JP2013068251A - デファレンシャル - Google Patents

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健二 大高
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Abstract

【課題】デファレンシャル1において、デフケース4のサイドボス部41,42とサイドギヤ8,9とスラストワッシャ15,16とを含むすべり軸受部分の耐焼付き性と耐摩耗性との両方を向上させる。
【解決手段】サイドボス部41の内側面の内径側には、面取り44が設けられ、サイドギヤ8における中心軸部81とギヤ部82の外側面とが交差する隅には、ギヤ部82の外側面から軸方向に凹まされた逃げ部83が設けられている。スラストワッシャ15の両側面の内径寄りには、それぞれ軸方向に後退する後退部151,152が設けられている。両後退部151,152の各外周縁の位置は、径方向で一致するように配置されている。逃げ部83の外周縁の位置は、両後退部151,152の各外周縁の位置と径方向で一致するように配置されている。面取り44の外周縁の位置は、両後退部151,152の各外周縁の位置よりも内径寄りに配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載されるデファレンシャルに係り、特にデフケースの2つのサイドボス部と2つのサイドギヤとの軸方向対向面間にすべり軸受としてスラストワッシャが介装された構成に関する。
一般に、デファレンシャルでは、デフケースの2つのサイドボス部と2つのサイドギヤとの軸方向対向面間に、すべり軸受としてスラストワッシャが介装されている(例えば特許文献1参照)。
図4および図5を参照して、従来のデファレンシャルにおいて片方のスラストワッシャ700に対するデフケース500のサイドボス部501とサイドギヤ600のギヤ部602との接触形態を説明する。
図4および図5において、スラストワッシャ700は、環状板とされており、その板厚が径方向全域で一定に設定されている。デフケース500のサイドボス部501の内側面(ギヤ部602と軸方向で対向する側の面)の内径側には、テーパ状の面取り502が設けられている。
サイドギヤ600において中心軸部601とギヤ部602の外側面(サイドボス部501と軸方向で対向する側の面)とが交差する隅には、前記ギヤ部602の外側面から軸方向に凹まされた逃げ部603が設けられている。この逃げ部603の軸方向凹みは、ギヤ部602の付け根側で最大となっていて、そこから径方向外向きに向けて徐々に小さくなっている。
このような逃げ部603を設けている理由は当業者間において公知であるが、仮に、逃げ部603を設けずに、例えば図6に示すようにサイドギヤ600において中心軸部601とギヤ部602の外側面とが交差する隅をR面にしている場合だと、このR面の曲率半径およびスラストワッシャ700の内径寸法にもよるが、当該R面にスラストワッシャ700の中心孔のサイドギヤ600側開口縁が干渉して、このスラストワッシャ700がサイドギヤ600のギヤ部602の外側面から離れて接触しなくなることが起こりうる。このような不具合を無くすために逃げ部603を設けているのである。
一般に、デフケース500のサイドボス部501とサイドギヤ600のギヤ部602とスラストワッシャ700とを含むすべり軸受部分の作動限界を与える重要な因子として、PV値がある。なお、Pは軸受圧力(スラストワッシャ700に対するデフケース500のサイドボス部501またはサイドギヤ600のギヤ部602の接触圧力)、Vはスラストワッシャ700とデフケース500またはサイドギヤ600との間のすべり接触速度である。
ところで、図4に示す従来例では、サイドギヤ600のギヤ部602の外側面において逃げ部603の外周縁の位置と、デフケース500のサイドボス部501の内側面においてテーパ状の面取り502の外周縁の位置とが径方向に所定寸法hオフセットされた構造になっている。
このようなオフセット有り構造において、デファレンシャルへの入力トルクが高くなるほど、デフケース500のサイドボス部501とサイドギヤ600のギヤ部602とからスラストワッシャ700に対して作用するアキシアル荷重F1,F2が大きくなるので、サイドボス部501がテーパ状の面取り502の外周縁の位置を支点として、図4の矢印Mで示すように、弾性変形しやすくなり、当該支点となる部位の面圧(P)が局部的に高くなる。
ここで、例えばデファレンシャルが「高差動、低トルクモード」のとき、つまり例えば雪道で片側車輪がロック(スタック)することによってそれと反対側の車輪が高回転になるようなときには、低トルクであるために前記局部の面圧(P)はさほど高くならないものの、スラストワッシャ700とデフケース500のサイドボス部501またはサイドギヤ600のギヤ部602との間のすべり接触速度(V)の値がかなり大きくなるので、PV値が過大になり、焼付きを起こす可能性が高くなる。
ところが、例えばデファレンシャルの差動回転が比較的小さい状態で高トルクになるような「低差動、高トルクモード」のときには、前記局部の面圧(P)が高くなるものの、スラストワッシャ700とデフケース500またはサイドギヤ600との間のすべり接触速度(V)の値が小さいので、PV値がさほど大きくならずに済んで、結果的に焼付きを起こす可能性が低くなる。しかも、前記局部の面圧(P)が高くなっていても、テーパ状の面取り502を可及的に小さくしてスラストワッシャ700に対するデフケース500のサイドボス部501の接触面積を可及的に大きくしているので、前記局部が摩耗しにくくなる。
このようなオフセット有り構造に対し、図5に示すように、サイドボス部501のテーパ状の面取り502を図4に比べて大きくすることにより、サイドギヤ600のギヤ部602の外側面において逃げ部603の外周縁の位置と、デフケース500のサイドボス部501の内側面においてテーパ状の面取り502の外周縁の位置とを径方向で一致させることが考えられる。
このようなオフセット無し構造の場合、デファレンシャルが「高差動、低トルクモード」のときには、スラストワッシャ700に作用するアキシアル荷重F1,F2が小さく、その作用方向が径方向にずれていないので、デフケース500のサイドボス部501が弾性変形しにくくなる。そのため、低トルク時には、スラストワッシャ700に対するデフケース500の局部(テーパ状の面取り502の外周縁の位置)の面圧(P)が、図4に示すようなオフセット有り構造の場合に比べると、さらに小さくなるので、たとえ高差動であっても焼付きを起こす可能性が低くなる。
その反面、オフセット無し構造の場合、サイドボス部501のテーパ状の面取り502を図4に比べて大きくしていることによって、スラストワッシャ700に対するデフケース500のサイドボス部501の接触面積が比較的小さくなってしまうので、デファレンシャルが「低差動、高トルクモード」のときには、前記局部の面圧(P)が高くなって、そこが摩耗しやすくなる。
特開昭58−211054号公報
以上説明したように、図4に示す従来例および図5に示す従来例は、共に一長一短がある。
このような事情に鑑み、本発明は、デフケースの2つのサイドボス部と2つのサイドギヤとの間にすべり軸受としてスラストワッシャが介装されているデファレンシャルにおいて、前記デフケースと前記サイドギヤと前記スラストワッシャとを含むすべり軸受部分の耐焼付き性と耐摩耗性との両方を向上させることを目的としている。
本発明は、デフケースの2つのサイドボス部と2つのサイドギヤとの軸方向対向面間にすべり軸受としてスラストワッシャが介装された構成のデファレンシャルであって、前記両サイドボス部の各内側面の内径側には、面取りが設けられており、前記両サイドギヤにおける中心軸部とギヤ部の外側面とが交差する隅には、前記ギヤ部の外側面から軸方向に凹まされた逃げ部が設けられており、前記スラストワッシャは、環状板とされており、その両側面の内径側にはそれぞれ軸方向に後退する後退部が設けられており、前記両後退部の各外周縁の位置は、径方向で一致するように配置されており、前記逃げ部の外周縁の位置は、前記両後退部の各外周縁の位置と径方向で一致するように配置されており、前記面取りの外周縁の位置は、前記両後退部の各外周縁の位置よりも内径寄りに配置されている、ことを特徴としている。
この構成では、スラストワッシャの両側面の内径寄りに後退部を設けているから、デファレンシャルへの入力トルクがゼロの場合、つまり非作動時、あるいは入力トルクが小さい場合には、デフケースのサイドボス部の内側面がスラストワッシャの一側面において後退部を除く領域に当接され、また、サイドギヤのギヤ部の外側面がスラストワッシャの他側面において後退部を除く領域に当接される。
そして、前記両側の後退部の外周縁の位置を径方向で一致させているので、デファレンシャルへの入力トルクが低い場合には、図4に示すようなオフセット有り構造の場合に比べると、デフケースのサイドボス部が弾性変形されにくくなる。
しかし、デファレンシャルへの入力トルクが高くなると、前記デフケースのサイドボス部と前記サイドギヤのギヤ部とからスラストワッシャに対して作用するアキシアル荷重が大きくなるので、デフケースのサイドボス部が弾性変形されることになって、面取りの外周縁付近がスラストワッシャの一方の後退部に押し付けられるようになる。これにより、スラストワッシャに対するデフケースのサイドボス部の接触面積が増えることになるので、図4の従来例に示すようなオフセット有り構造に比べると、スラストワッシャの局部(面取りの外周縁およびその周辺)に圧力が集中しにくくなる。
このようなことから、デファレンシャルが「高差動、低トルクモード」のときには、前記デフケースのサイドボス部と前記サイドギヤのギヤ部とからスラストワッシャに対して作用するアキシアル荷重が小さく、かつその作用方向が径方向にずれていないので、デフケースのサイドボス部が弾性変形しにくくなる。そのため、図4の従来例に示すようなオフセット有り構造の場合に比べると、スラストワッシャの前記局部に圧力が集中しにくくなるので、たとえ高差動であっても焼付きを起こす可能性が低くなる。
但し、サイドボス部の内側面に対してスラストワッシャの一方後退部の外周縁が当接する位置が、当該後退部を設けていない場合に比べると外径側に移動することになるので、スラストワッシャに対するデフケースのサイドボス部の接触面積が前記後退部を設けていない場合に比べると小さくなってしまい、デファレンシャルが「低差動、高トルクモード」のときに、耐摩耗性が低下しやすくなることが懸念される。
そのことに対して、本発明の場合、デファレンシャルへの入力トルクが高くなると、デフケースのサイドボス部が弾性変形することになって、当該サイドボス部の面取りの外周縁部分がスラストワッシャに押し付けられることになるので、スラストワッシャに対するデフケースのサイドボス部の接触面積が増えるようになっている。そのために、デファレンシャルが「低差動、高トルクモード」のときには、図5の従来例に示すようなオフセット無し構造の場合に比べると、耐摩耗性が向上する結果になる。
このように、本発明の構成では、前記デフケースと前記サイドギヤと前記スラストワッシャとを含むすべり軸受部分における耐焼付き性、ならびに耐摩耗性を共に向上させることが可能になる。
好ましくは、前記後退部は、前記スラストワッシャの内径側の適宜位置から内周縁までの領域に設けられている。ここでは、後退部の形成範囲を明確にしている。
本発明は、デフケースの2つのサイドボス部と2つのサイドギヤとの間にすべり軸受としてスラストワッシャが介装されているデファレンシャルにおいて、前記デフケースと前記サイドギヤと前記スラストワッシャとを含むすべり軸受部分の耐焼付き性と耐摩耗性との両方を向上させることが可能となる。
本発明に係るデファレンシャルの一実施形態を示す断面図である。 図1において破線で囲む円内(デフケースと一方のサイドギヤとスラストワッシャとを含むすべり軸受部分)を拡大して示す図である。 図2において「低差動、高トルクモード」のときの様子を説明するための図である。 第1の従来例のデファレンシャルにおいてデフケースと一方のサイドギヤとスラストワッシャとを含むすべり軸受部分を拡大して示す図であり、図2に対応している。 第2の従来例のデファレンシャルにおいてデフケースと一方のサイドギヤとスラストワッシャとを含むすべり軸受部分を拡大して示す図であり、図2に対応している。 図4および図5の逃げ部が必要な理由を説明するために用いる図である。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図3に本発明の一実施形態を示している。ここで、本発明の特徴を適用した部分の説明に先立ち、本発明の適用対象となるデファレンシャルの概略構成について、図1を参照して説明する。
図中、1はデファレンシャルの全体を示している。このデファレンシャル1は、図示していない変速機構から入力される回転動力を、左右一対のドライブシャフト2,3を介して図示していない左右の駆動輪に伝達するものである。
この実施形態に示すデファレンシャル1は、一般的に公知のツーピニオンタイプとされており、主として、デフケース4、リングギヤ5、二つ一対のピニオンギヤ6,7、二つ一対のサイドギヤ8,9等を備えている。
デフケース4は、中空の箱形状であり、その周壁部分において対向する2箇所にサイドボス部41,42が突設されている。両方のサイドボス部41,42は、変速機ハウジング11の左右二つの貫通孔111,112にそれぞれ転がり軸受12,12を介して相対回転可能に支持される。
リングギヤ5は、デフケース4の径方向外向きフランジ43に一体となるようにボルト13で取り付けられており、図示していない変速機構の出力ギアに噛合される。
一対のピニオンギヤ6,7は、デフケース4の内部空間に配置され、デフケース4に取り付けられるピニオンシャフト10に回転自在に支持されている。
このピニオンシャフト10のデフケース4に対する取り付け構造については、後で詳細に説明する。
一対のサイドギヤ8,9は、中空の中心軸部81,91の軸方向一端側にかさ歯車からなるギヤ部82,92を設けた構成である。この一対のサイドギヤ8,9は、そのギヤ部82,92が一対のピニオンギヤ6,7に噛合されている。そして、中心軸部81,91の軸方向外端側は、デフケース4のサイドボス部41,42の内径側に微小隙間を介して回転可能に挿入されている。
一対のサイドギヤ8,9の中心軸部81,91内に、一対のドライブシャフト2,3の内端部分がスプライン嵌合されるようになっている。
なお、変速機ハウジング11の貫通孔111,112の内周面には、アウターシール14,14が装着されることによって、貫通孔111,112とドライブシャフト2,3との環状対向空間が軸方向内外で仕切られている。このアウターシール14,14は、詳しく図示していないが、例えばスリンガーとリップ付シールリングとを組み合わせたようなもの等、なんでもよく、変速機ハウジング11内に貯留される潤滑油が外部へ漏洩することを防止するものである。
このような構成のデファレンシャル1の動作については基本的に公知のとおりであるので、ここでは簡単に説明する。
まず、車両が直進している場合には、リングギヤ5に回転動力が入力されると、リングギヤ5と一体に固定されるデフケース4が回転し、このデフケース4と一体的に一対のピニオンギヤ6,7が公転することにより、一対のサイドギヤ8,9および一対のドライブシャフト2,3が回転駆動されるので、左右の駆動輪が同一回転数で駆動される。
一方、車両のカーブ走行等によって、左右の後輪間に回転抵抗差が生じたときに、一対のピニオンギヤ6,7が自転することになって、両サイドギヤ8,9が差動回転することになるので、リングギヤ5に入力される回転動力が左右のドライブシャフト2,3を介して左右の駆動輪に差動分配されるようになる。
図2および図3を参照して、この実施形態において本発明の特徴を適用している部分を詳しく説明する。
デフケース4の左右のサイドボス部41,42と左右一対のサイドギヤ8,9の各ギヤ部82,92との軸方向対向面間に、すべり軸受としてのスラストワッシャ15,16が介装されている。
デフケース4のサイドボス部41,42の内側面(ギヤ部82,92と軸方向で対向する側の面)の内径側には、テーパ状の面取り44,45が設けられている。
サイドギヤ8,9における中心軸部81,91とギヤ部82,92の外側面(サイドボス部41,42と軸方向で対向する側の面)とが交差する隅には、ギヤ部82,92の外側面から軸方向に凹まされた逃げ部83,93が設けられている。
この逃げ部83,93の軸方向凹み寸法は、ギヤ部82,92の付け根側で最大になっていて、そこから径方向外向きに向かうにつれて徐々に小さくなっている。なお、逃げ部83,93とは、従来例で説明したように、スラストワッシャ15,16の内周縁との干渉を避けるために設けられるもののことである。
スラストワッシャ15,16は、環状板からなる。このスラストワッシャ15,16の両側面の内径側領域には、それ以外の領域(当該内径側領域から外周縁に至る領域)より軸方向に後退された後退部151,152,161,162が設けられている。これらの後退部151,152,161,162は、スラストワッシャ15,16の内径側の適宜位置から内周縁までの領域に設けられている。
この後退部151,152,161,162を設けることによって、スラストワッシャ15,16の両側面に段差が付けられたようになっている。つまり、スラストワッシャ15,16の内径側領域の板厚寸法W2が、それ以外の領域(当該内径側領域から外周縁に至る領域)の板厚寸法W1よりも小さくなっている。
この左右両方の後退部151,152,161,162の各外周縁の位置は、径方向で一致するように配置されている。
このような形状のスラストワッシャ15,16であれば、図2に示すように、後退部151(161),152(162)が、デフケース4のサイドボス部41(42)とサイドギヤ8(9)のギヤ部82(92)とからそれぞれ離れる。つまり、デフケース4のサイドボス部41(42)の内側面がスラストワッシャ15(16)の一側面において後退部151(161)を除く領域に当接され、また、サイドギヤ8(9)のギヤ部82(92)の外側面がスラストワッシャ15(16)の他側面において後退部152(162)を除く領域に当接される。
そして、逃げ部83(93)の外周縁の位置は、後退部151(161),152(162)の外周縁の位置と径方向で一致するように配置され、また、テーパ状の面取り44(45)の外周縁の位置は、後退部151(161),152(162)の外周縁の位置よりも内径寄りに配置されている。
次に、デファレンシャル1の動作に伴うデフケース4のサイドボス部41,42とサイドギヤ8,9のギヤ部82,92とスラストワッシャ15,16との当接形態を詳しく説明する。なお、図2および図3には、片方(図1の右側)のすべり軸受部分のみを示している。
この実施形態では、スラストワッシャ15(16)の両側面の内径寄りに後退部151,152(161,162)を設けているから、デファレンシャル1への入力トルクがゼロの場合、つまり非作動時、あるいは入力トルクが小さい場合には、図2に示すように、デフケース4のサイドボス部41(42)の内側面がスラストワッシャ15(16)の一側面において後退部151(161)を除く領域に当接され、また、サイドギヤ8(9)のギヤ部82(92)の外側面がスラストワッシャ15(16)の他側面において後退部152(162)を除く領域に当接される。
そして、前記両側の後退部151,152(161,162)の外周縁の位置を径方向で一致させているので、デファレンシャル1への入力トルクが低い場合には、デフケース4のサイドボス部41(42)が図4に示すようなオフセット有り構造の場合に比べると弾性変形されにくくなり、図2に示す状態に保たれる。
しかし、デファレンシャル1への入力トルクが高くなると、デフケース4のサイドボス部41(42)とサイドギヤ8(9)のギヤ部82(92)とからスラストワッシャ15(16)に対して作用するアキシアル荷重F1,F2が大きくなるので、図3に示すように、デフケース4のサイドボス部41(42)が弾性変形されることになって、テーパ状の面取り44(45)の外周縁付近がスラストワッシャ15(16)の一方の後退部151(161)に押し付けられるようになる。これにより、スラストワッシャ15(16)に対するデフケース4のサイドボス部41(42)の接触面積が増えることになるので、図4の従来例に示すようなオフセット有り構造の場合に比べると、スラストワッシャ15(16)の局部に圧力が集中しにくくなる。前記局部とは、テーパ状の面取り44(45)の外周縁およびその周辺のことである。
このようなことから、デファレンシャル1が「高差動、低トルクモード」のときには、デフケース4のサイドボス部41(42)とサイドギヤ8(9)のギヤ部82(92)とからスラストワッシャ15(16)に対して作用するアキシアル荷重F1,F2が小さく、かつその作用方向が径方向にずれていないので、デフケース4のサイドボス部41(42)が弾性変形しにくくなる。そのため、図4の従来例に示すようなオフセット有り構造の場合に比べると、スラストワッシャ15(16)の前記局部に圧力が集中しにくくなるので、たとえ高差動であっても焼付きを起こす可能性が低くなる。
但し、サイドボス部41(42)の内側面に対してスラストワッシャ15(16)の一方後退部151(161)の外周縁が当接する位置が、当該後退部151(161)を設けていない場合に比べると外径側に移動することになるので、スラストワッシャ15(16)に対するデフケース4のサイドボス部41(42)の接触面積が前記後退部151(161)を設けていない場合に比べると小さくなってしまい、デファレンシャル1が「低差動、高トルクモード」のときに、耐摩耗性が低下しやすくなることが懸念される。
そのことに対して、本発明の場合、デファレンシャル1への入力トルクが高くなると、デフケース4のサイドボス部41(42)が弾性変形することになって、当該サイドボス部41(42)におけるテーパ状の面取り44(45)の外周縁部分がスラストワッシャ15(16)に押し付けられることになるので、スラストワッシャ15(16)に対するデフケース4のサイドボス部41(42)の接触面積が増えるようになっている。そのために、デファレンシャル1が「低差動、高トルクモード」のときには、図5の従来例に示すようなオフセット無し構造の場合に比べると、耐摩耗性が向上する結果になる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、図4の従来例に示すオフセット有り構造における短所(高差動、低トルクモードでの耐焼付き性)と、図5の従来例に示すオフセット無し構造における短所(低差動、高トルクモードでの耐摩耗性)との両方を改善することが可能になる。つまり、本発明の構成では、デフケース4とサイドギヤ8,9とスラストワッシャ15,16とを含むすべり軸受部分における耐焼付き性、ならびに耐摩耗性を共に向上させることが可能になる。
ところで、上記実施形態において、後退部151,152,161,162の後退寸法は、前記したような作用、効果が得られるような値をFEM(Finite Element Method)解析にて導き出すことが可能である。また、上記実施形態のように、スラストワッシャ15,16の両側面に同一の後退部151,152,161,162を設けている場合には、スラストワッシャ15,16の組み込み方向性が限定されないので、組立性が向上する。さらに、後退部151,152,161,162は、例えばプレス成形などにより比較的簡易な方法で得ることができるから、例えばスラストワッシャ15,16の両側面に耐焼付き性に優れたコーティングを施すような対策に比べると、コストを低減できる点で優れている。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下、本発明の他の実施形態を例に挙げる。
(1)本発明のデファレンシャル1は、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の車両に搭載されるフロント側のデファレンシャル、フロントエンジン・リアドライブ(FR)方式の車両に搭載されるリア側のデファレンシャル、あるいは四輪駆動方式の車両におけるフロント側およびリア側のデファレンシャルなどとして用いることが可能である。
(2)上記実施形態では、デファレンシャル1をツーピニオンタイプとした例を挙げているが、フォーピニオンタイプのデファレンシャルや、その他の形式のデファレンシャルであっても、本発明を適用することが可能である。
(3)上記実施形態において、テーパ状の面取り44,45の外周縁および内周縁を角張った形状にしているが、丸い形状にすることが可能である。この場合には、図3に示すようにデフケース4のサイドボス部41,42が弾性変形されることによって、テーパ状の面取り44,45の外周縁がスラストワッシャ15,16に対して押し付けられたときに、当該押し付けられる部分に圧力を集中させずにその周辺に分散することが可能になる。これにより、前記押し付けられる部分の耐摩耗性を高めるうえで有利になる。
本発明は、デフケースの2つのサイドボス部と2つのサイドギヤとの軸方向対向面間にすべり軸受としてスラストワッシャが介装された構成のデファレンシャルに好適に利用することが可能である。
1 デファレンシャル
2,3 ドライブシャフト
4 デフケース
41,42 デフケースのサイドボス部
44,45 デフケースの面取り
5 リングギア
6,7 ピニオンギア
8,9 サイドギア
81,91 サイドギヤの中心軸部
82,92 サイドギヤのギヤ部
83,93 サイドギヤの逃げ部
15,16 スラストワッシャ
151,161 スラストワッシャの後退部

Claims (2)

  1. デフケースの2つのサイドボス部と2つのサイドギヤとの軸方向対向面間にすべり軸受としてスラストワッシャが介装された構成のデファレンシャルであって、
    前記両サイドボス部の各内側面の内径側には、面取りが設けられており、
    前記両サイドギヤにおける中心軸部とギヤ部の外側面とが交差する隅には、前記ギヤ部の外側面から軸方向に凹まされた逃げ部が設けられており、
    前記スラストワッシャは、環状板とされており、その両側面の内径側にはそれぞれ軸方向に後退する後退部が設けられており、
    前記両後退部の各外周縁の位置は、径方向で一致するように配置されており、
    前記逃げ部の外周縁の位置は、前記両後退部の各外周縁の位置と径方向で一致するように配置されており、
    前記面取りの外周縁の位置は、前記両後退部の各外周縁の位置よりも内径寄りに配置されている、ことを特徴とするデファレンシャル。
  2. 請求項1に記載のデファレンシャルにおいて、
    前記後退部は、前記スラストワッシャの内径側の適宜位置から内周縁までの領域に設けられている、ことを特徴とするデファレンシャル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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