JP3301670B2 - スラスト軸受 - Google Patents

スラスト軸受

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JP3301670B2
JP3301670B2 JP06491994A JP6491994A JP3301670B2 JP 3301670 B2 JP3301670 B2 JP 3301670B2 JP 06491994 A JP06491994 A JP 06491994A JP 6491994 A JP6491994 A JP 6491994A JP 3301670 B2 JP3301670 B2 JP 3301670B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中モータや水中ポン
プ、その他一般の推力軸受に使用される動圧型スラスト
軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−20911号公報には、回
転軸の正逆両方向の回転について、当該回転軸に作用す
る軸力(スラスト荷重)を負荷することのできるスラス
ト軸受が開示されている。具体的には、表裏両面に夫々
の面側から見て互いに逆方向のスパイラル溝を有するス
ラスト板と、作動流体を介してこのスラスト板の一方の
面と対向する固定受板と、回転軸に取り付けられると共
に作動流体を介して上記スラスト板の他方の面と対向す
る回転受板とから構成されており、上記回転軸を正逆い
ずれの方向に回転させても、上記スラスト板と回転受板
との間、あるいは上記スラスト板と固定受板との間に動
圧が発生するようになっている。
【0003】すなわち、上記回転軸が正方向へ回転する
と、スラスト板と回転受板との間の作動流体は上記スパ
イラル溝の働きによって中心側へ移動させられ、スラス
ト板と回転受板との間には動圧が発生して作動流体の潤
滑膜が形成される。これにより、回転軸に作用するスラ
スト荷重に抗しながら、回転受板とスラスト板とを非接
触の状態に保持することができる。一方、スラスト板と
固定受板との間の作動流体は上記スパイラル溝の働きに
よって外周側へ排除され、スラスト板と固定受板との間
には負圧が生じるので、スラスト板は固定受板に吸着固
定される。
【0004】また、上記回転軸が逆方向へ回転すると、
スラスト板と固定受板との間の作動流体が上記スパイラ
ル溝の働きによって中心側へ移動させられ、スラスト板
と固定受板との間には動圧が発生して作動流体の潤滑膜
が形成され、固定受板とスラスト板とを非接触の状態に
保持することができる。一方、スラスト板と回転受板と
の間の作動流体は上記スパイラル溝の働きによって外周
側へ排除され、スラスト板は回転受板に吸着固定されて
回転受板と共に回転する。従って、同公報所載のスラス
ト軸受では回転受板がいずれの方向に回転した場合であ
っも、スラスト板と回転受板あるいはスラスト板と固定
受板との間に高圧の流体潤滑膜が形成され、最小限の動
力損失で回転受板に作用するスラスト荷重を負荷できる
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報所載のスラスト軸受はスラスト板と一対の受板との相
対的な回転によって作動流体に動圧を発生させ、これに
より生じる高圧の流体潤滑膜でスラスト板と受板とを非
接触な状態に保持するので、未だ動圧が発生してない起
動時や動圧の発生が少ない低速回転時にはスラスト板と
受板とが固体接触を生じ、スラスト板あるいは受板の回
転に大きな起動トルクが必要となる他、スラスト板と受
板とがかじりを起こして損傷するという問題点があっ
た。
【0006】このような問題点に対して、従来はスラス
ト板や受板の材質として耐磨耗性に優れたセラミクスを
利用する等して対処してきたが、加工精度が出し辛く、
製造コストも高くなる傾向があった。
【0007】また、回転時にスラスト板あるいは受板に
半径方向の振れ周りが発生し、スラスト板が受板に対し
て正対しないことから動圧が十分に発生せず、やはりス
ラスト板と受板との固体接触が増加するという問題点も
あった。特に回転軸の正逆両方向の回転についてスラス
ト荷重を負荷する特開昭62−20911号公報所載の
スラスト軸受では、回転軸の回転方向が逆転する際にス
ラスト板が半径方向に飛び出してしまうこともあった。
【0008】このような問題に対処するため、前述の特
開昭62−20911号公報のスラスト軸受では、スラ
スト板と受け板の夫々に凹部を形成してそこに小球を収
容しているが、このような構造ではスラスト板の飛び出
しを防止することはできるものの、スラスト板あるいは
受板の振れ周りを完全に防止することはできなかった。
また、セラミクスからなるスラスト板に上記凹部を精度
良く加工することができず、製造コストが高くなる傾向
もあった。
【0009】また、前述の特開昭62−20911号公
報所載のスラスト軸受は水中ポンプに利用されるもので
あるが、水中ポンプではスラリーを含む揚水がスラスト
軸受を覆ってしまうので、スラリーがスラスト板と受板
との間に吸い込まれて、スラスト板や受板を損傷すると
いう問題点があった。
【0010】このような問題点に対して、従来は作動流
体を密封したケーシングでスラスト軸受を覆い、あるい
はスラスト板に耐磨耗性の高い材質を用いる等の手段で
対応していたが、装置の大型化やコスト高といった問題
点を生じていた。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、起動時あるいは
低速回転時におけるスラスト板と受け板との固体接触を
防止して、スラスト板及び受け板の損傷を防止し、更に
スラスト板あるいは受け板の半径方向の振れ周りを防止
して、振動のない円滑な回転運動を得ることが可能なス
ラスト軸受を提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、簡易な構成で
作動流体をスラスト軸受内に密封することができ、しか
も外部からスラリーを吸い込むことのないスラスト軸受
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスラスト軸受は、表裏両面に夫々の面側か
ら見て互いに逆方向のスパイラル溝を有するスラスト板
と、作動流体を介してこのスラスト板を挟み込む一対の
受板とから構成され、上記スラスト板の中心に球体を収
容すると共に、この球体を上記一対の受板で挟み込んだ
ことを特徴とするものである。
【0014】このように構成されるスラスト軸受は、特
開昭62−20911号公報の如く、一対の受け板の一
方を固定受板とすると共に他方を回転受板とし、回転受
板の正逆両方向の回転についてスラスト荷重を負荷させ
るように使用しても良いし、スラスト板あるいは一対の
受板の一方向の回転についてのみスラスト荷重を負荷さ
せるように使用しても良い。
【0015】本発明においては、スラスト板の中心に収
容された球体を一対の受板で挟み込むと、スラスト板と
受板との間にはスラスト板の厚さや球体の直径に応じた
隙間が形成される。この隙間はスラスト板と受板との間
に発生させる動圧の大きさと密接に関連しているため、
このスラスト軸受に要求されるスラスト荷重の負荷能力
に応じて適宜設計変更して差し支えない。
【0016】但し、この隙間が小さいとスラスト板及び
受板に著しく高い平面度及び平行度が要求され、その加
工が困難になる一方、上記隙間が大きいと動圧の発生が
少なくなって固体接触を生じる懸念がある。従って、ス
ラスト板の厚さは上記球体で形成される一対の受板間の
隙間よりも2〜20μm小さいことが好ましい。
【0017】また、上記一対の受板の夫々には凹状の球
面座を形成し、上記球体をこの球面座に点接触させるの
好ましい。スラスト板と受板との間に動圧が発生する
と上記球体の周囲は高圧域となるので、球面座を形成す
れば、球面座と球体との隙間に高圧の作動流体が滞留
し、球体を球面座の中心に安定して保持することが可能
となる。このため、スラスト板は球体を中心として自動
的に調心され、スラスト板の振れ周りを積極的に防止す
ることができる。
【0018】本発明において、上記球体はスラスト板に
接合されたものであっても、あるいは隙間を介してスラ
スト板に遊嵌したものであっても差し支えないが、好ま
しくはスラスト板の中心に貫通孔を形成し、この貫通孔
に上記球体を遊嵌させるのが良い。
【0019】このように球体をスラスト板の貫通孔に遊
嵌させると、スラスト板の一方の面では作動流体が中心
に向かって付勢され、他方の面では作動流体が外周側に
向かって付勢されていることから、スラスト板の貫通孔
と球体との隙間は作動流体の循環路として機能する。す
なわち、スラスト板の一方の面においてスラスト板と受
板との間に吸い込まれた作動流体は、スラスト板と球体
との隙間を介してスラスト板の他方の面に至り、当該面
を伝わってスラスト板の外周側に排出されるのである。
これにより、作動流体を満たしたケーシング内で本発明
のスラスト軸受を使用する際には、スラスト板と受板と
の隙間に対する作動流体の補給を円滑に行うことがで
き、負荷能力の向上を図ることができる。
【0020】また、スラスト板の貫通孔と球体との隙間
は2〜50μmであることが好ましい。これ以上の大き
さの隙間を形成すると作動流体の循環量が多くなり過ぎ
るので、スラスト板と受板との間に発生する動圧が小さ
くなって、スラスト荷重の負荷容量が減少するからであ
る。また、下限値は前述のように加工精度から決定され
る。
【0021】また、双方向回転型において球体をスラス
ト板の貫通孔に遊嵌させるのであれば、上記スラスト板
の表裏両面にはそこに形成されたスパライラル溝の外周
側に平面域を形成し、且つ、上記スパイラル溝と平面域
との境界にはスラスト板を貫通する循環流路を穿設する
のが好ましい。
【0022】このような構成によれば、スラスト板と受
け板との間に介在する作動流体はスパイラル溝の外周側
に形成された平面域によってシールされるので、作動流
体がスラスト板と受け板との間から漏れだすことがな
い。また、上記平面域によって軸受内に密封された作動
流体はスパイラル溝と平面域との境界部分に形成された
循環流路に流れ込むので、スラスト板を挟んで動圧の発
生しいない側から動圧の発生している側へ作動流体を循
環させることができる。
【0023】すなわち、請求項4に係る構成では、スラ
スト板の回転に伴い、作動流体はスラスト板と球体との
隙間を介して動圧の発生している側から発生していない
側へ循環し、更に、上記循環流路を介して動圧の発生し
ていない側から発生している側へ循環し、しかも軸受外
部に対する作動流体の漏れを防止することもできる。従
って、予めスラスト板の表裏両面と各受板との間に作動
流体を満たしておけば、作動流体はスラスト軸受の内部
で自己循環するので、例えば水中ポンプのスラスト軸受
のように軸受周辺がスラリーで満たされている場合であ
っても、スラリーがスラスト軸受と受板との隙間に進入
することがない。
【0024】更に、作動流体を自己循環させる場合に
は、作動流体をスラスト板と受板との隙間に供給する供
給路を固定された一方の受板(固定受板)に形成し、作
動流体を満たしたリザーブタンクをこの供給路に接続す
るのが好ましい。この構成によれば、スラスト板と受板
との間から軸受外部に漏れ出したとしても、その分の作
動流体を上記リザーブタンクから補給することができ、
自己循環している作動流体の量が減少してスラスト板と
受板とが固体接触を生じる危険性を回避することができ
る。
【0025】
【作用】本発明によれば、スラスト板の中心に球体を収
容すると共に、この球体を上記一対の受板で挟み込んで
いるので、スラスト板と受板との間に十分な動圧が発生
していない起動時や低速回転時でも、スラスト荷重は球
体によって支承され、スラスト板と受板とが固体接触を
生じることがない。しかも球体は球面で一対の受板に当
接しているので、小さな起動トルクでスラスト板あるい
は受板を回転させることができる。また、スラスト板あ
るいは受板の回転数が増加してスラスト板と受板との間
に十分な動圧が発生すれば、スラスト荷重はスラスト板
と受板との間に形成される作動流体の潤滑膜で支承され
る。
【0026】更に、スラスト板と受板との間に動圧が発
生すれば、球体の球面と受け板とが形成する隙間に高圧
の作動流体が滞留するので、球体を一定の位置に安定し
て保持することができ、スラスト板は球体を中心として
調心される。従って、受け板に対するスラスト板の振れ
周りを防止することができる。
【0027】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明のスラスト
軸受を詳細に説明する。 ◎第一実施例 図1は本発明を適用したスラスト軸受の第一実施例を示
すものである。同図において、符号1は表裏両面に溝加
工のなされたスラスト板を、符号2及び符号3はこのス
ラスト板1と所定の間隙を有して対向する一対の受板を
夫々示している。
【0028】上記受板2はモータ等の動力が伝達される
回転軸4に取り付けられた回転受板であり、キー(図示
せず)を介して上記回転軸4の先端に圧入固定されてい
る。一方、上記受板3はケーシング5に固定された固定
受板であり、その裏面側に形成された球面座6にはケー
シング5に立設されたアジャストピン7の先端球面が当
接している。また、この固定受板3の外周縁の近傍には
軸方向に沿って孔8が形成され、やはりケーシング5に
立設された回り止めピン9が緩く嵌入している。すなわ
ち、上記固定受板3はアジャストピン7を中心として揺
動自在に、且つ、回転不能に配設されている。
【0029】一方、スラスト板1の中心には貫通孔10
が形成されており、この貫通孔10には球体11が遊嵌
している。ここで、貫通孔10の直径は球体11の直径
よりも2〜50μm大きく形成され、貫通孔10の内径
と球体11との間に隙間が形成されるようになってい
る。この球体11は回転軸4に作用する軸力によって上
記回転受板2及び固定受板3に挟み込まれており、回転
受板2と固定受板3との間隙を規制している。上記スラ
スト板1の厚さは、球体11によって形成される回転受
板2と固定受板3との間隙よりも2〜20μm小さくし
てあり、スラスト板1と回転受板2、スラスト板1と固
定受板3との間に間隙が夫々形成されるようになってい
る。
【0030】図2に示すように、上記回転受板2及び固
定受板3のスラスト板1と対抗する面の中心には凹状の
球面座12,13が夫々形成されており、上記球体11
はこの球面座12,13に当接するようになっている。
この球面座12,13は各受板2,3に球体をあてが
い、プレス加工によって形成した。受板の材質硬さがH
B300の場合では、13/32インチの球体を用いて
5トンのプレス荷重を加えることで、深さ500μmの
球面座12が形成された。プレス加工に使用する球体は
スラスト板1に遊嵌させる球体11よりも直径の大きな
球を用いた。これにより、スラスト板1に収容された球
体11は極少の面積で球面座12,13に接触する他、
夫々の球面座12,13と球体11との間に隙間が形成
される。尚、プレス加工によって球面座12の周囲が盛
り上がる場合があるが、軸受の組立て上には何ら支障は
なかった。
【0031】上記スラスト円板1の回転受板2との対向
面には、図3に示すようなスパイラル溝14が等配して
形成されている。このスパイラル溝14はスラスト板1
の外周に開放される一方、球体11が遊嵌している貫通
孔10に対しては閉じている。また、図4に示すよう
に、スラスト板1の固定受板3との対向面には、スパイ
ラル溝14と同様なスパイラル溝15が捩じれ方向を異
ならせて形成されている。従って、図3に示すように、
回転受板2の側からスラスト板を見ると、スパイラル溝
15の捩じれ方向はスパイラル溝14のそれと同一であ
る。
【0032】この実施例において上記スパイラル溝1
4,15の深さは30μmとしたが、スラスト荷重の負
荷容量及び潤滑液の循環流量に応じ3〜100μmの範
囲で適宜調整される。
【0033】スラスト板1の材質はAl23であり、上
記スパイラル溝14,15はショットブラスト加工によ
って形成した。当該加工では320メッシュのAl23
粒を用い、100mmの距離からショット加工を行っ
た。加工時間は60secである。スラスト板1の材質
としては、この外にSiC、Si34、ZrO2等の硬
質セラミクスを使用することができる。また、回転受板
2及び固定受板3の材質としてはステンレス、普通鋳鉄
あるいは硬質セラミクスが用いられる一方、球体11の
材質としては軸受鋼、超硬材料あるいは硬質セラミクス
が用いられる。
【0034】そして、このように構成されたスラスト板
1、回転受板2及び固定受板3は潤滑液16を満たした
ケーシング5に収納され、互いに隣接する板の隙間には
潤滑液が介在している。
【0035】本実施例のスラスト軸受において、回転受
板2が接続された回転軸4を図3において矢線A方向へ
回転させると、回転受板2とスラスト板1との間の潤滑
液16はスラスト板に形成されたスパイラル溝14の働
きによって中心方向に付勢され、スラスト板1と回転受
板2との間に動圧が発生する。その結果、スラスト板1
と回転受板2との間には回転軸4に作用するスラスト荷
重に対抗した液膜が形成され、これら板1,2の間の流
体潤滑が行われる。一方、スラスト板1は潤滑液16の
粘性によって回転受板2と同方向に回転しようとするの
で、スラスト板1と固定受板3との間の潤滑液16はス
ラスト板1に形成されたスパイラル溝15の働きによっ
て外周方向へ付勢され、スラスト板1と固定受板3との
間には負圧が発生する。このため、スラスト板1は固定
受板3側に引っ張られ、スラスト板1と固定受板3との
間の潤滑液16の粘性によって回転受板2よりも遅い速
度で回転する。
【0036】また、回転軸4を図3において矢線B方向
へ回転させると、スラスト板1と回転受板2との間の潤
滑液16はスラスト板1に形成されたスパイラル溝14
の働きによって外周方向へ付勢され、スラスト板1と回
転受板2との間には負圧が発生する。このため、スラス
ト板1は回転受板2側に吸着され、潤滑液16の粘性に
よって回転受板2よりも遅い速度でやはり矢線B方向へ
回転する。スラスト板1が矢線B方向へ回転すると、固
定受板3とスラスト板1との間の潤滑液16はスラスト
板に形成されたスパイラル溝15の働きによって中心方
向に付勢され、スラスト板1と固定受板3との間に動圧
が発生する。その結果、スラスト板1と回転受板3との
間では液膜が形成され、回転軸4に作用するスラスト荷
重に対抗した流体潤滑が行われる。
【0037】このとき、本実施例ではスラスト板1の中
心に収容した球体11を回転受板2と固定受板3とで挟
み込んでいるので、回転軸4の起動時や低速回転時等、
動圧の発生が未だ小さく、スラスト板1と回転受板2あ
るいは固定受板3との間の流体潤滑が十分に行われてい
ない場合でも、スラスト荷重は球体によって支承され、
スラスト板1とこれに隣接する回転受板2あるいは固定
受板3との固体接触を防止することができる。
【0038】また、回転受板2と固定受板3とで挟み込
まれた球体11の周囲には高圧の潤滑液16が滞留する
ので、球体を一定の位置に安定して保持することがで
き、この球体11を中心として回転するスラスト板の振
れ回りを防止することができる。特に、本実施例では球
体11の球面よりも大きな球面座12,13を回転受板
2及び固定受板3に夫々形成しているので、球体11の
球面と上記球面座12,13とが形成する微小隙間に高
圧液が入り込み、球体の安定性は著しく高いものになっ
ている。
【0039】更に、本実施例ではスラスト板1の中心に
貫通孔10が形成されているので、潤滑液16は回転軸
4の回転に伴い、スラスト板1の表裏を循環することに
なる。すなわち、回転軸4が図3の矢印A方向へ回転し
ているとすると、スラスト板1と回転受板2との間の高
圧液は貫通孔10と球体11との隙間を介して、負圧が
発生しているスラスト板1と固定受板3との間隙に流れ
込む。また、スラスト板1に形成されたスパイラル溝1
4,15はスラススト板1の外周に開放されているの
で、スラスト板1が矢印A方向へ回転すると、ケーシン
グ5内の潤滑液16はスラスト板1と回転受板2との間
に吸引される一方、スラスト板1と固定受板3との潤滑
液はケーシング5内に排出される。その結果、回転軸4
の回転に伴って潤滑液16はスラスト板1の表裏を循環
するのである。
【0040】一方、回転軸4が図3の矢印B方向へ回転
すると、スラスト板1と固定受板3との間の高圧液は貫
通孔10と球体11との隙間を介して、負圧が発生して
いるスラスト板1と回転受板2との間隙に流れ込み、潤
滑液16は回転軸4が矢印A方向へ回転した場合と逆方
向にスラスト板1の表裏を循環する。
【0041】従って、本実施例では動圧が発生している
領域に潤滑液を円滑に供給することができ、スラスト荷
重に対する負荷能力の向上が図られている。
【0042】尚、本実施例では球体11をスラスト板1
に形成した貫通孔10に遊嵌させているが、球体をスラ
スト板に固接しても差し支えない。その場合、図5に示
すように、球体11の周囲にスラスト板1を貫通する複
数の絞り流路17を形成し、この絞り流路17を介して
潤滑液16の循環が行われるようにする。また、球体1
1はスラスト板1と共に回転することとなるが、前述の
通り球体11は球面座12,13に極少面積で接触して
いるので、回転軸の起動に必要な回転トルクは小さく抑
えることができる。
【0043】◎第二実施例 図6は本発明を適用したスラスト軸受の第二実施例を示
すものである。同図において、符号21は表裏両面に溝
加工のなされたスラスト板を、符号22及び符号23は
このスラスト板1と所定の間隙を有して対向する一対の
受板を夫々示している。
【0044】上記受板22はモータ等の動力が伝達され
る回転軸24に取り付けられた回転受板であり、キー
(図示せず)を介して上記回転軸24の先端に圧入固定
されている。一方、上記受板23は固定部25に固定さ
れた固定受板であり、その裏面側に形成された球面座2
6には固定部25に立設されたアジャストピン27の先
端球面が当接している。また、この固定受板23の外周
縁の近傍には軸方向に沿って孔28が形成され、やはり
固定部25に立設された回り止めピン29が緩く嵌入し
ている。
【0045】第一実施例と同様に、スラスト板21の中
心には貫通孔30が形成されると共に、この貫通孔30
には球体31が遊嵌しており、この球体31は上記回転
受板22と固定受板23との間に挟み込まれている。こ
こで、貫通孔30の直径やスラスト板1の厚さについて
は上記第一実施例と同じなので、その説明は省略する。
【0046】また、上記回転受板22及び固定受板23
のスラスト板21と対抗する面の中心には凹状の球面座
32,33が夫々形成されており、上記球体31はこの
球面座32,33に当接するようになっている。これら
球面座32,33の形状及びその具体的形成方法は上記
第一実施例と同じなので、ここではその説明を省略す
る。
【0047】上記スラスト円板21の回転受板22との
対向面には、図7に示すように、その外周縁から若干内
径側に環状溝34が形成されると共に、この環状溝34
より内径側には第一実施例と同様なスパイラル溝35が
等配して形成されている。このスパイラル溝35は上記
環状溝34と連通する一方、球体31が遊嵌している貫
通孔30に対しては閉じている。また、図8に示すよう
に、スラスト板1の固定受板3との対向面には、環状溝
34と同様な環状溝36が形成され、更にスパイラル溝
35と同様なスパイラル溝37が捩じれ方向を異ならせ
て形成されている。従って、回転受板22の側からスラ
スト板21を見ると、スパイラル溝37の捩じれ方向は
スパイラル溝35のそれと同一である。
【0048】各環状溝34,36とスパイラル溝35,
37の深さは同一であり、本実施例では30μmとし
た。しかし、これら環状溝34,36及びスパイラル溝
35,37の深さは、第一実施例の記載に倣い適宜変更
して差し支えない。尚、スラスト板21、球体31の材
質、環状溝34,36及びスパイラル溝35,37の加
工については上記第一実施例と同じなので、ここではそ
の説明を省略する。
【0049】また、上記スラスト板21には、その表裏
に形成された環状溝34,36を連通するようにして、
循環流路38が穿設されている。本実施例ではスラスト
板21に作用する圧力バランスを考慮し、円周方向に沿
った三か所に等配して上記循環流路38を形成した。
【0050】更に、上記回転受板22にはスラスト板2
1の環状溝34と対抗する位置に環状の液溜溝39が形
成される一方、固定受板23にはスラスト板21の環状
溝36と対抗する位置にやはり環状の液溜溝40が形成
されている。また、スラスト板21から離間した固定受
板23上には潤滑液のリザーブタンク41が設けられ、
固定受板23に形成した供給路42が上記液溜溝40と
リザーブタンク41とを連通している。
【0051】このように構成された本実施例のスラスト
軸受は、予め上記スラスト板21の表裏両面に高粘性の
潤滑液を塗布しておくと共に、スラスト板21に穿設さ
れた循環流路38及び固定受板23に形成された供給路
42に上記潤滑液を満たして使用される。
【0052】そして、本実施例でも前述の第一実施例と
同様にして、回転受板22が接続された回転軸24を図
7において矢線C方向へ回転させると、スラスト板21
と回転受板22との間の潤滑液に動圧が発生して、スラ
スト板21と回転受板22との間で流体潤滑が行われ
る。また、回転軸24を図7において矢線D方向へ回転
させると、スラスト板21と固定受板23との間の潤滑
液に動圧が発生して、スラスト板21と固定受板23と
の間で流体潤滑が行われる。
【0053】図9は本実施例における潤滑液の循環の様
子を示すものであり、図9(a)は回転軸24の矢線C
方向の回転に、図9(b)は回転軸24の矢線D方向の
回転に対応している。図9(a)に示すように、回転軸
24が矢線C方向に回転すると、スラスト板21と回転
受板22との間の潤滑液はスラスト板21に形成された
スパイラル溝35の働きによって中心方向へ付勢され、
スラスト板21と球体31との隙間を介してスラスト板
21と固定受板23との隙間に流れ込む。一方、スラス
ト板21と固定受板23との間の潤滑液はスパイラル溝
37の働きによって外周方向へ付勢されるのだが、スパ
イラル溝37は環状溝36と連通しているので、潤滑液
はこの環状溝36とこれに対向する液溜溝40に流れ込
んで外周方向への移動をせき止められ、スラスト板21
に穿設された循環流路38を介してスラスト板21と回
転受板22との隙間に流れ込む。このとき、上記スパイ
ラル溝37は環状溝36よりも内周側に形成されてお
り、環状溝36よりも外周側は平面域となっているの
で、外周方向へ付勢された潤滑液がスラスト板21と固
定受板23との隙間から漏れ出すことはない。すなわ
ち、潤滑液はスラスト板21と固定受板23との隙間か
ら外部に排出されることなく、スラスト板21の表裏を
循環するのである。
【0054】また、図9(b)に示すように、回転軸2
4が矢線D方向に回転すると、スラスト板21と固定受
板23との間の潤滑液はスラスト板21に形成されたス
パイラル溝37の働きによって中心方向へ付勢され、ス
ラスト板21と球体31との隙間を介してスラスト板2
1と回転受板22との隙間に流れ込む。一方、スラスト
板21と回転受板22との間の潤滑液はスパイラル溝3
5の働きによって外周方向へ付勢されるのだが、スパイ
ラル溝35は環状溝34と連通しているので、潤滑液は
この環状溝34とこれに対向する液溜溝39に流れ込ん
で外周方向への移動をせき止められ、スラスト板21に
穿設された循環流路38を介してスラスト板21と固定
受板23との隙間に流れ込む。このとき、上記スパイラ
ル溝35は環状溝34よりも内周側に形成されており、
環状溝35よりも外周側は平面域となっているので、外
周方向へ付勢された潤滑液がスラスト板21と固定受板
23との隙間から漏れ出すことはない。つまり、この場
合も潤滑液はスラスト板21と回転受板22との隙間か
ら外部に排出されることなく、スラスト板21の表裏を
循環する。
【0055】従って、本実施例のスラスト軸受ではスラ
スト板21と各受板22,23との間に予め塗布された
潤滑液が軸受内部で循環し、その循環に伴ってスラスト
板21と各受板22,23との間の流体潤滑が行われる
ので、第一実施例のように潤滑液が封入されたケーシン
グにスラスト板21や回転受板22等を収容する必要が
なく、ドライ運転が可能である。このため、小型で且つ
軽量なスラスト軸受を構成することができる。
【0056】また、このスラスト軸受では前述のように
スパイラル溝35,37がスラスト板21の外周に開放
されていないので、停止状態においても潤滑液がスラス
ト板21と各受板22,23との間から漏れだすことは
殆どなく、しかも、軸受外からスラスト板21と各受板
22,23との間に流体や異物が侵入することはなかっ
た。
【0057】従って、水中ポンプの如くスラリーを含む
揚水中で使用しても、スラリーを軸受内に巻き込むこと
がなく、スラスト板21や受け板22,23の損傷を防
止することができる。
【0058】更に、この実施例では潤滑液のリザーブタ
ンク41を設け、リザーブタンク41と液溜溝40とを
供給路42で連通しているので、液溜溝40に負圧が作
用すると、リザーブタンク41内の潤滑液がスラスト板
21と固定受板23との隙間に供給される。従って、僅
かずつではあるがスラスト板21と各受板22,23と
の隙間から漏れ出した分の潤滑液を随時補給することが
でき、潤滑液の不足によるスラスト板21と各受板2
2,23との固体接触を防止することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のスラ
スト軸受によれば、スラスト板と受板との間に十分な動
圧が発生していない起動時や低速回転時でも、スラスト
荷重は一対の受板に挟み込まれた球体によって支承さ
れ、スラスト板と受板とが固体接触を生じることがない
ので、スラスト板や受板の損傷を防止することができ、
半永久的にこれを使用することが可能となる。
【0060】また、球体は一対の受板に対して球面で当
接しているので、小さな起動トルクでスラスト板あるい
は受板を回転させることができ、十分な動圧が発生して
いない起動時や低速回転時でも円滑な回転運動が得られ
る。
【0061】更に、スラスト板あるいは受板の回転によ
って発生した動圧が球体を一定の位置に安定して保持す
るように作用し、スラスト板は球体を中心として調心さ
れるので、使用時におけるスラスト板の振れ回りを防止
することができ、振動のない円滑な回転運動を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスラスト軸受の第一実施例を示す断
面図である。
【図2】 第一実施例に係るスラスト軸受の要部拡大図
である。
【図3】 第一実施例に係るスラスト板の平面図であ
る。
【図4】 第一実施例に係るスラスト板の底面図であ
る。
【図5】 スラスト板と球体とを固接した他の実施例を
示す要部拡大図である。
【図6】 本発明のスラスト軸受の第二実施例を示す断
面図である。
【図7】 第二実施例に係るスラスト板の平面図であ
る。
【図8】 第二実施例に係るスラスト板の底面図であ
る。
【図9】 第二実施例における潤滑液の循環の様子を示
す拡大断面図である
【符号の説明】
1…スラスト板、2…回転受板、3…固定受板、4…回
転軸、10…貫通孔、11…球体、12,13…球面
座、14,15…スパイラル溝、16…潤滑液(作動流
体)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 17/04,32/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏両面に夫々の面側から見て互いに逆
    方向のスパイラル溝を有するスラスト板と、作動流体を
    介してこのスラスト板を挟み込む一対の受板とから構成
    され、上記スラスト板と受板とを相対的に回転させて、
    上記スラスト板と受板との間に動圧を発生させるスラス
    ト軸受において、上記スラスト板の中心に球体を収容し、この球体を上記
    一対の受板で挟み込むと共に、この球体の周囲にはスラ
    スト板の表裏を貫通する絞り流路を設けた ことを特徴と
    するスラスト軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスラスト軸受において、
    スラスト板の中心に貫通孔を形成し、上記球体をこの貫
    通孔に遊嵌させると共に、この貫通孔と球体との隙間を
    上記絞り流路としたことを特徴とするスラスト軸受。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のスラスト軸受において、
    上記一対の受板のうち、一方の受板を回転軸に取り付け
    られた回転受板とし、他方の受板を固定受板とし、上記
    スラスト板の表裏両面にはそこに形成されたスパライラ
    ル溝の外周側に平面域を形成し、且つ、上記スパイラル
    溝と平面域との境界にはスラスト板を貫通する循環流路
    を穿設したことを特徴とするスラスト軸受。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のスラスト軸受において、
    上記固定受板には、当該固定受板とスラスト板とが形成
    する間隙に作動流体を供給する供給路を形成し、作動流
    体を満たしたリザーブタンクをこの供給路に接続したこ
    とを特徴とするスラスト軸受。
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