JP3929654B2 - 動圧軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸部とフランジ部とからなるフランジ付シャフトを備える動圧軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動圧軸受としては、図9に示すように、ハウジング91内に、軸部93とフランジ部94とからなるフランジ付シャフト92を回転自在に嵌合したものがある。上記フランジ部94の軸方向の端面95,96またはその端面95,96に対向するハウジング91のスラスト軸受面97,98には、図示しないが、フランジ付シャフト92をスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝を形成している。また、上記軸部93の周面には、フランジ付シャフト92をラジアル方向に支持するラジアル用動圧溝99を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記動圧軸受において、フランジ部94の端面95,96に例えばプレス加工等でスラスト用動圧溝を形成した場合、軸部93に対するフランジ部94の直角度が悪くなる場合がある。その場合、フランジ付シャフト92がハウジング91に対して回転すると、フランジ部94の外周縁がスラスト軸受面97,98に接触(所謂片当たり)する。その結果、上記フランジ部94の外周縁およびスラスト軸受面97,98が次第に摩耗するという問題がある。
【0004】
一方、上記ハウジング91のスラスト軸受面97,98にスラスト用動圧溝を形成する場合、そのスラスト軸受面97,98を形成するハウジング91の形状が複雑であるため、スラスト用動圧溝を高精度に形成するのが困難であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、フランジ部およびスラスト軸受面の摩耗を低減できると共に、スラスト用動圧溝を高精度かつ容易に形成できる動圧軸受を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の動圧軸受は、
ハウジングと、
上記ハウジング内に相対回転自在に嵌合すると共に、軸部とフランジ部とからなるフランジ付シャフトと、
上記フランジ付シャフトをスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝が形成された薄板と
を備え、
上記薄板が、上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置され、
上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置された上記薄板に開口を設けて、
この開口と、上記薄板とこの薄板に対向する上記ハウジングのスラスト軸受面との間の隙間とを介して、上記フランジ部の周面と上記ハウジングとの間と、上記軸部の周面と上記ハウジングとの間とを連通させたことを特徴としている。
【0007】
上記請求項1の発明の動圧軸受によれば、上記フランジ付シャフトをスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝を薄板に形成しているので、フランジ部に例えばプレス加工等でスラスト用動圧溝を形成する必要がない。したがって、上記フランジ部自体にスラスト用動圧溝を加工する必要がなくなって、軸部に対するフランジ部の直角度にくるいが生じない。その結果、上記ハウジングに対してフランジ付シャフトが回転しても、フランジ部の外周縁が、そのフランジ部に対向するハウジングのスラスト軸受面に接触しにくくなって、フランジ部およびスラスト軸受面における摩耗を低減できる。また、上記フランジ付シャフトに対してハウジングが回転する場合も同様の効果を奏する。
【0008】
また、上記薄板は単純な形状なので、その単純形状の薄板にスラスト用動圧溝を高精度かつ容易に形成できる。
また、上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように、スラスト用動圧溝が形成された薄板を配置するので、そのスラスト用動圧溝が発生する動圧によってフランジ付シャフトをスラスト方向に確実に支持できる。
また、上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置された薄板に開口を設けているので、この開口と、上記薄板とこの薄板に対向するハウジングのスラスト軸受面との間の隙間とを介して、フランジ部の周面とハウジングとの間に充填される潤滑剤と、軸部の周面とハウジングとの間に充填される潤滑剤との循環が可能になる。したがって、上記フランジ付シャフトの各部とハウジングとの間における潤滑剤の量にアンバランスが生じることがない。その結果、上記フランジ付シャフトの各部とハウジングとの間において、潤滑剤の不足が起こりにくくなって、ハウジングまたはフランジ部に複雑な加工を行わなくても、良好な潤滑状態を維持できる。また、このようにフランジ部に潤滑用の通路を設けなくても、潤滑剤を循環できる。つまり、フランジ部に循環用の通路を加工する必要がないから、フランジ部の径を大きくする必要がなく、したがって、トルクも増大しない。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
請求項2の発明の動圧軸受は、
ハウジングと、
上記ハウジング内に相対回転自在に嵌合すると共に、軸部とフランジ部とからなるフランジ付シャフトと、
上記フランジ付シャフトをスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝が形成された弾性のある薄板と
を備え、
上記薄板は、上記フランジ部の軸方向に垂直な面に対向するように配置され、
上記薄板は環状であり、
上記薄板は内周縁と外周縁とうちの一方のみが上記ハウジングに固定され、
上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置された上記薄板に開口を設けて、この開口と、上記薄板とこの薄板に対向する上記ハウジングのスラスト軸受面との間の隙間とを介して、上記フランジ部の周面と上記ハウジングとの間と、上記軸部の周面と上記ハウジングとの間とを連通させたことを特徴としている。
【0014】
上記請求項2の発明の動圧軸受によれば、上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置された薄板に開口を設けているので、この開口と、上記薄板とこの薄板に対向するハウジングのスラスト軸受面との間の隙間とを介して、フランジ部の周面とハウジングとの間に充填される潤滑剤と、軸部の周面とハウジングとの間に充填される潤滑剤との循環が可能になる。したがって、上記フランジ付シャフトの各部とハウジングとの間における潤滑剤の量にアンバランスが生じることがない。その結果、上記フランジ付シャフトの各部とハウジングとの間において、潤滑剤の不足が起こりにくくなって、ハウジングまたはフランジ部に複雑な加工を行わなくても、良好な潤滑状態を維持できる。また、このようにフランジ部に潤滑用の通路を設けなくても、潤滑剤を循環できる。つまり、フランジ部に循環用の通路を加工する必要がないから、フランジ部の径を大きくする必要がなく、したがって、トルクも増大しない。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の動圧軸受を図示の実施形態により詳細に説明する前に、まず、本発明をより理解し易くするために第1〜第4参考例を説明する。
【0018】
(第1参考例)
図1は本発明の第1参考例の動圧軸受の断面図である。この動圧軸受は、図1に示すように、スリーブ3とこのスリーブ3の一端に取り付けられたプレート4とで構成されたハウジング1と、軸部5とフランジ部6とからなるフランジ付シャフト2とを備え、ハウジング1内にフランジ付シャフト2を相対回転自在に嵌合している。上記ハウジング1とフランジ付シャフト2との間には、図示しないが、潤滑剤を充填している。上記フランジ部6が対向するスリーブ3のスラスト軸受面3aには、スラスト用動圧溝9が形成された環状の薄板7を取り付けている。また、上記フランジ部6が対向するプレート4のスラスト軸受面4aにも、スラスト用動圧溝8を形成している。これらのスラスト用動圧溝8,9が、フランジ付シャフト2の回転により、潤滑剤に動圧を発生することによって、フランジ付シャフト2をスラスト方向に支持する。また、上記フランジ付シャフト2をラジアル方向に支持するために、フランジ付シャフト2の軸部5の周面にラジアル用動圧溝(図示せず)を設けている。
【0019】
上記構成の動圧軸受は、フランジ付シャフト2をスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝9を薄板7に形成しているので、フランジ部6に例えばプレス加工等でスラスト用動圧溝を形成する必要がない。したがって、上記フランジ部6自体にスラスト用動圧溝を加工しないから、軸部5に対するフランジ部6の直角度にくるいが生じない。その結果、上記ハウジング1に対してフランジ付シャフト2が回転しても、フランジ部6の外周縁が、スラスト軸受面4aおよび薄板7に接触しにくくなって、フランジ部6の外周縁,プレート4のスラスト軸受面4aおよび薄板7の摩耗を低減できる。また、上記フランジ付シャフト2に対してハウジング1が回転する場合も同様の効果を奏する。
【0020】
また、上記薄板7は単純な形状なので、その単純形状の薄板7にスラスト用動圧溝を高精度かつ容易に形成できる。
【0021】
(第2参考例)
図2は本発明の第2参考例の動圧軸受の断面図である。この動圧軸受は、図2に示すように、スリーブ23とこのスリーブ23の一端に取り付けられたプレート24とで構成されたハウジング21内に、フランジ付シャフト22を相対回転自在に嵌合して、ハウジング21とフランジ付シャフト22との間に図示しない潤滑剤を充填している。このフランジ付シャフト22は軸部25とフランジ部26とからなって、そのフランジ部26のプレート24側の端面26aに、スラスト用動圧溝29が形成された弾性のある環状の薄板27を取り付けている。また、上記フランジ部26の端面26bとその端面26bに対向するスリーブ23のスラスト軸受面23aとの間に、スラスト用動圧溝30が形成された弾性のある環状の薄板28を配置している。この薄板28の外周縁は、スリーブ24の内周面に設けられた段部に固定している。なお、上記フランジ付シャフト22の軸部25の周面には、図示しないが、ラジアル用動圧溝を設けている。
【0022】
上記構成の動圧軸受は、第1参考例の動圧軸受と同様の効果を有すると共に、ハウジング21またはフランジ付シャフト22が振れ回ったとしても、弾性を有する薄板28がフランジ部26の端面26bにならうので、フランジ部26と薄板28とがより接触しにくくなって、フランジ部26の摩耗をより低減できる。
【0023】
また、上記フランジ部26の軸方向の端面26aに取り付けた薄板27のスラスト用動圧溝29が動圧を発生するので、フランジ部26自体にスラスト用動圧溝29を形成することなく、フランジ部26の回転によって動圧を発生させて、フランジ付シャフト22をスラスト方向に確実に支持できる。
【0024】
(第3参考例)
図3は本発明の第3参考例の動圧軸受の断面図である。この動圧軸受は、図3に示すように、ハウジング31内に、軸部35とフランジ部36とからなるフランジ付シャフト32を相対回転自在に嵌合して、ハウジング31とフランジ付シャフト32との間に図示しない潤滑剤を充填している。
【0025】
上記ハウジング31は、スリーブ33とこのスリーブ33の一端に取り付けられたプレート34とで構成されている。このスリーブ33のスラスト軸受面33aにおいて、軸部35近傍から軸方向に突出した突出部33bが形成されている。また、上記スリーブ33の一端に取り付けられたプレート34では、軸方向に向かって延びる凸部34aを有する。上記プレート34,スリーブ33とフランジ部36との間に、弾性のある環状の薄板37,38を夫々配置して、フランジ部36の端面36a,36bに薄板37,38を対向させている。上記薄板37は、プレート34の凸部34aの先端に固定している。一方、上記薄板38は、スリーブ33の突出部33bの先端に固定している。また、上記薄板37,38には、フランジ付シャフト32をスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝39,40が形成されている。また、上記フランジ付シャフト32の軸部35の周面には、図示しないが、ラジアル用動圧溝を設けている。
【0026】
上記構成の動圧軸受は、第1参考例の動圧軸受と同様の効果を有すると共に、ハウジング31またはフランジ付シャフト32が振れ回ったとしても、弾性を有する薄板37,38がフランジ部36の端面36a,36bに夫々ならうので、フランジ部36と薄板37,38とがより接触しにくくなって、フランジ部36の摩耗をより低減できる。
【0027】
(第4参考例)
図4は本発明の第4参考例の動圧軸受の断面図である。この動圧軸受は、図4に示すように、ハウジング41にフランジ付シャフト42を相対回転自在に嵌合して、ハウジング41とフランジ付シャフト42との間に図示しない潤滑剤を充填している。上記フランジ付シャフト42は、軸部43とフランジ部44とからなる。このフランジ部44とハウジング41との間に、スラスト用動圧溝48が形成された弾性のある環状の薄板45を配置するために、その薄板45の外周縁をハウジング41の一端の段部に固定している。一方、上記ハウジング41の他端の端面にも、スラスト用動圧溝49が形成された環状の薄板46を取り付けている。また、その薄板46に対向する環状の薄板47は、弾性を有すると共に、軸部43の図中下側の端部に取り付けられている。また、上記フランジ付シャフト42の軸部43の周面には、図示しないが、ラジアル用動圧溝を形成している。
【0028】
上記構成の動圧軸受は、第1参考例の動圧軸受と同様の効果を有すると共に、ハウジング41またはフランジ付シャフト42が振れ回ったとしても、弾性を有する薄板45,47がフランジ部44の端面44a,薄板46にならうので、フランジ部44および薄板46が薄板45,47により接触しにくくなって、フランジ部44の摩耗をより低減できる。
【0029】
また、上記実施形態では、薄板46にスラスト用動圧溝49を形成したが、薄板47にスラスト用動圧溝を形成してもよい。
【0030】
( 実施形態)
図5は本発明の実施形態の動圧軸受の断面図である。この動圧軸受は、図5に示すように、スリーブ53とこのスリーブ53の一端に取り付けられたプレート54とで構成されたハウジング51と、このハウジング51内に回転自在に嵌合したフランジ付シャフト52とを備えている。上記ハウジング51とフランジ付シャフト52との間には、図示しないが、潤滑剤を充填している。このフランジ付シャフト52は軸部55とフランジ部56とからなって、そのフランジ部56とスリーブ53との間に、スラスト用動圧溝65が形成された弾性のある環状の薄板57を配置している。その薄板57の外周縁は、スリーブ53と環状の固定部材58とで挟まれて固定されている。また、上記薄板57には、図6(a)に示すように、円状の開口60を設けている。その開口60は、図5に示すように、薄板57を軸方向に貫通する貫通穴であり、この開口60を薄板57に設けることによって、薄板57とこの薄板57に対向するスリーブ53のスラスト軸受面53aとの間の隙間を介して、フランジ部56の周面と固定部材58の内周面との間と、軸部55の周面とスリーブ53の内周面との間とを連通させている。また、上記軸部55の周面には、ラジアル用動圧溝59を設けている。なお、上記フランジ部56に対向するプレート54のスラスト軸受面54aにも、スラスト用動圧溝64を形成している。
【0031】
上記構成の動圧軸受は、ハウジング51に対してフランジ付シャフト52が回転すると、スラスト軸受面54aと薄板58とに形成されたスラスト用動圧溝64,65が潤滑剤に発生する動圧によって、フランジ付シャフト52をスラスト方向に支持する。また、上記フランジ付シャフト52における軸部55の周面のラジアル用動圧溝59が潤滑剤に発生する動圧によって、フランジ付シャフト52をラジアル方向に支持する。このとき、上記ハウジング51とフランジ付シャフト52との間に充填された潤滑剤は、スラスト用動圧溝64,65およびラジアル用動圧溝59に引き込まれる。その結果、上記軸部55とフランジ部56との接続部周辺において潤滑剤が不足するが、フランジ部56の周面と固定部材58の内周面との間の潤滑剤が、薄板57に設けられた開口60と、薄板57とスラスト軸受面53aとの間の隙間とを介して、軸部55とフランジ部56との接続部周辺の隙間に流入する。
【0032】
このように、上記薄板57に開口60を設けているので、この開口60と、薄板57とスリーブ53のスラスト軸受面53aとの間の隙間とを介して、フランジ部56の周面と固定部材58の内周面との間の潤滑剤と、軸部55の周面とスリーブ53の内周面との間の潤滑剤との循環が可能になる。したがって、上記フランジ付シャフト52の各部とハウジング51との間における潤滑剤の量にアンバランスが生じることがない。その結果、上記フランジ付シャフト52の各部とハウジング51との間において、潤滑剤の潤滑不良が起こりにくくなって、ハウジング51またはフランジ部56に複雑な加工を行わずに、良好な潤滑状態を維持できる。また、このようにフランジ部56に循環用の通路を設けなくても、潤滑剤を循環できる。つまり、フランジ部56に循環用の通路を加工する必要がないから、フランジ部56の径を大きくする必要がなく、したがって、トルクも増大しない。また、上記フランジ付シャフト52に対してハウジング51が回転する場合も同様の効果を奏する。
【0033】
また、上記動圧軸受は、第1参考例の動圧軸受と同様の効果を有すると共に、ハウジング51またはフランジ付シャフト52が振れ回ったとしても、弾性を有する薄板57がフランジ部56の端面56bにならうので、フランジ部56と薄板57とがより接触しにくくなって、フランジ部56の摩耗をより低減できる。
【0034】
また、上記薄板57は、例えばシート等にエッチングでスラスト動圧溝65を設ける時に、そのエッチングで開口60も形成できるので、安価に製作できる。
【0035】
また、上記実施形では、薄板57に円状の開口60を設けたが、図6(b),(c)に示す略半円形状の開口62,63を薄板に設けてもよい。
【0036】
また、本発明の他の参考例としては次のようものがある。
(第5参考例)
図7は本発明の第5参考例の動圧軸受の断面図である。この動圧軸受は、図7に示すように、ハウジング71と、このハウジング71内に回転自在に嵌合するフランジ付シャフト72とを備えて、ハウジング71とフランジ付シャフト72との間に図示しない潤滑剤を充填している。上記フランジ付シャフト72は、図8に示すように、軸部73とフランジ部74とからなって、そのフランジ部74を変形可能な薄板で形成している。また、図7に示すように、上記フランジ部74の軸方向の端面が対向するハウジング71のスラスト軸受け面71a,71bには、図示しないスラスト用動圧溝を夫々形成している。また、上記軸部73の周面には、ラジアル用動圧溝75を設けている。
【0037】
上記構成の動圧軸受は、ハウジング71に対してフランジ付シャフト72が回転すると、変形可能な薄板で形成されたフランジ部74がハウジング71のスラスト軸受面71a,71bにならう。したがって、上記軸部75に対するフランジ部74の直角度が悪くても、フランジ部74の外周縁がスラスト軸受面71a,71bに接触しにくくなって、フランジ部74の外周縁およびスラスト軸受面71a,71bにおける摩耗を低減できる。また、上記フランジ付シャフト72に対してハウジング71が回転する場合も同様の効果を奏する。
【0038】
上記第5参考例では、ハウジング71のスラスト軸受面71a,71bにスラスト用動圧溝を形成したが、フランジ部74に形成してもよい。この場合、薄板で形成されたフランジ部74は単純な形状なので、その単純形状のフランジ部74にスラスト用動圧溝を高精度かつ容易に形成できる。
【0039】
なお、上記円板状のフランジ部74の直径をDとすると、そのフランジ部74の軸方向の肉厚を0.03D以下に設定するのがより好まししいことが分った。
【0040】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の動圧軸受は、フランジ付シャフトをスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝を薄板に形成することによって、フランジ部自体にスラスト用動圧溝を加工する必要がなくなって、軸部に対するフランジ部の高精度な直角度に悪影響が生じないので、フランジ部の外周縁とそのフランジ部に対向するハウジングのスラスト軸受面との接触が防止されて、フランジ部およびスラスト軸受面における摩耗を低減できる。
【0041】
また、請求項1の発明の動圧軸受は、上記薄板は単純な形状なので、その単純形状の薄板にスラスト用動圧溝を高精度かつ容易に形成できる。
【0042】
【0043】
また、請求項1の発明の動圧軸受は、上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように、スラスト用動圧溝が形成された薄板を配置するので、そのスラスト用動圧溝が発生する動圧によってフランジ付シャフトをスラスト方向に確実に支持できる。
【0044】
また、請求項1の発明の動圧軸受は、上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置された薄板に開口を設けているので、フランジ付シャフトの各部とハウジングとの間における潤滑剤の量にアンバランスが生じることがなくなって、良好な潤滑状態を維持できる。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例の動圧軸受の断面図である。
【図2】 本発明の第2参考例の動圧軸受の断面図である。
【図3】 本発明の第3参考例の動圧軸受の断面図である。
【図4】 本発明の第4参考例の動圧軸受の断面図である。
【図5】 本発明の実施形態の動圧軸受の断面図である。
【図6】 上記実施形態の動圧軸受の薄板に設けられる穴の変形例を示す図である。
【図7】 本発明の第5参考例の動圧軸受の断面図である。
【図8】 上記動圧軸受が有するフランジ付シャフトの正面図である。
【図9】 従来の動圧軸受の断面図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,51,71 ハウジング
2,22,32,42,52,72 フランジ付シャフト
5,25,35,43,55,73 軸部
6,26,36,44,56,74 フランジ部
7,27,28,37,38,45,46,47,57 薄板
3a,4a,23a,33a,53a,54a,71a,71b スラスト軸受面
6a,6b,26a,26b,36a,36b,44a,56b フランジ部の端面
8,9,29,30,39,40,48,49,64,65 スラスト用動圧溝
Claims (2)
- ハウジングと、
上記ハウジング内に相対回転自在に嵌合すると共に、軸部とフランジ部とからなるフランジ付シャフトと、
上記フランジ付シャフトをスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝が形成された薄板と
を備え、
上記薄板が、上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置され、
上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置された上記薄板に開口を設けて、
この開口と、上記薄板とこの薄板に対向する上記ハウジングのスラスト軸受面との間の隙間とを介して、上記フランジ部の周面と上記ハウジングとの間と、上記軸部の周面と上記ハウジングとの間とを連通させたことを特徴とする動圧軸受。 - ハウジングと、
上記ハウジング内に相対回転自在に嵌合すると共に、軸部とフランジ部とからなるフランジ付シャフトと、
上記フランジ付シャフトをスラスト方向に支持するスラスト用動圧溝が形成された弾性のある薄板と
を備え、
上記薄板は、上記フランジ部の軸方向に垂直な面に対向するように配置され、
上記薄板は環状であり、
上記薄板は内周縁と外周縁とうちの一方のみが上記ハウジングに固定され、
上記フランジ部の軸方向の端面に対向するように配置された上記薄板に開口を設けて、
この開口と、上記薄板とこの薄板に対向する上記ハウジングのスラスト軸受面との間の隙間とを介して、上記フランジ部の周面と上記ハウジングとの間と、上記軸部の周面と上記ハウジングとの間とを連通させたことを特徴とする動圧軸受。
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