JPH11350867A - セグメントピース及び地中構造物の構築方法 - Google Patents

セグメントピース及び地中構造物の構築方法

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JPH11350867A
JPH11350867A JP10160050A JP16005098A JPH11350867A JP H11350867 A JPH11350867 A JP H11350867A JP 10160050 A JP10160050 A JP 10160050A JP 16005098 A JP16005098 A JP 16005098A JP H11350867 A JPH11350867 A JP H11350867A
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reinforcing bar
segment piece
underground structure
submerged body
rebar
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Yoshiyuki Hamada
良幸 濱田
Michiya Takeda
倫也 竹田
Kazuyoshi Sato
和義 佐藤
Shogo Nagaoka
省吾 長岡
Hiroyasu Ichikawa
博康 市川
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KATO KENSETSU KK
Nippon Kokan Light Steel Co Ltd
Kato Construction Co Ltd
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KATO KENSETSU KK
Nippon Kokan Light Steel Co Ltd
Kato Construction Co Ltd
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  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈
設体に代用させることによって、その内部に鉄筋籠を吊
込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置することが不要なセグ
メントピース及び地中構造物の構築方法を提供するこ
と。 【解決手段】 鋼製のセグメントピース1は、互いを連
結することにより、鋼−コンクリート複合の地中構造物
の原型となる沈設体を構設する。沈設体の構設時におい
ては、各鉄筋21に圧着したスリーブ22A、22Bを
植込ボルト23で接続し、一本化しつつ、連通する互い
の鉄筋孔15に挿通し、沈設体20に止着する。これに
より、一本化した鉄筋21を地中構造物の主鉄筋とみな
すことができる。また、平面的に一体となった主桁12
を地中構造物の帯鉄筋とみなす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼−コンクリート
複合の地中構造物の原型となる沈設体を構設する鋼製の
セグメントピースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼−コンクリート複合の地中構造
物の原型となる沈設体を用いて地中構造物を構築する地
中構造物の構築方法においては、沈設体を構設するため
に多数のセグメントピースを使用している。かかるセグ
メントピースの一例を図24に示す。図24のセグメン
トピース100は、スキンプレート101、主桁10
2、継手板103、縦リブ104から構成されている。
【0003】スキンプレート101は、円弧状に湾曲し
た長方形の形状を有しており、図面の上下方向の両端に
は、一対の主桁102が接合されている。また、図面の
左右方向の両端には、一対の継手板103が接合されて
いる。さらに、一対の主桁102と一対の継手板103
とが互いに接合するとともに、継手板103と平行に配
置された複数の縦リブ104が、スキンプレート101
と一対の主桁102とに接合することにより、図24の
セグメントピース100の補強がなされている。
【0004】尚、各部材は、3〜25mm程度の厚さを
有した鋼板からなっており、その接合は溶接によって行
われる。さらに、主桁102と継手板103には、セグ
メントピース100同士をボルト接合で連結させるため
の接続孔105が多数設けられている。
【0005】そして、多数のセグメントピース100
を、千鳥配列をもって互いに連結することにより、図2
5に示すような円筒状の沈設体110を構設することが
できる。このように構設された沈設体110は、圧入工
法や既設の孔中に設置する設置工法などで地中に配置さ
れ、その内部に鉄筋籠を吊込んだ後にコンクリートを打
設することによって、深礎杭などにすることができる。
あるいは、その内部に主鉄筋や帯鉄筋を配置した後に2
次巻コンクリートを打設することによって、立坑などに
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、深礎杭
や立坑などの地中構造物の原型となる沈設体110が、
深礎杭や立坑などの地中構造物に要求される主鉄筋や帯
鉄筋と同じ鋼材でできており、しかも、優れた強度を持
つにも拘わらず、従来の技術においては、深礎杭や立坑
などの地中構造物の有効断面を沈設体110の内側の空
筒部分で決めなければならなかったため、深礎杭や立坑
などの地中構造物を構築する際には、沈設体110の内
部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置しなけ
ればならなかった。そのため、深礎杭や立坑などの地中
構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体110に代
用させることができなかった。
【0007】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、地中構造物に要求され
る主鉄筋や帯鉄筋を沈設体に代用させることによって、
その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置
することが不要なセグメントピース及び地中構造物の構
築方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に成された請求項1に係るセグメントピースは、スキン
プレートの周囲に形設されるとともに縦リブで補強され
た主桁を介して互いを連結することにより、鋼−コンク
リート複合の地中構造物の原型となる沈設体を構設する
鋼製のセグメントピースにおいて、前記主桁の第1所定
箇所に設けられた鉄筋孔を備え、前記沈設体の構設時に
列置する鉄筋孔へ複数の鉄筋を直列に挿通させながら一
本化した後、前記沈設体に対して止着することによっ
て、前記地中構造物の主鉄筋を形成することを特徴とす
る。
【0009】また、請求項2に係るセグメントピース
は、請求項1に記載するセグメントピースであって、前
記鉄筋の端部に圧着されたスリーブを植込ボルトを介し
て互いに接合することにより、前記鉄筋を一本化するこ
とを特徴とする。
【0010】また、請求項3に係るセグメントピース
は、請求項2に記載するセグメントピースであって、前
記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄筋のスリーブと前記
鉄筋孔を設けた主桁との間に仮止プレートを挟み入れる
ことによって、前記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄筋
を仮止めすることを特徴とする。また、請求項4に係る
セグメントピースは、請求項2又は請求項3に記載する
セグメントピースであって、一本化された鉄筋のスリー
ブに螺挿された植込ボルトに対し止着プレートをねじ込
んで、前記止着プレートを前記主桁に圧接させることに
よって、一本化された鉄筋を前記沈設体に対して止着す
ることを特徴とする。
【0011】また、請求項5に係るセグメントピース
は、スキンプレートの周囲に形設されるとともに縦リブ
で補強された主桁を介して互いに連結することにより、
鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型となる沈設体
を構設する鋼製のセグメントピースにおいて、前記沈設
体の構設時に列置する鉄筋孔へフレキシブル鉄筋を挿通
した後、前記沈設体に対して止着することによって、前
記地中構造物の主鉄筋を形成することを特徴とする。
【0012】また、請求項6に係るセグメントピース
は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載するセ
グメントピースであって、前記縦リブの両側に隣接する
位置であって前記主桁の第2所定箇所に設けられた貫通
孔を備え、前記沈設体の構設時に連通する互いの貫通孔
を介したボルト接合によって、互いを連結することを特
徴とする。また、請求項7に係るセグメントピースは、
請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載するセグメ
ントピースであって、前記沈設体の軸方向の千鳥配列を
もって互いに連結することにより、前記主桁を前記沈設
体の周方向の同一接面上に配置したことを特徴とする。
【0013】また、請求項8に係るセグメントピース
は、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載するセ
グメントピースであって、前記沈設体の前記主桁の総重
量が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等
しいことを特徴とする。また、請求項9に係るセグメン
トピースは、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記
載するセグメントピースであって、前記沈設体の前記主
桁の総重量と前記沈設体の前記スキンプレートの総重量
との和が、前記地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量
に等しいことを特徴とする。また、請求項10に係るセ
グメントピースは、請求項1乃至請求項7のいずれか1
つに記載するセグメントピースであって、前記沈設体の
前記主桁の総重量と前記沈設体の前記スキンプレートの
総重量と帯鉄筋の総重量との和が、前記地中構造物に要
求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とする。
【0014】また、請求項11に係る地中構造物の構築
方法は、請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載
するセグメントピースで構設された沈設体を用いて地中
構造物を構築することを特徴とする。
【0015】このような構成を有する本発明のセグメン
トピースは、主桁を介して互いを連結させることによっ
て、地中構造物の原型となる沈設体を構設することがで
きるものである。そして、かかる主桁の第1所定箇所に
は鉄筋孔が設けられている。ここで、第1所定箇所と
は、本発明のセグメントピースを千鳥配列をもって互い
に連結して、沈設体を構設したときにも、各鉄筋孔が直
線上に配置される位置をいう。従って、本発明のセグメ
ントピースが沈設体を構設したときは、常に、鉄筋孔は
直線上に配置(すなわち、列置)されることになる。
【0016】そこで、直線上に配置された鉄筋孔に複数
の鉄筋を直列に挿通しながら、各鉄筋を一本化し、さら
に、その後において、一本化された鉄筋を沈設体に止着
させている。これには、例えば、以下のような手順で行
っている。先ず、両端にスリーブが圧着された鉄筋の一
端側を、沈設体の上方から、沈設体の上面をなす主桁の
鉄筋孔に挿通する。そして、沈設体の上面をなす主桁
と、挿通中の鉄筋の他端側のスリーブとの間に、仮止プ
レートを挟み入れることによって、挿通中の鉄筋を仮止
めする。
【0017】このとき、仮止めされた挿通中の鉄筋の他
端側のスリーブに対して、植込ボルトをねじ込み、さら
に、かかる植込ボルトに対して、沈設体の上方から、別
の鉄筋の一端側のスリーブをねじ込むことにより、仮止
めされた挿通中の鉄筋の他端側のスリーブと別の鉄筋の
一端側のスリーブを、植込ボルトを介して互いに接合す
る。これによって、仮止めされた挿通中の鉄筋と別の鉄
筋を直線状に強固に接続することができる。このように
して、仮止めされた挿通中の鉄筋と別の鉄筋を接続した
後は、挿通中の鉄筋に対する仮止めを解除する。そし
て、挿通中の鉄筋に接続された別の鉄筋の一端側までが
沈設体の内部に入るまで、挿通中の鉄筋に接続された別
の鉄筋を沈設体の上面をなす主桁の鉄筋孔に挿通させ
る。
【0018】その後は、かかる別の鉄筋に対しても、同
様な作業(仮止め、接続、挿通)を繰り返す。かかる繰
り返し作業は、直線状に接続された複数の鉄筋の長さ
が、沈設体の軸方向の長さとほぼ等しくなるまで続行さ
れ、これによって、直線上に配置された鉄筋孔に直列に
挿通された各鉄筋を一本化する。
【0019】そして、最後に接続された鉄筋の他端側の
スリーブに対し、植込ボルトをねじ込むことによって、
かかる植込ボルトを、沈設体の上面をなす主桁の鉄筋孔
から沈設体の外部へ突出させる。その後は、かかる植込
ボルトに対して止着プレートをねじ込むことによって、
止着プレートを沈設体の上面をなす主桁に圧接させる。
これにより、一本化された鉄筋を沈設体に止着させる。
【0020】尚、直線上に配置された鉄筋孔にフレキシ
ブル鉄筋を挿通し、さらに、その後において、フレキシ
ブル鉄筋を沈設体に止着させてもよい。
【0021】このようにして、一本化された鉄筋又はフ
レキシブル鉄筋は沈設体に止着されるので、複数のセグ
メントピースで構設された沈設体を原型とする地中構造
物の主鉄筋となることができる。そして、一本化された
鉄筋又はフレキシブル鉄筋(沈設体の軸方向の鉄筋で、
鋼−コンクリート複合の地中構造物の主鉄筋となるも
の)は、千鳥配列を考慮した第1所定箇所によって、沈
設体の円周方向にバランスして配置されるので、荷重に
対する地中構造物の抵抗力が均一になる。
【0022】また、一本化された鉄筋又はフレキシブル
鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)は、主桁の鉄筋
孔に挿通された状態にある。従って、主桁は、一本化さ
れた鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋と
なるもの)の座屈を防止することができる。さらに、沈
設体の構設時においては、主桁の各々は隣合うことによ
って平面的に一体となり、一本化された鉄筋又はフレキ
シブル鉄筋(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てを
取り囲む状態にある。そして、平面的に一体となった主
桁は、スキンプレートの両端に形設されたものであるか
ら、スキンプレートの両端に形設された主桁の間隔毎に
位置する。よって、平面的に一体となった主桁を地中構
造物の帯鉄筋とみなすことができる。また、平面的に一
体となった主桁の各々を、地中構造物の帯鉄筋の一部と
みなすことができる。
【0023】以上により、一本化された鉄筋又はフレキ
シブル鉄筋が地中構造物の主鉄筋になるとともに、平面
的に一体となった主桁を地中構造物の帯鉄筋とみなすこ
とができる。従って、鋼−コンクリート複合の地中構造
物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を、本発明のセグメント
ピースで構設される沈設体と沈設体に止着される鉄筋又
はフレキシブル鉄筋で代用させることができる。
【0024】また、本発明のセグメントピースは、主桁
の第2所定箇所に設けられた貫通孔を使用したボルト接
合により、主桁を介して互いに連結される。ここで、第
2所定箇所とは、本発明のセグメントピースを千鳥配列
をもって互いに連結して、沈設体を構設したときにも、
接面する互いの主桁の貫通孔が連通する位置をいう。従
って、本発明のセグメントピースが沈設体を構設したと
きは、常に、接面する互いの主桁の貫通孔は連通するこ
とになる。
【0025】さらに、主桁の第2所定箇所に設けられた
貫通孔は、縦リブの両側に隣接した位置にある。従っ
て、地中構造物に対して沈設体の軸方向に引張荷重が加
わって、接面する互いの主桁に対して縦リブを介した引
張力が作用しても、接面する互いの主桁は、かかる縦リ
ブの両側に隣接した貫通孔を介してボルト接合されてい
るので、接面する互いの主桁が離間するような変形は起
らない。
【0026】また、沈設体の構設時において、沈設体の
軸方向の千鳥配列をもってセグメントピースの主桁を接
面させていれば、沈設体の周方向に平面的に一体となっ
た主桁の各々(地中構造物の帯鉄筋の一部とみなされる
もの)は、交互に重なり合いながら接面する。従って、
平面的に一体となった主桁(地中構造物の帯鉄筋とみな
されるもの)において、帯鉄筋の一部同士(平面的に一
体となった主桁の各々)を接合する際に要求される、例
えば鉄筋直径(ここでは、主桁の厚さ)の20倍以上な
どのオーバーラップを確保することができる。
【0027】また、平面的に一体となった主桁(地中構
造物の帯鉄筋とみなされるもの)の総重量を、地中構造
物に要求される帯鉄筋の総重量に等しくすることによ
り、地中構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保する。
沈設体においては、平面的に一体とならない主桁は存在
しないことから、平面的に一体となった主桁(地中構造
物の帯鉄筋とみなされるもの)の総重量とは、沈設体の
主桁の総重量である。
【0028】また、スキンプレートも、地中構造物の帯
鉄筋の一部とみなされる主桁を形設したものであるか
ら、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造
物の主鉄筋となるもの)の座屈を防止すると考えること
ができる。さらに、沈設体の構設時においては、スキン
プレートは隣合うことによって平面的に一体となり、一
本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造物の主
鉄筋となるもの)の全てを取り囲む状態にあるので、地
中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができる。そこ
で、この場合には、沈設体の主桁の総重量に沈設体のス
キンプレートの総重量を加えた和を、地中構造物に要求
される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中構
造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することができ
る。
【0029】また、さらに帯鉄筋を付け加えることによ
り、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋(地中構造
物の主鉄筋となるもの)の座屈を防止することができ
る。そこで、この場合には、沈設体の主桁の総重量と沈
設体のスキンプレートの総重量と帯鉄筋の総重量を加え
た和を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等し
くすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求される強
度を確保することができる。
【0030】すなわち、本発明のセグメントピースで
は、沈設体を構設するセグメントピースの主桁の鉄筋孔
に挿通される複数の鉄筋を一本化した後に、当該沈設体
に止着しており、あるいは、沈設体を構設するセグメン
トピースの鉄筋孔に挿通されるフレキシブル鉄筋を当該
沈設体に止着しており、一本化された鉄筋又はフレキシ
ブル鉄筋が地中構造物の主鉄筋となると共に、平面的に
一体となった主桁は地中構造物の帯鉄筋とみなされ、地
中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体と沈設体
に止着される鉄筋又はフレキシブル鉄筋に代用させるこ
とができるので、その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄
筋や帯鉄筋を配置させることが不要となる。
【0031】特に、地中構造物の構築方法においては、
セグメントピースで構設された沈設体を地中構造物の原
型として使用するときは、地中構造物に要求される主鉄
筋や帯鉄筋を沈設体と沈設体に止着される鉄筋又はフレ
キシブル鉄筋に代用させることによって、鋼材を節約さ
せることができると共に、沈設体の内部に鉄筋籠を吊込
んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となる
ので、工費の削減や工期の短縮を実現できる。
【0032】さらに、地中構造物の有効断面を、沈設体
の最外面すなわちスキンプレート面の内側における構造
で評価できることになり、工事のコンパクト化に寄与す
ることができる。
【0033】また、各セグメントピースは、縦リブの両
側に隣接する主桁の貫通孔を使用したボルト接合を介し
て連結されているので、沈設体の軸方向に引張力が作用
しても、接面する主桁が離間するような変形が起こるこ
とはない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本実施の形態のセグメントピース
の斜視図を図1に示す。
【0035】図1のセグメントピース1は、スキンプレ
ート11、主桁12、継手板13、縦リブ14などから
構成されている。スキンプレート11は、円弧状に湾曲
した長方形の形状を有しており、図面の上下方向の両端
に、一対の主桁12が形設されている。また、図面の左
右方向の両端に、一対の継手板13が形設され、一対の
主桁12と接合している。また、一対の主桁12の間に
は、継手板13と平行に複数の縦リブ14が形設され、
スキンプレート11と接合している。そして、各部材
は、3〜25mm程度の厚さを有した鋼板からなってお
り、その接合は溶接によって行われる。
【0036】さらに、一対の主桁12には、継手板13
と縦リブ14の間、及び、縦リブ14同士の間にそれぞ
れ2箇所ずつ、対称的に鉄筋孔15が設けられている。
そして、セグメントピース1を千鳥配列をもって互いに
連結して、円筒状の沈設体20(図3参照)を構設した
ときでも、各セグメントピース1の鉄筋孔15が直線上
に配置されるように、鉄筋孔15が一対の主桁12に設
けられている(第1所定箇所)。また、一対の主桁12
には、縦リブ14の両側、及び、継手板13の片側に隣
接するように貫通孔であるボルト孔16がそれぞれ2箇
所ずつ対称的に設けられている。そして、セグメントピ
ース1を千鳥配列をもって互いに連結して、円筒状の沈
設体20(図3参照)を構設したときでも、接面する互
いの主桁12のボルト孔16が連通するように、ボルト
孔16が一対の主桁12に設けられている(第2所定箇
所)。尚、一対の継手板13にも、複数のボルト孔17
が対称的に設けられている。
【0037】このような構成を有するセグメントピース
1は、ボルト孔16同士、ボルト孔17同士を合わせて
ボルト接合することにより、円筒状の沈設体20(図3
参照)を構設することができる。その際、継手板13の
位置が互いにずれるように千鳥配列をもって連結する。
【0038】次に、図2を参照して、上述した鉄筋孔1
5に挿通される鉄筋21について説明する。図2に示す
ように、鉄筋21は、その両端部に、スリーブ22A、
22Bが圧着されたものである。また、かかるスリーブ
22A、22Bは、直径64mm、長さ185mmの概
略円筒状であり、その一端の内面は鉄筋21に圧着さ
れ、他端の内面はネジ部が形成されている。
【0039】このような構成を有する複数の鉄筋21
は、セグメントピース1を千鳥配列をもって互いに連結
することによって構設された円筒状の沈設体20(図3
参照)において、直線上に配置された鉄筋孔15に対
し、直列に挿通されながら一本化され、さらに、その後
において、一本化された鉄筋21は沈設体20(図3参
照)に止着される。
【0040】これには、図3〜図9に示すような手順で
行っている。先ず、図3に示すように、多数のセグメン
トピース1を千鳥配列をもって互いに連結することによ
って、円筒状の沈設体20を構設し、圧入工法あるいは
設置工法により、地中に配置し、底版コンクリート31
を打設する。このとき、上述したように、各セグメント
ピース1の鉄筋孔15は直線上に配置されている。
【0041】次に、クローラクレーン30をもって、両
端にスリーブ22A、22Bが圧着された鉄筋21を吊
り上げ、かかる鉄筋21の一端側を、沈設体20の上方
から、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15に
挿通する。かかるクローラクレーン30による吊り上げ
は、図4に示すように、鉄筋21の他端側のスリーブ2
2Bに吊り金具24をねじ込み、この吊り金具24をフ
ック32に掛けることによって行う。
【0042】そして、図5に示すように、沈設体20の
上面をなす主桁12と、挿通中の鉄筋21の他端側のス
リーブ22Bとの間に、仮止プレート25を挟み入れる
ことによって、挿通中の鉄筋21を仮止めする。
【0043】その後は、図6に示すように、仮止めされ
た挿通中の鉄筋21の他端側のスリーブ22Bにねじ込
まれた吊り金具24を外し、かかる吊り金具24に代わ
って植込ボルト23をねじ込む。さらに、図7に示すよ
うに、この植込ボルト23に対して、沈設体20の上方
から、別の鉄筋21の一端側のスリーブ22Aをねじ込
むことにより、図10に示すように、仮止めされた挿通
中の鉄筋21の他端側のスリーブ22Bと別の鉄筋21
の一端側のスリーブ22Aを、植込ボルト23を介して
互いに接合する。これによって、仮止めされた挿通中の
鉄筋21と別の鉄筋21を直線状に強固に接続すること
ができる。
【0044】このようにして、仮止めされた挿通中の鉄
筋21と別の鉄筋21を接続した後は、クローラクレー
ン30をもって、別の鉄筋21と接続されたものであっ
て、仮止めされた挿通中の鉄筋21を僅かに吊り上げ、
沈設体20の上面をなす主桁12と、挿通中の鉄筋21
の他端側のスリーブ22Bとの間に介在する仮止めプレ
ート25を外すことによって、挿通中の鉄筋21に対す
る仮止めを解除する。
【0045】そして、図8に示すように、挿通中の鉄筋
21に接続された別の鉄筋21の一端側のスリーブ22
Aが沈設体20の内部に入るまで、挿通中の鉄筋21に
接続された別の鉄筋21を、クローラクレーン30によ
って、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15に
挿通させる。
【0046】その後は、かかる別の鉄筋21に対して
も、図4〜図8に示す同様な作業(仮止め、接続、挿
通)を繰り返す。かかる繰り返し作業は、直線状に接続
された複数の鉄筋21の長さが、沈設体20の軸方向の
長さとほぼ等しくなるまで続行され、これによって、直
線上に配置された鉄筋孔15に直列に挿通された各鉄筋
21を一本化する。
【0047】そして、図9に示すように、最後に接続さ
れた鉄筋21の他端側のスリーブ22Bに対し、植込ボ
ルト23をねじ込むことによって、かかる植込ボルト2
3を、沈設体20の上面をなす主桁12の鉄筋孔15か
ら沈設体20の外部へ突出させる。その後は、かかる植
込ボルト23に対して止着プレート26をねじ込むこと
によって、止着プレート26を沈設体20の上面をなす
主桁12に圧接させる。これにより、一本化された鉄筋
21を沈設体20に止着させる。
【0048】このようにして、一本化された鉄筋21は
沈設体20に止着されるので、複数のセグメントピース
1で構設された沈設体20を原型とする地中構造物の主
鉄筋となることができる。図11は、本実施の形態のセ
グメントピース1で構設された沈設体20であって、一
本化された鉄筋21が止着されたものを切断した断面図
である。図11に示すように、一本化された鉄筋21
(地中構造物の主鉄筋となるもの)は、セグメントピー
ス1の千鳥配列を考慮することによって、沈設体20の
円周方向にバランスして配置されるので、荷重に対する
地中構造物の抵抗力が均一になるとともに、各鉄筋21
の太さを共通化させることができる。
【0049】また、一本化された鉄筋21(地中構造物
の主鉄筋となるもの)は、主桁12の鉄筋孔15に挿通
された状態にある。従って、主桁12は、一本化された
鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座屈から
防止することができる。さらに、沈設体20の構設時に
おいては、図11に示すように、主桁12の各々は隣り
合うことによって平面的に一体となり、一本化された鉄
筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てを取り
囲む状態にある。
【0050】そして、平面的に一体となった主桁12
は、スキンプレート11の両端に形設されたものである
から(図1参照)、スキンプレート11の両端に形設さ
れた主桁12の間隔ごとに位置する。よって、平面的に
一体となった主桁12を地中構造物の帯鉄筋とみなすこ
とができる。また、平面的に一体となった主桁12の各
々を、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすことができ
る。
【0051】以上より、一本化された鉄筋21が地中構
造物の主鉄筋となるとともに、平面的に一体となった主
桁12を地中構造物の帯鉄筋とみなすことができる。そ
して、主桁12は本実施の形態のセグメントピース1を
構成するものである(図1参照)。従って、地中構造物
に要求される主鉄筋や帯鉄筋を、本実施の形態のセグメ
ントピース1で構設される沈設体20と、沈設体20に
止着される鉄筋21に代用させることができる。
【0052】また、沈設体20の構設時において、千鳥
配列をもって主桁12を接面させているので、平面的に
一体となった主桁12の各々(地中構造物の帯鉄筋の一
部とみなされるもの)は、交互に重なり合いながら接面
する。本実施の形態においては、図11、図12に示す
ように、12個の主桁12が交互に重なり合いながら接
面する。従って、平面的に一体となった主桁12(地中
構造物の帯鉄筋とみなされるもの)は、図12に示すよ
うに、帯鉄筋の一部40同士(平面的に一体となった主
桁12の各々)を交互に重ね合わせながら接合している
といえる。従って、帯鉄筋の一部同士を接合する際に要
求される、例えば鉄筋直径(ここでは主桁12の厚さ)
の20倍以上などのオーバーラップを確保することがで
きる。
【0053】また、本実施の形態では、平面的に一体と
なった主桁12(地中構造物の帯鉄筋とみなされるも
の)の総重量は、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重
量に等しくしてある。従って、地中構造物の帯鉄筋に要
求される強度を確保することができる。尚、沈設体20
においては、平面的に一体とならない主桁12は存在し
ないことから、平面的に一体となった主桁12(地中構
造物の帯鉄筋とみなされるもの)の総重量とは、沈設体
20の主桁12の総重量である。
【0054】また、主桁12の第2所定箇所に設けられ
たボルト孔16は、図1に示すように、縦リブ14の両
側に隣接した位置にある。従って、地中構造物に対して
沈設体20の軸方向に引張荷重が加わって、図13に示
すように、接面する互いの主桁12に対して縦リブ14
を介した引張力Pが作用しても、接面する互いの主桁1
2は、かかる縦リブ14の両側に隣接したボルト孔16
を介してボルト接合されているので、例えば、図14に
示すように、接面する互いの主桁12が離間して、隙間
Sが形成されるような変形は起こらない。
【0055】また、本実施の形態では、主桁12に設け
られたボルト孔16は、図1に示すように、継手板13
の片側に隣接した位置にもある。従って、同様にして、
地中構造物に対して沈設体20の軸方向に引張荷重が加
わって、接面する互いの主桁12に対して継手板13を
介した引張力Pが作用しても、接面する互いの主桁12
は、かかる継手板13の片側に隣接したボルト孔16を
介してボルト接合されているので、例えば、図14に示
すように、接面する互いの主桁12が離間して、隙間S
が形成されるような変形は起こらない。
【0056】すなわち、本実施の形態のセグメントピー
ス1では、沈設体20を構設するセグメントピース1の
主桁12の鉄筋孔15に、挿通される複数の鉄筋21を
一本化した後に沈設体20に止着しており、一本化され
た鉄筋21が地中構造物の主鉄筋となるとともに、平面
的に一体となった主桁12は地中構造物の帯鉄筋とみな
され、地中構造物に要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体
20と沈設体20に止着される鉄筋21に代用させるこ
とができるので、その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄
筋や帯鉄筋を配置させることが不要となる。
【0057】特に、地中構造物の構築方法において、セ
グメントピース1で構設された沈設体20を地中構造物
の原型として使用するときは、地中構造物に要求される
主鉄筋や帯鉄筋を沈設体20に代用させることによっ
て、鋼材を節約させることができるとともに、沈設体2
0の内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置
させることが不要となるので、工費の削減や工期の短縮
を実現できる。
【0058】さらに、地中構造物の有効断面を、沈設体
20の最外面すなわちスキンプレート11面の内側にお
ける構造で評価できることになり、工事のコンパクト化
に寄与することができる。
【0059】また、各セグメントピース1は、縦リブ1
4の両側に隣接する主桁12のボルト孔16を使用した
ボルト接合を介して連結されているので、沈設体20の
軸方向に引張力Pが作用しても、図14に示すように、
接面する主桁12が離間するような変形が起こることは
ない。
【0060】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。
【0061】例えば、本実施の形態のセグメントピース
1では、セグメントピース1を千鳥配列をもって互いに
連結することによって構設された円筒状の沈設体20に
おいて、直線上に配置された鉄筋孔15に対し、複数の
鉄筋21が直列に挿通されながら一本化され、さらに、
その後において、一本化された鉄筋21は沈設体20に
止着されている。
【0062】しかし、直線上に配置された鉄筋孔15に
対し、フレキシブル鉄筋を挿通し、さらに、その後にお
いて、フレキシブル鉄筋を沈設体20に止着してもよ
い。これには、図15に示すように、沈設体20の内部
に作業員62の足場61を予め組み立てておき、次に、
クローラクレーン30をもって、フレキシブル鉄筋60
を吊り上げ、かかるフレキシブル鉄筋60の先端側を、
沈設体20の上方から、沈設体20の上面をなす主桁1
2の鉄筋孔15に挿通する。
【0063】さらに、沈設体20の上面をなす主桁12
の鉄筋孔15に挿通されたフレキシブル鉄筋60の先端
を、沈設体20の内部に組み立てられた足場61により
自由に移動することができる作業員62の補助の下で、
直線上に配置された鉄筋孔15へ次々に挿通させる。
【0064】そして、沈設体20の軸方向の長さとほぼ
等しくなるまで、フレキシブル鉄筋60を沈設体20の
内部に挿通させたら、フレキシブル鉄筋60を沈設体2
0に止着させる。これには、例えば、図16や図17に
示すように、フレキシブル鉄筋60の終端の位置に止着
部材63を予め圧着しておき、かかる止着部材63を沈
設体20の上面をなす主桁12に当接させた後に溶接す
ることにより行う。
【0065】また、図18や図19に示すように、フレ
キシブル鉄筋60の終端の位置に掛着部材64を予め溶
接しておき、かかる掛着部材64を沈設体20の上面を
なす主桁12に設けられた掛着リブ65に引っ掛けさ
せ、その後に溶接することにより行ってもよい。
【0066】このとき、フレキシブル鉄筋60は、その
自重により直線状になるが、その柔軟性により、沈設体
20の内部にコンクリートを打設する際において、その
直線の状態を保てない場合が有り得る。そこで、図20
に示すように、フレキシブル鉄筋60が挿通された鉄筋
孔15にくさび66をはめ込むことにより、フレキシブ
ル鉄筋60に張りをもたせ、沈設体20の内部にコンク
リートを打設する際においても、その直線の状態が保て
るようにする。
【0067】このようにして、フレキシブル鉄筋60は
沈設体20に止着されるので、複数のセグメントピース
1で構設された沈設体20を原型とする地中構造物の主
鉄筋となることができ、一本化された鉄筋21と同様の
効果を得ることができる。
【0068】また、本実施の形態のセグメントピース1
では、沈設体20の主桁12の総重量を、地中構造物に
要求される帯鉄筋の重量に等しくすることにより、地中
構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保している。しか
し、スキンプレート11も地中構造物の帯鉄筋の一部と
みなされる主桁12を形設したものであるから、一本化
された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座
屈から防止すると考えることができる。さらに、沈設体
20の構設時においては、スキンプレート11は隣合う
ことによって平面的に一体となり、一本化された鉄筋2
1(地中構造物の主鉄筋となるもの)の全てを取り囲む
状態にあるので、地中構造物の帯鉄筋の一部とみなすこ
とができる。
【0069】そこで、この場合には、沈設体20の主桁
12の総重量に沈設体20のスキンプレート11の総重
量を加えた和を、地中構造物に要求される帯鉄筋の総重
量に等しくすることにより、地中構造物の帯鉄筋に要求
される強度を確保することが可能となる。
【0070】または、図21に示すように、セグメント
ピース1に帯鉄筋70を付け加えることもできる。この
ようにすると、帯鉄筋70は、一本化された鉄筋21
(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座屈から防止する
と考えることができる。さらに、沈設体20の構設時に
おいては、帯鉄筋70は隣合うことによって平面的に一
体となり、一本化された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋
となるもの)の全てをスキンプレート11との間に取り
囲む状態にあるので、地中構造物の帯鉄筋の一部とみな
すことができる。
【0071】そこで、この場合には、沈設体20の主桁
12の総重量に沈設体20のスキンプレート11の総重
量と帯鉄筋70の総重量を加えた和を、地中構造物に要
求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中
構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することが可能
となる。
【0072】または、図22、図23に示すように、構
設された沈設体20の内周に帯鉄筋71を付け加えるこ
ともできる。このようにすると、帯鉄筋71は、一本化
された鉄筋21(地中構造物の主鉄筋となるもの)を座
屈から防止すると考えることができ、地中構造物の帯鉄
筋の一部とみなすことができる。
【0073】そこで、この場合には、沈設体20の主桁
12の総重量に沈設体20のスキンプレート11の総重
量と帯鉄筋71の総重量を加えた和を、地中構造物に要
求される帯鉄筋の総重量に等しくすることにより、地中
構造物の帯鉄筋に要求される強度を確保することが可能
となる。
【0074】また、本実施の形態のセグメントピース1
では、主桁12は、厚さの均一な鋼板を用いたが、その
断面が台形である鋼材を用いて、主桁12の内面がスキ
ンプレート11と100〜105度程度の鈍角で交わる
ようにしてもよい。
【0075】このようにすると、スキンプレート11、
主桁12、継手板13又は縦リブ14で形成される隅に
残存する土砂を排除することが容易となり、また、沈設
体20の内部にコンクリートを打設する際には、主桁1
2の内面の傾斜に沿って、あるいは、主桁12の鉄筋孔
15を介して、空気がスムーズに抜けていくので、沈設
体20の内部に土砂や空気が残留することがなくなる。
【0076】
【発明の効果】本発明のセグメントピースでは、沈設体
を構設するセグメントピースの主桁の鉄筋孔に挿通され
る複数の鉄筋を一本化した後に、当該沈設体に止着して
おり、あるいは、沈設体を構設するセグメントピースの
鉄筋孔に挿通されるフレキシブル鉄筋を当該沈設体に止
着しており、一本化された鉄筋又はフレキシブル鉄筋が
地中構造物の主鉄筋となると共に、平面的に一体となっ
た主桁は地中構造物の帯鉄筋とみなされ、地中構造物に
要求される主鉄筋や帯鉄筋を沈設体と沈設体に止着され
る鉄筋又はフレキシブル鉄筋に代用させることができる
ので、その内部に鉄筋籠を吊込んだり、主鉄筋や帯鉄筋
を配置させることが不要となる。
【0077】特に、地中構造物の構築方法において、セ
グメントピースで構設された沈設体を地中構造物の原型
として使用するときは、地中構造物に要求される主鉄筋
や帯鉄筋を沈設体と沈設体に止着される鉄筋又はフレキ
シブル鉄筋に代用させることによって、鋼材を節約させ
ることができるとともに、沈設体の内部に鉄筋籠を吊込
んだり、主鉄筋や帯鉄筋を配置させることが不要となる
ので、工費の削減や工期の短縮を実現できる。
【0078】さらに、地中構造物の有効断面を、沈設体
の最外面すなわちスキンプレート面の内側における構造
で評価できることになり、工事のコンパクト化に寄与す
ることができる。
【0079】また、各セグメントピースは、縦リブの両
側に隣接する主桁の貫通孔を使用したボルト接合を介し
て連結されているので、沈設体の軸方向に引張力が作用
しても、接面する主桁が離間するような変形が起こるこ
とはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセグメントピースの斜視図である。
【図2】本発明のセグメントピースで使用される鉄筋の
概略図である。
【図3】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に
複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロ
ー図である。
【図4】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に
複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロ
ー図である。
【図5】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に
複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロ
ー図である。
【図6】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に
複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロ
ー図である。
【図7】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に
複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロ
ー図である。
【図8】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に
複数の鉄筋を挿通しながら一本化する手順を示したフロ
ー図である。
【図9】本発明のセグメントピースで構設した沈設体に
挿通されながら一本化された複数の鉄筋を、止着プレー
トを使用することによって沈設体に止着する方法を説明
する図である。
【図10】本発明のセグメントピースで使用される鉄筋
の接続部分を示した概略図である。
【図11】本発明のセグメントピースで構設された沈設
体を切断した断面図である。
【図12】本発明のセグメントピースを千鳥配列で連結
することにより沈設体を構設した場合において、本発明
のセグメントピースの主桁を地中構造物に要求される帯
鉄筋の一部とみなしたときの概念図である。
【図13】本発明のセグメントピースで構設された沈設
体の縦リブ近傍を示した図である。
【図14】悪い例のセグメントピースで構設された沈設
体の縦リブ近傍を示した図である。
【図15】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
にフレキシブル鉄筋を挿通する手順を示したフロー図で
ある。
【図16】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
に挿通されたフレキシブル鉄筋を、止着部材を使用する
ことによって沈設体に止着する方法を説明する図であ
る。
【図17】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
に挿通されたフレキシブル鉄筋を、止着部材を使用する
ことによって沈設体に止着する方法を説明する図であ
る。
【図18】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
に挿通されたフレキシブル鉄筋を、掛着部材を使用する
ことによって沈設体に止着する方法を説明する図であ
る。
【図19】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
に挿通されたフレキシブル鉄筋を、掛着部材を沈設体に
止着する方法を説明する図である。
【図20】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
に挿通されたフレキシブル鉄筋を直線状に保つ方法を説
明する図である。
【図21】本発明のセグメントピースに帯鉄筋を付け加
えたセグメントピースの斜視図である。
【図22】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
に帯鉄筋を付け加えた説明図である。
【図23】本発明のセグメントピースで構設した沈設体
に帯鉄筋を付け加えた説明図である。
【図24】従来技術のセグメントピースの斜視図であ
る。
【図25】セグメントピースで構設された沈設体の斜視
図である。
【符号の説明】
1 セグメントピース 11 スキンプレート 12 主桁 14 縦リブ 15 鉄筋孔 16 ボルト孔 20 沈設体 21 鉄筋 22 スリーブ 23 植込ボルト 60 フレキシブル鉄筋 70 帯鉄筋 71 帯鉄筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 倫也 愛知県海部郡蟹江町大字蟹江新田字下市場 19番地の1 株式会社加藤建設内 (72)発明者 佐藤 和義 埼玉県熊谷市大字三ヶ尻6100番地 日本鋼 管ライトスチール株式会社内 (72)発明者 長岡 省吾 埼玉県熊谷市大字三ヶ尻6100番地 日本鋼 管ライトスチール株式会社内 (72)発明者 市川 博康 愛知県稲沢市次郎丸26−2

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スキンプレートの周囲に形設されるとと
    もに縦リブで補強された主桁を介して互いを連結するこ
    とにより、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型と
    なる沈設体を構設する鋼製のセグメントピースにおい
    て、 前記主桁の第1所定箇所に設けられた鉄筋孔を備え、 前記沈設体の構設時に列置する鉄筋孔へ複数の鉄筋を直
    列に挿通させながら一本化した後、前記沈設体に対して
    止着することによって、前記地中構造物の主鉄筋を形成
    することを特徴とするセグメントピース。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するセグメントピースに
    おいて、 前記鉄筋の端部に圧着されたスリーブを植込ボルトを介
    して互いに接合することにより、前記鉄筋を一本化する
    ことを特徴とするセグメントピース。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載するセグメントピースに
    おいて、 前記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄筋のスリーブと前
    記鉄筋孔を設けた主桁との間に仮止プレートを挟み入れ
    ることによって、前記鉄筋孔に挿通された状態にある鉄
    筋を仮止めすることを特徴とするセグメントピース。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載するセグメ
    ントピースにおいて、 一本化された鉄筋のスリーブに
    螺挿された植込ボルトに対し止着プレートをねじ込ん
    で、前記止着プレートを前記主桁に圧接させることによ
    って、一本化された鉄筋を前記沈設体に対して止着する
    ことを特徴とするセグメントピース。
  5. 【請求項5】 スキンプレートの周囲に形設されるとと
    もに縦リブで補強された主桁を介して互いに連結するこ
    とにより、鋼−コンクリート複合の地中構造物の原型と
    なる沈設体を構設する鋼製のセグメントピースにおい
    て、 前記沈設体の構設時に列置する鉄筋孔へフレキシブル鉄
    筋を挿通した後、前記沈設体に対して止着することによ
    って、前記地中構造物の主鉄筋を形成することを特徴と
    するセグメントピース。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに
    記載するセグメントピースにおいて、 前記縦リブの両側に隣接する位置であって、前記主桁の
    第2所定箇所に設けられた貫通孔を備え、 前記沈設体の構設時に連通する互いの貫通孔を介したボ
    ルト接合によって、互いを連結することを特徴とするセ
    グメントピース。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに
    記載するセグメントピースにおいて、 前記沈設体の軸方向の千鳥配列をもって互いに連結する
    ことにより、前記主桁を前記沈設体の周方向の同一接面
    上に配置したことを特徴とするセグメントピース。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに
    記載するセグメントピースにおいて、 前記沈設体の前記主桁の総重量が、前記地中構造物に要
    求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とするセグ
    メントピース。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに
    記載するセグメントピースにおいて、 前記沈設体の前記主桁の総重量と前記沈設体の前記スキ
    ンプレートの総重量との和が、前記地中構造物に要求さ
    れる帯鉄筋の総重量に等しいことを特徴とするセグメン
    トピース。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項7のいずれか1つ
    に記載するセグメントピースにおいて、 前記沈設体の前記主桁の総重量と前記沈設体の前記スキ
    ンプレートの総重量と帯鉄筋の総重量との和が、前記地
    中構造物に要求される帯鉄筋の総重量に等しいことを特
    徴とするセグメントピース。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    つに記載するセグメントピースで構設された沈設体を用
    いて地中構造物を構築することを特徴とする地中構造物
    の構築方法。
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