JP3932897B2 - 非可逆回路素子および通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非可逆回路素子および通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アイソレータは、信号を伝送方向のみに通過させ、逆方向への伝送を阻止する機能を有しており、自動車電話、携帯電話などの移動体通信機器の送信回路部に使用されている。
【0003】
このようなアイソレータとして、例えば特開2001−24406号公報に記載のものが知られている。このアイソレータは、入出力端子とアース端子と下ヨークをインサートモールドした樹脂ケースを備えている。下ヨークは略コの字形状をしており、底部と一対の側部とを有している。樹脂ケース内には、フェライト、永久磁石、中心電極、コンデンサ素子および抵抗素子などが収容されている。そして、上ヨークを上から被せ、下ヨークの一対の側部と上ヨークを嵌合した後、はんだ等で接合することにより、金属ケースが構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、樹脂成形において、金型のゲートを通してキャビティ内へ射出された溶融樹脂は、キャビティ内を流動し、充填が終了する際に樹脂の合わせ目ができる。これがウェルドラインと呼ばれているものである。通常、このウェルドラインは強度が弱く、特に、樹脂の肉厚が薄い場合には、ウェルドラインでクラックや割れが発生し易い。従来のアイソレータの樹脂ケースは、下ヨークの側部が配設されている側壁側、言い換えると、入出力端子及びアース端子が配置されていない側壁側に、ウェルドラインが形成されることがあった。
【0005】
一方、携帯電話の小型、軽量化に伴い、アイソレータに対しても小型、軽量化の要求が強く、内部部品である樹脂ケースの側壁の肉厚も0.20mm以下と極めて薄くなってきている。このような状況下、例えば、アイソレータの電気特性の測定は、端子押さえ治具で入出力端子とアース端子を押さえ、測定用基板に端子を接触させて測定を行う。それぞれの端子には、端子押さえ治具によって垂直下向きに力が加わり、樹脂ケースがわずかに外方向に反る。これによって、下ヨークの側部が配設されている樹脂ケース側壁にウェルドラインが形成されている場合には、ウェルドラインを境にして左右に引き離す方向の機械的ストレスが樹脂ケースに加わる。この結果、ウェルドラインにクラックや割れが発生することがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ウェルドラインでのクラックや割れの発生が少なく、信頼性や良品率が高い非可逆回路素子および通信装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】
前記目的を達成するため、本発明に係る非可逆回路素子は、
(a)永久磁石と、
(b)前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
(c)前記フェライトの主面に配置されている複数の中心電極と、
(d)前記永久磁石と前記フェライトと前記中心電極とを収容する樹脂ケースと、
(e)前記樹脂ケースを囲む金属ケースと、
(f)入出力端子とアース端子とを備え、
(g)前記金属ケースは下ヨークと上ヨークにて構成され、前記金属ケースの下ヨークが前記樹脂ケースにインサートモールドされ、底部と一対の側部とを有している略コの字形状の前記下ヨークが、前記樹脂ケースの対向する第1および第2側壁側で前記上ヨークと嵌合され、該第1および第2側壁側とは異なる第3および第4側壁側に前記入出力端子とアース端子が配置され、該第3および第4側壁側の一方の側壁側に、前記樹脂ケースの成形の際に生じるウェルドラインが形成されており、
(h)前記樹脂ケースを成形する際のゲートが、前記樹脂ケースの底部に面し、該底部の中心点と該底部の第3および第4側壁側の辺でそれぞれ形成される三角エリア内に位置していること、
を特徴とする。
【0008】
下ヨークの側部が配設されていない樹脂ケース側壁、言い換えると、入出力端子とアース端子が引き出されている側の側壁にウェルドラインが形成されているため、アイソレータの電気特性を測定する際に、端子押さえ治具で入出力端子とアース端子を押さえ、樹脂ケースを外方向に反らせても、ウェルドラインを境にして左右に引き離す機械的ストレスは殆ど発生しない。従って、ウェルドラインでのクラックや割れの発生が抑えられる。特に、樹脂ケースの材料として液晶ポリマーを使用した場合には、本発明の効果が大きい。また、樹脂ケースを成形する際のゲートが、樹脂ケースの底部に面し、該底部の中心点と該底部の第3および第4側壁側の辺でそれぞれ形成される三角エリア内に位置しているため、ウェルドラインは、入出力端子とアース端子が引き出されている側の樹脂ケース側壁に確実に形成されることになる。
【0009】
また、本発明に係る非可逆回路素子は、金属ケースの下ヨークが樹脂ケースにインサートモールドされ、下ヨークの側部に設けられた、深さが下ヨークの肉厚の半分以下の凹部に樹脂ケースの樹脂が充填されていることを特徴とする。下ヨークの凹部に充填された樹脂がリブとして働き、樹脂ケースの強度が高まる。これにより、樹脂ケースのウェルドラインにクラックや割れが発生しにくくなる。
【0011】
また、本発明に係る通信装置は、上述の非可逆回路素子を備えることにより、機械的信頼性や良品率を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る非可逆回路素子および通信装置の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、同一部品および同一部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
[第1実施形態、図1〜図5]
本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態の分解斜視図を図1に示す。該非可逆回路素子1は、3ポートの集中定数型アイソレータである。図1に示すように、集中定数型アイソレータ1は、概略、上ヨーク4と下ヨーク8とからなる金属ケースと、永久磁石9と、フェライト20と中心電極21〜23とからなる中心電極組立体10と、抵抗素子Rおよび整合用コンデンサ素子C1〜C3と、樹脂製端子ケース3とからなる。
【0014】
下ヨーク8は、左右の側部8bと底部8aを有し、略コの字形状である。この下ヨーク8は、インサートモールド法によって、樹脂製端子ケース3と一体成形されている。下ヨーク8の底部8aの対向する一対の辺からは、それぞれ二本のアース端子16が延在している。また、上ヨーク4は、平面視矩形状であり、上部4aと左右の側部4bを有している。上ヨーク4および下ヨーク8は、鉄等の透磁率の高い材料を主成分とする薄板を打ち抜き、曲げ加工をした後、銅めっきや銀めっきを施して得る。
【0015】
中心電極組立体10は、円板形状のマイクロ波フェライト20の上面に、絶縁性シート(図示せず)を介在させて、中心電極21〜23をそれぞれの交差角が略120度になるように交差させて配置している。
【0016】
中心電極21〜23は、それぞれの一端側にポート部P1〜P3を有し、他端側にアース電極25が接続されている。中心電極21〜23の共通のアース電極25は、フェライト20の下面を略覆うように設けられている。
【0017】
樹脂製端子ケース3は、底部3aと二組の対向する側部5,5と6,6を有している。この底部3aには矩形状の開口部3cが形成され、開口部3cに隣接する位置に矩形状の窓部3bが複数形成されている。開口部3cおよび窓部3bには下ヨーク8の底部8aが露出している。樹脂製端子ケース3には、入力端子14および出力端子15(図2参照)がインサートモールドされている。入力端子14及び出力端子15は、それぞれ一端が樹脂製端子ケース3の外側面に露出し、他端が樹脂製端子ケース3の底部3aに露出して入力引出電極(図示せず)、出力引出電極15aとされる。
【0018】
樹脂製端子ケース3の材料としては、例えば、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、あるいは、ポリエーテル・エーテル・ケトンが使用される。液晶ポリマーやポリフェニレンサルファイドやポリエーテル・エーテル・ケトンはアイソレータ1に適した耐熱性を有し、かつ、マイクロ波帯(UHF帯〜SHF帯)において低損失な材料だからである。特に、液晶ポリマーは樹脂流動性に優れ、薄肉厚の樹脂製端子ケース3を成形することができる。
【0019】
ここに、樹脂製端子ケース3を成形(射出成形など)する際、一般に、金型のゲートを通してキャビティ内へ射出された溶融樹脂は、キャビティ内を流動し、充填が終了するときに樹脂の合わせ目(ウェルドライン)ができる。ウェルドラインは、樹脂製端子ケース3の中心に対してゲート位置と略点対称な位置に形成される。そこで、本第1実施形態では、図2に示すように、金型のゲートGを、樹脂製端子ケース3の底部3aに面した位置で、かつ、底部3aの中心点(樹脂製端子ケース3の底面の対角線の交点)Qと該底部3aの下ヨーク8の側部8bが配置されていない辺で形成される三角エリア内(図2において斜線で表示した領域内)に配置している。より具体的には、下ヨーク8の一部を切り欠いた所に配置している。これにより、ウェルドラインWを、樹脂製端子ケース3の、下ヨーク8の側部8bと上ヨーク4とが嵌合していない側の側壁5、言い換えると、端子14〜16が引き出されている側の側壁5に確実に形成することができる。なお、下ヨーク8に切り欠きを設ける場合は、下ヨーク8と上ヨーク4が構成する磁気回路が劣化しないように、できるだけ小さな切り欠きにする必要がある。また、切り欠く位置も磁気回路が劣化しないような場所に配置することが必要である。
【0020】
整合用コンデンサ素子C1〜C3は、上面全体にホット側のコンデンサ電極を、下面全体にコールド側のコンデンサ電極を配設している。抵抗素子Rは、絶縁性基板の両端部に厚膜印刷等でアース側端子電極及びホット側端子電極を形成し、その間に抵抗体を配設している。
【0021】
以上の構成部品は、以下のようにして組み立てられる。整合用コンデンサ素子C1〜C3や抵抗素子Rを樹脂製端子ケース3の窓部3bに収容し、中心電極組立体10を樹脂製端子ケース3の開口部3cに収容する。フェライト20の裏面に形成されたアース電極25は、下ヨーク8の底部8aに電気的に接続され、接地される。
【0022】
このとき、抵抗素子Rのホット側端子電極は、中心電極23の端部であるポート部P3を介して、整合用コンデンサ素子C3のホット側のコンデンサ電極に接続され、抵抗素子Rのアース側端子電極は、樹脂製端子ケース3の窓部3bに露出している下ヨーク8の底部8aに接続される。整合用コンデンサ素子C1〜C3のホット側のコンデンサ電極はポート部P1〜P3にそれぞれ接続され、コールド側のコンデンサ電極は下ヨーク8の底部8aにそれぞれ接続される。つまり、整合用コンデンサ素子C3と抵抗素子Rとは、中心電極23のポート部P3とアース端子16との間に電気的に並列に接続される(図3参照)。
【0023】
さらに、その上から上ヨーク4を装着する。上ヨーク4の上部4aの天井には永久磁石9が配置されている。永久磁石9は中心電極組立体10のフェライト20に直流磁界を印加する。下ヨーク8の側部8bと上ヨーク4の側部4bは嵌合された後、はんだリフロー等の方法で電気的に接続されている。これにより、下ヨーク8と上ヨーク4は金属ケースをなし、磁気回路を構成している。こうしてアイソレータ1が得られる。図3は、図1に示したアイソレータ1の電気等価回路図である。
【0024】
以上の構成からなるアイソレータ1において、例えば、図4および図5に示すように、端子押さえ治具91で入出力端子14,15とアース端子16を押さえ、測定用基板81の回路パターン82等に端子14〜16を接触させて電気特性を測定する場合がある。この場合、それぞれの端子14〜16には、端子押さえ治具91によって垂直下向きに力が加わり、樹脂製端子ケース3がわずかに外方向(矢印Kで示す方向)に反る。しかし、本第1実施形態のアイソレータ1は、樹脂製端子ケース3の、下ヨーク8の側部8bが配設されていない側壁5、言い換えると、端子14〜16が引き出されている側の側壁5にウェルドラインWが形成されているので、樹脂製端子ケース3が外方向に反っても、ウェルドラインWを境にして左右に引き離す機械的ストレスは殆ど発生しない。この結果、ウェルドラインWでのクラックや割れの発生を抑えることができ、衝撃や落下に対して強いアイソレータ1を得ることができる。
【0025】
特に、樹脂製端子ケース3の材料として、液晶ポリマーを使用した場合には、他の樹脂材料と比較してウェルドラインの強度が弱いため、従来から問題となっていた。しかし、本発明により、ウェルドラインWに機械的ストレスが殆ど加わらないようにすることができるので、本発明は液晶ポリマーに対し、非常に有効である。
【0026】
また、仮に、ウェルドラインWでクラックなどが発生したとしても、ウェルドラインW全体が下ヨーク8に接しているため、下ヨーク8によって強度が補強されており、クラックが広がりにくい構造になっている。また、ウェルドラインWでのクラックや割れの発生が抑えられることにより、樹脂製端子ケース3の底面の平面度が劣化せず、アイソレータ1を回路基板にはんだ付けする際に、はんだ付け不良が発生しない。
【0027】
[第2実施形態、図6〜図9]
図6は2ポートの集中定数型アイソレータ31の分解斜視図である。該アイソレータ31は、概略、上ヨーク4と下ヨーク8とからなる金属ケースと、永久磁石9と、中心電極基板32と、略直方体形状のフェライト20と、抵抗素子Rおよび整合用コンデンサ素子C1〜C4と、金属片36と、樹脂製端子ケース43とからなる。
【0028】
下ヨーク8は、左右の側部8bと底部8aを有し、略コの字形状である。この下ヨーク8は、インサートモールド法によって、樹脂製端子ケース43と一体成形されている。下ヨーク8の底部8aの対向する一対の辺からは、それぞれ二本のアース端子16と、底部8aと直交する舌部8dとが延在している。また、上ヨーク4は、平面視矩形状であり、上部4aと左右の側部4bを有している。
【0029】
中心電極基板32は、表面に中心電極33が印刷法などの方法により形成されている。中心電極33の一方の端部は中心電極基板32の裏面に回り込んでポート電極P1とされ、他方の端部は裏面に回り込んでコールドエンド33aとされる。中心電極基板32の裏面には中心電極34が形成されている。中心電極34の一方の端部はポート電極P2とされ、他方の端部はコールドエンド34aとされる。中心電極33と34は、平面視において、略90度で交差している。中心電極基板32は、フェノール樹脂やエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂と、紙やガラスクロス等の基材からなる。金属片36は直方体の形状をしており、銅などの高導電率材料からなる。
【0030】
樹脂製端子ケース43は、底部43aと二組の対向する側部45,45と46,46を有している。この底部43aには矩形状の開口部43cが形成され、開口部43cに隣接する位置に矩形状の凹部43bが複数形成されている。開口部43cには下ヨーク8の底部8aが露出している。樹脂製端子ケース43には、入力端子14および出力端子15(図7参照)がインサートモールドされている。入力端子14及び出力端子15は、それぞれ一端が樹脂製端子ケース43の外側面に露出し、他端が樹脂製端子ケース43の底部43aに露出して入力引出電極(図示せず)、出力引出電極15aとされる。
【0031】
ここに、本第2実施形態では、樹脂製端子ケース43を成形(射出成形など)する際、図7に示すように、金型のゲートGを、樹脂製端子ケース43の底部43aに面した位置で、かつ、底部43aの中心点(樹脂製端子ケース43の底面の対角線の交点)Qと該底部43aの下ヨーク8の側部8bが配置されていない辺で形成される三角エリア内(図7において斜線で表示した領域内)に配置している。より具体的には、入出力端子14,15付近(図7において符号Rで表示)には、樹脂成形時の金型の押さえピンが位置しているため、この付近にゲートGを配置することはできない。従って、下ヨーク8と上ヨーク4が構成する磁気回路に殆ど影響を与えない左端部にゲートGを配置している。これにより、ウェルドラインWを、樹脂製端子ケース43の、下ヨーク8の側部8bと上ヨーク4とが嵌合していない側の側壁45、言い換えると、端子14〜16が引き出されている側の側壁45に確実に形成することができる。
【0032】
さらに、図8に示すように、下ヨーク8の舌部8dに、深さが下ヨーク8の肉厚の半分以下の凹部8cをプレス成形により設け、この凹部8cに樹脂製端子ケース43の樹脂を充填させてもよい。これにより、下ヨーク8の凹部8cに充填された樹脂がリブとして働き、樹脂製端子ケース43の強度が高まる。従って、樹脂製端子ケース43のウェルドラインWにクラックや割れが一層発生しにくくなる。また、仮にクラックや割れが発生しても、凹部8cがアンカーとして働き、クラックや割れが拡大しにくくなる。凹部8cの深さを下ヨーク8の肉厚の半分以下に設定するのは、凹部8cのプレス成形時に、凹部8cを形成した面の反対側の面に突起を生じさせないようにして、アイソレータ31の外形寸法の拡大を防止するためである。
【0033】
以上の構成部品は、以下のようにして組み立てられる。整合用コンデンサ素子C3,C4やフェライト20や金属片36を樹脂製端子ケース43の開口部43cに収容し、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C1,C2を凹部43bに収容する。
【0034】
このとき、金属片36と整合用コンデンサ素子C3,C4の下面側(コールド側)コンデンサ電極は、樹脂製端子ケース43の開口部43cに露出している下ヨーク8の底部8aにそれぞれ接続される。整合用コンデンサ素子C1,C2の下面側コンデンサ電極はそれぞれ、樹脂製端子ケース43の底部43aに露出している入力引出電極および出力引出電極15aに接続される。
【0035】
次に、中心電極基板32を樹脂製端子ケース43内に収容する。このとき、平面視において、中心電極33,34が交差している位置にフェライト20が配置される。また、中心電極33のポート電極P1は整合用コンデンサ素子C1の上面側コンデンサ電極と整合用コンデンサ素子C3の上面側(ホット側)コンデンサ電極と抵抗素子Rの一方の端子電極に接続される。中心電極34のポート電極P2は整合用コンデンサ素子C2,C4の上面側コンデンサ電極と抵抗素子Rの他方の端子電極に接続される。中心電極33,34のコールドエンド33a,34aは金属片36に接続される。
【0036】
さらに、その上から上ヨーク4を装着する。下ヨーク8の側部8bと上ヨーク4の側部4bは嵌合された後、はんだリフロー等の方法で電気的に接続されている。これにより、下ヨーク8と上ヨーク4は金属ケースをなし、磁気回路を構成している。こうしてアイソレータ31が得られる。図9は、図6に示したアイソレータ31の電気等価回路図である。以上の構成からなるアイソレータ31は、前記第1実施形態のアイソレータ1と同様の作用効果を奏する。
【0037】
[第3実施形態、図10および図11]
図10は、下ヨーク8を樹脂製端子ケース63にインサートモールドしないタイプの3ポートの集中定数型アイソレータ61の分解斜視図である。上ヨーク4は平面視矩形状であり、上部4aと四つの側部4bを有している。また、下ヨーク8は、底部8aと左右の側部8bを有している。
【0038】
樹脂製端子ケース63は、入力端子14、出力端子15およびアース端子16がインサートモールドされて形成されている。樹脂製端子ケース63は、底部63aと、対向する二組の側壁65,65と66,66を有している。この底部63aの中央部には円形状の開口部63cが形成され、その開口部63cの周囲には整合用コンデンサ素子C1〜C3や抵抗素子Rを収容するための矩形状の窓部63dが形成されている。
【0039】
ここに、本第3実施形態では、樹脂製端子ケース63を成形(射出成形など)する際、図11に示すように、金型のゲートGを、樹脂製端子ケース63の底部63aに面した位置で、かつ、底部63aの中心点(樹脂製端子ケース63の底面の対角線の交点)Qと該底部63aの下ヨーク8の側部8bが配置されていない辺で形成される三角エリア内(図11において斜線で表示した領域内)に配置している。これにより、ウェルドラインWを、樹脂製端子ケース63の、下ヨーク8の側部8bと上ヨーク4とが嵌合している側の側壁65、言い換えると、端子14〜16が引き出されている側の側壁65に確実に形成することができる。この場合、下ヨーク8を樹脂製端子ケース63にインサートモールドしていないので、下ヨーク8に切り欠きを設ける必要がなく、下ヨーク8と上ヨーク4が構成する磁気回路が劣化しない。以上の構成からなるアイソレータ61は、前記第1実施形態のアイソレータ1と同様の作用効果を奏する。
【0040】
[第4実施形態、図12]
第4実施形態は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。
【0041】
図12は携帯電話120のRF部分の電気回路ブロック図である。図12において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間用帯域通過フィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側増幅器、136は受信側段間用帯域通過フィルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用帯域通過フィルタである。
【0042】
ここに、送信側アイソレータ131として、前記第1実施形態〜第3実施形態の集中定数型アイソレータ1,31,61を使用することができる。これらのアイソレータ1,31,61を実装することにより、機械的信頼性や良品率の優れた携帯電話を実現することができる。
【0043】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の構成に変更することができる。例えば、本発明に係る非可逆回路素子は、アイソレータ以外に、サーキュレータやカップラー内蔵の非可逆回路素子などであってもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、底部と一対の側部を有している略コの字形状の下ヨークが、樹脂ケースの対向する第1および第2側壁側で上ヨークと嵌合され、該第1および第2側壁側とは異なる第3および第4側壁側に入出力端子とアース端子が配置され、該第3および第4側壁側の一方の側壁側にウェルドラインが形成されているので、例えばアイソレータの電気特性を測定する際などに樹脂ケースが外方向に反っても、ウェルドラインを境にして左右に引き離す機械的ストレスは殆ど発生しない。この結果、ウェルドラインでのクラックや割れの発生を抑えることができ、衝撃や落下に対して強い非可逆回路素子や通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非可逆回路素子の第1実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示されている樹脂製端子ケースの底面図。
【図3】図1に示されている非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図4】電気特性を測定する際にかかる機械的ストレスを説明するための斜視図。
【図5】電気特性を測定する際にかかる機械的ストレスを説明するための斜視図。
【図6】本発明に係る非可逆回路素子の第2実施形態を示す分解斜視図。
【図7】図6に示されている樹脂製端子ケースの底面図。
【図8】図6のVIII−VIII断面図。
【図9】図6に示されている非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図10】本発明に係る非可逆回路素子の第3実施形態を示す分解斜視図。
【図11】図10に示されている樹脂製端子ケースの底面図。
【図12】本発明に係る通信装置の一実施形態を示す電気回路ブロック図。
【符号の説明】
1,31,61…集中定数型アイソレータ
3,43,63…樹脂製端子ケース
3a,43a,63a…底部
4…上ヨーク
5,6,45,46,65,66…側壁
8…下ヨーク
8a…底部
8b…側部
8c…凹部
9…永久磁石
10…中心電極組立体
14…入力端子
15…出力端子
16…アース端子
20…フェライト
21〜23,33,34…中心電極
32…中心電極基板
120…携帯電話
W…ウェルドライン
G…ゲート
Q…樹脂製端子ケースの底部の中心点
Claims (4)
- 永久磁石と、
前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
前記フェライトの主面に配置されている複数の中心電極と、
前記永久磁石と前記フェライトと前記中心電極とを収容する樹脂ケースと、
前記樹脂ケースを囲む金属ケースと、
入出力端子とアース端子とを備え、
前記金属ケースは下ヨークと上ヨークにて構成され、前記金属ケースの下ヨークが前記樹脂ケースにインサートモールドされ、底部と一対の側部とを有している略コの字形状の前記下ヨークが、前記樹脂ケースの対向する第1および第2側壁側で前記上ヨークと嵌合され、該第1および第2側壁側とは異なる第3および第4側壁側に前記入出力端子とアース端子が配置され、該第3および第4側壁側の一方の側壁側に、前記樹脂ケースの成形の際に生じるウェルドラインが形成されており、
前記樹脂ケースを成形する際のゲートが、前記樹脂ケースの底部に面し、該底部の中心点と該底部の第3および第4側壁側の辺でそれぞれ形成される三角エリア内に位置していること、
を特徴とする非可逆回路素子。 - 前記下ヨークの側部に設けられた、深さが下ヨークの肉厚の半分以下の凹部に前記樹脂ケースの樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
- 前記樹脂ケースの材料が液晶ポリマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子を備えたことを特徴とする通信装置。
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