JP2010255733A - シール構造および動力伝達装置 - Google Patents

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宏 藤戸
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Abstract

【課題】軸方向に相対移動し得る二部材間のシール性を好適に確保できるシール構造を提供する。
【解決手段】相対回転可能に設けられたトランスアクスルケース101と車軸102との間の隙間を密封するオイルシール1は、トランスアクスルケース101に支持されており車軸102に密着して隙間を密封するオイルシール本体30と、径方向に延在するスラスト部41を有し軸方向に移動可能に車軸102に支持されたダストカバー40と、車軸102に支持され軸方向においてダストカバー40に対しオイルシール本体30と反対側に配置されているバネ部材50とを備える。オイルシール本体30はスラスト部41のシール面43に当接し、バネ部材50はスラスト部41の反対面42に当接する。オイルシール本体30の弾性率は、バネ部材50の弾性率よりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、シール構造および動力伝達装置に関し、特に、相対回転可能に設けられかつ軸方向に相対移動し得る第一部材と第二部材との間の隙間を密封するシール構造と、そのシール構造を備える動力伝達装置に関する。
従来のシール構造に関する技術は、たとえば実開平6−75853号公報(特許文献1)、特開2008−14350号公報(特許文献2)および特開平10−82427号公報(特許文献3)などに開示されている。特許文献1では、車両用終減速機のシール構造として、オイルシールのリップがダストシールの円筒面と摺接する構造が提案されている。特許文献2では、ダストカバーを含むプロペラシャフトのシール構造の一例が開示されている。特許文献3では、ダストカバーを含む終減速機のシール構造の一例が開示されている。
実開平6−75853号公報 特開2008−14350号公報 特開平10−82427号公報
車両の動力伝達装置に用いられるシール構造では、車両が川や泥水路を走行するときに、シール構造が完全に水没する場合がある。シール構造が水没したときに、たとえば砂の噛み込みなどが発生すると、シール性能が低下してしまう。そのため、耐泥水性に対して効果が大きい、端面当て方式のシール構造が検討されている。端面当てのシール構造は、リップ部を含むシール材と相手部材とを備え、相手部材のスラスト面にリップ部を当接させることにより、シール性能を確保するものである。
しかし、端面当てのシール構造により密封される隙間を形成する2つの回転部材が、軸方向に相対移動する場合がある。シール材と相手部材とが離れる側に相対移動すると、リップ部とスラスト面との間に隙間が発生して非接触状態となりシール性能が著しく低下する問題があった。また、シール材と相手部材とが近接する側に相対移動すると、リップ部とスラスト面との接触が大きくなりすぎ、リップ部の引き摺りが発生して燃費が悪化したり、リップ部のめくれが発生するという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、軸方向に相対移動し得る二部材間のシール性を好適に確保できる、シール構造を提供することである。
本発明に係るシール構造は、相対回転可能に設けられた第一部材と第二部材との間の隙間を密封する。シール構造は、第一弾性体と、カバー部材と、第二弾性体とを備える。第一弾性体は、第二部材に支持されており、第一部材に密着して第一部材と第二部材との間の隙間を密封する。カバー部材は、軸方向に対し略直交する方向に延在するスラスト部を有する。カバー部材は、軸方向に移動可能に第一部材に支持されている。第二弾性体は、第一部材に支持されている。第二弾性体は、軸方向において、カバー部材に対し第一弾性体と反対側に配置されている。第一弾性体は、スラスト部の一方の表面に当接する。第二弾性体は、スラスト部の他方の表面に当接する。第一弾性体の弾性率は、第二弾性体の弾性率よりも大きい。
上記シール構造において好ましくは、第二弾性体は、ゴム弾性体により形成されている。
本発明に係る動力伝達装置は、回転可能に設けられた回転シャフトと、回転シャフトを取り囲むハウジングと、上記のいずれかの局面のシール構造とを備える。シール構造は、回転シャフトとハウジングとの間の隙間を密閉する。
本発明のシール構造によると、第一部材と第二部材との間の隙間において良好な密封性を得ることができる。
本実施の形態のシール構造を備えるディファレンシャルギヤ装置を示す断面模式図である。 オイルシールを拡大して示す模式図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
図1は、本実施の形態のシール構造を備えるディファレンシャルギヤ装置100を示す断面模式図である。図1には、車両に搭載され、エンジンなどの駆動力源から入力される回転駆動力を駆動輪に伝達する、動力伝達装置の一部を図示している。ディファレンシャルギヤ装置100は、車両の動力伝達装置の一例である。本実施の形態の動力伝達装置は、エンジン横置きFF(Front engine Front drive)方式をベースとした車両に適用される。
ディファレンシャルギヤ装置100は、駆動力源より入力される回転力をドライブシャフトである車軸102を経由させて左右の前輪へ伝達する、差動装置である。ディファレンシャルギヤ装置100は、トランスアクスルケース101内に収容されている。ディファレンシャルギヤ装置100は、回転シャフトとしての車軸102と、車軸102とともに回転運動を行なうディファレンシャルケース103とを備える。
ディファレンシャルケース103は、仮想の回転中心線である軸線Oを車軸102と共有するように設けられている。車軸102は、軸線O回りに回転可能に設けられており、トランスアクスルケース101は固定されている。つまり、車軸102は、トランスアクスルケース101に対して軸線O回りに相対的に回転可能に設けられている。ハウジングとしてのトランスアクスルケース101は、車軸102を取り囲んでいる。
ディファレンシャルケース103には、リングギヤ106がボルト結合されている。駆動力源で発生し、変速機で駆動力、回転速度および回転方向が変換された動力は、リングギヤ106を経てディファレンシャルケース103に伝達される。ディファレンシャルケース103の一方端側は軸受104により、他方端側は図示しない他の軸受により、それぞれ回転可能にトランスアクスルケース101に支持されている。
旋回時や路面に凹凸がある場合などに車軸102に回転差を与えて車両の円滑な走行を可能とするディファレンシャルギヤ装置100は、ピニオンギヤ107とサイドギヤ108とを含んで構成されている。ピニオンギヤ107はディファレンシャルケース103に取り付けられており、このピニオンギヤ107にサイドギヤ108が噛合っている。またサイドギヤ108は、スプラインにより車軸102と結合している。
車両が平坦路を直進する場合には、左右の駆動輪の転がる距離が等しい。そのため左右のサイドギヤ108は同じ回転速度で回転し、サイドギヤ108の間に挟まれたピニオンギヤ107は自転せず、ディファレンシャルケース103、ピニオンギヤ107およびサイドギヤ108は一体となって公転する。
車両がカーブを曲がる場合には、カーブ外側の駆動輪の転がる距離がカーブ内側の駆動輪よりも長いため、カーブ外側のサイドギヤ108はカーブ内側のサイドギヤ108よりも速く回転する。このとき、カーブ外側のサイドギヤ108はディファレンシャルケース103よりも速く回転しており、カーブ内側のサイドギヤ108はディファレンシャルケース103よりも遅く回転している。したがって、ディファレンシャルケース103に取り付けられ左右のサイドギヤ108の間に挟まれたピニオンギヤ107は、公転だけでなく自転もするようになる。これにより、異なる速度で回転している左右のサイドギヤ108にディファレンシャルケース103からの動力を伝えることを可能にしている。
このようなディファレンシャルギヤ装置100の働きにより、車両は駆動輪と路面との間ですべりを起こすことなく、円滑にカーブを曲がったり、凹凸路面を走行することができる。
車軸102とトランスアクスルケース101との間の隙間には、本実施の形態のシール構造としてのオイルシール1が設けられている。オイルシール1は、トランスアクスルケース101と車軸102との間の隙間を密封して、トランスアクスルケース101内部に封入された潤滑油が外部へ漏出することを抑制している。
図2は、図1に示す領域II付近を拡大視して、オイルシールを拡大して示す模式図である。図2中の左右方向であるDR1(DR1a,DR1b)方向は、軸線Oに沿う軸方向である。また図2中の上下方向であるDR2(DR2a,DR2b)方向は、軸線Oと直交する径方向である。図2に示すように、オイルシール1は、第二部材としてのトランスアクスルケース101に支持された、シール材としてのオイルシール本体30を備える。またオイルシール1は、第一部材としての車軸102に支持された、カバー部材としてのダストカバー40を備える。
図2に示すように、車軸102は、小径部12と、小径部12に対し相対的に大径に形成された中径部13と、中径部13に対し相対的に大径に形成された大径部14とを有する。小径部12の外周面は、トランスアクスルケース101と対向する対向面11を形成する。トランスアクスルケース101の内周面は、車軸102の対向面11と対向する対向面21を形成する。
ダストカバー40は、車軸102の中径部13の外周面16から、DR2a方向に沿って径方向外側に向かって延設されている、スラスト部41を有する。スラスト部41は、図2に示すようにDR1方向に対し直交するDR2方向に延在して配置される円環形状に形成されてもよいが、たとえば円錐面形状など軸線Oに対し対称な形状に形成され、DR2方向と平行でなくDR2方向に対し傾斜して配置されてもよい。スラスト部41は、オイルシール本体30に対向する一方の表面としてのシール面43と、シール面43と反対側の他方の表面としての反対面42とを有する。
またダストカバー40は、スラスト部41の最内径側、すなわちDR2b方向側の端部に接合された、基部44を有する。基部44は、スラスト部41の端部からDR1a方向に延びている。基部44は、ダストカバー40の最内径側を形成している。基部44は、たとえばダストカバー40をプレス加工することにより、オイルシール本体30から離れる向きに延びるように曲げられて形成されている。これにより、オイルシール本体30と基部44との干渉を回避して、オイルシール1のシール性を向上させている。
ダストカバー40は、基部44において車軸102に支持されている。基部44の内周面が、たとえば中径部13の外周面16に対しスプライン嵌合されており、そのためダストカバー40は、車軸102に対しDR1方向に移動可能、かつ車軸102とともに一体として回転可能とされている。ダストカバー40を車軸102の周囲に組み付ける際に、小径部12側からDR1a方向にダストカバー40を移動し、中径部13の外周面16に基部44をスプライン嵌合させることにより、容易にダストカバー40を組み付けることができる。
ダストカバー40が確実に車軸102によって支持される構造とするために、DR1方向における基部44の延在長さをスラスト部41の厚みの5倍以上とするように、形成することができる。たとえば、ダストカバー40が板厚1mmとして形成される場合、基部44のDR1方向の延在長さは5mm以上とすることができる。ダストカバー40の板厚は任意に設定することができ、たとえば0.8mm以上1.2mm以下の範囲とすることができる。
第一弾性体としてのオイルシール本体30は、樹脂材料に代表される弾性材料により形成されている。オイルシール本体30は、DR1a方向に沿って延設されたリップ部31と、ダストリップ32と、シール部33とを有する。シール部33の外周にはスプリングリング34が配設されており、スプリングリング34の締付力によって、シール部33の車軸102に対するシール性を向上させている。このシール部33がラジアル面である車軸102の対向面11と密着することにより、トランスアクスルケース101と車軸102との間の隙間が密封される。そして、図2中に「オイル側」と示されたトランスアクスルケース101内部に封入された潤滑油が、図2中に「空気側」と示された外部へ漏出することが抑制されている。
オイルシール本体30はまた、円筒形状のスリーブ部36を有する。円環形状に形成された環状部材としての金属製の支持部材35と、トランスアクスルケース101の対向面21との間にスリーブ部36が挟持されることにより、オイルシール本体30がトランスアクスルケース101に支持されている。樹脂材料製のオイルシール本体30を鋳鉄製のトランスアクスルケース101に直接圧入すると、圧入後に逆戻りするスプリングバックが発生し、DR1方向におけるオイルシール本体30の寸法バラツキが発生することが懸念される。図2に示すように、支持部材35を用いてオイルシール本体30をトランスアクスルケース101に組み付けることにより、オイルシール本体30の寸法バラツキが抑制されている。
リップ部31は、DR2方向に延設されているスラスト部41の、スラスト面であるシール面43に当接している。ダストカバー40は、オイルシール本体30のリップ部31が接触する相手材である、サイドリップ端面当て板材として機能している。リップ部31がダストカバー40のシール面43に摺接し、またダストリップ32が車軸102の対向面11に摺接することにより、シール部33への泥水の浸入が抑制されており、オイルシール1の耐泥水性を向上させてシール性能を向上できる構成とされている。
ダストカバー40はまた、先端部45を有する。先端部45は、円筒形状に形成されており、車軸102とともに軸線O回りに回転するダストカバー40の最外径側を形成している。先端部45は、DR2a方向に延びるダストカバー40において、車軸102の対向面11から最も離れる位置に配設されている。先端部45は、スラスト部41の最外径側、すなわちDR2a方向側の端部に接合された、ダストカバー40の外径側端部を形成する。
トランスアクスルケース101は、端部22を有する。トランスアクスルケース101はDR1方向に沿って延びる部分を有しており、最もDR1a方向に延びる先端に、軸線方向端部としての端部22が形成されている。端部22は、ダストカバー40の先端部45によって囲まれている。ダストカバー40の先端部45は、端部22に対し外周側、すなわちDR2a方向側に配置されており、端部22を覆うようにDR1方向に延在している。ダストカバー40の先端部45は、DR2方向において、端部22よりも車軸102の対向面11から離れる側に位置している。
端部22に対し外周側に配置された先端部45は、DR1方向に延びて形成され、端部22に被せられている。先端部45の内周面とトランスアクスルケース101の外周面との間に微小な隙間が形成されるように、ダストカバー40が形成されている。そのため、先端部45とトランスアクスルケース101との間の隙間を通過してオイルシール本体30側へ流れる泥水の流路が狭められており、泥水がオイルシール本体30に向けて流れることを抑制できる構造が形成されている。
先端部45とトランスアクスルケース101との間の隙間から泥水が浸入した場合でも、シール部33よりも空気側においてリップ部31が確実にダストカバー40のシール面43と当接しているために、リップ部31を通過して泥水がさらにDR2b方向へ流れてシール部33に至ることが抑制される。車軸102が回転している場合、リップ部31によってせき止められた泥水には、回転に伴って発生する遠心力によって、DR2a方向へ向かう力が作用するので、泥水の浸入を一層抑制することができる。
オイルシール1はさらに、第二弾性体としてのバネ部材50を備える。バネ部材50は、ダストカバー40に対し、DR1a方向側に配置されている。バネ部材50は、DR1方向において、ダストカバー40に対しオイルシール本体30と反対側に配置されている。
バネ部材50は、DR1方向に延在している。バネ部材50のDR1a方向側の端部51は、車軸102の大径部14の、中径部13側の端面15に取り付けられている。これにより、バネ部材50は、車軸102によって支持され車軸102とともに一体として回転する。バネ部材50のDR1b方向側の端部52は、スラスト部41の反対面42に取り付けられている。端部52は、反対面42に当接している。
バネ部材50は、樹脂材料などの任意の弾性材料により形成されている。典型的には、バネ部材50は、ゴム弾性体により形成されている。つまり、バネ部材50は、弾性率が小さく、変形の範囲すなわち弾性限界が非常に大きく、わずかな外力で大きく伸びるが外力を除くとほとんど瞬間的に元に戻る物性を有する、伸縮のよい材料によって、形成されている。
ゴム弾性体によりバネ部材50を形成すれば、軸線O周りの周方向全体において、端部51を車軸102の大径部14の端面15に密着させ、かつ端部52をダストカバー40のスラスト部41の反対面42に密着させることができる。このときバネ部材50は、ダストカバー40と車軸102の大径部14との間の隙間を密封する、シール部材としての機能を有する。このようにすれば、ダストカバー40の反対面42側と車軸102との間を密封するために他の部材を用いる必要がなく、オイルシール1の部品点数を省略できるので、オイルシール1の部品コストの低減と生産性の向上が可能となる。
オイルシール本体30を形成する第一の弾性材料と、バネ部材50を形成する第二の弾性材料とを比較した場合に、第一の弾性材料のほうが弾性率(すなわち、弾性体に外力が作用して変形したときの、弾性範囲内での応力とひずみとの比率)が大きくなるように、第一および第二の弾性材料が選定される。つまり、オイルシール本体30の弾性率がバネ部材50の弾性率よりも大きくなるように、オイルシール1は形成されている。
以上の構成を備えるオイルシール1について、トランスアクスルケース101と車軸102とが軸方向に相対移動するときのシール性能について説明する。車軸102が回転するとき、ダストカバー40とバネ部材50とは車軸102に一体回転可能に取り付けられているために、車軸102とともに回転する。一方、トランスアクスルケース101は回転しない固定部材であって、トランスアクスルケース101に取り付けられたオイルシール本体30も回転しない。車軸102がトランスアクスルケース101に対して相対回転するとき、オイルシール本体30のリップ部31がスラスト部41のシール面43に対し摺接し、またダストリップ32とシール部33とが小径部12の対向面11に対し摺接することにより、トランスアクスルケース101と車軸102との間の隙間を密封する。
ダストカバー40のスラスト部41の、シール面43にリップ部31が接触し、反対面42にバネ部材50が接触する。リップ部31とバネ部材50とは、ダストカバー40に対し、DR1方向の弾性力を作用させている。リップ部31は、ダストカバー40をDR1a方向に付勢する。バネ部材50は、ダストカバー40をDR1b方向に付勢する。オイルシール本体30の弾性率がバネ部材50の弾性率よりも大きいので、ダストカバー40に作用する弾性力が釣り合ってダストカバー40が軸方向に位置決めされる位置で、バネ部材50は軸方向に圧縮されて弾性エネルギーを蓄積している。ダストカバー40は、上記の位置決めされる位置において、車軸102とともに回転運動を行なう。
回転している車軸102に何らかの外乱が入力されることにより、車軸102がDR1a方向へ移動する場合、ダストカバー40に作用するリップ部31の弾性力が小さくなる。ダストカバー40に対しリップ部31からDR1a方向に作用する弾性力が減少するので、バネ部材50からダストカバー40に対しDR1b方向へ作用する弾性力が、リップ部31の弾性力と比較して相対的に増加する。ダストカバー40に対してバネ部材50がDR1b方向に作用する弾性力が、リップ部31がDR1a方向に作用する弾性力よりも大きくなると、ダストカバー40は車軸102に対しDR1b方向へ相対移動する。バネ部材50の弾性力により、オイルシール本体30に接近する側へダストカバー40が移動するので、スラスト部41のシール面43に対するリップ部31の接触を維持し、シール性を好適に確保することができる。
一方、車軸102がDR1b方向へ移動する場合、ダストカバー40に作用するリップ部31の弾性力が増加するので、ダストカバー40は車軸102に対しDR1a方向へ相対移動する。リップ部31の弾性力の作用により、オイルシール本体30から離れる側へダストカバー40が移動する。そのため、スラスト部41のシール面43に対するリップ部31の適切な接触状態を保ち、シール性を好適に確保することができる。
つまり、オイルシール本体30とダストカバー40とが接近してシール面43に対するリップ部31の接触面積が過大となると、車軸102の回転時におけるリップ部31とシール面43との間の引き摺り損失が増大して燃費が悪化したり、シール面43に対するリップ部31のめくれが発生してシール性が低下したり、リップ部31が早期に磨耗したりする種々の問題が発生する。リップ部31とシール面43との接触状態を良好に保つことにより、上記の問題の発生を回避することができる。
以上説明したように、本実施の形態のオイルシール1では、相対回転するトランスアクスルケース101に対し車軸102が軸方向に変位した場合に、車軸102の軸方向の変位を打ち消す方向に、ダストカバー40を車軸102に対して軸方向に相対移動させる。ダストカバー40の軸方向の移動によってトランスアクスルケース101に対する車軸102の変位を吸収できるので、オイルシール本体30のリップ部31の変形を抑制し、リップ部31とダストカバー40のシール面43との接触状態を良好に保つことができる。したがって、車軸102の回転中のあらゆる場面において、トランスアクスルケース101と車軸102との間の隙間において良好な密封性を得ることができる。
なお、これまでの説明においては、回転側である車軸102にダストカバー40が固定され、固定側であるトランスアクスルケース101にオイルシール本体30が支持されている例について説明したが、この構成に限られない。つまり、固定部にダストカバーが支持され、当該固定部に対し相対回転する回転部にオイルシール本体が支持される構成であってもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、車両のトランスミッション、トランスファまたはディファレンシャルなどのインプット/アウトプット部に用いられるシール構造に、特に有利に適用され得る。
1 オイルシール、11 対向面、12 小径部、13 中径部、14 大径部、15 端面、16 外周面、21 対向面、22 端部、30 オイルシール本体、31 リップ部、32 ダストリップ、33 シール部、34 スプリングリング、35 支持部材、36 スリーブ部、40 ダストカバー、41 スラスト部、42 反対面、43 シール面、44 基部、45 先端部、50 バネ部材、51,52 端部、100 ディファレンシャルギヤ装置、101 トランスアクスルケース、102 車軸、O 軸線。

Claims (3)

  1. 相対回転可能に設けられた第一部材と第二部材との間の隙間を密封するシール構造であって、
    前記第二部材に支持され、前記第一部材に密着して前記隙間を密封する第一弾性体と、
    軸方向に対し略直交する方向に延在するスラスト部を有し、前記軸方向に移動可能に前記第一部材に支持されたカバー部材と、
    前記第一部材に支持され、前記軸方向において前記カバー部材に対し前記第一弾性体と反対側に配置された第二弾性体とを備え、
    前記第一弾性体は、前記スラスト部の一方の表面に当接し、
    前記第二弾性体は、前記スラスト部の他方の表面に当接し、
    前記第一弾性体の弾性率は、前記第二弾性体の弾性率よりも大きい、シール構造。
  2. 前記第二弾性体は、ゴム弾性体により形成されている、請求項1に記載のシール構造。
  3. 回転可能に設けられた回転シャフトと、
    前記回転シャフトを取り囲むハウジングと、
    前記回転シャフトと前記ハウジングとの間の隙間を密閉する、請求項1または請求項2に記載のシール構造とを備える、動力伝達装置。
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