JP3932722B2 - 電磁継電器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁継電器、特に、その可動接触片の構造に特徴を有する電磁継電器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電磁継電器には、例えば、図13に示す可動接触片100を有するものがある(例えば、米国特許第5719541参照)。この可動接触片100は、矩形板状としたバネ材101の上端部に可動接点102が設け、その近傍にスリット103により押圧受部104を形成した構成である。このような可動接触片100を有する電磁継電器では、図示しない電磁石を励磁し、この押圧受部104を押圧することにより、可動接触片100を弾性変形させ、可動接点102を対向配設した固定接点(図示せず)に閉成可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記可動接触片100では、可動接点102から下端部の固定位置までの変形領域105での弾性力により、接点の接触圧と開離力を得ている。このため、変形領域105には一定の弾性力が要求される。また、変形領域105には、所定通電量を確保するため、所定の断面積が必要である。
【0004】
一方、変形領域105での弾性力が大きくなると、それに応じて駆動力も大きくする必要が生じ、消費電力が増大するという問題がある。また、押圧受部104を押圧する際、その近傍に発生する集中荷重により損傷に至ることを防止する観点から変形領域106の弾性力は小さい方が好ましい。
【0005】
したがって、前記変形領域105には、接点の接触圧及び開離力を得ると共に、小さな駆動力で弾性変形を可能にするという相反する目的を達成するための構成が要求される。しかし、前記従来の可動接触片の構造では、この目的を達成することは不可能である。
【0006】
そこで、本発明は、限られたスペースで、所望の通電量及び接点接触圧・開離力を得ることができ、しかも損傷しにくい可動接触片を備えた電磁継電器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、ベースに載置した電磁石ブロックを励磁・消磁して可動鉄片を回動し、カードを介して前記ベースから立設する可動接触片を駆動することにより、該可動接触片の上端部に設けた可動接点を、対向配設した固定接触片の固定接点に開閉するようにした電磁継電器において、 前記可動接触片は、
前記可動接点を設けた上端縁部から延設され、前記カードに押圧される押圧受部と、
前記押圧受部の近傍縁部を起立させてなる補強部と、
前記押圧受部と下端固定位置の間に形成される屈曲部と、
を備え、
前記押圧受部から前記屈曲部に至る縁部を滑らかな略円弧状に形成したものである。
【0008】
この構成により、電磁石ブロックを励磁して可動鉄片を回動すると、カードが押圧受部を押圧し、この押圧受部を介して可動接触片が弾性変形する。このとき、可動接触片の有効長さは、押圧受部から屈曲部を介して下端部のベースに固定した位置までとなる。したがって、可動接触片を、所望の通電量を得ることのできる所定の断面積を有する構成としても、スムーズに動作させることが可能となる。そして、接点閉成後、可動接触片は、押圧受部から可動接点に至る範囲の弾性力により、所望の接点接触圧を得ることができる。この場合、可動接触片は、補強部によって可動接点の近傍を補強されているので、損傷することはない。
前記可動接触片は、可動接点がそれぞれ設けられる一対の可動接点部を備え、
前記可動接点部を、切断可能な接続部を介して接続するのが好ましい。
この構成により、2つの可動接点を備えた2極タイプと、1つの可動接点のみの1極タイプを最終の切除又は切断工程を除き、全て同一の製造ラインで製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る電磁継電器の分解斜視図である。
【0011】
この電磁継電器は、大略、ベース1と、このベース1に設けられる電磁石ブロック2、絶縁部材3、接触片4及びケース5から構成されている。
【0012】
ベース1は、図2に示すように、厚肉部6と薄肉部7とからなる矩形板状である。厚肉部6は隔壁1aによって幅方向に2つに区画され、そこには幅方向に溝状の第1圧入受部8a,8b及び第2圧入受部9a,9bが形成されている。
【0013】
図3(a)に示すように、第1圧入受部8a,8b及び第2圧入受部9a,9bの両端部には、後述するように接触片4の圧入突部51、57(図8参照)がそれぞれ圧入されるようになっている。また、各圧入受部8a,8b及び9a,9bには、ベース1の他端側に向かう逃ガシ凹部11a,11bがそれぞれ形成されている。前記第1圧入受部8a,8bの底面端部と逃ガシ凹部11aの一方の底面には、第1固定接触片45の端子部52(図8(a)参照)を挿通するための第1挿通孔14a及び14bがそれぞれ穿設されている。一方、第2圧入受部9の各逃ガシ凹部11bの底面には、可動接触片47の各端子部60c(図8(c)参照)を挿通するための第2挿通孔15がそれぞれ穿設されている。
【0014】
また、前記ベース1の厚肉部6と薄肉部7とは、第三圧入受部16によって仕切られている。第三圧入受部16は、厚肉部6側に突出する接触片圧入部17と、この接触片圧入部17の両側に位置し、さらに上方に突出する断面略L字形のガイド部18とからなる。接触片圧入部17には、対向する側壁32内面に、上縁から下方に向かう圧入溝19を形成されている。ガイド部18は、後述する絶縁部材3をガイドするためのものである。
【0015】
前記ベース1の薄肉部7は、図2に示すように、反り等を防止するためにリブ20により補強され、そこには矩形状の圧入孔21が3箇所にそれぞれ形成されている。また、薄肉部7には、前記ガイド部18の一方の近傍2箇所と、他方の近傍1箇所とに第三挿通孔22a,22bがそれぞれ穿設されている。さらに、薄肉部7には、一端側の上面両側部に係止凹部23がそれぞれ形成され、一端縁部には係合突部24が突設されている。
【0016】
電磁石ブロック2は、図4に示すように、鉄心25にスプール26を介してコイル27を巻回した電磁石部28に、略L字形のヨーク29を一体化したもので、一端側には図5に示す可動鉄片30が配設されている。スプール26の一端側鍔部26aの上部両端が斜めに形成され、中央部が切り欠かれることにより一対のガイド片31が形成されている。また、スプール26の一端側鍔部26aには、両側縁下半部及び下縁から側壁32及び底壁33が延設されている。側壁32にはコイル27の両端部がそれぞれ巻き付けられるコイル端子34が圧入・一体化されている。また、底壁33には、前記ベース1の係合突部24が係合する係合孔35が穿設されている。
【0017】
可動鉄片30には、図5に示すように、略L字形に屈曲されたヒンジバネ36が一体化されている。ヒンジバネ36の一端部には係止爪37が切り起こされ、ベース1と電磁石ブロック2との間に挿入されてベース1の係止凹部23に係止されるようになっている。また、可動鉄片30の上部には係止部38が形成され、そこにはカード39の一端部が係止されるようになっている。
【0018】
カード39は、図6に示すように、略枠体形状で、他端部には下方に延在するストッパ部40が形成され、その端部には係止突部41が形成されている。係止突部41の下方側端部は押圧部41aとなっている。ストッパ部40のストッパ面40aは、前記ベース1のガイド部18に当接し、カード39の移動範囲を規制するようになっている。また、カード39には、前記スプール26の各ガイド片31が位置するガイド穴42が形成されている。ガイド穴42はカード39の安定した移動を可能とするためのものである。
【0019】
絶縁部材3は、図7に示すように、一端側にのみ開口する筒状で、底壁33には前記ベース1の各圧入孔21にそれぞれ圧入するための圧入突起43が形成されている。また、前記絶縁部材3の側壁下部内面にはガイド溝44がそれぞれ形成され、電磁石ブロック2のヨーク29が圧入されるようになっている。
【0020】
接触片4は、図8に示すように、第1固定接触片45及び第2固定接触片46と、それらの間に配設される可動接触片47とからなり、いずれもツイン接点の1極タイプである。
【0021】
第1固定接触片45は、図8(a)に示すように、導電性材料をプレスして略矩形板状としたものである。この第1固定接触片45は、下縁中央部から上方に向かって切欠部45aが形成されている。この切欠部45aは、ベース1の隔壁1aとの干渉を回避するためのものである。また、第1固定接触片45の上部には一対の第1固定接点48がかしめ固定されている。また、第1固定接触片45の両側縁部には切欠部49がそれぞれ形成され、その下方側は切欠部49の上方部分よりも幅広の第1圧入部50となっている。この第1圧入部50は、両側部に板厚方向に突出する第1圧入突部51をそれぞれ形成することにより、前記ベース1の第1圧入受部8a,8bにそれぞれ圧入可能となっている。また、第1圧入部50の一方には第1端子部52が形成されている。
【0022】
第2固定接触片46は、図8(b)に示すように、導電性材料をプレスし、中央部に切欠部46aを形成することにより二股とすると共に、それらの下端部に略直角に屈曲する屈曲部53を形成したものである。この第2固定接触片46の上部は、一対の第2固定接点54がかしめ固定される固定接点部55となっている。固定接点部55の下方側は幅狭の第2圧入部56となっている。この第2圧入部56は、その上方側両縁部に板厚方向に突出する第2圧入突部57をそれぞれ形成することにより、前記ベース1の第2圧入受部9a,9bにそれぞれ圧入可能となっている。また、一方の屈曲部53の先端には略直角に延在する第2端子部58が形成され、前記ベース1の第2挿通孔15を挿通して下方に突出するようになっている。
【0023】
可動接触片47は、図8(c)に示すように、導電性材料をプレスすることにより形成される板状の接触片部59と、この接触片部59にかしめ固定される端子部60a,60bとから構成されている。
【0024】
前記接触片部59の上半部は、一対の可動接点部61を略U字形の接続部62によって連結した構成となっている。各可動接点部61の中間部分は屈曲部63となっている。そして、この屈曲部63により、高さ寸法を抑えているにも拘わらず、弾性変形可能な長さ(有効長さ)を大きく取ることが可能となっている。
【0025】
前記各可動接点部61には可動接点64がかしめ固定されている。また、各可動接点部61の側縁には、半円で、内縁を切り起こされた補強部65がそれぞれ形成されている。各補強部65は、前記カード39の係止突部41のガイドのみならず、周辺部を補強する役割をも果たしている。
【0026】
また、各可動接点部61には、前記補強部65の近傍に、下方に向かって延在する押圧受部66が形成されている。各押圧受部66は、前記カード39の押圧部41aによって押圧されるようになっている。各押圧受部66から前記屈曲部63に至る縁部は滑らかな略円弧状に形成されている。また、前述のように、近傍に補強も兼ねる補強部65も形成されている。したがって、押圧受部66にカード39から駆動力が作用しても、部分的な応力集中が発生して損傷したり、塑性変形に至ることはない。そして、屈曲部63を介して連続する十分な有効長さにより、カード39からの小さい駆動力であってもスムーズに動作する。しかも、前記押圧受部66は、左右均等に配設されているので、傾きのない安定した動作を得ることが可能である。
【0027】
また、前記接触片部59の下端部は、図8(d)に示すように屈曲し、その先端部分には一対の貫通孔59a,59bが形成されている。貫通孔59a,59bは、上下に並設され、上方側では側方の傾斜縁の近傍に位置している。そして、両貫通孔59a,59bを利用して端子部60a,60bをそれぞれかしめ固定できるようになっている。これにより、接触片部59での有効長さが若干長く取ることが可能となっている。なお、一方の端子部60aには、前記ベース1の第三挿通孔22aを貫通する第三端子部60cが形成されている。
【0028】
ところで、前記補強部65は、切欠きではなく、バーリング加工等により貫通孔の内縁を略直角方向に突出させた構成としてもよく、要は、押圧受部66から可動接点64に至る領域の強度を高めることが可能な構成であればよい。
【0029】
また、接触片4には、前記ツイン接点を備えた1極タイプのほかに、図9に示すように2分割される2極タイプがある。但し、これらいずれの接触片4であっても、前述と全く同一構成のベース1に組み付けることができる。また、前記両接触片4は、2分割したか否かで相違しているに過ぎず、2分割するまでは全く同一形態である。したがって、最終の切除又は切断工程を除き、全て同一の製造ラインで製造することができ、タイプの違いによる余分なコストはかからない。また、前記1極タイプの各接触片4には、一対の端子部を備えた高電力用と、1つの端子部を備えた低電力用とがある(図3(b),(c)参照)。
【0030】
ケース5は、図1に示すように、前記ベース1の外縁と、電磁石ブロック2のスプール26の鍔部とに嵌合し、各構成部品を被覆するようになっている。ケース5の天井面にはガス孔67が穿設され、内部を真空にしたり、あるいは、不活性ガスを注入した後、封止されるようになっている。
【0031】
続いて、前記電磁継電器の組立方法について説明する。ここでは、高電力用の電磁継電器について説明する。
【0032】
まず、ベース1の各圧入部に各接触片4を組み付ける。第1固定接触片45は、その第1圧入部50(第1圧入突部51)を、上方からベース1の第1圧入受部8a,8bにそれぞれ圧入し、挿通孔14bから端子部52を突出させることにより組み付ける。第2固定接触片46は、その第2圧入部56(第2圧入突部57)を、上方からベース1の第三圧入受部16に形成した圧入溝19に圧入し、挿通孔22bから端子部58を突出させることにより組み付ける。このとき、屈曲部53は薄肉部7に配設され、リブ20から突出することはない。可動接触片47は、端子部60a,60bを、上方からベース1の第2圧入受部9a,9bにそれぞれ圧入し、その端子部60cを挿通孔15から突出させることにより組み付ける。このように、各接触片4の組付けは、全てベース1の上方から行うことができ、ベース1の方向を変更する必要がないので、効率的に行うことが可能である。
【0033】
各接触片4の取付けが完了すれば、図12に示すように、ベース1に絶縁部材3を組み付ける。絶縁部材3は、その一端縁部をベース1のガイド部18によってガイドすると共に、圧入突起43を圧入孔21に圧入することにより固定する。これにより、前記第2固定接触片46の屈曲部53を絶縁部材3によって完全に被覆でき、両部材間に十分な絶縁状態を維持しつつ、屈曲部53を電磁石ブロック2の下方に配設することが可能となる。
【0034】
続いて、ベース1に、予め別工程で組み立てた電磁石ブロック2を組み付ける。電磁石ブロック2は、その一端部が前記絶縁部材3内に収容されるように、ベース1の一端側から組み付ける。電磁石ブロック2は、ヨーク29の両側縁部を絶縁部材3のガイド溝44に圧入されると共に、スプール26の係合孔35にベース1の係合突部24を係合されることにより固定される。
【0035】
次いで、ベース1に、ヒンジバネ36を取り付けた可動鉄片30を組み付ける。ヒンジバネ36の一端部がベース1と電磁石ブロック2との間に挿入され、係止爪37がベース1の係止凹部23に係止されることにより、可動鉄片30は回動可能に支持される。
【0036】
その後、可動鉄片30と可動接触片47とをカード39で連結する。カード39は、電磁石ブロック2が組み付けられるベース1のガイド部18によって移動範囲を規制されるので、第2固定接点54に対する可動接点64の押込量を正確に一定量に維持することが可能となる。
【0037】
最後に、ベース1及び電磁石ブロック2の一部にケース5を嵌合することにより、各構成部品を被覆し、嵌合部分等をシール剤でシールした後、ガス孔67を封止することにより電磁継電器を完成する。
【0038】
次に、前記電磁継電器の動作について説明する。
【0039】
電磁石部28が無励磁の状態では、可動鉄片30がヒンジバネ36によってカード39を介して可動接触片47を付勢し、その可動接点64を第2固定接触片46の第2固定接点54に閉成している。このとき、前述のように、ベース1に設けたガイド部18によってカード39の移動範囲が規制されているので、第2固定接点54に対する可動接点64の押込量を一定に維持し、所望の接触信頼性を得ることができる。
【0040】
そして、電磁石部28を励磁すると、可動鉄片30が鉄心25の端部に吸引されて回動し、カード39の押圧部41aが可動接触片47の押圧受部66を押圧する。可動接触片47は、押圧受部66から屈曲部63を介して下端部の端子部60a,60bに至る十分な有効長さにより、高さ寸法を抑制しているにも拘わらず、少ない駆動力でスムーズに撓む。そして、可動接点64が第2固定接点54から離間し、第1固定接触片45の第1固定接点48に接触する。カード39は、さらに移動を続け、押圧受部66から可動接点64に至る領域での弾性力により接点接触圧が高められる。このとき、押圧受部66の近傍には補強部65が設けられているので、塑性変形する等の不具合を発生させることがない。また、補強部65には、カード39の係止突部41が位置し、可動接触片47の駆動時の捩れ等を防止する。これにより、適切にカード39からの押圧力が伝達され、所望の接点接触圧を得ることができる。また、押圧受部66から屈曲部63に至る側縁は円弧状に形成されいるので、応力集中により亀裂等が発生することもない。
【0041】
その後、電磁石部28を消磁すると、可動鉄片30に設けたヒンジバネ36及び可動接触片47自身の弾性力により、可動接触片47は元の位置に形状復帰する。これにより、可動接点64が第1固定接点48から離間し、第2固定接点54に閉成する。このとき、可動接触片47は、下端部から押圧受部66ではなく、それよりも近い可動接点47までの領域での弾性力によって形状復帰する。したがって、可動接触片47を撓ませる際の駆動力に比べて大きな力で形状復帰し、所望の接点開離力を得ることが可能となる。
【0042】
ところで、前記実施形態では、ベースに、図8に示すツイン接点の1極タイプの接触片4を組み付けるようにしたが、図9に示す構成の接触片4を組み付けることにより、図10に示すように、2極タイプとすることができる。
【0043】
なお、図10に示す2極タイプの場合、図11に示すように、ベース1の上面に、第2固定接触片46a,46bの各屈曲部53の間に第1溝部69を形成し、図12に示すように、絶縁部材3の底面に、前記第1溝部69に対向する位置に第2溝部70を形成するのが好ましい。これにより、ベース1を幅狭に構成しても、両屈曲部53の間の沿面距離を十分に取ることが可能となる。但し、前記溝部69,70は、いずれか一方を残る他方に係合する突条で構成しても、同様に十分に沿面距離を取ることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る電磁継電器によれば、押圧受部及び屈曲部により十分な有効長さを確保可能としたので、可動接触片を限られたスペースに設けても、スムーズに動作させることができる。したがって、駆動力を小さくして消費電力を抑制し、所望の通電量を確保することが可能となる。
【0045】
また、補強部を形成して強度を高めるようにしたので、押圧受部を押圧することにより、所望の接点接触圧を得ることができると共に、押圧受部の近傍部分の損傷を有効に防止可能となる。
【0046】
さらに、可動接触片が形状復帰する場合、下端固定位置から押圧受部よりも近傍の可動接点までの弾性力を利用することができるので、十分な接点開離力を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る電磁継電器とそのケースを示す分解斜視図である。
【図2】 図1のベースの斜視図である。
【図3】 図2の平面図である。
【図4】 図1の電磁石ブロックの斜視図である。
【図5】 図1の可動鉄片の斜視図である。
【図6】 図1のカードの斜視図である。
【図7】 図1の絶縁部材の斜視図である。
【図8】 図1の第1固定接触片(a)、第2固定接触片(b)、可動接触片(c)の斜視図及び(c)の部分正面図(d)である。
【図9】 他の実施形態に係る第1固定接触片(a)、第2固定接触片(b)及び可動接触片(c)の斜視図である。
【図10】 他の実施形態に係る電磁継電器の斜視図である。
【図11】 図10の断面図である。
【図12】 図10の絶縁部材の斜視図である。
【図13】 従来例に係る可動接触片の斜視図である。
【符号の説明】
1…ベース
2…電磁石ブロック
30…可動鉄片
39…カード
41a…押圧部
45…第1固定接触片
46…第2固定接触片
47…可動接触片
48…第1固定接点
54…第2固定接点
63…屈曲部
64…可動接点
65…補強部
66…押圧受部
Claims (2)
- ベースに載置した電磁石ブロックを励磁・消磁して可動鉄片を回動し、カードを介して前記ベースから立設する可動接触片を駆動することにより、該可動接触片の上端部に設けた可動接点を、対向配設した固定接触片の固定接点に開閉するようにした電磁継電器において、 前記可動接触片は、
前記可動接点を設けた上端縁部から延設され、前記カードに押圧される押圧受部と、
前記押圧受部の近傍縁部を半円に切り欠いて内縁を切り起こしてなる補強部と、
前記押圧受部と下端固定位置の間に形成される屈曲部と、
を備え、
前記押圧受部から前記屈曲部に至る縁部を滑らかな略円弧状に形成したことを特徴とする電磁継電器。 - 前記可動接触片は、可動接点がそれぞれ設けられる一対の可動接点部を備え、
前記可動接点部を、切断可能な接続部を介して接続したことを特徴とする請求項1に記載の電磁継電器。
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