JP3929539B2 - ビスカスカップリング - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、粘性流体を介してトルク伝達するビスカスカップリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
前輪および後輪へ駆動系から駆動力が伝達されて走行する四輪駆動(4WD)車では、走行中にブレーキをかけると、車両走行方向への荷重移動で前輪がロック状態となることがある。前輪がロック状態となると前輪車軸から直接駆動力が伝達される後輪もロック状態となり後輪の制動過剰となり、車両の走行安定性が損なわれる。
これを解決するために、前輪と後輪との間に、ディファレンシャルとして前輪車軸と後輪車軸とを差動回転させるカップリング装置が提案されている。
【0003】
ところが、上記従来のカップリング装置を用いた四輪駆動車では、高速回転中にブレーキをかけると、前輪車軸と連結された第1プレートと後輪車軸と連結された第2プレートが接着するいわゆるハンプ状態が生じる。
すなわち、高速回転中は、作動室内の第1プレート及び第2プレートが高速で回転しており、ブレーキをかけることにより第1プレートと第2プレートとが高速で相対回転する。その際、プレスによるプレートの打ち抜き加工時に打ち抜き方向側にバリが残っていると、ワイパー効果(そのプレートのバリが対向したプレートの表面から粘性流体を掻き取ってしまうこと)が起こるので、第1プレートと第2プレートとの間から粘性流体がなくなり、第1プレートと第2プレートとが接着するいわゆるハンプ状態が生じる。このため前輪車軸と後輪車軸が直結されたことになり、後輪側に急激なトルク変化が生じて、過剰制動となり走行安定性が損なわれるという問題が生じる。
【0004】
また、上記構成のカップリング装置を用いて左右の車軸の差動回転を制限させる差動制限装置が提案されている。ところが、車両は走行している時やコーナリング中にも左右の車両の回転数に差が生じており、第1プレートと第2プレートは作動室内で、差動回転している。このため第1プレートと第2プレートとの間において、ワイパー効果により粘性流体がなくなり、第1プレートと第2プレートとが接着してハンプ状態となる。この場合には、左右の車軸が一体に回転するので、急激なトルク変化となり、円滑な旋回ができず、走行安定性が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、打ち抜き時のバリ等によるワイパー効果を防止し、それにより生じるハンプ状態を防止するため例えば実開平3−124027号公報にカップリング装置が開示されている。その構成は第1プレート及び第2プレートの開口部の縁部に、前記第1プレートと第2プレートの回転方向の両端部及び前記第1、第2のプレートの肉厚方向の両端部が同形状となるように面取りした構成である。
上記構成により、例えば第1軸へ回転駆動力が伝達されて、第1軸が回転し、作動室内に密封状態で封入された粘性流体に、第1プレートの回転方向と同方向への流れが生じる。そして、この粘性流体の回転により第2プレートへ滑り摩擦力が付与され、第1プレートと同方向へ回転する。これにより第2軸が第1軸と回転して、第1軸へ伝達された回転駆動力が第2軸へ伝達される。そして、上記カップリング装置を、四輪駆動車の動力伝達に用いた場合、第1プレートと第2プレートの少なくとも一方に設けた開口部の面取りにより、粘性流体がこれらの間に存在するので高速走行中にハンプ状態が生じることがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の実開平3−124027号公報に開示されたカップリング装置は、第1プレートと第2プレートの回転方向の両端部及び前記第1、第2のプレートの肉厚方向の両端部が同形状となるように面取りした構成であるので、それぞれのスリット毎に面取りを行わなければならない。従って、製造工程が複雑になり結果としてコスト高になる。
そこで、本発明の目的は上記課題を解決することにあり、複雑な製造工程を必要とせず、製造コストを削減できるとともに、ハンプ状態を防止することができるビスカスカップリングを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、相対回転自在な第1軸と第2軸との間に形成され、粘性流体が密封状態で封入された作動室と、前記作動室内に配置され、第1軸に連結されて第1軸とともに回転する複数枚のインナープレートと、前記インナープレートと交互に対向して前記作動室内に配置され、前記第2軸と連結されて第2軸とともに回転する複数枚のアウタープレートと、前記アウタープレート及び前記インナープレートの表裏を貫通する打ち抜き加工で形成された開口部とを備えたビスカスカップリングにおいて、前記インナープレート又は前記アウタープレートの少なくとも一方の前記開口部の打ち抜き方向側の縁部が、プレート面より没するように前記開口部の周囲が折り曲げられていることを特徴とするビスカスカップリングを提供することによって解決される。
【0008】
【作用】
本発明によれば、アウタープレート又はインナープレートの少なくとも一方の前記開口部の縁部が、プレート面より没することで、縁部にバリが残っていても対向プレート面から粘性流体を掻き取るワイパー効果が生じない。
従って、ハンプ状態を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、ビスカスカップリングに用いられる本発明の第1実施形態の入力軸側アウタープレート43の正面図である。アウタープレート43には、図示しない入力軸をなす外筒のスプライン溝に嵌合される外周スプライン部37と、前記入力軸に嵌挿された図示しないスリーブの外周に接触しないように若干大きな円孔43aとが設けられている。そして、アウタープレート43には、表裏を貫通する円孔44が周方向に等間隔で8個設けられている。また、これらの円孔44と円孔43aとを結んで表裏を貫通してスリット46が形成され、これらの円孔44とスリット46が開口部を構成している。
【0010】
図2は、ビスカスカップリングに用いられる本発明の第一実施形態の出力軸側インナープレート35の正面図である。インナープレート35は、軸方向に移動可能であり、図示しない出力軸に一体的に嵌挿されたスリーブに対しスプライン嵌合される内周スプライン部75を備え、外周は入力軸側アウタープレート43を所定の位置に保つための図示しない位置決めリングに当接しないように若干小径とされている。そして、インナープレート35の表裏を貫通して周方向に沿って等間隔に配置され、外周縁部で開口した開口部である複数の放射状スリット36が形成されている。また、インナープレート35とアウタープレート43の配置関係は、軸方向に交互に隙間を保って配設され、その空間部に粘性流体(シリコンオイル)を充填封入して作動室が形成されている。
【0011】
次に、本発明の第一実施形態におけるインナープレート35のスリット36の製造工程について図3(a)〜(d)を参照して説明する。まず、図3(a)の原板の状態から、図3(b)に示すようにインナープレート35の上部からプレスにより打ち抜き加工を行う。そして、インナープレート35のスリット36の周囲を反打ち抜き方向側に所望量1回折り曲げる(図3(c))。次に、スリット36の周囲の、最初に折り曲げた部分より内側を所望量打ち抜き方向側に折り曲げる(図3(d))。この2回の折曲量はハンプ状態を防止するために最適に設定する。即ち、プレス打ち抜きにより生じたバリ36aがプレート面から出ないように設定する。なお、図3(c),(d)に示した折り曲げ工程は逆でもよい。
また、本実施形態においてアウタープレート43のスリット46の製造工程は、インナープレート35の製造工程と同様であるので説明を省略する。
【0012】
次に上記スリット36を有するビスカスカップリングの作動形態を図4を参照して説明する。
エンジンの動力は入力軸へ伝達されて、入力軸側アウタープレート43を回転させる。アウタープレート43が回転すると作動室内のインナープレート35とアウタープレート43の隙間に充填された粘性流体にアウタープレート43と同方向の流れが生じる。この粘性流体の流れによってインナープレート35へ回転力が付与されてアウタープレート43と同方向へ回転し、出力軸が入力軸と同方向へ回転する。
【0013】
例えば、高速回転中にブレーキをかけるとアウタープレート43とインナープレート35は高速で相対回転する。その際、インナープレート35は、ベントエッジ効果によりアウタープレート43側に移動するが、インナープレート35は、2回の折曲量が最適に設定されており、バリ36aがあるエッジ(縁部)がプレート面より没した位置にあるので、バリ36aが残っていてもバリ36aによるワイパー効果が発生せず、粘性流体が図4中矢印A方向に案内される。従って、インナープレート35が高速で回転しても、アウタープレート43と接着することがないので、ハンプ状態が生じない。
【0014】
次に、図5,図6(a)〜(c)を参照して、本発明の第二実施形態を説明する。図5は、インナープレート35の正面図である。以下、図6(a)〜(c)を参照して本発明の第二実施形態におけるインナープレート35のスリット36の製造工程について説明する。まず、図6(a)の原板の状態から、図6(b)に示すようにインナープレート35の上部からプレスにより打ち抜き加工を行う。そして、インナープレート35のスリット36の周囲を反打ち抜き方向側に所望量1回折り曲げる(図6(c))。この際、ハンプ状態を防止するため、折曲量を流体学的にラウンド36bと釣り合うように設定する。即ち、プレス打ち抜きにより生じたバリ36aがプレート面から出ないように設定する。第二実施形態も第一実施形態と同様に、インナープレート35が高速で回転しても、バリ36aがあるエッジ(縁部)がプレートより没した位置にあるので、バリ36aが残っていてもバリ36aによるワイパー効果が発生しない。従って、インナープレート35とアウタープレート43と接着することがないので、ハンプ状態が生じない。
なお、本実施形態においてアウタープレート43のスリット46の製造工程は、以上説明したインナープレート35の製造工程と同様であるので説明を省略する。
【0015】
以上説明した第一及び第二実施形態においては、インナープレート35及びアウタープレート43の両方に以上のような加工を施したが、一方のプレートのみに以上のような加工を施すことによってもハンプ状態を防止することが可能である。
また、従来の実開平3−124027号公報に開示されたプレートの両面を面取りするという構成よりも製造工程を簡素化してハンプ状態を防止することに対しては、一方だけの面取りでもハンプ状態を防止するという効果を発揮することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明のビスカスカップリングは、インナープレート又はアウタープレートの少なくとも一方の開口部の打ち抜き方向側の縁部が、プレート面より没するように前記開口部の周囲が折り曲げられているので、複雑な製造工程を必要とせず製造コストを削減できるとともに、ハンプ状態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態におけるアウタープレートの正面図である。
【図2】本発明の第一実施形態におけるインナープレートの正面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の第一実施形態の製造工程を示す図である。
【図4】本発明の第一実施形態の作動形態を示す図である。
【図5】本発明の第二実施形態のインナープレートの正面図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の第二実施形態の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
35 インナープレート
36 スリット
36a バリ
36b ラウンド面
37 外周スプライン部
43 アウタープレート
44 円孔
46 スリット
75 内周スプライン

Claims (1)

  1. 相対回転自在な第1軸と第2軸との間に形成され、粘性流体が密封状態で封入された作動室と、前記作動室内に配置され、第1軸に連結されて第1軸とともに回転する複数枚のインナープレートと、前記インナープレートと交互に対向して前記作動室内に配置され、前記第2軸と連結されて第2軸とともに回転する複数枚のアウタープレートと、前記アウタープレート及び前記インナープレートの表裏を貫通する打ち抜き加工で形成された開口部とを備えたビスカスカップリングにおいて、前記インナープレート又は前記アウタープレートの少なくとも一方の前記開口部の打ち抜き方向側の縁部が、プレート面より没するように前記開口部の周囲が折り曲げられていることを特徴とするビスカスカップリング。
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