JP4193350B2 - 非可逆回路素子及び通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非可逆回路素子及び通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯電話等の移動用の通信装置に採用される集中定数型アイソレータは、信号を伝送方向にのみ通過させ、逆方向への伝送を阻止する機能を有している。また、最近の移動用の通信装置では、その用途からして信頼性及び低コストに対する要請が強くなっており、これに伴って集中定数型アイソレータにおいても信頼性及び低コストが要請されている。
【0003】
このような集中定数型アイソレータは、永久磁石と、この永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、フェライトに配置された複数の中心電極と、整合用コンデンサ素子と、永久磁石と中心電極との間に配置される樹脂部材と、フェライトと中心電極と整合用コンデンサ素子を収容する樹脂ケースと、永久磁石とフェライトと中心電極を収容する磁性体金属からなる上側ケースと磁性体金属からなる下側ケース等を備えている。
【0004】
このアイソレータの抵抗素子及び整合用コンデンサ素子付近の垂直断面図を図15に示す。アイソレータ200は、樹脂ケース3と一体成形されている下側ケース4内に、回路基板28が配置され、その回路基板28上に整合用コンデンサ素子Cと抵抗素子Rがはんだ付けされている。これら整合用コンデンサ素子Cや抵抗素子Rを覆うようにして樹脂部材230が配置されている。樹脂部材230の下面には抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子Cを収容するための凹部230b,230cが形成されている。なお、8は上側ケース、9は永久磁石を示す。
【0005】
このとき、樹脂部材230は、その厚み方向において、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子Cとの間に隙間がない。抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子Cをはんだ付けする際に、いわゆるチップ立ち現像が発生するのを防止するためである。また、樹脂部材230は、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子Cなどの内部部品素子の位置決めの機能も有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このアイソレータ200は、樹脂部材230と抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子Cとの間に隙間がない構造を有しているので、アイソレータ200を組み立てるときに、永久磁石9を搭載したり、上側ケース8を被せたりするときにかかる圧力がそのまま、樹脂部材230を通して抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子Cの内部部品素子に伝わり、これらの内部部品素子を破損させることがあった。特に、セラミックを材料とする抵抗素子や整合用コンデンサ素子等が破損し易いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、組み立てや取り扱いの容易な構造を有するとともに、信頼性の高い非可逆回路素子及び通信装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
前記目的を達成するために、本発明に係る非可逆回路素子は、
(a)永久磁石と、
(b)前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
(c)前記フェライトに配置された複数の中心電極と、
(d)内部部品素子と、
(e)前記永久磁石と前記内部部品素子の間に配置される樹脂部材と、
(f)前記永久磁石と前記フェライトと前記中心電極と前記樹脂部材と前記内部部品素子を収容する金属ケースとを備え、
(g)前記樹脂部材の第1の主面側に前記内部部品素子が配置され、該第1の主面に前記内部部品素子の少なくとも一部を囲う大きさの凹部を設け、前記第1の主面と対向する第2の主面に凹部を設けたこと、
を特徴とする。
【0009】
ここに、内部部品素子は、抵抗素子や整合用コンデンサ素子等である。また、内部部品素子の厚み方向において、樹脂部材と内部部品素子との間の距離が、200μm以下であることが好ましい。さらに、内部部品素子がはんだを用いて実装されていることが好ましい。
【0010】
以上の構成により、永久磁石を搭載したり、金属ケースを被せたりするときにかかる圧力は、樹脂部材が第2の主面に設けた凹部やその近傍でたわむことにより、樹脂部材に吸収される。
【0011】
さらに、樹脂部材の第1の主面に凹部を設ける。該凹部は、内部部品素子の少なくとも一部を囲う大きさに設定される。これにより、該凹部に内部部品素子が収容されて、内部部品素子の位置決めが行われ、平面視で、内部部品素子の位置が樹脂部材の第2の主面に設けた凹部の位置に確実に重なる。
【0012】
また、樹脂部材が液晶ポリマー及びPPSのいずれか一つの材料からなることが好ましい。液晶ポリマー及びPPSは、耐熱性と低損失に優れているので、信頼性の高い非可逆回路素子が得られる。
【0013】
また、本発明に係る通信装置は、前述の特徴を有する非可逆回路素子を備えることにより、優れた周波数特性が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る非可逆回路素子及び通信装置の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、同一部品及び同一部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
[第1実施形態、図1〜図9]
本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態の構成を示す分解斜視図を図1に示す。図2は、図1に示した非可逆回路素子1の組立完成後の外観斜視図を示す。該非可逆回路素子1は、集中定数型アイソレータである。
【0016】
図1に示すように、集中定数型アイソレータ1は、概略、磁性体金属からなる上側ケース8及び磁性体金属からなる下側ケース4と、樹脂ケース3と、中心電極組立体13と、永久磁石9と、抵抗素子Rと、整合用コンデンサ素子C1〜C3と樹脂部材30等を備えている。
【0017】
下側ケース4は、左右の側壁4aと底壁4bとを有している。この下側ケース4は、インサートモールド法によって、樹脂ケース3と一体成形されている。下側ケース4の底壁4bの対向する一対の辺からは、それぞれ2本のアース端子16が延在している。また、上側ケース8は、平面視矩形状であり、上壁8aと左右の側壁8bを有している。下側ケース4及び上側ケース8は、例えばFeやケイ素鋼などの高透磁率からなる板材を打ち抜き、曲げ加工した後、表面にCuやAgをめっきしてなるものである。
【0018】
中心電極組立体13は、矩形状のマイクロ波フェライト20の上面に三つの中心電極21〜23を絶縁シート(図示せず)を介在させて略120度ごとに交差するように配置している。これら中心電極21〜23は、各々の一端側のポート部P1〜P3を水平に導出するとともに、他端側の中心電極21〜23の共通のアース電極25をフェライト20の下面に当接させている。共通のアース電極25は、フェライト20の下面を略覆っており、樹脂ケース3の窓部3cを通して、下側ケース4の底壁4bにはんだ付け等の方法により接続され、接地される。中心電極21〜23とアース電極25は、Ag,Cu,Au,Al,Be等の導電性材料からなり、金属薄板を打ち抜き加工や、エッチング加工することによって一体に形成される。
【0019】
樹脂ケース3は、電気的絶縁樹脂からなり、底部3aと二つの側部3bを有している。この底部3aの中央部には矩形状の窓部3cが形成されており、窓部3cの周縁にはそれぞれ整合用コンデンサ素子C1〜C3や抵抗素子Rがそれぞれ収納される窓部3dが形成されている。窓部3c,3dには下側ケース4の底壁4bが露出している。樹脂ケース3には、入力端子14及び出力端子15がインサートモールドされている。入力端子14及び出力端子15は、それぞれ一端が樹脂ケース3の外側面に露出し、他端が樹脂ケース3の内側面に露出している。アース端子16はそれぞれ、樹脂ケース3の対向する外側面から外方向へ導出している。樹脂ケース3の材料は、例えば、液晶ポリマー、PPS、プラスチック等が用いられる。
【0020】
整合用コンデンサ素子C1,C2は、ホット側コンデンサ電極がポート部P1,P2に電気的に接続され、コールド側コンデンサ電極が樹脂ケース3の窓部3dに露出している下側ケース4の底壁4bにそれぞれはんだ付けされている。整合用コンデンサ素子C3と抵抗素子Rは、回路基板28の上面に配置されている。抵抗素子Rは、絶縁性基板の両端部に厚膜印刷等で端子電極を形成し、その間にサーメット系やカーボン系やルテニウム系等の厚膜あるいは金属薄膜の抵抗体を配設している。絶縁性基板の材料は、例えば、アルミナ等の誘電体セラミックが用いられる。また、抵抗体の表面にはガラス等の被膜が形成されていてもよい。
【0021】
回路基板28は、絶縁体からなる基板に電極26a,26bが形成されている。抵抗素子Rの一方の端子電極は電極26aに、他方の端子電極は電極26bに、はんだを用いてそれぞれ電気的に接続されている。同様に、整合用コンデンサ素子C3のホット側コンデンサ電極は電極26aに、整合用コンデンサ素子C3のコールド側コンデンサ電極は電極26bに、はんだを用いてそれぞれ電気的に接続されている。
【0022】
さらに、中心電極組立体13のポート部P3が電極26aに、はんだ付けされている。電極26bは、回路基板28の表面から側面を介して裏面まで延在し、下側ケース4の底壁4bにはんだ付けされている(図3参照)。つまり、整合用コンデンサ素子C3と抵抗素子Rとは、中心電極組立体13のポート部P3とアースとの間に電気的に並列に接続される。
【0023】
なお、はんだは、Sn−Sb系、Sn−Pb系、Sn−Ag系のはんだが用いられる。この中でも、環境汚染防止や非可逆回路素子1のリフロー作業性から、非鉛系かつ高温融点を有するSn−Sb系のはんだを用いることが好ましい。
【0024】
樹脂部材30は、中心電極組立体13の上面に配置されている。この樹脂部材30の中央付近には、アイソレータ1の低背化のために、中心電極組立体13を収容する孔30aが設けられている。図3に示すように、樹脂部材30の外周縁部の下面には、四つの側面を有する升状の内部部品素子を収容するための素子収容用凹部33,34が形成されている。素子収容用凹部33は抵抗素子Rを収容し、素子収容用凹部34は整合用コンデンサ素子C3を収容する。なお、本第1実施形態の場合、素子収容用凹部33,34は、それぞれ抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子C3の全部を略囲う大きさに設定されているが、必ずしも全部を収容する必要はなく、抵抗素子R等の一部分を囲う大きさに設定されていればよい。
【0025】
一方、樹脂部材30の外周縁部の上面には、圧力を吸収するための四つの側面を有する升状の圧力吸収用凹部32と、圧力を吸収するための二つの側面を有する圧力吸収用凹部31が形成されている。圧力吸収用凹部32は抵抗素子Rの上方に位置し、圧力吸収用凹部31は整合用コンデンサ素子C3の上方に位置している。素子収容用凹部33,34で抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子C3の位置決めが行われ、平面視で、抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子C3の位置が圧力吸収用凹部31,32の位置に確実に重なる。樹脂部材30の材料としては、液晶ポリマー又はPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)であることが好ましい。液晶ポリマーやPPSは、耐熱性と低損失に優れているからである。
【0026】
そして、以上の構成部品は、下側ケース4と一体成形している樹脂ケース3内に、中心電極組立体13や整合用コンデンサ素子C1〜C3や抵抗素子R等を収容し、上側ケース8を装着している。上側ケース8の上壁8aの下側に永久磁石9が配置され、さらに、この永久磁石9の下側に樹脂部材30が配置されている。永久磁石9は中心電極組立体13に直流磁界を印加する。下側ケース4と上側ケース8は接合して金属ケースをなし、磁気回路を構成しており、ヨークとしても機能している。
【0027】
こうして、図2及び図3に示す集中定数型アイソレータ1が得られる。この集中定数型アイソレータ1は、縦4.0×横4.0×厚さ2.0mmの大きさである。また、図4は、集中定数型アイソレータ1の電気等価回路図である。このアイソレータ1は、組み立て工程で、永久磁石9を搭載したり、上側ケース8を被せたりするときに圧力がかかっても、樹脂部材30が圧力吸収用凹部31,32やその近傍でたわむことにより、樹脂部材30が圧力を吸収する。このため、抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子C3の破損を防止することができる。さらに、素子収容用凹部33,34を樹脂部材30に形成することにより、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3を圧力吸収用凹部32,31の下方に確実に位置決めすることができるので、抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子C3の破損を確実に防止できる。この結果、組み立てや取り扱いの容易な構造を有するとともに、信頼性の高いアイソレータ1が得られる。
【0028】
なお、アイソレータ1は上述の他に種々に変更することができる。例えば、図5及び図6に示すように、圧力吸収用凹部は、2段の凹部を有する圧力吸収用凹部36や、横断面が円弧状の圧力吸収用凹部35であってもよい。このように、圧力吸収用凹部の底面が平面に限定されないことは言うまでもない。
【0029】
また、図7及び図8に示すように、圧力吸収用凹部は、抵抗素子Rの面積より小さい圧力吸収用凹部37であってもよい。通常、圧力吸収用凹部は、保護する内部部品素子よりも面積が大きい方が望ましいが、素子によっては、組み立て工程でかかる圧力に十分耐えられる厚みを部分的に有している場合がある。従って、その部分の圧力吸収用凹部の形成を省略することができる。つまり、圧力吸収用凹部を必ずしも内部部品素子の面積より大きく設定する必要はない。また、保護する内部部品素子の上方に、複数の圧力吸収用凹部を配置してもよい。図7及び図8には、整合用コンデンサ素子C3の上方に、二つの圧力吸収用凹部38,39を配置した場合が示されている。
【0030】
さらに、素子収容用凹部の底面も平面に限定されない。例えば、図7及び図8に示すように、2段の凹部を有する素子収容用凹部34aであってもよい。この素子収容用凹部34aは、二つの圧力吸収用凹部38,39と協働して整合用コンデンサ素子C3に加わる圧力を吸収する。さらに、図9に示すように、樹脂部材30の上面に四つの側面を有する升状の圧力吸収用凹部40,41を形成し、下面に二つの側面を有する素子収容用凹部42と四つの側面を有する素子収容用凹部43を形成してもよい。素子収容用凹部43内には、整合用コンデンサ素子C3に当接する凸部43aが形成されている。
【0031】
[第2実施形態、図10及び図11]
本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を示す分解斜視図を図10に示す。
【0032】
図10に示すように、集中定数型アイソレータ1aは、概略、磁性体金属からなる上側ケース8及び磁性体金属からなる下側ケース4と、樹脂ケース3と、中心電極組立体13と、永久磁石9と、抵抗素子Rと、整合用コンデンサ素子C1〜C3と樹脂部材30等を備えている。
【0033】
整合用コンデンサ素子C1〜C3は、ホット側コンデンサ電極がポート部P1〜P3に電気的に接続され、コールド側コンデンサ電極が樹脂ケース3の窓部3dに露出している下側ケース4の底壁4bにそれぞれはんだ付けされている。
【0034】
抵抗素子Rの一方の端子電極は、整合用コンデンサ素子C3のホット側コンデンサ電極に、中継電極27とポート部P3を介して接続され、他方の端子電極は下側ケース4の底壁4bに接続されている。つまり、整合用コンデンサ素子C3と抵抗素子Rとは、中心電極組立体13のポート部P3とアースとの間に電気的に並列に接続されている。なお、中継電極27は、樹脂ケース3の底部3aにインサートモールドされている。
【0035】
樹脂部材30の外周縁部の上面には、二つの側面を有する圧力吸収用凹部44と四つの側面を有する升状の圧力吸収用凹部45が形成されている。図11に示すように、樹脂部材30の下面は、平面になっている。圧力吸収用凹部44は、抵抗素子Rの上方に位置し、圧力吸収用凹部45は、整合用コンデンサ素子C3とポート部P3の接合部分の上方に位置している。
【0036】
以上の構成からなる集中定数型アイソレータ1aは、前記第1実施形態の集中定数型アイソレータ1と同様の作用効果を奏する。さらに、樹脂部材30の片面のみに圧力吸収用凹部44,45を形成しているので、樹脂部材30の成形金型の構造が簡単になり金型のコストを抑えることができ、樹脂部材30の成形が容易になる。
【0037】
[第3実施形態、図12及び図13]
本発明に係る非可逆回路素子のさらに別の実施形態を示す垂直断面図を図12に示す。本第3実施形態の集中定数型アイソレータ1bは、前記第1実施形態(図1〜図3参照)の集中定数型アイソレータ1と略同様の構造を有している。つまり、図12に示すアイソレータ1bは、図3に示す樹脂部材30の下面の素子収容用凹部33,34の深さを寸法gだけ深くするとともに、素子収容用凹部33と素子収容用凹部34の間の部分30bの高さを寸法gだけ低くしたものと同様のものである。
【0038】
図12に示すように、アイソレータ1bは、内部部品素子の抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C1〜C3等が回路基板28等にはんだで接合されている。通常、アイソレータの大きさが縦7mm×横7mm以下の場合には、はんだペーストの厚みは200μm程度である。はんだペーストの材料としては、Sn−Sb系、Sn−Pb系、Sn−Ag系のはんだが用いられる。この中でも、環境汚染防止や非可逆回路素子1のリフロー作業性から、非鉛系かつ高温融点を有するSn−Sb系のはんだを用いることが好ましい。
【0039】
ところで、一般に、アイソレータ内の内部部品素子の電気的接続にはんだを使用した場合、アイソレータを構成する全ての部品を搭載した後に、はんだリフロー処理を行ってはんだペーストを溶融し、はんだ付けする。このため、永久磁石や上側ケースを搭載するときに、はんだペースト塗布部分(この部分は、はんだペーストの塗布厚み分だけ他の部分より厚い)に圧力が集中し易いという問題がある。
【0040】
そこで、アイソレータ1bは、あらかじめ、はんだペースト60の厚み寸法g分だけ樹脂部材30の下面に設けている素子収容用凹部33b,34bの深さを深くするとともに、素子収容用凹部33bと素子収容用凹部34bの間の部分30dの高さをはんだペースト60の厚み寸法g分だけ低く設定している。寸法gは、200μm以下が好ましく、本第3実施形態では、寸法gを200μmに設定した。
【0041】
これにより、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3やポート部P3に圧力が集中するのを阻止することができるので、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3やポート部P3の破損を防ぐことができる。
【0042】
また、寸法gを200μm以下にすることにより、はんだ溶融前は、回路基板28の上面に配置された抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子C3とポート部P3が、樹脂部材30の素子収容用凹部33b,34b及び部分30dによってそれぞれ押さえられているので、はんだペースト60をリフローさせても、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3は、チップ立ちをすることがなく、チップ立ちによるオープン不良を防止することができる。従って、組み立てや取り扱いの容易な構造を有するとともに、信頼性の高いアイソレータ1bを得ることができる。
【0043】
以上の構成からなるアイソレータ1bについて、図13を用いて、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3やポート部P3のはんだ接合時の金属ケース内部の状態を説明する。
【0044】
回路基板28の所定の位置には、はんだペースト60が塗布されており、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3がその上に載置されている。さらに、その上に、樹脂部材30、永久磁石9、上側ケース8等が被せられている。アイソレータ1bをリフロー処理すると、はんだペースト60は一時的に溶融し、抵抗素子Rと整合用コンデンサ素子C3とポート部P3がはんだ接合する。
【0045】
通常使用するはんだペーストは、はんだ金属とフラックスとが半分ずつ含有されている。フラックスは、はんだ溶融時に気化してしまうため、はんだ溶融後には、はんだの体積は少なくとも半分になる。この結果、はんだの厚みは半分以下になり、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3やポート部P3の上面の位置はその分だけ低くなる。実際には、抵抗素子R等がその自重により、溶融したはんだに沈み込むため、さらに、抵抗素子R等の上面の位置は低くなる。従って、図12に示すように、抵抗素子Rや整合用コンデンサ素子C3やポート部P3の上面と樹脂部材30との間に隙間gが形成される。
【0046】
[第4実施形態、図14]
第4実施形態は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。
【0047】
図14は携帯電話120のRF部分の電気回路ブロック図である。図14において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間用帯域通過フィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側増幅器、136は受信側段間用帯域通過フィルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用帯域通過フィルタである。
【0048】
ここに、送信側アイソレータ131として、第1〜第3実施形態の集中定数型アイソレータ1,1a,1bを使用することができる。このアイソレータ1,1a,1bを実装することにより、優れた電気特性を有する携帯電話を実現することができる。
【0049】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の構成に変更することができる。例えば、樹脂部材の第1の主面及び第2の主面にそれぞれ設けた凹部の底面形状は矩形状の他に、例えば、楕円形状や台形状等でもよい。
【0050】
また、前記実施形態ではアイソレータに適用したが、本発明は、勿論サーキュレータにも適用できるとともに、他の高周波部品にも適用できる。さらに、中心電極は、金属板を打ち抜き、曲げ加工して形成するものの他に、基板(誘電体基板や磁性体基板や積層基板等)にパターン電極を設けることによっても形成することができる。また、それぞれの中心電極の交差角は、110〜140度の範囲であればよい。さらに、金属ケースは3以上に分割されていてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、樹脂部材の第1の主面側に内部部品素子が配置され、第1の主面と対向する第2の主面に凹部を設けたので、永久磁石を搭載したり、金属ケースを被せたりするときにかかる圧力を、樹脂部材の該凹部やその近傍でたわませることにより、樹脂部材に吸収させることができる。この結果、内部部品素子の破損の防止効果を得ることができ、組み立てや取り扱いの容易な構造にするとともに、信頼性の高い非可逆回路素子を得ることができる。
【0052】
さらに、樹脂部材の第1の主面に凹部を設け、該凹部に内部部品素子を収容したので、該凹部で内部部品素子の位置決めをおこなうことができ、平面視で、内部部品素子の位置を樹脂部材の第2の主面に設けた凹部の位置に確実に重ねることができる。この結果、内部部品素子を第2の主面に設けた凹部の下方に確実に位置決めすることができ、内部部品素子の破損をより確実に防止できる。
【0053】
また、本発明に係る通信装置は、前述の特徴を有する非可逆回路素子を備えることにより、優れた電気特性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示す非可逆回路素子の組立斜視図。
【図3】図2のIII−III断面図。
【図4】図1に示す非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図5】別の樹脂部材の外観斜視図。
【図6】図5を用いた非可逆回路素子の垂直断面図。
【図7】さらに別の樹脂部材の外観斜視図。
【図8】図7を用いた非可逆回路素子の垂直断面図。
【図9】さらに別の樹脂部材を用いた非可逆回路素子の垂直断面図。
【図10】本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を示す分解斜視図。
【図11】図10に示した非可逆回路素子の垂直断面図。
【図12】本発明に係る非可逆回路素子のさらに別の実施形態を示す垂直断面図。
【図13】図12のはんだペーストの溶融前を説明する垂直断面図。
【図14】本発明に係る通信装置の一実施形態を示すブロック図。
【図15】従来の非可逆回路素子の一実施形態を示す垂直断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b…集中定数型アイソレータ(非可逆回路素子)
3…樹脂ケース
4…下側ケース
8…上側ケース
9…永久磁石
13…中心電極組立体
20…マイクロ波フェライト
21〜23…中心電極
30…樹脂部材
33,34,33a,33b,34a,34b,43…(素子収容用)凹部
31,32,35〜41,44,45…(圧力吸収用)凹部
60…はんだペースト
120…携帯電話
C1〜C3…整合用コンデンサ素子
R…抵抗素子

Claims (5)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
    前記フェライトに配置された複数の中心電極と、
    内部部品素子と、
    前記永久磁石と前記内部部品素子の間に配置される樹脂部材と、
    前記永久磁石と前記フェライトと前記中心電極と前記樹脂部材と前記内部部品素子を収容する金属ケースとを備え、
    前記樹脂部材の第1の主面側に前記内部部品素子が配置され、該第1の主面に前記内部部品素子の少なくとも一部を囲う大きさの凹部を設け、前記第1の主面と対向する第2の主面に凹部を設けたこと、
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記内部部品素子の厚み方向において、前記樹脂部材と前記内部部品素子との間の距離が、200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記内部部品素子がはんだを用いて実装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記樹脂部材が、液晶ポリマー及びPPSのいずれか一つからなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の非可逆回路素子を少なくとも備えたことを特徴とする通信装置。
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