JP3942060B2 - 移植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば整形器によって形成した畝に、たばこ苗などを植付ける移植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、苗載台のトレイから、取出爪によってたばこ苗を取出し、開孔爪によって畝上面に移植孔を形成してたばこ苗を植付ける技術があるが、たばこ苗のように苗全体を移植孔に入れる開孔爪は、キャベツ苗などのように苗の根部だけを移植孔に入れる開孔爪よりも外形状が大きい為に、ブラシまたはゴムヘラなどのスクレーパでは、開孔爪外側に付着する土を容易に脱落させ得ず、開孔爪外側の付着土によって移植孔が崩れ易い等の問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、開孔爪によって土面に開口し乍ら、苗を植付ける移植機において、
植付け動作途中の開孔爪外側に線状体を摺接させて付着土を落すように構成したもので、大型で外周が長くなる開孔爪周面の全域に線状体を容易に移動させ得、開孔爪に残る付着土の量を容易に低減し得、開孔爪の付着土による移植孔の土崩れ防止等を容易に図り得るものである。
【0004】
また、線状体をスクレーパバネによって左右方向に略水平に緊張固定させるもので、開孔爪との線状体の摺動抵抗を小さくし得、かつ線状体の土落し力を開孔爪外周全域で容易に確保し得るものである。
【0005】
また、前記線状体(75)の両端を支持するスクレーパフレーム(73)を、移植機の機体側に支点バネ(72)を介して取付け、前記前爪体(38)の下降により該支点バネ(72)に抗してスクレーパフレーム(73)と線状体(75)を下降させ、該前爪体(38)の植付け動作に追従させて線状体(75)を移動させ乍ら、線状体(75)を土落し作用させるもので、線状体が土落し作用する開孔爪の土落し動作範囲を容易に拡大し得、線状体の土落し力を開孔爪上下幅全域で容易に確保し得るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同平面図である。エンジン(1)を搭載する本機フレーム(2)にミッションケース(3)を固定させ、ミッションケース(3)両側に左右車軸ケース(4)を揺動自在に取付け、左右車軸ケース(4)に左右後輪(5)を軸支させると共に、本機フレーム(2)前部に左右車軸フレーム(6)を揺動自在に取付け、左右車軸フレーム(6)に左右前輪(7)を軸支させ、エンジン(1)によって左右後輪(5)を駆動してマルチフィルム(8)を被せた畝(9)を跨いで走行させる。また、エンジン(1)によって駆動する油圧ポンプユニット(10)と、全ての前後輪(5)(7)を同一方向に、同時に昇降させて車高を変更する油圧昇降シリンダ(11)と、左右の前後輪(5)(7)を相反方向に昇降させて機体の左右傾きを変更する油圧ローリングシリンダ(12)を、本機フレーム(2)に設ける。それと共に、前後の車軸ケース(4)と車軸フレーム(6)を昇降ロッド(13)によって連結させ、油圧力によって本機フレーム(2)を昇降させて車高を変更し、また本機フレーム(2)を左右に傾斜させる。
【0007】
さらに、本機フレーム(2)に苗台フレーム(14)を連設させ、苗台フレーム(14)に苗載台(15)を装設させ、たばこ苗(16)を入れたトレイ(17)を苗載台(15)に載せると共に、縦送り及び横送り移動させる苗載台(15)のトレイ(17)から、取出爪(18)によって1株分の苗(16)を取出し、取出爪(18)の苗(16)を下方の開孔爪(19)に供給し、開孔爪(19)によって下方の畝(10)上面に移植孔(20)を形成して苗(16)を植付ける。前記苗(16)丈よりも移植孔(20)を深く形成する。
【0008】
また、苗台フレーム(14)後部に操向ハンドル(21)を連設させ、走行変速レバー(22)、サイドクラッチレバー(23)、昇降レバー(24)、ローリングレバー(25)、アクセルレバー(26)、植付クラッチレバー(27)などを、操向ハンドル(21)に取付け、歩行作業を行う。それと共に、エンジン(2)上面側を覆うボンネット(28)周辺に複数の予備苗台(29)と空トレイ台(30)を設け、予備苗台(29)のトレイ(17)を苗載台(15)に補給し、苗載台(15)から回収する空トレイ(17)を空トレイ台(30)に載せる。
【0009】
さらに、図3、図4に示す如く、前記ミッションケース(3)に植付ケース(31)を連結させ、植付ケース(31)両側に左右ロータリケース(32)を回転自在に軸支させ、左右ロータリケース(32)に左右クランクアーム(33)を介して、左右植付アーム(34)を連結させ、左右植付アーム(34)に左右爪フレーム(35)を介して前後爪軸(36)(37)を取付け、開孔爪(19)を形成する前後爪体(38)(39)を前後爪軸(36)(37)に固定させ、エンジン(1)動力によってロータリケース(32)を一方向に回転させ、左右ガイドレール(40)の案内によって植付爪(19)を昇降させ、かつ前後爪体(38)(39)を開閉させるものである。該植付爪(19)の下降によって畝(10)に移植孔(20)を形成し、爪体(38)(39)の開口動作によって内部の苗(16)を移植孔(20)に放出させ、苗(16)を畝(10)に略等間隔に植付ける。
【0010】
さらに、図5、図6に示す如く、前後爪体(38)(39)の上面に前後苗投入ガイド(41)(42)をボルト(43)によって着脱自在に固定させる。
それと共に、前後爪体(38)(39)の内部に前後苗直立ガイド(44)(45)をボルト(46)によって着脱自在に固定させ、苗(16)を取出爪(18)から投入ガイド(41)(42)を介して平面視略円筒形の前後直立ガイド(44)(45)間に投入させ、開孔爪(19)内部に苗(16)を保持させるも。該前後爪体(38)(39)と一体的に直立ガイド(44)(45)を開閉させ、爪体(38)(39)が閉じているときにガイド(44)(45)によって苗(16)が倒れるのを防ぎ、苗(16)を確実に保持させる。それと共に、爪体(38)(39)が開くと、ガイド(44)(45)も開いて苗(16)を放出させ、苗(16)の葉がガイド(44)(45)などに引掛って苗(16)が持上げられるのを防止でき、またガイド(44)(45)の脱着によって他の部品を爪体(38)(39)に容易に着脱できる。
【0011】
さらに、図7、図8、図9に示す如く、前記ロータリケース(32)にカム取付板(47)をボルト(48)止め固定させ、カム取付板(47)に取付け位置変更自在にカム(49)をボルト(50)止め固定させる。それと共に、前記植付ケース(31)に支点板(51)を固定させ、支点板(51)に軸(52)を介してカッタアーム(53)を回転自在に取付け、ボルト(54)及び長孔(55)を介してカッタアーム(53)にカッタブラケット(56)を上下方向取付高さ調節自在に固定させ、前後方向に偏平な板形状のマルチカッタ(57)をカッタブラケット(56)にボルト(58)止め固定させる。
【0012】
また、前記支点板(51)に軸(59)を介してローラアーム(60)を回転自在に軸支させ、ローラアーム(60)にカムローラ(61)を軸支させると共に、前記カッタアーム(53)にカッタロッド(62)を介してローラアーム(60)を連結させ、バネ(63)によってローラ(61)をカム(49)に弾圧当接させてカッタ(57)を上昇支持させる一方、ロータリケース(32)及びカム(49)回転によってカム(49)からローラ(61)が離れたとき、バネ(63)力によってカッタ(57)が軸(52)回りに回転して下降し、開孔爪(19)着地予定位置のマルチフィルム(9)にカッタ(57)を下降させて切開する。該カム(49)からローラ(61)が離れるカッタ(57)の作用範囲(A)と走行移動量とにより、カッタ(57)によって形成されるフィルム(9)の直線形切開(64)の長さ(B)が決定され、開孔爪(19)の半径以上の長さ(B)の切開(64)が形成される。
【0013】
上記から明らかなように、開孔爪(19)によって土面に開口し乍ら苗(16)を植付けると共に、開孔爪(19)の植付位置のマルチフィルム(9)をマルチカッタ(57)によって切開する移植機において、開孔爪(19)を駆動する回転体であるロータリケース(32)によってマルチカッタ(57)を作動させ、開孔爪(19)の開孔位置とマルチカッタ(57)の切開位置を容易に一致させ、開孔爪(19)が形成する移植孔(20)の土崩れを防止すると共に、防風または保温など移植苗(16)の活着向上などを図る。
【0014】
また、ロータリケース(32)にカム(49)を設け、該カム(49)にマルチカッタ(57)を連結させ、前記マルチカッタ(57)の作用時間などを設定し、前後方向に略直線形に形成するマルチフィルム(9)開孔の大きさなどを開孔爪(19)の大きさなどに対処して適正に形成する。それと共に、カム(49)をカム取付座(47)に取付位置変更自在に設け、苗(16)の植付け間隔を変更する株間調節時にボルト(50)の脱着によってカム(49)取付位置を変更することにより、開孔爪(19)の開孔位置でマルチフィルム(9)をマルチカッタ(57)によって切開するように構成している。
【0015】
なお、図4、図8に示す如く、植深フレーム(65)を昇降させてミッションケース(3)の植付駆動軸(66)回りに植付ケース(31)を昇降させ、開孔爪(19)の高さを変更して植深調節するとき、ボルト(54)を緩めてカッタ(57)を長孔(55)の案内によって取付高さ調節し、苗(16)の植深を変更しても、カッタ(57)の土中突入量を略一定に保てる。
【0016】
さらに、図10、図11に示す如く、前記植深フレーム(65)に水平パイプ(67)を固定させ、ボルト(68)止めによって前後方向に伸縮自在なブラケット(69)を介して、水平パイプ(67)にスクレーパ支点軸(70)を取付ける。該支点軸(70)に左右支点板(71)を固定させ、左右支点板(71)に左右支点バネ(72)を介して前スクレーパフレーム(73)を取付け、該フレーム(73)に、左右スクレーパバネ(74)を介してワイヤ製線状体(75)を左右方向に略水平に緊張固定させ、開孔爪(19)の植付け動作によって下降する前爪体(38)外周にスクレーパバネ(74)に抗して前記線状体(75)を摺接させて付着土を落す。それと共に、前爪体(38)の下降によって、支点バネ(72)に抗して線状体(75)を下降させ、前爪体(38)の植付け動作に追従させて線状体(75)を移動させ乍ら、線状体(75)を土落し作用させ、下降する開孔爪(19)上面側に線状体(75)が移動して開孔爪(19)上昇時に線状体(75)が引掛って損傷するのを防いでいる。
【0017】
また、植深フレーム(65)に軸(76)を介して植深センサフレーム(77)前端を軸支させ、該センサフレーム(77)後端に横フレーム(78)を固定させ、横フレーム(78)にブラケット(79)を介して後スクレーパフレーム(80)を取付け、左右スクレーパバネ(81)を介してワイヤ製線状体(82)を左右方向に略水平に緊張させ、開孔爪(19)の植付け動作によって上昇する後爪体(39)外周にスクレーパバネ(81)に抗して前記線状体(82)を摺接させて付着土を落すものである。
【0018】
上記から明らかなように、開孔爪(19)によって土面に開口し乍ら、苗(16)を植付ける移植機において、植付け動作途中の開孔爪(19)外側に線状体(75)(82)を摺接させて付着土を落し、大型で外周が長くなる開孔爪(19)周面の全域に線状体(75)(82)を容易に移動させ、開孔爪(19)に残る付着土の量を低減し、開孔爪(19)の付着土による移植孔(20)の土崩れ防止等を図るものである。該線状体(75)(82)をスクレーパバネ(74)(81)によって緊張させ、開孔爪(19)との線状体(75)(82)の摺動抵抗を小さくし、かつ線状体(75)(82)の土落し力を開孔爪(19)外周全域で確保すると共に、線状体(75)を設けるスクレーパフレーム(73)を、支点バネ(72)に取付け、開孔爪(19)の植付け動作に追従させて線状体(75)を移動させ、線状体(75)が土落し作用する、開孔爪(19)の土落し動作範囲を拡大し、線状体(75)の土落し力を開孔爪(19)上下幅全域で確保するように構成している。
【0019】
なお、畝(10)上面で転動させる輪体形センサをセンサアーム(77)後端に取付け、畝(10)上面高さを検出して昇降シリンダ(11)を自動制御し、開孔爪(19)の植深を略一定に保つものである。
【0020】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、前後爪体(38)(39)により形成した開孔爪(19)によって、土面に開口し乍ら苗(16)を植付ける移植機において、植付け動作途中の前後爪体(38)(39)の外側に線状体(75)(82)を摺接させて付着土を落すように構成し、該線状体(75)(82)を、該線状体(75)(82)上に介装したスクレーパバネ(74)(81)により、左右方向に略水平に緊張固定させるので、大型で外周が長くなる開孔爪(19)周面の全域に線状体(75)(82)を容易に移動させることができ、開孔爪(19)に残る付着土の量を容易に低減でき、開孔爪(19)の付着土による移植孔(20)の土崩れ防止等を容易に図ることができるものである。
【0021】
また、線状体(75)(82)をスクレーパバネ(74)(81)によって緊張させたもので、開孔爪(19)との線状体(75)(82)の摺動抵抗を小さくし得、かつ線状体(75)(82)の土落し力を開孔爪(19)外周全域で容易に確保できるものである。
【0022】
また、線状体(75)を設けるスクレーパフレーム(73)を支点バネ(72)に取付けたもので、開孔爪(19)の植付け動作に追従させて線状体(75)を移動させることができ、線状体(75)が土落し作用する開孔爪(19)の土落し動作範囲を容易に拡大でき、線状体(75)の土落し力を開孔爪(19)上下幅全域で容易に確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体の側面図。
【図2】 同平面図。
【図3】 植付機構の平面図。
【図4】 同側面図。
【図5】 開孔爪の側面図。
【図6】 前爪体の背面図。
【図7】 マルチカッタ部の側面図。
【図8】 同拡大側面図。
【図9】 同拡大平面図。
【図10】 線状体取付け側面図。
【図11】 同平面図。
【符号の説明】
(16)苗
(19)開孔爪
(72)支点バネ
(73)スクレーパフレーム
(74)(81)スクレ
(75)(82)線状体

Claims (2)

  1. 前後爪体(38)(39)により形成した開孔爪(19)によって、
    土面に開口し乍ら苗(16)を植付ける移植機において、植付け動作途中の前後爪体(38)(39)の外側に線状体(75)(82)を摺接させて付着土を落すように構成し、該線状体(75)(82)を、該線状体(75)(82)上に介装したスクレーパバネ(74)(81)により、左右方向に略水平に緊張固定させることを特徴とする移植機。
  2. 請求項1記載の移植機において、前記線状体(75)の両端を支持するスクレーパフレーム(73)を、移植機の機体側に支点バネ(72)を介して取付け、前記前爪体(38)の下降により該支点バネ(72)に抗してスクレーパフレーム(73)と線状体(75)を下降させ、該前爪体(38)の植付け動作に追従させて、線状体(75)を移動させ乍ら、線状体(75)を土落し作用させることを特徴とする移植機。
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