JP3939378B2 - 立毛シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐磨耗性に優れ、風合いが良好、かつ柔軟で適度の伸縮性に優れた立毛シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮革様シートの耐摩耗性を高める方法として、銀面層の耐摩耗性を高める方法に関しては、表面層としてモジュラスの高い樹脂層を設ける方法が広く行われている。しかしながら皮革様シートが立毛シートである場合には、表面にモジュラスの高い樹脂を塗布すると毛羽感が損なわれ、ヌバック調、半銀付調となり、スエードとしては、ルックス、風合い、タッチ、毛羽感に劣るため、この方法は立毛シートには適応しがたい。立毛シートの耐摩耗性が低い場合には、弾性体同士又は繊維と弾性体間の摩擦により穴あき、破れ等の問題が生じる。
立毛シートの耐摩耗性を高める方法として、例えば特公昭64−6304号公報には、0.5〜10デニールの熱可塑性の単繊維からなるウエブの表面の単繊維を溶融固着することにより表面摩耗性に優れたシートを製造する方法が提案されている。また特公平3−60945号公報には、強撚編織物シート、極細弾性繊維絡合シート、極細非弾性繊維絡合シートからなる三層構造のシートを絡合処理した後に極細繊維のみを溶融処理行うことにより耐摩耗性に優れたシートを製造する方法が記載されている。またこれら方法の他に、立毛シートの耐摩耗性を高める方法として、シートを構成する極細繊維の太さを太くし繊維密度を上げる方法や、含浸する弾性体のモジュラスを高めるか、樹脂濃度を高める方法が考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公昭64−6304号公報に記載されている技術の場合には、表面の立毛が集毛した状態となりスエード調の外観は得られない。また特公平3−60945号公報に記載されている技術の場合には、薄物のスエード調シートを得ようとした際に、強撚編織物シートの編み目が表面に透けて高級なスエード調シートは得られない。また単繊維が溶融固着するために風合いの硬い物となってしまう。さらに極細繊維の太さを太くして繊維密度を上げる方法の場合には、ソフトなタッチおよび高級感あるスエード調のものが得られない。また含浸弾性体の樹脂のモジュラスを上げるか、樹脂濃度を上げる方法の場合には、風合いの不良かつ伸縮性に問題を生ずる。 本発明は、上記の問題を解決し、柔軟で伸縮性及び風合いに優れ、かつ耐磨耗性が高い立毛シート及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、立毛シートの構造に着目し、鋭意検討を行った結果、弾性体中の空隙内表面、又は極細繊維束内または束外表面に特定の粒子を含有させることにより、毛羽立ち感等のルッキング、風合い、柔軟性を損なうことなく、かつ耐磨耗強度も向上させることが可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、極細繊維束と弾性重合体とからなる基体層およびその表面に存在する立毛層からなる立毛繊維シートにおいて、硬度がブリネル硬さで8以上で平均粒径が1〜10μmの微粉末が表面に付与されていることを特徴とする立毛シートである。
そして、その製造方法として、極細繊維と弾性重合体とからなる基体層およびその表面に存在する立毛層からなる立毛繊維シートに、硬度がブリネル硬さで8以上、平均粒径が1〜10μmの微粉末を分散液として含浸させ、乾燥することにより、該微粉末のシートに対する含有率を0.2〜15重量%とする方法を用いるものである。
【0006】
以下本発明について詳述する。
本発明の立毛シートの基体層は、繊維集合体に弾性重合体を主体とした重合体を含有した立毛シートである。本発明の立毛シートは、例えば以下の工程を組み合わせることにより得られる。すなわち、
(1)極細繊維発生型繊維を製造する工程、
(2)該繊維からなる絡合不織布を製造する工程、
(3)必要に応じて不織布を仮固定する工程、
(4)該絡合不織布に弾性樹脂液を含浸し、緻密な発泡体を形成する工程、
(5)該繊維を極細繊維束に変性する工程、
(6)基体表面に立毛を形成する工程、
(7)得られた立毛シートを染色する工程、及びまたは柔軟剤を含浸または表面に塗布する工程、
(8)微粒子を含浸する工程、
により、本発明の立毛シートを得ることができる。
【0007】
本発明に用いる基体層の極細繊維束は、少なくとも2種類のポリマーからなる極細繊維発生型繊維、例えば海島構造繊維や分割型繊維から造られる。そして、海成分が溶剤または水酸化ナトリウム等の分解剤により溶解または分解することで島成分が極細繊維として残留する抽出型繊維あるいは機械的にまたは処理剤によって各ポリマーからなる極細繊維に分割フィブリル化する分割型繊維等があげられる。
【0008】
極細繊維を構成するポリマーとしては、6ーナイロン、66ーナイロン、610−ナイロンをはじめとする溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート類、ポリブチレンテレフタレート、カチオン可染型変性ポリエチレンテレフタレートをはじめとする溶融紡糸可能なポリエステル類、ポリプロピレンで代表されるポリオレフィン類などから選ばれた少なくとも1種類のポリマーである。
また、抽出型繊維で抽出または分解除去される成分としては、極細繊維成分と溶剤または分解剤に対する溶解性または分解性を異にし、極細繊維成分との相溶性の小さいポリマーであり、かつ紡糸条件下で極細繊維成分より溶融粘度が小さいかあるいは表面張力が小さいポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンプロピレン共重合体、変性ポリエステルなどのポリマーから選ばれた少なくとも1種類のポリマーである。この極細繊維の海成分と島成分の体積量比は80:20〜20:80の範囲であって、海成分を抽出した後の好適デニールとしては、0.1〜0.001デニールの範囲が好ましい。
【0009】
極細繊維発生型繊維は、カードで解繊し、ウェッバーを通してウェッブを形成し、得られた繊維ウェッブは、所望の重さ、厚さに積層し、次いで、公知の方法、例えばニードルパンチや高圧水流により絡合処理を行って不織布とするか、あるいはこのステープルを編布に高圧水流等を使用して絡合させ、繊維質シートとする。なお、繊維質シートが以下の工程において張力を受けて構造破壊することを防ぐために、繊維質シートにポリビニルアルコール水溶液を含浸、乾燥させたり、あるいは繊維表面を溶融させて繊維間を固定する方法を用いてもよい。
【0010】
次に、繊維絡合不織布に弾性樹脂液を含浸し、加熱乾燥することでゲル化させるかあるいは弾性樹脂の非溶剤を含む液に浸漬して湿式凝固することで緻密な発泡スポンジを形成する。ここで含浸する弾性樹脂は、例えば、平均分子量500〜3000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールあるいはポリエステルポリエーテルジオール等の複合ジオール等から選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと4、4’ージフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系のジイソシアネートなどから選ばれた少なくとも1種類のジイソシアネートと2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の低分子化合物とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタンおよびその変性物であったり、ポリエステルエラストマー等の他の弾性樹脂およびアクリル系等の樹脂であってもよい。また、これらを混合した重合体組成物でもよい。しかし、柔軟性、弾性回復性、スポンジ形成性等より上記のポリウレタンが好ましく用いられる。なお、弾性体のポリマー濃度は10〜50重量%、ヤング率は1〜15kg/mm2の範囲が好ましい。
【0011】
上記のような弾性樹脂を溶剤あるいは分散剤に溶解あるいは分散させて得た樹脂液を繊維絡合体に含浸し、樹脂の非溶剤で処理して湿式凝固させスポンジをつくるか、そのまま加熱乾燥し、ゲル化させスポンジをつくるかの方法で繊維質基体を得る。この樹脂液には必要に応じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤等の添加剤を配合する。繊維質基体に占める弾性樹脂の比率は、基体に柔軟な風合いと弾性回復性を持たせるために固形分として重量比で10%以上、好ましくは30〜50%の範囲で含有させるのがよい。弾性体比率が10%未満では緻密な弾性体スポンジが形成されず、基体表面を起毛する際に十分に極細繊維を固定できず、また、弾性体スポンジ自身が緻密で平滑でないために樹脂を塗布する前の立毛面が十分な平滑面とならない。従って、樹脂を塗布し、バフィングした製品の表面も高級なスエード調と称するに足る十分な緻密な平滑面は得られない。
【0012】
次に、前述の極細繊維発生型繊維、例えば海成分がポリエチレン、島成分がナイロンである場合には、海成分をトルエンで抽出して、また海成分が易アルカリ分解性の変性ポリエステルで島成分が耐アルカリ性ポリマーである場合には、苛性ソーダ水溶液で処理することにより、海成分を分解除去して、繊維を極細繊維束とする。
【0013】
続いて、この基体の表面を起毛し、極細繊維を主体とした立毛を有する平滑な立毛面を形成する。起毛方法は、針布起毛機による起毛なども用いられるが 、 サンドペーパーなどによるバフィングする方法が繊細かつ均一な立毛層が得られることより好ましい。立毛繊維としては、繊度が0.5デニール未満、特に0.1〜0.001デニールの極細繊維がスエード調の繊細な立毛となり得るものである。0.5デニールを越えると、やや繊細さに欠ける立毛となる。0.001デニール未満では発色性が十分ではない。立毛の長さは2mm以下、特に0.5mm以下のものが好ましい。2mmを越える立毛では繊細な立毛が得られず、平滑面も得られない。
【0014】
この立毛シート状物を常法で、含金錯塩染料、酸性染料、硫化染料等で染色し、必要に応じて、前記したように柔軟処理を行う。
【0015】
本発明で弾性体中の空隙表面、極細繊維束内表面又は外表面等のいわゆる表面に付与させる粒子は、無機質粒子、有機質粒子のいずれでも良いが、本発明の目的である柔軟で伸縮性及び風合いに優れ、かつ耐磨耗性が高い立毛シートを得るためには、硬度がブリネル硬さで8以上で平均粒径(真球でないときには短径と直径との相加平均平均で表し、また粒径にばらつきがある場合その加重平均とする)が1〜10μmの条件を満たすものであることが必要である。粒子がブリネル硬さで8より小さいとそのもの自体も摩擦により磨耗してしまい十分な耐磨耗効果が得られない。尚、微粒子のブリネル硬さは直接測定できないので微粒子を構成する非多孔質の材質のブリネル硬さで表す。また平均粒径が10μmよりも大きいと外面には付着するが弾性体中には進入しにくい為十分な効果が得られない。また粒径が0.1μmより小さくなると滑りが悪くなり磨耗強度不足となる。よって好ましくは、平均粒径が1〜5μmのものが適当である。
【0016】
このような微粒子の材質としては特に限定されるものではないが、無機物質ではアルミニウム粉末、シリカ粉末、酸化チタン粉末等が挙げられ、有機物質ではメラミン樹脂、ベンズグアナミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられ、天然物としては、絹、ウール等の粉末が挙げられる。これらの微粒子と弾性重合体の樹脂との親和性が低い場合には、適当なバインダーであらかじめ表面処理しておくことが好ましい。バインダー樹脂との割合は、樹脂重量に対して0.2〜15倍の範囲にて混合する、しかしながら微粒子が着色されていれば微粒子の割合が高ければ変色の原因となり、また微粒子の割合が低ければ耐磨耗性の低下の原因となる。より好ましくは樹脂重量に対して0.4〜6の範囲である。バインダーの種類としては熱可塑性樹脂その他重合体等微粒子のつなぎになれば特に限定しないが、好ましくは水性ウレタン樹脂である。また濃度は、溶剤例えば水またはアルコール混合溶液に対し0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の範囲が好ましい。含浸方法はディップ−ニップの方法にて、基体層にピックアップ率が60〜90重量%になるように付与し、乾燥するのが好ましい。
本発明で得られた立毛シートは、耐磨耗性が高く、風合いが良好で、柔軟性に優れている。
【0017】
【実施例】
次に本発明の実施態様を具体的な実施例で説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部及び%は断りのない限り、重量に関するものである。
【0018】
実施例1
6ーナイロン60部(島成分)と高流動性低密度ポリエチレン(海成分)からなる海島型複合繊維で平均島本数300〜400で島成分の極細繊維が0.001〜0.01デニールである海島型混合紡糸繊維を溶融紡糸により得、これを延伸し、機械捲縮をかけてカットしてステープルとし、クロスラップ法で目付500g/m2のウェッブを形成、ついでニードルパンチングし、表面の平滑な絡合不織布をつくった。この絡合不織布の目付は540g/m2、見かけ比重は、0.3g/cm3であった。この絡合不織布にポリテトラメチレンエーテル系ポリウレタンを主体とするポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMFと略す)溶液を含浸し、DMF/水混合液の中に浸して湿式凝固した後、熱トルエン中で複合繊維中の海成分を溶出除去して極細繊維を発現させ、繊維質シート基体を得た。得られた繊維質基体を厚さ方向に二分割後、分割面をバフィングして厚さ0.5mmとし、反対面もサンドペーパーで起毛し、立毛シートとした。
【0019】
この立毛シートを下記の条件で茶色に染色した。
染色条件
含金染料 ラニールブラウンGR(住友化学製) 4%owf
均染剤 レベラン NK−D (丸菱油化製) 1g/l
染色温度 90℃
乾燥後、揉み処理を行うと均一で繊細な立毛を有するスエード調のシート状物が得られた。このシート状物に下記条件でディップ−ニップ処理後、乾燥整毛処理を行った。
含浸条件
水性Pu系樹脂 Hー6010(大日本インキ製) 1%/水
界面活性剤 DXー110(大日本インキ製) 7%/エマルジョン
酸化チタン (ブリネル硬さ100以上、平均粒径1μ) 1.2%/水
なお、酸化チタン微粒子の付着量はシートに対し0.8%となり、微粒子の付着状態を電子顕微鏡にて確認すると付着状態は弾性体中の空隙表面又は、極細繊維束内または外表面に集中的に付着しているのが確認された。そして極めて耐磨耗性に優れ、かつ柔軟性及び風合いの良好なスエード調の立毛シートを得た。この立毛シートが手のひらとなるように手袋を作製したところ、従来の立毛シートを用いたものと比べて穴あきまでの寿命が約2.5倍であった。
【0020】
実施例2
前述実施例1のスエード調シートに対し、このシートに下記条件でディップ−ニップ処理後、乾燥整毛処理を行った。
含浸条件
ベンズグアナミンホルムルデヒド縮合物(エポスターMS:日本触媒製)
(ブリネル硬さ50 平均粒径2μm) 3%/水
乾燥処理後、微粒子の付着量はシートに対し2%となり、微粒子の付着状態を電子顕微鏡にて確認すると付着状態は弾性体中の空隙表面又は、極細繊維束内または外表面に集中的に付着しているのが確認された。そして極めて耐磨耗性に優れ、かつ柔軟性及び風合いの良好なスエード調立毛シートであった。
【0021】
比較例1
前述実施例1のスエード調シートに対し、実施例1、2の様な含浸処理をしないで整毛処理を行った。
比較例2
前述実施例1のスエード調シートに対し、このシートに下記条件でディップ−ニップ処理後、乾燥整毛処理を行った。
含浸条件
ポリアミド系樹脂としては
6ーナイロン 3%/水
ブリネル硬さ5 平均粒径10μ
乾燥処理後、微粒子の付着量はシートに対し1.7%となり、微粒子の付着状態を電子顕微鏡にて確認すると付着状態は弾性体中の空隙表面又は、極細繊維束内または外表面に集中的に付着しているのが確認された。そして、このシートは、柔軟性及び風合いの良好なスエード調立毛シートであった。
【0022】
比較例3
前述実施例1のスエード調シートに対し、このシートに下記条件でディップ−ニップ処理後、乾燥整毛処理を行った。
含浸条件
ベンズグアナミンホルムルデヒド縮合物(エポスターLS:日本触媒製)
ブリネル硬さ50 平均粒径15μm 3%/水
乾燥処理後、微粒子の付着量はシートに対し1.4%となり、微粒子の付着状態を電子顕微鏡にて確認すると付着状態は弾性体中よりは立毛シートの表面に集中的に付着しているのが確認された。そして柔軟性及び風合いの良好な立毛シートを得た。
【0023】
以上の実施例及び比較例により得られた立毛シートの性能を表1に示す。表1の結果から明らかなように、本発明に係わる微粒子を含む立毛シートは、磨耗強度に優れ、風合い、染め色評価、いずれもが良好な素材であった。
【0024】
【表1】
Figure 0003939378
【0025】
【発明の効果】
本発明により、耐磨耗性に優れ、風合いが良好、かつ柔軟で適度の伸縮性に優れたスエード調立毛シートが得られる。本発明のスエード調立毛シートは、摩耗により破れ易い用途、例えば手袋やソファーの上張り材等に適している。

Claims (2)

  1. 極細繊維束と弾性重合体とからなる基体層およびその表面に存在する立毛層からなる立毛繊維シートにおいて、硬度がブリネル硬さで8以上で平均粒径が1〜10μmの微粉末が表面に付与されていることを特徴とする立毛シート。
  2. 極細繊維と弾性重合体とからなる基体層およびその表面に存在する立毛層からなる立毛繊維シートに、硬度がブリネル硬さで8以上、平均粒径が1〜10μmの微粉末を分散液として含浸させ、乾燥することにより、該微粉末のシートに対する含有率を0.2〜15重量%とすることを特徴とする立毛シートの製造方法。
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