JP6126827B2 - 車輪用軸受の密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受の密封装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの軸受部には、軸受内部に封入されたグリースの漏れを防止すると共に、外部から雨水やダスト等の侵入を防止するために密封装置が装着されている。近年、自動車の燃費向上のため軸受部の低トルク化が進んでいる。この軸受部の回転トルクのうち、密封装置の回転トルクが支配的である。すなわち、転がり抵抗に比べ密封装置の摺動抵抗が大きく、回転トルクに占める密封装置の摺動抵抗の比率が高く、車輪用軸受の密封装置において、さらなる低トルク化が要求されるようになっている。また、市場回収品の軸受損傷状況を検証すると、剥離等の本来の軸受寿命よりも、密封装置の不具合による損傷が多くを占めている。したがって、密封装置の密封性と耐久性を高めることにより、軸受寿命の向上を確実に図ることができる。
従来から、密封性を高めた車輪用軸受の密封装置に関しては種々提案されているが、こうした車輪用軸受の密封装置の代表的な一例を図5に示す。この密封装置50は、互いに対向配置されたスリンガ51と環状のシール板52とからなる。スリンガ51は鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、回転側部材となる内輪53の外径に圧入される円筒部51aと、この円筒部51aから径方向外方に延びる立板部51bとからなる。
一方、シール板52は断面略L字状に形成され、固定側部材となる外方部材54に装着されている。このシール板52は、芯金55と、この芯金55に加硫接着されたシール部材56とからなる。芯金55は鋼板からプレス加工にて形成され、外方部材54の端部に内嵌された円筒部55aと、この円筒部55aから径方向内方に延びる立板部55bとからなる。
シール部材56はニトリルゴム等の弾性部材からなり、スリンガ51の立板部51bに摺接するサイドリップ56aとグリースリップ56bを有している。サイドリップ56aは、芯金55の立板部55bから外径側に傾斜して形成され、その先端がスリンガ51の立板部51bに所定の軸方向シメシロをもって摺接されていると共に、グリースリップ56bが円筒部51aに所定の径方向シメシロを介して摺接されている。
また、スリンガ51の立板部51bの外面側に磁気エンコーダ57が加硫接着によって一体に接合されている。この磁気エンコーダ57は、立板部51bの先端から内面側に回り込んで接合されている。一方、シール部材56は、芯金55の円筒部55aの先端部に回り込んで接合されている。そして、磁気エンコーダ57とこのシール部材56との間に環状のラビリンス隙間58が形成されている。これにより、軸受空間への泥水の浸入を効果的に防止して、軸受寿命を延長できるようにしている。
この種のパックシールタイプの密封装置50においては、その構造上、軸受空間Sに対するシール経路は、2点鎖線で示す矢印Pによって概念的に表すことができる。したがって、軸受空間Sに遠い側(最遠側)、軸受空間Sから近い側(最近側)とは、それぞれ、このシール経路Pに沿って軸受空間Sに遠い側、軸受空間Sから近い側と言うことができる。
ここで、軸受空間Sより最も遠い位置の最遠側サイドリップ56aと、軸受空間Sより最も近い最近側グリースリップ56bは、固定側部材である外輪54に一体とされているから、その先端部は、回転するスリンガ51の最遠側摺接面59aと最近側摺接面59bに対して見かけ上相対的に摺接することになる。このような最遠側サイドリップ56aと最近側グリースリップ56bの最遠側摺接面59aと最近側摺接面59bに対する相対的摺接状態によって、軸受空間S内に充填されたグリースの外部漏出が防止されると共に、外部からの汚泥や塵埃等の軸受空間S内への侵入が防止される。
最遠側摺接面59aの表面粗さ(Ra)が最近側摺接面59bの表面粗さよりも大きく、0.4以上とされている。Raは、JISの粗さ形状パラメータの一つで(JIS B0601−1994)、算術平均粗さ、すなわち、平均線から絶対値偏差の平均値を言う。そして、回転の継続に伴い、軸受空間S内の温度が上昇し、その内圧が高くなるが、最近側摺接面59bの表面粗さ(Ra)が0.4以下とされているから、最近側グリースリップ56bの先端部と最近側摺接面59bとの接触面積が大きく確保され、これによって、両者の接触界面部分から空気の漏出が抑制される。したがって、その後、回転速度が下がりあるいは回転停止して軸受空間Sの温度が下がっても、軸受空間S内が負圧になり難く、最遠側サイドリップ56aが最遠側摺接面59aに貼り付くような現象が生じない。また、最遠側摺接面59aがRa0.4より大とされているから、最遠側サイドリップ56aと最遠側摺接面59aとの摺接抵抗は小さく、この摺接部分における外部からの汚泥や塵埃の侵入の防止を維持しながら、内輪53をはじめ回転側部材の回転トルクの低減化が図られ、自動車の低燃費化に寄与する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−21616号公報
この種の密封装置50では、市場におけるロバスト性(耐久性)向上のための泥水性能の向上が求められると共に、低燃費化のために低フリクション化も同時に求められる。このような状況の中で、泥水性能は現状を維持し、低フリクション化を求める場合がある。この場合、一般的なハイパックシールでは、2サイドリップ化やスリンガの低摩擦処理、あるいはシールリップの低摩擦処理等で対応されてきた。
一方、更なる低フリクション化が求められ、ハイパックシールの3リップ構造からサイドリップ+グリースリップの2リップ構造が知られている。然しながら、例示した従来の密封装置50では、低フリクション化には繋がるものの、泥水性能は従来のハイパックシールに比べて劣ることになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、低フリクション化を図りつつ、泥水性能を高めて耐久性の向上を図った車輪用軸受の密封装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、前記スリンガが、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、前記スリンガの立板部の外径部に軸受内方側に延びる遮蔽部が設けられ、この遮蔽部が、前記スリンガの立板部の先端部から軸受内方側に延びる第1の円筒部と、この第1の円筒部から径方向外方に延びる円板部と、この円板部から軸受外方側に延びる第2の円筒部とからなる断面が略コの字型に形成され、前記第1の円筒部と円板部の角部が前記シール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成されると共に、前記第2の円筒部が前記シール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部が前記サイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっている。
また、本発明のうち請求項2記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、前記スリンガが、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、前記スリンガの立板部の側面に、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダが一体に接合されると共に、前記磁気エンコーダが前記立板部の先端部に回り込んで接合されて遮蔽部が構成され、この遮蔽部の端部内周に所定の傾斜角からなるテーパ面が形成され、このテーパ面の傾斜角が前記シール板を構成する芯金の内径部の傾斜角と略同一に設定されると共に、前記テーパ面が前記シール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部の外径が前記シール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部が前記サイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっている。
このように、車輪用軸受に装着され、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、シール板が、外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、スリンガが、内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、シール部材が、芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、スリンガの立板部の外径部に軸受内方側に延びる遮蔽部が設けられ、この遮蔽部が、スリンガの立板部の先端部から軸受内方側に延びる第1の円筒部と、この第1の円筒部から径方向外方に延びる円板部と、この円板部から軸受外方側に延びる第2の円筒部とからなる断面が略コの字型に形成され、第1の円筒部と円板部の角部がシール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成されると共に、第2の円筒部がシール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部がサイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっているので、サイドリップの摺接部に泥水が直接入り込むのを抑制し、サイドリップの先端部からの泥水等の浸入を遅れせることができると共に、摺接面に介在する異物によってその表面が削り取られるアブレッシブ摩耗を防止することができ、泥水性能を高めて耐久性の向上を図った車輪用軸受の密封装置を提供することができる。
また、本発明に係る車輪用軸受の密封装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、前記スリンガが、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、前記スリンガの立板部の側面に、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダが一体に接合されると共に、前記磁気エンコーダが前記立板部の先端部に回り込んで接合されて遮蔽部が構成され、この遮蔽部の端部内周に所定の傾斜角からなるテーパ面が形成され、このテーパ面の傾斜角が前記シール板を構成する芯金の内径部の傾斜角と略同一に設定されると共に、前記テーパ面が前記シール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部の外径が前記シール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部がサイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっているので、外部から泥水等が浸入しても、サイドリップの先端部までの浸入経路が屈曲されてその距離が長くなるので、泥水性能を高めて耐久性の向上を図ることができると共に、浸入した泥水がサイドリップの周辺に滞留することなくこのテーパ面に沿って飛散し易くなり、一層泥水性能を高めて耐久性の向上を図ることができる。
好ましくは、請求項に記載の発明のように、前記シール部材が、前記サイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成され、前記スリンガの円筒部に所定の径方向シメシロを介して摺接するグリースリップを備えていれば、パックシールの2リップ構造による低フリクション化を図ることができる。
また、請求項に記載の発明のように、前記遮蔽部の幅寸法が前記サイドリップの先端部の厚さよりも大きく設定されていれば、サイドリップの先端部からの泥水等の浸入を遅れせることができ、低フリクション化を図りつつ、泥水性能を高めて耐久性の向上を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受の密封装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、前記スリンガが、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、前記スリンガの立板部の外径部に軸受内方側に延びる遮蔽部が設けられ、この遮蔽部が、前記スリンガの立板部の先端部から軸受内方側に延びる第1の円筒部と、この第1の円筒部から径方向外方に延びる円板部と、この円板部から軸受外方側に延びる第2の円筒部とからなる断面が略コの字型に形成され、前記第1の円筒部と円板部の角部が前記シール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成されると共に、前記第2の円筒部が前記シール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部がサイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっているので、サイドリップの摺接部に泥水が直接入り込むのを抑制し、サイドリップの先端部からの泥水等の浸入を遅れせることができると共に、摺接面に介在する異物によってその表面が削り取られるアブレッシブ摩耗を防止することができ、泥水性能を高めて耐久性の向上を図った車輪用軸受の密封装置を提供することができる。
また、本発明に係る車輪用軸受の密封装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、前記スリンガが、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、前記スリンガの立板部の側面に、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダが一体に接合されると共に、前記磁気エンコーダが前記立板部の先端部に回り込んで接合されて遮蔽部が構成され、この遮蔽部の端部内周に所定の傾斜角からなるテーパ面が形成され、このテーパ面の傾斜角が前記シール板を構成する芯金の内径部の傾斜角と略同一に設定されると共に、前記テーパ面が前記シール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部の外径が前記シール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部が前記サイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっているので、外部から泥水等が浸入しても、サイドリップの先端部までの浸入経路が屈曲されてその距離が長くなるので、泥水性能を高めて耐久性の向上を図ることができると共に、浸入した泥水がサイドリップの周辺に滞留することなくこのテーパ面に沿って飛散し易くなり、一層泥水性能を高めて耐久性の向上を図ることができる。
本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の密封装置を示す要部拡大図である。 図2の密封装置の変形例を示す要部拡大図である。 図3の密封装置の変形例を示す要部拡大図である。 従来の密封装置を示す要部拡大図である。
内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が鋼板からプレス加工によって形成され、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、前記スリンガが鋼板からプレス加工によって形成され、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とを有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップと、このサイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成され、前記スリンガの円筒部に所定の径方向シメシロを介して摺接するグリースリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、前記スリンガの立板部の先端部から軸受内方側に延びる第1の円筒部と、この第1の円筒部から径方向外方に延びる円板部と、この円板部から軸受外方側に延びる第2の円筒部とからなる断面が略コの字型の遮蔽部が一体に形成され、前記第1の円筒部と円板部の角部が前記シール板に僅かなすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成され、前記第2の円筒部が前記シール板に僅かな径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、前記遮蔽部が前記サイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となり、この遮蔽部の幅寸法が前記サイドリップの先端部の厚さよりも大きく設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の密封装置を示す要部拡大図、図3は、図2の密封装置の変形例を示す要部拡大図、図4は、図3の密封装置の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1に示す車輪用軸受1は第1世代と呼称され、内周に複列の外側転走面2a、2aが一体に形成された外輪(外方部材)2と、外周にこれら複列の外側転走面2a、2aに対向する内側転走面3aが形成された一対の内輪3、3と、両転走面間に保持器4を介して転動自在に収容された複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。そして、一対の内輪3、3の小端面(小径側端面)3bが突き合された状態でセットされ、背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。
外輪2と内輪3および転動体5はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。また、外輪2と一対の内輪3、3との間に形成される環状空間の開口部には密封装置6、7が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
なお、ここでは、車輪用軸受1として転動体5にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受で構成されたものを例示したが、これに限らず転動体5に円錐ころを使用した複列円錐ころ玉軸受で構成されていても良い。また、軸受構造は例示した第1世代に限らず、例えば、外輪にフランジを有する第2世代構造でも良いし、内方部材を構成するハブ輪の外周に直接内側転走面が形成され、このハブ輪に内輪が固定された第3世代構造、あるいは、内方部材を構成するハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造であっても良い。
アウター側の密封装置6は、外輪2の端部内周に圧入された芯金8と、この芯金8に加硫接着によって一体に接合されたシール部材9とからなる一体型シールで構成されている。芯金8は、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)や冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成されている。一方、シール部材9はNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、内輪3の外径に摺接する二股状のラジアルリップを有している。そして、芯金8の外表面を覆うように、シール部材9が回り込んで接合され、所謂ハーフメタル構造をなしている。これにより、気密性を高めて軸受内部を保護することができる。
なお、シール部材9の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
インナー側の密封装置7は、図2に拡大して示すように、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板10とスリンガ11とからなる、所謂パックシールを構成している。シール板10は、図示しない外輪に圧入される芯金12と、この芯金12に一体に加硫接着されたシール部材13とからなる。
芯金12は、オーステナイト系ステンレス鋼板または冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、外輪の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部12aと、この嵌合部12aの一端部から径方向内方に延び、途中、軸受外方側(スリンガ11側)に所定の傾斜角θoで屈曲し、さらに内径側に延びる内径部12bを備えている。そして、芯金12の嵌合部12aの先端部が薄肉に形成されると共に、この先端部を覆うようにシール部材13が回り込んで接合されてハーフメタル構造をなしている。
シール部材13はNBR等の合成ゴムからなり、芯金12の嵌合部12aの内周面を覆う基部13aと、この基部13aから径方向外方に傾斜して形成されたサイドリップ13bと、このサイドリップ13bの内径側に軸受内方側に傾斜して形成されたグリースリップ13cを備えている。シール部材13の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR、EPDM、ACM、FKM、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
スリンガ11は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて形成され、図示しない内輪の外径に圧入される円筒部11aと、この円筒部11aから径方向外方に延びる立板部11bと、この立板部11bから軸受内方側(シール板10側)に屈曲して形成された遮蔽部14とを備えている。そして、シール部材13のサイドリップ13bが立板部11bに所定の軸方向シメシロを介して摺接されると共に、グリースリップ13cが円筒部11aに所定の径方向シメシロを介して摺接されている。
ここで、スリンガ11の遮蔽部14は、立板部11bの先端部から軸受内方側に延びる第1の円筒部14aと、この第1の円筒部14aから径方向外方に延びる円板部14bと、この円板部14bから軸受外方側に延びる第2の円筒部14cを備え、断面が略コの字型に形成されている。
ここで、遮蔽部14の第1の円筒部14aと円板部14bの角部がシール板10に僅かなすきまを介して対向し、第1のラビリンスシール15が構成されると共に、第2の円筒部14cがシール板10に僅かな径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシール16が構成されている。そして、遮蔽部14(第1の円筒部14a)の幅寸法Aがサイドリップ13bの先端部の厚さBよりも大きく設定されている(A≧B)。このように、本実施形態では、スリンガ11の遮蔽部14が断面略コの字型に形成され、対向するシール板10との間に第1および第2のラビリンスシール15、16が構成されているので、外部から泥水等が浸入しても、サイドリップ13bの先端部までの浸入経路が屈曲されてその距離が長くなり、摺接部に泥水が直接入り込むのを抑制し、摺接面に介在する異物によってその表面が削り取られる、所謂アブレッシブ摩耗を防止することができる。
さらに、遮蔽部14の第1の円筒部14aがサイドリップ13bの先端部の遮蔽壁となっているので、サイドリップ13bの先端部からの泥水等の浸入を遅れせることができ、パックシールの2リップ構造による低フリクション化を図りつつ、泥水性能を高めて耐久性の向上を図った車輪用軸受1の密封装置7を提供することができる。
図3に、前述した密封装置7(図2)の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態と基本的にはスリンガの構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この密封装置17は、互いに対向配置された環状のシール板10とスリンガ18とからなるパックシールを構成している。シール板10は、芯金12と、この芯金12に一体に加硫接着されたシール部材13とからなる。
一方、スリンガ18は、フェライト系ステンレス鋼板やオーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて形成され、図示しない内輪の外径に圧入される円筒部18aと、この円筒部18aから径方向外方に延びる立板部18bを備えている。そして、この立板部18bの側面に磁気エンコーダ19が加硫接着等で一体に接合されている。この磁気エンコーダ19は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されて車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
ここで、磁気エンコーダ19は、立板部18bの先端部に回り込んで接合され、軸受内方側(シール板10側)に突出して形成された遮蔽部20を備えている。この遮蔽部20の端部がシール板10に僅かなすきまを介して対向し、第1のラビリンスシール15が構成されると共に、遮蔽部20の外径がシール板10に僅かな径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシール16が構成されている。
これにより、本実施形態では、前述した実施形態と同様、外部から泥水等が浸入しても、サイドリップ13bの先端部までの浸入経路が屈曲されてその距離が長くなるので、摺接部に泥水が直接入り込むのを抑制し、アブレッシブ摩耗を防止することができると共に、磁気エンコーダ19の遮蔽部20の幅寸法Aがサイドリップ13bの先端部の厚さBよりも大きく設定され(A≧B)、遮蔽部20がサイドリップ13bの先端部の遮蔽壁となっているので、サイドリップ13bの先端部からの泥水等の浸入を遅れせることができ、低フリクション化を図りつつ、泥水性能を高めて耐久性の向上を図ることができる。
図4に、前述した密封装置17(図3)の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態と基本的には遮蔽部の形状が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この密封装置21は、互いに対向配置された環状のシール板10とスリンガ22とからなるパックシールを構成している。スリンガ22は、フェライト系ステンレス鋼板やオーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて形成され、図示しない内輪の外径に圧入される円筒部18aと、この円筒部18aから径方向外方に延びる立板部18bを備えている。そして、この立板部18bの側面に磁気エンコーダ23が加硫接着等で一体に接合されている。この磁気エンコーダ23は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されている。
ここで、磁気エンコーダ23は、立板部18bの先端部に回り込んで接合され、軸受内方側(シール板10側)に突出して形成された遮蔽部24を備えている。この遮蔽部24は、端部内周に所定の傾斜角θからなるテーパ面24aが形成されている。このテーパ面24aの傾斜角θは、シール板10を構成する芯金12の内径部の傾斜角θoと略同一に設定され(θ=θo)、テーパ面24aがシール板10に僅かなすきまを介して対向し、第1のラビリンスシール15が構成されると共に、遮蔽部24の外径がシール板10に僅かな径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシール16が構成されている。
これにより、本実施形態では、前述した実施形態と同様、外部から泥水等が浸入しても、サイドリップ13bの先端部までの浸入経路が屈曲されてその距離が長くなるので、摺接部に泥水が直接入り込むのを抑制し、アブレッシブ摩耗を防止することができると共に、浸入した泥水がサイドリップ13bの周辺に滞留することなくこのテーパ面24aに沿って飛散し易くなり、一層泥水性能を高めて耐久性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受の密封装置は、内輪回転タイプ、外輪回転タイプの第1世代、第2世代、内輪回転タイプの第3世代、4世代構造の車輪用軸受に装着される密封装置に適用することができる。
1 車輪用軸受
2 外輪
2a 外側転走面
3 内輪
3a 内側転走面
3b 小端面
4 保持器
5 転動体
6 アウター側の密封装置
7、17、21 インナー側の密封装置
8、12 芯金
9、13 シール部材
10 シール板
11、18、22 スリンガ
11a、18a 円筒部
11b、18b 立板部
12a 嵌合部
12b 内径部
13a シール部材の基部
13b サイドリップ
13c グリースリップ
14、20、24 遮蔽部
14a 第1の円筒部
14b 円板部
14c 第2の円筒部
15 第1のラビリンスシール
16 第2のラビリンスシール
19、23 磁気エンコーダ
24a テーパ面
50 密封装置
51 スリンガ
51a、55a 円筒部
51b、55b 立板部
52 シール板
53 内輪
54 外方部材
55 芯金
56 シール部材
56a サイドリップ
56b グリースリップ
57 磁気エンコーダ
58 ラビリンス隙間
59a 最遠側摺接面
59b 最近側摺接面
A 遮蔽部の幅寸法
B サイドリップの先端部の厚さ
P シール経路
S 軸受空間
θ テーパ面の傾斜角
θo 芯金の内径部の傾斜角

Claims (4)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、
    前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、
    前記シール板が、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、
    前記スリンガが、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、
    前記スリンガの立板部の外径部に軸受内方側に延びる遮蔽部が設けられ、この遮蔽部が、前記スリンガの立板部の先端部から軸受内方側に延びる第1の円筒部と、この第1の円筒部から径方向外方に延びる円板部と、この円板部から軸受外方側に延びる第2の円筒部とからなる断面が略コの字型に形成され、前記第1の円筒部と円板部の角部が前記シール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成されると共に、前記第2の円筒部が前記シール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部が前記サイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっていることを特徴とする車輪用軸受の密封装置。
  2. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受に装着され、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、
    前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、
    前記シール板が、前記外方部材の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、合成ゴムからなるシール部材を備え、
    前記スリンガが、前記内方部材の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを備えた車輪用軸受の密封装置において、
    前記スリンガの立板部の側面に、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダが一体に接合されると共に、前記磁気エンコーダが前記立板部の先端部に回り込んで接合されて遮蔽部が構成され、この遮蔽部の端部内周に所定の傾斜角からなるテーパ面が形成され、このテーパ面の傾斜角が前記シール板を構成する芯金の内径部の傾斜角と略同一に設定されると共に、前記テーパ面が前記シール板にすきまを介して対向し、第1のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部の外径が前記シール板に径方向すきまを介して対向し、第2のラビリンスシールが構成され、当該遮蔽部が前記サイドリップの先端部の外径側に配置されて遮蔽壁となっていることを特徴とする車輪用軸受の密封装置。
  3. 前記シール部材が、前記サイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成され、前記スリンガの円筒部に所定の径方向シメシロを介して摺接するグリースリップを備えている請求項1または2に記載の車輪用軸受の密封装置。
  4. 前記遮蔽部の幅寸法が前記サイドリップの先端部の厚さよりも大きく設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受の密封装置。
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