JP4284869B2 - 非可逆回路素子及び通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非可逆回路素子及び通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図17に従来の集中定数型アイソレータ1の垂直断面図を、図18に図17と直角に交わる方向のアイソレータ1の垂直断面図を示す。アイソレータ1は、永久磁石9と、この永久磁石9により直流磁界が印加されるフェライト20と、フェライト20に配置された複数の中心電極10と、永久磁石9と中心電極10の間に配置される樹脂部材35と、フェライト20と中心電極10を収容する樹脂ケース3と、永久磁石9とフェライト20と中心電極10を収容する磁性体金属からなる上側ケース8及び下側ケース4等を備えている。中心電極組立体13は、フェライト20と中心電極10等からなる。
【0003】
フェライト20の上面中央部に中心電極10が積層されているので、中心電極組立体13の厚みは、外周部分より中央部分が厚い。つまり、中心電極組立体13の上部は凸形状(略錐形状)になっている。従って、樹脂部材35の下面に矩形状の凹部37を設けると共に、その中央部に貫通穴36を形成し、この凹部37や貫通穴36に、中心電極10の重なり部分を収容することにより、アイソレータ1の低背化を実現している。凹部37の部分(ただし、貫通穴36は除く)の樹脂部材35の肉厚は一定である。
【0004】
また、樹脂部材35、中心電極組立体13及び整合用コンデンサ素子C等は、樹脂ケース3に設けられたそれぞれのポケットに収容されている。樹脂ケース3のポケットの内周面と樹脂部材35の外周面との間には隙間S1が設けられ、樹脂ケース3のポケットの内周面と中心電極組立体13の外周面との間には隙間S2が設けられている。樹脂部材35や中心電極組立体13を樹脂ケース3のポケットに挿入する作業を容易にするためである。隙間S1,S2は、従来、50〜150μm程度であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の構成からなるアイソレータ1は隙間S1,S2が設けられているため、アイソレータ1を組み立てると、樹脂部材35と中心電極組立体13の相対位置がばらつく。一方、中心電極組立体13は、フェライト20の上面中央部では三つの中心電極10が重なった状態で配置されており、上面外周部では一つの中心電極10しか配置されていない。このため、中心電極組立体13は、フェライト20の中央部と外周部とでは、中心電極10の厚みが約0.05mmであるので約0.1mmの厚みの差が生じる。
【0006】
従って、中心電極組立体13の厚みがフェライト20上で異なるのに対して、樹脂部材35の凹部37の部分の肉厚は一定であるため、このアイソレータ1を組み立てる際に、樹脂部材35と中心電極組立体13の相対位置がずれると、樹脂部材35が傾く。これにより、上側ケース8が傾き、アイソレータ1の高さTが不揃いになる。つまり、中心電極組立体13の場所による厚みの差は約0.1mmであるが、上側ケース8が傾くことにより、アイソレータ1の高さTのばらつきは更に大きくなる。特に、最近の携帯電話等の移動用通信装置に用いられるアイソレータ1は、小型化及び、低背化を要求されており、高さは約2mmであるので、その影響は大きい。
【0007】
また、樹脂部材35が傾くと、樹脂部材35の上に搭載した永久磁石9も傾くので、それぞれの中心電極10と永久磁石9との間の距離がばらつく。このばらつきは、実効誘電率、実効透磁率、実効損失角のばらつきを招く。従って、それぞれの中心電極10のインダクタンス値とQ値がばらつき、この結果、アイソレータ1の特性がばらつくこととなる。
【0008】
さらに、図18に示すように、上側ケース8が、下側ケース4を介してアース端子16(図17参照)に電気的に接続されているアイソレータ1の場合では、上側ケース8が傾くと、各中心電極10からアースまでの距離がばらつくので、各中心電極10のインダクタンス値がばらつく。つまり、アイソレータ1の特性がばらつくことになる。このとき、上側ケース8が全体的に上下方向に平行移動するだけであれば、各中心電極10のインダクタンス値は同じように変化するので、永久磁石9の磁力を調整することにより、アイソレータ1の電気的特性の調整が可能な場合がある。しかし、上側ケース8が傾くと、各中心電極10のインダクタンス値の変化量もそれぞれ異なり、永久磁石9による調整は難しい。
【0009】
さらに、樹脂部材35が傾くと、樹脂部材35が浮いている部分では、中心電極10のポート部Pと整合用コンデンサ素子Cの接続部分の押さえが不十分になり、オープン不良が生じるおそれがある。逆に、樹脂部材35が沈んでいる部分では、上側ケース8の上面を押さえながら整合用コンデンサ素子Cをはんだ付けする際の力が整合用コンデンサ素子Cに集中し、整合用コンデンサ素子Cを破壊するおそれがある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、中心電極組立体と樹脂部材の相対位置が安定しており、組み立てが容易で電気特性の優れた非可逆回路素子及び通信装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
前記目的を達成するため、本発明に係る非可逆回路素子は、
(a)永久磁石と、
(b)前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、前記フェライトの上部に配置された複数の中心電極とからなる中心電極組立体と、
(c)前記中心電極組立体と前記永久磁石との間に配置された樹脂部材と、
(d)前記永久磁石と前記中心電極組立体と前記樹脂部材とを収容する金属ケースと
(e)前記金属ケースと一体化した樹脂ケースと、
を備え、
(f)前記樹脂部材の中心電極組立体側の前記フェライトに相対する位置に、断面が略錐形状の凹部を設け、前記凹部の外周部から中央部に向かって前記樹脂部材の肉厚が相対的に薄くなっており
(g)前記中心電極組立体及び前記樹脂部材は前記樹脂ケースに設けられたそれぞれのポケット内に収容されていること、
を特徴とする。
【0012】
フェライトの上部に配置された複数の中心電極は、フェライトの上面中央部で重なり、中心電極組立体の上部は凸形状(略錐形状)になっている。この凸形状の中心電極組立体の上部と、樹脂部材に設けた略錐形状の凹部とが、嵌合することにより、中心電極組立体と樹脂部材の相対位置関係が安定する。
【0013】
また、本発明では、金属ケースと一体化した樹脂ケースを備え、中心電極組立体及び樹脂部材樹脂ケースに設けられたそれぞれのポケット内に収容されている。ここで、「金属ケースと一体化した樹脂ケース」とは、金属ケースと樹脂ケースを別々に作り、それらを一体的に組み合わせたものも含む。これにより、非可逆回路素子の組み立て作業の際に、それぞれのポケットが中心電極組立体及び樹脂部材の配置位置を規制し、中心電極組立体及び樹脂部材の位置決めが容易になる。
【0014】
脂部材の中心電極組立体側の外周の少なくとも一辺を面取りしたり、樹脂ケースの樹脂部材収容用ポケットの内周の少なくとも一辺を面取りしたりすることが好ましい。これにより、樹脂部材を樹脂ケースのポケットに挿入する作業が容易になる。
【0015】
また、樹脂部材の凹部の中央部に貫通穴を設けることによって、フェライトの上面中央部に配置された複数の中心電極の重なり部分が、凹部の底面に面接触しないようにしてもよい。
【0016】
また、樹脂部材及び樹脂ケースは、液晶ポリマーやポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)からなることが好ましい。液晶ポリマー及びポリフェニレンサルファイド樹脂は、耐熱性と低損失に優れているので、電気特性が良くかつ信頼性の高い非可逆回路素子が得られる。
【0017】
また、金属ケースにアース端子が電気的に接続している場合には、非可逆回路素子の高さのばらつきが電気特性のばらつきの要因となる。しかし、このような場合においても、中心電極組立体の上部と樹脂部材に設けた凹部を嵌合させることにより、非可逆回路素子の高さが安定するため、電気特性のばらつきを低減できる。
【0018】
また、本発明に係る通信装置は、前述の特徴を有する非可逆回路素子を備えることにより、優れた電気特性が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る非可逆回路素子及び通信装置の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、同一部品及び同一部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0020】
[第1実施形態、図1〜図10]
本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態の構成を示す分解斜視図を図1に示す。図2は樹脂部材30を下面30b側から見た外観斜視図を、図3は図1に示した非可逆回路素子41の組立完成後の外観斜視図をそれぞれ示す。該非可逆回路素子41は、集中定数型アイソレータである。
【0021】
図1に示すように、集中定数型アイソレータ41は、概略、磁性体金属からなる上側ケース8及び磁性体金属からなる下側ケース4と、樹脂ケース3と、中心電極組立体13と、永久磁石9と、抵抗素子Rと、整合用コンデンサ素子C1〜C3と、樹脂部材30等を備えている。
【0022】
中心電極組立体13は、矩形状のマイクロ波フェライト20の上面に中心電極21〜23を絶縁シート26(図4及び図5参照)を介在させて略120度ごとに交差するように配置している。フェライト20の上面中央部に、中心電極21〜23と絶縁シート26が積層されており、中心電極組立体13の厚みは外周部より中央部分が厚い。つまり、中心電極組立体13の上部は、凸形状(略錐形状)になっている。中心電極21〜23は、各々の一端側のポート部P1〜P3を水平に導出するとともに、他端側の中心電極21〜23の共通のアース電極25をフェライト20の下面に当接させている。共通のアース電極25は、フェライト20の下面を略覆っている。中心電極21〜23とアース電極25は、Ag,Cu,Au,Al,Be等の導電性材料からなり、金属薄板を打ち抜き加工や、エッチング加工することによって一体に形成される。
【0023】
整合用コンデンサ素子C1〜C3は、誘電体セラミック基板の上面に位置するホット側端子電極27と、下面に位置するコールド側(アース側)端子電極28を有している。
【0024】
抵抗素子Rは、絶縁性基板の両端部に厚膜印刷等でアース側端子電極18及びホット側端子電極19を形成し、その間にサーメット系やカーボン系やルテニウム系等の厚膜あるいは金属薄膜の抵抗体を配設している。絶縁性基板の材料は、例えば、アルミナ等の誘電体セラミックが用いられる。
【0025】
下側ケース4は、左右の側壁4aと底壁4bを有している。下側ケース4の底壁4bの対向する一対の辺からは、それぞれ2本のアース端子16が延在している。すなわち、下側ケース4の底壁4bとアース端子16は一体になっている。また、上側ケース8は、平面視矩形状であり、上壁8aと左右の側壁8bを有している。下側ケース4及び上側ケース8は、例えば、Feやケイ素鋼等の高透磁率からなる板材を打ち抜き、曲げ加工した後、表面に銅や銀をめっきしたものである。下側ケース4は、樹脂ケース3、入力端子14及び出力端子15とともに、インサートモールド法によって一体的に形成されている。
【0026】
樹脂ケース3は、底壁3aと四つの側壁3bを有している。四つの側壁3bは、樹脂部材30を収容するための樹脂部材収容用ポケット50を構成している。底壁3aの中央部には矩形状のポケット51が形成されており、ポケット51の周縁にはそれぞれ整合用コンデンサ素子C1〜C3や抵抗素子Rをそれぞれ収納するためのポケット52が形成されている。ポケット51は中心電極組立体13を収容する中心電極収容用ポケットとされる。ポケット51,52には下側ケース4の底壁4bが露出している。入力端子14及び出力端子15は、それぞれ一端が樹脂ケース3の外側面に露出し、他端が樹脂ケース3の底壁3aに露出している。
【0027】
図2に示すように、樹脂部材30は平面形状が略矩形状を有し、下面30bには、アイソレータ41の低背化のために、中心電極組立体13を収容する中心電極組立体収容用凹部32が設けられると共に、その中央部に貫通穴31が形成されている。中心電極組立体収容用凹部32は、フェライト20に相対する位置に形成され、垂直断面形状が略錐形状を有している。樹脂部材30の肉厚は、中心電極組立体収容用凹部32の外周部から中央部に向かって相対的に薄くなっている。従って、アイソレータ41を組み立てたときに、凸形状の中心電極組立体13の上部と中心電極組立体収容用凹部32の底部33とが、嵌合する。樹脂部材30や樹脂ケース3の材料としては、液晶ポリマー又はポリフェニレンサルファイド樹脂であることが好ましい。液晶ポリマーやポリフェニレンサルファイド樹脂は、耐熱性と低損失に優れているからである。
【0028】
以上の構成部品は、以下のようにして組み立てられる。下側ケース4と一体化している樹脂ケース3のそれぞれのポケット50〜52内に、樹脂部材30や中心電極組立体13や整合用コンデンサ素子C1〜C3や抵抗素子R等を収容する。これにより、アイソレータ41の組み立て作業の際に、それぞれのポケット50及び51が樹脂部材30及び中心電極組立体13の配置位置を規制し、樹脂部材30及び中心電極組立体13等の位置決めが容易になる。
【0029】
中心電極組立体13は、中心電極収容用ポケット51に露出している下側ケース4の底壁4bにはんだ付け等の方法により接続され、接地される。中心電極21のポート部P1は、樹脂ケース3の底壁3aに露出している入力端子14の接続部に、中心電極22のポート部P2は、樹脂ケース3の底壁3aに露出している出力端子15の接続部に、それぞれはんだ付けされる。抵抗素子Rのホット側端子電極19はポート部P3にはんだ付けされ、アース側端子電極18は樹脂ケース3のポケット52に露出している下側ケース4の底壁4bにはんだ付けされる。整合用コンデンサ素子C1〜C3のホット側端子電極27はポート部P1〜P3に電気的に接続され、コールド側端子電極28は樹脂ケース3のポケット52に露出している下側ケース4の底壁4bにそれぞれはんだ付けされる。つまり、整合用コンデンサ素子C3と抵抗素子Rとは、中心電極23のポート部P3とアース端子16との間に電気的に並列に接続される(図6参照)。
【0030】
さらに、その上に樹脂部材30を樹脂部材収容用ポケット50に収容し、永久磁石9を樹脂部材30の上面30aの上に積み重ねた後、上側ケース8を装着する。このとき、最初、樹脂部材30と中心電極組立体13の水平方向の相対位置関係が比較的大きくずれていても、中心電極組立体13の上部の傾斜部(肩部)と中心電極組立体収容用凹部32の傾斜部とが滑り合い、最終的に両者は嵌合する。樹脂部材30は、中心電極組立体13、抵抗素子R及び整合用コンデンサ素子C1〜C3の上に配置され、ポート部P1〜P3をホット側端子電極19,27及び入出力端子14,15の接続部に圧接させている。そして、永久磁石9は中心電極組立体13に直流磁界を印加する。下側ケース4と上側ケース8は接合して金属ケースをなし、磁気回路を構成しており、ヨークとしても機能している。
【0031】
こうして、図3〜図5に示す集中定数型アイソレータ41が得られる。図4は図3のIV−IV断面を、図5は図3のV−V断面をそれぞれ示す。また、図6は集中定数型アイソレータ41の電気等価回路図である。
【0032】
ここで、図4及び図5を参照して、樹脂部材30と中心電極組立体13及び整合用コンデンサ素子C1〜C3等の位置関係を詳細に説明する。樹脂部材30の中央部に設けた中心電極組立体収容用凹部32には、中心電極組立体13が収容されている。さらに、凸形状の中心電極組立体13の上部と、樹脂部材30に設けた略錐形状の凹部32とが、嵌合している。これにより、樹脂部材30と、中心電極組立体13の水平方向の相対位置関係が安定する。従って、樹脂部材30は略水平な状態で中心電極組立体13、抵抗素子R及び整合用コンデンサ素子C1〜C3の上に配置される。なお、貫通穴31は、中心電極21〜23と絶縁シート26の重なり部分を避けている。
【0033】
以上のように、フェライト20の上部において、樹脂部材30の厚みは、フェライト20の外周部が最も厚く、その内側になるほど薄くなっているため、アイソレータ41の高さのばらつきを低減させることができる。従って、ばらつきの分だけアイソレータ41を低背化することができる。
【0034】
また、中心電極組立体13と永久磁石9の厚み方向の相対距離が安定し、アイソレータ41の特性ばらつきを安定させることができる。
【0035】
また、本第1実施形態のように、上側ケース8と下側ケース4からなる金属ケースにアース端子16が電気的に接続している場合には、アイソレータ41の高さのばらつきが電気特性のばらつきの要因となる。しかし、このような場合においても、中心電極組立体13の上部と樹脂部材30に設けた凹部32を嵌合させることにより、アイソレータ41の高さが安定するため、電気特性のばらつきを低減できる。
【0036】
また、樹脂部材30が、傾くことなく、均等に中心電極21〜23のポート部P1〜P3と抵抗素子Rのホット側端子電極19及び整合用コンデンサ素子C1〜C3のホット側端子電極27を押さえることができるので、オープン不良の防止をすることができる。さらに、均等に押さえているので、一部に応力が集中することを防ぐことができ、抵抗素子R及び整合用コンデンサ素子C1〜C3等のセラミック部品の破損を防止することができる。
【0037】
なお、樹脂部材30の凹部32は、図7及び図8に示すように、二つの段部34a,34bを形成したものであってもよい。また、樹脂部材30の凹部32は、中心電極21〜23の重なり部を避けるような形状であれば、図9及び図10に示すように、貫通穴31を設けないものであってもよい。
【0038】
[第2実施形態、図11〜図15]
本第2実施形態は、前記第1実施形態で示した樹脂部材30の外周縁部と樹脂ケース3の内周縁部を、それぞれ面取りしたものである。
【0039】
図11に、下面30bの外周縁部にC面取り部30cを形成した樹脂部材30を示す。また、図12及び図13に、側壁3bの内周縁部にC面取り部3eを形成した樹脂ケース3を示す。
【0040】
この面取り部30c,3eは、樹脂部材30を樹脂ケース3内に挿入するときに、ガイドとなって樹脂部材30を所定の配設位置に導く。従って、樹脂部材30を樹脂部材収容用ポケット50に挿入する作業が容易になると共に、樹脂部材30の外周面と樹脂部材収容用ポケット50の内周面との間の隙間Sを小さくすることができる。具体的には、隙間Sは20μmにすることができる。
【0041】
なお、面取り部30c,3eは小さすぎると、ガイドとして機能しにくくなるが、ある程度の大きさに達すると、それ以上大きくしてもガイド機能の作用効果はほとんど変化しない。例えば、アイソレータ61の大きさが、7mm×7mm以下の場合、樹脂ケース3の側壁3bの厚みは、0.3mm以下に設定される。従って、面取り部3e,30cの大きさは、0.05〜0.3mmの範囲(代表値:0.1mm)であることが好ましい。
【0042】
このアイソレータ61は、前記第1実施形態のアイソレータ41と同様の作用効果を奏する。さらに、樹脂部材30の外周縁部や樹脂ケース3の側壁3bの内周縁部をC面取りをしたので、樹脂部材30と樹脂ケース3の隙間Sを狭くすることができ、樹脂ケース3と樹脂部材30の水平方向の位置関係がより安定する。樹脂ケース3内で中心電極組立体13の位置が安定すると、整合用コンデンサ素子C1〜C3や抵抗素子Rまでの各中心電極21〜23の長さが安定するので、中心電極21〜23のインダクタンス値が安定し、電気特性のばらつきがより小さいアイソレータ61が得られる。
【0043】
なお、面取り部は、図14に示すように、R形状(曲面形状)の面取り部3f,30dであってもよい。R形状の半径は、例えば、0.1mmに設定される。この場合、隙間Sは30μmにすることができる。また、図15に示すように、樹脂ケース3にはR形状の面取り部3fを形成し、樹脂部材30にはC面取り部30cを形成してもよい。
【0044】
[第3実施形態、図16]
第3実施形態は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。
【0045】
図16は携帯電話120のRF部分の電気回路ブロック図である。図16において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間用帯域通過フィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側増幅器、136は受信側段間用帯域通過フィルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用帯域通過フィルタである。
【0046】
ここに、送信側アイソレータ131として、第1実施形態及び第2実施形態の集中定数型アイソレータ41,61を使用することができる。このアイソレータ41,61を実装することにより、優れた電気特性を有する携帯電話を実現することができる。
【0047】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の構成に変更することができる。例えば、面取り部は、内外周縁部全体に形成する必要はなく、対向する縁部や片側のみに形成してもよい。また、内外周の面取り部全てを同一寸法にする必要もない。また、金属ケースと樹脂ケースは一体化したものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、金属ケースと樹脂ケースを別々に作り、それぞれを一体的に組み合わせたものでもよい。
【0048】
また、前記実施形態ではアイソレータに適用したが、本発明は、勿論サーキュレータにも適用できるとともに、他の高周波部品にも適用できる。また、それぞれの中心電極の交差角は、110〜140度の範囲であればよい。さらに、金属ケースは三つ以上に分割されていてもよい。また、フェライトは直方体形状に限定されるものではなく、円板や六角形等の他の形状でもよい。また、中心電極組立体収容用凹部32の形状は、例えば、垂直断面形状が円弧形状のものであってもよく、前記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、樹脂部材の中心電極組立体側のフェライトに相対する位置に、断面が略錐形状の凹部を設け、この凹部の外周部から中央部に向かって樹脂部材の肉厚が相対的に薄くなっているので、凸形状の中心電極組立体の上部と、樹脂部材に設けた略錐形状の凹部とが、嵌合することにより、中心電極組立体と樹脂部材の相対位置関係を安定にすることができる。従って、非可逆回路素子や通信装置の電気的特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非可逆回路素子の第1実施形態の構成を示す分解斜視図。
【図2】図1に示した樹脂部材を下面側から見た斜視図。
【図3】図1に示した非可逆回路素子の組立完成後の外観斜視図。
【図4】図3に示した非可逆回路素子のIV−IV断面図。
【図5】図3に示した非可逆回路素子のV−V断面図。
【図6】図3に示した非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図7】図2に示した樹脂部材の変形例を示す斜視図。
【図8】図7に示した樹脂部材を使用した非可逆回路素子の垂直断面図。
【図9】図2に示した樹脂部材の別の変形例を示す斜視図。
【図10】図9に示した樹脂部材を使用した非可逆回路素子の垂直断面図。
【図11】本発明に係る非可逆回路素子の第2実施形態に用いられる樹脂部材を示す斜視図。
【図12】図11に示した樹脂部材を使用した非可逆回路素子の垂直断面図。
【図13】図12に示した非可逆回路素子の変形例を示す垂直断面図。
【図14】図12に示した非可逆回路素子の別の変形例を示す垂直断面図。
【図15】図12に示した非可逆回路素子のさらに別の変形例を示す垂直断面図。
【図16】本発明に係る通信装置の一実施形態を示すブロック図。
【図17】従来の非可逆回路素子を示す垂直断面図。
【図18】図17に示した非可逆回路素子の別の箇所の垂直断面図。
【符号の説明】
3…樹脂ケース
3e,3f…樹脂ケースの面取り部
4…下側ケース
8…上側ケース
9…永久磁石
13…中心電極組立体
20…マイクロ波フェライト
21〜23…中心電極
30…樹脂部材
30c,30d…樹脂ケースの面取り部
31…貫通穴
32…中心電極組立体収容用凹部
33…底部
41,61…集中定数型アイソレータ
50…樹脂部材収容用ポケット
51…中心電極収容用ポケット
120…携帯電話(通信装置)

Claims (8)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、前記フェライトの上部に配置された複数の中心電極とからなる中心電極組立体と、
    前記中心電極組立体と前記永久磁石との間に配置された樹脂部材と、
    前記永久磁石と前記中心電極組立体と前記樹脂部材とを収容する金属ケースと
    前記金属ケースと一体化した樹脂ケースと、
    を備え、
    前記樹脂部材の中心電極組立体側の前記フェライトに相対する位置に、断面が略錐形状の凹部を設け、前記凹部の外周部から中央部に向かって前記樹脂部材の肉厚が相対的に薄くなっており
    前記中心電極組立体及び前記樹脂部材は前記樹脂ケースに設けられたそれぞれのポケット内に収容されていること、
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記金属ケースに電気的に接続されているアース端子を備えたことを特徴とする請求項1記載の非可逆回路素子。
  3. 前記樹脂部材に設けた凹部の中央部に貫通穴を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記樹脂部材の中心電極組立体側の外周の少なくとも一辺を面取りしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  5. 前記樹脂ケースの樹脂部材収容用ポケットの内周の少なくとも一辺を面取りしたことを特徴とする請求項1請求項4のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  6. 前記樹脂部材が、液晶ポリマー及びポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの一つからなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  7. 前記樹脂ケースが、液晶ポリマー及びポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの一つからなることを特徴とする請求項1請求項6のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の非可逆回路素子を少なくとも一つ備えたことを特徴とする通信装置。
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