JP3936077B2 - ドアクローザの停止角度調整機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアクローザの停止角度調整機構(以下単に停止角度調整機構という)に係り、特に、ドライバ等の工具を使用せずに簡単にドアクローザの停止角度を調整することができる停止角度調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドアクローザの停止装置、すなわち、閉鎖運動中のドアクローザを一時的に停止させる装置は、例えば荷物を室内に搬入するとき、ドアを手で押えておかなくてもよいので便利である。
【0003】
このドアクローザの停止装置は種々のものが提案されているが、簡単な構造で作動が確実なものとして、ドアクローザのリンク機構に組込まれたものがある。
【0004】
この停止装置は、図1に示すように、ブラケット1を介して通常は図示しないドア枠に固定されるブラケット軸2に装着され、後述のクリックボールと係合する凹部3を形成したカム板4と、上記ブラケット軸2に回動可能に支承されるフォークアーム5の筒状に形成された基部Aに収納され、ブラケット軸2方向に付勢された図示しないクリックボール等のクリック体とを有している。
【0005】
そして、ドアクローザが閉鎖方向に作動し、ブラケット軸2に固定されたカム板4に対し、フォークアーム5がブラケット軸2の回りを相対的に回動してその基部Aに内蔵されたクリックボールがカム板の凹部3と整合すると、クリックボールが凹部3に填り込んでドアクローザの閉鎖力に対抗してこれを停止させる。
【0006】
この型式の停止装置は、図2に示すように、その停止角度位置調整機構を内蔵することができる。
【0007】
すなわち、図2において符号6はブラケット1に固定されたブラケット軸2の基部において、その母線方向に形成された外側セレーションで、この外側セレーション6は、カム板4の装着孔7の開口端縁に形成された内側セレーション8と噛み合うことができる。
【0008】
そして、上記のように形成されたカム板4は、フォークアーム5の基端に形成されたスリット9に水平方向に挿入され、その装着孔7をフォークアームの回動軸と同軸に整合した後、ブラケット軸2をフォークアーム5の基端の支承孔11に挿入して内側及び外側セレーション8、6を適当な相対角度位置で噛み合わせる。
【0009】
なお、上記のように構成された停止角度調整機構は、カラー12、12、支持盤13及びカバー14と共に止めねじ15で一体的に結合される。
【0010】
その為、止めねじ15を緩めれば各構成部材は図2で上下方向に相対移動可能になるので、カム板4の内側セレーション8とブラケット軸の外側セレーション6との噛み合い係合を得ことができ、従ってこれらの相対角度位置を調整した後止めねじ15を再度締結することにより停止角度の調整ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成され、図2に示すような停止角度調整機構は勿論所期の機能を発揮して実用されているが、角度調整の度毎にドライバー等の工具で止めねじ15を緩める必要があり、その場で思いついての任意の停止角度調整ができない、という恨みが残る。
【0012】
この発明は、ドライバー等の工具を必要とせず、手指で簡単に、かつ何時でもドアクローザの停止角度を調整できる停止角度調整機構を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外周面の一部に外側セレーションを、先端部にスリワリを夫々形成したブラケット軸と、基端にブラケット軸と嵌合する支承孔を開口させると共に、この支承孔に垂直なスリットを形成したフォークアームと、このフォークアームの基端部に内蔵され、支承孔の中心軸方向に付勢されたクリック体と、外周に上記クリック体と係合する凹部を形成し、ブラケット軸と嵌合する装着孔を開口させると共に、この装着孔の開口端縁に上記外側セレーションと噛み合い係合可能な内側セレーションを形成したカム板と、フォークアームに関してブラケットと反対側におけるブラケット軸に摺動可能に嵌装され、ブラケット軸のスリワリと整合する部分に切欠部を形成した作動筒と、ブラケット軸の先端部をスリワリの幅方向に貫通する支持ピンと、作動筒の一方の切欠部を支持ピンと平行に貫通する作動ピンと、一端に操作端を、他端に係止端を夫々形成し、上記スリワリ及び作動筒の切欠部に跨がって摺動可能に収納されると共に、長穴を介して夫々支持ピン及び作動ピンの双方に支承されて、支持ピンの回りを回動可能に、かつ長手方向に移動可能に案内された制御レバーとを有し、カム板をフォークアームのスリットに挿入し、支承孔と装着孔とを整合させた状態で、これらをブラケット軸の軸線方向に摺動可能に案内すると共に、上記制御レバーの操作端を手前に引いて上下させることにより作動筒をブラケット軸に沿って移動させ、カム板の内側セレーションとブラケット軸の外側セレーションとがブラケット軸の軸線方向において整合したとき、制御レバーを係止端方向に押動し、係止端を作動筒の他方の切欠部に係合させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施例を図3乃至図5を参照して説明する。
図3及び図4において符号1は前記ブラケットを示し、このブラケット1の下面には、例えば溶接によりブラケット軸2が固設されている。
【0015】
このブラケット軸2の外周面のほぼ中間部に外側セレーション6が形成されている。このセレーション6はブラケット軸2の母線方向に延在する多数の突条を円周方向に連設したものである。
【0016】
また、ブラケット軸2の先端部(下端部)には、図3乃至図5に示すように、ブラケット軸2の中心軸を含んで一定の幅で切り欠かれ、スリワリ16が形成されている。
【0017】
上記のように構成されたブラケット軸2には、カム板4とフォークアーム5の基端とが、前者が後者のスリット9内に挿入され、かつ前者の装着孔7(図2参照)及び後者の支承孔11(図2及び図3参照)を整合させた状態で、回動可能に、また摺動可能に嵌合している。
【0018】
なお、図示の実施例においては、フォークアームの支承孔11とブラケット軸2との間の摩擦トルクを減少させるため、ブラケット1と外側セレーション6との間におけるブラケット軸2に上部カラー10が嵌装されているが、この上部カラー10は本発明の必須の構成要素ではない。
【0019】
一方、フォークアーム5に関してブラケット1と反対側(すなわち下方)におけるブラケット軸2には、図3及び図4に示すように、作動筒17が摺動可能に嵌装されている。
【0020】
この作動筒17の上端部は小径に成形され、例えばテフロン樹脂等で構成された断面L字形の減摩カラー18を介してフォークアーム5の支承孔11に回動自在に嵌合している。
【0021】
また、作動筒17の上記スリワリ16と整合する部分には、これと同幅に切り欠かれて切欠部19、19が形成されている。
【0022】
なお、上記作動筒の切欠部19、19の内一方(図3及び図4で左方)の切欠部は、後述する制御レバーの操作端を収納するため、図5に示すように、その幅、すなわち上下方向の寸法が拡大されている。
【0023】
また、図示の実施例においては、この作動筒17ブラケット軸2との間の摩擦トルクを減少させるため、ブラケット軸2の下方に下部カラー21が嵌装されているが、この下部カラー21は本発明の必須の構成要素ではない。
【0024】
一方、上記ブラケット軸2のスリワリ16及び作動筒17の一方の切欠部19には、これらに跨がるようにして、ほぼ水平に延在する厚板状の制御レバー22が摺動可能に嵌装されている。
【0025】
図示の実施例では、この制御レバー22の操作端部(図3乃至図5で左端部)には矩形の摘み22aが一体に結合されている。
【0026】
また、制御レバー22の中央部及び操作端部には、夫々制御レバーの長手方向に沿って延在する第1及び第2長孔23、24が開口しており、その内第1長孔23には、ブラケット軸の先端部をスリワリ16の幅方向に貫通する支持ピン25が、第2長孔24には、作動筒の一方の切欠部19を支持ピン25と平行に貫通する作動ピン26が夫々係合している。
【0027】
上記した構成により、制御レバー22は支持ピン25の回りを回動可能に支承されると共に、摘み22aを手指で操作して制御レバー22を押し引きすれば、制御レバーはその長さ方向に少し(長孔23、24とピン25、26との間の遊動量)移動できる。
【0028】
後述するように、クローザの停止角度を調整するときには摘み22aを手で摘んで制御レバー22を回動させるが(図3参照)、このときには摘み22aを手前に引いて制御レバー22の操作端を上下させるものとし、このとき制御レバー22の係止端(図3で右端)が作動筒17の内筒部内にあって作動筒とは干渉しないように、制御レバー22の各部の寸法が設定されている。
【0029】
また、図示の実施例では、常態、すなわちドアクローザの使用時には摘み22aを押上げると共に係止端方向に押動するが、このとき制御レバー22の係止端が作動筒17の他方の切欠部19に係入してその底面に当接するように各部材各部の寸法が設定されている(図4参照)。
【0030】
更にまた、図4に示すように、作動筒17を制御レバー22の操作により一杯に上昇させたとき、カム板4の内側セレーション8とブラケット軸2の外側セレーション6とがブラケット軸の軸線方向において整合するように各部の寸法が設定されている。
【0031】
なお、図3及び図4において符号27は皿ばねを示し、この皿ばねには図示しないスリットが放射状に形成されていて、大きな弾性変形をすることができるように構成されている。
【0032】
上記のように構成されたこの発明の一実施例による停止角度調整機構は、常態、すなわちドアクローザの使用状態においては、図4に示すように、制御レバー22の操作により作動筒17が上昇している。
【0033】
このとき、上記したように、ブラケット軸の外側セレーション6とカム板の内側セレーション8とがブラケト軸2の軸線方向において整合して相互に噛み合う。
【0034】
したがって、カム板4はブラケット軸2回りの回動が拘束され、すなわちカム板4はブラケット軸2に固定された状態になるので、前記したように、フォークアーム5がブラケット軸2に対し所定の角度相対回動すると、フォークアーム5に内蔵された図示しないクリック体がカム板4の凹部3に填り込むので、ドアクローザはその回動角度で停止する。
【0035】
なお、扉を強い力で閉鎖方向に押動すると、クリック体が凹部3を乗り越えてこれらの係合を解くので、以降ドアは閉鎖方向に回動する。
【0036】
ドアの停止角度を変えるには、ブラケット軸2に対するカム板の凹部3の相対角度位置を変化させる。
【0037】
そのためには、図4に示す常態から摘み22aを操作して図で左側に移動させ、次いで摘み22aを下降させる。
【0038】
すると、図3に示すように、作動ピン26が制御レバー22によって下向きに押動され、作動筒17が一体的に下降するので、皿ばね27の弾力によってフォークアーム5が作動筒17に従動して下降する。
【0039】
その結果、ブラケット軸の外側セレーション6とカム板の内側セレーション8との係合が解け、カム板4が自由になるので、カム板4を所定の角度時計方向或いは反時計方向に回動させてブラケット軸2に対するカム板4の相対角度位置を再設定する。
【0040】
カム板4の角度位置を再設定したら、図4に示すように、摘み22aを一杯に持上げた後これを制御レバーの係止端方向に押込む。
【0041】
すると、外側セレーション6と内側セレーションとが新たな相対角度位置を保って再び噛み合い、新たな停止角度がこのようにして設定される。
【0042】
同時に、制御レバー22の係止端が作動筒17の他方の切欠部19に係合するので(図4参照)、作動筒17は制御レバー22を介してブラケット軸2に固定された支持ピン25に係止されることになり、作動筒17のブラケット軸2からの抜け出しが効果的に防止される。
【0043】
なお、図示の実施例では、ブラケット1とフォークアーム5との間に皿ばね27を弾装するものとし、この皿ばね27の弾力により停止角度調整の時のフォークアーム5の移動を容易にしているが、この皿ばねが無くてもこの発明が成り立つことは自明であるから、この皿ばねはこの発明の必須の構成要素ではない。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、ブラケット軸に装着されたフォーアーム及びカム板を作動筒及び制御レバーの操作によりブラケット軸に沿って上下に移動させ、カム板の内側セレーション及びブラケット軸の外側セレーションを係脱できるようにし、内側及び外側セレーションが係合した状態を制御レバーにより安定に固定できるようにしたので、ドアクローザの停止角度位置を工具無しで任意に調整できる、という所期の目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】停止装置を備えた従来のドアクローザのリンク機構の外観斜視図。
【図2】その停止角度調整機構の構成部材を展開して示す外観斜視図。
【図3】この発明の一実施例による停止角度調整機構の拡大断面図で、停止角度変更時の状態を示す。
【図4】この発明の一実施例による停止角度調整機構の拡大断面図で、ドアクローザ作動時の常態を示す。
【図5】この発明の一実施例による停止角度調整機構の底面図で、ドアクローザ作動時の常態を示す。
【符号の説明】
1 ブラケット
2 ブラケット軸
3 凹部
4 カム板
5 フォークアーム
6 外側セレーション
7 装着孔
8 内側セレーション
9 スリット
10 上部カラー
11 支承孔
16 スリワリ
17 作動筒
19 切欠部
22 制御レバー
22a 摘み
23 第1長孔
24 第2長孔
25 支持ピン
26 作動ピン
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアクローザの停止角度調整機構(以下単に停止角度調整機構という)に係り、特に、ドライバ等の工具を使用せずに簡単にドアクローザの停止角度を調整することができる停止角度調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドアクローザの停止装置、すなわち、閉鎖運動中のドアクローザを一時的に停止させる装置は、例えば荷物を室内に搬入するとき、ドアを手で押えておかなくてもよいので便利である。
【0003】
このドアクローザの停止装置は種々のものが提案されているが、簡単な構造で作動が確実なものとして、ドアクローザのリンク機構に組込まれたものがある。
【0004】
この停止装置は、図1に示すように、ブラケット1を介して通常は図示しないドア枠に固定されるブラケット軸2に装着され、後述のクリックボールと係合する凹部3を形成したカム板4と、上記ブラケット軸2に回動可能に支承されるフォークアーム5の筒状に形成された基部Aに収納され、ブラケット軸2方向に付勢された図示しないクリックボール等のクリック体とを有している。
【0005】
そして、ドアクローザが閉鎖方向に作動し、ブラケット軸2に固定されたカム板4に対し、フォークアーム5がブラケット軸2の回りを相対的に回動してその基部Aに内蔵されたクリックボールがカム板の凹部3と整合すると、クリックボールが凹部3に填り込んでドアクローザの閉鎖力に対抗してこれを停止させる。
【0006】
この型式の停止装置は、図2に示すように、その停止角度位置調整機構を内蔵することができる。
【0007】
すなわち、図2において符号6はブラケット1に固定されたブラケット軸2の基部において、その母線方向に形成された外側セレーションで、この外側セレーション6は、カム板4の装着孔7の開口端縁に形成された内側セレーション8と噛み合うことができる。
【0008】
そして、上記のように形成されたカム板4は、フォークアーム5の基端に形成されたスリット9に水平方向に挿入され、その装着孔7をフォークアームの回動軸と同軸に整合した後、ブラケット軸2をフォークアーム5の基端の支承孔11に挿入して内側及び外側セレーション8、6を適当な相対角度位置で噛み合わせる。
【0009】
なお、上記のように構成された停止角度調整機構は、カラー12、12、支持盤13及びカバー14と共に止めねじ15で一体的に結合される。
【0010】
その為、止めねじ15を緩めれば各構成部材は図2で上下方向に相対移動可能になるので、カム板4の内側セレーション8とブラケット軸の外側セレーション6との噛み合い係合を得ことができ、従ってこれらの相対角度位置を調整した後止めねじ15を再度締結することにより停止角度の調整ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成され、図2に示すような停止角度調整機構は勿論所期の機能を発揮して実用されているが、角度調整の度毎にドライバー等の工具で止めねじ15を緩める必要があり、その場で思いついての任意の停止角度調整ができない、という恨みが残る。
【0012】
この発明は、ドライバー等の工具を必要とせず、手指で簡単に、かつ何時でもドアクローザの停止角度を調整できる停止角度調整機構を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外周面の一部に外側セレーションを、先端部にスリワリを夫々形成したブラケット軸と、基端にブラケット軸と嵌合する支承孔を開口させると共に、この支承孔に垂直なスリットを形成したフォークアームと、このフォークアームの基端部に内蔵され、支承孔の中心軸方向に付勢されたクリック体と、外周に上記クリック体と係合する凹部を形成し、ブラケット軸と嵌合する装着孔を開口させると共に、この装着孔の開口端縁に上記外側セレーションと噛み合い係合可能な内側セレーションを形成したカム板と、フォークアームに関してブラケットと反対側におけるブラケット軸に摺動可能に嵌装され、ブラケット軸のスリワリと整合する部分に切欠部を形成した作動筒と、ブラケット軸の先端部をスリワリの幅方向に貫通する支持ピンと、作動筒の一方の切欠部を支持ピンと平行に貫通する作動ピンと、一端に操作端を、他端に係止端を夫々形成し、上記スリワリ及び作動筒の切欠部に跨がって摺動可能に収納されると共に、長穴を介して夫々支持ピン及び作動ピンの双方に支承されて、支持ピンの回りを回動可能に、かつ長手方向に移動可能に案内された制御レバーとを有し、カム板をフォークアームのスリットに挿入し、支承孔と装着孔とを整合させた状態で、これらをブラケット軸の軸線方向に摺動可能に案内すると共に、上記制御レバーの操作端を手前に引いて上下させることにより作動筒をブラケット軸に沿って移動させ、カム板の内側セレーションとブラケット軸の外側セレーションとがブラケット軸の軸線方向において整合したとき、制御レバーを係止端方向に押動し、係止端を作動筒の他方の切欠部に係合させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施例を図3乃至図5を参照して説明する。
図3及び図4において符号1は前記ブラケットを示し、このブラケット1の下面には、例えば溶接によりブラケット軸2が固設されている。
【0015】
このブラケット軸2の外周面のほぼ中間部に外側セレーション6が形成されている。このセレーション6はブラケット軸2の母線方向に延在する多数の突条を円周方向に連設したものである。
【0016】
また、ブラケット軸2の先端部(下端部)には、図3乃至図5に示すように、ブラケット軸2の中心軸を含んで一定の幅で切り欠かれ、スリワリ16が形成されている。
【0017】
上記のように構成されたブラケット軸2には、カム板4とフォークアーム5の基端とが、前者が後者のスリット9内に挿入され、かつ前者の装着孔7(図2参照)及び後者の支承孔11(図2及び図3参照)を整合させた状態で、回動可能に、また摺動可能に嵌合している。
【0018】
なお、図示の実施例においては、フォークアームの支承孔11とブラケット軸2との間の摩擦トルクを減少させるため、ブラケット1と外側セレーション6との間におけるブラケット軸2に上部カラー10が嵌装されているが、この上部カラー10は本発明の必須の構成要素ではない。
【0019】
一方、フォークアーム5に関してブラケット1と反対側(すなわち下方)におけるブラケット軸2には、図3及び図4に示すように、作動筒17が摺動可能に嵌装されている。
【0020】
この作動筒17の上端部は小径に成形され、例えばテフロン樹脂等で構成された断面L字形の減摩カラー18を介してフォークアーム5の支承孔11に回動自在に嵌合している。
【0021】
また、作動筒17の上記スリワリ16と整合する部分には、これと同幅に切り欠かれて切欠部19、19が形成されている。
【0022】
なお、上記作動筒の切欠部19、19の内一方(図3及び図4で左方)の切欠部は、後述する制御レバーの操作端を収納するため、図5に示すように、その幅、すなわち上下方向の寸法が拡大されている。
【0023】
また、図示の実施例においては、この作動筒17ブラケット軸2との間の摩擦トルクを減少させるため、ブラケット軸2の下方に下部カラー21が嵌装されているが、この下部カラー21は本発明の必須の構成要素ではない。
【0024】
一方、上記ブラケット軸2のスリワリ16及び作動筒17の一方の切欠部19には、これらに跨がるようにして、ほぼ水平に延在する厚板状の制御レバー22が摺動可能に嵌装されている。
【0025】
図示の実施例では、この制御レバー22の操作端部(図3乃至図5で左端部)には矩形の摘み22aが一体に結合されている。
【0026】
また、制御レバー22の中央部及び操作端部には、夫々制御レバーの長手方向に沿って延在する第1及び第2長孔23、24が開口しており、その内第1長孔23には、ブラケット軸の先端部をスリワリ16の幅方向に貫通する支持ピン25が、第2長孔24には、作動筒の一方の切欠部19を支持ピン25と平行に貫通する作動ピン26が夫々係合している。
【0027】
上記した構成により、制御レバー22は支持ピン25の回りを回動可能に支承されると共に、摘み22aを手指で操作して制御レバー22を押し引きすれば、制御レバーはその長さ方向に少し(長孔23、24とピン25、26との間の遊動量)移動できる。
【0028】
後述するように、クローザの停止角度を調整するときには摘み22aを手で摘んで制御レバー22を回動させるが(図3参照)、このときには摘み22aを手前に引いて制御レバー22の操作端を上下させるものとし、このとき制御レバー22の係止端(図3で右端)が作動筒17の内筒部内にあって作動筒とは干渉しないように、制御レバー22の各部の寸法が設定されている。
【0029】
また、図示の実施例では、常態、すなわちドアクローザの使用時には摘み22aを押上げると共に係止端方向に押動するが、このとき制御レバー22の係止端が作動筒17の他方の切欠部19に係入してその底面に当接するように各部材各部の寸法が設定されている(図4参照)。
【0030】
更にまた、図4に示すように、作動筒17を制御レバー22の操作により一杯に上昇させたとき、カム板4の内側セレーション8とブラケット軸2の外側セレーション6とがブラケット軸の軸線方向において整合するように各部の寸法が設定されている。
【0031】
なお、図3及び図4において符号27は皿ばねを示し、この皿ばねには図示しないスリットが放射状に形成されていて、大きな弾性変形をすることができるように構成されている。
【0032】
上記のように構成されたこの発明の一実施例による停止角度調整機構は、常態、すなわちドアクローザの使用状態においては、図4に示すように、制御レバー22の操作により作動筒17が上昇している。
【0033】
このとき、上記したように、ブラケット軸の外側セレーション6とカム板の内側セレーション8とがブラケト軸2の軸線方向において整合して相互に噛み合う。
【0034】
したがって、カム板4はブラケット軸2回りの回動が拘束され、すなわちカム板4はブラケット軸2に固定された状態になるので、前記したように、フォークアーム5がブラケット軸2に対し所定の角度相対回動すると、フォークアーム5に内蔵された図示しないクリック体がカム板4の凹部3に填り込むので、ドアクローザはその回動角度で停止する。
【0035】
なお、扉を強い力で閉鎖方向に押動すると、クリック体が凹部3を乗り越えてこれらの係合を解くので、以降ドアは閉鎖方向に回動する。
【0036】
ドアの停止角度を変えるには、ブラケット軸2に対するカム板の凹部3の相対角度位置を変化させる。
【0037】
そのためには、図4に示す常態から摘み22aを操作して図で左側に移動させ、次いで摘み22aを下降させる。
【0038】
すると、図3に示すように、作動ピン26が制御レバー22によって下向きに押動され、作動筒17が一体的に下降するので、皿ばね27の弾力によってフォークアーム5が作動筒17に従動して下降する。
【0039】
その結果、ブラケット軸の外側セレーション6とカム板の内側セレーション8との係合が解け、カム板4が自由になるので、カム板4を所定の角度時計方向或いは反時計方向に回動させてブラケット軸2に対するカム板4の相対角度位置を再設定する。
【0040】
カム板4の角度位置を再設定したら、図4に示すように、摘み22aを一杯に持上げた後これを制御レバーの係止端方向に押込む。
【0041】
すると、外側セレーション6と内側セレーションとが新たな相対角度位置を保って再び噛み合い、新たな停止角度がこのようにして設定される。
【0042】
同時に、制御レバー22の係止端が作動筒17の他方の切欠部19に係合するので(図4参照)、作動筒17は制御レバー22を介してブラケット軸2に固定された支持ピン25に係止されることになり、作動筒17のブラケット軸2からの抜け出しが効果的に防止される。
【0043】
なお、図示の実施例では、ブラケット1とフォークアーム5との間に皿ばね27を弾装するものとし、この皿ばね27の弾力により停止角度調整の時のフォークアーム5の移動を容易にしているが、この皿ばねが無くてもこの発明が成り立つことは自明であるから、この皿ばねはこの発明の必須の構成要素ではない。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、ブラケット軸に装着されたフォーアーム及びカム板を作動筒及び制御レバーの操作によりブラケット軸に沿って上下に移動させ、カム板の内側セレーション及びブラケット軸の外側セレーションを係脱できるようにし、内側及び外側セレーションが係合した状態を制御レバーにより安定に固定できるようにしたので、ドアクローザの停止角度位置を工具無しで任意に調整できる、という所期の目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】停止装置を備えた従来のドアクローザのリンク機構の外観斜視図。
【図2】その停止角度調整機構の構成部材を展開して示す外観斜視図。
【図3】この発明の一実施例による停止角度調整機構の拡大断面図で、停止角度変更時の状態を示す。
【図4】この発明の一実施例による停止角度調整機構の拡大断面図で、ドアクローザ作動時の常態を示す。
【図5】この発明の一実施例による停止角度調整機構の底面図で、ドアクローザ作動時の常態を示す。
【符号の説明】
1 ブラケット
2 ブラケット軸
3 凹部
4 カム板
5 フォークアーム
6 外側セレーション
7 装着孔
8 内側セレーション
9 スリット
10 上部カラー
11 支承孔
16 スリワリ
17 作動筒
19 切欠部
22 制御レバー
22a 摘み
23 第1長孔
24 第2長孔
25 支持ピン
26 作動ピン
Claims (1)
- 外周面の一部に外側セレーションを、先端部にスリワリを夫々形成したブラケット軸と、基端にブラケット軸と嵌合する支承孔を開口させると共に、この支承孔に垂直なスリットを形成したフォークアームと、このフォークアームの基端部に内蔵され、支承孔の中心軸方向に付勢されたクリック体と、外周に上記クリック体と係合する凹部を形成し、ブラケット軸と嵌合する装着孔を開口させると共に、この装着孔の開口端縁に上記外側セレーションと噛み合い係合可能な内側セレーションを形成したカム板と、フォークアームに関してブラケットと反対側におけるブラケット軸に摺動可能に嵌装され、ブラケット軸のスリワリと整合する部分に切欠部を形成した作動筒と、ブラケット軸の先端部をスリワリの幅方向に貫通する支持ピンと、作動筒の一方の切欠部を支持ピンと平行に貫通する作動ピンと、一端に操作端を、他端に係止端を夫々形成し、上記スリワリ及び作動筒の切欠部に跨がって摺動可能に収納されると共に、長穴を介して夫々支持ピン及び作動ピンの双方に支承されて、支持ピンの回りを回動可能に、かつ長手方向に移動可能に案内された制御レバーとを有し、カム板をフォークアームのスリットに挿入し、支承孔と装着孔とを整合させた状態で、これらをブラケット軸の軸線方向に摺動可能に案内すると共に、上記制御レバーの操作端を手前に引いて上下させることにより作動筒をブラケット軸に沿って移動させ、カム板の内側セレーションとブラケット軸の外側セレーションとがブラケット軸の軸線方向において整合したとき、制御レバーを係止端方向に押動し、係止端を作動筒の他方の切欠部に係合させるようにしたことを特徴とするドアクローザの停止角度調整機構。
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---|---|---|---|
JP19806298A JP3936077B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ドアクローザの停止角度調整機構 |
Applications Claiming Priority (1)
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-
1998
- 1998-06-29 JP JP19806298A patent/JP3936077B2/ja not_active Expired - Fee Related
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