JP3930958B2 - 増粘性紙塗工液及びそれを用いた塗工紙 - Google Patents

増粘性紙塗工液及びそれを用いた塗工紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な増粘性紙塗工液及びそれを用いた塗工紙、さらに詳しくは、塗工紙の表面特性の低下の原因となっている保水性の不足を十分に補うことができ、かつ粘性を向上させた紙塗工液、及びこの紙塗工液を用いて塗膜を設けた塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印刷用紙には、平滑性、光沢性、印刷適性を改善するためにその表面に塗工液の塗布層が設けられている。この塗工液は通常クレー、重質炭酸カルシウムなどの白色顔料とラテックスやデンプンなどをバインダーとして水に分散させたスラリーであって、これを紙基材表面に塗布するには、適当な濃度に希釈したのち調整タンクから塗工機に供給して走行中の紙に連続的に塗布し、過剰分をブレードのような塗工ヘッドで取り除いて所要の膜厚にする方式がとられている。紙から除かれた塗工液は、調整タンクに戻され、新しい塗工液に混合して再使用される。
【0003】
この塗工液は、前記のようにして紙基材表面に塗布されたのち、乾燥されて塗布層が形成されるが、この塗布工程から乾燥工程に至る間に、紙基材により塗工液中の水分が吸収され、クレー、重質炭酸カルシウム、ラテックス、デンプンなどの成分が紙基材内に侵入するため、平滑性がそこなわれたり、層厚の不均一を生じる結果、印刷適性が低下するが、このような表面特性の低下は主として保水性の不足に起因することが知られている。
【0004】
ところで、塗工液には通常、その粘度、流動性、保水性などの塗工特性を調整するために、カルボキシメチルセルロース(CMC)やアルギン酸ソーダのような高分子物質を少量添加しているが、保水性の低下を抑制しようとして、これらの高分子物質の量を増加すると、塗工液の粘度が著しく高くなり流動性が低下する。その結果、高速塗工が不可能となり生産性が低下する上、得られる塗工紙の耐ピッキング性、印刷適性、平滑性などの表面特性も低下するのを免れない。
【0005】
このような問題を解決するために、これまで、カルボキシメチルセルロースやアルギン酸ソーダの代りに、アクリル酸−メタクリル酸共重合体を用いた紙塗工液が提案されている(特開平2−53996号公報)。しかしながら、このものは、それまでのカルボキシメチルセルロースやアルギン酸ソーダを用いたものに比べ、少ない量で保水性、粘度、流動性を向上させることができるが、まだ十分な保水性を得ることができず前記した表面特性の低下を抑制することはできないし、また粘性についても必ずしも満足しうるものではなく、より粘性を向上したものが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の紙塗工液のもつ欠点を改善し、塗工紙の表面特性の低下の原因となっている保水性の不足を十分に補うことができるとともに、粘性を向上させた紙塗工液、及び該塗工液を塗布してグラビア網点欠落を改善し、しかも表面平滑性、印刷適性、耐ピッキング性、光沢性などの物性を向上させた塗工紙を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、保水性が良好で、かつ粘性が高められた紙塗工液を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、基本成分として顔料及びバインダーを含有し、さらにメタクリル酸単位と少なくとも1種のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル単位から成る共重合体において、その構成単位の一部として、特定の化学構造をもつエチレン系不飽和単量体単位を導入した化合物を増粘成分として含有する塗工液により、前記目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、基本成分として顔料及びバインダーを含有する紙塗工液に対し、(a)メタクリル酸単位、(b)アクリル酸エステル単位及びメタクリル酸エステル単位の中から選ばれた少なくとも1種及び(c)一般式
【化2】
Figure 0003930958
[式中のR1及びR2は水素原子又はメチル基、Yは一般式
−R3−O(−A−O)n−X
又は
−CONHx[−A−O(−A´−O)n−X]2-x
ただし、R3は二価の炭化水素基、A及びA´はそれぞれ炭素数2〜4の直鎖状又は枝分れ状のアルキレン基、Xは水素原子、炭素数1〜7の炭化水素基又はスルホン酸塩残基、nは1〜100の数、xは0又は1である
で表わされる基である]
で表わされる単位の中から選ばれた少なくとも1種から構成された共重合体から成る増粘剤を配合したことを特徴とする増粘性紙塗工液及びこの塗工液を紙基材表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成させた塗工紙を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明塗工液は、基本成分として顔料及びバインダーを含有するものであるが、これらの成分は、従来の塗工液で用いられているものの中から任意に選ぶことができ、特に制限はない。このような顔料としては、例えばクレー、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、白土、レーキ、合成プラスチック顔料などがある。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、通常塗工液全量に基づき、40〜70重量%の範囲で選ばれる。
【0010】
また、バインダーとしては、従来紙塗工液に慣用されている合成若しくは天然高分子のラテックス又は溶液などが使用される。このような高分子物質としては、例えばスチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル−ブチルアクリレート系共重合体、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、イソブテン−無水マレイン酸系共重合体、アクリル酸−メチルメタクリレート系共重合体、酸化デンプン、エステル化デンプン、エーテル化デンプン、酵素変性デンプン、カゼイン、大豆タンパクなどがある。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、顔料100重量部当り、通常3〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の範囲で選ばれる。
【0011】
次に、本発明塗工液においては、(a)メタクリル酸単位、(b)アクリル酸エステル単位及びメタクリル酸エステル単位の中から選ばれた少なくとも1種及び(c)前記一般式(I)で表わされる単位の中から選ばれた少なくとも1種から構成された共重合体を増粘剤として含むことが必要である。
この共重合体中の(b)単位は、例えば一般式
【化3】
Figure 0003930958
(式中のRは水素原子又はメチル基、R′はアルキル基又はシクロアルキル基である)
で表わされる単量体から誘導される単位である。
このR′で示されるアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、2‐エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基などが、またシクロアルキル基としては例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
このような単量体の例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヘキサデシル及び対応するメタクリル酸エステルなどを挙げることができる。
【0012】
次に、(c)単位としては、一般式(I)で表わされる構成単位が用いられるが、この構成単位はYで示される基を有することが特徴である。このY中のR3は、二価の炭化水素基である。二価の炭化水素基例としては、炭素数1〜25の直鎖状若しくは分枝状のアルキレン基、炭素数5〜25のシクロアルキレン基、炭素数6〜25のアリーレン基、アルキル置換アリーレン基、例えばブチルフェニレン基、オクチルフェニレン基、ノニルフェニレン基、デシルフェニレン基、ドデシルフェニレン基などがある。これらの炭化水素基中に芳香環を含む場合には、これらは不活性の置換基を有していてもよく、これらの置換基の結合位置については、特に制限はない。
また、アルキレン基としては、例えばエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基などがあり、この中でエチレン基、プロピレン基、特にエチレン基が好ましい。
【0013】
他方、Y中のA及びA′はそれぞれ炭素数2〜4の直鎖状又は枝分れ状のアルキレン基、例えばエチレン基、1,3‐プロピレン基、1,2‐プロピレン基、テトラメチレン基、1,3‐ブチレン基、1,2‐ブチレン基であり、好ましいのはエチレン基、1,3‐プロピレン基、特にエチレン基である。
このAとA′とは、たがいに同一でも異なっていてもよい。
【0014】
さらに、Xで示される炭化水素基は、脂肪族、脂環式、芳香族のいずれの炭化水素基でもよく、炭素数7以下のもの、例えば炭素数1〜7の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、フェニル基などが好ましい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、s‐ブチル基、t‐ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などである。
【0015】
次に、このY中のnは1〜100の数、好ましくは20〜50の数であり、これは平均数として示されるものである。また、xは0又は1であり、0の場合はジ置換アミド体、1の場合はモノ置換アミド体になる。
【0016】
本発明塗工液で増粘剤として用いる共重合体においては、(a)単位と(b)単位の含有割合が重量比で5:95ないし70:30であり、かつ(c)単位の含有割合が共重合体重量に基づき0.1〜50重量%の範囲にあるのが好ましい。
(a)単位の割合がこれよりも少ないと保水効果が不十分になるし、またこれよりも多くなるとハイシェア下における流動性の低下とともにB型粘度の上昇をもたらす。ハイシェア下における流動性及び保水効果の面を考慮すると(a)単位と(b)単位の重量比は10:90ないし60:40の範囲が好ましい。
また、(c)単位の割合が共重合体重量に基づき0.1重量%未満になると十分な粘性の向上効果が得られないし、50重量%を超えると粘度が高くなりすぎ、流動性が低下する。粘性及び流動性のバランスの面からこの割合は1〜30重量%の範囲が好ましい。
【0017】
本発明塗工液の増粘剤として用いる共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が900,000〜8,000,000の範囲にあるのが望ましい。これよりも低分子量のものでは、十分な保水性が得られないし、またこれよりも高分子量のものでは、塗工液の粘度が高くなり、取り扱いにくくなる。保水性と粘度のバランスの点で特に好ましいものは、重量平均分子量が1,000,000〜4,000,000の範囲のものである。
【0018】
本発明塗工液の粘着剤として用いる共重合体は、通常のアクリル系共重合体を製造するのに慣用されている方法によって容易に製造することができる。
このような方法としては、例えばメタクリル酸と、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量体と一般式
【化4】
Figure 0003930958
(式中のR1、R2及びYは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる不飽和化合物の中から選ばれた少なくとも1種の単量体とを共重合させる方法及びメタクリル酸とアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量体と、一般式
【化5】
Figure 0003930958
(式中のR1及びR2は前記と同じ意味をもち、Zは−R3−OH又は−CONH2である)
で表わされる単量体とを共重合させ、次いで得られた共重合体に−O(−A−O)n−X又は−A−O(−A′−O)n−X(ただし、R3、A、A′、Z及びnは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる基を導入する方法などがある。
【0019】
これらの重合方法には、特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、固体重合法など任意の方法を用いることができる。この際用いる重合開始剤としては、水溶性のアゾ化合物や過酸化物、例えば過酸化水素、2,2′‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)ジ塩酸塩、水溶性無機過酸化物、又は水溶性還元剤と水溶性無機過酸化物や有機過酸化物との組み合わせなどがある。この水溶性無機過酸化物の例としては、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。この水溶性還元剤の例としては、水に可溶な通常のラジカル酸化還元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えばエチレンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属との錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、L‐アスコルビン酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩やカルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類などが挙げられる。一方、水溶性有機過酸化物としては、例えばクメンヒドロペルオキシド、p‐サイメンヒドロペルオキシド、tert‐ブチルイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p‐メンタンヒドロペルオキシド、デカリンヒドロペルオキシド、tert‐アミルヒドロペルオキシド、tert‐ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類などが挙げられる。
【0020】
また、この乳化重合における乳化剤としては、通常アニオン性界面活性剤又はそれとノニオン性界面活性剤との組合せが用いられる。このアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤としては、通常の乳化重合に用いられるものの中から任意に選んで用いることができる。このようなアニオン性界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩などを挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなど、ポリオキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する化合物及び前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシエチレン、オキシプロピレンの共重合体で代替されている化合物、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0021】
この乳化重合法によれば、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中において、メタクリル酸、少なくとも1種のアクリル酸若しくはメタクリル酸のエステル及び一般式(III)で表わされる単量体を所定の割合で混合し、通常30〜80℃の範囲の温度において重合させることにより、所望の共重合体微粒子が均質に分散したエマルションを得ることができる。この方法で得られるエマルションは、そのまま紙塗工液の調製に用いることもできるし、所望ならば塩析又は噴霧乾燥などにより共重合体を固形物として取り出し、これを用いて紙塗工液を調製してもよい。
【0022】
また、一般式(IV)で表わされる単量体を共重合させてベースとなる共重合体を形成させたのち、−O(−A−O)n−X又は−O−A−O(−A′−O)n−Xで表わされる基を導入する方法においては、共重合体に、一般式HO(−A−O)n−X又はHO−A−O(−A′−O)n−Xで表わされるポリオキシアルキレン化合物、あるいは末端水酸基とそれが結合している炭素に隣接している炭素に結合している水素原子でエポキシ基を形成している対応する化合物を反応させるが、このようなポリオキシアルキレン化合物としては、例えばポリオキシエチレン(2‐プロペニル‐4‐ブチル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐プロペニル‐4‐オクチル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐プロペニル‐4‐ノニル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐プロペニル‐4‐デシル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐プロペニル‐4‐ドデシル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐ビニル‐4‐ブチル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐ビニル‐4‐オクチル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐ビニル‐4‐ノニル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐ビニル‐4‐デシル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(2‐ビニル‐4‐ドデシル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸とエタノールアミンとのアミド化物のポリエチレングリコールとのモノエーテル化物、及びこれらの末端水酸基の水素原子をスルホン酸アンモニウム基のようなスルホン酸塩残基やアルキル基により置換したものなど及び相当する末端エポキシ化合物を挙げることができる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
これらの化合物は、ベースとなる共重合体の側鎖と反応しやすい誘導体に変えた形、例えばハロゲン化物やアルカリ塩の形で反応させることもできる。この反応は、通常、化合物中にポリオキシアルキレン鎖を導入するのに用いられている公知方法によって行うことができる。
【0024】
次に、本発明塗工液においては、増粘剤をその固形分に基づき、顔料100重量部当り、0.01〜0.5重量部の割合で配合するのが好ましい。この量が0.01重量部未満では十分な保水性が得られないし、0.5重量部を超えると塗工液の粘性が高くなりすぎ、ゲル化を起す。保水性及び塗工液の粘性や流動性などの面から、この配合化合物の好ましい配合量は、顔料100重量部当り、0.05〜0.3重量部の範囲である。
【0025】
本発明塗工液には、本発明の目的がそこなわれない範囲で、必要に応じ分散剤、他の増粘剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などを適宜含有させることができる。該分散剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、アクリル酸−マレイン酸系共重合体のナトリウム塩などが挙げられる。
【0026】
本発明塗工紙は、紙基材表面に前記紙塗工液の塗布層を、固形分付着量が2〜30g/m2になるように設けたものであって、紙基材としては、例えば上質紙、中質紙、板紙などが挙げられる。また、塗布層は、これらの紙基材の片面又は両面にブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーターなどを用いる通常の方法によって前記紙塗工液を塗工し、乾燥処理することにより、形成することができる。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例中の紙塗工液及び塗工紙の物性は、下記の方法に従って求めた。
【0028】
(1)紙塗工液の保水性
(A)エス・アンド・ディー・ワーレン法(S&D Warren)に従って測定した。値が大きいほど保水性がよいことを示す。
(B)加圧脱水法に従い、リテンションメータ−AA−GWR[カルテック・サイエンティフィック(Kaltec Scientific)製]を使用し、塗工カラー10cc、圧力1.5バール、加圧時間15秒、温度20℃条件下で、塗工カラーのろ紙への脱水量を測定した。値が小さいほど保水性がよいことを示す。
(2)紙塗工液のB型粘度(cps)
TAPPI基準T648 Su−72に従って、回転数60rpmで、20℃におけるB型粘度を測定した。
(3)紙塗工液のハイシェア(HS)粘度(cps)
ハイシェア粘度計[日本精機(株)製]を使用し、回転数8800rpmで、20℃におけるハイシェア粘度を測定した。
(4)塗工紙の光沢度
JIS P8142−1965に従って測定した。
(5)塗工紙の白色度
JIS P8123−1961に従って測定した。
(6)塗工紙の平滑度
JIS P8119−1976に従って測定した。
(7)塗工紙のドライピック、ウェットピック
RI印刷機(明製作所製)を用いて塗工紙の表面に印刷し、ピッキング発生状況を観察して5点法(値が大きいほど良好)により評価した。
(8)塗工紙のグラビア網点欠落数
印刷局式グラビア印刷適性試験機(熊谷理機工業製、製造番号8608189)を用いて測定した。
【0029】
実施例1
クレー70重量部、重質炭酸カルシウム30重量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10重量部(固形分として)、酸化デンプン3重量部及び分散剤(ソマール社製、SDA−40K)0.1重量部(固形分として)を混合し、全体の固形分濃度が62重量%になるように水を加えたのち、メタクリル酸単位33重量%とアクリル酸エチル単位61重量%とポリオキシエチレン(2‐プロペニル‐4‐ノニル)フェニルエーテル(ポリオキシエチレン鎖におけるオキシエチレン基の平均モル数30モル)単位6重量%とから成る重量平均分子量2,000,000のメタクリル酸−アクリル酸エチル−ポリオキシエチレン(2‐プロペニル‐4‐ノニル)フェニルエーテル共重合体エマルション(固形分35重量%、20℃粘度50mPa・s、平均粒子径80nm)を共重合体に基づき0.2重量部(固形分として)を加えて均質に混合することにより、紙塗工液を調製した。
このものの物性を表1に示す。なお、重量平均分子量はGPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
次に、この紙塗工液を上質紙(坪量60g/m2)の片面に固形分付着量が15g/m2になるように塗布乾燥して塗工紙を作成した。塗工紙の物性を表1に示す。
【0030】
比較例1
実施例1において、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体エマルションとして、メタクリル酸単位35重量%とアクリル酸エチル単位65重量%とから成る重量平均分子量2,000,000のメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体エマルション(固形分35重量%、20℃粘度54mPa・s、平均粒子径71nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして紙塗工液を調製し、さらに塗工紙を作成した。紙塗工液及び塗工紙の物性を、それぞれ表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003930958
【0032】
実施例2
クレー80重量部、重質炭酸カルシウム20重量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス6重量部(固形分として)、分散剤(ソマール社製、SDA−40K)0.3重量部(固形分として)を配合し、全体の固形分濃度が64重量%になるように水を加えたのち、その中に実施例1で用いたものと同じ共重合体エマルションを共重合体に基づき0.2重量部(固形分として)を加えて均質に混合し、紙塗工液を調製した。このものの物性を表2に示す。なお、重量平均分子量はGPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
次に、この紙塗工液を上質紙(坪量60g/m2)の片面に固形分付着量が15g/m2になるように塗布乾燥して塗工紙を作成した。塗工紙の物性を表2に示す。
【0033】
比較例2
実施例2において、共重合体エマルションとして、比較例1で用いたものと同じ共重合体エマルションを用いた以外は、実施例2と同様にして紙塗工液を調製し、これを用いて塗工紙を作成した。紙塗工液及び塗工紙の物性を、それぞれ表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0003930958
【0035】
【発明の効果】
本発明の紙塗工液は良好な保水性及び粘性を有し、グラビア網点欠落が改善され、しかも表面平滑性、印刷適性、耐ピッキング性、光沢性などに優れた塗工紙を与えることができる。

Claims (7)

  1. 基本成分として顔料及びバインダーを含有する紙塗工液に対し、(a)メタクリル酸単位、(b)アクリル酸エステル単位及びメタクリル酸エステル単位の中から選ばれた少なくとも1種及び(c)一般式
    Figure 0003930958
    [式中のR1及びR2は水素原子又はメチル基、Yは一般式
    −R3−O(−A−O)n−X
    又は
    −CONHx[−A−O(−A´−O)n−X]2-x
    ただし、R3は二価の炭化水素基、A及びA´はそれぞれ炭素数2〜4の直鎖状又は枝分れ状のアルキレン基、Xは水素原子、炭素数1〜7の炭化水素基又はスルホン酸塩残基、nは1〜100の数、xは0又は1である
    で表わされる基である]
    で表わされる単位の中から選ばれた少なくとも1種から構成された共重合体から成る増粘剤を配合したことを特徴とする増粘性紙塗工液。
  2. 増粘剤の配合量が顔料100重量部当り、0.01〜0.5重量部である請求項1記載の増粘性紙塗工紙。
  3. (a)単位と(b)単位との含有割合が重量比で5:95ないし70:30の範囲にある請求項1又は2記載の増粘性紙塗工液。
  4. (c)単位の含有割合が共重合体重量に基づき0.1〜50重量%の範囲にある請求項1,2又は3記載の増粘性紙塗工液。
  5. 共重合体の重量平均分子量が900,000〜8,000,000の範囲にある請求項1ないし4のいずれかに記載の増粘性紙塗工液。
  6. 紙基材表面に、請求項1ないし5のいずれかに記載の増粘性紙塗工液の塗膜を形成させた塗工紙。
  7. 塗膜の固形分付着量が2〜30g/m2の範囲にある請求項6記載の塗工紙。
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