JP3942006B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の図柄を可変表示可能な可変表示装置を備えたスロットマシンに関し、特に外周面に複数個のシンボルを配置した複数の回転リールを利用して可変表示ゲームを可能としたスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数種類の図柄を可変表示可能な可変表示装置を備え、前記可変表示の停止結果が予め設定された有効ライン上において所定の停止表示態様となることに関連して該停止表示態様に応じた遊技価値を付与可能な遊技機として、例えば、スロットマシンが知られている。
【0003】
現在、遊技店に設置されている一般的なスロットマシンは、外周面に複数個のシンボルを配置した回転リールを3個横並びに配置して前面の表示窓内からシンボルを視認可能に構成され、前記リールを回転させることにより可変表示を可能としてゲームを行うようにしている。
【0004】
この種のスロットマシンでは、例えば、遊技者による所定数(通常1〜3枚)の遊技媒体(メダルや遊技球)の投入、あるいはクレジットからのベット操作に基づく賭数の入力後、スタートレバーを操作することにより前記回転リールを回転させてシンボルを可変表示させ、一定時間後自動的にまたは遊技者が各リールに対応する停止ボタンを押して停止操作することにより各リールの回転を順次停止させて停止表示態様が確定される。そして、前記賭数の入力に応じて有効化された有効ライン上に位置した各シンボルで形成される組み合わせ態様が、予め定められた入賞態様となった場合に入賞が確定し、入賞種類に対応して遊技者に遊技媒体が付与される。ここで、遊技者が遊技を開始するために遊技媒体を投入することおよび予め遊技機(スロットマシン)に預け入れた(クレジット)遊技媒体の記憶数からベットボタン操作に応じてクレジット数を減算することに基づく賭数の入力を総称してベットと称する。
【0005】
なお、従来のスロットマシンでは遊技者の技量のみに遊技結果が左右されないように、例えばメダルを投入した状態でスタートレバーが操作されることに基づき入賞に関する内部抽選が行われるようになっており、前記内部抽選で当選した場合のみ入賞を示すシンボル列が有効ライン上に停止するように制御される。
【0006】
そして、前記内部抽選の結果が当選となるとその入賞種類に対応した入賞フラグが立てられ、この入賞フラグが成立しているゲームにおいて、遊技者が入賞フラグに対応したシンボルを有効ライン上に停止可能なタイミングで各リールの停止操作を行えば、リールの停止表示態様は所望のシンボル列となり、入賞が確定する。しかし、入賞フラグが成立している状態であっても、遊技者がリールを停止操作するタイミングが入賞フラグに対応するシンボルを有効ライン上に停止可能なタイミングからずれていると、そのシンボルを有効ライン上に停止させることはできず、入賞は確定しない。
【0007】
但し、入賞フラグが立っているゲームでは、極力遊技者が入賞を獲得できるように、遊技者が停止操作するタイミングが入賞フラグに対応するシンボルを有効ライン上に停止可能なタイミングから多少ずれていても所望のシンボルを有効ライン上に停止させようとするリールの停止制御、いわゆる引き込み制御が行われるようにしたスロットマシンもある。
【0008】
一方、入賞フラグが成立していない遊技ゲームでは、遊技者が所望のシンボルを有効ライン上に停止させるためにタイミングよく各リールの停止操作を行ったとしても、所望のシンボルを有効ライン上から押し出すように制御されるので、有効ライン上に所望のシンボルを停止させて入賞を獲得することはできない。つまり、入賞フラグが成立していない場合は有効ライン上に入賞となるシンボルが停止しないようにリールの停止制御がなされる。
【0009】
一般的なスロットマシンにおいては、入賞となる所定の組み合わせが複数種類用意されており、例えば、比較的少数(例えば10枚以下)のメダルが払い出される小役入賞、1枚のメダルをベットするだけで比較的多数(例えば15枚)のメダルが払い出されるJAC入賞、メダルをベットすることなく再度ゲームが可能となるリプレイ入賞、高確率でJAC入賞を獲得しやすいJACゲームを所定の回数遊技できるレギュラーボーナス(以下RBと略記する)を発生させるRB入賞、高確率で小役入賞を獲得しやすい小役ゲームと高確率でJAC入賞を獲得しやすいJACゲームとを所定の回数遊技できるビッグボーナス(以下BBと略記する)を発生させるBB入賞とが用意されている。
【0010】
また、最近では、例えばBBの終了後の所定期間に小役入賞のフラグが成立したことおよび入賞フラグの成立した小役入賞の種類を遊技者に報知して、遊技者が小役入賞を取りこぼさないようにしながら遊技できる入賞役報知状態として、いわゆるアシストタイム(以下AT或いはAT状態と略記する)を発生させる入賞を備えた機種もある。このAT中のATゲームにおいては、遊技者の技量を遊技に反映することができ、ATゲームを有効に活用すれば保持メダル枚数を若干数(約30枚)増加させることができる。また、ATは例えば所定のゲーム回数に達するまで継続してATゲームを行うことができるので、保持メダルを消費することなく次回のBB入賞、RB入賞を獲得してメダルを大量に獲得できる可能性が高まる。
【0011】
また、例えばBBの終了後の所定期間に3個のリールのうち少なくとも1個のリールの停止制御を解除し押し出し制御を行わないようにすることにより、小役入賞だけは遊技者の技量により獲得できるようにした入賞容易化状態として、いわゆるチャレンジタイム(以下CT或いはCT状態と略記する)を発生させる入賞を備えた機種もある。このCT中のCTゲームにおいては、遊技者の技量を遊技に大きく反映することができ、CTゲームを有効に活用すれば保持メダル枚数を相当数(約200枚)増加させることができる。また、CTは例えば所定のゲーム回数に達するまでまたはメダルの純獲得枚数(総払出枚数−総ベット枚数)が所定の枚数に到達するまで継続してCTゲームを行うことができるので、入賞を故意に外して獲得枚数を調整しながらCTゲームを消化することにより、保持メダルを消費することなくBB入賞やRB入賞を獲得してメダルを大量に獲得できる可能性が高まる。
【0012】
また、例えばBBの終了後の所定期間にリプレイ入賞のフラグが成立する確率が通常よりも高くなるリプレイ高確率状態として、いわゆるリプレイタイム(以下RT或いはRT状態と略記する)を発生させる入賞を備えた機種もある。このRT中のRTゲームにおいては、リプレイ入賞を高確率で獲得できるのでメダルを消費することなくゲームを進行することができる。また、RTも上記CT、ATと同様に所定の終了条件が成立するまでRTゲームを継続して行うことができるので、保持メダルを消費することなく次回のBB入賞、RB入賞を獲得してメダルを大量に獲得できる可能性が高まる。
【0013】
また、前述したATとRTの両方を組み合わせた入賞役報知及びリプレイ高確率状態として、いわゆるアシスト・リプレイタイム(以下AR或いはAR状態と略記する)を発生させる入賞を備えた機種もある。
【0014】
上述したAT入賞、CT入賞、RT入賞またはAR入賞のような特殊入賞を備えた機種においては、通常ゲームにおける内部抽選で特殊入賞付きのBB入賞という形の当選結果を得ることによりBB入賞と同時に前記特殊入賞も確定されるように構成されており、BB終了後にAT等の特殊な遊技状態が開始される。そして、所定の回数ゲームを消化したときまたは獲得メダル枚数が所定の枚数に達したとき等特殊遊技状態の終了条件が満たされたときに特殊遊技状態は解除され通常の遊技状態に戻る。なお、特殊遊技状態中にBB入賞を獲得したときは特殊遊技状態が解除されBBが開始される。
【0015】
スロットマシンでは、上述した特殊遊技状態やBB、RBを含む特定遊技状態にあるときは、スロットマシン前面に備えられたランプを派手に点灯させたり、スピーカから軽快な音楽などを出力することにより、当該特定遊技状態を装飾する演出が行われている。また、最近では前記特定遊技状態の発生中の装飾効果を高めるために、特定遊技状態で出力される効果音の音量を通常状態で出力される効果音の音量より大きく設定した機種が多い。このような機種では、大音量で効果音を出力することにより、特定遊技を行っている遊技者ばかりでなくその隣席などの周囲の遊技者にも特定遊技状態の発生をアピールできるようになっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特定遊技を行っている最中に当該遊技者が所用のため一旦ゲームの実行を中断して席を外すことも少なくなく、この場合は特定遊技状態の効果音が大音響で延々と鳴り続けてしまう。つまり、大音響で出力される特定遊技状態の効果音は、特定遊技状態という限られた期間だけ出力されるので周囲の遊技者に対して特定遊技状態をアピールするとともに遊技に対する興趣を高めることができるのであって、前述した事態のように延々と聴かされ続けては周囲の遊技者が不快に感じてしまう。特に、遊技の進行が思わしくない、すなわち特定遊技状態にない遊技者に対しては不快感を与えてしまう虞がある。
【0017】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、特定遊技状態の発生中に音出力手段(スピーカ)から出力される効果音の音量を調節できるようにし、これにより周囲の遊技者に不快感を与えるのを防止できるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、発明は、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置を含み、遊技者による賭数の入力後、スタートレバーを操作することにより前記複数の可変表示部を可変表示させてゲームを開始し、前記複数の可変表示部における可変表示の停止に基づき前記ゲームを終了し、前記複数の可変表示部の停止表示結果が所定の表示態様となった場合に、遊技者にとって有利な制御で前記ゲームを実行する特定遊技状態を発生可能なスロットマシンにおいて、遊技状態に応じた効果音を出力可能な音出力手段と、前記音出力手段から出力する効果音を制御する音制御手段と、外部調整により効果音の音量を調整可能な音量調整手段と、前記ゲームの終了からの経過時間を計時するとともに次ゲームの開始により計時結果をクリアするタイマ手段と、を備え、前記音制御手段は、前記特定遊技状態の発生中において前記タイマ手段による計時結果をもとにゲームが実行されていない時間が第1の時間以上であると判断した場合に、効果音の出力態様を変更可能な音出力変更手段を有し、前記音出力変更手段は、前記音量調整手段の音量の調整値を監視し、該音量の調整値が所定値よりも大きい場合には、効果音の出力態様を現在の音量よりも小音量に変更する一方、該音量調整手段の調整値が所定値以下である場合には、効果音の出力態様を変更しないように構成し前記ゲームが実行されていない時間が前記第1の時間よりも長い第2の時間以上であると判断した場合に、遊技不能状態にする遊技不能化手段を備え、前記遊技不能化手段は、遊技者が賭数の入力を行ってスタートレバーを操作した場合であっても遊技が開始されないように制御し、外部から遊技不能状態を解除する解除信号が入力されない限り、この遊技不能状態からもとの遊技状態に復帰しないよう制御するようにした。
【0021】
これにより、例えばBB(ビックボーナス)状態のような特定遊技状態において音の出力態様が変更された後、さらに遊技者がゲームを実行しなかった時間がタイマ手段の計時により所定時間に達した場合、遊技が開始されないように遊技状態が制御されるので、この場合に、遊技不能状態の解除は店員の解除操作により行われるようにすれば、遊技の再開には店員による解除操作を要することになって煩わしいうえに店員への印象が悪くなる虞があるので、遊技者が故意に特定遊技状態のままゲームを実行しないで長時間放置する事態を低減することができる。
【0023】
これにより、例えば、BB状態において音の出力態様が変更された後、さらに遊技者がゲームを実行しなかった時間がタイマ手段の計時により所定時間に達した場合、遊技が開始されないように遊技状態を制御する。
この場合、遊技不能状態の解除は店員の解除操作により行われるようにすれば、遊技の再開には店員による解除操作を要することとなり、煩わしいうえに店員への印象が悪くなる虞があるので、遊技者が故意に特定遊技状態のままゲームを実行しないで長時間放置する事態を低減することを期待できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は本発明を適用したAT入賞機能を備えたスロットマシンの正面図であり、図2は前面パネル2を開放したときの機体内部の構成を示す概略図である。
【0029】
この実施の形態のスロットマシン100は、ボックス形状の本体部1の左端に蝶番を有し、この蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル2を備えている。この本体部1の上段には後述する遊技制御装置等が搭載された制御部50が配設され、中段には可変表示装置を構成する3個のリール4a、4b、4cが回転自在な状態で横並びに配置され、下段には多数枚のメダルを収容可能なホッパーを有するメダル払出機(メダル払出部)3が配置されている。また、リール部4とメダル払出機3との間には、島設備側に向けて音が出力されるスピーカ26bが設けられている。
【0030】
なお、前記リールの外周面には複数種類のシンボルからなるシンボル列(図4)が表記されており、各リール4a、4b、4cは、例えば、ステッピングモータ等からなるリール駆動部4M(図3)の駆動によって互いに独立して回転可能に構成される。通常、リールの回転速度は高速度で一定であるが、スロットマシン前面にリールの回転速度を高速度と低速度に切替可能なスイッチを設けるようにして、遊技者に回転速度を選択させるようにしてもよい。
【0031】
また、前記メダル払出機3の上部にはメダル払出機3内に貯留されたメダルが収容枚数を越えると、メダル払出機3の右側に配設された予備貯留部27にメダルが貯留されるように流出口が設けられている。
【0032】
前面パネル2の上半部の略中央には、各リール4a、4b、4cの回転により可変表示されるシンボルを遊技者に視認させるための表示窓部20が設けられており、リール4a、4b、4cが停止している状態で、この表示窓部20から各リール4a、4b、4cの外周面に表記されたシンボル列のうち3個のシンボルがそれぞれ視認可能となっている。つまり、リール4a、4b、4cが停止した状態で表示窓部20から図2に示すような合計9個のシンボルが視認できる。
【0033】
表示窓部20の上方には、AT状態中であることを報知するためのAT報知部17、入賞フラグの立った小役の種類を報知するための成立小役報知部16、上記リールの可変表示に関連して所定の演出表示を行う液晶表示装置等からなる情報表示装置5等が設けられている。
【0034】
AT報知部17は、「WIN」が表記された表示領域17aと「LOSE」が表記された表示額域17bとからなる。遊技状態がAT状態であるときは表示領域17aの後方に配設されたライトにより「WIN」表示が点灯され、AT状態でないときは「WIN」表示は消灯され、表示領域17bの後方に配設されたライトにより「LOSE」表示が点灯される。
【0035】
成立小役報知部16は、「7(白)」が表記された表示領域16aと、「7(灰)」が表記された表示領域16bと、「7(黒)」が表記された表示領域16cとからなり、各表示領域16a、16b、16cの後方に設けられたライトの何れかを点灯することにより、図6に示す「7(白、灰、黒)、ベル、ベル」の入賞フラグが成立したことを遊技者に報知する。
【0036】
また、情報表示装置5は、各種演出表示を行う他、AT状態のときに入賞フラグの成立した小役の種類を報知する。具体的には、成立小役報知部16で報知可能な小役(例えば図6の「7(白、灰、黒)、ベル、ベル」)以外の小役(例えば図6の「すいか、すいか、すいか」、「チェリー、−、−」、「REP、REP、REP」など)の入賞フラグが立った場合に、各小役に対応する図柄(「すいか」、「チェリー」、「REP」)を出現させることによって、入賞フラグが成立していることおよびフラグが成立している小役の種類を遊技者に対して報知する。なお、BB状態やAT状態等の特定遊技状態にあるときは、情報表示装置5に特別な演出を表示することにより装飾効果を増大することができる。
【0037】
表示窓部20の左側方には、遊技者が投入したメダル数またはクレジットからベットされた賭数(最高3枚)に対応して有効化されたベットラインを表示するベットライン表示部13が設けられている。ベットライン表示部13は、例えば、メダル賭数が1枚のときはベットライン表示部13中央の「1」が点灯され中段の横ラインだけが有効ラインであることを示し、メダル賭数が2枚のときはベットライン表示部13中央の「1」とその上下に位置する「2」が点灯され上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示し、メダル賭数が3枚のときはベットライン表示部13の「1」「2」「3」がすべて点灯され3本の横ラインと右下がり、右上がりの2本の斜めラインの計5ラインが有効ラインであることを示す。
【0038】
表示窓部20の右側方には、各種遊技状態を表示する遊技状態表示部14が設けられている。遊技状態表示部14は、例えば、遊技台がゲームを実行可能な状態であることを示しメダルの投入を示唆する「INSERT_MEDALS」表示、リプレイ入賞を獲得したことおよび現在行っている遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作してからリールが回転開始するまで待ち時間があることを示す「WAIT」表示、遊技者がリール停止ボタンを操作してリールを停止させるか、または所定時間経過して自動的にリールが停止されてゲームが終了したことを示す「GAME_OVER」表示等で構成される。
【0039】
表示窓部20の下方には、遊技者が入賞を確定してメダルを獲得したときの払出枚数を表示する払出し表示部8、AT中のゲーム(ATゲーム)の残りゲーム回数や、BB中のゲーム(BBゲーム)、RB中のゲーム(RBゲーム)の残りゲーム回数などを表示する遊技進行表示部11、メダルのクレジット数を表示するクレジット数表示部12が横並びに設けられている。なお、これらの各表示部8、11、12は7セグメントLEDや液晶装置を用いて構成することができる。
【0040】
前面パネル2の上部には、透光性を有する前面カバー部材25が装着され、この前面カバー部材25の背部には、ランプ・LED等の発光部材からなる装飾表示部37(図3)やスピーカ等からなる音出力部26が配設されている。なお、本実施形態では音出力部26は、遊技者側に向けて音が出力される前面パネルの上部に設けられた左右2つのスピーカ26aと、本体内部のリール部4とメダル払出機3の間に設けられ島設備側に向けて音が出力されるスピーカ26bとで構成される。また、音出力部26は前記設置個所以外に設けることも可能で、例えばメダル貯留受皿23の部分に音出力部を設けることができる。
【0041】
前面パネル2の上半部と下半部の中間にある傾斜台部22には、メダルを投入するメダル投入口15が配設され、遊技者はこの投入口にメダルを投入することにより遊技できるようになる。また、傾斜台部22には、押圧操作によりクレジット数(クレジットデータ)からメダルを1枚ずつベット可能な1ベットボタン10と、1回の押圧操作でクレジット数からベット可能枚数(例えば、クレジット数が3枚以上であれば3ベット、クレジット数が2枚であれば2ベット)だけメダルがベットされるマックスベットボタン9が配設されている。このメダルベットボタン9、10により、メダル投入口15よりメダルを投入することなくクレジット数表示部12に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができ、この賭数に応じて有効ラインが設定される。なお、本実施形態では、前述したように1回の遊技で最高3枚のメダルをベットすることができ、このとき5ラインが有効ラインとなる。
【0042】
前面パネル2の下半部には、矩形状の化粧パネル19が設けられ、この化粧パネル19の上方には、メダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と記憶不能な非クレジット状態の何れか一方の状態に選択的に切換可能なクレジット選択ボタン18、各リール4a、4b、4cの回転を開始させるためのスタートレバー6および各々のリール4a、4b、4cの回転を停止させるためのリール停止ボタン7a、7b、7cが設けられている。
【0043】
リール停止ボタン7a、7b、7cの各々には、リール停止ボタンを発光させることでリール停止ボタンが操作可能な状態であることを報知する操作情報ランプ39(図3)がそれぞれ内蔵されており、これらの操作情報ランプ39が点灯していない間はリール停止ボタン7a、7b、7cを操作してもリールの回転は停止しない。
【0044】
また、化粧パネル19の左右両側方には、透光性を有する前面カバー部材24、24が装着され、これら前面カバー部材24、24の背部には、ランプ・LED等が配設されている。
【0045】
また、化粧パネル19の下方には、前面パネル2の背部にあるメダル払出部3より払い出されたメダルを貯留可能な受皿23や、灰皿21などが設けられている。
【0046】
図3は、当該スロットマシンの内部に設置される遊技制御装置の主要制御ブロック図である。
【0047】
図中、遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)51、読出し専用のROM(Read Only Memory)52、読出し書込み可能なRAM(Random Access Memory)53、入出力インターフェース(I/F)54、タイマ手段としてのタイマ40等で構成される。
【0048】
CPU51は、制御部、演算部を備え、各種演算制御を行う他、内部抽選用の乱数なども生成する。なお、CPUのソフト処理で乱数を生成する代わりに、遊技制御装置50に乱数を発生可能な乱数発生器を設け、該乱数発生器から出力される乱数を内部抽選用の乱数として用いることも可能である。ROM52には、後述の遊技制御処理を実行するための制御プログラムや制御データが格納されている他、内部抽選用の判定値などが格納されている。RAM53は、CPU51で生成される内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、メダルのクレジット数、メダルの賭数、成立フラグなど)を一時的に記憶する記憶領域、並びに、CPU51の作業領域を備えている。
【0049】
また、タイマ40は、ゲーム終了からの経過時間を計時するとともに次ゲームの開始により計時結果をクリアする。本実施形態では、BB、RB、AT、CT、RT、AR等の特定遊技状態において、このタイマ40で計時した経過時間が所定の時間(例えば60秒)に達した場合に、タイマ40からCPU51に割込信号が送信されることで、遊技制御装置50は離席状態(ゲーム無実行状態)と判断して特定遊技状態における効果音の出力を変更するように音制御装置36に制御信号を送信する。すなわち、遊技制御装置50と音制御装置36により音出力変更手段が構成されるのである。
【0050】
入出力インターフェース(I/F)54は、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、投入メダル検出センサ15s、スタートレバースイッチ6s、リール停止スイッチ7s、リール位置検出センサ31、1ベットスイッチ10s、マックスベットスイッチ9s、クレジット選択スイッチ18s、払出メダル検出センサ3s、確率設定装置32、リセットスイッチ33、前面枠開放検出スイッチ34等から出力される各種の検出信号をCPU51に対して出力している。
【0051】
ここで、投入メダル検出センサ15sはメダル投入口15より投入されたメダルを検出するためのセンサで、スタートレバースイッチ6sはスタートレバー6が操作されたことを検出するためのスイッチで、リール停止スイッチ7sはリール停止ボタン7a、7b、7c毎に各々設けられ、各リール停止ボタン7a、7b、7cが操作されたことを検出するためのスイッチで、リール位置検出センサ31はリール4a、4b、4c毎に各々設けられ各リール4a、4b、4cの停止位置を検出するセンサで、1ベットスイッチ10sは1ベットボタン10が押されたことを検出するためのスイッチで、マックスベットスイッチ9sはマックスベットボタン9が押されたことを検出するためのスイッチで、クレジット選択スイッチ18sはクレジット選択ボタン18が押されたことを検出するためのスイッチで、払出メダル検出センサ3sはメダル払出機3から払い出されたメダルの枚数を検出するセンサで、確率設定装置32はスロットマシンの設定(入賞確率が異なる1〜6の設定が用意されており、設定1の入賞確率が一番低く設定値が大きくなるにつれ入賞確率は高くなる)を切り替える装置で、リセットスイッチ33はスロットマシンの遊技状態をリセットするためのスイッチで、前面枠開放検出スイッチ34は前面パネル2が開放されたことを検出するスイッチである。
【0052】
また、入出力インターフェース(I/F)54は、CPU51から出力される制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、表示制御装置35、音制御装置36、ベットライン表示部13、クレジット数表示部12、払出数表示部8、遊技進行表示部11、遊技状態表示部14、装飾表示部37、メダル払出部3、リール駆動部4M、外部信号出力部38、リール操作情報ランプ39、アシストタイム(AT)報知部17、成立小役報知部16などに出力している。
【0053】
前記表示制御装置35は、表示制御用CPUおよびRAM、情報表示データを記憶するROM等で構成され、遊技制御装置から送信された制御信号に基づいて情報表示装置5にリーチ演出や文字情報等を表示させる。
【0054】
前記音制御装置26は、音制御用CPUおよびRAM、効果音データを記憶するROM、およびアンプ等で構成され、遊技制御装置から送信された音制御信号に基づいて音出力部26から遊技状態に対応した効果音を出力させる。本実施形態では、遊技制御装置50と音制御装置36で音出力変更手段を備えた音制御手段が構成され、遊技状態に対応した効果音を出力するようにしている。なお、本実施形態のようにCPU、RAM、ROM等を備えた音制御装置36を使用する代わりに、周知のサウンドジェネレータおよびアンプ等を使用して、遊技制御装置50からの音制御信号を前記サウンドジェネレータに送信して効果音を出力させるようにしてもよい。効果音としては、所定のメロディーを有する音(曲)の他、所定の音声を含んだ音であってもよく、また、特定遊技状態中はメロディーを有する一連の音が終了しても繰り返してその音が出力される。また、BB、RB、AT、CT、RT、AR等の特定遊技状態の種類毎に異なるメロディーの音が設定されている。
【0055】
また、本実施形態のスロットマシンにおいては、前面枠開放検出スイッチ34からの検出信号に基づいて効果音の出力態様を変更するようにしている。例えば、BB、RB、AT、CT、RT、AR等の特定遊技状態において、メダル払出機3にメダルを補給するために前面パネル2が開放されると、前面枠開放検出スイッチ34は前面パネル2の開放を検出し、この検出信号に基づいて遊技制御装置50は前面パネルが開放されていると判断して特定遊技状態における効果音の出力を変更するように後述する音制御手段36に制御信号を送信する。すなわち、特定遊技状態の発生中等の効果音が出力されている状態において、音出力手段(スピーカ)を備えた前面パネルが開放されると、音出力手段からの音の出力方向が隣席の遊技者側となるため隣の遊技者に不快感を与えてしまう虞があるが、前面枠開放検出スイッチ34による検出信号に基づいて効果音の出力態様を変更するようにしたので前記問題点を解消することができる。
【0056】
本実施形態に係るスロットマシン100は上記のように構成されており、遊技制御装置50により、例えば、図4のフローチャートに示す処理手順に従って遊技制御が行われる。
【0057】
この遊技制御処理では、先ず、ステップS1において、メダルがベットされた状態であるか否かを判定する処理が行われる。この処理では、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生している場合(前回のゲームでベットされたメダルの持ち越しが有る場合)と、メダル投入口15より少なくとも1枚以上のメダルが投入された場合と、RAM53に少なくとも1枚以上のメダルがクレジットとして記憶されている状態で1ベットボタン10或いはマックスベットボタン9が操作された場合の何れかに該当するときに、メダルがベットされた状態であると判定する。
【0058】
例えば、メダル投入口15よりメダルが投入されると、先ず、その投入されたメダルがメダル検出センサ15sにより検出されて該検出信号が遊技制御装置50に入力される。そして、その検出信号に基づいて、メダルの賭数が記憶されるとともに、その賭数に対応する有効ラインがベットライン表示部13により表示される。但し、賭数には、所定の上限値(例えば3枚)が設定されており、例えば、クレジット選択ボタン18により「非クレジット状態」が選択されている状態において、賭数の上限値を超えるメダルがメダル投入口15より投入された場合には、超えた分のメダルは賭数に加算されずに受皿23へと返却される。一方、クレジット選択ボタン18により「クレジット状態」が選択されている状態において、賭数の上限値を超えるメダルがメダル投入口15より投入された場合には、超えた分のメダルがクレジット数に加算されるとともに、その加算結果がクレジット数としてクレジット数表示部12に表示される。
【0059】
このステップS1における判定の結果、メダルがベットされた状態であると判定された場合にはステップS2へと移行し、そうでない場合にはメダルがベットされた状態であると判定されるまで、この処理が繰り返される。
【0060】
ステップS2では、スタートレバースイッチ6sからの出力に基づきスタートレバー6が操作されたか否かを判定し、この判定の結果、スタートレバー6が操作されたと判定された場合にはステップS3へと移行し、そうでない場合にはスタートレバー6が操作されたと判定されるまで、この処理が繰り返される。
【0061】
ステップS3では、スタートレバー6の操作に基づいて内部抽選用の乱数を抽出し、該抽出した乱数と、予めROM52に記憶されている判定値(賭数や確率設定によって変化する)との比較により内部抽選を行う。この内部抽選により各種入賞(例えば、小役、BB、RB、リプレイなど)に当選したか否かが決定され、当選した場合には入賞態様に対応する入賞フラグが立てられる。
【0062】
ステップS4では、前回ゲームにおける各リール4a、4b、4cの回転開始から一定時間(例えば、4.1秒)経過しているか否かの判定を行い、一定時間経過していると判定される場合には、ステップS5をスキップしてステップS6に移行し、一方、一定時間経過してないと判定される場合には、ステップS5にて遊技開始までの待ち時間を消化した後(つまり、前回ゲームにおける各リール4a、4b、4cの回転開始から一定時間経過した後)、ステップS6に移行する。ここで、ステップS5の遊技開始までの待ち時間消化中は図1中符号14の「WAIT」表示が点灯される。
【0063】
ステップS6では、ステップS3の内部抽選の結果に基づいて各種報知処理を行う。この報知処理には、例えば、各ボーナス(RBまたはBB)の入賞フラグが成立した場合に、各ボーナスの入賞フラグが成立したことを事前に報知するボーナス報知処理や、後述するATゲーム中の小役報知処理などが含まれる。
【0064】
ステップS7では、リール駆動部4Mに制御信号を送って各リール4a、4b、4cの回転を開始させるリール回転開始処理を行った後、ステップS8に移行する。具体的には、遊技制御装置50は、スタートレバースイッチ6sからの検出信号の入力に基づき、リール駆動部4Mに対してリール4a、4b、4cの回転開始を指示する制御信号を送信して、各リール4a、4b、4cの回転を一斉に開始させる。そして、スタートレバー6が操作されてから所定時間経過すると、各リール停止ボタンの操作情報ランプ39を点灯して、各リール停止ボタン7a、7b、7cが操作可能な状態になるように制御する。
【0065】
ステップS8では、遊技者が各リール停止ボタン7a、7b、7cにより各リールを停止操作したタイミングと各入賞フラグの状態に基づいてリール4a、4b、4cの停止位置を決定し、この決定に基づいてリール駆動部4Mに対して制御信号を出力する。
【0066】
例えば、何れかの入賞フラグが成立している状態においては、その入賞フラグに対応するシンボル列が有効ライン上に停止表示されるように、リールの引き込み制御が行われる。即ち、遊技者がリール停止ボタン7a、7b、7cを操作したときに有効ライン上に本来停止表示されるべきシンボルの中、或いはそれに続く数コマ分(例えば、4コマ分)のシンボルの中に入賞フラグに対応するシンボルが含まれる場合には、入賞フラグに対応するシンボルが有効ライン上に優先的に停止表示されるように、各リール4a、4b、4cが停止制御される。
【0067】
図5に示す各リールのシンボル配列図に基づいて具体的に説明すると、第1リール(左リール)4aの有効ライン上に「7(白)」が停止表示されることにより成立可能な入賞態様(例えば「7(白)、7(白)、7(白)」のBBなど)の入賞フラグが成立しているときには、点線L1で囲まれるシンボル(配列番号17に対応する「チェリー」、配列番号18に対応する「すいか」、配列番号19に対応する「REP」、配列番号20に対応する「すいか」、配列番号21に対応する「7(白)」)の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7aを押圧操作すれば、第1リール4aについては配列番号21に対応する「7(白)」を有効ライン上に停止させることができる。同様に、BB入賞の入賞フラグが成立しているときは、点線L2で囲まれるシンボルを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7aを押圧操作すれば、第1リール4aについては有効ライン上に配列番号14に対応する「7(黒)」を停止させることが可能であり、点線L3で囲まれるシンボルの停止タイミングでリール停止ボタン7aを押圧操作すれば、第1リール4aについては有効ライン上に配列番号7に対応する「7(灰)」を停止させることが可能である。
【0068】
一方、スタートレバー6が操作されてから一定時間(例えば、30秒以上)経過しても遊技者によって各リール停止ボタン7a、7b、7cの停止操作が行われない場合には、遊技制御装置50は各リールのゲーム開始前の状態と成立した入賞フラグに基づいて決定したリールの停止位置に従って駆動部4Mに対して制御信号を出力し、各リール4a、4b、4cの回転を自動的に停止させる。
【0069】
次いで、ステップS9では、リールの停止表示態様に基づいて入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、停止位置検出スイッチにより各リールの停止位置を検出し、何れかの入賞態様(例えば、小役、BB、RB、リプレイなど)に対応する停止表示態様が有効ライン上で成立したか否かに基づいて各入賞態様の発生の有無を判定する処理を行う。
【0070】
ステップS9の入賞処理において入賞が確定していると判定された場合には所定枚数のメダルの払出処理を行う(ステップS10)。この払出処理では、ステップS9の入賞判定処理においてリプレイゲーム以外の入賞が確定していると判定された場合に、メダル払出部3に制御信号を送って確定した入賞態様に応じた数のメダルを払い出す処理又は入賞態様に応じたメダル数をクレジット数の記憶に加算する処理を行うとともに、小役やリプレイゲームの入賞フラグをクリアする処理等を行う。また、この払出処理では、ステップS9の入賞判定処理においてリプレイゲームの発生が決定された場合には今回のゲームで記憶された賭数を次回ゲームに持ち越す処理を行い、リプレイゲームの発生が決定されなかった場合には賭数の記憶をクリアする処理を行う。このステップS10の払出処理を終了することにより、一連の遊技制御処理が終了されて1ゲームが終了する。
【0071】
図6は、本実施形態のスロットマシンにおける入賞役と入賞役に対応するシンボル表示態様(成立シンボル列)および入賞役に基づく入賞内容との対応図である。本実施形態の通常遊技における入賞役、すなわち通常遊技において獲得可能な入賞にはビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、小役、リプレイの4種類がある。
【0072】
BB入賞は、「7(白)、7(白)、7(白)」、「7(灰)、7(灰)、7(灰)」、「7(黒)、7(黒)、7(黒)」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されるとともにBBが発生する。
【0073】
RB入賞は、「7(白)、7(白)、7(黒)」、「7(灰)、7(灰)、7(黒)」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されるとともにRBが発生する。
【0074】
小役入賞は、「7(白)、ベル、ベル」、「7(灰)、ベル、ベル」、「7(黒)、ベル、ベル」、「すいか、すいか、すいか」、「チェリー、−、−」(「−」部分はどんなシンボルであってもよい)の何れかが有効ライン上に停止表示されることにより確定される入賞で、小役入賞の種類に対応する枚数のメダルが払い出される。例えば、「7、ベル、ベル」のときは9枚、「すいか、すいか、すいか」のときは12枚、「チェリー、−、−」のときは2枚のメダルが払い出される。
【0075】
リプレイ入賞は、「REP、REP、REP」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、リール停止後にリプレイゲームが行われる。このリプレイゲームでは、今回のメダル賭数が次回ゲームに持ち越されるので、メダルを新たにベットしなくともゲームを開始することができる。通常状態中のゲーム(通常ゲーム)における内部抽選ではこれら4種類の入賞の抽選が行われる。
【0076】
また、JACイン入賞とは、BB中の小役ゲームにおいて「REP、REP、REP」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、15枚のメダルが払い出されるとともに、1枚だけメダルをベットすることにより高確率で「REP、REP、REP」が有効ライン(例えば中段ライン)上に停止表示されるように停止制御されるJACゲームが開始される。なお、BB中の小役ゲームにおいてJACイン入賞となった場合には、12回のJACゲームが終了されるかまたは8回のJAC入賞が獲得されるまでJACゲームは継続される。上記のようにBB中のゲーム(BBゲーム)は小役ゲームとJACゲームとからなっている。
【0077】
JAC入賞とは、前記JACイン入賞により開始されるJACゲームにおいて、メダルを1枚ベットしたときに「REP、REP、REP」が有効ライン(例えば中段ライン)上に停止表示された場合に確定される入賞で、15枚のメダルが払い出される。
【0078】
さらに、本実施形態のスロットマシンはBB終了後に、所定のゲーム数だけ小役入賞フラグの成立を報知してくれる入賞役報知状態としての、アシストタイム(AT)を発生させる入賞を備えている。本実施形態では、通常ゲームにおけるBB入賞に関して、AT入賞付きBB入賞とAT入賞無しBB入賞が用意されており、BB終了後に、情報表示装置5でAT入賞が獲得されたか否かに関わる補助ゲーム(例えば、キャラクタを使用した対戦ゲーム等)が行われ、その結果に応じてAT報知部17によりAT入賞が獲得されたか否かが報知される。例えば、内部抽選結果によりAT入賞を獲得した場合は情報表示装置5で相手のキャラクタを倒すような補助ゲームが行われた後、AT報知部17の「WIN」表示部17aが点灯されるとともにATゲームが開始され、内部抽選結果によりAT入賞が獲得されなかった場合は情報表示装置5で相手のキャラクタに倒されるような補助ゲームが行われた後、AT報知部17の「LOSE」表示17bが点灯されるとともに通常ゲームが開始される。そして、ATゲーム中は成立小役報知部16の表示領域が点灯すること或いは入賞フラグに対応するシンボルを情報表示装置5に表示することによって、どの小役の入賞フラグが成立したかを遊技者に対して報知する。例えば、「7(白)、ベル、ベル」の入賞フラグが成立した場合には成立小役報知部16のうちの7(白)部分16aが点灯し、「チェリー、−、−」の入賞フラグが成立した場合には情報表示装置5にチェリーのシンボルが表示される。なお、BB入賞とは別にAT入賞を設けて通常ゲームにおいて内部抽選によりAT入賞が獲得されるようにしてもよい。この場合、AT入賞が抽選された後、停止表示態様を予め定められた表示態様となるようにリールの停止制御を行い、該表示態様が成立した場合にAT状態を発生させるようにしてもよい。また、リール4a、4b、4cの他に補助ゲームを実行可能な補助リールを設け、該補助リールでの補助ゲームの停止結果が特定の結果となった場合にAT状態を発生させるようにするようにしてもよい。
【0079】
図7は、本実施形態のスロットマシンにおける、遊技状態の遷移状況を示す概念図であり、通常状態(A)、BB状態(B)、RB状態(C)、AT状態(D)の4つに分けられる。通常状態(A)では、1ゲーム毎に内部抽選が行われ、BB入賞、RB入賞、小役入賞、リプレイ入賞、はずれの何れかが抽選によって決定される。なお、本実施形態のBB入賞には、AT入賞付きBB入賞とAT入賞無しBB入賞とが用意されている。
【0080】
そして、通常状態(A)での内部抽選の結果がBB入賞となりBB入賞フラグが成立すると、停止表示態様が所定のシンボル列(例えば「7(白)、7(白)、7(白)」)となることにより遊技状態はBB状態(B)となり、BBゲームが開始される。ここで、獲得したBB入賞がAT入賞付きBB入賞であればBBの終了条件が成立した後にAT状態(D)に移行し、ATゲームが開始される。一方、獲得したBBゲームがAT入賞無しBB入賞であればBBの終了条件が成立した後は通常状態(A)に移行し、通常ゲームが再開される。
【0081】
また、通常状態(A)での内部抽選の結果がRB入賞となりRB入賞フラグが成立すると、停止態様が所定のシンボル列(例えば「7(白)、7(白)、7(黒)」)となることにより遊技状態はRB状態(C)となり、RB中のゲーム(JACゲーム)が開始される。RB状態(C)で所定回数のJACゲームが終了した後は通常状態(A)に移行し、通常ゲームが再開される。
【0082】
次に、AT状態(D)では音出力部26や装飾表示部37により音や光を用いた各種遊技演出がなされるとともに、アシストタイム報知部17の「WIN」が表記された表示領域が点灯状態となって、遊技状態がAT状態にあることが遊技者に対して報知される。また、ATゲームが継続される残りゲーム回数が遊技進行表示部11に表示される。
【0083】
なお、本実施形態ではAT状態(D)は、ATゲームが所定回数(例えば100回)実行されるまでのあいだ継続される。この間、「7(白)、ベル、ベル」、「7(灰)、ベル、ベル」、「7(黒)、ベル、ベル」の小役の入賞フラグは、各々約1/9の割合で成立するように設定される(同時に複数の入賞フラグは成立しない)ため、「7、ベル、ベル」の小役の入賞フラグは合成確率1/3で成立する。何れかの「7、ベル、ベル」の小役の入賞フラグが成立すると成立フラグの「7」の種類に対応して成立小役報知部16のいずれかが点灯する。従って、いわゆる目押しがある程度できる遊技者であれば第1リールに所望の7を停止させることができるので、3回のゲーム(消費メダル9枚)に対して9枚の払い戻しを獲得できるので、殆どメダルを減らすことなく遊技を続けることができる。
【0084】
このとき、図5に示すように、第2及び第3リール4b、4cには、「ベル」と「ベル」の間隔が最大5コマ(「ベル」と「ベル」の間に他のシンボルが最大4個)となるように一連のシンボルが配列されているので、例えば、「7、ベル、ベル」の小役の入賞フラグが立っている場合には、第2及び第3リール停止ボタン7b、7cを如何なるタイミングで操作しても、前述したリールの引き込み制御により第2及び第3リール4b、4cの有効ライン上には「ベル」を停止表示させることができる。つまり、第1リール4aに所望の「7」を目押し操作できれば、容易に「7、ベル、ベル」の小役入賞を獲得できる。
【0085】
ところで、AT状態(D)においても通常状態(A)と同様の内部抽選が行われているので、その内部抽選の結果がBB入賞となりBB入賞フラグが成立すると、停止表示態様が所定のシンボル列(例えば「7(白)、7(白)、7(白)」)となることによりAT状態が解除されるとともにBB状態(B)となり、BBゲームが開始される。または、AT状態(D)においてBB入賞フラグが成立した時点でAT状態(D)が解除され、通常状態(A)に移行した後に、停止態様が所定のシンボル列になることによりBB状態(B)に突入するようにしてもよい。
【0086】
また、AT状態(D)における内部抽選の結果がRB入賞となりRB入賞フラグが成立すると、停止表示態様が所定のシンボル列(例えば「7(白)、7(白)、7(黒)」)となることによりAT状態が一時的に解除されるとともにRB状態(B)となり、RBゲームが開始される。このとき、AT状態(D)は解除されているのでRB状態(C)におけるJACゲームのゲーム数はATゲーム数にカウントされない。そして、RBゲームが終了した後に再度AT状態(D)に移行してATゲームが開始され、ATゲームの残り回数分が消化される。
【0087】
なお、通常状態においては最小賭数(1枚)で1ラインが有効ラインとなるが、BB状態やAT状態のような特定遊技状態中には最小賭数で複数のライン(例えば5ライン全部)を有効ラインとしてもよい。
【0088】
次に、図8に従ってBBゲーム中のゲーム進行について説明する。
まず、所定のシンボル表示態様(例えば「7(白)、7(白)、7(白)」)が有効ライン上に停止されBBが発生すると、通常ゲーム時に比べて高い確率で小役入賞を獲得できる小役ゲーム状態となる(A)。この小役ゲーム状態(A)における遊技は通常状態と同様に進行され、例えばメダルを3枚投入して、有効ライン上に「7(白、灰、黒)、ベル、ベル」のシンボル列が停止表示された場合にはメダルが9枚払い出され、有効ライン上に「すいか、すいか、すいか」のシンボル列が停止表示された場合にはメダルが12枚払い出され、有効ライン上に「チェリー、−、−」(「−」部分はどんなシンボルであってもよい)のシンボル列が停止表示された場合にはメダルが2枚払い出される。
【0089】
そして、小役ゲーム状態(A)において、例えば「REP、REP、REP」のシンボル列が有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなり(B)、このJACインにより15枚のメダルが払い出されるとともに、小役ゲームが一時中断され高確率でJAC入賞を獲得できるJACゲーム状態となる(C)。なお、前述したように小役ゲーム中に特定のシンボルが有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなり即座にJACゲームに移行するのではなく、情報表示装置5等のリール4とは別に設けられた可変表示装置でJACインに関するゲームを行い、そのゲーム結果に基づいてJACゲームが発生するようにしてもよい。
【0090】
JACゲーム状態(C)では、メダルの賭数は1枚とされ、この1ベットに対応する有効ライン(例えば、中段横ライン)上に「REP、REP、REP」のシンボル列が停止表示されるとJAC入賞となりメダルが15枚払い出される。このJACゲームは最大12回まで実行可能となっており、12回目のJACゲームが終了すると小役ゲームが再開される(D)。但し、JACゲームが12回に達する前にJAC入賞が8回獲得された場合には、8回目のJAC入賞を以てJACゲームは終了され、小役ゲームが再開される(D)。
【0091】
また、BB中の小役ゲームは、最大30回まで実行可能となっており(JACインしたゲームは含み、JACインした後のJACゲームは含まない)、小役ゲームが30回消化された時点でBBゲームは終了となる(E)。但し、小役ゲームが30回消化されるまでに3回JACインした場合には、3回目のJACインによるJACゲームの終了を以て当該BBゲームは終了となる(F)。
【0092】
そして、BBゲーム終了後は、獲得したBB入賞がAT入賞付きかAT入賞無しかに従ってAT状態または通常状態に移行されゲームが開始される。(G)。
【0093】
なお、BB状態においても次のBB入賞の抽選を行うような機能を備え、当該BBゲーム中にBB入賞のフラグが成立した場合には、当該BBの終了後即座に次のBBを発生しうるようにしてもよい。
【0094】
因みにRB入賞は、所定のシンボル表示態様(例えば「7(白)、7(白)、7(黒)」)が有効ライン上に停止されRBが発生すると同時にJACインとなり、このJACインにより15枚のメダルが払い出されるとともに、高確率でJAC入賞を獲得できるJACゲームが開始される。そして12回目のJACゲームが終了するか、またはJACゲームが12回に達する前にJAC入賞を8回獲得するとRBは終了され、通常状態に移行される。
【0095】
図9は、本実施形態のBBにおける音制御の一例を示すタイミングチャートであり、(a)はBB状態、(b)はゲーム状態、(c)はBB状態における効果音、(d)は外部信号の送信を表す。
【0096】
まず、通常ゲームにおいてBB入賞フラグが成立したあと、有効ライン上に停止したシンボルの表示態様がBB入賞を表す表示態様となりBB入賞が獲得されると、BB状態が発生するとともに、BB状態であることを表す効果音が出力される。この効果音は、BBスタートのファンファーレやBB中のBGM等、通常状態とは異なり華やかな効果音で構成される。
【0097】
そして、図8に示したようにBB状態における小役ゲームおよびJACゲームが進行され、遊技者が滞りなくBBゲームを進行する場合はその間効果音(c)は継続して出力され、BB状態が終了することに関連して効果音の出力は停止される。
【0098】
一方、本実施例では遊技者がBBゲームを所定時間実行しない場合には効果音が停止される。例えば、図9においてBBゲームを3ゲーム消化したあとに、遊技者がゲームを実行しなかった時間がタイマ40の計時により時間Tに達した場合、効果音を停止させるような音制御信号が遊技制御装置50から音制御装置36に送信され、音制御装置36は該音制御信号に基づいて効果音を停止する。それと同時に、遊技制御装置50からはゲームが実行されていないことを遊技店の管理装置等の外部装置に伝達するための外部信号が送信される(B)。
【0099】
その後、次のゲーム(4ゲーム目)が実行されない間は、継続して効果音は出力されず、外部信号が送信される。このように、遊技者が所定時間T以上ゲームを実行しない場合は効果音の出力を停止することにより、特定遊技状態の効果音が長時間鳴り響いて周囲の遊技者に不快感を与えるのを防止できる。また、ゲーム不実行を示す外部信号が遊技制御装置50から継続して出力されるため遊技店の遊技機管理装置は特定遊技状態の発生中に遊技者がどれくらいの期間遊技台を放置しているか等の遊技動向等に関するデータを正確に収集でき、この信号を利用して遊技者に着席を促す店内放送等を行うことができる。
【0100】
なお、離席状態中においては、BB中の装飾ランプ(装飾表示部37)を継続して点灯してもよいし、効果音の出力態様の変更に対応して装飾ランプの点灯態様を変更してもよい。また、離席状態であることを情報表示装置5に文字や図柄等の情報により表示してもよい。
【0101】
効果音の出力が停止された後、図9のタイミング(C)で遊技者がゲームを再開して4ゲーム目を開始(リールを回転)すると、効果音を出力させる音制御信号が遊技制御装置50から音制御装置36に送信され、音制御装置36は該音制御信号に基づいて元の効果音の出力を再び開始させる。同時に、遊技制御装置50から出力されるゲーム不実行を示す外部信号の送信は停止される(C)。この効果音出力の再開に際して、停止前に出力していた効果音としてのメロディーの先頭から改めて出力してもよいし、効果音の出力を停止した時点のメロディーの途中から出力を再開してもよい。
【0102】
なお、効果音の出力再開は、効果音の出力が停止された後に、次ゲームを実行するためのメダルをベットすること、あるいは次ゲームを開始するためにスタートレバーを操作することに基づいて行うようにしてもよい。
【0103】
このように、ゲームが再開されることに関連して元の出力態様で効果音を出力して特定遊技状態を演出することによって、遊技を再開した遊技者に対して特定遊技状態が継続しているという安心感と演出による満足感を与えることができる。
【0104】
そして、図9のタイミング(D)のようにBB状態が終了すると、BB状態に対応する効果音の出力は停止され、通常状態に対応した効果音が出力される。または、AT付きBB入賞が獲得されていた場合には、BB状態終了後にAT状態に移行し、AT状態に対応した効果音が出力される。
【0105】
ここで説明したBB状態における遊技と同様に、AT状態やRB状態においても所定時間ゲームが実行されない状態が続くと遊技制御装置50により効果音が停止され、効果音の復帰も同様に行われる。また、遊技制御装置50から出力される外部信号の送信に関しても同様に制御されることはいうまでもない。
【0106】
図10は、本実施例のBB中における音制御の他の一例を示すタイミングチャートであり、(a)はBB状態、(b)はゲーム状態、(c)はBB状態における効果音、(d)は外部信号の送信を表す。
【0107】
音制御の流れは図9と略同様であり、図10では遊技者がBBゲームを所定時間実行しない状態が続いた場合には効果音の音量が小さくなるように制御する点が図9の音制御と異なる。例えば、図10においてBBゲームを3ゲーム消化したあとに、遊技者がゲームを実行しなかった状態が時間Tに達したことがタイマ40の計時により検出された場合、遊技制御装置50から効果音を小さくさせるような音制御信号が音制御装置36に送信され、音制御装置36は該音制御信号に基づいて効果音の音量を小さくする。それと同時に、遊技制御装置50はゲームが実行されていないことを遊技店の管理装置等の外部装置に伝達するための外部信号を送信する。
【0108】
上記音量の変更は、例えば音制御装置36において、音量の大きい効果音を出力するためのデータと音量の小さい効果音を出力するためのデータとを予めROMに記憶しておき、受信した音制御信号に応じて出力する音データを選択することにより実現することができる。あるいは、音出力用の可変抵抗器により抵抗値を変化させることにより音量を変更させるようにしてもよいし、その他の方法で音量を変更するようにしてもよい。
【0109】
効果音の音量変更後、図10のタイミング(B)〜(C)のように、次のゲーム(4ゲーム目)が実行されていない状態が続いている間は、継続して効果音の音量は小さいままで、外部信号も引き続き送信される。そして、図10のタイミング(C)で遊技者がゲームを再開して4ゲーム目を開始すると効果音の音量が元に戻されるとともに外部信号の送信が停止される。そして、所定のゲームが実行されBB状態が終了することに関連してBB状態に対応する効果音の出力は停止され、通常状態に移行する。または、AT付きBB入賞が獲得されていた場合には、BB状態終了後にAT状態に移行し、AT状態に対応した効果音が出力される。
【0110】
図10では効果音の音量を大・小の2種類で切り替える制御例について説明したが、音制御装置36は効果音の音量を複数段階、例えば大、中、小の3段階で変更可能に制御できるようにしてもよい。具体的には、特定遊技状態において、遊技者がゲームを実行しない状態が所定の時間続いたことがタイマ40の計時により検出された場合、効果音を“大”から“中”に小さくするための音制御信号を遊技制御装置50から音制御装置36に送信し、音制御装置36は該音制御信号に基づいて効果音の音量を“中”に切り替える。そして、タイマ40の計時によりさらに所定の時間が経過した場合に、効果音を“中”から“小”に小さくするための音制御信号を遊技制御装置50から音制御装置36に送信し、音制御装置36は該音制御信号に基づいて効果音の音量を“小”に切り替える。このように、効果音の音量を段階的に小さくすることにより、違和感なく自然に音量を小さくできる。なお、音量を“小”にしたままさらに所定の時間を経過したなら効果音の出力を完全に停止させるようにしてもよい。
【0111】
また逆に、元の効果音を復帰させる場合にも、効果音の音量を段階的に大きくするとよい。これにより、元の効果音の音量に復帰する際に、突然大音量で効果音が出力されることで当該遊技者あるいは周囲の遊技者がびっくりすることを防止することができる。
【0112】
本実施形態のように、音出力部26(スピーカ)を複数個(前面2、内部1)有するスロットマシンの場合には、効果音を出力させる音出力部の数を制限することにより、効果音の音量を段階的に変更することが容易となる。例えば、効果音を大音量で出力する場合は3個のスピーカ全部から出力するようにし、中音量で出力する場合は1個の前面スピーカからの出力を停止し、2個のスピーカから出力するようにし、
小音量で出力する場合は1個の内部スピーカからのみ出力されるようにするとよい。
【0113】
また、上述したように効果音の音量を変更する以外にも、特定遊技状態の発生中において前記タイマ手段による計時結果をもとに所定時間ゲームが実行されていないと判断した場合に出力される効果音の種類を変更することにより、周囲の遊技者に不快感を与えるのを回避することもできる。例えば、特定遊技状態における激しい旋律(メロディー)からなる効果音を、比較的穏やかな旋律(メロディー)からなる効果音に変更することにより、周囲の遊技者が不満感を抱くのを防止できるうえ、離席状態であっても効果音により特定遊技状態であることを表現できる。
【0114】
ところで、一般のスロットマシンは外部操作により音量を調整可能な音量調整手段(音量調整つまみ等)を備えているが、この音量調整手段の調整値が最大でない場合あるいは設定値以下である場合には、特定遊技状態における効果音を継続して出力し続けても周囲の遊技者に迷惑がかからないので効果音の出力態様を変更する必要はないと考えられる。すなわち、音量調整手段の調整値が最大である場合あるいは所定の設定値よりも大きい場合にだけ前記実施例のように効果音の出力態様を変更するとよい。具体的には、音量調整手段からの信号を遊技制御装置50に入力するようにして音量の調整値を遊技制御装置50で監視できるようにし、遊技制御装置50は音量調整値が最大である場合、あるいは所定の設定値よりも大きい場合にのみ効果音の出力態様を変更する音制御信号を音制御装置に送信するようにするとよい。これにより、必要に応じて効率よく効果音の出力態様の制御を行うことが可能となる。
【0115】
また、効果音の出力態様を変更する音出力変更手段は、外部操作に基づいて選択的に有効、無効を切替可能な切替操作手段を備えてもよい。すなわち、周囲の遊技者に特定遊技状態が発生していることを最大限にアピールしたい遊技店等は音出力態様の変更を無効に切り替えればよいし、周囲の遊技者の感情を重視して不快感を与えないようにしたい遊技店は音出力態様の変更を有効に切り替えればよい。これにより、遊技店の営業方針が種々に異なる場合にも対応することができる。なお、音出力変更手段の有効・無効を切り替える切替操作手段は、音制御装置26に一体的に設けてもよいし、遊技制御装置50に一体的に備えるようにしてもよい。また、切替操作手段を単体で構成して切替信号を音制御装置26と遊技制御装置50の何れかに送信するようにしてもよい。
【0116】
また、遊技制御装置50に、所定の条件をみたすことにより故意に遊技を不能にする遊技状態切替機能(遊技不能化手段)を設け、上述したように音制御手段により効果音の出力態様を変更した後において、さらに所定時間ゲームが実行されなかった場合に遊技不能にするようにしてもよい。この場合、遊技不能状態の解除は店員の解除操作により行われるようにするとよい。例えば、BB状態において音の出力態様が変更された後、さらに遊技者がゲームを実行しなかった時間がタイマ40の計時により所定時間に達した場合、遊技制御装置50は遊技者がベットしてスタートレバー6を操作しても遊技が開始されないように遊技状態を制御する。そして、例えば店員により遊技台のリセットスイッチが操作されることにより元の遊技状態が復帰されるようにする。これにより、遊技を再開するためには店員の解除操作を要することになり面倒なうえ店員への印象が悪くなるので、遊技者が故意に特定遊技状態のままゲームを実行しないで長時間放置することは少なくなる。
【0117】
また、遊技制御装置50に、特定遊技状態の発生中において所定時間ゲームが実行されなかったゲーム無実行状態を検出するとともに、該ゲーム無実行状態の検出結果を計数することにより特定遊技状態発生中の遊技履歴を管理する遊技履歴管理機能(遊技履歴管理手段)を備えるようにし、該遊技履歴管理機能の管理状況に基づいて、音出力制御および情報表示制御を行うようにすることもできる。すなわち、遊技履歴管理機能によるゲーム無実行状態の計数結果が所定数となった場合には、例えば「離席が多すぎます。注意して下さい。」等の所定の音声を出力したり、情報表示装置に文字情報等で表示するようにする。
【0118】
また、音声または情報表示により注意したあとに、前記遊技状態切替機能により遊技不能状態に切り替えるようにしてもよい。この場合も、遊技不能状態の解除は店員の解除操作により行われるようにするとよい。これにより、頻繁にゲーム無実行状態が発生することを防止でき、稼働率の低下を防止できる。
【0119】
以上のように、本実施形態のスロットマシン100によれば、BB等の特定遊技状態にあるときに遊技者が席を離れたりしてゲームが実行されない場合でも、特定遊技状態の効果音の出力を変更できるので、周囲の遊技者が長時間鳴り響く効果音を不快に感じるのを防ぐことができる。
【0120】
なお、実施の形態では、メダルを用いて遊技を行うスロットマシンに適用した例を示したが、その他の、パチンコ球を使用して遊技を行うスロットマシンにも適用できる。
【0121】
今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0122】
例えば、CT入賞、RT入賞、AR入賞を備えたスロットマシンやその他の特定遊技状態を発生可能なスロットマシンにも適用可能である。
【0123】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置を含み、遊技者による賭数の入力後、スタートレバーを操作することにより前記複数の可変表示部を可変表示させてゲームを開始し、前記複数の可変表示部における可変表示の停止に基づき前記ゲームを終了し、前記複数の可変表示部の停止表示結果が所定の表示態様となった場合に、遊技者にとって有利な制御で前記ゲームを実行する特定遊技状態を発生可能なスロットマシンにおいて、遊技状態に応じた効果音を出力可能な音出力手段と、前記音出力手段から出力する効果音を制御する音制御手段と、外部調整により効果音の音量を調整可能な音量調整手段と、前記ゲームの終了からの経過時間を計時するとともに次ゲームの開始により計時結果をクリアするタイマ手段と、を備え、前記音制御手段は、前記特定遊技状態の発生中において前記タイマ手段による計時結果をもとにゲームが実行されていない時間が第1の時間以上であると判断した場合に、効果音の出力態様を変更可能な音出力変更手段を有し、前記音出力変更手段は、前記音量調整手段の音量の調整値を監視し、該音量の調整値が所定値よりも大きい場合には、効果音の出力態様を現在の音量よりも小音量に変更する一方、該音量調整手段の調整値が所定値以下である場合には、効果音の出力態様を変更しないように構成し前記ゲームが実行されていない時間が前記第1の時間よりも長い第2の時間以上であると判断した場合に、遊技不能状態にする遊技不能化手段を備え、前記遊技不能化手段は、遊技者が賭数の入力を行ってスタートレバーを操作した場合であっても遊技が開始されないように制御し、外部から遊技不能状態を解除する解除信号が入力されない限り、この遊技不能状態からもとの遊技状態に復帰しないように制御するようにしたので、必要に応じて効率よく効果音の出力態様の制御を行うことが可能となり、特定遊技状態の効果音が長時間鳴り響くことにより、周囲の遊技者に不快感を与えるのを防止できる。
また、例えばBB状態のような特定遊技状態において音の出力態様が変更された後、さらに遊技者がゲームを実行しなかった時間がタイマ手段の計時により所定時間に達した場合、遊技が開始されないように遊技状態制御されるので、この場合に、遊技不能状態の解除は店員の解除操作により行われるようにすれば、遊技の再開には店員による解除操作を要することになって煩わしいうえに店員への印象が悪くなる虞があるので、遊技者が故意に特定遊技状態のままゲームを実行しないで長時間放置する事態を低減することができる。これによって、特定遊技状態の効果音が長時間にわたって鳴り響くことにより周囲の遊技者に不快感を与えることを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施形態のスロットマシンの正面図である。
【図2】前面パネル2を開放したときの機体内部の構成を示す概略図である。
【図3】スロットマシン100に備わる遊技制御装置50の主要制御ブロック図である。
【図4】遊技制御装置50によって行われる遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】各リールの外周面に表示されたシンボル列を示す図である。
【図6】本実施形態の入賞態様の種類を示す一覧図である。
【図7】遊技状態の遷移状況を示す概念図である。
【図8】BB中のゲーム進行状況を示す概念図である。
【図9】本実施形態のBBにおける音制御の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】本実施形態のBBにおける音制御の他の一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 本体部
2 前面パネル
3 メダル払出機
4 リール
5 情報表示装置
6 スタートレバー
7 リール停止ボタン
8 払出表示部
9 マックスベットボタン
10 1ベットボタン
12 クレジット数表示部
13 ベットライン表示部
14 遊技状態表示部
15 メダル投入口
16 成立小役報知部
17 AT入賞報知部
18 クレジット選択ボタン
19 化粧パネル
20 表示窓部
21 灰皿
22 傾斜台部
23 メダル貯留受皿
24 前面カバー部材
25 前面カバー部材
26 音出力部
35 表示制御装置
36 音制御装置
40 タイマ
50 遊技制御装置
100 スロットマシン

Claims (1)

  1. 表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置を含み、遊技者による賭数の入力後、スタートレバーを操作することにより前記複数の可変表示部を可変表示させてゲームを開始し、前記複数の可変表示部における可変表示の停止に基づき前記ゲームを終了し、前記複数の可変表示部の停止表示結果が所定の表示態様となった場合に、遊技者にとって有利な制御で前記ゲームを実行する特定遊技状態を発生可能なスロットマシンにおいて、
    遊技状態に応じた効果音を出力可能な音出力手段と、
    前記音出力手段から出力する効果音を制御する音制御手段と、
    外部調整により効果音の音量を調整可能な音量調整手段と、
    前記ゲームの終了からの経過時間を計時するとともに次ゲームの開始により計時結果をクリアするタイマ手段と、
    を備え、
    前記音制御手段は、前記特定遊技状態の発生中において前記タイマ手段による計時結果をもとにゲームが実行されていない時間が第1の時間以上であると判断した場合に、効果音の出力態様を変更可能な音出力変更手段を有し、
    前記音出力変更手段は、前記音量調整手段の音量の調整値を監視し、該音量の調整値が所定値よりも大きい場合には、効果音の出力態様を現在の音量よりも小音量に変更する一方、該音量調整手段の調整値が所定値以下である場合には、効果音の出力態様を変更しないように構成し
    前記ゲームが実行されていない時間が前記第1の時間よりも長い第2の時間以上であると判断した場合に、遊技不能状態にする遊技不能化手段を備え、
    前記遊技不能化手段は、遊技者が賭数の入力を行ってスタートレバーを操作した場合であっても遊技が開始されないように制御し、外部から遊技不能状態を解除する解除信号が入力されない限り、この遊技不能状態からもとの遊技状態に復帰しないように制御することを特徴とするスロットマシン。
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