JP3930149B2 - セグメントピース及び地中構造物の構築方法 - Google Patents

セグメントピース及び地中構造物の構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型となる沈設体を構設する鋼製のセグメントピースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型となる沈設体を用いて地中構造物を構築する地中構造物の構築方法においては、沈設体を構設するために多数のセグメントピースを使用している。かかるセグメントピースの一例を図24に示す。図24のセグメントピース100は、スキンプレート101、主桁102、継手板103、縦リブ104から構成されている。
【0003】
スキンプレート101は、円弧状に湾曲した長方形の形状を有しており、図面の上下方向の両端には、一対の主桁102が接合されている。また、図面の左右方向の両端には、一対の継手板103が接合されている。さらに、一対の主桁102と一対の継手板103とが互いに接合するとともに、継手板103と平行に配置された複数の縦リブ104が、スキンプレート101と一対の主桁102とに接合することにより、図24のセグメントピース100の補強がなされている。
【0004】
尚、各部材は、3〜25mm程度の厚さを有した鋼板からなっており、その接合は溶接によって行われる。さらに、主桁102と継手板103には、セグメントピース100同士をボルト接合で連結させるための接続孔105が多数設けられている。
【0005】
そして、多数のセグメントピース100を、千鳥配列をもって互いに連結することにより、図25に示すような円筒状の沈設体110を構設することができる。このように構設された沈設体110は、圧入工法や既設の孔中に設置する設置工法などで地中に配置され、その内部に鉄筋籠を吊込んだ後にコンクリートを打設することによって、深礎杭などにすることができる。あるいは、その内部に主鉄筋や帯鉄筋を配置した後に2次巻コンクリートを打設することによって、立坑などにすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、深礎杭や立坑などの地中構造物の原型となる沈設体110が、深礎杭や立坑などの地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋と同じ鋼材でできており、しかも、優れた強度を持つにも拘わらず、従来の技術においては、深礎杭や立坑などの地中構造物の有効断面を沈設体110の内側の空筒部分で決めなければならなかったため、深礎杭や立坑などの地中構造物を構築する際には、沈設体110の内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置しなければならなかった。そのため、深礎杭や立坑などの地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体110に代用させることができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体に代用させることによって、その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置することが不要なセグメントピース及び地中構造物の構築方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために成された請求項1に係るセグメントピースは、スキンプレートの周囲に形設されるとともに縦リブで補強された主桁を介して互いを連結することにより、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型となる沈設体を構設する鋼製のセグメントピースにおいて、前記主桁の第1所定箇所に設けられた鉄筋孔を備え、前記沈設体の構設時に列置する鉄筋孔へ複数の鉄筋を直列に挿通させながら一本化した後、前記沈設体に対して止着することによって、前記地中構造物の主鉄筋を形成することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係るセグメントピースは、請求項1に記載するセグメントピースであって、前記鉄筋の端部に圧着されたスリーブを植込ボルトを介して互いに接合することにより、前記鉄筋を一本化することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係るセグメントピースは、請求項2に記載するセグメントピースであって、前記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄筋のスリーブと前記鉄筋孔を設けた主桁との間に仮止プレートを挟み入れることによって、前記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄筋を仮止めすることを特徴とする。
また、請求項4に係るセグメントピースは、請求項2又は請求項3に記載するセグメントピースであって、一本化された鉄筋のスリーブに螺挿された植込ボルトに対し止着プレートをねじ込んで、前記止着プレートを前記主桁に圧接させることによって、一本化された鉄筋を前記沈設体に対して止着することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係るセグメントピースは、スキンプレートの周囲に形設されるとともに縦リブで補強された主桁を介して互いに連結することにより、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型となる沈設体を構設する鋼製のセグメントピースにおいて、前記沈設体の構設時に列置する鉄筋孔へフレキシブル鉄筋を挿通した後、前記沈設体に対して止着することによって、前記地中構造物の主鉄筋を形成することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係るセグメントピースは、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載するセグメントピースであって、前記縦リブの両側に隣接する位置であって前記主桁の第2所定箇所に設けられた貫通孔を備え、前記沈設体の構設時に連通する互いの貫通孔を介したボルト接合によって、互いを連結することを特徴とする。
また、請求項7に係るセグメントピースは、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載するセグメントピースであって、前記沈設体の軸方向の千鳥配列をもって互いに連結することにより、前記主桁を前記沈設体の周方向の同一接面上に配置したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係るセグメントピースは、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載するセグメントピースであって、前記沈設体の前記主桁の総重量が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とする。
また、請求項9に係るセグメントピースは、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載するセグメントピースであって、前記沈設体の前記主桁の総重量と前記沈設体の前記スキンプレートの総重量との和が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とする。
また、請求項10に係るセグメントピースは、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載するセグメントピースであって、前記沈設体の前記主桁の総重量と前記沈設体の前記スキンプレートの総重量と帯鉄筋の総重量との和が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とする。
【0014】
また、請求項11に係る地中構造物の構築方法は、請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載するセグメントピースで構設された沈設体を用いて地中構造物を構築することを特徴とする。
【0015】
このような構成を有する本発明のセグメントピースは、主桁を介して互いを連結させることによって、地中構造物の原型となる沈設体を構設することができるものである。そして、かかる主桁の第1所定箇所には鉄筋孔が設けられている。ここで、第1所定箇所とは、本発明のセグメントピースを千鳥配列をもって互いに連結して、沈設体を構設したときにも、各鉄筋孔が直線上に配置される位置をいう。従って、本発明のセグメントピースが沈設体を構設したときは、常に、鉄筋孔は直線上に配置(すなわち、列置)されることになる。
【0016】
そこで、直線上に配置された鉄筋孔に複数の鉄筋を直列に挿通しながら、各鉄筋を一本化し、さらに、その後において、一本化された鉄筋を沈設体に止着させている。これには、例えば、以下のような手順で行っている。先ず、両端にスリーブが圧着された鉄筋の一端側を、沈設体の上方から、沈設体の上面をなす主桁の鉄筋孔に挿通する。そして、沈設体の上面をなす主桁と、挿通中の鉄筋の他端側のスリーブとの間に、仮止プレートを挟み入れることによって、挿通中の鉄筋を仮止めする。
【0017】
このとき、仮止めされた挿通中の鉄筋の他端側のスリーブに対して、植込ボルトをねじ込み、さらに、かかる植込ボルトに対して、沈設体の上方から、別の鉄筋の一端側のスリーブをねじ込むことにより、仮止めされた挿通中の鉄筋の他端側のスリーブと別の鉄筋の一端側のスリーブを、植込ボルトを介して互いに接合する。これによって、仮止めされた挿通中の鉄筋と別の鉄筋を直線状に強固に接続することができる。このようにして、仮止めされた挿通中の鉄筋と別の鉄筋を接続した後は、挿通中の鉄筋に対する仮止めを解除する。そして、挿通中の鉄筋に接続された別の鉄筋の一端側までが沈設体の内部に入るまで、挿通中の鉄筋に接続された別の鉄筋を沈設体の上面をなす主桁の鉄筋孔に挿通させる。
【0018】
その後は、かかる別の鉄筋に対しても、同様な作業(仮止め、接続、挿通)を繰り返す。かかる繰り返し作業は、直線状に接続された複数の鉄筋の長さが、沈設体の軸方向の長さとほぼ等しくなるまで続行され、これによって、直線上に配置された鉄筋孔に直列に挿通された各鉄筋を一本化する。
【0019】
そして、最後に接続された鉄筋の他端側のスリーブに対し、植込ボルトをねじ込むことによって、かかる植込ボルトを、沈設体の上面をなす主桁の鉄筋孔から沈設体の外部へ突出させる。その後は、かかる植込ボルトに対して止着プレートをねじ込むことによって、止着プレートを沈設体の上面をなす主桁に圧接させる。これにより、一本化された鉄筋を沈設体に止着させる。
【0020】
尚、直線上に配置された鉄筋孔にフレキシブル鉄筋を挿通し、さらに、その後において、フレキシブル鉄筋を沈設体に止着させてもよい。
【0021】
このようにして、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋は沈設体に止着されるので、複数のセグメントピースで構設された沈設体を原型とする地中構造物の主鉄筋となることができる。そして、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(沈設体の軸方向の鉄筋で、鋼−コンクリート複合の地中構造物の主鉄筋となるもの)は、千鳥配列を考慮した第1所定箇所によって、沈設体の円周方向にバランスして配置されるので、荷重に対する地中構造物の抵抗力が均一になる。
【0022】
また、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)は、主桁の鉄筋孔に挿通された状態にある。従って、主桁は、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)の座屈を防止することができる。さらに、沈設体の構設時においては、主桁の各々は隣合うことによって平面的に一体となり、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てを取り囲む状態にある。そして、平面的に一体となった主桁は、スキンプレートの両端に形設されたものであるから、スキンプレートの両端に形設された主桁の間隔毎に位置する。よって、平面的に一体となった主桁を地中構造物の帯鉄筋とみなすことができる。また、平面的に一体となった主桁の各々を、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができる。
【0023】
以上により、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋が地中構造物の主鉄筋になるとともに、平面的に一体となった主桁を地中構造物の帯鉄筋とみなすことができる。従って、鋼−コンクリート複合の地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を、本発明のセグメントピースで構設される沈設体と沈設体に止着される鉄筋又はフレキシブル鉄筋で代用させることができる。
【0024】
また、本発明のセグメントピースは、主桁の第2所定箇所に設けられた貫通孔を使用したボルト接合により、主桁を介して互いに連結される。ここで、第2所定箇所とは、本発明のセグメントピースを千鳥配列をもって互いに連結して、沈設体を構設したときにも、接面する互いの主桁の貫通孔が連通する位置をいう。従って、本発明のセグメントピースが沈設体を構設したときは、常に、接面する互いの主桁の貫通孔は連通することになる。
【0025】
さらに、主桁の第2所定箇所に設けられた貫通孔は、縦リブの両側に隣接した位置にある。従って、地中構造物に対して沈設体の軸方向に引張荷重が加わって、接面する互いの主桁に対して縦リブを介した引張力が作用しても、接面する互いの主桁は、かかる縦リブの両側に隣接した貫通孔を介してボルト接合されているので、接面する互いの主桁が離間するような変形は起らない。
【0026】
また、沈設体の構設時において、沈設体の軸方向の千鳥配列をもってセグメントピースの主桁を接面させていれば、沈設体の周方向に平面的に一体となった主桁の各々(地中構造物の帯鉄筋の一部とみなされるもの)は、交互に重なり合いながら接面する。従って、平面的に一体となった主桁(地中構造物の帯鉄筋とみなされるもの)において、帯鉄筋の一部同士(平面的に一体となった主桁の各々)を接合する際に要求される、例えば鉄筋直径(ここでは、主桁の厚さ)の20倍以上などのオーバーラップを確保することができる。
【0027】
また、平面的に一体となった主桁(地中構造物の帯鉄筋とみなされるもの)の総重量を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保する。沈設体においては、平面的に一体とならない主桁は存在しないことから、平面的に一体となった主桁(地中構造物の帯鉄筋とみなされるもの)の総重量とは、沈設体の主桁の総重量である。
【0028】
また、スキンプレートも、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなされる主桁を形設したものであるから、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)の座屈を防止すると考えることができる。さらに、沈設体の構設時においては、スキンプレートは隣合うことによって平面的に一体となり、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てを取り囲む状態にあるので、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができる。そこで、この場合には、沈設体の主桁の総重量に沈設体のスキンプレートの総重量を加えた和を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することができる。
【0029】
また、さらに帯鉄筋を付け加えることにより、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)の座屈を防止することができる。そこで、この場合には、沈設体の主桁の総重量と沈設体のスキンプレートの総重量と帯鉄筋の総重量を加えた和を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することができる。
【0030】
すなわち、本発明のセグメントピースでは、沈設体を構設するセグメントピースの主桁の鉄筋孔に挿通される複数の鉄筋を一本化した後に、当該沈設体に止着しており、あるいは、沈設体を構設するセグメントピースの鉄筋孔に挿通されるフレキシブル鉄筋を当該沈設体に止着しており、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋が地中構造物の主鉄筋となると共に、平面的に一体となった主桁は地中構造物の帯鉄筋とみなされ、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体と沈設体に止着される鉄筋又はフレキシブル鉄筋に代用させることができるので、その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となる。
【0031】
特に、地中構造物の構築方法においては、セグメントピースで構設された沈設体を地中構造物の原型として使用するときは、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体と沈設体に止着される鉄筋又はフレキシブル鉄筋に代用させることによって、鋼材を節約させることができると共に、沈設体の内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となるので、工費の削減や工期の短縮を実現できる。
【0032】
さらに、地中構造物の有効断面を、沈設体の最外面すなわちスキンプレート面の内側における構造で評価できることになり、工事のコンパクト化に寄与することができる。
【0033】
また、各セグメントピースは、縦リブの両側に隣接する主桁の貫通孔を使用したボルト接合を介して連結されているので、沈設体の軸方向に引張力が作用しても、接面する主桁が離間するような変形が起こることはない。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態のセグメントピースの斜視図を図1に示す。
【0035】
図1のセグメントピース1は、スキンプレート11、主桁12、継手板13、縦リブ14などから構成されている。スキンプレート11は、円弧状に湾曲した長方形の形状を有しており、図面の上下方向の両端に、一対の主桁12が形設されている。また、図面の左右方向の両端に、一対の継手板13が形設され、一対の主桁12と接合している。また、一対の主桁12の間には、継手板13と平行に複数の縦リブ14が形設され、スキンプレート11と接合している。そして、各部材は、3〜25mm程度の厚さを有した鋼板からなっており、その接合は溶接によって行われる。
【0036】
さらに、一対の主桁12には、継手板13と縦リブ14の間、及び、縦リブ14同士の間にそれぞれ2箇所ずつ、対称的に鉄筋孔15が設けられている。そして、セグメントピース1を千鳥配列をもって互いに連結して、円筒状の沈設体20(図3参照)を構設したときでも、各セグメントピース1の鉄筋孔15が直線上に配置されるように、鉄筋孔15が一対の主桁12に設けられている(第1所定箇所)。また、一対の主桁12には、縦リブ14の両側、及び、継手板13の片側に隣接するように貫通孔であるボルト孔16がそれぞれ2箇所ずつ対称的に設けられている。そして、セグメントピース1を千鳥配列をもって互いに連結して、円筒状の沈設体20(図3参照)を構設したときでも、接面する互いの主桁12のボルト孔16が連通するように、ボルト孔16が一対の主桁12に設けられている(第2所定箇所)。尚、一対の継手板13にも、複数のボルト孔17が対称的に設けられている。
【0037】
このような構成を有するセグメントピース1は、ボルト孔16同士、ボルト孔17同士を合わせてボルト接合することにより、円筒状の沈設体20(図3参照)を構設することができる。その際、継手板13の位置が互いにずれるように千鳥配列をもって連結する。
【0038】
次に、図2を参照して、上述した鉄筋孔15に挿通される鉄筋21について説明する。図2に示すように、鉄筋21は、その両端部に、スリーブ22A、22Bが圧着されたものである。また、かかるスリーブ22A、22Bは、直径64mm、長さ185mmの概略円筒状であり、その一端の内面は鉄筋21に圧着され、他端の内面はネジ部が形成されている。
【0039】
このような構成を有する複数の鉄筋21は、セグメントピース1を千鳥配列をもって互いに連結することによって構設された円筒状の沈設体20(図3参照)において、直線上に配置された鉄筋孔15に対し、直列に挿通されながら一本化され、さらに、その後において、一本化された鉄筋21は沈設体20(図3参照)に止着される。
【0040】
これには、図3〜図9に示すような手順で行っている。先ず、図3に示すように、多数のセグメントピース1を千鳥配列をもって互いに連結することによって、円筒状の沈設体20を構設し、圧入工法あるいは設置工法により、地中に配置し、底版コンクリート31を打設する。このとき、上述したように、各セグメントピース1の鉄筋孔15は直線上に配置されている。
【0041】
次に、クローラクレーン30をもって、両端にスリーブ22A、22Bが圧着された鉄筋21を吊り上げ、かかる鉄筋21の一端側を、沈設体20の上方から、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15に挿通する。かかるクローラクレーン30による吊り上げは、図4に示すように、鉄筋21の他端側のスリーブ22Bに吊り金具24をねじ込み、この吊り金具24をフック32に掛けることによって行う。
【0042】
そして、図5に示すように、沈設体20の上面をなす主桁12と、挿通中の鉄筋21の他端側のスリーブ22Bとの間に、仮止プレート25を挟み入れることによって、挿通中の鉄筋21を仮止めする。
【0043】
その後は、図6に示すように、仮止めされた挿通中の鉄筋21の他端側のスリーブ22Bにねじ込まれた吊り金具24を外し、かかる吊り金具24に代わって植込ボルト23をねじ込む。さらに、図7に示すように、この植込ボルト23に対して、沈設体20の上方から、別の鉄筋21の一端側のスリーブ22Aをねじ込むことにより、図10に示すように、仮止めされた挿通中の鉄筋21の他端側のスリーブ22Bと別の鉄筋21の一端側のスリーブ22Aを、植込ボルト23を介して互いに接合する。これによって、仮止めされた挿通中の鉄筋21と別の鉄筋21を直線状に強固に接続することができる。
【0044】
このようにして、仮止めされた挿通中の鉄筋21と別の鉄筋21を接続した後は、クローラクレーン30をもって、別の鉄筋21と接続されたものであって、仮止めされた挿通中の鉄筋21を僅かに吊り上げ、沈設体20の上面をなす主桁12と、挿通中の鉄筋21の他端側のスリーブ22Bとの間に介在する仮止めプレート25を外すことによって、挿通中の鉄筋21に対する仮止めを解除する。
【0045】
そして、図8に示すように、挿通中の鉄筋21に接続された別の鉄筋21の一端側のスリーブ22Aが沈設体20の内部に入るまで、挿通中の鉄筋21に接続された別の鉄筋21を、クローラクレーン30によって、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15に挿通させる。
【0046】
その後は、かかる別の鉄筋21に対しても、図4〜図8に示す同様な作業(仮止め、接続、挿通)を繰り返す。かかる繰り返し作業は、直線状に接続された複数の鉄筋21の長さが、沈設体20の軸方向の長さとほぼ等しくなるまで続行され、これによって、直線上に配置された鉄筋孔15に直列に挿通された各鉄筋21を一本化する。
【0047】
そして、図9に示すように、最後に接続された鉄筋21の他端側のスリーブ22Bに対し、植込ボルト23をねじ込むことによって、かかる植込ボルト23を、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15から沈設体20の外部へ突出させる。その後は、かかる植込ボルト23に対して止着プレート26をねじ込むことによって、止着プレート26を沈設体20の上面をなす主桁12に圧接させる。これにより、一本化された鉄筋21を沈設体20に止着させる。
【0048】
このようにして、一本化された鉄筋21は沈設体20に止着されるので、複数のセグメントピース1で構設された沈設体20を原型とする地中構造物の主鉄筋となることができる。図11は、本実施の形態のセグメントピース1で構設された沈設体20であって、一本化された鉄筋21が止着されたものを切断した断面図である。図11に示すように、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)は、セグメントピース1の千鳥配列を考慮することによって、沈設体20の円周方向にバランスして配置されるので、荷重に対する地中構造物の抵抗力が均一になるとともに、各鉄筋21の太さを共通化させることができる。
【0049】
また、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)は、主桁12の鉄筋孔15に挿通された状態にある。従って、主桁12は、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座屈から防止することができる。さらに、沈設体20の構設時においては、図11に示すように、主桁12の各々は隣り合うことによって平面的に一体となり、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てを取り囲む状態にある。
【0050】
そして、平面的に一体となった主桁12は、スキンプレート11の両端に形設されたものであるから(図1参照)、スキンプレート11の両端に形設された主桁12の間隔ごとに位置する。よって、平面的に一体となった主桁12を地中構造物の帯鉄筋とみなすことができる。また、平面的に一体となった主桁12の各々を、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができる。
【0051】
以上より、一本化された鉄筋21が地中構造物の主鉄筋となるとともに、平面的に一体となった主桁12を地中構造物の帯鉄筋とみなすことができる。そして、主桁12は本実施の形態のセグメントピース1を構成するものである(図1参照)。従って、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を、本実施の形態のセグメントピース1で構設される沈設体20と、沈設体20に止着される鉄筋21に代用させることができる。
【0052】
また、沈設体20の構設時において、千鳥配列をもって主桁12を接面させているので、平面的に一体となった主桁12の各々(地中構造物の帯鉄筋の一部とみなされるもの)は、交互に重なり合いながら接面する。本実施の形態においては、図11、図12に示すように、12個の主桁12が交互に重なり合いながら接面する。従って、平面的に一体となった主桁12(地中構造物の帯鉄筋とみなされるもの)は、図12に示すように、帯鉄筋の一部40同士(平面的に一体となった主桁12の各々)を交互に重ね合わせながら接合しているといえる。従って、帯鉄筋の一部同士を接合する際に要求される、例えば鉄筋直径(ここでは主桁12の厚さ)の20倍以上などのオーバーラップを確保することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、平面的に一体となった主桁12(地中構造物の帯鉄筋とみなされるもの)の総重量は、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくしてある。従って、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することができる。尚、沈設体20においては、平面的に一体とならない主桁12は存在しないことから、平面的に一体となった主桁12(地中構造物の帯鉄筋とみなされるもの)の総重量とは、沈設体20の主桁12の総重量である。
【0054】
また、主桁12の第2所定箇所に設けられたボルト孔16は、図1に示すように、縦リブ14の両側に隣接した位置にある。従って、地中構造物に対して沈設体20の軸方向に引張荷重が加わって、図13に示すように、接面する互いの主桁12に対して縦リブ14を介した引張力Pが作用しても、接面する互いの主桁12は、かかる縦リブ14の両側に隣接したボルト孔16を介してボルト接合されているので、例えば、図14に示すように、接面する互いの主桁12が離間して、隙間Sが形成されるような変形は起こらない。
【0055】
また、本実施の形態では、主桁12に設けられたボルト孔16は、図1に示すように、継手板13の片側に隣接した位置にもある。従って、同様にして、地中構造物に対して沈設体20の軸方向に引張荷重が加わって、接面する互いの主桁12に対して継手板13を介した引張力Pが作用しても、接面する互いの主桁12は、かかる継手板13の片側に隣接したボルト孔16を介してボルト接合されているので、例えば、図14に示すように、接面する互いの主桁12が離間して、隙間Sが形成されるような変形は起こらない。
【0056】
すなわち、本実施の形態のセグメントピース1では、沈設体20を構設するセグメントピース1の主桁12の鉄筋孔15に、挿通される複数の鉄筋21を一本化した後に沈設体20に止着しており、一本化された鉄筋21が地中構造物の主鉄筋となるとともに、平面的に一体となった主桁12は地中構造物の帯鉄筋とみなされ、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体20と沈設体20に止着される鉄筋21に代用させることができるので、その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となる。
【0057】
特に、地中構造物の構築方法において、セグメントピース1で構設された沈設体20を地中構造物の原型として使用するときは、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体20に代用させることによって、鋼材を節約させることができるとともに、沈設体20の内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となるので、工費の削減や工期の短縮を実現できる。
【0058】
さらに、地中構造物の有効断面を、沈設体20の最外面すなわちスキンプレート11面の内側における構造で評価できることになり、工事のコンパクト化に寄与することができる。
【0059】
また、各セグメントピース1は、縦リブ14の両側に隣接する主桁12のボルト孔16を使用したボルト接合を介して連結されているので、沈設体20の軸方向に引張力Pが作用しても、図14に示すように、接面する主桁12が離間するような変形が起こることはない。
【0060】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0061】
例えば、本実施の形態のセグメントピース1では、セグメントピース1を千鳥配列をもって互いに連結することによって構設された円筒状の沈設体20において、直線上に配置された鉄筋孔15に対し、複数の鉄筋21が直列に挿通されながら一本化され、さらに、その後において、一本化された鉄筋21は沈設体20に止着されている。
【0062】
しかし、直線上に配置された鉄筋孔15に対し、フレキシブル鉄筋を挿通し、さらに、その後において、フレキシブル鉄筋を沈設体20に止着してもよい。これには、図15に示すように、沈設体20の内部に作業員62の足場61を予め組み立てておき、次に、クローラクレーン30をもって、フレキシブル鉄筋60を吊り上げ、かかるフレキシブル鉄筋60の先端側を、沈設体20の上方から、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15に挿通する。
【0063】
さらに、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15に挿通されたフレキシブル鉄筋60の先端を、沈設体20の内部に組み立てられた足場61により自由に移動することができる作業員62の補助の下で、直線上に配置された鉄筋孔15へ次々に挿通させる。
【0064】
そして、沈設体20の軸方向の長さとほぼ等しくなるまで、フレキシブル鉄筋60を沈設体20の内部に挿通させたら、フレキシブル鉄筋60を沈設体20に止着させる。これには、例えば、図16や図17に示すように、フレキシブル鉄筋60の終端の位置に止着部材63を予め圧着しておき、かかる止着部材63を沈設体20の上面をなす主桁12に当接させた後に溶接することにより行う。
【0065】
また、図18や図19に示すように、フレキシブル鉄筋60の終端の位置に掛着部材64を予め溶接しておき、かかる掛着部材64を沈設体20の上面をなす主桁12に設けられた掛着リブ65に引っ掛けさせ、その後に溶接することにより行ってもよい。
【0066】
このとき、フレキシブル鉄筋60は、その自重により直線状になるが、その柔軟性により、沈設体20の内部にコンクリートを打設する際において、その直線の状態を保てない場合が有り得る。そこで、図20に示すように、フレキシブル鉄筋60が挿通された鉄筋孔15にくさび66をはめ込むことにより、フレキシブル鉄筋60に張りをもたせ、沈設体20の内部にコンクリートを打設する際においても、その直線の状態が保てるようにする。
【0067】
このようにして、フレキシブル鉄筋60は沈設体20に止着されるので、複数のセグメントピース1で構設された沈設体20を原型とする地中構造物の主鉄筋となることができ、一本化された鉄筋21と同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、本実施の形態のセグメントピース1では、沈設体20の主桁12の総重量を、地中構造物に要求される帯鉄筋の重量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保している。しかし、スキンプレート11も地中構造物の帯鉄筋の一部とみなされる主桁12を形設したものであるから、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座屈から防止すると考えることができる。さらに、沈設体20の構設時においては、スキンプレート11は隣合うことによって平面的に一体となり、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てを取り囲む状態にあるので、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができる。
【0069】
そこで、この場合には、沈設体20の主桁12の総重量に沈設体20のスキンプレート11の総重量を加えた和を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することが可能となる。
【0070】
または、図21に示すように、セグメントピース1に帯鉄筋70を付け加えることもできる。このようにすると、帯鉄筋70は、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座屈から防止すると考えることができる。さらに、沈設体20の構設時においては、帯鉄筋70は隣合うことによって平面的に一体となり、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てをスキンプレート11との間に取り囲む状態にあるので、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができる。
【0071】
そこで、この場合には、沈設体20の主桁12の総重量に沈設体20のスキンプレート11の総重量と帯鉄筋70の総重量を加えた和を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することが可能となる。
【0072】
または、図22、図23に示すように、構設された沈設体20の内周に帯鉄筋71を付け加えることもできる。このようにすると、帯鉄筋71は、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座屈から防止すると考えることができ、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができる。
【0073】
そこで、この場合には、沈設体20の主桁12の総重量に沈設体20のスキンプレート11の総重量と帯鉄筋71の総重量を加えた和を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することが可能となる。
【0074】
また、本実施の形態のセグメントピース1では、主桁12は、厚さの均一な鋼板を用いたが、その断面が台形である鋼材を用いて、主桁12の内面がスキンプレート11と100〜105度程度の鈍角で交わるようにしてもよい。
【0075】
このようにすると、スキンプレート11、主桁12、継手板13又は縦リブ14で形成される隅に残存する土砂を排除することが容易となり、また、沈設体20の内部にコンクリートを打設する際には、主桁12の内面の傾斜に沿って、あるいは、主桁12の鉄筋孔15を介して、空気がスムーズに抜けていくので、沈設体20の内部に土砂や空気が残留することがなくなる。
【0076】
【発明の効果】
本発明のセグメントピースでは、沈設体を構設するセグメントピースの主桁の鉄筋孔に挿通される複数の鉄筋を一本化した後に、当該沈設体に止着しており、あるいは、沈設体を構設するセグメントピースの鉄筋孔に挿通されるフレキシブル鉄筋を当該沈設体に止着しており、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋が地中構造物の主鉄筋となると共に、平面的に一体となった主桁は地中構造物の帯鉄筋とみなされ、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体と沈設体に止着される鉄筋又はフレキシブル鉄筋に代用させることができるので、その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となる。
【0077】
特に、地中構造物の構築方法において、セグメントピースで構設された沈設体を地中構造物の原型として使用するときは、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体と沈設体に止着される鉄筋又はフレキシブル鉄筋に代用させることによって、鋼材を節約させることができるとともに、沈設体の内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となるので、工費の削減や工期の短縮を実現できる。
【0078】
さらに、地中構造物の有効断面を、沈設体の最外面すなわちスキンプレート面の内側における構造で評価できることになり、工事のコンパクト化に寄与することができる。
【0079】
また、各セグメントピースは、縦リブの両側に隣接する主桁の貫通孔を使用したボルト接合を介して連結されているので、沈設体の軸方向に引張力が作用しても、接面する主桁が離間するような変形が起こることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセグメントピースの斜視図である。
【図2】本発明のセグメントピースで使用される鉄筋の概略図である。
【図3】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロー図である。
【図4】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロー図である。
【図5】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロー図である。
【図6】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロー図である。
【図7】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロー図である。
【図8】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロー図である。
【図9】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に挿通されながら一本化された複数の鉄筋を、止着プレートを使用することによって沈設体に止着する方法を説明する図である。
【図10】本発明のセグメントピースで使用される鉄筋の接続部分を示した概略図である。
【図11】本発明のセグメントピースで構設された沈設体を切断した断面図である。
【図12】本発明のセグメントピースを千鳥配列で連結することにより沈設体を構設した場合において、本発明のセグメントピースの主桁を地中構造物に要求される帯鉄筋の一部とみなしたときの概念図である。
【図13】本発明のセグメントピースで構設された沈設体の縦リブ近傍を示した図である。
【図14】悪い例のセグメントピースで構設された沈設体の縦リブ近傍を示した図である。
【図15】本発明のセグメントピースで構設した沈設体にフレキシブル鉄筋を挿通する手順を示したフロー図である。
【図16】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に挿通されたフレキシブル鉄筋を、止着部材を使用することによって沈設体に止着する方法を説明する図である。
【図17】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に挿通されたフレキシブル鉄筋を、止着部材を使用することによって沈設体に止着する方法を説明する図である。
【図18】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に挿通されたフレキシブル鉄筋を、掛着部材を使用することによって沈設体に止着する方法を説明する図である。
【図19】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に挿通されたフレキシブル鉄筋を、掛着部材を沈設体に止着する方法を説明する図である。
【図20】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に挿通されたフレキシブル鉄筋を直線状に保つ方法を説明する図である。
【図21】本発明のセグメントピースに帯鉄筋を付け加えたセグメントピースの斜視図である。
【図22】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に帯鉄筋を付け加えた説明図である。
【図23】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に帯鉄筋を付け加えた説明図である。
【図24】従来技術のセグメントピースの斜視図である。
【図25】セグメントピースで構設された沈設体の斜視図である。
【符号の説明】
1 セグメントピース
11 スキンプレート
12 主桁
14 縦リブ
15 鉄筋孔
16 ボルト孔
20 沈設体
21 鉄筋
22 スリーブ
23 植込ボルト
60 フレキシブル鉄筋
70 帯鉄筋
71 帯鉄筋

Claims (11)

  1. スキンプレートの周囲に形設されるとともに縦リブで補強された主桁を介して互いを連結することにより、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型となる沈設体を構設する鋼製のセグメントピースにおいて、
    前記主桁の第1所定箇所に設けられた鉄筋孔を備え、
    前記沈設体の構設時に列置する鉄筋孔へ複数の鉄筋を直列に挿通させながら一本化した後、前記沈設体に対して止着することによって、前記地中構造物の主鉄筋を形成することを特徴とするセグメントピース。
  2. 請求項1に記載するセグメントピースにおいて、
    前記鉄筋の端部に圧着されたスリーブを植込ボルトを介して互いに接合することにより、前記鉄筋を一本化することを特徴とするセグメントピース。
  3. 請求項2に記載するセグメントピースにおいて、
    前記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄筋のスリーブと前記鉄筋孔を設けた主桁との間に仮止プレートを挟み入れることによって、前記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄筋を仮止めすることを特徴とするセグメントピース。
  4. 請求項2又は請求項3に記載するセグメントピースにおいて、 一本化された鉄筋のスリーブに螺挿された植込ボルトに対し止着プレートをねじ込んで、前記止着プレートを前記主桁に圧接させることによって、一本化された鉄筋を前記沈設体に対して止着することを特徴とするセグメントピース。
  5. スキンプレートの周囲に形設されるとともに縦リブで補強された主桁を介して互いに連結することにより、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型となる沈設体を構設する鋼製のセグメントピースにおいて、
    前記沈設体の構設時に列置する鉄筋孔へフレキシブル鉄筋を挿通した後、前記沈設体に対して止着することによって、前記地中構造物の主鉄筋を形成することを特徴とするセグメントピース。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載するセグメントピースにおいて、
    前記縦リブの両側に隣接する位置であって、前記主桁の第2所定箇所に設けられた貫通孔を備え、
    前記沈設体の構設時に連通する互いの貫通孔を介したボルト接合によって、互いを連結することを特徴とするセグメントピース。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載するセグメントピースにおいて、
    前記沈設体の軸方向の千鳥配列をもって互いに連結することにより、前記主桁を前記沈設体の周方向の同一接面上に配置したことを特徴とするセグメントピース。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載するセグメントピースにおいて、
    前記沈設体の前記主桁の総重量が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とするセグメントピース。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載するセグメントピースにおいて、
    前記沈設体の前記主桁の総重量と前記沈設体の前記スキンプレートの総重量との和が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とするセグメントピース。
  10. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載するセグメントピースにおいて、
    前記沈設体の前記主桁の総重量と前記沈設体の前記スキンプレートの総重量と帯鉄筋の総重量との和が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とするセグメントピース。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載するセグメントピースで構設された沈設体を用いて地中構造物を構築することを特徴とする地中構造物の構築方法。
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