JP4129156B2 - 水性sbrラテックスの安定化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性SBRラテックスの安定化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
微細粒子の液状媒体分散体、例えばSBRラテックスは、水性塗料、紙塗工液、接着剤、皮革の下地調整剤、セメント用混和剤、フィルム滑剤、繊維バインダーなどとして広く利用されている。このSBRラテックスは、基材を浸漬してその表面に付着させたり、ドクターブレード、ロールコーターで塗布したり、スプレーによる吹き付け塗装により適用されているが、SBRラテックス自体低粘度である上に、固形分濃度調整や着色のため、顔料や充填剤などが添加されると、さらに粘度の低下や凝集を生じ、作業が困難になり、目的とする製品が得られなくなるという欠点がある。
【0003】
さらに、紙塗工液のような水性SBRラテックスにおいては、保水性の不足により、塗工層の平滑性の低下や膜厚の不均一を生じ、印刷適性が劣化する傾向が認められる。このため、紙塗工液の場合、通常カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸とメタクリル酸の共重合体などの親水性高分子物質を添加して、粘度、流動性、保水性などの塗工特性を調整しているが、これらの高分子物質は、顔料を分散した液にバインダーを加え、撹拌して均一にした後で添加しなければならないため、二度手間になり、作業効率の低下の原因となっている。
【0004】
そして、このような余分な作業の簡略化のために、水性SBRラテックスに水性エマルションと水性媒体中に安定に分散しているコロイダルシリカとを同時に含有させた水性SBRラテックス組成物が提案されているが(特許文献1参照)、これを紙塗工液に添加した際の保水力が不十分であり、保存中に過度の増粘を生じるため、作業性が低下するのを免れない。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−179826号公報(特許請求の範囲等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、塗工液の塗工性及び印刷適性を左右する保水性を高め、かつ塗工液調製の際の作業を効率的に行いうるように水性SBRラテックスを安定化することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、塗工液に配合するために、水性SBRラテックスを長期間にわたって保水性を良好に維持することについて鋭意研究を重ねた結果、特定のアルカリ可溶性保水剤を添加し、pH及び粘度を特定の範囲に調整することにより、保存中における粘度の著しい上昇や、凝集物の発生を伴うことなく、保水性を保持しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、水性SBRラテックスをpH7以下に調整し、その固形分質量に基づき1.5〜6.0質量%のアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩の中から選ばれた少なくとも1種の単量体と、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量体と、モノアルケニル置換ポリオキシエチレンのN‐アルキルウレタン結合物との共重合体からなるアルカリ可溶性保水剤を添加し、全固形分濃度を50質量%にしたものについて、温度20℃で測定した粘度を5000cps以下にすることを特徴とする水性SBRラテックスの安定化方法を提供するものである。
【0009】
【実施の実施の形態】
本発明においては、水性SBRラテックスに、固形分質量に基づき1.5〜6.0質量%の特定の保水剤、すなわち、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩の中から選ばれた少なくとも1種の単量体と、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量体と、モノアルケニル置換ポリオキシエチレンのN‐アルキルウレタン結合物との共重合体からなるアルカリ可溶性保水剤を添加することが必要である。
【0010】
このようなアルカリ可溶性保水剤としては、(a)酸性単量体と、(b)一般式
【化1】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、mは全体の質量平均分子量が10,000〜8,000,000になる範囲の数、R3は炭化水素基)
で表わされる単量体の中から選ばれた少なくとも1種と、(c)その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体の少なくとも1種からなる共重合体が用いられる。
上記の(b)成分中のR 3 の炭化水素基としては、例えば、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などを挙げることができる。
【0011】
上記の(a)成分としては、アクリル酸及びメタクリル酸の中から選ばれた少なくとも1種の酸性単量体が用いられる。これらは、塩の形で用いることもできる。これらは単独で用いてもよいし2種組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明で用いるアルカリ可溶性保水剤における(a)成分から誘導される構成単位と(c)成分から誘導される構成単位の含有割合は、モル比で5:95ないし70:30、好ましくは10:90ないし60:40の範囲である。(a)成分から誘導される構成単位の割合がこれよりも少ないと十分な保水効果が得られないし、またこれよりも多いとハイシェア下における流動性が低下するとともにB型粘度の上昇をもたらす上に、これを含む水性SBRラテックス自体の粘度が上昇する原因となる。また、前記(b)成分から誘導される構成単位の含有割合は、共重合体全量の0.1〜50モル%、好ましくは1〜30モル%の範囲内で選ぶのがよい。この構成単位が0.1モル%未満になると、これを水性SBRラテックスに配合したとき、十分な粘性の向上効果が得られない。また、50モル%を超えると粘度が高くなりすぎて、流動性が低下するため作業性が劣化するし、さらに、水性SBRラテックスに配合した際の粘度上昇が著しくなるので、例えば塗工液調製時に使用する場合、粘度が高すぎて取り扱いが困難になる。
【0013】
このアルカリ可溶性保水剤として用いる共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定したポリスチレン換算の質量平均分子量が10,000〜8,000,000の範囲にあるのが好ましい。これよりも低分子量のものでは、十分な保水性が得られないし、またこれよりも高分子量のものでは、塗工液の粘度が高くなり、取り扱いにくくなる。保水性と粘度のバランスの点で特に好ましいものは、質量平均分子量が50,000〜4,000,000の範囲のものである。
【0014】
本発明において、アルカリ可溶性保水剤として用いる共重合体は、例えば通常のアクリル系共重合体を製造する場合に慣用されている方法に従い、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)を導入しうる単量体を共重合させることによって、容易に製造することができる。
【0015】
上記の構成単位(a)を導入しうる単量体としては、メタクリル酸が、また構成単位(c)を導入しうる単量体としては、一般式
【化2】
(式中のRは水素原子又はメチル基、R′は炭化水素である)
で表わされるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの中から選ばれた少なくとも1種が用いられる。
【0016】
また、(b)成分の単量体としては、一般式
【化3】
(式中のR 1 、R 2 、R 3 及びmは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる化合物の中から選ばれた少なくとも1種が用いられる。
【0017】
これらの単量体の重合方法については、特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、固体重合法など任意の方法を用いることができる。
この際用いる重合開始剤としては、水溶性のアゾ化合物や過酸化物、例えば過酸化水素、2,2′‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)ジ塩酸塩、水溶性無機過酸化物又は水溶性還元剤と水溶性無機過酸化物や有機過酸化物との組合せなどがある。この水溶性無機過酸化物の例としては、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。この水溶性還元剤の例としては、水に可溶な通常のラジカル酸化還元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えばエチレンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属との錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、L‐アスコルビン酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩やカルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類などが挙げられる。
【0018】
また、水溶性有機過酸化物としては、例えばクメンヒドロペルオキシド、p‐サイメンヒドロペルオキシド、tert‐ブチルイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p‐メンタンヒドロペルオキシド、デカリンヒドロペルオキシド、tert‐アミルヒドロペルオキシド、tert‐ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類などが挙げられる。
【0019】
さらに、この乳化重合における乳化剤としては、通常アニオン性界面活性剤又はそれとノニオン性界面活性剤との組合せが用いられる。このアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤としては、通常の乳化重合に用いられるものの中から任意に選んで用いることができる。このようなアニオン性界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩などを挙げることができる。
【0020】
また、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなど、ポリオキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性作用を有する化合物及び前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシエチレン、オキシプロピレンの共重合体で代替されている化合物、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0021】
例えば、乳化重合法の場合は、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中において、メタクリル酸と前記一般式(II)で表わされる単量体を所定の割合で混合し、通常30〜80℃の範囲の温度において重合させる。
【0022】
本発明において、アルカリ可溶性保水剤として用いる共重合体は、また(b)成分の単量体として前記一般式(I)で表わされる化合物を用いる代わりに、一般式
【化4】
(式中のR1、R2及びR3は前記と同じ意味をもつ)
で表わされる単量体、例えば3‐メチル‐3‐ブテン‐1‐オールを用い、これをメタクリル酸及び前記一般式(II)で表わされるアクリル酸又はメタクリル酸エステルと共重合させて共重合体を形成させたのち、これに一般式
X´−(CH 2 CH 2 −O) m −H (IV)
(式中のX′は水酸基と反応して
【化5】
結合を形成しうる基、mは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる化合物を反応させることによって製造することができる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
本発明方法に用いられる水性SBRラテックスとしては、例えばスチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル−ブチルアクリレート系共重合体、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、イソブテン−無水マレイン酸系共重合体、アクリル酸−メチルメタクリレート系共重合体などがある。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらはpH7.0以下に調整されていることが必要である。水性SBRラテックスのpHが7.0を超えると保水剤とのpH差が大きくなるため、pHショックが起こりやすくなり、その結果として凝集が発生する。この組成物の可使範囲及び凝集発生防止性の面から好ましいpHは5.0〜7.0の範囲である。
【0027】
【0028】
通常、水性SBRラテックスについては、その粘度が5000cpsを超えると水性SBRラテックスの流動性が低下するため、塗工液調製時に水性SBRラテックスをポンプで供給する際の供給が困難になり作業性が低下するので、保水性、粘度及び作業性の面からアルカリ可溶性保水剤の添加量は1.5〜6.0質量%にする必要がある。この水性SBRラテックスの固形分濃度50質量%としたときの、20℃における粘度は調製直後で5000cps以下であり、かつ調製後1か月経過した後の粘度も5000cps以下であることが必要である。このような特性の調整は、水性SBRラテックスのSBRラテックス成分に応じてアルカリ可溶性保水剤の種類及び含有量を適宜選択することにより得られる。この含有量が上記の範囲よりも少ないと、水性SBRラテックスを塗工液として用いた場合、保水性が十分に発揮されないし、またこの範囲よりも多くなると、水性SBRラテックスの粘度が高くなりすぎて、塗工液を調製することが困難になる。
【0029】
本発明方法により安定化した水性SBRラテックスは、そのまま紙塗工液に配合することができるが、所望ならば塩析又は噴霧乾燥などにより固形物としたのち、これを配合することもできる。
【0030】
【発明の効果】
本発明方法により安定化した水性SBRラテックスは、予め保水剤成分を含んでいるため水性塗料、紙塗工剤、接着剤、皮革の下地調整剤、セメント用混和剤、フィルムの滑剤、繊維のバインダーなどに用いる際に、後から増粘性や保水性を向上させる成分を添加する必要がないため、作業の効率を向上させることができる。
そして、この水性SBRラテックスを用いて調製された紙塗工液は保水性が向上しているので、塗工層の平滑性に優れ、しかも層厚の均一化ができるため、塗工層の光沢度、白色度が高く、グラビア網点欠落率の低い塗工層を得ることができる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例中の水性SBRラテックス及び紙塗工液の物性は、下記の方法に従って求めた。
【0032】
(1)水性SBRラテックスの粘度
水性SBRラテックスを調製した直後と調製後1か月経過したときのB型粘度をTAPPI基準T648 Su−72に従って、回転数60rpmで、20℃にて測定した。
(2)紙塗工液の保水性
加圧脱水法に従い、リテンションメータ−AA−GWR[カルテック・サイエンティフィック(Kaltec Scientific)製]を使用し、塗工カラー10cc、圧力1.5バール、加圧時間15秒、温度20℃条件下で、塗工カラーのろ紙への脱水量を測定した。値が小さいほど保水性がよいことを示す。(3)紙塗工液のB型粘度(cps)
TAPPI基準T648 Su−72に従って、回転数60rpmで、20℃におけるB型粘度を測定した。
(4)紙塗工液のハイシェア(HS)粘度(cps)
ハイシェア粘度計[日本精機(株)製]を使用し、回転数8800rpmで、20℃におけるハイシェア粘度を測定した。
(5)塗工紙の光沢度
JIS P8142−1965に従って測定した。
(6)塗工紙の白色度
JIS P8123−1961に従って測定した。
(7)塗工紙の平滑度
JIS P8119−1976に従って測定した。
(8)塗工紙のグラビア網点欠落数
印刷局式グラビア印刷適性試験機(熊谷理機工業製、製造番号8608189)を用いて測定した。
【0033】
実施例1
メタクリル酸単位40質量%とアクリル酸エチル単位52.6質量%とオクタデシルポリオキシエチレン(3‐メチル‐3‐ブテニル)エーテルのウレタン結合物7.4質量%とからなる質量平均分子量2,000,000のメタクリル酸−アクリル酸エチル‐オクタデシルポリオキシエチレン(3‐メチル‐3‐ブテニル)エーテル共重合体エマルション(固形分30質量%、20℃粘度50mPa・s、平均粒子径65nm)をスチレン−ブタジエンラテックス(pH5.5)の不揮発分100質量部に対して2質量部(固形分として)を加え、均質に混合することにより水性SBRラテックスを安定化した。このようにして安定化した水性SBRラテックスの物性を表1に示す。
【0034】
実施例2
メタクリル酸−アクリル酸エチル‐オクタデシルポリオキシエチレン(3‐メチル‐3‐ブテニル)エーテル共重合体エマルションの代りに、製品名L83(日本NSCP社製)を用いた以外は、全て実施例1と同様にして水性SBRラテックスを安定化した。このようにして安定化した水性SBRラテックスの物性を表1に示す。
【0035】
実施例3
メタクリル酸−アクリル酸エチル‐オクタデシルポリオキシエチレン(3‐メチル‐3‐ブテニル)エーテル共重合体エマルションの代りに、メタクリル酸単位40質量%、アクリル酸エチル単位49質量%、スチレン単位5質量%、α‐(3‐メチル‐3‐ブテニル)‐ω‐へプタデシルカルボニルオキシポリ(オキシ‐1,2‐エタンジイル)6質量%からなる共重合体エマルションを用いた以外は、全て実施例1と同様にして水性SBRラテックスを安定化した。このようにして安定化したSBRラテックスの物性を表1に示す。
【0036】
比較例1
実施例1のアルカリ可溶性保水剤に代え、メタクリル酸単位35質量%とアクリル酸エチル単位65質量%とからなる質量平均分子量2,000,000のメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体エマルション(固形分35質量%、20℃粘度54mPa・s、平均粒径71nm)を用いた以外は全て実施例1と同様にして水性SBRラテックスを処理した。このようにして得た水性SBRラテックスの物性を表1に示す。
【0037】
比較例2
実施例1において、アルカリ可溶性保水剤の含有割合を0.5質量部にした以外は全て実施例1と同様にして水性SBRラテックスを処理した。このようにして得た水性SBRラテックスの物性を表1に示す。
【0038】
比較例3
実施例1において、アルカリ可溶性保水剤の含有割合を15質量部にした以外は全て実施例1と同様にして水性SBRラテックスを処理した。このようにして得た水性SBRラテックスの物性を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
参考例1
前記実施例1〜3及び比較例1〜3で得た水性SBRラテックス(調製後1か月経過後のもの)を用いて紙塗工液を調製し、かつこの塗工液を用いて塗工紙を製造した。紙塗工液の構成は上記に示すものであり、この塗工液を上質紙(坪量60g/m2)の片面に固形分付着量が13g/m2になるように塗布乾燥して塗工紙を作成した。この塗工液と塗工紙の物性を求め、その結果を表2に示す。
【0041】
参考例2
クレー70質量部、重質炭酸カルシウム30質量部、水性SBRラテックス6質量部、分散剤(ソマール社製,SDA−40K)0.1質量部を全体の固形分濃度が62質量%となるように水を加え紙塗工液を調製した。
【0042】
【表2】
【0043】
なお、比較例1及び比較例3で得た水性SBRラテックスは粘度が高すぎるため紙塗工液に添加できないか、又は添加しても他の成分と均一に混合、分散できないものであった。
Claims (1)
- 水性SBRラテックスをpH7以下に調整し、その固形分質量に基づき1.5〜6.0質量%のアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩の中から選ばれた少なくとも1種の単量体と、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量体と、モノアルケニル置換ポリオキシエチレンのN‐アルキルウレタン結合物との共重合体からなるアルカリ可溶性保水剤を添加し、全固形分濃度を50質量%にしたものについて、温度20℃で測定した粘度を5000cps以下にすることを特徴とする水性SBRラテックスの安定化方法。
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