維持する。
【0138】なお上部フラッパ22が戻ると、缶76
は、つっかえが外された状態となって落下するが、本実
施例では、商品投出装置120と対向壁106の双方に
突起70,71が設けられているので、缶77は、やや
ジグザグ状に移動して下部フラッパ23に載置される。
【0139】以上、細缶を販売する場合を例に動作を説
明したが、他の太さの缶を販売する場合もについても同
様に一連の動作が行なわれる。さらに角ペットボトルを
販売する場合も同様の動作をする。本実施例についても
先の実施例と同様、販売時に角ペットボトルが回転する
ことはない。
【0140】また本実施例の自動販売機の商品投出装置
120の安全性についても、前記した実施例と同様であ
り、使用者やメンテナンス要員が商品取り出し口から手
を差し入れても、下部フラッパ23に手を挟まれること
はない。
【0141】以上説明した第2実施例では、仮止め手段
115の駆動側部材116を下部フラッパ23を揺動さ
せる軸孔に設けた。この構成は構造が簡単であり且つ動
作が確実であるため推奨されるが、仮止め手段の位置
は、他の部位であってもよい。例えば下部フラッパ23
のフラッパ部材の側面に設けることも可能である。
【0142】(実施例3)次に本発明の第3実施例につ
いて説明する。図19は、本発明の第3実施例の自動販
売機の商品投出装置の側面図である。図20は、図19
の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図である。図2
1は、図19の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って太缶を投出する際の動作を説明する説明図である。
図22は、図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する
説明図である。図23は、図19の実施例の自動販売機
の商品投出装置によって細缶を投出する際の動作を説明
する説明図である。本実施例の自動販売機の商品投出装
置80は、下部フラッパ81の構造だけが先の実施例と
異なり、上部フラッパ22等の構成は、先と全く同一で
ある。すなわち商品投出装置80は、先の実施例と同様
に枠状のフレーム21を持ち、その上下にフラッパ(商
品支持部材)22,81が設けられたものである。
【0143】またフレーム21の正面側であって、上下
のフラッパ22,23が取り付けられる開口101の上
部には、突起71a,71bが設けられている。突起7
1a,71bは、同一の高さであり、断面形状も同一で
ある。すなわち突起71a,71bの縦断面形状は、図
21,22,23の様に台形であり、傾斜部109,1
07と平面部108を持つ。
【0144】上部フラッパ22は、下から2個目の商品
を保持するものであり、次期商品支持部材として機能す
る。上部フラッパ22の構造は、前記した実施例と同一
であり、補助支持部材26が装備されている。
【0145】本実施例の自動販売機の商品投出装置80
では、下部フラッパ81は、金属製のフラッパ部材37
と、樹脂製の突起部材82が一体化されたものである。
フラッパ部材37は、前記した第1実施例と同一であ
り、金属製であり、長方形の板状をしている。またその
一辺に軸孔40が設けられている。一方、突起部材82
は、板状部43の一辺側に軸孔41が設けられ、さらに
下面側に弓状の突起85が設けられたものである。弓状
の突起85は、約90°の角度に渡って形成されたもの
である。
【0146】金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の突
起部材82は、図示しない嵌合構造によって一体化され
ており、フラッパ部材37の軸孔40と突起部材82の
軸孔41は連通する。そして下部フラッパ81は、本体
部分に設けられた軸孔40と、突起部材82に設けられ
た軸孔41の双方に軸83が挿通され、フレーム21に
対して揺動自在に取り付けられている。
【0147】一方、連動部材28の下端部には、軸86
が一体に取り付けられている。軸83は、フレーム21
の一部に設けられたガイド孔90と係合しており、上下
にのみ移動する。本実施例では、軸86は、後退阻止部
材として機能する。すなわち本実施例の自動販売機の商
品投出装置80では、下部フラッパ81が略水平姿勢に
あるとき、後退阻止部材たる軸86は、前記した下部フ
ラッパ81の突起85と係合する。そのため突起85は
後退が阻止され、必然的に突出した状態を維持する。
【0148】一方、後退阻止部材たる軸86が上昇して
軸86と突起85との係合が解けると、下部フラッパ8
1を支える部材を失い、下部フラッパ81は、上からの
荷重によって揺動する。
【0149】本実施例の商品投出装置80と、商品通路
の対向壁106の各部の位置関係は、前記した第1、第
2実施例と同一であり、商品通路2の幅をWとした時、
商品投出装置80に設けられた突起71と対向壁106
間の距離Waは、商品通路の幅Wの85%以上95%未
満である。また対向壁106に設けられた壁側突起70
の突端110と対向する位置における商品投出装置80
との距離Wbについても、商品通路2の幅Wの85%以
上95%未満である。さらに商品投出装置20に設けら
れた突起71と対向壁106側の壁側突起70との最短
距離Wcについても、商品通路の幅Wの85%以上95
%未満である。また上部フラッパ(次期商品支持部材)
22が突出した状態における補助支持部材26と壁側突
起70の突端部110との最短距離Wdは、商品通路の
幅Wの65%以下である。
【0150】さらに壁側突起70の突端部110の位置
及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置
関係は、商品通路2の幅Wの88%の直径を持つ円筒が
下部フラッパ23に支持されたときに当該円筒の一部が
壁側突起70の突端部110と当接し、商品通路2の幅
Wの70%の直径を持つ円筒が下部フラッパ23に支持
されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起70
の突端部110と接しない関係にある。
【0151】次に、本実施例の自動販売機の商品投出装
置80の全体的な作用を図21〜23を参照しつつ説明
する。本実施例の商品投出装置80を太缶の排出に使用
する場合は、図21(a)の様に最も下端の缶72は、
下部フラッパ81によって支持される。このとき、下部
フラッパ81の突起の先端は、後退阻止部材たる軸86
と係合しており、突起85は後退が阻止され、下部フラ
ッパ81は突出した状態を維持している。そのため太缶
72は落下しない。
【0152】またこの時の上部フラッパ22及びは、補
助支持部材26の動作は、先の実施例と同一であり、上
部フラッパ22は後退し、補助支持部材26は引き込ん
だ姿勢となっている。
【0153】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられた後退阻止部材たる軸86が下部フラッパ
81の突起85を離れる。その結果、下部フラッパ81
は揺動が可能となり、太缶の荷重によって、下部フラッ
パ81は、押し開きに移動する。そのため最下部に位置
する太缶72が落下し商品が排出される。
【0154】以下の動作は、先の実施例と同様であり、
ソレノイド27によって引き続き連動部材28が引き上
げられ、連動部材28と連動する軸48と、上部フラッ
パ22のガイド溝部31との位置関係が変化し、上部フ
ラッパ22が軸50を中心として揺動する。すなわち図
22(b)の様に上部フラッパ22が突出し、太缶と当
接して落下を防止する。そのため下部フラッパ81は無
荷重となり、バネ(図示せず)の力に付勢されて元の姿
勢に復帰する。そして最下部の商品の排出が確認される
と、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻
る。
【0155】また角ペットボトルを販売する場合の動作
や、細管を販売する時の動作も、前記した実施例と同一
である。すなわち角ペットボトルを販売する場合の動作
は、図22の通りであり、下端の角ペットボトル74が
下部フラッパ81によって支持され、この時、上部フラ
ッパ22は、垂直姿勢にあり、後退し、補助支持部材2
6は、角ペットボトルに押されて図21(a)の様に引
き込んだ姿勢となっている。
【0156】また細缶を販売する場合の動作は、図23
の通りであり、最も下端の缶76は、下部フラッパ81
によって支持される。また上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退しているが、補助支持部材26は細缶と
接触せず、バネに付勢されて水平姿勢となる。
【0157】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げ、後退阻止部材たる軸86が下
部フラッパ81の突起85を離れ、下部フラッパ81は
揺動が可能となり、細缶の荷重によって、下部フラッパ
81は、押し開き方向に移動する。そのため最下部に位
置する細缶76が落下し商品が排出される。
【0158】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、上部フラッパ22が突出
し、その先端部が補助支持部材26の先端部と係合す
る。したがって補助支持部材26は、図23(b)の様
に先端側が上部フラッパ22によってつっかえられた状
態となり、閉じず、2個目の細缶77と接し、缶77の
落下を防ぐ。そのため下部フラッパ81は無荷重とな
り、バネの力によって水平姿勢に戻る。
【0159】以上説明した実施例では、商品支持部材は
いずれもウイング形のものを例示したが、単に突出する
様な形式のものでもよい。また商品投出装置側突起は、
商品投出装置20,80,120と一体のものとして説
明したが、他の部位に設けられていても同様の効果が期
待できる。
【0160】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の自動販売機
の商品投出装置は、商品通路出口側の設定作業を行うこ
となく複数種類の形状の商品を円滑に排出することがで
き、商品の搬出トラブルを防止することができる効果が
ある。
【0161】特に請求項1,2に記載の発明では、補助
支持部材によって商品支持部材の全長が延長され、小径
の商品を支持することができる。
【0162】また請求項3に記載の自動販売機の商品投
出装置では、商品支持部材の他に補助支持部材を備え
る。そして本発明の自動販売機の商品投出装置では、商
品支持部材の一部を補助支持部材と係合させて補助支持
部材の揺動を阻止しすることができ、補助支持部材によ
っても商品を支持することができる。そのため本発明の
自動販売機の商品投出装置は、実質上、商品支持部材の
長さを二種類持ち、外径や形状の異なる商品を支持する
ことができる効果がある。
【0163】また請求項4に記載の自動販売機の商品投
出装置では、補助支持部材は商品支持部材が最も突出位
置にあるとき、又はその近傍の位置において商品支持部
材と係合し、他の位置関係にあるときは両者は非係合と
なり、外径や形状の異なる商品を円滑に支持することが
できる効果がある。
【0164】また請求項5に記載の自動販売機の商品投
出装置では、二番目の商品を保持する次期商品支持部材
に補助支持部材を採用している。そのため商品が複数個
排出されることがない。
【0165】また請求項6,7,10に記載の自動販売
機の商品投出装置は、主商品支持部材と次期商品支持部
材を持ち、両者の動作を切り離して行うことができ、外
径や形状の異なる商品を円滑に支持することができる効
果がある。
【0166】また請求項8,9に記載の発明は、装置の
安全性を高めることができる効果がある。
【0167】また請求項11に記載の自動販売機の商品
投出装置は、商品の径や形状によらす最低位置が常に一
定となり、動作が安定する効果がある。
【0168】また請求項12,13に記載の自動販売機
の商品投出部構造は、商品投出装置の時期商品支持部材
及び主商品支持部材と、商品との位置関係が適切なもの
となり、排出可能な商品の範囲が広いという効果があ
る。
【0169】また請求項14に記載の自動販売機の商品
投出部構造は、商品通路の幅W、商品投出装置側突起と
これに対向する壁間の距離Wa、壁側突起とこれに対向
する位置における商品投出装置との距離Wb、商品投出
装置側突起と壁側突起の間の最短距離Wc及び次期商品
支持部材又は補助支持部材と壁側突起との最短距離Wd
に一定の制約を設けることにより、排出可能な商品の範
囲が広がる効果があり、太缶、中太缶、細缶等の各種サ
イズの商品や、角ペットボトル等の円形以外の商品を無
調整で排出することができる効果がある。
【0170】また請求項15に記載の自動販売機の商品
投出部構造は、落下する際の商品の回転が少なく、角形
の商品についても円滑に排出することができる効果があ
る。
【0171】また請求項16に記載の自動販売機の商品
投出部構造についても、落下する際の商品の回転が少な
く、角形の商品についても円滑に排出することができる
効果があり、さらに商品通路の幅を有効に活用すること
ができる効果がある。
【0172】また請求項17に記載の自動販売機の商品
投出部構造は、投出可能な商品の範囲が広いという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の自動販売機の商品投出装
置の正面図
【図2】図1の自動販売機の商品投出装置の側面図
【図3】図1の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図
【図4】図1の自動販売機の商品投出装置のリンクBの
後端部の様子を示す斜視図
【図5】図1の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って太缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図6】図1の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明
【図7】図1の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って細缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図8】図1の実施例の商品投出装置の自動販売機内に
おける配置を説明する説明図
【図9】本発明の第2実施例の自動販売機の商品投出装
置の正面図
【図10】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
フレームの正面図
【図11】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
分解斜視図
【図12】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
待機状態を裏面側から見た斜視図
【図13】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
商品排出時の状態を裏面側から見た斜視図
【図14】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
商品排出時の状態を裏面側から見た斜視図
【図15】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
商品排出直後の状態を裏面側から見た斜視図
【図16】図12の円A部分の拡大図であり、自動販売
機の商品投出装置の仮止め部材の斜視図
【図17】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置に
よって缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図18】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置に
よって缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図19】本発明の第3実施例の自動販売機の商品投出
装置の側面図
【図20】図19の自動販売機の商品投出装置の分解斜
視図
【図21】図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって太缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図22】図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する
説明図
【図23】図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって細缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図24】従来の自動販売機の商品投出装置を搭載した
自動販売機本体の概略構成を示す断面図
【図25】従来の自動販売機の商品投出装置を搭載した
商品収納棚の大径商品投入時の入り口側の側面図
【図26】従来の自動販売機の商品投出装置を搭載した
商品収納棚の小径商品投入時の入り口側の側面図
【図27】従来の自動販売機の商品投出装置の斜視図
【符号の説明】
20,80,120 自動販売機の商品投出装置 21 フレーム 22 上部フラッパ 23,81 下部フラッパ 25 後退阻止部材 26 補助支持部材 27 ソレノイド 28 連動部材 31 ガイド溝部 34 ガイド溝 35 開口 37 フラッパ部材 38 接合部材 51 揺動軸 70 壁側突起 71 商品投出装置側突起 83 軸(後退阻止部材) 85 突起 112 壁側突起 112 傾斜壁 138 突起 137 切欠穴 A リンク B リンク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月18日(2002.7.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動販売機の商品投出装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動販売機に内蔵
されて商品を排出する商品投出装置に関するものであ
り、缶や壕などの直径の異なる複数種類の円筒状、又は
角筒状の商品の取り扱いが可能な自動販売機の商品投出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビールやジュース等の飲料を無人販売す
る装置として、自動販売機が多用される。ところでビー
ルやジュースといった飲料の缶には、太缶、中太缶、細
缶と称される三種類のものが一般に普及している。また
近年、ペットボトル入りの飲料も自動販売機で販売され
る様になった。さらにビタミン等が配合されたドリンク
剤は、専ら瓶入りで製造販売され、これらの瓶入りの飲
料についても自動販売機で販売される。そこで自動販売
機は直径や形状の異なる複数種類の商品を取り扱い得る
ことが大切である。
【0003】ここで一般に、自動販売機の商品投出装置
には、フラッパと称されるウイング動作を行う部材が使
用され、当該部材を商品通路側に突出させて商品の落下
を阻止し、またフラッパを壁面側に収納して商品を排出
する。商品投出装置のフラッパは、上記した様に、商品
通路の障害物となるものであるが、商品を確実に停止
し、また確実に一個づつ投出するためには、商品の径と
フラッパの長さ及び商品通路の幅との関係を調整するこ
とが必要である。そこで複数種類の径の商品を排出する
ためには、フラッパの長さを商品に合わせて変更する
か、あるいは商品通路の幅を変更する必要がある。しか
しフラッパの長さを自動販売機の設置現場で変更するこ
とは容易ではない。そこで従来技術においては、商品通
路の幅を変更することにより複数種類の商品に対応させ
る方策が採用されている。またこの種の自動販売機の商
品投出装置では、最下部(最下流側)に位置する商品を
保持する主フラッパと、当該フラッパが後退した時、一
時的に二番目の商品を保持する次期商品押さえフラッパ
を持つが、従来技術においては、二つのフラッパの動作
は連動していた。
【0004】以下、図面を参照しつつ従来技術の自動販
売機の商品投出装置を説明する。図24は、実開昭64
−27768号公報に開示された従来技術の自動販売機
の商品投出装置を搭載した自動販売機本体の概略構成を
示す断面図である。図24に示す自動販売機は、奥行き
方向に複数の商品収納棚1を構成し、その商品通路2内
に円筒状の商品3を縦列に収納している。
【0005】そして各商品収納棚1の入り口側には、商
品案内板5が設けられている。商品案内板5は、商品投
入口4から投入された商品3を転動させる商品収納棚1
に案内するべく設けられたものである。この商品案内板
5は前後方向に移動自在であり、図25に示すように商
品案内板5を前方(自動販売機の正面側)へ移動させる
と、商品収納棚1を構成する案内部材6の最上部の部材
6aとの間隔が広がり、大径の商品3aに合わせて入り
口幅が設定される。逆に、図26に示すように、商品案
内板5を後方(自動販売機の奥側)へ移動させると、案
内部材6との間隔が狭くなり小径の商品3b に合わせて
入り口幅が設定される。
【0006】また商品収納棚1の下端には、販売指令に
基づいて収納されている商品3を順次1個ずつ投出する
ための商品投出装置7と、これに対向配置されて商品3
の種類に応じて商品通路幅を規制する保持板8を設けて
いる。この保持板8は、図27に示すように、上部と下
部の両側に突出する係合軸9,10を有している。一
方、保持板8の両側に配置された側板11には、係合軸
9,10を係合させる係合溝12,13を形成してい
る。これらの係合溝12,13の内、上方の係合溝12
は前後方向に階段状となっており、下方の係合溝13は
前後方向に斜状で、上端と下端に返り部を有している。
【0007】そして保持板8は、係合軸9,10が係合
溝12,13内で案内されて移動することにより、前後
の2つの位置を得て商品通路2の前後方向の幅を商品3
の種類に応じて変えるようになっている。なお、保持板
8には、その厚みを変えて他の種類の商品3にも対応で
きるように、スペーサー(図示せず)の取り付け用の穴
14,15が適当な位置に形成されている。このよう
に、従来は、商品通路2の幅規制を商品3の入り口側と
出口側で別々に行っていた。これは、小径の商品3b に
設定しているとき、大径の商品3aが投入されると出口
側で詰まり、その排除が困難であるため、比較的排除し
やすい入り口側で規制することとしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成は、出口側を小径の商品に設定後、入り口側の
設定を忘れることがあり、その状態で大径の商品を投入
すると、出口側で詰まり、販売不可となってしまう。ま
たこれと逆に、出口側を大径の商品に誤って設定後、入
り口側は小径の商品に正しく設定したとき、小径の商品
を投入すると小径の商品は商品収納棚1に収納されず素
通りして落下するため再設定が必要となる場合がある。
また商品投出装置7が、たとえ小径の商品を保持したと
しても販売時に投出することができずに出口側で詰ま
り、販売ができなくなってしまう。更に、出口側の設定
は、商品収納棚1が奥に位置する場合、目視することが
困難でほとんど手探り状態で行うため作業性が悪く、誤
設定の要因となっていた。
【0009】このような不具合を解消するために特開平
6−52426号公報に開示されたものでは、入り口側
の設定操作部と出口側の設定操作部とをリンク機構で連
結し、入り口側の設定操作に連動させて出口側を設定さ
せている。しかし、大径の商品を販売するように商品通
路2の幅を設定し、誤って小径の商品を収納してしまっ
た場合、小径の商品が商品通路2の下から2本目の位置
に移動すると、大径の商品の上に位置した小径の商品が
同時に投出されてしまい2本同時に販売されることがあ
る。逆に小径の商品を販売するように商品通路2の幅を
設定し、誤って大径の商品を収納してしまった場合、商
品が詰まって全く排出されないこととなる。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、複数形状の商品に適用可能であり、商品通路出口側
の設定作業を無くし、且つ商品の搬出トラブルを防止で
きる自動販売機の商品投出装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための本発明は、商品通路の壁面側から中央側に向かっ
て突出して商品通路の最下流側に位置する商品を保持す
る主商品支持部材と、前記主商品支持部材の上流側に位
置して下流側から二番目の商品を保持する次期商品支持
部材を有した商品投出装置が取り付けられた自動販売機
の商品投出部の構造において、商品投出装置の一部又は
商品投出装置が取り付けられた壁面であって次期商品支
持部材の上部の位置に商品投出装置側突起が設けられ、
前記商品投出装置に対向する壁面であって、前記商品投
出装置側突起と主商品支持部材の最上部の位置との間の
高さの位置に壁側突起が設けられていることを特徴とす
る自動販売機の商品投出部構造である。
【0012】本発明により、自動販売機の商品通路出口
側の設定作業を行うことなく、複数種類の形状の商品を
円滑に排出することができ、商品の搬出トラブルを防止
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、商品通
路の壁面側から中央側に向かって突出して商品通路の最
下流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、前
記主商品支持部材の上流側に位置して下流側から二番目
の商品を保持する次期商品支持部材を有した商品投出装
置が取り付けられた自動販売機の商品投出部の構造にお
いて、商品投出装置の一部又は商品投出装置が取り付け
られた壁面であって次期商品支持部材の上部の位置に商
品投出装置側突起が設けられ、前記商品投出装置に対向
する壁面であって、前記商品投出装置側突起と主商品支
持部材の最上部の位置との間の高さの位置に壁側突起が
設けられていることを特徴とする自動販売機の商品投出
部構造である。
【0014】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、商品投出装置の一部又は商品投出装置が取り付けら
れた壁面であって次期商品支持部材の上部の位置に突起
が設けられている。また前記商品投出装置に対向する壁
面であって、前記商品投出装置側突起と主商品支持部材
の最上部の位置との間の高さの位置にも突起が設けられ
ている。そのため本発明の自動販売機の商品投出部構造
によると、商品投出装置の次期商品支持部材及び主商品
支持部材と、商品との位置関係が適切なものとなり、排
出可能な商品の範囲が広く、太缶、中太缶、細缶等の各
種サイズの商品や、角形あるいは丸形のペットボトル商
品又は瓶を無調整で排出することができる。
【0015】また請求項2に記載の発明は、商品通路の
幅をWとした時、商品投出装置側突起とこれに対向する
壁間の距離Wa、壁側突起とこれに対向する位置におけ
る商品投出装置との距離Wb及び商品投出装置側突起と
壁側突起の間の最短距離Wcは、いずれも商品通路の幅
Wの85%以上95%未満であり、次期商品支持部材が
突出した状態における次期商品支持部材又は補助支持部
材と壁側突起との最短距離Wdは、商品通路の幅Wの6
5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動
販売機の商品投出部構造である。
【0016】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、商品通路の幅W、商品投出装置側突起とこれに対向
する壁間の距離Wa、壁側突起とこれに対向する位置に
おける商品投出装置との距離Wb、商品投出装置側突起
と壁側突起の間の最短距離Wc及び次期商品支持部材又
は補助支持部材と壁側突起との最短距離Wdに一定の制
約を設けた。本発明の自動販売機の商品投出部構造は、
これらの間隔が特定の関係にあるため、商品投出装置の
次期商品支持部材及び主商品支持部材と、商品との位置
関係が適切なものとなり、排出可能な商品の範囲が広
く、太缶、中太缶、細缶等の各種サイズの商品を無調整
で排出することができる。
【0017】また請求項3に記載の発明は、壁側突起は
商品通路の上流側から下流側にかけて傾斜する傾斜部を
有し、当該傾斜部の角度は商品通路に対して15°以下
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動販
売機の商品投出部構造である。
【0018】本発明の自動販売機の商品投出部構造は、
円筒缶型の商品だけでなく、角形の商品にも対応できる
ものである。すなわち円筒缶は、商品通路を落下する時
の回転姿勢がどうであれ商品通路や商品支持部材等との
当接関係は変わらない。これに対して角ペットボトルで
は、回転姿勢によって商品支持部材等との当接関係が大
きく変化する。具体的に説明すると、角ペットボトルの
断面形状は略正方形であり、4個の平面と4個の角を有
する。そのため角ペットボトルの各平面が水平及び垂直
状態となって落下する場合と、各平面が水平に対して傾
斜して落下する場合がある。すなわち角ペットボトルの
平面部分が最下部となって落下する場合と、角の部分が
最下部となって落下する場合がある。ここで両者を比較
すると後者の様に傾斜姿勢となって角の部分を先頭に落
下した場合は、商品支持部材等との当接関係が不安定で
あり、商品を制御しにくい。そのため角ペットボトルの
様な角状の商品は、平面部分が最下部となる様に落下さ
せることが望ましい。そして本発明者らの研究による
と、壁側突起の他の平面部分に対する変化率(勾配)が
急激であるとペットボトル等の角が壁側突起に引っ掛か
り、商品が回転して角の部分が最下部となってしまうこ
とが分かった。すなわち壁側突起が上流側から段状に突
出していたり急傾斜である場合は商品の向きが変わり、
商品が回転して角の部分が最下部となってしまう。これ
に対して壁側突起の傾斜が緩やかであれば、商品は平面
部分が水平及び垂直となったままの状態を維持して落下
する。また当該傾斜部の角度が商品通路に対して15°
以下である場合は、商品の回転が発生する頻度は極めて
少ないものとなる。
【0019】また請求項4に記載の発明は、商品投出装
置側突起と壁側突起の高さの差は2mm以下であること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動販
売機の商品投出部構造である。
【0020】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、商品投出装置側突起と壁側突起の高さの差は2mm
以下と小さい。そのため商品通路の幅を有効に活用する
ことができる。また落下時の商品の回転も小さいものと
なる。
【0021】また請求項5に記載の発明は、壁側突起の
突端部の位置及び高さと主商品支持部材の位置関係は、
商品通路の幅の88%の円筒が主商品支持部材に支持さ
れたときに当該円筒の一部が壁側突起の突端部と当接
し、商品通路の幅の70%の円筒が主商品支持部材に支
持されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起の
突端部と接しないことを特徴とする請求項1乃至4のい
ずれかに記載の自動販売機の商品投出部構造である。
【0022】本発明の自動販売機の商品投出部構造で
は、比較的大型の商品については主商品支持部材に載置
された際に壁側突起の突端部と当接し、姿勢保持がなさ
れる。一方、比較的小型の商品については、商品通路の
壁と当接し、姿勢保持がなされる。
【0023】次に上記した発明と共に実施することが望
ましい態様について説明する。前述した様に、従来技術
の自動販売機の商品投出装置は、いずれも商品通路の幅
を変更する構成であったのに対し、本態様は、フラッパ
(商品支持部材)の長さを自動調節させて複数種類の商
品に対応させるものである。
【0024】すなわち第1の態様は、自動販売機の商品
通路に取り付けられ、商品通路の壁面側から中央側に向
かって突出・後退する商品支持部材と、壁面側に揺動可
能に軸止めされ自由端側の一部が商品支持部材と係合可
能である補助支持部材を有し、商品支持部材が突出した
際に補助支持部材の先端部が商品支持部材の先端よりも
突出して商品を保持することを特徴とする自動販売機の
商品投出装置である。
【0025】本態様の商品投出装置では、商品通路の壁
面側から中央側に向かって突出・後退する商品支持部材
を有し、当該商品支持部材で商品を支持する。また本態
様は、これとは別に補助支持部材を備える。補助支持部
材は、壁面側に揺動可能に軸止めされ、自由端側の一部
が商品支持部材と係合可能である。そして補助支持部材
は、商品支持部材が突出した際に補助支持部材の先端部
が商品支持部材の先端よりも突出する。したがって商品
支持部材は、補助支持部材によって全長が延長され、小
径の商品を支持することができる。
【0026】また第2の態様は、商品支持部材は一端側
が軸止めされていて他端側が移動し、且つ所定の信号に
基づいて動力によって揺動し、補助支持部材は前記した
商品支持部材の自由端側が軸止されていて他端側が移動
し、補助支持部材は商品支持部材が最も突出位置にある
とき、又はその近傍の位置において商品支持部材と係合
することを特徴とする前記第1態様の自動販売機の商品
投出装置である。
【0027】本態様の自動販売機の商品投出装置では、
商品支持部材は一端側が軸止めされていて他端側が移動
し、且つ所定の信号に基づいて動力によって揺動する。
そのため商品通路側に突出して商品の落下や移動を阻止
し、また壁面側に後退して商品通路を開き、商品を通過
させることができる。補助支持部材は、前記した商品支
持部材の自由端側が軸止されていて他端側が移動する。
例えば商品支持部材の揺動軸が下部にある場合であれ
ば、補助支持部材の揺動軸は上部にある。すなわち補助
支持部材は、商品支持部材と向き合い、両者は互いに反
対方向に揺動する。そのため商品支持部材の揺動軌跡
と、補助支持部材の揺動軌跡は交差する。そして補助支
持部材は商品支持部材が最も突出位置にあるとき、又は
その近傍の位置において商品支持部材と係合し、商品支
持部材の全長を延長する。
【0028】また第3の態様は、自動販売機の商品通路
に取り付けられ、動力によって商品通路の壁面側から中
央側に向かって突出・後退し、商品の支持が可能な商品
支持部材と、壁面側に揺動可能に軸止され常時自由端側
が突出する方向に付勢され、商品によって押し開き可能
である補助支持部材を有し、商品支持部材の一部を補助
支持部材と係合させて補助支持部材の揺動を阻止して補
助支持部材によっても商品の支持が可能であることを特
徴とする自動販売機の商品投出装置である。
【0029】本態様の自動販売機の商品投出装置では、
動力によって商品通路の壁面側から中央側に向かって突
出・後退し、商品の支持が可能な商品支持部材を有す
る。またこれとは別に、壁面側に揺動可能に軸止され常
時自由端側が突出する方向に付勢され、商品によって押
し開き可能である補助支持部材を備える。そして本態様
の自動販売機の商品投出装置では、商品支持部材の一部
を補助支持部材と係合させて補助支持部材の揺動を阻止
することができ、補助支持部材によっても商品を支持す
ることができる。そのため本態様の自動販売機の商品投
出装置は、実質上、商品支持部材の長さを二種類持ち、
外径や形状の異なる商品を支持することができる。
【0030】また第4の態様は、商品支持部材と補助支
持部材の少なくともいずれかは枠状部を持ち、他方はそ
の枠状部内に囲まれた位置に配置され、商品支持部材と
補助支持部材は独立して揺動可能であり、補助支持部材
は商品支持部材が最も突出位置にあるとき、又はその近
傍の位置において商品支持部材と係合し、他の位置関係
にあるときは両者は非係合であることを特徴とする前記
1乃至3のいずれかの態様の自動販売機の商品投出装置
でる。
【0031】本態様の自動販売機の商品投出装置では、
商品支持部材と補助支持部材の少なくともいずれかが枠
状部を持ち、他方はその枠状部内に囲まれた位置に配置
されている。また商品支持部材と補助支持部材は独立し
て揺動可能である。そのため商品支持部材と補助支持部
材は、交差する軌跡上を揺動することができ、また特定
の箇所で係合させることができる。本態様においては、
補助支持部材は商品支持部材が最も突出位置にあると
き、又はその近傍の位置において商品支持部材と係合
し、他の位置関係にあるときは両者は非係合である。
【0032】また第5の態様は、最下流側に位置する商
品を保持する主商品支持部材と、前記主商品支持部材の
上流側に位置して下流側から二番目の商品を保持する次
期商品支持部材を有し、補助支持部材は前記次期商品支
持部材に取り付けられていることを特徴とする前記第1
乃至4のいずれかの態様の自動販売機の商品投出装置で
ある。
【0033】本態様の自動販売機の商品投出装置では、
最下流側に位置する商品を保持する主商品支持部材と、
前記主商品支持部材の上流側に位置して下流側から二番
目の商品を保持する次期商品支持部材を有する。そして
補助支持部材を次期商品支持部材側に取り付けている。
【0034】また第6の態様は、主商品支持部材を商品
通路側に突出する方向に付勢する付勢手段と、前記主商
品支持部材の後退を阻止する後退阻止部材と、次期商品
支持部材を動力によって突出させる突出手段を有し、所
定の信号に応じて後退阻止部材による主商品支持部材の
後退阻止を解除し、これと前後して突出手段によって次
期商品支持部材を突出させることを特徴とする前記第5
の態様の自動販売機の商品投出装置である。
【0035】本態様の自動販売機の商品投出装置は、主
商品支持部材と次期商品支持部材を持ち、両者の動作を
切り離して行うものである。すなわち従来技術において
は、主商品支持部材と次期商品支持部材の動作は連動し
ており、例えば主商品支持部材が30°に傾斜している
時は次期商品支持部材は20°に傾斜しているといった
1対1の関係にあった。従来技術の商品投出装置の基本
思想は、前記した様に商品通路の幅を変更して複数種類
の商品に対応させるものであったから、上記した様に主
商品支持部材と次期商品支持部材の動作を連動させてい
る。しかしながら、本態様の基本思想の様に、商品通路
の幅を変更せずに複数種類の商品に対応させようとする
と、商品の大きさや形状に応じて主商品支持部材と次期
商品支持部材の最適な相対関係が異なる。そこで本態様
は、主商品支持部材と次期商品支持部材の動作を切り離
して行わしめることとした。すなわち本態様の自動販売
機の商品投出装置では、主商品支持部材は付勢手段によ
り商品通路側に突出し、さらに後退阻止部材によって後
退が阻止される。これに対して次期商品支持部材は、突
出手段によって動力をもって突出される。本態様の自動
販売機の商品投出装置では、主商品支持部材が付勢手段
によって商品通路側に突出し、さらに後退阻止部材によ
って後退が阻止される。そのため主商品支持部材は、突
出したままの状態を維持し、商品の移動を阻止すること
ができる。一方、所定の信号によって後退阻止部材によ
る主商品支持部材の後退阻止が解除されると、商品の重
量によって主商品支持部材が後退し、最も下流にある商
品が排出される。またこれと前後して突出手段によって
次期商品支持部材が突出し、下流側から二番目の商品が
保持される。そのため一度に二個の商品が排出されるこ
とはない。また本態様では、主商品支持部材は商品の重
量によって後退するものであるから、次期商品支持部材
の動作とは独立している。
【0036】また第7の態様は、主商品支持部材は、商
品通路の壁面側に揺動可能に軸止めされ、主商品支持部
材の自由端側であって商品通路の壁面側の部位に突起が
設けられ、後退阻止部材は前記突起と係合すると共に所
定の信号に応じて移動し、主商品支持部材との後退阻止
が解除されることを特徴とする前記第7の態様の自動販
売機の商品投出装置である。
【0037】本態様の自動販売機の商品投出装置では、
主商品支持部材は、商品通路の壁面側に揺動可能に軸止
めされている。そして主商品支持部材の自由端側であっ
て商品通路の壁面側の部位に突起が設けられ、後退阻止
部材がこの突起と係合する。したがって主商品支持部材
上に商品が載置されても主商品支持部材は後退せず、商
品を保持することができる。一方、後退阻止部材は、所
定の信号に応じて移動する。その結果、主商品支持部材
の後退阻止が解除され、商品が排出される。
【0038】また第8の態様は、後退阻止部材は二以上
のリンクA,Bを有する連鎖構造によって構成され、一
つのリンクAは主商品支持部材と係合して主商品支持部
材の移動を阻止し、他のリンクBは前記リンクAの移動
を阻止することを特徴とする前記第6又は7の態様の自
動販売機の商品投出装置である。
【0039】本態様の自動販売機の商品投出装置は、安
全性を高めた機能を持つものである。すなわち第6、7
態様の自動販売機の商品投出装置は、後退阻止部材を持
ち、当該後退阻止部材で主商品支持部材の動作を規制し
ている。そのため、例えば商品が詰まった時、手指を挿
入して後退阻止部材を移動させると、後退阻止部材が外
れた状態となり、各部材が動作して手指が挟まれる。そ
こで本態様は、後退阻止部材を二以上のリンクA,Bで
構成し、一つのリンクAは主商品支持部材と係合して主
商品支持部材の移動を阻止し、他のリンクBは前記リン
クAの移動を阻止する構成として、後退阻止部材が容易
に動かない様にした。
【0040】また第9の態様は、後退阻止部材は二以上
のリンクA,Bを有する連鎖構造によって構成され、主
商品支持部材と一つのリンクAは摺動及び回動可能な接
点を介して接合され、他のリンクBは前記リンクAと回
動可能な接点を介して接合され、リンクAが主商品支持
部材の移動方向に対して略垂直方向に位置するとき、リ
ンクBはリンクAが上記した関係を崩す方向に対して略
垂直方向に位置することを特徴とする請求項6乃至8の
いずれかに記載の自動販売機の商品投出装置である。
【0041】本態様の自動販売機の商品投出装置につい
ても、安全性が高い機能を持つものである。本態様の自
動販売機の商品投出装置では、後退阻止部材は二以上の
リンクA,Bを有する連鎖構造によって構成され、リン
クAが直接的に主商品支持部材の動作を規制する働きを
し、リンクBは、リンクAの動作を規制する働きをす
る。すなわち主商品支持部材と一つのリンクAは摺動及
び回動可能な接点を介して接合されているから、リンク
Aが主商品支持部材の移動方向に対して略垂直方向に位
置するとき、主商品支持部材の移動が阻止される。これ
に対してリンクAが主商品支持部材の移動方向に対して
傾斜した位置にあるとき、リンクAと主商品支持部材の
接触点が摺動し、主商品支持部材が移動する。一方、本
態様では、リンクAが主商品支持部材の移動方向に対し
て略垂直方向に位置するとき、すなわち前記した様にリ
ンクAが主商品支持部材の移動を阻止しているとき、リ
ンクBは、リンクAが前記した主商品支持部材を固定す
る関係を崩す移動方向に対して略垂直方向に位置する。
したがってリンクBによってリンクAの移動が阻止され
る。そのため手指等によって、リンクAを押さえても、
リンクAは、リンクBに保持され、リンクAは動かず後
退阻止が解除されない。
【0042】また第10の態様は、主商品支持部材は、
商品通路の壁面側に揺動可能に軸止めされ、後退阻止部
材はリンクAを有し、主商品支持部材とリンクAは摺動
及び回動可能な接点を介して接合され、リンクAが主商
品支持部材の揺動に抗して商品支持部材の後退を阻止す
ることを特徴とする前記第6乃至9の態様の自動販売機
の商品投出装置である。
【0043】本態様の自動販売機の商品投出装置では、
後退阻止部材はリンクAを有する。そしてリンクAが主
商品支持部材の揺動に抗して商品支持部材の後退を阻止
する。リンクAは、例えば主商品支持部材の揺動方向に
対して略垂直方向に位置することによって商品支持部材
の後退を阻止することができる。またリンクAを、主商
品支持部材の揺動方向に対して垂直方向から少しずれた
位置に配置し、リンクAに生じる回転力を他のストッパ
によって阻止することによっても商品支持部材の後退を
阻止することができる。
【0044】また第11の態様は、主商品支持部材は、
常時水平又は水平に対して20°以内の傾斜角度で商品
を支持する前記第6乃至11の態様の自動販売機の商品
投出装置である。
【0045】本態様の自動販売機の商品投出装置では、
主商品支持部材は、常時水平又は水平に対して20°以
内の傾斜角度で商品を支持する。本態様の自動販売機の
商品投出装置では、主商品支持部材は、従来技術に比べ
て水平に近い状態で商品を支持している。すなわち従来
技術の商品投出装置の基本思想は、前記した様に商品通
路の幅を変更して複数種類の商品に対応させるものであ
り、商品通路の幅を変更して商品が理想的な位置に留ま
る様に調整していた。しかしながら、本態様の基本思想
の様に、商品通路の幅を変更せずに複数種類の商品に対
応させる場合、主商品支持部材が傾斜していると、商品
の径によって、商品と商品通路の壁面或いは主商品支持
部材との接触位置が変わり、商品の最低位置が安定しな
い。そこで本態様では、主商品支持部材を水平に近い姿
勢とし、商品の径や形状によらず最低位置が常に一定と
なる様に配慮した。
【0046】また第12の態様は、前記第6乃至11の
いずれかの態様の商品投出装置が取り付けられた自動販
売機の商品投出部の構造において、商品投出装置の一部
又は商品投出装置が取り付けられた壁面であって次期商
品支持部材の上部の位置に商品投出装置側突起が設けら
れ、前記商品投出装置に対向する壁面であって、前記商
品投出装置側突起と主商品支持部材の最上部の位置との
間の高さの位置に壁側突起が設けられていることを特徴
とする自動販売機の商品投出部構造である。
【0047】本態様の自動販売機の商品投出部構造で
は、商品投出装置の一部又は商品投出装置が取り付けら
れた壁面であって次期商品支持部材の上部の位置に突起
が設けられている。また前記商品投出装置に対向する壁
面であって、前記商品投出装置側突起と主商品支持部材
の最上部の位置との間の高さの位置にも突起が設けられ
ている。そのため本態様の自動販売機の商品投出部構造
によると、商品投出装置の次期商品支持部材及び主商品
支持部材と、商品との位置関係が適切なものとなり、排
出可能な商品の範囲が広い。すなわち本態様の自動販売
機の商品投出部構造によると、太缶、中太缶、細缶等の
各種サイズの商品や、角形あるいは丸形のペットボトル
商品又は瓶を無調整で排出することができる。
【0048】
【実施例】(実施例1)以下さらに本発明の実施例につ
いて説明する。図1は、本発明の第1実施例の自動販売
機の商品投出装置の正面図である。図2は、図1の自動
販売機の商品投出装置の側面図である。図3は、図1の
自動販売機の商品投出装置の分解斜視図である。図4
は、図1の自動販売機の商品投出装置のリンクBの後端
部の様子を示す斜視図である。図5は、図1の実施例の
自動販売機の商品投出装置によって太缶を投出する際の
動作を説明する説明図である。図6は、図1の実施例の
自動販売機の商品投出装置によって角ペットボトルを投
出する際の動作を説明する説明図である。図7は、図1
の実施例の自動販売機の商品投出装置によって細缶を投
出する際の動作を説明する説明図である。図8は、図1
の実施例の商品投出装置の自動販売機内における配置を
説明する説明図である。
【0049】図において、20は、本発明の実施例の自
動販売機の商品投出装置を示す。本実施例の商品投出装
置20は、枠状のフレーム21を持ち、その上下にフラ
ッパ(商品支持部材)22,23が設けられたものであ
る。ここで下部(下流側)のフラッパ23は、商品通路
の最も下流にある商品を保持するものであり、主商品支
持部材として機能する。下部フラッパ23には、後退阻
止部材25が配備されている。また上部フラッパ22
は、下から2個目の商品を保持するものであり、次期商
品支持部材として機能する。さらに上部フラッパ22に
は、補助支持部材26が装備されている。また本実施例
の商品投出装置20は、他にソレノイド27、連動部材
28等を持つ。
【0050】順次説明すると、フレーム21は、鋼の薄
板をプレスした後、曲げ加工して作られたものであり、
上下のフラッパ22,23が取り付けられる部位に、略
正方形の開口101が設けられている。ただし、下部フ
ラッパ23が装着される部位の開口には、板状部材10
3が設けられており、開口101の下部の一部を閉塞し
ている。すなわちフレーム21の下部フラッパ23の裏
面側の位置には板状部材103が設けられている。板状
部材103が設けられた位置は、フレーム21の中心か
ら向かって左側であり、商品投出装置20を背中合わせ
に重ねた時に、後記するリンクBを覆う部位である。
【0051】またフレーム21の正面側であって、上部
フラッパ22が取り付けられる開口101の上部には、
突起71a,71bが設けられている。突起71a,7
1bは、同一の高さであり、断面形状も同一である。す
なわち商品投出装置側突起71a,71bの縦断面形状
は、図2,5,6,7の様に台形であり、傾斜部10
9,107と平面部108を持つ。
【0052】次期商品支持部材たる上部フラッパ22
は、樹脂で成形されたものであり、図2,3の様に本体
部30とガイド溝部31を持つ。本体部30は板状であ
り、一辺側(図面 下辺)に軸孔32が設けられてい
る。そして本体部30の背面にガイド溝部31が設けら
れている。すなわち本体部30の背面には、3個(1個
のみ図示)の板状突起33が設けられ、当該板状突起3
3にガイド溝34が形成されている。板状突起33の平
面は、前記した本体部30の平面に対して垂直である。
ガイド溝部31は、一端が開放されている。板状突起3
3と本体部30を含む平面では、ガイド溝34は本体部
30に対して45°程度の角度を持つ。
【0053】一方、補助支持部材26は、枠状であって
中央に長方形の大きな開口35を持つ。開口35の長さ
は、前記した上部フラッパ22の長さよりも長い。そし
て補助支持部材26の一辺側には軸孔36が形成されて
いる。
【0054】次に主商品支持部材たる下部フラッパ23
について説明する。主商品支持部材たる下部フラッパ2
3は、金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材
38が一体化されたものである。すなわちフラッパ部材
37は、金属製であり、長方形の板状をしている。また
その一辺に軸孔40が設けられている。
【0055】一方、接合部材38は、板状部43の一辺
側に軸孔41が設けられ、さらに下面側にガイド部44
が設けられたものである。ガイド部44は、板状部43
の平面に対して垂直の面にあり、ガイド溝45が形成さ
れている。ガイド溝45は、図2の様に円弧状をしてい
る。金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材3
8は、図示しない嵌合構造によって一体化されており、
フラッパ部材37の軸孔40と接合部材38の軸孔41
は連通する。
【0056】後退阻止部材25は、本実施例では、二つ
のリンクA,Bによって構成されている。リンクAは、
二本の平行な帯状部材61a,61bを持ち、これが向
き合わせに配され、その一面側(商品通路側)に隠し板
62が溶接されたものである。リンクBは二本の帯状の
部材である。
【0057】連動部材28は板状の部材であり、下部に
フック47が設けられ、中間部に軸48が挿通されてい
る。また連動部材28は、フレーム21に設けられたソ
レノイド27に接続されており、フレーム21に対して
上下に昇降する。
【0058】次に各部材の組み立て構造について説明す
る。上記した各部材は、いずれもフレーム21に取り付
けられている。すなわち上部フラッパ22は、フレーム
21の開口101を覆う位置に設けられ、本体部30の
軸孔32に軸50が挿通され、フレーム21に対して揺
動自在に取り付けられている。ここで上部フラッパ22
は、その下部に軸50が挿通されており、上辺側が自由
端となる。また図示しないストッパが設けられており、
上部フラッパ22は、垂直から約30°程度の範囲内に
おいて揺動する。上部フラッパ22がフレーム21に取
り付けられた状態においては、上部フラッパ22の背面
側のガイド溝部31はフレーム21の背面側に位置す
る。そしてガイド溝部31のガイド溝34には、連接部
材28の軸48が係合している。
【0059】また補助支持部材26についても一辺側に
設けられられた軸孔36に軸51が挿通されてフレーム
21に取り付けられている。ここで補助支持部材26
は、その上部に軸51が挿通されており、下辺側が自由
端となる。補助支持部材26についても図示しないスト
ッパが設けられており、垂直姿勢から水平姿勢に至る範
囲において揺動する。また補助支持部材26は、常時水
平姿勢となる様にバネ54によって付勢されている。す
なわち補助支持部材26は、常時突出方向に付勢されて
いる。なお補助支持部材26を付勢する手段は、バネに
限定されるものではなく、他の弾性体を活用することも
できる。
【0060】また補助支持部材26と上部フラッパ22
の位置関係は、補助支持部材26の揺動軸51が上部に
あり、上部フラッパ22の揺動軸50が下部にある。そ
して補助支持部材26は、下端側がフレーム21に対し
て突出方向に揺動し、上部フラッパ22は上端側がフレ
ーム21に対して突出方向に揺動する。また上部フラッ
パ22が収納された状態の時、すなわち閉じた状態のと
き、上部フラッパ22の上端の高さは、補助支持部材2
6の揺動軸51の高さと一致する。そのためフレーム2
1に取り付けられた状態においては、側面から見て、上
部フラッパ22と補助支持部材26の揺動軌跡は交差す
る。
【0061】しかしながら、上記した様に補助支持部材
26は枠状であって開口35を持ち、かつ開口35の長
さは、上部フラッパ22の長さよりも長いので、上部フ
ラッパ22は、補助支持部材26の開口35内にすっぽ
りと入り込む。したがって側面から見て、上部フラッパ
22と補助支持部材26の揺動軌跡は交差するものの、
補助支持部材26の位置に係わらず、上部フラッパ22
は全揺動範囲に渡って揺動することができる。
【0062】一方、補助支持部材26は、上部フラッパ
22の位置によって動作範囲の制約を受ける。すなわち
上部フラッパ22が垂直の状態にあるとき、上部フラッ
パ22の先端が補助支持部材26の先端と係合し、補助
支持部材26は、水平姿勢を維持して揺動できない。補
助支持部材26は、上部フラッパ22が最も突出した状
態にあるとき、先端側の枠56の内側が上部フラッパ2
2の突端部57と係合して固定される。
【0063】次に下部フラッパ23側の組み立て構造に
ついて説明する。下部フラッパ23は、前記した上部フ
ラッパ22の下部(下流側)に位置して取り付けられ
る。すなわち下部フラッパ23は、本体部分に設けられ
た軸孔40と、接合部材38に設けられた軸孔41の双
方に軸58が挿通され、フレーム21に対して揺動自在
に取り付けられている。下部フラッパ23を揺動させる
軸58の位置と、前記した補助支持部材26を揺動させ
る軸51との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等
しい。言い換えると、下部フラッパ23を揺動させる軸
58の位置と、前記した補助支持部材26を揺動させる
軸51との距離は、販売対象となる缶又は瓶の内で最も
小さいものと略等しく、好ましくは、この距離は最も小
径の缶等の±10%の範囲にある。
【0064】本実施例では、下部フラッパ23は、その
上部に軸58が挿通されており、下部側が自由端とな
る。また図示しないストッパが設けられており、下部フ
ラッパ23は、垂直から略水平の範囲内において揺動す
る。また下部フラッパ23は、常時略水平姿勢となる様
にバネ59(図1)からなる付勢手段によって付勢され
ている。すなわち下部フラッパ23は、バネ59によっ
て常時突出方向に付勢され、水平姿勢を保つ。なお下部
フラッパ23の姿勢は、水平から20°程度の範囲、よ
り好ましくは、15°〜20°程度の範囲内の傾斜であ
ることが望ましい。またこの場合の傾斜方向は、自由端
側が下であり、揺動中心が上である。この様に自由端側
を下にする理由は、商品を商品投出装置20と対向する
壁側に寄せ、補助支持部材26の揺動範囲から商品を遠
ざけるためである。なお下部フラッパ23を付勢する手
段は、バネに限定されるものではなく、他の弾性体を活
用することもできる。
【0065】そして下部フラッパ23のガイド溝45に
リンクAの先端がピン60を介して係合している。従っ
てリンクAの先端は、ガイド溝45に沿って摺動自在で
あり、かつピン60を介して回動することもできる。ま
たリンクAの他端側は、ピン63によってフレームの一
部65に設けられた孔105に揺動可能に軸止されてい
る。
【0066】リンクBの先端は、リンクAの中間部分に
ピン64を介して取り付けられている。一方、リンクB
の後端側には軸66が挿通され、さらに軸66は、フレ
ームの一部65に設けられたガイド溝67と係合してい
る。なお、ガイド溝67は、僅かに湾曲し、略垂直方向
にのびる。従ってリンクBの後端側は、ガイド溝67に
そって略垂直方向に移動する。またリンクBに挿通され
た軸66には、図4の様に連動部材28のフック47の
下端が係合可能である。ただし連動部材28のフック4
7は、軸66の下端側にあるものの、両者は一体ではな
い。より具体的には、フック47を上昇させると、軸6
6はフックに引っかけられて上に移動するが、軸66は
単独で上昇することもできる。
【0067】下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関
係は、図2の通りであり、下部フラッパ23が略水平姿
勢にあるとき、下部フラッパ23の揺動中心軸58を中
心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリ
ンクAが位置する。したがって、下部フラッパ23から
受ける力は、リンクAに対して軸方向にのみ作用し、リ
ンクAは揺動せず、下部フラッパ23を略水平姿勢に保
持する。またこのとき、リンクBは、リンクAの揺動中
心64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に
位置する。すなわちリンクBは、リンクAが上記した関
係を崩す方向に対して垂直方向に位置する。より具体的
には、リンクAはフレーム21側(商品通路の側壁側)
に移動すると下部フラッパ23を支持し得なくなるが、
リンクBによってリンクAがフレーム21側に移動する
ことを阻止している。本実施例では、リンクAから受け
る力は、リンクBに対して軸方向にのみ作用し、リンク
Bは揺動しない。すなわち前記したリンクAは、下部フ
ラッパ23の移動を阻止し、リンクBは前記リンクAの
移動を阻止する。
【0068】一方、リンクBの後端側が移動してこれら
の関係が崩れると、下部フラッパ23の姿勢を維持する
ことができなくなる。すなわちリンクBの後端側が上部
に僅かに移動すると、リンクAから受ける力によってリ
ンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの
後端側はその力によって更に上昇する。その結果、リン
クBと結合したリンクAが揺動する。すなわちリンクA
の先端側のピン60が下部フラッパ23のガイド溝45
に沿って移動し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が
変わる。そのため下部フラッパ23から受ける力によっ
てリンクAに揺動方向の力が生じ、リンクAは閉じる方
向に移動する。その結果下部フラッパ23は、収納方向
に移動する。
【0069】上記した自動販売機の商品投出装置20
は、図2,5,6,7の様に、自動販売機の商品通路2
の下部に取り付けられる。また商品通路2の対向壁10
6には、図5,6,7の様に上部フラッパ22が飛び出
した状態の時の、上部フラッパ22の最高高さに相当す
る位置に、壁側突起70が設けられている。壁側突起7
0の断面形状は、図2,5,6,7の様に、略直角三角
形である。すなわち突端部111の下部は、水平壁11
0となっており、上部は比較的なだらかな傾斜壁112
となっている。壁側突起70の傾斜壁112は、上流側
から下流側にかけて次第に突出量が増大する様に傾斜す
る傾斜面(傾斜部)112を形成する。そしてこの傾斜
面の角度、すなわち傾斜壁112の傾斜角度θは、15
°以下であり、より好ましくは12°以下である。一
方、商品投出装置20のフレーム21にも、前記した様
に商品投出装置側突起71があり、両突起70,71の
高さは段違い状態となっている。すなわち商品通路の対
向壁側の突起70と商品投出装置20側の商品投出装置
側突起71は近似した高さにあり、商品投出装置20側
の突起71が僅かに高い位置にある。なお壁側突起70
の高さと商品投出装置側突起71の高さは、略等しい。
具体的には両者の差は、15%以下であり、具体的数値
としては2mm以下である。またより推奨される両者の
差は1.5mm以下である。
【0070】ここで本実施例の商品投出装置20と、商
品通路の対向壁106の各部の位置関係を、詳細に説明
すると、商品通路2の幅をWとした時、商品投出装置2
0に設けられた突起71と対向壁106間の距離Wa
は、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満である。
また対向壁106に設けられた壁側突起70の突端部1
11と、これに対向する位置における商品投出装置20
との距離Wbについても、商品通路2の幅Wの85%以
上95%未満である。さらに商品投出装置20に設けら
れた突起71と対向壁側の突起70との最短距離Wcに
ついても、商品通路の幅Wの85%以上95%未満であ
る。また上部フラッパ(次期商品支持部材)22が突出
した状態における補助支持部材26と壁側突起70の突
端部111との最短距離Wdは、商品通路2の幅Wの6
5%以下である。
【0071】さらに壁側突起70の突端部111の位置
及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置
関係は、商品通路2の幅Wの88%の直径を持つ円筒が
下部フラッパ23に支持されたときに当該円筒の一部が
壁側突起70の突端部111と当接し、商品通路2の幅
Wの70%の直径を持つ円筒が下部フラッパ23に支持
されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起70
の突端部111と接しない関係にある。なお商品通路2
の幅Wの88%は、狙いとする大径商品(太缶)の平均
的な直径に相当する寸法である。また商品通路2の幅W
の70%は、狙いとする小径商品(細缶)の平均的な直
径に相当する寸法である。壁側突起70の突端部111
の位置及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23
の位置関係を、上記の通りとすることにより、狙いとす
る大径商品及び小径商品の双方を円滑に投出することが
できる。
【0072】次に本実施例の自動販売機の商品投出装置
20の全体的な作用について説明する。図5は、本実施
例の自動販売機の商品投出装置20によって太缶を投出
する場合の様子を示す。本実施例の商品投出装置20を
太缶の排出に使用する場合は、図5(a)の様に最も下
端の缶72は、下部フラッパ23によって支持される。
太缶72が下部フラッパ23に載置された時、太缶72
の一部、より具体的には、太缶72の中心軸を通る水平
軸に対して10°〜20°程度上方の位置が壁側突起7
0の突端部111と接する。なお本実施例においては、
太缶72は壁側突起70の突端部111、下部フラッパ
23及び商品投出装置20の一部の3点で支持され、商
品通路の対向壁106とは接しない。
【0073】またこの時の下部フラッパ23とリンク
A,Bの位置関係は、前記した通りであり、下部フラッ
パ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ2
3の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さらにリ
ンクBは、リンクAの揺動中心64を中心として、リン
クAの揺動軌跡の接線方向に位置する。したがって太缶
の荷重は、リンクAによって阻止され、さらにリンクA
はリンクBによって固定される。そのため下部フラッパ
23は略水平姿勢を維持し、太缶は落下しない。
【0074】またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退している。補助支持部材26は、バネ5
4によって突出方向に付勢されているが、太缶72に押
されて図5(a)の様に引き込んだ姿勢となっている。
【0075】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる
軸66を引き上げる。そうすると、リンクBとリンクA
の上記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によって
リンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクB
の後端側はその力によって更に上昇する。すなわち連動
部材28のフック47は、軸66を引っかけているのに
過ぎず、軸66は、フック47を離れて上部に移動する
ことができるから、リンクBの後端側は、連動部材28
の上昇よりも早く上昇する。そしてリンクBに連れてリ
ンクAが揺動し、リンクAの先端側のピン60が下部フ
ラッパ23のガイド溝45に沿って移動し、下部フラッ
パ23に対する傾斜角度が変わる。そのため太缶の荷重
によって、下部フラッパ23は、押し開かれる。その結
果、最下部に位置する太缶72が落下し商品が排出され
る。
【0076】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸
48と、上部フラッパ22のガイド溝34との位置関係
が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺動
する。すなわち図5(b)の様に上部フラッパ22が突
出する。ここで前記した様に、補助支持部材26は枠状
であって開口35を持ち、かつ開口35の長さは、上部
フラッパ22の長さよりも長いので、上部フラッパ22
は、補助支持部材26の開口35内にすっぽりと入り込
み、補助支持部材26の位置に係わらず、上部フラッパ
22は全揺動範囲に渡って揺動することができるので、
上部フラッパ22は障害なく突出することができる。そ
の結果、上部フラッパ22の突端部57が下から2個目
の缶73と当接し、缶73の落下を防ぐ。
【0077】この時の太缶73の様子は、図5(b)の
様であり、太缶73は、商品投出装置20の突起71の
平面部108と、対向壁106の壁側突起70の傾斜壁
112に挟まれ、さらに下部が上部フラッパ22の突端
部57で支持されて安定する。
【0078】この様に缶73が上部フラッパ22によっ
て保持され、下部フラッパ23は無荷重となるので、下
部フラッパ23は、バネ59の力によって水平姿勢に戻
る。また下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリン
クAが位置し、さらにリンクBは、リンクAの揺動中心
64を中心として、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位
置して安定する。そして最下部の商品の排出が確認され
ると、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻
る。
【0079】また上部フラッパ22が戻ると、缶73
は、つっかえが外された状態となって落下するが、本実
施例では、商品投出装置20と対向壁106の双方に突
起70,71が設けられているので、缶73は、ややジ
グザグ状に移動して下部フラッパ23に載置される。す
なわち本実施例では、商品投出装置20側の突起71と
壁側突起70が段違い状態となっており、商品投出装置
20側の突起71が壁側突起70に比べて僅かに高い位
置にある。また対向壁106側の突起70は、断面形状
が、図2,5,6,7の様に、略直角三角形であり、突
端部111の下部の上部は比較的なだらかな傾斜壁11
2となっている。さらに商品投出装置20に設けられた
突起71と対向壁106間の距離Waは、商品通路2の
幅Wの85%以上95%未満であり、商品通路2の他の
部分に比べて狭く規制されている。また対向壁106に
設けられた壁側突起70の突端部111と、これに対向
する位置における商品投出装置20との距離Wbについ
ても、商品通路2の幅Wの85%以上95%未満であ
り、商品通路2の他の部分に比べて狭く規制されてい
る。
【0080】そのため缶73は、上部フラッパ22が戻
った際、対向壁106側の壁側突起70の傾斜壁112
に沿って商品投出装置20側に移動する。そして缶73
は、商品投出装置20に設けられた突起71と壁側突起
70との最短距離Wcの部位を通過し、下部に至る。こ
こで本実施例では、商品投出装置20に設けられた突起
71と壁側突起70との最短距離Wcについても、商品
通路の幅Wの85%以上95%未満の広さを持つので、
比較的太い缶でも容易に通過することができる。
【0081】また本実施例では、下部フラッパ23が水
平から20°程度の範囲の角度をもって自由端側が下に
傾斜しているので、缶73は対向壁106側に移動す
る。その結果、缶73は、ややジグザグ状に移動して下
部フラッパ23に載置される。
【0082】以上は、太缶を販売する場合の動作である
が、次に角ペットボトルを販売する場合の動作について
説明する。角ペットボトルを販売する場合の注意点とし
て角ペットボトルを回転させずに排出することが挙げら
れる。すなわち円筒缶は、商品通路を落下する時の回転
姿勢がどうであれ商品通路やフラッパ22,23等との
当接関係は変わらないが、角ペットボトルでは、回転姿
勢によって商品支持部材等との当接関係が大きく変化す
る。たとえば角ペットボトルが角の部分を先頭に落下す
ると、下部フラッパ23に角ペットボトルの角の部分が
接し、不安定な状態で支持されることとなる。そのため
角ペットボトルの様な角状の商品は、平面部分が最下部
となる様に落下させることが望ましい。そこで本実施例
では、壁側突起70の傾斜壁112を15°以下のなだ
らかなものとし、角ペットボトルが回転しない様に配慮
している。すなわち本発明者らの研究によると、壁側突
起70の変化率(勾配)が急激であると角ペットボトル
の角が壁側突起70に引っ掛かり、角ペットボトルの両
側面の落下速度に違いが生じる。そのため角ペットボト
ルが回転して角の部分が最下部となってしまうことが分
かった。一方、当該傾斜面の角度が商品通路に対して1
5°以下である場合は、商品の回転が発生する頻度は極
めて少ないものとなる。すなわち傾斜面の角度が小さい
場合は、角ペットボトルの両側面の落下速度の違いが少
なく、角ペットボトルが回転しない。傾斜面の角度が商
品通路に対して15°以下である場合は、角ペットボト
ルがたとえ回転したとしても回転角度が小さく、角ペッ
トボトルが下部フラッパ23と接した時に自然に元の姿
勢に復帰する。これに対して傾斜面の角度が商品通路に
対して15°を越えると、数十回に1回の割合で角ペッ
トボトルが正規の姿勢に復帰しない場合が生じる。そこ
で本実施例では、壁側突起70の傾斜壁112を15°
以下のなだらかなものとし、角ペットボトルの回転を阻
止している。
【0083】角ペットボトルを販売する場合の基本的な
動作は、図6の通りであり、下端の角ペットボトル74
が下部フラッパ23によって支持され、この時、上部フ
ラッパ22は、垂直姿勢にあり、後退している。また補
助支持部材26は、角ペットボトル74に押されて図6
(a)の様に引き込んだ姿勢となっている。
【0084】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28が引き上げられ、リンクBとリンクAの上
記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によってリン
クBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクBの後
端側はその力によって更に上昇し、角ペットボトルの荷
重によって、下部フラッパ23は、押し開き方向に移動
する。そのため最下部に位置する角ペットボトル74が
落下し商品が排出される。
【0085】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、上部フラッパ22のガイド
溝部31との位置関係が変化して上部フラッパ22が突
出し、角ペットボトル75の落下を防ぐ。
【0086】そのため下部フラッパ23は無荷重とな
り、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、
さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定す
る。そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノ
イド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。その結
果、角ペットボトル75は、ややジグザグ状に移動して
下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に支持さ
れる。
【0087】続いて細缶を販売する場合の動作を図7に
基づいて説明する。細缶を販売する場合の動作は、先の
太缶等の場合と大きく異なる。すなわち本実施例の商品
投出装置20を細缶の排出に使用する場合は、図7
(a)の様に最も下端の缶76は、下部フラッパ23に
よって支持される。このとき、缶76はいずれの部分も
突起70の突端部111と接しない。すなわち細缶76
は、対向壁106、下部フラッパ23及び商品投出装置
20の一部の3点で支持され突起70とは接しない。本
実施例では、細缶76の一部は対向壁106と接してい
るが、当該接触部位は対向壁106に設けられた突起7
0の下部近傍であり、細缶76の最上部の高さは突起7
0の突端部111の高さを越えるものの、細缶76外周
の曲率が大きく、且つ突起70の高さが低いために突起
70の突端部111は細缶76と接しない。
【0088】このとき、下部フラッパ23とリンクA,
Bの位置関係は、前述の太缶の場合と同一であり、下部
フラッパ23の揺動中心軸58を中心として、下部フラ
ッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、さ
らにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置する。したが
って細缶の荷重は、リンクAによって阻止され、さらに
リンクAはリンクBによって固定され、下部フラッパ2
3は略水平姿勢を維持し、細缶は落下しない。
【0089】またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退している。ここで前記した太缶及び角ペ
ットボトルを販売する場合は、補助支持部材26は、太
缶に押されて図5(a)の様に引き込んだ姿勢となって
いたが、細缶を販売する場合には、補助支持部材26は
突出した姿勢となる。すなわち細缶は径が小さく、且つ
下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記し
た補助支持部材26を揺動させる軸51との距離は、図
7の様に細缶77の直径と略等しいため、補助支持部材
26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付勢され
て水平姿勢となる。
【0090】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる
軸66を引き上げる。そうすると、リンクBとリンクA
の上記した関係が崩れ、リンクAから受ける力によって
リンクBに横方向(揺動方向)の力が作用し、リンクB
の後端側はその力によって更に上昇する。そしてリンク
Bに連れてリンクAが揺動し、下部フラッパ23に対す
る傾斜角度が変わり、細缶の荷重によって、下部フラッ
パ23は、閉塞方向に移動する。そのため最下部に位置
する細缶76が落下し商品が排出される。
【0091】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸
48と、上部フラッパ22のガイド溝部31との位置関
係が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺
動する。すなわち図7(b)の様に上部フラッパ22が
突出する。ここで本実施例では、前記した様に細缶の径
が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の
位置と、前記した補助支持部材26を揺動させる軸51
との距離は、図7の様に細缶77の直径と略等しいた
め、補助支持部材26は細缶76,77と接触せず、バ
ネ54に付勢されて水平姿勢となっている。そのため上
部フラッパ22は、補助支持部材26が水平姿勢となっ
た状態で揺動し、その先端部が補助支持部材26の先端
部と係合する。したがって補助支持部材26は、図7
(b)の様に先端側が上部フラッパ22によってつっか
えられた状態となり、揺動しない。またこのとき補助支
持部材26の最先端は、上部フラッパ22の先端よりも
対向壁106側に突出しているので、全体としての突出
量は、上部フラッパ22単独の場合に比べてより先端側
に位置する。
【0092】そのため補助支持部材26の最先端は、図
7(b)の様に2個目の細缶77と接し、細缶77の落
下を防ぐ。すなわち上部フラッパ22は、実質的に補助
支持部材26によって延長され、細缶77と接して細缶
77の落下を防ぐ。
【0093】そのため下部フラッパ23は無荷重とな
り、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、
さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定す
る。そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノ
イド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。そうする
と、2個目の細缶77をおさえていた補助支持部材26
は、つっかえとなる部材を失い、細缶77の重量におさ
れて傾斜する。そして細缶77は、ややジグザグ状に移
動して下部フラッパ23に落下し、下部フラッパ23に
支持される。
【0094】次に本実施例の自動販売機の商品投出装置
20の安全性に対する機能について説明する。商品が詰
まって出なくなった時、使用者やメンテナンス要員が商
品取り出し口から手を差し入れ、詰まった商品を抜き出
す場合がある。この時、下部フラッパ23が動作する
と、下部フラッパ23に手を挟まれ、痛い。これに対し
て、本実施例の自動販売機の商品投出装置20では、自
動販売機の商品取り出し口から手を差し入れて触ること
ができるのは、リンクAである。ここでもしリンクAが
移動するならば、下部フラッパ23が倒れ、手が挟まれ
ることとなる。しかしながら本実施例の自動販売機の商
品投出装置20では、リンクAは、リンクBによって支
持されており、外部から押してもリンクAは動かない。
またリンクBを移動させれば、下部フラッパ23が倒れ
るが、リンクBの前方には、リンクAの隠し板62があ
り、外部から手等をいれても隠し板62が障害となって
リンクBに触れることはできない。そのため下部フラッ
パ23は動作せず、下部フラッパ23に手を挟まれるこ
とはない。
【0095】また自動販売機の内部には、複数の商品通
路2が設けられているので、レイアウト上、商品投出装
置20,20’は、図8の様に背中合わせに配置される
こととなる。また本実施例の商品投出装置20は、下部
フラッパ23が水平に近い状態で缶を保持するので、フ
レーム21に大きな開口があると、商品取り出し口から
手を差し入れた時に、一方の商品投出装置20の開口部
分から隣の商品投出装置20’のリンクB等に触れ、下
部フラッパ23が閉じる事態が予想される。そこで本実
施例の商品投出装置20では、板状部材103が設けら
れ、開口101の一部を閉塞している。より具体的に
は、本実施例の商品投出装置20では、下部フラッパ2
3が装着される部位の開口であって、商品投出装置2
0,20’を背中合わせに重ねた時、リンクBを覆う部
位に板状部材103が設けられ、開口101の一部を閉
塞している。そのため本実施例の商品投出装置20で
は、商品取り出し口から手を差し入れても、隣接する商
品投出装置20が動作することはない。なお本実施例で
は、板状部材103は、図の様にフレーム21の開口1
01の下端部であって、向かって左側だけに設けられて
いる。これはフレーム21の開口101の下側であって
右半分には、前記した様にリンクAの隠し板62が存在
するため、向かって右側の部位から開口101に手が入
ることがないからである。また開口101の上部には上
部フラッパ22があり、当該上部フラッパ22は下部が
揺動中心となっており、さらに当該部位には常時商品が
存在して手が入らないため、開口101の上部には隠し
板はない。
【0096】(実施例2)次に本発明の第2実施例につ
いて説明する。図9は、本発明の第2実施例の自動販売
機の商品投出装置の正面図である。図10は、図9の実
施例の自動販売機の商品投出装置のフレームの正面図で
ある。図11は、図9の実施例の自動販売機の商品投出
装置の分解斜視図である。図12は、図9の実施例の自
動販売機の商品投出装置の待機状態を裏面側から見た斜
視図である。図13,14は、図9の実施例の自動販売
機の商品投出装置の商品排出時の状態を裏面側から見た
斜視図である。図15は、図9の実施例の自動販売機の
商品投出装置の商品排出直後の状態を裏面側から見た斜
視図である。図16は、図12の円A部分の拡大図であ
り、自動販売機の商品投出装置の仮止め部材の斜視図で
ある。図17,18は、図9の実施例の自動販売機の商
品投出装置によって缶を投出する際の動作を説明する説
明図である。
【0097】本実施例の自動販売機の商品投出装置12
0は、前記した実施例の商品投出装置20の下部フラッ
パ23の一部を改良したものである。本実施例の自動販
売機の商品投出装置120で採用する上部フラッパ22
の構成は、先と全く同一である。そのため下部フラッパ
23の基本構成や上部フラッパ22の構成については簡
単な説明に止め、特徴部分たる下部フラッパの改良部分
に重点をおいて説明する。また先の実施例と共通する部
品や、同一の機能を発揮する部品については、同一の番
号を付して重複して説明を省略する。
【0098】以下説明すると、商品投出装置120は、
先の実施例と同様に枠状のフレーム21を持ち、その上
下にフラッパ(商品支持部材)22,23が設けられた
ものである。フレーム21は、鋼板を曲げ加工して作ら
れたものであり、上下のフラッパ22,23が取り付け
られる部位に、開口101が設けられている。しかしな
がら開口101の下部フラッパ23が装着される部位の
開口には、板状部材103が設けられており、開口10
1の一部を閉塞している。板状部材103が設けられ位
置は、フレーム21の中心から向かって左側であり、商
品投出装置20を背中合わせに重ねた時に、後記するリ
ンクBを覆う部位である。
【0099】またフレーム21の正面側であって、上部
フラッパ22が取り付けられる部位の開口101の上部
には、突起71a,71bが設けられている。突起71
a,71bは、同一の高さであり、断面形状も同一であ
る。すなわち突起71a,71bの縦断面形状は、図
2,5,6,7の様に台形であり、傾斜部109,10
7と平面部108を持つ。
【0100】また本実施例では、フレーム21の裏面側
に図13〜15の様に二本の支持棒117,118が設
けられている。支持棒117,118は、後記する固定
側部材125を含めて、全て樹脂によって作られている
支持棒117,118には、図13〜15の様に3個の
長穴124,121,122と、一つの丸穴123が設
けられている。この内、最も上部に設けられた長穴12
4は、直線状であり、連接部材28の軸48をガイドす
るものである。また中間部の長穴121は、リンクBの
後端側を軸66を介して支持するものであり、図12に
示すように弓形をしている。より詳細には、長穴121
は、両端部が直線状であって支持棒117,118の軸
方向にのび、中間部が円弧状をしている。すなわち長穴
121は、両端に直線部121a,bを持ち、その中間
部に円弧部121cを持つ。支持棒117,118の長
穴121は、リンクBの後端側をガイドするものであ
る。最も下部に設けられた長孔122は、リンクAの後
端側を支持する軸132が挿通される。
【0101】また丸孔123には、下部フラッパ23の
揺動軸58が挿通される。ここで本実施例の商品投出装
置120では、一方の支持棒118の丸孔123に、仮
止め手段115の一部たる固定側部材125が設けられ
ている。固定側部材125は、図16に示すように、丸
孔123の端面に設けられた3個の切欠穴137であ
る。すなわち商品投出装置120では、支持棒118
の、下部フラッパ23の揺動軸58を挿通する丸孔12
3端面に、3個の切欠穴137が等間隔に設けられてい
る。
【0102】上部フラッパ22は、下から2個目の商品
を保持するものであり、次期商品支持部材として機能す
る。上部フラッパ22の構造は、前記した実施例と同一
であり、補助支持部材26が装備されている。
【0103】次に主商品支持部材たる下部フラッパ23
について説明する。主商品支持部材たる下部フラッパ2
3は、金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材
38が一体化されたものである。すなわちフラッパ部材
37は、金属製であり、長方形の板状をしている。また
その一辺の両端に軸孔40が設けられている。
【0104】一方、接合部材38は、板状部43の一辺
側の両端及び中央に軸孔41a,41b,41cが設け
られ、さらに下面側にガイド部44が設けられたもので
ある。ここで本実施例の商品投出装置120では、板状
部43の中央の軸孔41bに仮止め手段115の一部た
る駆動側部材116が設けられている。駆動側部材11
6は、図16に示すように、軸穴41bの端面に設けら
れた3個の突起138である。すなわち商品投出装置1
20では、板状部43の中央の軸孔41bの端面に3個
の突起138が等間隔に設けられている。そして駆動側
部材116を構成する突起138は、特定の回転姿勢の
際に、支持棒118の丸孔123の端面に設けられた3
個の切欠穴137(固定側部材125)と係合する。
【0105】またガイド部44は、板状部43の平面に
対して垂直の面にあり、ガイド溝45が形成されてい
る。ガイド溝45は、図11,17の様に直線状をして
いる。金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の接合部材
38は、図示しない嵌合構造によって一体化されてお
り、フラッパ部材37の軸孔40と接合部材38の軸孔
41a,b,cは連通する。
【0106】後退阻止部材25は、本実施例では、二つ
のリンクA,Bによって構成されている。リンクAは、
一枚の板体を曲げ加工して略「コ」の字状に構成された
ものであり、二本の平行な帯状部材61a,61bを持
ち、その一面側(商品通路側)に隠し板62が形成され
たものである。帯状部材61a,61bの一方には丸孔
130が設けられている。また帯状部材61a,61b
の他方には長孔131が設けられている。
【0107】またリンクAの隠し板62の中央部分は、
二箇所の部分で半円状に切り返されている。当該切り返
し部135は、帯状部材61a,61bと平行に折り立
てられている。そして切り返し部135には、孔136
が設けられている。リンクBは二個の樹脂で作られたリ
ンク片によって構成されている。各リンク片の全体形状
は板状であり、一方の辺部側の部位には側面同士を貫通
する貫通孔126が設けられている。また他辺側には切
欠部が設けられ、前記した貫通孔126と平行にピン1
27が設けられている。
【0108】連動部材28は先の実施例と同一であり、
下部にフック47が設けられ、中間部に軸48が挿通さ
れている。また連動部材28は、フレーム21に設けら
れたソレノイド27に接続されており、フレーム21に
対して上下に昇降する。
【0109】次に各部材の組み立て構造について説明す
る。上記した下部フラッパ23の各部材は、いずれもフ
レーム21に取り付けられている。すなわち下部フラッ
パ23は、本体部分に設けられた軸孔40と、接合部材
38に設けられた軸孔41の双方に軸58が挿通され、
フレーム21に対して揺動自在に取り付けられている。
下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前記し
た補助支持部材26を揺動させる軸51との距離は、先
の実施例と同一である。
【0110】本実施例においても、下部フラッパ23
は、その上部に軸58が挿通されており、下部側が自由
端となる。また図示しないストッパが設けられており、
下部フラッパ23の揺動範囲が規制されている。ここで
先の実施例においては、下部フラッパ23の揺動範囲は
垂直から略水平姿勢までの範囲であったが、本実施例に
おいては、下部フラッパ23は、水平よりも5〜10°
程度、自由端側が上になるまで揺動可能である。また本
実施例においては、下部フラッパ23は、常時開き姿勢
となる様にバネ59(図1)からなる付勢手段によって
付勢されている。すなわち下部フラッパ23は、バネ5
9によって常時突出方向に付勢されている。
【0111】また本実施例においては、バネ140によ
って下部フラッパ23が軸方向に付勢されている。すな
わち本実施例の商品投出装置120では、下部フラッパ
23を揺動させる軸58にバネ140が挿通されてい
る。当該バネ140の取付け位置は、図12〜16に示
すように支持棒117(固定側部材125が設けられて
いない側)と下部フラッパ23(板状部43)の中央の
軸孔41bの間の部分である。ここで支持棒117は、
フレーム21に対して一体的に取り付けられているか
ら、下部フラッパ23は、バネ140の作用によって他
方の支持棒118側に向かって押圧されている。前記し
た様に下部フラッパ23(板状部43)の中央の軸孔4
1bには仮止め手段115の一部たる駆動側部材116
が設けられており、他方の支持棒118には固定側部材
125が設けられているから、バネ140によって駆動
側部材116が、固定側部材125に向かって常時付勢
されている。
【0112】また下部フラッパ23側に設けられた駆動
側部材116は、下部フラッパ23の揺動に伴って揺動
し、下部フラッパ23が最も開いた状態の時に駆動側部
材116と固定側部材125が係合する。より具体的に
は、下部フラッパ23が揺動して、自由端側が水平より
も5〜10°程度上位に位置するとき、下部フラッパ2
3に設けられた3個の突起138の位置が、固定側部材
125に設けられた3個の切欠孔137の位置と合致
し、駆動側部材116と固定側部材125が互いに係合
する。
【0113】そして下部フラッパ23のガイド溝45に
リンクAの先端が軸60を介して係合している。すなわ
ちリンクAの帯状部材61a,61bの丸孔130に軸
60が挿通され、さらにその軸60の両端が下部フラッ
パ23のガイド溝45と係合している。従ってリンクA
の先端は、ガイド溝45に沿って摺動自在であり、かつ
軸60を介して回動することもできる。またリンクAの
他端側に設けられた長孔131には、軸132が挿通さ
れ、さらに軸132は、支持棒117,118の端部
(図面下部)の長穴122及びフレームの一部21に設
けられた長孔133に挿通されている。リンクAの他端
側は、前記した様に軸132を介して支持棒117,1
18に取り付けられているので、当該軸132を中心と
して揺動可能である。またさらに軸132が支持される
支持棒117,118及びフレーム21には、長孔12
2,133が設けられているので、リンクAは長孔12
2,133の範囲に限って直線移動することができる。
【0114】リンクBの先端は、リンクAの隠し板62
に設けられた切り返し部135に回動可能に取り付けら
れている。すなわちリンクBの先端に設けられたピン1
27が、切り返し部135に設けられた孔136と係合
している。一方、リンクBの後端側には軸128が挿通
され、支持棒117,118の中間部の長穴121と係
合している。長穴121は、弓状であって僅かに湾曲
し、略垂直方向にのびる。従ってリンクBの後端側は、
長穴121にそって略垂直方向に移動する。
【0115】またリンクBに挿通された軸128には、
図11〜15の様に連動部材28のフック47の下端が
係合可能である。フック47と軸128との関係は先の
実施例と同様であり、フック47を上昇させると、軸1
28はフックに引っかけられて上に移動するが、軸12
8は単独で上昇することもできる。
【0116】下部フラッパ23とリンクA,Bの位置関
係は、図17(a)の通りであり、下部フラッパ23が
水平よりも僅かに自由端側が下にある時、下部フラッパ
23の揺動中心軸58を中心として、下部フラッパ23
の揺動軌跡の略接線方向にリンクAが位置する。より正
確には、リンクAは、下部フラッパ23の揺動軌跡の接
線方向から僅かに外れており、揺動中心となる軸132
を中心として、他端がフレーム21に近接する方向(図
の反時計回り)に回転力を得る位置にある。ただし、前
記した様に、リンクAの下部フラッパ23の揺動軌跡の
接線方向に対するずれは僅かであり、リンクAに掛かる
回転力はごく小さいものである。また当該位置は、ガイ
ド溝45の端部であって、リンクAの先端部はガイド溝
45の端部をストッパーとして停止する。一方、リンク
Aの他端は軸132を介してフレーム21に結合され
る。したがって、下部フラッパ23、リンクA、フレー
ム21によって閉塞された三角形を構成し、下部フラッ
パ23から受ける力は、主にリンクAに対して軸方向力
として作用する。そのため下部フラッパ23が商品から
受ける力は、その大部分がリンクAの軸方向に作用し、
下部フラッパ23が商品から受ける力は、リンクAによ
って支持される。またリンクAに僅かに生じる回転力
は、リンクBによって支持される。
【0117】すなわちこのとき、リンクBは下端が長穴
121の下端側の直線部121bに位置する。この時の
リンクBの姿勢は、リンクAの揺動軌跡の接線からわず
かに外れており、リンクBは、リンクAの揺動中心軸1
32を中心としてリンクAが閉塞方向(反時計回り)に
回転したとき、リンクBの下端が下方向に力を受ける位
置にある。本実施例においては、下部フラッパ23が略
水平姿勢にあるとき、下部フラッパ23の荷重は主にリ
ンクAのみによって支持され、僅かに生じるリンクAの
回転方向分力をリンクBが負担する。そのため下部フラ
ッパ23上の商品の重量によってはリンクAは揺動せ
ず、下部フラッパ23を略水平姿勢に保持する。
【0118】またリンクAを強制的に閉塞方向に移動さ
せると、リンクBの下端が下方向に移動し、長穴121
の下端側の直線部121bの末端に突き当たり、リンク
Aから受ける力をリンクBが負担する。したがって本実
施例においても、リンクAを操作して下部フラッパ23
を下げることはできない。
【0119】一方、リンクBの後端側が上昇すると、リ
ンクBはリンクAの揺動軌跡の接線方向を越える。その
ためリンクAから閉塞方向に力を受けるとリンクBの後
端部が長孔121の直線部121bを離れて中間の円弧
部121cに移動する。そのためリンクBの後端側が上
昇すると、リンクBはリンクAの揺動を阻止することが
できない。またリンクBの後端側が上昇すると、前記し
たリンクAの回転方向分力によってリンクAが自然に閉
塞方向に移動し、リンクAは、先端がガイド溝45の末
端部を離れ、さらに下部フラッパ23の揺動軌跡の接線
方向を越える。すなわち本実施例では、リンクBがリン
クAの回動を阻止するストッパとしての機能を果たして
いるが、リンクBの後端側が上昇すると、あたかもスト
ッパが外れた状態となる。したがって下部フラッパ23
を下げる力(下部フラッパ23を時計方向に回転させる
力)によってリンクAが閉塞方向に力を受け、リンクA
の先端がガイド溝45に沿って移動し、下部フラッパ2
3が傾斜し収納方向に移動する。すなわちリンクAの移
動によってリンクAは下部フラッパ23の揺動を阻止す
ることができない状態となる。そのため結果的に、リン
クBの後端側を上昇させると、下部フラッパ23の揺動
阻止が解除される。
【0120】上記した自動販売機の商品投出装置120
は、図17,18の様に、自動販売機の商品通路2の下
部に取り付けられる。また商品通路2の対向壁106に
は、図の様に上部フラッパ22が飛び出した状態の時
の、上部フラッパ22の最高高さに相当する位置に、壁
側突起70が設けられている。壁側突起70の断面形状
は、先の実施例と同一であり、略直角三角形である。傾
斜壁112の傾斜角度θは、15°以下であり、より好
ましくは12°以下である。
【0121】また本実施例の商品投出装置120と、商
品通路の対向壁106の各部の位置関係等についても、
先の実施例と同一であり、商品通路2の幅をWとした
時、商品投出装置120に設けられた突起71と対向壁
106間の距離Waは、商品通路の幅Wの85%以上9
5%未満である。さらに対向壁106に設けられた壁側
突起70の突端部111と対向する位置における商品投
出装置120との距離Wbについても、商品通路2の幅
Wの85%以上95%未満である。また商品投出装置1
20に設けられた突起71と対向壁106側の壁側突起
70との最短距離Wcについても、商品通路の幅Wの8
5%以上95%未満である。また上部フラッパ(次期商
品支持部材)22が突出した状態における補助支持部材
26と壁側突起70の突端部111との最短距離Wd
は、商品通路の幅Wの65%以下である。
【0122】さらに壁側突起70の突端部111の位置
及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)23の位置
関係は、商品通路2の幅Wの88%の円筒が下部フラッ
パ23に支持されたときに当該円筒の一部が壁側突起7
0の突端部111と当接し、商品通路2の幅Wの70%
の円筒が下部フラッパ23に支持されたときには当該円
筒のいずれの部位も壁側突起70の突端部111と接し
ない関係にある。
【0123】次に本実施例の自動販売機の商品投出装置
120の全体的な作用について説明する。図17,18
は、本実施例の自動販売機の商品投出装置120によっ
て細缶を投出する場合の様子を示す。また図12〜15
は、この時の商品投出装置120を裏面側から観察した
ものであり、図12は、図17(a)に相当する時期の
様子であり、図13は、図17(b)に相当する時期の
様子であり、図14は、図18(a)に相当する時期の
様子であり、図15は、図18(b)に相当する時期の
様子である。
【0124】また図17,18の下部に設けられた長孔
の図は、支持棒117,118及びフレームの一部21
に設けられた長孔122,133と、リンクAの後端側
を支持する軸132との位置関係を示すものである。さ
らにその下部に描かれた図は、下部フラッパ23側に設
けられた駆動側部材116と、支持棒118に設けられ
た固定側部材125の関係を図示するものである。すな
わち当該図は、仮止め手段115の動作を示すものであ
る。
【0125】本実施例の商品投出装置120によって缶
の排出に使用する場合は、図17(a)の様に最も下端
の缶76は、下部フラッパ23によって支持される。こ
のとき、下部フラッパ23は揺動可能範囲の上限よりも
やや下側の位置にある。すなわち本実施例では、下部フ
ラッパ23は、自由端側が揺動軸58よりも5〜10°
程度上になるまで揺動可能であるが、缶76を支持する
際には、下部フラッパ23は、自由端側が揺動軸58よ
りも下となる様に傾斜している。この時の下部フラッパ
23とリンクAの関係は、下部フラッパ23の揺動中心
軸58を中心として、下部フラッパ23の揺動軌跡の略
接線方向にリンクAが位置するものとなっている。より
正確には、リンクAは、下部フラッパ23の揺動軌跡の
接線方向から僅かに外れており、揺動中心となる軸13
2を中心として、他端が近接する方向(図の反時計回
り)に回転力を得る位置にある。また当該位置は、ガイ
ド溝45の端部であって、リンクAの先端部は ガイド
溝45の端部をストッパーとして停止する。一方、リン
クAの他端は軸132を介してフレーム21に結合され
る。したがって、下部フラッパ23、リンクA、フレー
ム21によって閉塞された三角形を構成し、下部フラッ
パ23の荷重は、その大部分がリンクAの軸方向力によ
って抗され、さらに僅かに生じるリンクAの回転力がリ
ンクBに抗され、リンクAは揺動せず、下部フラッパ2
3を略水平姿勢に保持する。
【0126】なおこの時のリンクAの軸方向荷重は、図
17(a)の上部の図の様にリンクAの長孔131の上
端縁が軸132を押し、さらに当該軸132が、支持棒
117,118及びフレーム21の長孔122,133
の下端縁を押圧してフレーム21に支持される。
【0127】またこのとき、仮止め手段115は図の様
に係合していない。リンクBは下端が長穴121の下端
部に位置する。
【0128】またこの時、上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退している。先の実施例で説明したのと同
様に、細缶は径が小さく、且つ下部フラッパ23を揺動
させる軸58の位置と、前記した補助支持部材26を揺
動させる軸51との距離は、図17の様に細缶77の直
径と略等しいため、補助支持部材26は細缶76,77
と接触せず、バネ54に付勢されて水平姿勢となる。
【0129】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられたフック47が、リンクBの揺動中心たる
軸128を引き上げる。そうすると、リンクBの端部が
上昇してリンクAを閉塞側に引き込む。するとリンクA
の先端部は、ガイド溝45の末端を離れ、さらに下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向からも外れる。そのた
め缶76の重量によって下部フラッパ23が傾斜し、さ
らにリンクAの先端部は、ガイド溝45に沿って摺動し
て下部フラッパ23の傾斜が進行し、下部フラッパ23
が傾斜し収納方向に移動する。
【0130】一方、リンクAから受ける力によってリン
クBに揺動方向の力が作用し、リンクBの後端側はその
力によって更に上昇する。すなわち本実施例において
も、連動部材28のフック47は、軸128を引っかけ
ているのに過ぎず、軸128は、フック47を離れて上
部に移動することができるから、リンクBの後端側は、
連動部材28の上昇よりも早く上昇する。そしてリンク
Bに連れてリンクAが揺動し、リンクAの先端側のピン
60が下部フラッパ23のガイド溝45に沿って移動
し、下部フラッパ23に対する傾斜角度が変わる。その
ため細缶76の荷重によって、下部フラッパ23は、押
し開かれる。そのため最下部に位置する細缶76が落下
し図17(b)の様に商品が排出される。
【0131】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、連動部材28と連動する軸
48と、上部フラッパ22のガイド溝部31との位置関
係が変化し、上部フラッパ22が軸50を中心として揺
動する。すなわち図17(b)の様に上部フラッパ22
が突出する。本実施例についても、細缶の径が小さく、
且つ下部フラッパ23を揺動させる軸58の位置と、前
記した補助支持部材26を揺動させる軸51との距離
は、図7の様に細缶77の直径と略等しいため、補助支
持部材26は細缶76,77と接触せず、バネ54に付
勢されて水平姿勢となっている。そのため上部フラッパ
22は、補助支持部材26が水平姿勢となった状態で揺
動し、その先端部が補助支持部材26の先端部と係合す
る。したがって補助支持部材26は、図7(b)の様に
先端側が上部フラッパ22によってつっかえられた状態
となり、揺動しない。またこのとき補助支持部材26の
最先端は、上部フラッパ22の先端よりも対向壁106
側に突出しているので、全体としての突出量は、上部フ
ラッパ22単独の場合に比べてより先端側に位置する。
【0132】そのため補助支持部材26の最先端は、図
17(b)の様に2個目の細缶77と接し、細缶77の
落下を防ぐ。すなわち上部フラッパ22は、実質的に補
助支持部材26によって延長され、細缶77と接して細
缶77の落下を防ぐ。
【0133】そのため下部フラッパ23は無荷重とな
り、バネ59の力によって水平姿勢に戻る。また下部フ
ラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンクAが位置し、
さらにリンクBは、リンクAの揺動中心64を中心とし
て、リンクAの揺動軌跡の接線方向に位置して安定す
る。そして最下部の商品の排出が確認されると、ソレノ
イド27が復帰し、上部フラッパ22が戻る。そうする
と、2個目の細缶77をおさえていた補助支持部材26
は、つっかえとなる部材を失い、細缶77の重量におさ
れて傾斜する。そして細缶77は、下部フラッパ23に
落下し、下部フラッパ23に支持される。
【0134】この様に缶77が上部フラッパ22によっ
て保持され、下部フラッパ23は無荷重となるので、下
部フラッパ23は、バネ59の力によって上端まで戻
る。すなわち本実施例の本実施例の商品投出装置120
では、下部フラッパ23は、自由端側が揺動軸58より
も5〜10°程度上になるまで揺動可能であるため、下
部フラッパ23は、バネ59の力によって図18(c)
の様に自由端側が揺動軸58よりも上になるまで揺動す
る。この時、本実施例の商品投出装置120では、リン
クAと支持棒117,118等に長孔131,122,
133が設けられており、この長孔131,122,1
33に挿通された軸132を介してリンクAとフレーム
21が接続されているので、下部フラッパ23は跳ね上
がるが如く動作して上端部に至る。具体的に説明する
と、下部フラッパ23が最も上昇した位置にあるとき、
リンクAに生じる引っ張り力は、図18(c)の上部の
図の様にリンクAの長孔131の下端縁が軸132を引
き、さらに当該軸132が、支持棒117,118及び
フレーム21の長孔122,133の上端縁を引いてフ
レーム21に支持される。従って、実質的にリンクAが
軸方向に移動し、伸び上がる様に移動して迅速に下部フ
ラッパ23を上端部に至らしめる。
【0135】そして下部フラッパ23が上端部に至る
と、下部フラッパ23と共に仮止め手段115の駆動側
部材116が回転して3個の突起138の位置が、固定
側部材125に設けられた3個の切欠穴137の位置と
合致する。また駆動側部材116は、バネ140によっ
て固定側部材125に向かって常時付勢されているの
で、駆動側部材116と固定側部材125は互いに係合
する。そのため下部フラッパ23は上端部の位置で一旦
停止し、振動しない。
【0136】また下部フラッパ23がバウンドした時
は、駆動側部材116と固定側部材125の係合が一旦
解け、下部フラッパ23は一時的に自由端側が下になる
が、下部フラッパ23はバネによって常時、商品通路2
を閉塞する方向に付勢されているので、下部フラッパ2
3は再度揺動して駆動側部材116と固定側部材125
が係合する。これら一連の動作により、下部フラッパ2
3の運動エネルギーが消費され、下部フラッパ23は一
旦静止する。
【0137】そして最下部の商品の排出が確認される
と、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻
る。その結果、缶76が下部フラッパ23の上に落下す
る。すると下部フラッパ23にかかる重みによって下部
フラッパ23が揺動し、バネ140の力に抗して仮止め
手段115の係合が外れる。ここで仮止め手段115を
構成する駆動側部材116及び固定側部材125は、い
ずれも樹脂で作られているので、仮止め手段115は円
滑に係合が解ける。そして結果的に前記した様な、下部
フラッパ23の自由端側が揺動軸58よりもやや下とな
る様に傾斜し、下部フラッパ23の揺動軸58を中心と
して、下部フラッパ23の揺動軌跡の接線方向にリンク
Aが位置することによって缶の重量に耐えて略水平姿勢
を維持する。
【0138】なお上部フラッパ22が戻ると、缶76
は、つっかえが外された状態となって落下するが、本実
施例では、商品投出装置120と対向壁106の双方に
突起70,71が設けられているので、缶77は、やや
ジグザグ状に移動して下部フラッパ23に載置される。
【0139】以上、細缶を販売する場合を例に動作を説
明したが、他の太さの缶を販売する場合もについても同
様に一連の動作が行なわれる。さらに角ペットボトルを
販売する場合も同様の動作をする。本実施例についても
先の実施例と同様、販売時に角ペットボトルが回転する
ことはない。
【0140】また本実施例の自動販売機の商品投出装置
120の安全性についても、前記した実施例と同様であ
り、使用者やメンテナンス要員が商品取り出し口から手
を差し入れても、下部フラッパ23に手を挟まれること
はない。
【0141】以上説明した第2実施例では、仮止め手段
115の駆動側部材116を下部フラッパ23を揺動さ
せる軸孔に設けた。この構成は構造が簡単であり且つ動
作が確実であるため推奨されるが、仮止め手段の位置
は、他の部位であってもよい。例えば下部フラッパ23
のフラッパ部材の側面に設けることも可能である。
【0142】(実施例3)次に本発明の第3実施例につ
いて説明する。図19は、本発明の第3実施例の自動販
売機の商品投出装置の側面図である。図20は、図19
の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図である。図2
1は、図19の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って太缶を投出する際の動作を説明する説明図である。
図22は、図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する
説明図である。図23は、図19の実施例の自動販売機
の商品投出装置によって細缶を投出する際の動作を説明
する説明図である。本実施例の自動販売機の商品投出装
置80は、下部フラッパ81の構造だけが先の実施例と
異なり、上部フラッパ22等の構成は、先と全く同一で
ある。すなわち商品投出装置80は、先の実施例と同様
に枠状のフレーム21を持ち、その上下にフラッパ(商
品支持部材)22,81が設けられたものである。
【0143】またフレーム21の正面側であって、上下
のフラッパ22,81が取り付けられる開口101の上
部には、突起71a,71bが設けられている。突起7
1a,71bは、同一の高さであり、断面形状も同一で
ある。すなわち突起71a,71bの縦断面形状は、図
21,22,23の様に台形であり、傾斜部109,1
07と平面部108を持つ。
【0144】上部フラッパ22は、下から2個目の商品
を保持するものであり、次期商品支持部材として機能す
る。上部フラッパ22の構造は、前記した実施例と同一
であり、補助支持部材26が装備されている。
【0145】本実施例の自動販売機の商品投出装置80
では、下部フラッパ81は、金属製のフラッパ部材37
と、樹脂製の突起部材82が一体化されたものである。
フラッパ部材37は、前記した第1実施例と同一であ
り、金属製であり、長方形の板状をしている。またその
一辺に軸孔40が設けられている。一方、突起部材82
は、板状部43の一辺側に軸孔41が設けられ、さらに
下面側に弓状の突起85が設けられたものである。弓状
の突起85は、約90°の角度に渡って形成されたもの
である。
【0146】金属製のフラッパ部材37と、樹脂製の突
起部材82は、図示しない嵌合構造によって一体化され
ており、フラッパ部材37の軸孔40と突起部材82の
軸孔41は連通する。そして下部フラッパ81は、本体
部分に設けられた軸孔40と、突起部材82に設けられ
た軸孔41の双方に軸83が挿通され、フレーム21に
対して揺動自在に取り付けられている。
【0147】一方、連動部材28の下端部には、軸86
が一体に取り付けられている。軸86は、フレーム21
の一部に設けられたガイド孔90と係合しており、上下
にのみ移動する。本実施例では、軸86は、後退阻止部
材として機能する。すなわち本実施例の自動販売機の商
品投出装置80では、下部フラッパ81が略水平姿勢に
あるとき、後退阻止部材たる軸86は、前記した下部フ
ラッパ81の突起85と係合する。そのため突起85は
後退が阻止され、必然的に突出した状態を維持する。
【0148】一方、後退阻止部材たる軸86が上昇して
軸86と突起85との係合が解けると、下部フラッパ8
1を支える部材を失い、下部フラッパ81は、上からの
荷重によって揺動する。
【0149】本実施例の商品投出装置80と、商品通路
の対向壁106の各部の位置関係は、前記した第1、第
2実施例と同一であり、商品通路2の幅をWとした時、
商品投出装置80に設けられた突起71と対向壁106
間の距離Waは、商品通路の幅Wの85%以上95%未
満である。また対向壁106に設けられた壁側突起70
の突端部111と対向する位置における商品投出装置8
0との距離Wbについても、商品通路2の幅Wの85%
以上95%未満である。さらに商品投出装置20に設け
られた突起71と対向壁106側の壁側突起70との最
短距離Wcについても、商品通路の幅Wの85%以上9
5%未満である。また上部フラッパ(次期商品支持部
材)22が突出した状態における補助支持部材26と壁
側突起70の突端部111との最短距離Wdは、商品通
路の幅Wの65%以下である。
【0150】さらに壁側突起70の突端部111の位置
及び高さと下部フラッパ(主商品支持部材)81の位置
関係は、商品通路2の幅Wの88%の直径を持つ円筒が
下部フラッパ81に支持されたときに当該円筒の一部が
壁側突起70の突端部111と当接し、商品通路2の幅
Wの70%の直径を持つ円筒が下部フラッパ81に支持
されたときには当該円筒のいずれの部位も壁側突起70
の突端部111と接しない関係にある。
【0151】次に、本実施例の自動販売機の商品投出装
置80の全体的な作用を図21〜23を参照しつつ説明
する。本実施例の商品投出装置80を太缶の排出に使用
する場合は、図21(a)の様に最も下端の缶72は、
下部フラッパ81によって支持される。このとき、下部
フラッパ81の突起の先端は、後退阻止部材たる軸86
と係合しており、突起85は後退が阻止され、下部フラ
ッパ81は突出した状態を維持している。そのため太缶
72は落下しない。
【0152】またこの時の上部フラッパ22及びは、補
助支持部材26の動作は、先の実施例と同一であり、上
部フラッパ22は後退し、補助支持部材26は引き込ん
だ姿勢となっている。
【0153】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げる。このとき連動部材28の下
端に設けられた後退阻止部材たる軸86が下部フラッパ
81の突起85を離れる。その結果、下部フラッパ81
は揺動が可能となり、太缶の荷重によって、下部フラッ
パ81は、押し開きに移動する。そのため最下部に位置
する太缶72が落下し商品が排出される。
【0154】以下の動作は、先の実施例と同様であり、
ソレノイド27によって引き続き連動部材28が引き上
げられ、連動部材28と連動する軸48と、上部フラッ
パ22のガイド溝部31との位置関係が変化し、上部フ
ラッパ22が軸50を中心として揺動する。すなわち図
22(b)の様に上部フラッパ22が突出し、太缶と当
接して落下を防止する。そのため下部フラッパ81は無
荷重となり、バネ(図示せず)の力に付勢されて元の姿
勢に復帰する。そして最下部の商品の排出が確認される
と、ソレノイド27が復帰し、上部フラッパ22が戻
る。
【0155】また角ペットボトルを販売する場合の動作
や、細管を販売する時の動作も、前記した実施例と同一
である。すなわち角ペットボトルを販売する場合の動作
は、図22の通りであり、下端の角ペットボトル74が
下部フラッパ81によって支持され、この時、上部フラ
ッパ22は、垂直姿勢にあり、後退し、補助支持部材2
6は、角ペットボトルに押されて図22(a)の様に引
き込んだ姿勢となっている。
【0156】また細缶を販売する場合の動作は、図23
の通りであり、最も下端の缶76は、下部フラッパ81
によって支持される。また上部フラッパ22は、垂直姿
勢にあり、後退しているが、補助支持部材26は細缶と
接触せず、バネに付勢されて水平姿勢となる。
【0157】続いて硬貨の投入及び商品の選択により、
所定の信号が発せられると、ソレノイド27が機能して
連動部材28を引き上げ、後退阻止部材たる軸86が下
部フラッパ81の突起85を離れ、下部フラッパ81は
揺動が可能となり、細缶の荷重によって、下部フラッパ
81は、押し開き方向に移動する。そのため最下部に位
置する細缶76が落下し商品が排出される。
【0158】そしてソレノイド27によって引き続き連
動部材28が引き上げられ、上部フラッパ22が突出
し、その先端部が補助支持部材26の先端部と係合す
る。したがって補助支持部材26は、図23(b)の様
に先端側が上部フラッパ22によってつっかえられた状
態となり、閉じず、2個目の細缶77と接し、缶77の
落下を防ぐ。そのため下部フラッパ81は無荷重とな
り、バネの力によって水平姿勢に戻る。
【0159】以上説明した実施例では、商品支持部材は
いずれもウイング形のものを例示したが、単に突出する
様な形式のものでもよい。また商品投出装置側突起は、
商品投出装置20,80,120と一体のものとして説
明したが、他の部位に設けられていても同様の効果が期
待できる。
【0160】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の自動販売機
の商品投出装置は、商品通路出口側の設定作業を行うこ
となく複数種類の形状の商品を円滑に排出することがで
き、商品の搬出トラブルを防止することができる効果が
ある。
【0161】特に請求項1に記載の自動販売機の商品投
出部構造は、商品投出装置の次期商品支持部材及び主商
品支持部材と、商品との位置関係が適切なものとなり、
排出可能な商品の範囲が広いという効果がある。
【0162】また請求項2に記載の自動販売機の商品投
出部構造は、商品通路の幅W、商品投出装置側突起とこ
れに対向する壁間の距離Wa、壁側突起とこれに対向す
る位置における商品投出装置との距離Wb、商品投出装
置側突起と壁側突起の間の最短距離Wc及び次期商品支
持部材又は補助支持部材と壁側突起との最短距離Wdに
一定の制約を設けることにより、排出可能な商品の範囲
が広がる効果があり、太缶、中太缶、細缶等の各種サイ
ズの商品や、角ペットボトル等の円形以外の商品を無調
整で排出することができる効果がある。
【0163】また請求項3に記載の自動販売機の商品投
出部構造は、落下する際の商品の回転が少なく、角形の
商品についても円滑に排出することができる効果があ
る。
【0164】また請求項4に記載の自動販売機の商品投
出部構造についても、落下する際の商品の回転が少な
く、角形の商品についても円滑に排出することができる
効果があり、さらに商品通路の幅を有効に活用すること
ができる効果がある。
【0165】また請求項5に記載の自動販売機の商品投
出部構造は、投出可能な商品の範囲が広いという効果が
ある。
【0166】また「発明の実施の形態」の欄に記載した
第1,2の形態では、補助支持部材によって商品支持部
材の全長が延長され、小径の商品を支持することができ
る。
【0167】また同じく第3の形態の自動販売機の商品
投出装置では、商品支持部材の他に補助支持部材を備え
る。そして本発明の自動販売機の商品投出装置では、商
品支持部材の一部を補助支持部材と係合させて補助支持
部材の揺動を阻止しすることができ、補助支持部材によ
っても商品を支持することができる。そのため本発明の
自動販売機の商品投出装置は、実質上、商品支持部材の
長さを二種類持ち、外径や形状の異なる商品を支持する
ことができる効果がある。
【0168】また同じく第4の形態の自動販売機の商品
投出装置では、補助支持部材は商品支持部材が最も突出
位置にあるとき、又はその近傍の位置において商品支持
部材と係合し、他の位置関係にあるときは両者は非係合
となり、外径や形状の異なる商品を円滑に支持すること
ができる効果がある。
【0169】また同じく第5の形態の自動販売機の商品
投出装置では、二番目の商品を保持する次期商品支持部
材に補助支持部材を採用している。そのため商品が複数
個排出されることがない。
【0170】また同じく第6,7,10の形態の自動販
売機の商品投出装置は、主商品支持部材と次期商品支持
部材を持ち、両者の動作を切り離して行うことができ、
外径や形状の異なる商品を円滑に支持することができる
効果がある。
【0171】また同じく第8,9の形態では、装置の安
全性を高めることができる効果がある。
【0172】また同じく第11の形態の自動販売機の商
品投出装置は、商品の径や形状によらす最低位置が常に
一定となり、動作が安定する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の自動販売機の商品投出装
置の正面図
【図2】図1の自動販売機の商品投出装置の側面図
【図3】図1の自動販売機の商品投出装置の分解斜視図
【図4】図1の自動販売機の商品投出装置のリンクBの
後端部の様子を示す斜視図
【図5】図1の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って太缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図6】図1の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って角ペットボトルを投出する際の動作を説明する説明
【図7】図1の実施例の自動販売機の商品投出装置によ
って細缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図8】図1の実施例の商品投出装置の自動販売機内に
おける配置を説明する説明図
【図9】本発明の第2実施例の自動販売機の商品投出装
置の正面図
【図10】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
フレームの正面図
【図11】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
分解斜視図
【図12】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
待機状態を裏面側から見た斜視図
【図13】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
商品排出時の状態を裏面側から見た斜視図
【図14】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
商品排出時の状態を裏面側から見た斜視図
【図15】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置の
商品排出直後の状態を裏面側から見た斜視図
【図16】図12の円A部分の拡大図であり、自動販売
機の商品投出装置の仮止め部材の斜視図
【図17】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置に
よって缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図18】図9の実施例の自動販売機の商品投出装置に
よって缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図19】本発明の第3実施例の自動販売機の商品投出
装置の側面図
【図20】図19の自動販売機の商品投出装置の分解斜
視図
【図21】図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって太缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図22】図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって角ペットボトルを投出する際の動作を説明する
説明図
【図23】図19の実施例の自動販売機の商品投出装置
によって細缶を投出する際の動作を説明する説明図
【図24】従来の自動販売機の商品投出装置を搭載した
自動販売機本体の概略構成を示す断面図
【図25】従来の自動販売機の商品投出装置を搭載した
商品収納棚の大径商品投入時の入り口側の側面図
【図26】従来の自動販売機の商品投出装置を搭載した
商品収納棚の小径商品投入時の入り口側の側面図
【図27】従来の自動販売機の商品投出装置の斜視図
【符号の説明】 20,80,120 自動販売機の商品投出装置 21 フレーム 22 上部フラッパ 23,81 下部フラッパ 25 後退阻止部材 26 補助支持部材 27 ソレノイド 28 連動部材 31 ガイド溝部 34 ガイド溝 35 開口 37 フラッパ部材 38 接合部材 51 揺動軸 70 壁側突起 71 商品投出装置側突起 83 軸(後退阻止部材) 85 突起 112 壁側突起 112 傾斜壁 138 突起 137 切欠穴 A リンク B リンク
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図25】
【図11】
【図12】
【図13】
【図24】
【図14】
【図15】
【図21】
【図26】
【図17】
【図18】
【図22】
【図27】
【図19】
【図20】
【図23】
フロントページの続き (72)発明者 諏訪部 憲 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 米原 典彦 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 Fターム(参考) 3E046 BA03 BB03 BB04 CA01 CA11 DA01 EA08 EA09 EB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商品通路の壁面側から中央側に向かって
    突出して商品通路の最下流側に位置する商品を保持する
    主商品支持部材と、前記主商品支持部材の上流側に位置
    して下流側から二番目の商品を保持する次期商品支持部
    材を有した商品投出装置が取り付けられた自動販売機の
    商品投出部の構造において、商品投出装置の一部又は商
    品投出装置が取り付けられた壁面であって次期商品支持
    部材の上部の位置に商品投出装置側突起が設けられ、前
    記商品投出装置に対向する壁面であって、前記商品投出
    装置側突起と主商品支持部材の最上部の位置との間の高
    さの位置に壁側突起が設けられていることを特徴とする
    自動販売機の商品投出部構造。
  2. 【請求項2】 商品通路の幅をWとした時、商品投出装
    置側突起とこれに対向する壁間の距離Wa、壁側突起と
    これに対向する位置における商品投出装置との距離Wb
    及び商品投出装置側突起と壁側突起の間の最短距離Wc
    は、いずれも商品通路の幅Wの85%以上95%未満で
    あり、次期商品支持部材が突出した状態における次期商
    品支持部材又は補助支持部材と壁側突起との最短距離W
    dは、商品通路の幅Wの65%以下であることを特徴と
    する請求項1に記載の自動販売機の商品投出部構造。
  3. 【請求項3】 壁側突起は商品通路の上流側から下流側
    にかけて傾斜する傾斜部を有し、当該傾斜部の角度は商
    品通路に対して15°以下であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の自動販売機の商品投出部構造。
  4. 【請求項4】 商品投出装置側突起と壁側突起の高さの
    差は2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の自動販売機の商品投出部構造。
  5. 【請求項5】 壁側突起の突端部の位置及び高さと主商
    品支持部材の位置関係は、商品通路の幅の88%の円筒
    が主商品支持部材に支持されたときに当該円筒の一部が
    壁側突起の突端部と当接し、商品通路の幅の70%の円
    筒が主商品支持部材に支持されたときには当該円筒のい
    ずれの部位も壁側突起の突端部と接しないことを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の自動販売機の商
    品投出部構造。
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