JP5928940B2 - 粘性継手 - Google Patents

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本発明は、粘性継手に関する。
粘性継手の代表的な適用例としては、四輪駆動の自動車において推進軸に或いは推進軸と終減速装置との間に設ける例が挙げられ、通常は前輪のみの駆動により走行させ、降雪路や泥濘地のような路面の走行により前輪が空転したときには粘性継手を作動させて後輪に動力を伝達させることにより、走行安定性の向上と、通常時に後輪への無駄な動力伝達を無くすことによる燃費の向上、音振動性能の低下防止等との両立が図られている。
粘性継手の構造としては、円筒状のアウターハウジングと、インナーハブと、アウターハウジングにスプライン嵌合する複数のアウタープレートと、インナーハブにスプライン嵌合する複数のインナープレートとを備え、両プレートを交互に配置して内部空間にシリコンオイルが封入したものが知られている。四輪駆動の自動車への適用例においては、たとえば前輪が空転した際、前輪と連動して回転するアウタープレートと後輪に連動して回転するインナープレートとの両回転数に差が生じてシリコンオイルにせん断力が作用することで、後輪に動力を伝達するものである。
一方、自動車が曲率半径の小さい道路を走行した際に生じるタイト・コーナー・ブレーキング現象や、制動時の車輪ロックを抑制するアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)においても前後輪に回転数差が生じることとなるが、このような場合にも後輪に大きな動力が伝達されると車両の安定性に影響が出やすいため、差動回転数の小さなこれら状況下においては伝達される動力はなるべく小さく抑えることが望ましい。
このような動力伝達の特性を制御する技術としては、アウタープレートやインナープレートに切欠や溝を形成する技術が知られており、代表的なものとして特開昭62−98033号公報や特許文献1〜3に記載の技術が挙げられる。特許文献1にはプレートに孔を形成する技術が記載されている。特許文献2にはプレートに半径方向外方に開放する貫通溝を形成する技術が記載されている。特許文献3にはプレートの表面に凹凸処理を施す技術が記載されている。
特許第3195561号公報 実開平1−91133号公報 特開2008−157309号公報
しかしながら、特許文献1のように孔を設ける技術では、孔は全周にわたって閉じられていることから、プレートの熱処理を行った際に発生する応力の歪みを効果的に逃がすことが難しい。この歪みが大きい場合、プレートが厚さ方向に変形し、他方のプレートと接触して発熱、トルク特性の劣化促進、異音の発生等の問題が生じるおそれがある。
特許文献2の技術は、溝によって応力の歪みを効果的に逃がすことができるものの、溝の半径方向中心から孔スプラインまでの距離が短いことからプレートの剛性が低下しやすくなる。剛性が低下すると回転時の撓み量が大きくなりやすいため、他方のプレートと接触して発熱、トルク特性の劣化促進、異音の発生等の問題が生じるおそれがある。つまり、プレートの剛性低下の防止という点において、プレートに溝を形成する技術は溝の設定数や溝の大きさに制限を受けやすい構造となり、伝達トルクの制御の細かなチューニングにも限界が生じやすくなる。
また、特許文献3の技術は、凹凸処理がプレートの表面の半径方向全域に施されることから、差動回転数の低い領域においてもトルク伝達され、タイト・コーナー・ブレーキング現象の発生時やABSの作動時に影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するために創案されたものであり、伝達トルクの制御機能の確保とプレートの剛性の確保との両立を容易に図れる粘性継手を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、一方の回転軸に連結した外側回転部材と他方の回転軸に連結した内側回転部材とにより作動室が形成され、該作動室において、前記外側回転部材と一体に回転するアウタープレートと前記内側回転部材と一体に回転するインナープレートとが径方向の重なり代の寸法Lを有して交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された粘性継手において、前記アウタープレートと前記インナープレートの少なくとも一方において、径縁に開放しプレートの表裏を貫通するスリットが円周方向に複数切り欠き形成され、かつ、その表裏の少なくとも一方には、前記重なり代の外縁から径方向内側に前記寸法Lの2/3以下の寸法の範囲で全周にわたり複数の有底溝が並設されていることを特徴とする。
本発明によれば、前輪の空転時等、軸全体が高速回転で差動回転数が大きいときには遠心力により粘性流体が径方向外側に移動し、プレート表面に設けられた有底溝によりプレート間に介在する粘性流体がより大きな抵抗を受けることにより、双方のプレートを一体に回転させるためのトルクが増加する。タイト・コーナー・ブレーキング現象の発生時やABSの作動時等、差動回転数が小さいときは遠心力が小さいため、粘性流体が作動室内に均等に介在し、有底溝による粘性流体への抵抗が小さくなり、伝達トルクは小さくなる。そして、有底溝を、重なり代の外縁から径方向内側に、重なり代の寸法Lの2/3以下の寸法の範囲に形成することにより、より一層、差動回転数が小さいときの伝達トルクを抑制することができる。
また、有底溝はプレートの表裏を貫通することなく有底の溝として形成されることから、プレートの剛性の低下を抑制できる。有底溝はたとえばコイニング加工により容易に形成することができる。
また、本発明は、一方の回転軸に連結した外側回転部材と他方の回転軸に連結した内側回転部材とにより作動室が形成され、該作動室において、前記外側回転部材と一体に回転するアウタープレートと前記内側回転部材と一体に回転するインナープレートとが径方向の重なり代の寸法Lを有して交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された粘性継手において、前記アウタープレートおよび前記インナープレートの両方において、その表裏の内で一方向に対向する面のみに、前記重なり代の外縁から径方向内側に前記寸法Lの2/3以下の寸法の範囲で全周にわたり複数の有底溝が並設されていることを特徴とする。
本発明によれば、隣接し合うアウタープレートとインナープレートの隙間空間に必ず有底溝が臨むレイアウトとなるため、トルクの伝達特性の安定性が増す。そして、プレートの一面のみに有底溝を形成するので、プレートの厚みがさほど薄くなることもなく、プレートの剛性低下を抑制できる。
本発明によれば、伝達トルクの制御機能の確保とプレートの剛性の確保との両立を容易に図れる。
本発明に係る粘性継手を四輪車の終減速装置への駆動伝達系に配した形態の平面図である。 図1における粘性継手の拡大図である。 図2におけるA−A断面図であり、上半分にインナープレートを、下半分にアウタープレートを示す。 アウタープレートおよびインナープレートを部分拡大した側面図である。 有底溝の延設方向に関する態様例を示す説明図である。 有底溝の溝断面形状に関する態様例を示す説明図である。 有底溝の有無別に示した伝達トルク特性のグラフである。
図1は、本発明に係る粘性継手を四輪車の終減速装置への駆動伝達系に配した形態の平面図である。先ず、終減速装置51について簡単に説明すると、終減速装置51は、ドライブピニオンシャフト52と、ドライブピニオンシャフト52の後端に形成されるドライブピニオンギヤ53と、ドライブピニオンギヤ53に噛合するリングギヤ54と、リングギヤ54と一体に回転し、図示しないドライブシャフトと一体に回転するサイドギヤ55およびこのサイドギヤ55に噛合するピニオンギヤ56を収納するデフケース57と、デフケース57を回転自在に収容するハウジング58とを備えた構成からなる。ドライブピニオンシャフト52が回転すると、ドライブピニオンギヤ53とリングギヤ54との噛合部によりデフケース57が左右方向の軸回りに回転することで図示しないドライブシャフトが回転する。
図2において、粘性継手1は、一方の回転軸、本実施形態では前輪の回転に伴って回転する推進軸(図示せず)に連結したアウターハウジング(外側回転部材)2と、アウターハウジング2の内部に同軸上に配され、他方の回転軸、本実施形態では前記ドライブピニオンシャフト52にスプライン結合により連結したインナーハブ3と、アウターハウジング2と一体に回転するアウタープレート4と、インナーハブ3と一体に回転するインナープレート5とを備える。
ドライブピニオンシャフト52の前端周りはインナーハブ3の前端よりも突出し、この突出部にロックナット9が螺合される。アウターハウジング2の前端寄りの内径部は、インナーハブ3の外周と摺接する程度の小内径部として形成され、このアウターハウジング2の小内径部とインナーハブ3の外周との間に軸受10およびシール部材11が介設される。
アウターハウジング2の後端寄りの内径部は大内径部として形成され、この大内径部とインナーハブ3との間に環状の作動室6が構成される。作動室6には、アウターハウジング2の大内径部の内周面にスプライン結合したアウタープレート4と、インナーハブ3の外周面にスプライン結合したインナープレート5とが前後方向に交互に積層された状態で収容される。作動室6には粘性流体としてシリコンオイルが封入され、アウタープレート4とインナープレート5との間に回転数差が生じたときに、両プレート間のシリコンオイルにせん断力が生じることでアウタープレート4とインナープレート5との間で動力が伝達される。
エンドカバー7は、サークリップ8によって、作動室6の後側を閉塞するようにアウターハウジング2に取り付けられる。エンドカバー7とインナーハブ3との間には軸受12が介設される。また、エンドカバー7とアウターハウジング2との間にはOリング13が介設され、エンドカバー7とインナーハブ3との間にはシール部材14が介設される。Oリング13およびシール部材14は作動室6内のシリコンオイルを封密する。エンドカバー7には、シリコンオイルの注入時に取り外されるボルト15が螺合されている。また、エンドカバー7には、シリコンオイルの注入時に外部への空気の抜け通路となる空気抜き孔16が形成されている。シリコンオイルの注入後、空気抜き孔16はボール17が圧入されることにより閉じられる。
図3(便宜上、上半分にインナープレート5を、下半分にアウタープレート4を図示してある)に示すように、アウタープレート4の内径縁にはプレートの表裏を貫通するスリット18が円周方向に等間隔で切欠き形成され、インナープレート5の外径縁にはプレートの表裏を貫通するスリット19が円周方向に等間隔で切欠き形成されている。スリット18、19は動力伝達の特性を制御する目的で形成されるものであり、アウタープレート4とインナープレート5の各スリット18、19が重なった空間に介在する粘性流体がインナープレート5の回転に伴って径方向外側に移動することにより作動室6内の空気が径方向内側に移動し、その結果、粘性流体の介在する範囲が径方向外側寄りになることで高い伝達トルクを発生させる。
スリット18、19はそれぞれアウタープレート4の内径縁、インナープレート5の外径縁に開放していることから、プレートの熱処理を行った際に発生する応力の歪みを開放部周りで効果的に逃がすことができ、プレートの変形を防止できる。図示したスリット18、19は各プレートの径方向に対して傾斜角度を有した直線状のスリットとしてあるが、各プレートの径方向に対して傾斜角度を有した曲線状、つまり略渦巻き曲線状のスリットや各プレートの径方向に沿うスリット等にしてもよく、スリット18、19の形状や個数は特に問われない。
図3、図4(a)を参照して、アウタープレート4の内径寸法をDi、インナープレート5の外形寸法をDo、アウタープレート4とインナープレート5との径方向の重なり代の寸法をLとすると、「L=(Do−Di)/2」で表せる。そして、アウタープレート4とインナープレート5の少なくとも一方において、その表裏の少なくとも一方には、重なり代の外縁から径方向内側に前記寸法Lの2/3以下の寸法の範囲で全周にわたり複数の有底溝20が並設されている。つまり、有底溝20の形成範囲の径方向寸法をLaとすると、「La≦2/3・L」の関係となる。なお、図3および図5では有底溝20をその溝幅まで描写せずに一本の線として図示してある。
有底溝20の形成範囲の径方向寸法Laの下限値としては、寸法Lの1/4以上、つまり「La≧1/4・L」とすることが好ましく、1/2以上、つまり「La≧1/2・L」とすることがより好ましい。
有底溝20は、プレートの表裏を貫通することなく有底の溝として延設されるものであり、たとえばコイニング加工により形成される。有底溝20をアウタープレート4、インナープレート5のいずれに設けるか、また表裏のいずれに設けるかについて、図4に4つの態様例を示す。なお、図4では便宜上、プレートの間隔を誇張して図示してある。図4(a)は、アウタープレート4の表裏の両面に有底溝20を形成し、インナープレート5には有底溝20を形成しない態様を示す。図4(b)は、インナープレート5の表裏の両面に有底溝20を形成し、アウタープレート4には有底溝20を形成しない態様を示す。図4(c)は、アウタープレート4、インナープレート5の両方において、表裏の両面に有底溝20を形成した態様を示す。図4(d)は、アウタープレート4、インナープレート5の両方において、一方向(本実施形態では、車両前方向または後方向)に対向する面に有底溝20を形成した態様を示す。
図4(a)〜(d)の態様はいずれも、隣接し合うアウタープレート4とインナープレート5との隙間空間に必ず有底溝20が臨む構成となる。たとえば、アウタープレート4の前記一方向に対向する面のみに有底溝20を形成し、インナープレート5には全く有底溝20を形成しない態様にすると、隣接し合うアウタープレート4とインナープレート5との隙間空間としては、有底溝20の臨む隙間空間と有底溝20の臨まない隙間空間とが交互に配されることになり、アウタープレート4とインナープレート5との間のトルクの伝達特性に影響が出やすい。これに対して、図4(a)〜(d)のように、隣接し合うアウタープレート4とインナープレート5の隙間空間に必ず有底溝20が臨むレイアウトにすれば、トルクの伝達特性の安定性が増すこととなる。中でも図4(d)の態様は、図4(a)〜(c)のようにプレートの両面に有底溝20を形成するのではなく、プレートの一面のみに有底溝20を形成するので、プレートの厚みがさほど薄くなることもなく、プレートの剛性を効果的に確保できるという利点も有する。
次いで、有底溝20の延設方向に関する態様例を図5に示す。図5(a)は、有底溝20を、一回転方向に略渦巻き曲線状に並設するとともに他回転方向に略渦巻き曲線状に並設した態様を示す。したがって、有底溝20は略斜め格子状に配されることとなる。図5(b)は、有底溝20を、プレートの径方向に沿う溝として放射状に並設した態様を示す。図5(c)は、有底溝20を直線の格子状に配した態様を示す。図5(d)は、有底溝20を、プレートの円周方向に沿う溝として同心状に並設した態様を示す。図5(e)は、有底溝20を、プレートの径方向に対して傾斜角度を有した直線状の溝として並設した態様を示す。図5(f)は、有底溝20を、一回転方向に略渦巻き曲線状に並設した態様を示す。
また、有底溝20の断面形状についても、図6(a)に示すように底部の幅が狭くなる逆台形断面、図6(b)に示す矩形断面、図6(c)に示す円弧断面、図6(d)に示すV字断面等、任意の断面形状にすることができる。
「作用」
前輪の空転時等、軸全体が高速回転で差動回転数が大きいときには、遠心力によりシリコンオイルが径方向外側に移動し、プレート表面に設けられた有底溝20によりプレート間に介在するシリコンオイルがより大きな抵抗を受けることにより、アウタープレート4およびインナープレート5を一体に回転させるためのトルクが増加する。
タイト・コーナー・ブレーキング現象の発生時やABSの作動時等、差動回転数が小さいときは遠心力が小さいため、シリコンオイルが作動室6内に均等に介在し、有底溝20によるシリコンオイルへの抵抗が小さくなり、伝達トルクは小さくなる。
ここで、仮に有底溝20を、アウタープレート4とインナープレート5の重なり代の全域に或いは重なり代における径方向内側寄りに形成すると、タイト・コーナー・ブレーキング現象の発生時やABSの作動時等、遠心力が小さいことによりシリコンオイルがプレート間の径方向内側寄りに多く介在しているときでも、有底溝20の存在によって伝達トルクが大きくなりやすい。これに対して、有底溝20が、重なり代の外縁から径方向内側に重なり代の寸法Lの2/3以下の寸法の範囲に形成されることにより、つまり重なり代の内縁から径方向外側に重なり代の寸法Lの1/3よりも大きい寸法の範囲には有底溝20が形成されないことにより、差動回転数が大きく遠心力によりシリコンオイルが径方向外側に移動しているときには、有底溝20の存在により伝達トルクを増加させることができる一方、差動回転数が小さくシリコンオイルが径方向内側に存するときには、有底溝20の作用がさほど働かないため、伝達トルクを効果的に小さくできる。
有底溝20の形成範囲である「重なり代の外縁から径方向内側に重なり代の寸法Lの2/3以下の寸法の範囲」は、主にタイト・コーナー・ブレーキング現象やABSの作動等、伝達トルクを小さく抑えたい事象のときの差動回転数の値と、一般に粘性継手で用いられる粘性流体の特性、量等とを考慮して求めたものであり、差動回転数が大きいときの伝達トルクの確保と、タイト・コーナー・ブレーキング現象の発生時やABSの作動時等の伝達トルクの抑制とに充分な効果を発揮する。
また、有底溝20の形成範囲の下限値として、寸法Lの1/4以上の寸法の範囲、好ましくは寸法Lの1/2以上の寸法の範囲とすることで差動回転数が大きいときの伝達トルクを効果的に増加させることができる。
本発明によれば、図7に実線グラフで示すように、差動回転速度(差動回転数)が大きいときには、シリコンオイルに作用する遠心力が大きくなり、有底溝20を有さない粘性継手(点線グラフにて示す)と同程度の伝達トルクを得ることができる。そして、差動回転速度(差動回転数)が小さいときには、シリコンオイルに作用する遠心力も小さいので、有底溝20を有さない粘性継手よりも伝達トルクを小さくできる。
有底溝20はプレートの表裏を貫通することなく有底の溝として形成されることから、プレートの剛性の低下が抑制される。
また、本実施形態のようにスリット18、19をも形成している場合にも、有底溝20を設けたことによって、スリット18、19の大きさを小さくしたり、スリット数を減らすことが可能となり、プレートの剛性の低下を抑制できる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。差動回転数に対する伝達トルクの特性は、有底溝20の形成範囲の径方向寸法La、有底溝20の延設方向に関するレイアウト、溝数、溝形状、溝の大きさ等を適宜に選択することにより任意な特性を得ることができる。
1 粘性継手
2 アウターハウジング
3 インナーハブ
4 アウタープレート
5 インナープレート
6 作動室
18 スリット(アウタープレート側)
19 スリット(インナープレート側)
20 有底溝

Claims (2)

  1. 一方の回転軸に連結した外側回転部材と他方の回転軸に連結した内側回転部材とにより作動室が形成され、該作動室において、前記外側回転部材と一体に回転するアウタープレートと前記内側回転部材と一体に回転するインナープレートとが径方向の重なり代の寸法Lを有して交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された粘性継手において、
    前記アウタープレートと前記インナープレートの少なくとも一方において、径縁に開放しプレートの表裏を貫通するスリットが円周方向に複数切り欠き形成され、かつ、その表裏の少なくとも一方には、前記重なり代の外縁から径方向内側に前記寸法Lの2/3以下の寸法の範囲で全周にわたり複数の有底溝が並設されていることを特徴とする粘性継手。
  2. 一方の回転軸に連結した外側回転部材と他方の回転軸に連結した内側回転部材とにより作動室が形成され、該作動室において、前記外側回転部材と一体に回転するアウタープレートと前記内側回転部材と一体に回転するインナープレートとが径方向の重なり代の寸法Lを有して交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された粘性継手において、
    前記アウタープレートおよび前記インナープレートの両方において、その表裏の内で一方向に対向する面のみに、前記重なり代の外縁から径方向内側に前記寸法Lの2/3以下の寸法の範囲で全周にわたり複数の有底溝が並設されていることを特徴とする粘性継手。
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